JP2006091501A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルトニップ方式の定着装置において、透気性の低い記録材を用いてもベルトニップ内で空気や水蒸気の滞留により定着ローラからの熱伝導が阻害され光沢の低い部分ができるのを防止する。
【解決手段】圧力付与部材と分離ローラ間にて定着ニップを形成すると共にこの定着ニップの記録材搬送方向に沿う圧力分布に圧力低下域を生じさせることなく記録材分離位置にて圧力が最大となるよう構成したこと。より具体的には、ニップの記録材挟持搬送方向に沿う実質的な圧力分布が、分離ローラと定着ローラの対向する位置を圧力の最大値Pmaxとし、この最大値Pmaxの位置を原点としてニップの記録材挟持搬送方向に沿ってx軸をとり上流側を正、下流側を負とし、x軸に直交する軸に圧力軸をとり、圧力Pを位置xの関数P(x)としたときに、x<0のときdP/dx>0、x=0のときdP/dx=0、P(0)=Pmax、x>0のときdP/dx≦0、の関係式が成り立つこと。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式等の作像プロセスを利用して画像を記録材(記録シート)上に形成する複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に搭載される定着装置に関する。特にベルトを用いた定着装置に関するものである。
ベルトニップ方式の定着装置は、加熱手段により加熱され、駆動手段により回転駆動される定着ローラと、ベルト懸回部材間に懸回支持され、定着ローラと接触して回転するエンドレスベルト(以下、定着ベルトと記す)と、を有し、定着ローラと定着ベルトとの接触部である定着ニップ部で未定着トナー像を担持した記録材を挟持搬送してトナー像を熱と圧力で記録材面に定着させるものである。
ベルトニップ方式の定着装置は、定着ローラと加圧ローラとの圧接ローラ対を基本構成とするローラ定着方式の定着装置との対比において、記録材搬送方向に沿う定着ニップ部幅を定着ベルトの定着ローラに対する腹当て幅の調整により容易に大きく設定することが可能である。定着ニップ部幅を定着ローラの径に依存させずに確保できるため、定着ローラを小径、小熱容量にすることが可能となり、立ち上げ時間を短縮できる。定着ニップ部幅を広くとれるため、記録材上のトナーをより溶融でき、カラー画像形成装置などの多量のトナーを使用する画像形成装置には適した定着装置構成である。
図13は特許文献1において提案されているベルトニップ方式の定着装置の概略図である。51は回転自在に配設された定着ローラである。53はこの定着ローラ51の下側に配設したベルトユニットである。
定着ローラ51はAl・Feなどからなる芯金51a上にシリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体層51bを被覆した構成になっている。定着ローラ51の内部には、ハロゲンランプ等のヒーター58が配設されている。また、定着ローラ51には不図示のサーミスタが接触または非接触に配設されており、温度調節回路を介してヒーター58への電圧を制御することにより定着ローラ51の表面の温度調節を行っている。また、定着ローラ51には不図示のクリーニング装置及び離型剤塗布装置が取り付けられ、このクリーニング装置により定着ローラ51上にオフセットしたトナー等のクリーニングがなされていると共に、離型剤塗布装置により、離型剤であるシリコーンオイル等が定着ローラ51に塗布され、該定着ローラ51からの記録材Pの分離の容易化及びトナーのオフセットの防止が図られる場合もある。
ベルトユニット53は、可撓性のエンドレスベルトである定着ベルト52、該定着ベルト52を懸回張設させた複数のベルト懸回部材としての第1〜第3の3本のローラ55・56・57、圧力付与部材(以下、加圧パッドと記す)100等を有する。定着ベルト52はポリイミド等の樹脂またはニッケル等の金属からなる基材の表面にシリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体層を被覆した構成になっている。加圧パッド100は金属のベースプレート102上にシリコーンゴム等の弾性層101と表層にPTFEなどの低磨耗層103をそなえている。
第1〜第3のローラ55・56・57はそれぞれ回転自由に且つ略並行に軸受保持させて配設してある。第1のローラ55は定着ローラ51よりも記録材搬送方向上流側に位置させて、定着ローラ51とは非接触に離間させて配置してある。以下、この第1のローラ55を入口ローラと記す。第2のローラ56はSUS等の金属からなり、加圧ローラとして不図示の加圧手段により定着ベルト52を挟んで定着ローラ51に対して弾性体層51bの弾性に抗して所定の押圧力で圧接させてある。この第2のローラ56は定着ベルト52の定着ローラ51に対する分離部を形成している。以下、この第2のローラ56を分離ローラと記す。第3のローラ57は入口ローラ55と分離ローラ56の間の下方に配設してあり、定着ベルト52のテンションローラとして機能させている。以下、この第3のローラ13をテンションローラと記す。
加圧パッド100は、定着ベルト52の内側で、入口ローラ55と分離ローラ56との間の分離ローラ寄りに位置させて配設してある。この加圧パッド100は不図示の加圧機構により定着ベルト52を介して定着ローラ51に対して所定の押圧力で圧接させている。上記の分離ローラ56と加圧パッド100とが定着ベルト52を介して定着ローラ51に対して圧接することで、定着ローラ51と定着ベルト52との接触部である定着ニップ部Nが記録材搬送方向において幅広に形成される。aとbは定着ニップ部Nに記録材が進入するニップ入口と記録材が出るニップ出口である。
定着ベルト52は定着ローラ51の矢印方向の回転駆動に従動して定着ニップ部Nにおける定着ローラ51と定着ベルト52との接触摩擦力で矢印方向に回転する。またこの定着ベルト52の回転に従動して、該定着ベルト52を懸回張設している、入口ロ−ラー55、分離ローラ56、テンションローラ57が回転する。
定着ローラ51が回転駆動され、これに従動して定着ベルト52が回転し、ヒーター58への通電により定着ローラ51が加熱され、定着ローラ51が所定の定着温度に立ち上って温調されている状態において、ベルトユニット53の入口ローラ55側から未定着トナー像tを担持した記録材Pが画像面上向きで定着ニップ部Nのニップ入口aに導入される。定着ニップ部Nに導入された記録材Pは定着ローラ51と定着ベルト52との間に挟持されて搬送されていく。この記録材Pの定着ニップ部Nにおける挟持搬送過程で、記録材Pの未定着トナー像面が定着ローラ51の表面に密着して定着ローラ51の熱により未定着トナー像tが溶融されかつ定着ニップ部Nの圧により記録材Pに押し付けられて永久固着像として定着される。
そして、分離ローラの硬度を定着ローラの硬度よりも高くすることで、記録材Pは定着ニップ部Nのニップ出口bにおいて定着ローラ51の弾性体層51bに対する分離ローラ56の食い込み(侵入)により定着ローラ51の表面から自然に曲率分離されて排出搬送されていく。すなわち、SUSなどの金属からなる分離ローラ56を定着ベルト52を介して定着ローラ51の弾性体層51bに食い込むように加圧することにより定着ローラ51の弾性体層51bを変形させ記録材Pを定着ローラ51表面から分離させている。
以上のように定着ローラ51と定着ベルト52・分離ローラ56・加圧パッド100によって定着ニップ部Nを形成すると定着ローラ51の外周に巻きつくように幅広いニップを形成することが可能なる。このときの定着ニップ部Nの記録材搬送方向に沿う圧分布例は図14のグラフAのようになる。
グラフBは、従来のローラ定着方式の定着装置の定着ニップ部の圧分布例である。
グラフCは、従来のローラ定着方式の定着装置において、定着ローラの外径をなるべく大きくしないでニップ幅を広げるために、定着ローラの弾性体層を厚くし、かつ加圧ローラとの加圧力をアップして弾性体層の変形量を多くした場合の定着ニップ部の圧分布例である。
ベルトニップ方式の定着装置は、ニップ幅W1がローラ定着方式の定着装置のニップ幅W2よりも大幅に広くすることができる点でメリットがあり、ローラ定着方式の定着装置のニップ幅W3はグラフBのニップ幅W2よりも多少広くなるが、ニップ幅を広げる効果は小さく、弾性体層が厚いことで熱容量が大きくなり省エネに対して不利になってしまう。
ベルトニップ方式の定着装置はグラフAの定着ニップ部の圧分布からわかるように、分離ローラ56と加圧パッド100の間は、図13に示すように離れているもののその間の圧力はゼロではなく、定着ベルト52の張力により実質的に圧力が連続的につながっている。
このベルトニップ方式の定着装置は、前述のメリットの他、幅広い定着ニップ部Nを形成してピーク圧力を下げることで、定着ローラ51のゴム変形を少なくすることで寿命を延ばしたり、定着温度を下げることで省エネになったりとメリットは多くある。
特開平11−045025号公報
しかし、上記のようなベルトニップ方式の定着装置は記録材種(記録材の種類)の対応性については有利とは限らない。
例えば、従来の定着ローラと加圧ローラとのローラ対からなるローラ定着方式では、普通紙や薄紙よりも厚紙では定着速度を遅くしたり、定着温度を上げたりすることで与える熱量を増加させている。このため、厚紙のときに定着速度を遅くすることで定着性は維持するものの生産性は大きく低下したり、定着温度を変更することで定着温度の切替時間が発生しやはり生産性が低下したりしていた。また、ローラ対間の加圧力を可変としてニップ幅を可変とし、幅広い記録材種に最適に熱量を付与しようとする構成も提案されている。
前記ベルトニップ方式でも、薄紙から厚紙まで対応しようとするとローラ定着方式と同様に、記録材に応じて最適に与える熱量を可変とする対応が必要となる。しかし、定着速度や定着温度の変更は生産性の低下につながり、ベルトニップ方式で分離ローラ56や加圧パッド100の定着ローラ51に対する加圧力を可変としても、そもそもニップが広いためニップ幅の変化率はローラ定着方式に対して小さいという問題点がある。
また、印刷用のコート紙などの透気性の低い紙をベルトニップ方式の定着装置に対応させようとすると、特許文献1に記載のように、従来のローラ定着方式には無い次のような問題がある。
すなわち、特許文献1によれば、シート材料(記録材)としてコート紙等の透気性の低い用紙を用いた場合、ベルトニップ内の空気の膨張や水蒸気の発生による画像乱れが発生する。この原因については、コート紙等の透気性の低い用紙上の未定着トナー像を定着する場合、未定着トナー層内に存在している空気はニップ内の圧力の低い部分、つまり加圧パッドと分離ローラとの境界領域に滞留する。この空気が部分的にシートと定着ローラとに界面に空隙を生じさせるとともに、完全に定着が完了していないトナー像を乱してしまうというものである。
普通紙の場合は透気性が大きいため、トナー層内に存在している空気は容積の大きい多孔質体である普通紙内部に保持されるか、または通過して逃げてしまうので、画像乱れの発生は少ないと考えられる。普通紙とコート紙の画像乱れの発生状況を、加圧パッドの荷重および定着ローラの温度をほぼ一定として比較すると、コート紙の方が画像乱れが起きやすく、またコート紙の中でも透気度の小さい方が画像乱れが発生しやすいというものである。
以上のような問題点に対し、特許文献1では、加圧パッドの圧力分布をニップ入口a側では低く、そして下流側に行くに従って圧力が上昇し、「加圧パッドの下流側」で最大圧力となるように設定することによって、コート紙の画像乱れを防止しようとするものである(図14のグラフA参照)。つまり、加圧パッド100と分離ローラ56との境界領域の圧力の低い部分(圧力低下部)A´はあっても、加圧パッド100の圧力分布を前述のようにすることでトナー層内部から脱気された空気は圧力の低い方、つまりニップ入口a側に向かって流れ、大気中に逃げていくことになるため、加圧パッド100と分離ローラ56との境界領域の圧力の低い部分A´に空気は滞留しないと説明している。
しかし本発明者が前述の特許文献1に記載の構成でコート紙を定着すると、画像のニジミやズレ、乱れは発生しないが、図15のようなベタ画像上につらら状の光沢の低い部分(モヤ、以下、光沢ムラと記す)が発生するという新たな問題が発生した。
この原因について本発明者は以下のような仮説をたてている。それは、コート紙等の透気度の低い記録材上の未定着トナー像を定着する場合、未定着トナー層内に存在している空気はニップ内の圧力の低い部分、つまり加圧パッド100と分離ローラ56との境界領域に滞留する。この空気が部分的に記録材と定着ローラとに界面に空隙を生じさせるとともに定着ローラから記録材への熱伝導を阻害し、空気の滞留部と非滞留部で該熱伝導が異なることで光沢が異なるという現象である。
さらに、上記のようなベルトニップ方式の定着装置の別の問題点として、定着ニップ部幅を広くすることで、薄紙では過定着によるホットオフセットや分離不良が発生し、また、厚紙では定着性が不十分となり、ベタ画像定着後の記録材を折り曲げるとトナー層が剥がれたりする問題も発生した。
そこで本発明はベルトニップ方式の定着装置における上記のような問題点を解消することを目的とする。すなわち、使用する記録材が画像不良の最も発生しやすいコート紙である場合においても画像不良の発生を防止すること、生産性を維持しつつ記録材の適用範囲を拡大させて、該定着装置を備えた画像形成装置の商品性を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、定着回転体と、この定着回転体との間でトナー像が形成された記録材を挟持搬送するベルトと、このベルト裏面と摺動自在に設けられ定着回転体に向けてベルトに圧力を付与する圧力付与部材と、記録材分離位置にてベルト裏面を支持する分離ローラと、を有する定着装置において、圧力付与部材と分離ローラ間に形成された定着ニップの記録材搬送方向に沿う圧力分布に圧力低下域を生じさせることなく記録材分離位置にて圧力が最大となるよう構成したことを特徴とする。
また、他の本発明は、定着回転体と、この定着回転体との間でトナー像が形成された記録材を挟持搬送するベルトと、このベルト裏面と摺動自在に設けられ定着回転体に向けてベルトに圧力を付与する圧力付与部材と、を有する定着装置において、
定着ニップの記録材搬送方向に沿う圧力分布を変更するため圧力付与部材を記録材搬送方向一端側の位置を回動中心として回動自在に構成したことを特徴とする。
上記の本発明に係る定着装置によれば、定着ニップ内で空気が滞留するのを抑制することにより画像不良の発生を防止することができる。
従って、透気性の低い記録材を用いても、定着ニップ内で空気や水蒸気の滞留により定着回転体からの熱伝導が阻害され光沢度の低い部分が生じてしまうのを防止することができる。
つまり、圧力分布をニップ入口側では低く、そして下流側に行くに従って圧力が上昇し、圧力付与部材の下流側で最大圧力となるように設定しても、圧力付与部材と加圧ロールとの境界領域の圧力の低い部分があると、トナー層内部から脱気され、圧力の低い方、つまりニップ入口側に向かって流れ、大気中に逃げることができなかった空気が、圧力付与部材の下流の最大圧力部を乗り越え、圧力付与部材と加圧ロールとの境界領域の圧力の低い部分に滞留してしまう場合があることがあるため、圧力付与部材と加圧ロールとの境界領域の圧力の低い部分がある定着ニップの圧分布ではコート紙に対応できない場合があるということである。
また、上記の本発明に係る定着装置によれば、多種多様な記録材に対し最適な定着ニップの圧力分布を形成することができる。
従って、薄紙の高温オフセットや厚紙の定着不良を防止することができ、生産性を維持しつつ記録材の適用範囲が拡大し、商品性の高い定着装置を提供することができる。
後述するように、本発明では、定着時、ベルトを支持・張架するローラと定着回転体がベルトを介して互いに圧接するように構成している。
これは、定着速度が低速の時や、高湿環境下において記録材としての紙からの水蒸気により定着回転体とベルト間の摩擦力が低下したり、紙上のトナー載り量が多い場合にトナーが溶融したときに上記摩擦力が低下したりして、ベルトが定着回転体に適正に従動せずにスリップし、これが原因で画像ズレが発生してしまうことを防止するため、定着時にベルトが定着回転体により安定して従動回転するように構成するためである。このような現象は、紙表面を樹脂にてコートしたコート紙では顕著であり、微小なスリップであっても画像ズレが目立ちやすい。
そして、ベルトを介して定着回転体に圧接する上述のローラにより、定着回転体の弾性層を凹ませて記録材の分離性(曲率分離)を向上させる観点から、定着回転体に圧接する上述のローラを分離ローラとして使用するのが好ましい。
以上の点を鑑みつつ、記録材搬送方向に沿う定着ニップ長を確保するため、本例では、分離ローラと圧力付与部材を用いて所望の定着ニップを形成する構成としている。
その際、課題の欄にて説明したように、この定着ニップの記録材搬送方向に沿う圧力分布をどのようにするかが重要なファクターとなっている。
以下、本発明に係る実施例について具体例に説明する。なお、後述の実施例は本発明に係る最良の実施の形態の一例ではあるものの、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
図2は本実施例におけるベルトニップ方式の定着装置の概略構成図である。前述した図13のベルトニップ方式の定着装置と共通する構成部材・部分には同一の符号を付して再度の説明を省略する。
定着回転体としての定着ローラ51は、内径φ37.8mm、外径φ38.4mm、肉厚0.3mmのFeからなる芯金51a上に、弾性体層51bとしてシリコーンゴムを肉厚0.5mmで成形し、さらにその表面に離形層として30μm厚みのPFAチューブを被覆された構成とされており、外径φが40mmとされている。
エンドレスベルトである定着ベルト52は、厚み100μmポリイミド基層に、シリコンゴム層を厚み0.5mmで被覆された構成とされており、外径φが90とされている。
この定着ベルト52は、入口ローラ55、分離ローラ56、テンションローラ57の3本のローラに支持・張架されている。
入口ローラ55は、定着装置の記録材が進入してくる入口側に設置されており、記録材の搬送路を変更しないよう位置が固定されている。テンションローラ57は、定着ベルト52に所定のテンションを与えるよう付勢手段としてのバネにより付勢されている。
分離ローラ56は、定着ローラ51と定着ベルト52との間で形成され且つ記録材を挟持搬送し定着するための定着ニップ部の最下流位置を規定すべく、定着ベルト52から記録材を分離する位置に設けられており、SUS製の中実ローラとされている。
また、分離ローラ56は、定着ベルト52を介して定着ローラ51に食い込むように加圧するように設置されており、この加圧力により定着ローラ51の弾性体層51bが変形するように構成されている。なお、本例では、分離ローラ56は、外径φ15mm、定着ローラへの総圧が392N(40kg)となるように設定されている。
圧力付与部材である加圧パッド100は、図3の(a)に示すように、ベースプレート102の表面に、弾性層101と、低摩擦層103および104とを積層することにより構成されており、ベースプレート102の裏面側より図2の矢印方向へ付勢手段としてのバネによって定着ローラ51に向けて押圧されている。
図16に分離ローラ56および加圧パッド100を定着ローラ51にむけて加圧する加圧構成をしめしている。分離ローラは記録材通紙域の外側で分離ローラ支持板金70によりベアリングを介して回転可能に支持されている(以後、手前側のみ図示、奥側は省略)。加圧パッドも同様に、記録材通紙域の外側で加圧パッド支持板金71により支持されている。分離ローラ支持板金70、加圧パッド支持板金71は各々独立に底板72に対して図中の加圧バネによりバネ付勢されている。バネ長は分離ローラ、加圧パッド、各々奥側、手前側で独立に調整可能であり、加圧力が不均一とならないよう調整可能となっている。
上記加圧パッド100は、弾性層101が設けられていることにより、低摩擦層103の定着ベルト52と摺動する摺動面が定着ローラ51の外周面と整合可能になっている。すなわち、一定以上の荷重によって加圧パッド100を定着ローラ51に向けて押圧すれば、弾性層101が変形し、低摩擦層103の摺動面が定着ローラ51の外周面(曲率)に沿った形状に変形するようになっている。
したがって、加圧パッド100がバネによって図2の矢印方向へ定着ベルト52を介して定着ローラ51に押圧されると、定着ベルト52は定着ローラ51に隙間なく圧接される。本例では、加圧パッド100に総圧558N(60kg)の加圧を行った。このため加圧パッド100の558Nと分離ローラ56の392Nで総圧980N(100kg)の加圧力となる。
ベースプレート102は、厚さ5mmのステンレス鋼製の部材であり、後端部102a(記録材搬送方向下流側)が弾性層101をバックアップするように定着ローラ51と分離ローラ56の圧接部に向かって楔形状を為している。
ベースプレート102の後端部102aが記録材分離位置の極近傍にまで設けられた弾性層101をバックアップすることで、定着ニップ部Nにおいて加圧パッド100と分離ローラ56間の圧力分布に圧が低下してしまう部分を無くし、図4のような連続的な圧力分布を形成している。W1は定着ニップ部Nのニップ入口aからニップ出口b(記録材分離位置)までのニップ幅である。
弾性層101は、ゴム硬度Hs30°のシリコーンゴムより構成されており、定着ベルト52の搬送方向に行くにしたがいベースプレート102よりも徐々に拡大するように構成されている。本例では半径16mmの曲率をもつ形状とし、ニップ入口部でベースプレート102に平行な直線に接する形状となっている。ニップ入口部のゴム厚みは3mm、周長は20mmとした。
この弾性層101は、加圧パッド100によるベルトニップ域を分離ローラ56のニップ域の近傍に近づけるために、弾性層101の分離ローラ56側の部分101aが三角形状になっている。これは、加圧パッドの記録材搬送方向下流端の形状を分離ローラとベルトにより分離ニップ部近傍で形成される空隙部の形状(楔状)に実質的に対応させるためである。
この三角形状の下側(分離ローラ56との対面側)には低摩擦層104が設けられ、図3の(b)のように分離ローラ56と摺擦部Fを形成している。
このように、弾性層101が分離ローラと分離ニップ直前にて摺擦するように配置して、この弾性層101の摺擦部Fが定着時に分離ローラの回転に伴って受ける力を利用することにより、弾性層101(三角形状部101aの先端部分)が定着ローラと定着ベルト間に形成された楔状の空隙部にさらに進入し記録材分離位置へ可能な限り近付くように構成することができる。
三角形状部101aの先端部分は、分離ローラ56と定着ローラ51の対向位置の極近傍に至るまで延長されており、この部分が分離ニップ直前で分離ローラ56と定着ローラ51に挟まれて弾性変形することで、加圧パッド100と分離ローラ56間での定着ニップ部の圧力分布に記録材搬送方向に進むに連れて圧が低下する領域が生じてしまう、といった従来の問題を防止している。
本例の低摩擦層103・104は、繊維状に編み込まれたガラス繊維をPTFEにてコーティングしたガラスクロスシートにより構成されており、摺動面には潤滑材としてシリコンオイルが塗布されている。
本発明者の検討の比較例として、図5の(a)のようにベースプレート102の上記バックアップ部102aや低摩擦層104がない加圧パッド100を用いた。
図5の(b)に示すように加圧パッド100と分離ローラ56間が離れていて摺擦部が無いものである。このような構成による比較例では図14のグラフAのように圧力低下部A´がある定着ニップの圧力分布となる。その他の部材、条件等は実施例と同一の条件である。
比較例1では、定着ローラ51と分離ローラ56との対向位置(記録材分離位置)と、加圧パッド100の分離ローラ側の端部位置との距離d(mm)をd=6mm、比較例2ではd=4mm、本実施例1ではd=2mmとした。なお、d<1mmでは、組立て公差などを考慮すると、分離ローラと定着ローラによるニップ(「分離ニップ」と称する)に加圧パッドが進入してしまい、ベルトの従動回転が適正に行われなくなったり、記録材搬送方向に沿う分離ニップ長が短くなって記録材の分離性が低下する可能性があるので好ましくない。
従って、本例では、後述するように、距離d(mm)について、1≦d≦2を満足するように設定している。
以上の実施例1、比較例1、2の定着ニップ部の記録材搬送方向に沿う圧力分布をニッタ株式会社製のタクタイルセンサシステムを用いて測定した。タクタイルセンサシステムは薄いフィルム上に圧力センサ素子が2次元配置されており、記録材搬送方向(定着ベルト搬送方向)に1.0mmピッチ、記録材搬送方向と直交する方向に6.6mmピッチの測定が可能である。以下に示す定着ニップの圧力分布は記録材搬送方向と直交する方向(定着ベルトの幅方向)のセンサ素子の圧力を積算したものである。
この測定装置で実施例1、比較例1、2の定着ニップ圧力分布を測定すると、実施例1は図6の構成で図4に示すような定着ニップ部の圧力分布が得られ、比較例1は図7の(a)の構成で図7の(b)に示すような定着ニップ部の圧力分布が、比較例2では図8の(a)の構成で図8の(b)に示すような定着ニップ部の圧力分布が得られた。
なお、上述の圧力分布のグラフは、タクタイルセンサシステムにて測定されたデータに基づいて補間処理を行った結果を示しており、本例では測定誤差に起因した測定データの振れは「圧力低下部」とは呼ばないことにする。
分離ローラ56と加圧パッド100の間の圧力が、比較例1では大きく低下しており、比較例2では比較例1よりも程度が小さいながらも圧が低下しており、先の課題の欄で述べた不具合が生じてしまった。一方、実施例1の構成では記録材搬送方向に進むに連れて圧力が低下してしまう圧力低下部が実質的に生じることが無く、先の課題の欄で述べた不具合が発生するのを防止することができた。
以上のような実施例1、比較例1、2の定着装置で以下のような比較実験を行った。
定着条件は、定着ローラ51の表面温度を170℃に温調、定着ベルト52の表面温度を100℃〜150℃まで振り、プロセススピードは300mm/secとした。通紙する記録材および未定着トナーの条件は、透気度45秒の普通紙(坪量:64g/m)、透気度1000秒の樹脂コート紙(坪量:105g/m)、透気度20000秒の樹脂コート紙(坪量:148g/m)に各々ベタ画像を形成してこれを定着したところ、光沢ムラの発生状況は表1のような結果となった。透気度の測定方法はJIS P8111に記載されている。なお、本例では、入口ローラ55内にヒーターを設置し、このヒーターへの通電量を制御することにより定着ベルトの表面温度を制御している。
なお、定着ベルト52についての上記の表面温度の変更手段は100℃〜150℃まで振れれば手段は上記の手段でなくても構わない。例えば、以下のような手段もある。定着ローラと定着ベルトが接離可能に構成され、独立に温度制御する。この状態で、定着ローラと定着ベルトを接触させ、直ぐに通紙することで所望の表面温度にすることが可能となる。また、定着ベルトの温度制御は、上記のように入口ローラ55にヒーターを内臓してもよいし、定着ローラと定着ベルトの接離を制御して定着ローラから熱を受けて所望の表面温度にすることも可能である。
○:光沢ムラが定着ベルト温度100〜150℃で発生しない
△:光沢ムラが定着ベルト温度100〜150℃の一部の温度領域で発生する
×:光沢ムラが定着ベルト温度100〜150℃のほぼ全域で発生する
表1の結果より、普通紙64g/mでは、実施例1、比較例1、2の全ての定着装置において光沢ムラは発生していないが、比較例1ではコート紙1で△レベル、コート紙2では×レベルとなった。比較例2ではコート紙1で○レベル、コート紙2で△レベルと、比較例1よりもレベルが良くなっている。実施例1ではコート紙1、コート紙2においても、光沢ムラは発生していないという結果となった。
以上から、比較例1→2のように、分離ローラ56と加圧パッド100の間の圧力の低下部分が小さいほど光沢ムラの発生レベルは良くなり、実施例1のように、分離ローラ56と加圧パッド100の間の圧力の低下部分が実質的に無い場合は光沢ムラ(モヤ)は発生しなくなることが判った。
次に、本発明者が検討した比較例1、2の定着装置での空気の滞留を示唆する実験結果を示す。
図9は空気の滞留跡を観察したものを表した図で、ベタの未定着トナーを載せた記録材を、定着装置に通紙中に停止させたもので図の上側が定着済み部、下側が未定着部である。その間の定着ニップ通過中の跡が定着装置を通紙中に停止させたことで過熱気味となり高温オフセットとなっている。この高温オフセット部で圧力付与部材部(加圧パッド部)、分離ローラ部、圧力付与部材部と分離ローラ部間の高温オフセットが軽微な部分がそれぞれ観察できる。つらら状の光沢ムラの下流で、かつ、圧力付与部材部と分離ローラ間の低圧力部に空気滞留の跡が見られる。滞留した空気は定着ローラと記録材の間にあり、定着ローラから記録材に熱伝導が無いため、高温オフセットが発生していないことがわかる。
以上の2つの実験結果から、定着ニップ内に圧力が低下している部分があると、光沢ムラが発生してしまうと考えられる。
このことから、定着ニップ部の記録材搬送方向に沿う圧力分布は図1に示すようなプロファイル、即ち、記録材搬送方向下流側に行くにしたがい圧力が低下してしまうことなく、圧力が最大となる記録材分離位置に向けて徐々に圧力が増大していくように構成するのが好ましいことが言える。なお、記録材分離位置(分離ニップ)にて圧力が最大となるように設定するということは、加圧パッドが分離ニップに進入しないことを意味している。そして、このような設定により、記録材上のトナー画像を十分に加熱溶融させた後、このトナー画像を圧力により平滑にさせることができるので光沢性が良好な画像を得ることができ、そして、記録材の分離性並びに定着ベルトの定着ローラによる従動回転性を格段に向上することができるのである。
図1の座標は、横軸に定着ニップの位置x、縦軸に定着ニップの圧力Pをとり、原点は圧力が最大となる分離ローラ56と定着ローラ51の対向する位置(記録材分離位置)とし、圧力Pを位置xの関数P(x)としている。定着ニップの入口側(上流側)をx>0、定着ニップの出口側(下流側)をx<0としている。本例の実験結果から圧力低下部がない定着ニップ圧分布が必要であることが判ったためx>0のとき、圧分布曲線の傾きが負または0であればよいため、次のように表すことができる。
x>0のとき dP/dx≦0
また、分離ローラ定着ローラの対向する位置x=0のときは、
x=0のとき dP/dx=0、P(0)=Pmax
となる。ここで、Pmaxは定着ニップ内の圧力の最大値である。また、x<0のときは、圧分布曲線の傾きが負であればよいので、
x<0のとき dP/dx>0
となる。
本例では、圧力付与部材である加圧パッド100と分離ローラ56間の圧力低下を防止するために、図2・図3のように、加圧パッド100の弾性層101の後端部101aを記録材分離位置近傍に形成される空隙部の形状に対応した三角形状とし、ベースプレート102の後端部にバックアップする部分102aと低摩擦層104を設けたが、最良の実施の形態の一例ではあるものの、本発明はこの構成により限定されるものではなく、例えば、図3(c)のように、バックアップする部分を加圧パッド先端側に延長し、加圧パッドの弾性層と分離ローラを非接触とすることで、分離ローラの回転負荷を減らせる場合もある。また、バックアップする部分は図3(d)のように、ベースプレートと別部材であってもよい。または、図3(e)のように、ベースプレートが加圧パッド上面のR形状と同じようにR形状を成しており、ゴム層を薄くすることでゴム部の劣化による耐久性の低下を防止することが可能な場合もある。
以上説明したいずれの場合においても、図1に示すような定着ニップの圧力分布が形成されることで本例と同等の効果が得られると考えられる。
以上説明したように、本例によれば、圧力分布をニップ入口側では低く、そして下流側に行くに従って圧力が徐々に増大し、分離ローラの下流側で最大圧力となるように設定しても、加圧パッドと分離ローラ間の境界領域の圧力の低い部分があると、記録材上のトナー層内部から脱気され、圧力の低い方、つまりニップ入口側に向かって流れ、大気中に逃げることができなかった空気が加圧パッドと分離ローラとの境界領域の圧力の低い部分に滞留し、これが原因で光沢ムラ、即ち、画像不良が発生してしまう場合があったが、本例によればこれを防止することができる。
従って、多種多様な記録材に対し良好に定着処理を施すことができる定着装置を提供することができる。
本発明にかかる定着装置の実施例2について説明する。なお、次の説明では前出の部材と同一の部材には同一の符号を付してある。
本実施例では、圧力付与部材である加圧パッド100の定着ローラ51に対する圧接角度を可変とし、もって該加圧パッド100および分離ローラ56の定着ニップ部に作用する圧力分布を可変とする。
図10に通紙使用する記録材の種類に応じて加圧パッド100を回転させて圧接角度を変更する構成例を示した。加圧パッド100は支持部材105により支持され、該支持部材105は加圧パッド100の分離ローラ側の端部を軸Aとし、該軸Aを中心として回転可能となっている。支持部材105の上流下方(記録材搬送方向上流側下方)は偏芯カム106により支持され、偏芯カム106が軸106aを中心に回転されることで加圧パッド100を支持させた支持部材105が軸Aを中心に回転して、定着ニップ部Nの記録材搬送方向に沿う圧力分布が可変となる。
実施例1の加圧パッド100の角度を中心設定(標準設定:図6、図4)とし、薄紙モード時(記録材として薄紙を通紙使用する時)には図11の(a)のように角度を加圧パッド100の下流端部を中心に1°時計回りに回転して、図11の(b)ような定着ニップの圧分布を得ている。すなわち、薄紙モード時はホットオフセット対策のために中心設定より角度をつけて片当たりとしニップを減らす。また厚紙モード時(記録材として厚紙を通紙使用する時)には図12の(a)ように角度を加圧パッド100の下流端部を中心に1°反時計回りに回転して、図12の(b)のような定着ニップの圧分布を得ている。すなわち厚紙モード時は定着性維持のため加圧パッドのニップ入口側を上げて加圧力を像化させる。圧分布は加圧パッドと分離ローラ部間の圧力低下部分を無くしたまま加圧パッド100の角度を可変とする。加圧パッド100と分離ローラ56からなるトータルニップ長W1は中心設定(図6、図4)および厚紙モード時(図12)は約23mm、薄紙モード(図11)は約17mmとなった。中心設定および厚紙モード時のトータルニップ長は略同じだが、厚紙モード時はより加圧力を上げて総圧1176N(120kg)としているため定着性の向上が見込める。薄紙時の総圧は784N(80kg)とした。
本実施例においては、中心設定で坪量81〜200g/mの記録材を通紙使用する。薄紙モード時は坪量81g/mよりも小さい記録材を通紙使用する。薄紙モード時は坪量64g/mよりも大きい記録材を通紙使用する。通紙使用する記録材の紙種情報はマニュアルの選択設定手段あるいは自動検知手段112によりコントローラ111に入力される。コントローラ111は入力した紙種情報に基づいて、偏芯カム駆動機構113を動作させて、加圧パッド100の角度を、中心設定状態(図6、図4)、あるいは薄紙モード時状態(図11)、あるいは厚紙モード時状態(図12)に切り換える。
以上の構成で以下の比較実験を行った。定着条件は、定着ローラ51の表面温度を170℃に温調、定着ベルト52の表面温度を100℃〜150℃まで振り、プロセススピードは300mm/secとした。通紙する記録材の条件は、普通紙64g/m、コート紙80g/m、コート紙148g/m、コート紙300g/m、普通紙300g/mとした。未定着トナーの条件は、光沢ムラ用は100%デューティーのベタ画像を、高温オフセット用は30%デューティーのハーフトーン画像を、定着性用は210%デューティーのベタ画像をそれぞれ形成した。加圧パッド100の角度を紙種に対して固定である実施例1の構成と、紙種に応じて加圧パッド100の角度を可変する実施例2の構成を比較した。
この条件で各定着装置に各記録材を定着したところ、光沢ムラ、高温オフセット、定着性の発生状況は表2のような結果となった。
*1:薄紙モード−図11の構成・ニップ圧分布
*2:厚紙モード−図12の構成・ニップ圧分布
○:光沢ムラ/高温オフセット/定着性NGが定着ベルト温度100〜150℃で発生しない
×:光沢ムラ/高温オフセット/定着性NGが定着ベルト温度100〜150℃のほぼ全域で発生する。
表2の結果より、実施例1、2共に、光沢ムラは発生しなかった。このことから圧力付与部材部である加圧パッド100と分離ローラ56間に低圧力部が無いように設定されているので、ニップ内の加圧パッド100と分離ローラ56との境の部分に空気が滞留することがなく前記光沢ムラは防止することができたと考えられる。
高温オフセットは、実施例1では普通紙64g/m、コート紙80g/mでは発生しているが、実施例2では発生していない。このことから、実施例1では定着ニップが長いことで、過定着となり高温オフセットが発生していると考えられる。実施例2では定着ニップ幅を減らしており、紙が熱量を受ける時間が短くなることで過定着を防止し、高温オフセットの発生を防止していると考えられる。
定着性は、実施例1でコート紙300g/m、普通紙300g/mで不良が発生しており、実施例2ではコート紙300g/m、普通紙300g/mともに良好だった。
定着性は、定着後の紙を折り曲げて、トナー層が剥がれるかどうかで判断している。このことから、実施例1では加圧力不足による定着不良が発生していると考えられ、実施例2では加圧力を上げているため定着不良が発生しなかったと考えられる。
以上のように、実施例1で定義した定着ニップの圧力分布のプロファイル(図1)を維持したまま、実施例2のように記録材の種類に応じて圧力付与部材である加圧パッド100の角度を変更することで、定着ニップ幅W1が可変となり、各記録材に最適に熱、圧力を付与することができ、光沢ムラも防止できる。本定着ニップ圧分布可変方式では、前述したようなニップ幅固定で温度やプロセススピードを変更する方式にくらべて生産性の点で優れている。また、圧力付与部材である加圧パッド100の角度をリアルタイムに変更すれば、1ジョブ中に複数種の記録材に画像形成することも可能となり、本例の定着装置を採用した画像形成装置の商品性は大幅に向上することとなる。
定着ニップ部の記録材搬送方向に沿う圧力分布(プロファイル)を示す図である。 実施例1の定着装置の構成を示す説明図である。 加圧パッドの構成説明図である。 定着ニップの圧力分布を示す図である。 比較例における加圧パッドの構成説明図である。 実施例1における加圧パッドの設定状態図(d=2mm)である。 比較例1における加圧パッドの設定状態図(d=6mm)と、定着ニップ圧分布の説明図である。 比較例2における加圧パッドの設定状態図(d=4mm)と、定着ニップ圧分布の説明図である。 つらら状光沢ムラの原因となる空気の滞留を説明する図である。 実施例2の加圧パッドの角度を変更する構成の説明図である。 薄紙モード時の加圧パッドの角度切り換え状態図と、定着ニップ圧分布の説明図である。 厚紙モード時の加圧パッドの角度切り換え状態図と、定着ニップ圧分布の説明図である。 従来例の定着装置の構成を示す説明図である。 従来例のローラ定着方式の定着装置とベルトニップ方式の定着装置の定着ニップの圧力分布を比較する説明図である。 画像不良のつらら状光沢ムラを説明する図である。 分離ローラおよび加圧パッドを定着ローラにむけて加圧する加圧構成の説明図である。
符号の説明
51:定着ローラ、52:定着ベルト(エンドレスベルト)、56:分離ローラ、58:ハロゲンヒーター、100:圧力付与部材(加圧パッド)、101:弾性層、102:ベースプレート、103、104:低摩擦層、P:記録材

Claims (7)

  1. 定着回転体と、この定着回転体との間でトナー像が形成された記録材を挟持搬送するベルトと、このベルト裏面と摺動自在に設けられ定着回転体に向けてベルトに圧力を付与する圧力付与部材と、記録材分離位置にてベルト裏面を支持し回転する分離ローラと、を有する定着装置において、
    圧力付与部材と分離ローラ間にて定着ニップを形成すると共にこの定着ニップの記録材搬送方向に沿う圧力分布に圧力低下域を生じさせることなく記録材分離位置にて圧力が最大となるよう構成したことを特徴とする定着装置。
  2. 上記記録材搬送方向に沿う定着ニップの圧力分布が上記記録材分離位置に向けて圧力が徐々に増大するよう構成したことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 上記圧力付与部材の記録材搬送方向下流端が上記記録材分離位置から2mm以内の位置となるよう設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 上記圧力付与部材の記録材搬送方向下流端の形状を上記分離ローラと上記ベルトにて形成される空隙部に実質的に対応した形状とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 定着回転体と、この定着回転体との間でトナー像が形成された記録材を挟持搬送するベルトと、このベルト裏面と摺動自在に設けられ定着回転体に向けてベルトに圧力を付与する圧力付与部材と、を有する定着装置において、
    定着ニップの記録材搬送方向に沿う圧力分布を変更するため圧力付与部材を記録材搬送方向一端側の位置を回動中心として回動自在に構成したことを特徴とする定着装置。
  6. 記録材分離位置にてベルト裏面を支持する分離ローラを有し、上記圧力付与部材と上記分離ローラ間に形成された定着ニップの記録材搬送方向に沿う圧力分布を変更するため上記圧力付与部材を上記分離ローラ側の位置を回動中心として回動自在に構成したことを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 上記圧力付与部材の回動を記録材の種類に応じて制御することを特徴とする請求項5又は6に記載の定着装置。
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