JP2005077834A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

定着装置および画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005077834A
JP2005077834A JP2003308972A JP2003308972A JP2005077834A JP 2005077834 A JP2005077834 A JP 2005077834A JP 2003308972 A JP2003308972 A JP 2003308972A JP 2003308972 A JP2003308972 A JP 2003308972A JP 2005077834 A JP2005077834 A JP 2005077834A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing
belt
roll
pressure
fixing device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003308972A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Uehara
康博 上原
Motofumi Baba
基文 馬場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2003308972A priority Critical patent/JP2005077834A/ja
Priority to US10/816,912 priority patent/US7155154B2/en
Publication of JP2005077834A publication Critical patent/JP2005077834A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2017Structural details of the fixing unit in general, e.g. cooling means, heat shielding means
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2053Structural details of heat elements, e.g. structure of roller or belt, eddy current, induction heating
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G2215/00Apparatus for electrophotographic processes
    • G03G2215/20Details of the fixing device or porcess
    • G03G2215/2003Structural features of the fixing device
    • G03G2215/2009Pressure belt
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G2215/00Apparatus for electrophotographic processes
    • G03G2215/20Details of the fixing device or porcess
    • G03G2215/2003Structural features of the fixing device
    • G03G2215/2016Heating belt
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G2215/00Apparatus for electrophotographic processes
    • G03G2215/20Details of the fixing device or porcess
    • G03G2215/2003Structural features of the fixing device
    • G03G2215/2016Heating belt
    • G03G2215/2022Heating belt the fixing nip having both a stationary and a rotating belt support member opposing a pressure member
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G2215/00Apparatus for electrophotographic processes
    • G03G2215/20Details of the fixing device or porcess
    • G03G2215/2003Structural features of the fixing device
    • G03G2215/2016Heating belt
    • G03G2215/2025Heating belt the fixing nip having a rotating belt support member opposing a pressure member
    • G03G2215/2032Heating belt the fixing nip having a rotating belt support member opposing a pressure member the belt further entrained around additional rotating belt support members

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】 ベルトニップ方式の定着装置の高速定着性を、更に高い次元で実現するべく、有効に温度ドループの発生を抑制し得る定着装置、及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】 熱源2を有する定着ロール1、少なくとも1つ以上の定着側張架ロール8、及びこれらロールに張架された状態で回転する無端状の定着ベルト10から構成される定着ベルトモジュール6と、定着ロール1表面に定着ベルト10が巻き付けられた部位の範囲内でのみ定着ベルト10の外周面に当接して、定着ベルト10との間に定着用のニップ部Nを形成する無端状の加圧ベルト21を含む加圧ベルトモジュール16と、からなり、定着ベルトモジュール6が、定着ベルト10のうち定着ロール1の外周に巻き付けられた部位以外のいずれかの部位において、定着ベルト10の内周面及び/又は外周面を加熱する定着ベルト加熱手段8,9を含む定着装置、及びそれを用いた画像形成装置である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像情報記録装置において、記録紙等記録媒体表面の未定着トナー画像を接触加熱定着する定着装置、とりわけ定着のニップ部の形成にベルトを用いたベルトニップ方式の定着装置に関するものである。また、本発明は、かかる定着装置を含む画像形成装置に関するものである。
従来の定着装置としては、一対の加熱されたロール間の圧接領域に未定着トナー画像を通過させることにより定着を行ういわゆる加熱加圧ロール型定着装置が多用されている(以下、これを「ロールニップ方式」と言う)。かかるロールニップ方式の定着装置の模式断面図を図5に示す。図5において、101は矢印F方向に回転する定着ロールであり、106は、定着ロール101に従動して矢印G方向に回転する加圧ロールである。
定着ロール101は、アルミニウム等の熱伝導率の高い金属の中空ロール105の表面に、弾性層104としてシリコーンゴムが被覆され、更にその上に離型性を有するテフロン(R)の被覆層103が形成されたものであり、中空ロール105の内部には加熱源としてハロゲンランプ102が配置される。定着ロール101表面に設けられた温度センサ108の信号をもとに、図示しない温度制御回路によってハロゲンランプ102がオン・オフ制御され、定着ロール101表面が所望の一定温度に調整される。
一方加圧ロール106は、芯金ロール109にシリコーンゴム等の比較的厚い耐熱弾性体層110が被覆されたものである。この耐熱弾性体層110の弾性変形によって定着ロール101と加圧ロール106との圧接部(ニップ部)N’が形成される。
未定着トナー画像Tが表面に形成された用紙Pは、矢印H方向に進行してニップ部Nに挿通され、圧力と熱エネルギーの作用により未定着トナー画像Tが定着される。ニップ部Nを通過した用紙Pは、トナーの粘着性のため定着ロール101に巻きついてくるので、それを剥がすための剥離爪107が設けられており、これにより定着後の用紙Pが定着ロール101から剥離され、装置外に排出される。
しかし、前記定着方式を用いて、より高速に定着しようとした場合、未定着トナー画像Tと用紙Pとに、定着に十分なだけの熱エネルギーと圧力とを与えなければならない。そのためにはニップ部N’の幅(ニップ幅)を定着速度に比例して広くする必要がある。ニップ幅を広くするのに、両ロール101−106間の荷重を大きくする方法、または弾性層104や耐熱弾性体層110の弾性体層の厚さを厚くする方法、両ロール101,106のロール径を大きくする方法等がある。
上記両ロール間の荷重を大きくする方法や、上記弾性体層の厚さを大きくする方法では、ロールの撓みに起因するニップ幅の形状がロール軸に沿って不均一になったり、定着むらや紙しわが発生し易くなるため、おのずと限界がある。また上記ロール径を大きくする方法は、前記のような品質上の問題点はないが、装置が大型になり、また定着ロール101を室温から定着可能温度まで上昇させるまでの時間(一般に、「ウォームアップタイム」と称される。)が長くなってしまうという問題点を有する。
これらの問題点を解決し、より高速化に対応できるようにするため、特許文献1における図2に示されるような、ベルトを用いた方式が提案されている。(以下、このようにニップ部の形成にベルトを用いた方式を「ベルトニップ方式」と称する。)。かかるベルトニップ方式の定着装置の模式断面図を図6に示す。
図6に示される定着装置は、矢印J方向に回転する定着ロール111と、加圧ベルトモジュール116とで主要部が構成されている。加圧ベルトモジュール116は、インレットロール128、圧力ロール129および張架ロール130の3本のロールにより張架されたエンドレスベルト131と、これを介して定着ロール111に押圧される圧力パッド(圧力部材)127とで主要部が構成されている。
エンドレスベルト131は、矢印K方向に回転し、インレットロール128−圧力ロール129間が定着ロール111に巻き付くように当接してニップ部N”を形成している。エンドレスベルト131の内側には、圧力パッド127がエンドレスベルト131を介して定着ロール111に押圧される状態で配置されている。当該ニップ部N”のエンドレスベルト125回転方向(矢印K方向)最下流では、加圧ロール128がエンドレスベルト125を介して定着ロール121表面に付勢され、前記ニップ部の終端を形成している。
定着ロール111は、図5で示したロールニップ方式の定着装置の定着ロール101と同様、中空ロール115の表面に、シリコーンゴムによる弾性層114が形成され、更にその上に被覆層113が形成されたものであり、中空ロール115の内部には加熱源としてハロゲンランプ112が配置される。
図6に示されたベルトニップ方式の定着装置は、前記ニップ部に、未定着トナー画像126が表面に形成された用紙127が挿通され、当該ニップ部における圧力と熱エネルギーとによって定着を行うものである。このような構成にすることで、エンドレスベルト125と定着ロール121とのニップ幅を、従来のロールニップ方式によるニップ幅よりも容易に大きくとることができる(ワイドニップを形成することができる)ので、高速化対応が可能となる。また同じ定着速度で比較した場合には、ロールニップ方式の定着装置よりも小型化を図ることができる。
しかしながら、このようなベルトニップ方式の定着装置においても、高速化には自ずと限界がある。このベルトニップ方式の定着装置は、ワイドニップを形成することができるのであるが、高速で短時間に連続して多数枚の定着を行おうとした場合に、定着ロール121の表面温度が一時的に低下して、ある程度の複写枚数を超えると定着不良が発生してしまう場合がある。この現象は、温度ドループと称される。これは、定着ロール121のコアに被覆されている弾性体層であるシリコーンゴムが熱的抵抗体として作用し、十分な熱量をロール内部に与えてもその熱が定着ロール表面にすばやく伝達されないために起こる現象である。特に熱容量が大きい厚紙を定着する場合に温度ドループが大きくなる。温度ドループ発生時は、たとえワイドニップであっても十分な熱量を用紙に与えることができず、ベルトニップ方式のメリットを十分に生かし切れなくなってしまう。
この温度ドループを少しでも改善するために、外部加熱を併用した方式が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。図7に、ベルトニップ方式で外部加熱を併用した定着装置の模式断面図を示す。図7に示す定着装置は、図6に示す定着装置と基本的には同一であり、さらに、定着ロール111の表面に当接する外部加熱ロール132を設けて、外部加熱ロール132に配した熱源を利用し、定着ロール111の内部からだけではなく外部からも加熱する構成を有するものである。しかしこの外部加熱の併用は、外部加熱ロール132と定着ロール111の接触幅が狭いので、外部加熱ロール132の熱エネルギーを十分に定着ロール111に与えることができず、期待通りの効果を得ることは困難である。また、外部加熱ロール132からの放熱が大きくなり、エネルギーの利用効率の観点からも改善が望まれる。
なお、ベルトニップ方式としては、以上説明したような加圧側のベルトが張架された態様ではなく、当該ベルトがフリーで、かつ従動回転可能な状態で定着側の定着ロールに当接する、いわゆるフリーベルトニップ方式と称される方式も提案されている(たとえば、特許文献3参照)。この場合にも、ベルトニップ方式によるメリットと同時に、上述の如き、高速化に伴う温度ドループの問題、エネルギーの利用効率の問題が、以上説明したような加圧側のベルトが張架された態様と同様に存在する。したがって、「ベルトニップ方式」と言った場合には、「フリーベルトニップ方式」を含めた概念とする。
特開平5−150679号公報 特開平11−7216号公報 特開平8−262903号公報
したがって本発明は、上記問題点を解決することを目的とするものである。詳しくは、ベルトニップ方式の定着装置のメリット、すなわち、ワイドニップを確保することによる高速定着性を、さらに高い次元で実現するべく、有効に温度ドループの発生を抑制し得る定着装置、および、かかる定着装置を含む画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的は、以下の本発明により達成される。すなわち、本発明の定着装置は、熱源を有する定着ロール、少なくとも1つ以上の定着側張架ロール、およびこれらロールに張架された状態で回転する無端状の定着ベルトから構成される定着ベルトモジュールと、前記定着ロール表面に前記定着ベルトが巻き付けられた部位の範囲内でのみ前記定着ベルトの外周面に当接して、前記定着ベルトとの間に定着用のニップ部を形成する無端状の加圧ベルトを含む加圧ベルトモジュールと、からなり、
前記定着ベルトモジュールが、前記定着ベルトのうち前記定着ロールの外周に巻き付けられた部位以外のいずれかの部位において、前記定着ベルトの内周面および/または外周面を加熱する定着ベルト加熱手段を含むことを特徴とする。
つまりは、本発明の定着装置は、既述の従来のベルトニップ方式の定着装置における定着ロール側の構成に、主として定着ベルトおよび定着ベルト加熱手段が付加されていることに特徴を有するものである。
すなわち、ベルトニップ方式の定着装置では、加圧側のベルトと定着ロールとの間に形成されたニップ部を定着に利用するものであるが、この定着ロールの表面にさらに定着ベルトの一部を巻き付け(フィルミングし)、当該ベルトと加圧側のベルトとの間にニップ部を形成することが本発明の1つの特徴であり、その意味では、本発明の定着装置は、2ベルト方式と言い得るものである。
当該定着ベルトは、その一部が、従来加圧ベルトが当接している定着ロール表面に巻き付けられ、さらに他のロール(定着側張架ロール)により張架され、定着ロールとは離れた位置で、その内周面および/または外周面が定着ベルト加熱手段で加熱される。かかる定着ベルトとしては、例えば、フレキシブルなベース層に離型層としてフッ素樹脂が被覆された構成や、前記ベース層と前記離型層との間に、弾性体層として薄膜のシリコーンゴム層を設けた構成などが挙げられる。
いずれの構成であっても、本発明における定着ベルトは、これまでの定着ロールのみで構成される場合の当該定着ロール全体に比較して、非常に小熱容量となる。本発明においては、この定着ベルトを前記定着ロールの外周に巻き付けられた部位以外のいずれかの部位において、定着ベルト加熱手段により速やかに加熱する。これまでの定着ロールのみで構成される場合の当該定着ロールの表面層(あるいはさらに弾性層の一部または全部)に当たる部分が、別途定着ベルトを構成して、当該定着ロールとは別に独立に加熱されるため、加熱に必要な時間を確保しやすく、また効率的かつ速やかに前記定着ベルトのみを所望の温度まで加熱することができ、有効に温度ドループの発生が抑制され、高い高速安定性を実現することができる。
さらに本発明では、前記加圧ベルトモジュールの前記加圧ベルトが、前記定着ロール表面に前記定着ベルトが巻き付けられた部位の範囲内でのみ、前記定着ベルトの外周面に当接して、当該領域に定着用のニップ部を形成しているので、当該ニップ部において、前記定着ベルトの内周面側には前記定着ロールが位置している状態となっている。すなわち、定着用のニップ部において、前記定着ベルトと前記加圧ベルトとの当接は、前記定着ロール表面にしっかりと支持された状態となっており、ベルト同士のみの当接のような不安定な状態とはなっていない。
このように定着用のニップ部において、両ベルトが前記定着ロール表面にしっかりと支持された状態となっていることから、当該ニップ部に挿通される記録媒体や未定着トナー画像に含まれる水分由来の水蒸気の攪乱による画像欠陥(画像流れ等)を防止することができる。また、ニップ部であっても、ベルト同士のみの当接で形成された不安定な状態では、画像の定着にはほとんど寄与せず熱損失となるが、本発明では、定着用のニップ部全域が、前記定着ロール表面にしっかりと支持された状態となっており、無駄な熱の伝導が無く、熱効率的にも優れている。
本発明において、前記定着ベルトモジュールにおける前記定着側張架ロールの少なくとも1つが、その内部に熱源が配されて、前記定着ベルト加熱手段を兼ねることができる。
当該定着側張架ロールの外表面を前記定着ベルトの内周面または外周面と広くラッピングさせることができることから、前記定着側張架ロールの内部に熱源を配することで、加熱された張架ロールから前記定着ベルトに熱エネルギーを伝達する時間を十分に確保することができ、効率的に前記定着ベルトを加熱することが可能となる。
また、前記定着ベルトは、前記定着ロールに比して薄膜であることから、熱容量が非常に小さく、定着用のニップ部でトナーおよび記録媒体に奪われた熱は、内部に熱源が配されて前記定着ベルト加熱手段を兼ねる前記定着側張架ロールで補給され、すぐに設定温度まで回復する。このように、前記定着ロールと前記定着側張架ロールとの双方に(好ましくは、できるだけ広いラップ角度で)巻き付けられた前記定着ベルトは、内部加熱された前記定着ロールおよび前記定着側張架ロールの双方のからの熱伝導によって素早く加熱される。
このため、熱容量の大きな厚紙を高速で定着する場合においても、熱的応答が優れているので、必要な熱量を常に安定的に供給することができるようになる。これによって、高速定着時の大きな課題であった温度ドループの問題を解決することができる。
本発明においては、前記定着側張架ロールを2つ以上有し、そのうちの少なくとも1つが、前記定着ベルトの外周面と当接するように前記定着ベルトが取り回され、かつ、内部に熱源が配されて前記定着ベルト加熱手段を兼ねることができる。
一般にベルトを複数のロールで張架する場合、各ロールは、ベルトの周内に配置されるが、3つ以上のロールで張架する場合、全ロールの内のいくつか(MAX、全ロール数マイナス2。例えば全3ロールなら1つのロール。)は、ベルトの周外からベルトを押圧するように配置することができる。このように配置した場合、すなわち、前記定着側張架ロールを2つ以上有し(前記定着ロールを含め計3つ以上のロールで張架した状態。)、そのうちの少なくとも1つのロールが、前記定着ベルトの外周面と当接するように前記定着ベルトが取り回された場合、前記定着ベルトの外周面と当接する定着側張架ロールについて、内部に前記定着ベルト加熱手段としての熱源を配されて前記定着ベルト加熱手段を兼ねることで、前記定着ベルトの外周面を加熱することができる。
また、前記定着ベルトの内周面と当接するさらに他の定着側張架ロールの内部にも前記定着ベルト加熱手段としての熱源を設ければ、前記定着ベルトは、外周面と内周面の双方から加熱されるので、さらに多くの熱量を安定的に供給することができるようになり、定着のさらなる高速化が可能となる。
本発明の定着装置は、加圧ベルトモジュールの構成により、2つの態様に分けることができる。すなわち、加圧ベルトが張架されている構成(以下、単に「張架型」という場合がある。)に本発明を適用した態様Aと、加圧ベルトがいわゆるフリーベルトニップ方式の構成となっているものに本発明を適用した態様Bの二通りである。具体的には、以下に示す通りである。
(態様A)
前記加圧ベルトモジュールが、さらに加圧ロール、および少なくとも1つ以上の加圧側張架ロールを含み、これらロールに前記加圧ベルトが張架された状態で回転し、
前記加圧ロールが、前記加圧ベルトおよび前記定着ベルトを介して前記定着ロール表面に付勢され、
前記加圧ベルトのうち、前記加圧ロールにより前記定着ロール表面に付勢された部位から、その回転方向上流に所定の長さが、前記定着ロールの外周に巻き付けられた部位の前記定着ベルトの外周面に押圧され巻き付けられて、前記定着ベルトと前記加圧ベルトとの間に定着用のニップ部が形成される態様。
当該態様Aにおいて、前記定着用のニップ部が、前記定着ベルトが巻き付けられた部位の範囲内のうち、前記定着ベルトの回転方向上流に形成されることが好ましい。前記定着ベルトの回転方向上流に、前記定着用のニップ部が形成されることで、張架ロールで加熱された定着ベルトの熱がニップ部に入る前に定着ロールに奪われて、定着ベルトの温度が低下するのを防ぐことができる。
当該態様Aにおいて、前記加圧ベルトモジュールとしては、前記加圧ロールの、前記加圧ベルトの従動回転方向上流であって、前記加圧ベルトの内周から、前記加圧ベルトを介して前記定着ロール表面に付勢される押圧部材を含むことが好ましい。
当該態様Aでは、形成されるニップ部が、ニップ入口側の低圧部分と出口側の高圧部分との少なくとも2つの圧力部分を有する。前記低圧部分において、何ら加圧するための部材を有さない状態のままでは、定着ベルトの張力のみで加圧を担うこととなるが、それでは、定着に必要なニップ圧を稼ぐことが困難である。かかる前記低圧部分の加圧力不足を、前記押圧部材を備えることにより補うことができ、定着性をより向上させることができる。また、低圧部分での前記加圧ベルトの前記定着ロール表面からの浮きを防止することができ、定着不良や画像流れ、搬送不良といった不具合が生ずる可能性を防止することができる。
前記押圧部材としては、ロール状でもパッド状でもいずれであっても構わないが、パッド状に成型されてなることが好ましい。
当該態様Aにおいては、前記加圧ベルトの安定した走行を確保するべく、前記加圧側張架ロールのうちの少なくとも1つに、前記加圧ベルトの回転中のベルトエッジ位置を検知するためのベルトエッジ位置検知機構と、該ベルトエッジ位置検知機構の検知結果に応じて前記ロールの軸方向における前記ベルトの当接する位置を変位させる軸変位機構と、を備えることが好ましい。
(態様B)
前記加圧ベルトモジュールが、張架されずフリーな状態の前記加圧ベルトの周内に当接して配置されるパッド状の加圧部材をさらに含み、
該加圧部材が、前記加圧ベルトおよび前記定着ベルトを介して前記定着ロール表面に付勢され、前記加圧ベルトの所定の長さが、前記定着ロールの外周に巻き付けられた部位の前記定着ベルトの外周面に押圧され巻き付けられて、前記定着ベルトと前記加圧ベルトとの間に定着用のニップ部が形成される態様。
当該態様Bにおいて、前記定着用のニップ部が、前記定着ベルトが巻き付けられた部位の範囲内のうち、前記定着ベルトの回転方向上流に形成されることが好ましい。
また、当該態様Bにおいて、前記加圧部材が定着ロールを押圧するニップ圧力が、ニップ部の出口付近において局所的に大きくなっていることが望ましい。ニップ部の出口付近において、前記加圧部材が前記定着ロールを押圧するニップ圧力を局所的に大きくすれば、前記定着ロールの圧力を局所的に大きくすることとなり、ロールニップ方式のようにニップ全域で圧力を生じさせる場合と比較して、小さい荷重で高い定着性能を得ることができる。
当該態様Bにおいては、前記加圧ベルトの安定した走行を確保するべく、前記加圧ベルトモジュールに、前記加圧ベルトの回転軸の軸方向への変位を規制するベルトエッジガイドが備えられていることが好ましい。
さらに上記態様AおよびBにかかわらず、本発明の定着装置においては、前記定着ベルトの安定した走行を確保するべく、前記定着側張架ロールのうちの少なくとも1つのロールに、前記定着ベルトのベルトエッジ位置検知機構と、該ベルトエッジ位置検知機構の検知結果に応じて前記ロールの軸方向における前記定着ベルトの当接する位置を変位させる軸変位機構と、を備えることが好ましい。
一方、本発明の画像形成装置は、少なくとも、記録媒体表面にトナーを像様に担持させて、未定着トナー画像を形成する未定着トナー画像形成手段と、記録媒体表面に担持された未定着トナー画像を、加熱および加圧することにより定着する定着手段と、を備える画像形成装置であって、
前記定着手段が、請求項1に記載の定着装置であることを特徴とする。
本発明の定着装置は、ベルトニップ方式の定着装置のメリット、すなわち、ワイドニップを確保することによる高速定着性を、さらに高い次元で実現するべく、従来のベルトニップ方式における定着ロール側の構成に、まず定着ロールと他のロールとに張架される定着ベルトを付加することで、いわゆる2ベルト方式とし、さらに定着ベルト加熱手段により、定着ロールとは離れた位置で前記定着ベルトを加熱することで、ニップ部に対して十分なエネルギー供給ができるようにしている。したがって、本発明によれば、より高速であっても有効に温度ドループの発生を極力低減し得る定着装置を提供することができる。そして、かかる定着装置を含む画像形成装置とすることで、画像形成のより一層の高速化を図ることができる。
[定着装置]
本発明の定着装置について、3つの実施形態を挙げて詳細に説明する。
<第1の実施形態>
まず、本発明の上記態様Aの例として、第1の実施形態を例示する。図1は、本発明の上記態様A(張架型)の一例である第1の実施形態の定着装置の模式断面図である。本実施形態の定着装置は、定着ベルトモジュール6と、加圧ベルトモジュール16と、剥離案内板7および排紙機構(11,12)とで構成されている。
定着ベルトモジュール6は、矢印A方向に回転する定着ロール1と、内部に熱源としてのハロゲンランプ9が配された張架ロール(定着側張架ロール)8と、定着ロール1および張架ロール8に張架されて矢印D方向に従動回転する定着ベルト10と、から構成される。
定着ロール1は、アルミニウム製で厚さ5mmのコア5の表面に、厚さ1.5mmの弾性層4が被覆されてなり、内部に熱源としてハロゲンランプ2が配されている。本実施形態では、弾性層4としてゴム硬度25〜45°のシリコーンLSR(Liquid Silicone Rubber)ゴムが用いられている。なお、本実施形態において、定着ロール1は、外径65mmφ、長さ350mmのソフトロールである。
なお、弾性層4の材質としては、シリコーンゴムに限定されず、従来公知の各種材質のものを採用することができ、例えば、フッ素ゴムを用いることができ、シリコーンゴムおよびフッ素ゴムからなる複数層積層された弾性層を用いてもよい。また、定着ロール1としては、弾性層のない、いわゆるハードロールを用いてもよい。定着ロール1は、毎秒400mmの表面速度で矢印A方向に回転する。定着ロール1の内部には1000Wのハロゲンランプ2が挿入され、不図示の温度センサと温度コントロールとによって、定着ロール1の表面が160℃にコントロールされる。
定着ベルト10は、内部加熱された定着ロール1および張架ロール8に張力10kgで張り渡されている。定着ベルト10は周長330mm、幅340mmのフレキシブルなエンドレスベルトである。定着ベルト10は、厚さ75μmのポリイミド製のベース層の表面(外周面側)に、厚さ200μmのシリコーンゴムからなる弾性体層、さらにその上に厚さ30μmのテトラフルオロエチレン/ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)の表面層が被覆された多層構造のベルトである。前記弾性体層のシリコーンゴムは、ゴム硬度20度(JIS−A)であり、特にカラー画像での画質向上のために設けられている。勿論本発明において、定着ベルト10の構成は、上記のものに限定されるものではなく、材質・厚さ・硬度等の条件は、使用目的や使用条件等、装置設計に応じて適宜選択すればよい。
張架ロール8は、直径23mm、肉厚2mm、長さ350mmのステンレスパイプロールを基材として、その表面に、厚さ20μmのPFAが被覆されて、離型層が形成されている。この離型層は、定着ベルト表面からのわずかなオフセットトナーや紙粉が第2加熱ロールに堆積するのを防止するための離型層である。
張架ロール8の内部には熱源として800Wのハロゲンランプ9が配されており、図示しない温度センサと温度コントロール装置とによって、表面温度が200℃にコントロールされる。したがって、張架ロール8は、定着側張架ロールとしての機能とともに、定着ベルト加熱手段としての機能をも併せ持っている。
また、定着ベルト10の軸方向の変位をできる限り小さくするため、および、定着ベルト10の張架を均一にするために、張架ロール8は、直径が端部より中央の方が100μmだけ大きい、いわゆる太鼓型形状をしている。
加圧ベルトモジュール16は、リードロール(加圧側張架ロール)18、加圧ロール19および張架ロール(加圧側張架ロール)20の3本のロールにより張架された加圧ベルト21と、これを介して定着ロール1に押圧される圧力パッド(押圧部材)17とで主要部が構成されている。
加圧ベルト21は、定着ロール1に対し所定の角度巻き付けられるように、定着ロール1に巻き付けられた(ラッピングした)定着ベルト10の外周面に当接し、ニップ部Nを形成している。該ニップ部Nは、定着ベルト10が定着ロール1に巻き付けられた領域に形成されているため、未定着トナーTが載った用紙Pがニップ部Nを通過する際には、あたかも定着ベルト10が外周に巻き付いた定着ロール1によってロール定着されているのと同様の状態となっている。
加圧ベルト21の内側には、圧力パッド(押圧部材)17が加圧ベルト21を介して定着ロール1に付勢される状態で配置されている。本実施形態において、この加圧ベルト21の定着ロール1に対する巻き付け角度(ラップ角度)は、45度(ニップ部N全体のニップ幅は26mm)となっている。
加圧ベルト21は、ベース層とその表面(定着ロール1と接する面、または両面)に被覆された離型層とから構成されることが好ましい。ベース層はポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等から選ばれ、その厚さは、好ましくは50〜125μm程度、より好ましくは75〜100μm程度である。ベース層の表面に形成される離型層としては、前述の如きフッ素樹脂、例えばPFA等が5〜20μmの厚さでコーティングされたものが好ましい。
本実施形態においては、加圧ベルト21として、厚み75μm、幅300mm、周長288mmのポイリミドフィルムのベース層のみで構成されるものを用いた。加圧ベルト21は、3個のステンレス製のロール、すなわちリードロール18、加圧ロール19および張架ロール20により、10kgの張力で張架されている。それぞれのロールの直径は、22mm、20mmおよび20mmである。
押圧部材としての圧力パッド17は、例えば、幅の広いニップ部Nを確保するための弾性体部材と、該弾性体部材の加圧ベルト21の内周面と接触する面に低摩擦層とが設けられ、金属製等のホルダーに保持されている。低摩擦層を表面に有する弾性体部材は、ほぼ定着ロール1の外周面に倣う凹形になっており、定着ロール1に対して押圧されてニップ部Nを形成している。
圧力パッド17における弾性体部材としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム等耐熱性の高い弾性体や、板バネ等を用いることができる。弾性体部材上に形成される低摩擦層は、加圧ベルト21内周面と圧力パッド17との摺動抵抗を小さくするために設けられ、摩擦係数が小さく、耐摩耗性のあるものが望ましい。具体的には、テフロン(R)を含浸させたガラス繊維シート、フッ素樹脂シート、フッ素樹脂塗膜等を用いることができる。
なお、押圧部材としては、本実施形態のようにパッド状に成型されてなるものの他、例えば、ロール状に成型されてなるものを用い、加圧ベルト21を介して定着ロール1表面に付勢させて従動回転させても構わない。勿論、本実施形態のようにパッド状に成型されてなる押圧部材の方が、当接するニップ部全域に、広く均一にニップ圧を付与することができるため、好ましい。
また、圧力パッド17の、用紙P搬送方向(矢印C方向)下流の加圧ロール19は、加圧手段としての圧縮コイルスプリング(不図示)によって、加圧ベルト21および定着ベルト10を介して定着ロール1の中心に向かって付勢されており、定着ロール1および定着ベルト10の当該箇所に一定の歪み量を生じさせている。すなわち、定着ロール1の表面の弾性層4および定着ベルト10の弾性体層が弾性変形し、その表面に歪みが与えられる。この定着ロール1の歪みを低荷重で効率良く与えるために、加圧ロール19は定着ロール1より小径で、その表面は硬質である方が望ましい。したがって、ニップ部Nの出口では、この定着ロール1の歪みにより、用紙Pの剥離性が確保されている。
加圧ベルト21は、定着ロール1の矢印A方向の回転により、従動して矢印B方向に周動する。その進行速度は、定着ロール1の表面速度と同じ400mm/secである。
本実施形態の定着装置による用紙Pの具体的な定着の様子について説明する。
未定着トナー画像Tが表面に形成された用紙Pは、図1における左側からニップ部Nに向けて(矢印C方向)搬送されてくる。ニップ部Nに挿通させられた用紙P表面の未定着トナー画像Tは、ニップ部Nに作用する圧力と熱と、により定着させられる。本実施形態の定着装置により定着を行えば、ニップ部を広く取ることができるため、安定した定着性能を確保することができる。
このときニップ部Nに作用する熱、すなわち定着ベルト10に与えられる熱は、従来と同様のハロゲンランプ2によって定着ロール1を通じて与えられる熱と、それとは別に、ハロゲンランプ9により加熱された定着ベルト定着手段としての張架ロール8によって定着ベルト10に直接与えられる熱と、の2通りがあり、前者のみでは賄い切れないエネルギー供給を後者により適切かつ速やかに補給することができる。
既述の如く、ニップ部Nの出口において加圧ロール19が定着ロール1に押圧され、定着ロール1の弾性層4に歪みを与えている。このような構成により、ニップ部Nが確保されるとともに、ニップ部Nの出口付近において定着ロール1の歪みが局所的に大きくなるようにしている。
定着ロール1における、ニップ部Nよりも定着ロール1の回転方向A下流側には、定着ロール1表面近傍に、一辺が近接し、かつ、定着ロール1の回転方向Aに寝かせられた状態で剥離案内板7が配されている。
定着ロール1の表面から剥離された用紙Pは、剥離案内板7により分離され、排出ガイド11に案内されて、排出ロール12により装置外に排出される。
本実施形態の定着装置においては、プロセススピードが毎秒400mmと高速であるため、用紙Pが次々にニップ部Nに挿通される連続定着が行われると、用紙Pおよび未定着トナー画像Tに熱が奪われ(さらには加圧ベルトモジュールから放熱が進み)、定着ベルト10が単に定着ロール1に巻き付いただけの構成であれば、その表面の温度が低下しやすい。ハロゲンランプ2による定着ロール1内部からの熱供給のみでは、定着ロール1自身厚みを有することからその表面にまで熱を到達させるには、制約が大きい。
すなわち、定着ロール1の表面温度を必要な温度に保つためには、より以上の高温で内部から加熱する必要が生じ、エネルギー損失が大きく、装置設計上の負荷が大きく、また、連続定着終了後に必要以上に表面温度が高温になることによる、その後の定着不良の懸念もある。
その対応として、定着ロール1の表面を別途加熱する外部加熱装置を既述の図7の構成のように設けたとしても、当該外部加熱装置(図7における外部加熱ロール132)と定着ロール1の表面との接触幅を大きく取ることができないので、結局十分な熱を定着ロール1の表面に供給することは困難である。
これに対して、本実施形態では、一般的なベルトニップ方式の定着装置における定着ロールの表面を一皮剥いて、それを無端状にして定着ベルト10とし、張架ロール8に張架させ、定着ロール1とは全く別に当該表面部分に相当する定着ベルト10を、張架ロール8内部のハロゲンランプ(熱源)9で加熱する構成を採用している。
定着ベルト10は、一般的なベルトニップ方式の定着装置における定着ロール全体に比較して、非常に小熱容量となる。これまでの定着ロールのみで構成される場合の当該定着ロールの表面層に当たる部分が、別途定着ベルト10を構成して、残りの定着ロール1とは別に独立に加熱されるため、加熱に必要な時間を確保しやすく、また効率的かつ速やかに定着ベルト10のみを所望の温度まで加熱することができ、高い高速安定性を実現することができる。よって、高速定着時の大きな課題であった温度ドループの問題が解決される。その他、定着温度を途中で切り替えたい(定着温度アップおよびダウンの双方を含む)場合にも、熱容量の小さな定着ベルト10の温度のみを張架ロール8を介してハロゲンランプ9で調整すればよいので、所望の温度に切り替えることが容易であり、かつ速やかであると言った利点も有する。
また、張架ロール8の外表面を定着ベルト10の内周面と広くラッピングさせることができることから、張架ロール8の内部に熱源としてのハロゲンランプ9を配することで、加熱された張架ロール8から定着ベルト10に熱エネルギーを伝達する時間を十分に確保することができ、効率的に定着ベルト10を加熱することが可能となる。
さらに、一般的なベルトニップ方式の定着装置では、ニップ部の最終段階の高圧部分(本実施形態においては、加圧ロール19による付勢部位)で、定着ロール表面の歪みにより、挿通された用紙に伸びが生じてしまうが、本実施形態の定着装置では、ニップ部Nに挿通された用紙Pは、その両面が「伸び」を生じることがない2つのベルト(定着ベルト10および加圧ベルト21)に挟まれた状態で搬送されることから、伸びが生ずる懸念も払拭される。
その他本発明に特徴的な構成として、本実施形態では、加圧ベルトモジュール16の加圧ベルト21が、定着ロール1表面に定着ベルト10が巻き付けられた部位の範囲内でのみ、定着ベルト10の外周面に当接して、当該領域に定着用のニップ部Nを形成している。すなわち、ニップ部Nにおいて、定着ベルト10の内周面側には定着ロール1が常に位置し、定着ベルト10と加圧ベルト21との当接は、定着ロール1表面にしっかりと支持された状態となっており、ベルト同士のみの当接のような不安定な状態とはなっていない。
ニップ部Nにおいては、用紙Pや未定着トナー画像T中の水分が急激に加熱されることにより水蒸気となる。ベルト同士のみの当接で形成されるような不安定で比較的圧力(ニップ圧)の低い状態においては、前記水蒸気が攪乱状態となり、加熱溶融された未定着トナー画像T中のトナーを乱す画像欠陥(画像乱れ等)を引き起こす場合がある。それに対して、本実施形態では、ニップ部N全域において、両ベルトが定着ロール1表面にしっかりと支持された状態となっていることから、前記水蒸気の攪乱による画像欠陥(画像流れ等)を防止することができる。特に、この問題を解決するために、本実施形態では、図1に示されるように、圧力パッド(押圧部材)17が配されており、用紙Pおよび未定着トナー画像Tを定着ベルト10と加圧ベルト21とでしっかりと支持することができ、水蒸気の攪乱をより効果的に防止することができる。
また、ベルト同士のみの当接で形成された不安定な状態のニップ部は、画像の定着にはほとんど寄与せず、かかる部分においても定着ベルトから加圧ベルトへは熱を伝えてしまうことから、この部分において大きな熱損失となる。しかし、本実施形態では、未定着トナー画像Tと接する部分のみ、定着ベルト10と加圧ベルト21とが当接し、定着ロール1表面にしっかりと支持された状態となっており、ニップ部N全域が、定着ロール1表面でしっかり支持されていることから、無駄な熱の伝導が無く、熱効率的にも優れている。
本実施形態の定着装置と、従来のベルトニップ方式の定着装置とを用いて、未定着トナー画像が形成された用紙を連続的に定着した場合の定着温度(本実施形態の定着装置では定着ベルト10表面の温度、従来のベルトニップ方式の定着装置では定着ロール表面の温度:単位はともに℃)の推移を確認した結果を、図2にグラフにて示す。横軸が連続コピー時間であり、縦軸が定着温度である。
なお、比較のための従来のベルトニップ方式の定着装置としては、加熱源が定着ロール内のハロゲンランプのみのもの(図6の定着装置)と、さらに外部加熱を備えたもの(図7の定着装置)との2種類について確認した。また、装置や用紙の各種条件は、基本的に3つの定着装置について同一とした。連続コピー時に一旦温度が低下しその後回復するという現象は、コピーの初めは定着ロール周囲の弾性層が熱抵抗として作用するために急激に熱が奪われ、その後内部からの熱が補給されて表面に出てくるので表面温度は回復してくる。またコピーの初めに、加圧ベルトモジュール内の非加熱の張架ロールが熱負荷となり定着ロールから多くの熱を奪うこともさらに温度ドループを大きくしている。
図2のグラフを見てわかるように、従来のベルトニップ方式の定着装置では、連続コピー時間の増加とともに定着温度が低下して行き、設定された定着温度(190℃)から15〜22℃も低下する温度ドループが確認された。外部加熱を備えたものについては、温度ドループの程度がやや緩和されるものの、依然として高速定着性に影響を与えうる程度であった。
それに対して、本実施形態の定着装置では、連続コピー時間が増加しても定着温度はほとんど影響を受けず、温度ドループの発現がほとんど見られなかった。
以上のように、図2のグラフから、本実施形態によれば、高速定着時の大きな課題であった温度ドループの問題を解消し得ることがわかる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の上記態様Aの他の例として、第2の実施形態を例示する。図3は、本発明の上記態様A(張架型)の他の一例である第2の実施形態の定着装置の模式断面図である。本実施形態の定着装置は、定着ベルトモジュール6’と、加圧ベルトモジュール16と、剥離案内板7および排紙機構(11,12)とで構成されている。
本実施形態の定着装置は、定着ベルトモジュールの構成、詳しくは張架ロールが2つになり、それに応じて定着ベルトの取り回しが異なることを除いては、第1の実施形態の定着装置と同一であるため、第1の実施形態と同一の機能を有する部材は、図1と同一の符号を付して、その詳細な説明は省略することとする。
本実施形態において、定着ベルトモジュール6’は、矢印A方向に回転する定着ロール1と、内部に熱源としてのハロゲンランプ9が配された張架ロール(定着側張架ロール)8と、同様に内部に熱源としてのハロゲンランプ29が配された張架ロール(定着側張架ロール)28と、定着ロール1、張架ロール8および張架ロール28に張架されて矢印D方向に従動回転する定着ベルト30と、から構成される。
定着ベルト30は、内部加熱された定着ロール1、張架ロール8および張架ロール28に張力10kgで張り渡されている。詳しくは、第1の実施形態における定着ベルト10が定着ロール1および張架ロール8に張架されているのに対して、本実施形態では、そこに張架ロール28が定着ベルト30の外周面から付勢されて、ある程度の巻き付け角度(本実施形態においては、巻き付け角度80#、巻き付け長さ16mm。)をもって巻き付いた状態で、結果として3つのロールで張架された状態となっている。したがって、定着ロール1および張架ロール8は定着ベルト30の内周面に、張架ロール28はその外周面に当接している。なお、本実施形態においては、張架ロール8に対する定着ベルト10の巻き付け角度も、張架ロール28の付勢により、第1の実施形態よりも大きくなっている(本実施形態において、具体的には、巻き付け角度230#、巻き付け長さ46mm。)。
定着ベルト30は周長330mm、幅340mmのフレキシブルなエンドレスベルトであり、取り回しを除いては第1の実施形態における定着ベルト10と同様の構成である。
張架ロール28は、直径23mm、肉厚2mm、長さ350mmのステンレスパイプロールを基体として、その表面に厚さ20μmのPFAが被覆されて離型層が形成されてなるものである。この離型層は、定着ベルト30の外周面からのわずかなオフセットトナーや紙粉が張架ロール28に堆積するのを防止するために形成されるものである。
張架ロール28の内部には、熱源としての800Wのハロゲンランプが配されており、図示しない温度センサと温度コントロール装置によって200℃にコントロールされる。したがって、張架ロール28は、定着側張架ロールとしての機能とともに、定着ベルト加熱手段としての機能をも併せ持っている。勿論、張架ロール8の内部にも熱源としてのハロゲンランプ9が配されており、本実施形態では、定着ベルト加熱手段として機能する部材を2つ有する構成となっている。
なお、張架ロール28は、定着ベルト30全体が張力10kgとなるように荷重を印加する押圧ロールとしての機能をも有している。
本実施形態の定着装置による用紙Pの具体的な定着の様子について説明する。
未定着トナー画像Tが表面に形成された用紙Pは、図3における左側からニップ部Nに向けて(矢印C方向)搬送されてくる。ニップ部Nに挿通させられた用紙P表面の未定着トナー画像Tは、ニップ部Nに作用する圧力と熱と、により定着させられる。本実施形態の定着装置により定着を行えば、ニップ部を広く取ることができるため、安定した定着性能を確保することができる。
このときニップ部Nに作用する熱、すなわち定着ベルト30に与えられる熱は、従来と同様のハロゲンランプ2によって定着ロール1を通じて与えられる熱と、それとは別に、ハロゲンランプ9あるいは29により加熱された定着ベルト定着手段としての張架ロール8および28によって定着ベルト30に直接与えられる熱と、の2通りがあり、前者のみでは賄い切れないエネルギー供給を後者により適切かつ速やかに補給することができる。
特に後者の定着ベルト定着手段としての張架ロール8および28では、内周面に当接している張架ロール8が定着ベルト30の当該内周面側から定着ベルト30を加熱するとともに、外周面に当接している張架ロール28が定着ベルト30の当該内周面側から定着ベルト30を加熱する。このように、本実施形態によれば、定着ベルト30は、外周面と内周面の双方から加熱されるので、一段と多くの熱量が安定的に供給される。したがって、極めて有効に温度ドループの発生が抑制されるため、高速化に対する許容量もさらに高まり、より一層の高速定着が可能となる。
そして、定着ロール1の表面から剥離された用紙Pは、剥離案内板7により分離され、排出ガイド11に案内されて、排出ロール12により装置外に排出される。
上述の如き、本実施形態の定着装置においては、定着ベルト30の内外周面双方から加熱されることによる、温度ドループのさらなる抑制、ひいてはさらなる高速定着の効果が、第1の実施形態の定着装置に対して特筆すべき点であり、その他の作用および効果については、第1の実施形態と同一であるため、その詳細な説明は省略することとする。
<第3の実施形態>
最後に、本発明の上記態様Bの例として、第3の実施形態を例示する。図4は、本発明の上記態様B(フリーベルトニップ方式)の一例である第3の実施形態の定着装置の模式断面図である。本実施形態の定着装置は、定着ベルトモジュール6’と、加圧ベルトモジュール36と、剥離案内板7および排紙機構(11,12)とで構成されている。
本実施形態の定着装置は、加圧ベルトモジュールの構成、詳しくは加圧ベルトがロールに張架されずにフリーな状態で回転する、いわゆるフリーベルトニップ方式の構成となっていることを除いては、第2の実施形態の定着装置と同一であるため、第2の実施形態と同一の機能を有する部材は、図3と同一の符号を付して、その詳細な説明は省略することとする。
本実施形態において、加圧ベルトモジュール36は、加圧ベルト31と、その周内に当接して配置される加圧部材37と、加圧ベルト31がスムーズに摺動回転するようにベルト走行ガイド32と、から構成されている。
加圧ベルト31は、その周内から定着ロール1に向けて加圧部材37によって押圧され、所定の角度(所定の長さ)巻き付けられるように、定着ロール1に巻き付けられた定着ベルト30の外周面に当接し、ニップ部Nを形成している。そして、加圧ベルト31は、定着ベルト30の矢印D方向への回転に従動して、矢印B方向に回転する。前記ニップ部Nは、定着ベルト30が定着ロール1に巻き付けられた領域に形成されているため、未定着トナーTが載った用紙Pがニップ部Nを通過する際には、あたかも定着ベルト30が外周に巻き付いた定着ロール1によってロール定着されているのと同様の状態となっている。
加圧ベルト31の内側に配される加圧部材37の基本構成としては、幅の広いニップ部を確保するためのプレニップ部材33をニップ部Nの入口側に、定着ロール1の表面に歪みを与えるための剥離ニップ部材34をニップ部Nの出口側に、それぞれ配置した構成である。プレニップ部材33は、第1あるいは第2の実施形態における圧力パッド17と同様の材料、形状を有するものである。
本実施形態においては、ほぼ定着ロール1の外周面に倣う凹形のプレニップ部材33により広いニップ部を確保するとともに、定着ロール1の外周面形状に対し突出させた剥離ニップ部材34により、ニップ部Nの出口付近(以下、「剥離ニップ部」という場合がある)において定着ロール1の圧力が局所的に大きくなるようにしている。定着ロール1の圧力を局所的に大きくすることにより、ロールニップ方式の定着装置のようにニップ部全域で圧力を印加させる場合と比較して、小さい総荷重で高い定着性能を得ることができる。
剥離ニップ部材34の材質としては、特に限定されないが、変形しにくいものが好ましく、PPS、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂、もしくは鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属が使用できる。剥離ニップ部材34の形状としては、剥離ニップ部における外面形状が一定の曲率半径を有する凸曲面状とすることが好ましく、該曲率半径としては、定着ロール1の半径や材質、硬度等にもより適宜選択すればよい。
本実施形態の定着装置による用紙Pの具体的な定着の様子について説明する。
未定着トナー画像Tが表面に形成された用紙Pは、図4における左側からニップ部Nに向けて(矢印C方向)搬送されてくる。ニップ部Nに挿通させられた用紙P表面の未定着トナー画像Tは、ニップ部Nに作用する圧力と熱と、により定着させられる。本実施形態の定着装置により定着を行えば、ニップ部を広く取ることができるため、安定した定着性能を確保することができる。
このときニップ部Nに作用する熱、すなわち定着ベルト30に与えられる熱は、第2の実施形態と同様、ハロゲンランプ2によって定着ロール1を通じて与えられる熱と、定着ベルト定着手段としての張架ロール8および28によって定着ベルト30に直接与えられる熱と、の2通りがあり、前者のみでは賄い切れないエネルギー供給を後者により適切かつ速やかに補給することができる。特に後者の定着ベルト定着手段としての張架ロール8および28では、定着ベルト30は、外周面と内周面の双方から加熱されるので、一段と多くの熱量が安定的に供給される。したがって、極めて有効に温度ドループの発生が抑制されるため、高速化に対する許容量もさらに高まり、より一層の高速定着が可能となる。
また、本実施形態では、フリーベルトニップ方式を採用しており、加圧ベルト31は無張架で、ベルト走行ガイド32に沿って矢印B方向に回転する。張架ロールを必要としないため、加圧ベルトモジュール36全体の熱容量を小さくすることができ、温度ドループをより一層低減させることができる。
そして、定着ロール1の表面から剥離された用紙Pは、剥離案内板7により分離され、排出ガイド11に案内されて、排出ロール12により装置外に排出される。
上述の如き、本実施形態の定着装置においては、定着ベルト30の内外周面双方から加熱されること、並びに、フリーベルトニップ方式を採用したことによる、温度ドループのより一層の抑制、ひいてはより一層の高速定着の効果が、第1の実施形態の定着装置に対して特筆すべき点であり、その他の作用および効果については、第1の実施形態と同一であるため、その詳細な説明は省略することとする。
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明の定着装置を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、各部材の形状、材質、寸法や、温度・速度等の各種条件は、あくまでも一つの例示であり、本発明の構成を具備することを条件として、当業者は、従来公知の知見により、あるいは本発明のために適した条件設定の検討等により、如何なる変更を加えることもできる。
また、上記実施形態においては、定着ベルトを張架する定着側張架ロールが1つまたは2つの場合のみを挙げて説明したが、3つ以上でも構わないし、それら全てに熱源を備える必要も無い。その熱源にしても、必ずしも定着側張架ロールの内部に配さなければならないものではなく、例えば、外部からヒータ等により定着ベルトを直接加熱することとしても構わない。また、電磁誘導加熱(IH)により、定着ベルトや定着側張架ロールを加熱することとしても構わない。
張架型の定着装置の例である上記第1および第2の実施形態においては、加圧ベルトを張架するロールとして、リードロール18、加圧ロール19および張架ロール20の3本のロールを用いる態様を挙げているが、これらロールの数は3本に限られるものではなく、加圧ベルトを張架し得る態様であれば、2本でも4本以上でも構わない。いずれにしても、複数本のロールのうち2本が既述の加圧側張架ロールおよび加圧ロールの機能を有することが要求される。
さらに、上記実施形態においては、本発明で必須の構成として規定されるもの(定着ロールと、定着ロールおよび定着側張架ロールに張架された定着ベルトと、定着ベルト加熱手段とを含む定着ベルトモジュール、並びに、加圧ベルトモジュール)を除く各種態様は、いずれも付随的要素であり、本発明においては、それら付随的要素を省略ないし変更することができる。省略等が可能な付随的要素としては、例えば、押圧部材、剥離案内板、排出機構等が挙げられる。勿論、これらが含まれることが好ましい。
[画像形成装置]
以上のような構成の定着装置は、従来公知の電子写真等の方式による画像形成装置に用いることができる。即ち、電子写真等の方式により、少なくとも、記録媒体表面にトナーを像様に担持させて、未定着トナー画像を形成する未定着トナー画像形成手段と、記録媒体表面に担持された未定着トナー画像を、加熱および加圧することにより定着する定着手段と、を備える画像形成装置であって、定着手段として上記本発明の構成の定着装置を用いることにより、定着装置における温度ドループが緩和され、画像形成装置全体の高速化を図ることができる。
上記未定着トナー画像形成手段としては、例えば、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、得られた未定着トナー画像をシート状の記録媒体に転写する転写手段と、を含むものが挙げられる。
なお、定着装置以外の構成は、従来公知のいずれの構成であっても、本発明の目的に反しない限り用いることができる。さらに、定着装置以外の構成要素に、本発明の剥離装置を適用しても勿論構わない。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ベルトニップ方式の定着装置のメリット、すなわち、ワイドニップを確保することによる高速定着性を、さらに高い次元で実現するべく、より高速であっても有効に温度ドループの発生を極力低減し得る定着装置を提供することができる。そのため、従来のベルトニップ方式やロールニップ方式に比べて、高速、高信頼、高画質等多くの長所を有する定着装置を提供することができ、より一層の高速化が望まれる電子写真分野や静電記録分野における画像形成装置に広く利用することができ、産業上その利用価値は非常に大きい。
本発明の一例である第1の実施形態の定着装置の模式断面図である。 第1の実施形態の定着装置と、従来のベルトニップ方式の定着装置とを用いて、未定着トナー画像が形成された用紙を連続的に定着した場合の定着温度の推移を確認した結果を示グラフである。 本発明の他の一例である第2の実施形態の定着装置の模式断面図である。 本発明のさらに他の一例である第3の実施形態の定着装置の模式断面図である。 従来のロールニップ方式(加熱加圧ロール型)の定着装置の一例である模式断面図である。 従来のベルトニップ方式の定着装置の一例である模式断面図である。 図6の定着装置に、さらに外部加熱を併用した定着装置の模式断面図である。
符号の説明
1,101,111,121 定着ロール、 2,102,112 ハロゲンランプ、 4,104 弾性層、 5 コア、 6 定着ベルトモジュール、 7 剥離案内板、 8,28 張架ロール(定着側張架ロール)、 9,29 ハロゲンランプ(熱源)、 10,30 定着ベルト、 11 排出ガイド、 12 排出ロール、 16,36,116 加圧ベルトモジュール、 17 圧力パッド(押圧パッド)、 18 リードロール(加圧側張架ロール)、 19,128 加圧ロール、 20 張架ロール(加圧側張架ロール)、 21,31 加圧ベルト、 32 ベルト走行ガイド、 33 プレニップ部材、 34 剥離ニップ部材、 37 加圧部材、 103,113 被覆層、 105,115 中空ロール、 106 加圧ロール、 107 剥離爪、 108 温度センサ、 109 芯金ロール、 110 耐熱弾性体層、 114 弾性層、 125,131 エンドレスベルト、 126 未定着トナー画像、 127 圧力パッド、 127 用紙、 128 インレットロール、 129 圧力ロール、 130 張架ロール、 132 外部加熱ロール

Claims (16)

  1. 熱源を有する定着ロール、少なくとも1つ以上の定着側張架ロール、およびこれらロールに張架された状態で回転する無端状の定着ベルトから構成される定着ベルトモジュールと、前記定着ロール表面に前記定着ベルトが巻き付けられた部位の範囲内でのみ前記定着ベルトの外周面に当接して、前記定着ベルトとの間に定着用のニップ部を形成する無端状の加圧ベルトを含む加圧ベルトモジュールと、からなり、
    前記定着ベルトモジュールが、前記定着ベルトのうち前記定着ロールの外周に巻き付けられた部位以外のいずれかの部位において、前記定着ベルトの内周面および/または外周面を加熱する定着ベルト加熱手段を含むことを特徴とする定着装置。
  2. 前記定着ロールが、円筒体の周面に少なくとも弾性体層が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着ベルトモジュールにおける前記定着側張架ロールの少なくとも1つが、その内部に熱源が配されて、前記定着ベルト加熱手段を兼ねることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記定着側張架ロールを2つ以上有し、そのうちの少なくとも1つが、前記定着ベルトの外周面と当接するように前記定着ベルトが取り回され、かつ、内部に熱源が配されて前記定着ベルト加熱手段を兼ねることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記加圧ベルトモジュールが、さらに加圧ロール、および少なくとも1つ以上の加圧側張架ロールを含み、これらロールに前記加圧ベルトが張架された状態で回転し、
    前記加圧ロールが、前記加圧ベルトおよび前記定着ベルトを介して前記定着ロール表面に付勢され、
    前記加圧ベルトのうち、前記加圧ロールにより前記定着ロール表面に付勢された部位から、その回転方向上流に所定の長さが、前記定着ロールの外周に巻き付けられた部位の前記定着ベルトの外周面に押圧され巻き付けられて、前記定着ベルトと前記加圧ベルトとの間に定着用のニップ部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  6. 前記定着用のニップ部が、前記定着ベルトが巻き付けられた部位の範囲内のうち、前記定着ベルトの回転方向上流に形成されることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記加圧ベルトモジュールが、前記加圧ロールの、前記加圧ベルトの従動回転方向上流であって、前記加圧ベルトの内周から、前記加圧ベルトを介して前記定着ロール表面に付勢される押圧部材を含むことを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  8. 前記押圧部材が、パッド状に成型されてなることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 前記加圧側張架ロールのうちの少なくとも1つに、前記加圧ベルトの回転中のベルトエッジ位置を検知するためのベルトエッジ位置検知機構と、該ベルトエッジ位置検知機構の検知結果に応じて前記ロールの軸方向における前記ベルトの当接する位置を変位させる軸変位機構と、を備えることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  10. 前記加圧ベルトモジュールが、張架されずフリーな状態の前記加圧ベルトの周内に当接して配置されるパッド状の加圧部材をさらに含み、
    該加圧部材が、前記加圧ベルトおよび前記定着ベルトを介して前記定着ロール表面に付勢され、前記加圧ベルトの所定の長さが、前記定着ロールの外周に巻き付けられた部位の前記定着ベルトの外周面に押圧され巻き付けられて、前記定着ベルトと前記加圧ベルトとの間に定着用のニップ部が形成されることを特徴とする請求項1に記載定着装置。
  11. 前記定着用のニップ部が、前記定着ベルトが巻き付けられた部位の範囲内のうち、前記定着ベルトの回転方向上流に形成されることを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
  12. 前記加圧部材が定着ロールを押圧するニップ圧力が、ニップ部の出口付近において局所的に大きくなっていることを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
  13. 前記定着ロールが、円筒体の周面に少なくとも弾性体層が形成されてなり、かつ、前記定着ロールに形成されている弾性体層が、前記加圧部材の前記定着ロール表面への付勢により変形を生じていることを特徴とする請求項12に記載の定着装置。
  14. 前記加圧ベルトモジュールに、前記加圧ベルトの回転軸の軸方向への変位を規制するベルトエッジガイドが備えられていることを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
  15. 前記定着側張架ロールのうちの少なくとも1つのロールに、前記定着ベルトのベルトエッジ位置検知機構と、該ベルトエッジ位置検知機構の検知結果に応じて前記ロールの軸方向における前記定着ベルトの当接する位置を変位させる軸変位機構と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  16. 少なくとも、記録媒体表面にトナーを像様に担持させて、未定着トナー画像を形成する未定着トナー画像形成手段と、記録媒体表面に担持された未定着トナー画像を、加熱および加圧することにより定着する定着手段と、を備える画像形成装置であって、
    前記定着手段が、請求項1に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
JP2003308972A 2003-09-01 2003-09-01 定着装置および画像形成装置 Pending JP2005077834A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003308972A JP2005077834A (ja) 2003-09-01 2003-09-01 定着装置および画像形成装置
US10/816,912 US7155154B2 (en) 2003-09-01 2004-04-05 Fixing device and image forming device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003308972A JP2005077834A (ja) 2003-09-01 2003-09-01 定着装置および画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005077834A true JP2005077834A (ja) 2005-03-24

Family

ID=34214180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003308972A Pending JP2005077834A (ja) 2003-09-01 2003-09-01 定着装置および画像形成装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7155154B2 (ja)
JP (1) JP2005077834A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007003808A (ja) * 2005-06-23 2007-01-11 Ricoh Co Ltd 定着装置及び画像形成装置
JP2009210690A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Canon Inc 像加熱装置
JP2010139984A (ja) * 2008-12-15 2010-06-24 Konica Minolta Business Technologies Inc 定着装置およびこれを備える画像形成装置
JP2010160528A (ja) * 2010-04-26 2010-07-22 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004226815A (ja) * 2003-01-24 2004-08-12 Canon Inc 加熱装置及び画像形成装置
US7149464B2 (en) * 2003-03-20 2006-12-12 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Belt-type fixing device
US7406288B2 (en) * 2004-12-13 2008-07-29 Canon Kabushiki Kaisha Image heating apparatus including pads and belts forming a pressurized nip
US7433640B2 (en) * 2005-03-15 2008-10-07 Ricoh Printing Systems, Ltd. Fixing apparatus and image forming apparatus including heating member
JP4609124B2 (ja) * 2005-03-16 2011-01-12 富士ゼロックス株式会社 定着装置および画像形成装置
US7200354B2 (en) * 2005-06-21 2007-04-03 Canon Kabushiki Kaisha Image heating apparatus
KR100694129B1 (ko) * 2005-06-23 2007-03-12 삼성전자주식회사 정착장치 및 이를 채용한 화상형성장치
JP4728059B2 (ja) * 2005-07-15 2011-07-20 株式会社リコー 定着装置および画像形成装置
KR100708161B1 (ko) * 2005-07-15 2007-04-16 삼성전자주식회사 화상 형성장치의 가변 장력 벨트 정착기 및 그 구동방법
US7761044B2 (en) * 2005-08-24 2010-07-20 Ricoh Company, Ltd. Fixing device and image forming apparatus using the same
KR100849341B1 (ko) 2005-09-13 2008-07-29 캐논 가부시끼가이샤 화상 가열 장치
US7920815B2 (en) * 2006-04-18 2011-04-05 Kyocera Mita Corporation Fixing device with easily attachable heater for use in image forming apparatus and image forming apparatus provided with the same
JP5015745B2 (ja) * 2007-12-07 2012-08-29 株式会社リコー 定着装置、および画像形成装置
US7840170B2 (en) 2008-09-17 2010-11-23 Xerox Corporation Apparatus and method for metering fluid film in an image fusing system
US8162472B2 (en) 2008-09-17 2012-04-24 Xerox Corporation Apparatus and method for metering fluid film in an ink jet printing system
US7881649B2 (en) * 2008-09-17 2011-02-01 Xerox Corporation Liquid supply systems, fusers and methods of supplying liquids in printing apparatuses
US8231214B2 (en) * 2008-10-23 2012-07-31 Xerox Corporation Method and apparatus for fixing a radiation-curable gel-ink image on a substrate
US8139992B2 (en) * 2009-04-07 2012-03-20 Xerox Corporation Apparatuses useful for printing and methods of treating marking material on media
JP2013083730A (ja) * 2011-10-06 2013-05-09 Sharp Corp 定着装置及び画像形成装置
JP5987566B2 (ja) * 2012-09-04 2016-09-07 富士ゼロックス株式会社 定着装置及び画像形成装置
JP7154121B2 (ja) * 2018-12-19 2022-10-17 東芝テック株式会社 定着装置および画像形成装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07219366A (ja) * 1994-02-02 1995-08-18 Hitachi Ltd ベルト式熱定着装置
JPH09138597A (ja) * 1995-11-13 1997-05-27 Minolta Co Ltd 定着装置
JPH11227930A (ja) * 1998-02-16 1999-08-24 Fuji Xerox Co Ltd ベルト搬送装置のベルト位置検知装置
JP2002207389A (ja) * 1995-05-16 2002-07-26 Fuji Xerox Co Ltd 画像定着装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2817165B2 (ja) * 1989-02-10 1998-10-27 富士ゼロックス株式会社 定着装置
JP3084692B2 (ja) 1991-09-30 2000-09-04 富士ゼロックス株式会社 定着装置
JP3298354B2 (ja) 1995-03-24 2002-07-02 富士ゼロックス株式会社 画像定着装置
US5729812A (en) * 1996-10-02 1998-03-17 Xerox Corporation Heat and pressure fuser utilizing rigid rolls and belts to form an extended contact zone between the belts including preheat and pressure zones
JPH117216A (ja) 1997-06-13 1999-01-12 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置
JP2002049267A (ja) * 2000-05-23 2002-02-15 Ricoh Co Ltd 定着装置及びこれを有する画像形成装置
US6795678B2 (en) * 2001-11-29 2004-09-21 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus for fixing a toner image on a sheet or recording medium by use of a belt member
JP2004053847A (ja) * 2002-07-18 2004-02-19 Fuji Xerox Co Ltd 画像定着方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07219366A (ja) * 1994-02-02 1995-08-18 Hitachi Ltd ベルト式熱定着装置
JP2002207389A (ja) * 1995-05-16 2002-07-26 Fuji Xerox Co Ltd 画像定着装置
JPH09138597A (ja) * 1995-11-13 1997-05-27 Minolta Co Ltd 定着装置
JPH11227930A (ja) * 1998-02-16 1999-08-24 Fuji Xerox Co Ltd ベルト搬送装置のベルト位置検知装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007003808A (ja) * 2005-06-23 2007-01-11 Ricoh Co Ltd 定着装置及び画像形成装置
JP2009210690A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Canon Inc 像加熱装置
JP2010139984A (ja) * 2008-12-15 2010-06-24 Konica Minolta Business Technologies Inc 定着装置およびこれを備える画像形成装置
JP2010160528A (ja) * 2010-04-26 2010-07-22 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置

Also Published As

Publication number Publication date
US7155154B2 (en) 2006-12-26
US20050047838A1 (en) 2005-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005077834A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP4857774B2 (ja) 定着装置
US7155155B2 (en) Fixing device and image forming apparatus
US20050271433A1 (en) Image heating apparatus and image forming apparatus
JP2004226819A (ja) 加熱装置及び画像形成装置
JP2010079219A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2006243444A (ja) 定着装置及びこれを用いた画像形成装置
JP2005037645A (ja) 定着装置およびそれを用いた画像形成装置
JP2005077872A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2005084484A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2006018075A (ja) 定着装置
JP6039749B2 (ja) 定着装置
JP4701051B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2005301043A (ja) 無端状定着ベルト及び定着装置
JP2005292548A (ja) 無端状ベルト及び定着装置
JP4176461B2 (ja) ベルト定着装置
JP2006267916A (ja) ベルトニップ定着装置
JP2005055470A (ja) 無端状定着ベルト及び定着装置
JP2005221652A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2007057689A (ja) 定着装置
JP3754960B2 (ja) 加熱装置
JP5759284B2 (ja) 像加熱装置、及びこれを備えた画像形成装置
JP4341338B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2005005018A (ja) 加熱装置及び画像形成装置
JP2006235006A (ja) 定着装置および画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20050121

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060824

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090203

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090609