JP2009210690A - 像加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】2つの無端ベルトを用いてニップ部を形成する像加熱装置において、記録材の無端ベルトからの浮きを抑制できるようにする。
【解決手段】2つの無端ベルトの外周面同士を互いに当接させて形成されたニップ部は、加圧部材によるバックアップがない無端ベルトの領域同士によって形成されているプレニップ部と、前記加圧部材によるバックアップがある一方の無端ベルトの領域を他方の無端ベルトに当接させている加圧ニップ部と、によって形成されるとともに、前記ニップ部は、前記プレニップ部から始まり、記録材搬送方向下流側に連続して前記加圧ニップ部が形成されるよう、前記2つの無端ベルトを支持し、少なくとも一方の無端ベルト基層のヤング率E(kgf/mm2)と厚さt(mm)、および前記プレニップ部に相当する無端ベルト領域の当接前の曲率半径R(mm)がEt3/R≧0.05の関係にあることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】2つの無端ベルトの外周面同士を互いに当接させて形成されたニップ部は、加圧部材によるバックアップがない無端ベルトの領域同士によって形成されているプレニップ部と、前記加圧部材によるバックアップがある一方の無端ベルトの領域を他方の無端ベルトに当接させている加圧ニップ部と、によって形成されるとともに、前記ニップ部は、前記プレニップ部から始まり、記録材搬送方向下流側に連続して前記加圧ニップ部が形成されるよう、前記2つの無端ベルトを支持し、少なくとも一方の無端ベルト基層のヤング率E(kgf/mm2)と厚さt(mm)、および前記プレニップ部に相当する無端ベルト領域の当接前の曲率半径R(mm)がEt3/R≧0.05の関係にあることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタ等の画像形成装置に搭載される画像加熱定着装置として用いれば好適な像加熱装置に関する。
電子写真式の複写機やプリンタ等の画像形成装置に搭載する画像加熱定着装置(定着器)として、ベルト方式のものがある。
ベルト方式の定着装置は、未定着トナー画像を担持する記録材やOHPシート等の記録材を挟持搬送しつつ加熱するためのニップ部を無端(エンドレス)状のベルトを用いて形成するために、記録材搬送方向においてニップ部の幅を広く取ることが可能となる。そのため、記録材の搬送速度を速くしても未定着トナー画像を十分な時間加熱することができ、プリント速度を速めることができる。
ベルト方式の定着装置としては、ベルトとローラを組み合わせた構成のものと、2本のベルトを組み合わせた構成のものが提案されている。
ベルトとローラを組み合わせた構成の例として、特許文献1の定着装置が挙げられる。これは、熱源を内側に有し回転可能な定着ローラに、ベルトが所定角度巻きつけられて配設され、そのベルト内側に設けられた加圧部材によりベルトを定着ローラに接触させてニップ部が形成される。そして未定着トナー画像を担持する記録材をニップ部で挟持搬送し、未定着トナー画像を記録材に定着させる。
一方、ベルトとベルトを組み合わせた構成の例として、特許文献2の定着装置が挙げられる。これは、駆動ローラと従動ローラとに掛け渡した定着ベルトと、ベルトを介してそれぞれのローラに加圧させるローラ対に掛け渡した加圧ベルトによってニップ部を形成している。そして未定着トナー画像を担持した記録材をニップ部で挟持搬送し、未定着トナー画像を記録材に定着させるものである。
ベルト同士を接触させて形成されるニップ部途中での圧力低下を低減するために、ベルトの内部からベルトを押圧する機能を持つ部材をベルトの内部に設けた定着装置が特許文献3に記載されている。これは、2本のベルトと、それぞれのベルトの内周をガイドするベルトガイドと、それぞれのベルト内に配置されるローラと、を有する。そしてベルトを介してローラ同士、及びベルトガイド同士を加圧し2本のベルトを接触させてニップ部を形成している。この定着装置においては、ローラ同士を加圧させるニップ端部に比べて、ベルトガイド同士を加圧させるニップ中央部での圧力が相対的に低下することを防止できる。
記録材から発生する水蒸気がニップ途中に滞留することに起因して起こるトナー画像の乱れを防止するための発明として、特許文献4の定着装置が挙げられる。これは、定着ベルトの内側に設けられ定着ベルトの内周面と接触して定着ベルトを加熱する加熱板と、この加熱板と対向する位置で定着ベルトの外周面と接触してニップ部を形成する押圧ベルトと、を有する。そして押圧ベルトの基材はヤング率E(kgf/mm2)及び厚さt(mm)がE×t3≧0.6を満たすように形成されるものである。この定着装置においては、押圧ベルトの内側に設けられた複数の押圧部材に加えて、押圧ベルトを所定の剛性を満たすように形成することで、記録材が定着ベルトから浮くことを抑制し、画像乱れの発生を防止することができるとしている。
特開2001−356625号公報
特開平5−127551号公報
特開2005−173058号公報
特開2005−300590号公報
ベルト方式の定着装置は、記録材に担持された未定着トナー画像に乱れが発生しないようにするために、記録材のベルトからの浮きを抑制することが望まれている。
本発明の目的は、2つの無端ベルトを用いてニップ部を形成する像加熱装置において、記録材の無端ベルトからの浮きを抑制できるようにすることを課題とする。
上記課題を達成するための構成は、2つの無端ベルトと、前記2つの無端ベルトの少なくとも一方の無端ベルトを加熱する手段と、を有し、前記2つの無端ベルトの外周面同士を互いに当接させてニップ部を形成するとともに、前記ニップ部でトナー画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置において、
前記ニップ部は、加圧部材によるバックアップがない無端ベルトの領域同士によって形成されているプレニップ部と、前記加圧部材によるバックアップがある一方の無端ベルトの領域を他方の無端ベルトに当接させている加圧ニップ部と、によって形成されるとともに、前記ニップ部は、前記プレニップ部から始まり、記録材搬送方向下流側に連続して前記加圧ニップ部が形成されるよう、前記2つの無端ベルトを支持し、少なくとも一方の無端ベルト基層のヤング率E(kgf/mm2)と厚さt(mm)、および前記プレニップ部に相当する無端ベルト領域の当接前の曲率半径R(mm)がEt3/R≧0.05の関係にあることを特徴とする。
前記ニップ部は、加圧部材によるバックアップがない無端ベルトの領域同士によって形成されているプレニップ部と、前記加圧部材によるバックアップがある一方の無端ベルトの領域を他方の無端ベルトに当接させている加圧ニップ部と、によって形成されるとともに、前記ニップ部は、前記プレニップ部から始まり、記録材搬送方向下流側に連続して前記加圧ニップ部が形成されるよう、前記2つの無端ベルトを支持し、少なくとも一方の無端ベルト基層のヤング率E(kgf/mm2)と厚さt(mm)、および前記プレニップ部に相当する無端ベルト領域の当接前の曲率半径R(mm)がEt3/R≧0.05の関係にあることを特徴とする。
また、前記少なくとも一方の無端ベルト基層のヤング率E(kgf/mm2)と厚さt(mm)、およびプレニップ部に相当する無端ベルト領域の当接前の曲率半径R(mm)がEt3/R≧0.17の関係にあることがさらに好ましい。
本発明によれば、2つの無端ベルトを用いてニップ部を形成する像加熱装置において、記録材の無端ベルトからの浮きを抑制できる。
本発明を図面に基づいて説明する。
[実施例1]
(1)画像形成装置例
図17は本発明に係る像加熱装置を画像加熱定着装置として搭載できる画像形成装置の一例の構成模型図である。この画像形成装置は、電子写真画像形成方式を用いて記録材(例えば、記録材、OHPシート等)に画像を形成するレーザビームプリンタである。
(1)画像形成装置例
図17は本発明に係る像加熱装置を画像加熱定着装置として搭載できる画像形成装置の一例の構成模型図である。この画像形成装置は、電子写真画像形成方式を用いて記録材(例えば、記録材、OHPシート等)に画像を形成するレーザビームプリンタである。
本実施例に示す画像形成装置Aは、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)101を有する。この感光ドラム101は、画像形成装置Aの筐体を構成する画像形成装置本体Bに回転自在に支持され、駆動手段(不図示)によって矢印方向へ所定のプロセススピードで回転駆動される。その感光ドラム101の周囲には、回転方向に沿って、帯電ローラ(帯電手段)102、レーザ露光装置(露光手段)103、現像装置(現像手段)105、転写ローラ(転写手段)106、クリーニング装置(クリーニング手段)107がその順に配設してある。
回転動作中において、感光ドラム101の外周面(表面)は帯電ローラ102により所定の電位及び極性に一様に帯電される。そしてその感光ドラム101表面に対しレーザ露光装置103から目的の画像情報に基づいたレーザLがミラー104等を介して走査露光される。これによりその露光部分の電荷が除去され、感光ドラム101表面に画像情報に応じた静電潜像(静電像)が形成される。その静電潜像は現像ローラ105aを有する現像装置105によりトナー(現像剤)を用いて現像される。即ち、現像装置105は現像ローラ105aに現像バイアスを印加し、感光ドラム101表面の静電潜像にトナーを付着させる。これによって静電潜像はトナー画像(現像像)として可視化(顕像化)される。
一方、所定のタイミングで給送ローラ109により給送カセット108から記録材Pが給送され、その記録材Pは搬送ローラ110によって感光ドラム101と転写ローラ106との間の転写ニップ部Tnへと搬送される。そしてその記録材Pは転写ニップ部Tnで挟持搬送され、その搬送過程において転写ローラ106に転写バイアスを印加する。これにより感光ドラム101表面のトナー画像が順次記録材Pの上に転写される。
転写ニップ部Tnで未定着トナー画像を担持した記録材Pは感光ドラム101表面から分離し搬送ガイド111に沿って画像加熱定着装置112へ搬送される。定着装置112は記録材P上の未定着トナー画像に熱と圧力を付与して未定着トナー画像を記録材P上に加熱定着する。定着装置112を出た記録材Pは、搬送ローラ113により排出ローラ114に搬送され、その排出ローラ114により装置本体B上の排出トレイ115に排出される。
トナー画像転写後の感光ドラム101表面は、クリーニング装置107の有するクリーニングブレード107aにより転写残トナー等の付着物が除去され、次の画像形成に供される。
(2)定着装置
以下の説明において、定着装置又はその定着装置を構成している部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。幅とは短手方向の寸法である。
以下の説明において、定着装置又はその定着装置を構成している部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。幅とは短手方向の寸法である。
図1は定着装置112の一例の横断面模型図である。図2は定着装置112の図1に示すII−II線矢視断面図である。図3は定着装置112の図1に示すIII−III線矢視断面図である。図4は定着装置112の図1に示すIV−IV線矢視断面図である。
本実施例に示す定着装置112は、無端ベルトとしての定着ベルト11及び加圧ベルト12と、加圧部材としての定着ローラ13及び加圧ローラ14と、回転体としての加熱ローラ16及びテンションローラ17と、を有する。
また、定着装置112は、加熱する手段(加熱手段)としてのハロゲンヒータ15と、温度検知手段としてのサーミスタ等の温度検知素子18と、を有する。また、定着装置112は、定着ローラ13を支持する支持部材としての第1フレーム31L・31Rと、加圧ローラ14を支持する支持部材としての第2フレーム33L・33Rと、を有する(図2)。また、定着装置112は、加熱ローラ16を支持する支持部材としての第3フレーム35L・35Rと、テンションローラ17を支持する支持部材としての第4フレーム37L・37Rと、を有する(図4)。
そして、定着ベルト11、定着ローラ13、加熱ローラ16、ヒータ15、温度検知素子18、定着ローラを支持する第1フレーム31L・31R、及び加熱ローラを支持する第3フレーム35L・35Rなどによって定着ベルトユニットU1を構成している。
そして、加圧ベルト12、加圧ローラ14、テンションローラ17、加圧ローラ14を支持する第2フレーム33L・33R、及びテンションローラを支持する第4フレーム37L・37Rなどによって加圧ベルトユニットU2を構成している。
本実施例の定着装置112は、定着ベルトユニットU1において、定着装置112の長手方向に沿って配置した定着ベルト11の内側に定着ローラ13と加熱ローラ16を設け、その定着ローラ13と加熱ローラ16とにより定着ベルト11を支持する構成とした。
また、加圧ベルトユニットU2において、定着装置112の長手方向に沿って配置した加圧ベルト12の内側に加圧ローラ14とテンションローラ17を設け、その加圧ローラ14とテンションローラ17とにより加圧ベルト12を支持する構成とした。
図5を参照して、定着ベルト11及び加圧ベルト12の層構成を説明する。
図5の(a)は定着ベルト11の層構成の一例を表わす断面図、(b)は加圧ベルト12の層構成の一例を表わす断面図である。
定着ベルト11及び加圧ベルト12は、それぞれ、内側にエンドレスの基層11a・12aを有し、その基層11a・12aの外周に弾性層11b・12bを有し、その弾性層11b・12bの外周に離型層11c・12cを有する(図5(a)・(b))。無端ベルト基層としての基層11a・12aは、ニッケル、SUS等の金属製の電鋳ベルト或いはポリイミドなどの耐熱性樹脂からなるエンドレスのベルトである。基層11a・12aの厚さは、金属製の電鋳ベルトの場合には厚さが50〜150μm程度、耐熱樹脂の場合には100〜300μm程度として、ベルト自体が適度な剛性と可撓性を有することが好ましい。具体的な適正値の範囲は本発明の条件で決まり、後で詳細に述べる。弾性層11b・12bは、基層11a・12a上に形成された厚さ50〜300μm程度のシリコンゴム層である。また、離型層11c・12cは、弾性層11b・12b上に形成された厚さ10〜50μm程度のPFA、PTFEなどのフッ素系樹脂層であり、チューブの被覆或いはコーティング等によって弾性層11b・12b上に形成されている。
本実施例では、定着ベルト11及び加圧ベルト12として、次の構成のものを用いている。即ち、厚さ75μmのニッケル層からなるエンドレスベルトを基層11a・12aとし、その基層11a・12aの外周に弾性層11b・12bとして厚さ300μmのシリコンゴム層を形成している。さらにその弾性層11b・12bに離型層11c・12cとして50μmのPFAチューブを被覆している。また外径は、定着ベルト11、加圧ベルト12共にφ55mmとしている。
定着ローラ13及び加圧ローラ14は、それぞれ、φ18のSUS製の芯金13a・14aの外周に、厚さ5mmのシリコンスポンジゴム層からなる弾性層13b・14bを設けた外径φ28mmの弾性ローラである。このときのアスカーC硬度は9.8N(1kgf)加重時で、約40°である。
本実施例においては、定着ローラ13及び加圧ローラ14の弾性層13b・14bの長手方向の寸法は、定着ベルト11及び加圧ベルト12の長手方向の寸法よりも僅かに大きい寸法に設定した(図2)。定着ローラ13及び加圧ローラ14の弾性層13b・14bの長手方向の寸法は、定着ベルト11及び加圧ベルト12の長手方向の寸法と略同一、或いは、定着ベルト11及び加圧ベルト12の長手方向の寸法よりも短い寸法に設定しても問題ない。
上記の定着ローラ13は、芯金13aの両端部が軸受32L・32Rを介して第1フレーム31L・31Rに回転自在に支持される(図2)。
加圧ローラ14は、定着ローラ13の下方において定着ローラ13と並列に配置され、芯金14aの両端部が軸受34L・34Rを介して第2フレーム33L・33Rに回転自在に支持される(図2)。
図6は、定着ローラ13と加熱ローラ16と定着ベルト11の関係を表わす説明図である。図6において、(a)は定着ローラ13と加熱ローラ16とに定着ベルト11をその定着ベルト11の最短経路長さで掛け回した状態を表わす図である。(b)は定着ローラ13と加熱ローラ16とに定着ベルト11をその定着ベルト11の最短経路長さよりも余裕を持たせて掛け回した状態を表わす図である。
加熱ローラ16は、肉厚1mm、外径φ18mmのアルミニウム製の中空円筒体である。この加熱ローラ16は、定着ローラ13に掛け回した定着ベルト11を定着ローラ13から記録材搬送方向上流側の斜め上方へ張り出すような位置に設けられる。
つまり、加熱ローラ16は、定着ローラ13と加熱ローラ16とに定着ベルト11を掛け回したときの定着ベルト11の最短経路長さよりも定着ベルト11の周長さの方が余裕を持って長くなるような位置に、意図的に配置される。そしてその位置において、加熱ローラ16の両端部が第3フレーム35L・35Rに軸受36L・36R(図4)を介して回転自在に支持される。或いは、加熱ローラ16両端部の軸受36L・36Rが加熱ローラ16の回転中心と定着ローラ13の回転中心とを結ぶ仮想直線L1上において定着ローラ13から離れる方向P1(図1)にバネ等で付勢した状態に第3フレーム35L・35Rに支持される。
つまり、定着ベルト11は、図6(a)のように定着ローラ13と加熱ローラ16とにテンションを張った状態に掛け回されるのではなく、図6(b)のように定着ローラ13と加熱ローラ16とに弛ませた状態に緩く掛け回される。従って、定着ベルト11には、その定着ベルト11の周方向において定着ローラ13と加熱ローラ16との間に弛み部11aが形成される。
本実施例においては、定着ローラ13の軸中心位置と加熱ローラ16の中心位置との距離を46[mm]に設定して、弛み部11aを形成するようにした。このとき、弛み部11aの曲率半径Rすなわち後述のプレニップ部N1に相当する定着ベルト11領域(無端ベルト領域)の当接前の曲率半径は52mm程度になっている。
加熱ローラ16の内部に設けられたハロゲンヒータ15は、その両端部が第3フレーム35L・35Rに設けられたヒータ支持部35L1・35R1により支持されている。加熱ローラ16の内面は黒色に塗装がなされ、ハロゲンヒータ15の輻射熱を吸収しやすくなっている。
上記の加熱ローラ16は、加熱ローラ16の外周面(表面)の一部を定着ベルト11の内周面(内面)と接触させ、その接触領域からハロゲンヒータ15による熱を定着ベルト11に伝達して、定着ベルト11を加熱する構成である。つまり、定着ベルト11は加熱ローラ16を通じてハロゲンヒータ15により加熱される。
図7は加圧ローラ14とテンションローラ17と加圧ベルト12の関係を表わす説明図である。図7において、(a)は加圧ローラ14とテンションローラ17とに加圧ベルト12をその加圧ベルト12の最短経路長さで掛け回した状態を表わす図である。(b)は加圧ローラ14とテンションローラ17とに加圧ベルト12をその加圧ベルト12の最短経路長さよりも余裕を持たせて掛け回した状態を表わす図である。
テンションローラ17は、外径φ18mmのローラであって、SUS製φ10mmの芯金17aの外周に厚さ4mmのシリコンスポンジゴム層からなる弾性層17bを設けた構成である。弾性層17bの長手方向の寸法は、定着ローラ13及び加圧ローラ14の弾性層13b・14bの長手方向の寸法と等しい。このテンションローラ17は、加圧ローラ14に掛け回した加圧ベルト12を加圧ローラ14から記録材搬送方向上流側の斜め下方へ張り出すような位置に設けられる。
つまり、テンションローラ17は、加圧ローラ14とテンションローラ17とに加圧ベルト12を掛け回したときの加圧ベルト12の最短経路長さよりも加圧ベルト12の周長さの方が余裕を持って長くなるような位置に、意図的に配置される。そしてその位置において、テンションローラ17の芯金17aの両端部が第4フレーム37L・37Rに軸受38L・38R(図4)を介して回転自在に支持される。或いは、芯金17a両端部の軸受38L・38Rが加圧ローラ14の回転中心とテンションローラ17の回転中心とを結ぶ仮想直線L2上において加圧ローラ14から離れる方向P2(図1)にバネ等で付勢された状態に第4フレーム37L・37Rに支持される。
つまり、加圧ベルト12は、図7(a)のように加圧ローラ14とテンションローラ17とにテンションを張った状態に掛け回されるのではなく、図7(b)のように加圧ローラ14とテンションローラ17とに弛ませた状態に緩く掛け回される。従って、加圧ベルト12には、その加圧ベルト12の周方向において加圧ローラ14とテンションローラ17との間に弛み部12aが形成される。
本実施例においては、加圧ローラ14の軸中心位置とテンションローラ17の中心位置との距離を46[mm]に設定して、弛み部12aを形成するようにした。このとき、弛み部12aの曲率半径Rすなわち後述のプレニップ部N1に相当する定着ベルト11領域(無端ベルト領域)の当接前の曲率半径は52mm程度になっている。
次に、定着ベルトユニットU1の定着ベルト11と加圧ベルトユニットU2の加圧ベルト12とによって形成されるニップ部の詳細について説明する。
以下、本実施例の定着器構成において、説明の便宜上、ニップ部はその機能的役割に応じて、「プレニップ部」、「加圧ニップ部」と名称を付して説明する。
「プレニップ部」とは、定着ベルト11、加圧ベルト12が、それぞれ定着ローラ13、加圧ローラ14に接触していないベルト部分で形成されたニップ部である(図1)。つまり、プレニップ部は、定着ローラ13及び加圧ローラ14(加圧部材)によるバックアップがない定着ベルト11及び加圧ベルト12(無端ベルト)の領域同士によって形成されているニップ部である。「加圧ニップ部」とは、定着ベルト11、加圧ベルト12の内面にそれぞれ配置した定着ローラ13、加圧ローラ14の圧接部内において形成されたニップ部である(図1)。つまり、加圧ニップ部は、定着ローラ13及び加圧ローラ14(加圧部材)によるバックアップがある定着ベルト11(一方の無端ベルト)の領域を加圧ベルト12(他方の無端ベルト)に当接させて形成されているニップ部である。また、「プレニップ部」と「加圧ニップ部」を合わせたニップ領域を「トータルニップ」とする。
定着ベルトユニットU1と加圧ベルトユニットU2において、定着ローラ13を支持する第1フレームと、加圧ローラ14を支持する第2フレームには、それぞれ、加圧手段としての加圧バネ41L・41R,42L・42Rが配設される(図2)。そしてその加圧バネ41L・41R,42L・42Rにより定着ローラ13と加圧ローラ14は互いに接近する方向に付勢される。その定着ローラ13と加圧ローラ14は、それぞれの弾性層13b・14bにより定着ベルト11と加圧ベルト12が挟まれて加圧されることにより、定着ベルト11の外周面(表面)と加圧ベルト14の外周面(表面)が接触する。つまり、定着ローラ13と加圧ローラ14は、定着ベルト11と加圧ベルト14の外周面同士が互いに当接する。その結果、定着ベルト11表面と加圧ベルト12表面との接触により加圧ニップ部N2が形成される(図1)。本実施例においては、加圧バネ41L・41R,42L・42Rによる定着ローラ13と加圧ローラ14への加圧力の総圧を196N(20kgf)とし、これにより加圧ニップ部N2の幅を5mmとしている。
図8は、加圧ニップ部N2の形成に伴い定着ベルト11と加圧ベルト12のそれぞれの弛み部11a・12aによって形成されるプレニップ部N1の説明図である。
上述のように、非加圧状態における定着ベルトユニットU1においては、図6(b)に示すように、弛み部11aを有する。また、非加圧状態における加圧ベルトユニットU2においては、図7(b)に示すように、弛み部12aを有する。
定着ローラ13と加圧ローラ14が互いに接近する方向に付勢され、定着ベルト11と加圧ベルト12との接触により加圧ニップ部N2が形成される。すると、その加圧ニップ部N2の記録材搬送方向上端から、定着ベルト11と加圧ベルト12のそれぞれの弛み部11a・12aに所定の範囲で重なり合う領域、オーバーラップする領域(図8の点線部分)が生じる。それぞれの弛み部11a・12aは、その重なり合う領域で定着ベルト11表面と加圧ベルト12表面が接触する。これにより、定着ベルト11と加圧ベルト12は周方向に平衡を保つように適度に変形する。これによって、その重なり合う領域にプレニップ部N1が形成される(図1)。
従って、このプレニップ部N1内におけるニップ圧は、定着ベルト11と加圧ベルト12が図1に示す接触状態からそれぞれ図6(b)、図7(b)に示す非接触状態に戻ろうとする、定着ベルト11及び加圧ベルト12の弾性の力によるものである。
つまり、プレニップ部N1内におけるニップ圧は、定着ベルト11及び加圧ベルト12の主にそれぞれの基層11a・12aの有する剛性及び可撓性に依存して非接触状態での形状に戻ろうとするベルト11,12自身の復元力によるものである。こうして形成されたプレニップ部N1の幅は、およそ15mmである。
このようにして形成されるプレニップ部N1は、互いに可撓性を有し変形する定着ベルト11及び加圧ベルト12の当接によって形成される。そのため、プレニップ部N1の範囲内においてその圧力分布はほぼ均一であり、安定した当接状態を維持することが可能になっている。
さらに、このプレニップ部N1は、定着ベルト11に内包される定着ローラ13と加圧ベルト12に内包される加圧ローラ14を付勢することによって形成される加圧ニップ部N2と連続して形成される。そのため、記録材を挟持、搬送する際に、記録材Pと定着ベルト11及び加圧ベルト12との密着性が、プレニップ部N1と加圧ニップ部N2を含めたトータルニップ内において維持されている。つまり、トータルニップは、プレニップ部N1から始まり、記録材搬送方向下流側に連続して加圧ニップ部N2が形成されるよう、2つの無端ベルトである定着ベルト11と加圧ベルト12を支持する。
プレニップ部N1及び加圧ニップ部N2とで形成される、本実施例におけるトータルニップの圧力分布について、ニッタ(株)製の圧力分布測定システムPINCHを用いて測定を行った。図9に測定された圧力分布の様子を示す。
図9に示すように、定着ローラ13と加圧ローラ14とが互いに接近する方向に付勢されていることから、この部分に相当する位置で定着ベルト11と加圧ベルト12が接触して形成される加圧ニップ部N2において加圧力が最も高くなる。
これに対して、プレニップ部N1においては、定着ベルト11と加圧ベルト12との弾性力(復元力)のみで定着ベルト11表面と加圧ベルト12表面とが接触しているために、加圧ニップ部N2の加圧力に比べて非常に低い。また、プレニップ部N1においては、剛性を有するエンドレスベルトを基層11a・12aとして備える定着ベルト11と加圧ベルト12同士の接触となっていることから、均一な圧力分布となっている。
(3)定着装置の加熱定着動作
加圧ローラ14の芯金14aの端部に設けられた駆動ギアG(図2)が定着モータMにより回転駆動されることによって、加圧ローラ14は所定の周速度にて矢印方向に回転される(図1)。加圧ローラ14が回転すると、加圧ニップ部N2においてその加圧ローラ14の回転が加圧ベルト12に伝達され、加圧ベルト12は加圧ローラ14の回転に伴い加圧ローラ14とテンションローラ17の周囲を矢印方向に周回移動する。その加圧ベルト12の回転がテンションローラ17に伝達され、テンションローラ17は加圧ベルト12の回転に伴い矢印方向に従動回転する。また、加圧ニップ部N2においてその加圧ベルト12の回転が定着ベルト11表面に伝達され、定着ベルト11は加圧ベルト12の回転に伴い定着ローラ13と加熱ローラ16の周囲を加圧べルト12と等速度で矢印方向に周回移動する。その定着ベルト11の回転が加熱ローラ16に伝達され、加熱ローラ16は定着ベルト11の回転に伴い矢印方向に従動回転する。本実施例では、加圧ベルト12及び定着ベルト11の周回移動速度(走行速度)は200mm/sである。
加圧ローラ14の芯金14aの端部に設けられた駆動ギアG(図2)が定着モータMにより回転駆動されることによって、加圧ローラ14は所定の周速度にて矢印方向に回転される(図1)。加圧ローラ14が回転すると、加圧ニップ部N2においてその加圧ローラ14の回転が加圧ベルト12に伝達され、加圧ベルト12は加圧ローラ14の回転に伴い加圧ローラ14とテンションローラ17の周囲を矢印方向に周回移動する。その加圧ベルト12の回転がテンションローラ17に伝達され、テンションローラ17は加圧ベルト12の回転に伴い矢印方向に従動回転する。また、加圧ニップ部N2においてその加圧ベルト12の回転が定着ベルト11表面に伝達され、定着ベルト11は加圧ベルト12の回転に伴い定着ローラ13と加熱ローラ16の周囲を加圧べルト12と等速度で矢印方向に周回移動する。その定着ベルト11の回転が加熱ローラ16に伝達され、加熱ローラ16は定着ベルト11の回転に伴い矢印方向に従動回転する。本実施例では、加圧ベルト12及び定着ベルト11の周回移動速度(走行速度)は200mm/sである。
本実施例のように定着ベルト11と加圧ベルト12を意図的に弛ませた状態(図6(b)、図7(b))においても、その定着ベルト11と加圧ベルト12は、それぞれ、基層11a・12aが剛性及び可撓性を有する。このことから、定着ベルト11と加圧ベルト12は、それぞれ、その弛ませた状態を維持しながら回転する。
加熱定着動作時においても定着ベルト11及び加圧ベルト12は弛んだ形状を維持した状態で回転する。このことから、定着ベルト11と加圧ベルト12がテンションを張った状態(図6(a)、図7(a))で回転する場合に比べ、波打ち(ベルト長手方向のうねり)が発生しにくくなる。従って、定着ベルト11表面を記録材Pに均一に接触させることができるという利点がある。
ヒータ15には、加圧ローラ14の回転駆動と前後して、或いはこれと同時に、通電制御手段としての通電制御部41(図4)により通電を行う。これによりヒータ15が発熱し、そのヒータ15によって回転動作中の加熱ローラ16を加熱し、その加熱ローラ16によって回転動作中の定着ベルト11を加熱する。その定着ベルト11の熱は加圧ニップ部N2及びプレニップ部N1を通じて回転動作中の加圧ベルト12に伝わり、加圧ベルト12が加熱される。加熱ローラ16の温度は温度検知素子18(図1)により検知され、その温度検知素子18からの出力信号S1に基づいて通電制御部41がヒータ15に通電する電力を制御して、ヒータ15の温度制御を行う。即ち、通電制御部41は、プレニップ部N1においてトナー画像Tをフローテスターにおける略流出開始温度Tfb以上の温度に加熱する所定の設定温度(目標温度)を維持するように温度検知素子18からの出力信号S1に基づいてヒータ15への通電を制御する。
本実施例で用いているフローテスターにおける流出開始温度Tfbは、以下の条件で求めたものである。
フローテスターCFT-500D(島津製作所製)を使用し、ダイ穴径:1[mm]、荷重値:405[kgf]、昇温速度4[℃/min.]の条件下で、トナーペレットを加熱して溶融流出させる。このとき、トナーがダイの穴から流出を開始した時点での温度を「流出開始温度Tfb」とした。
上記の定着ローラ13、加圧ローラ14及びテンションローラ17において、弾性層13b・14b・17bは断熱性を有するシリコンスポンジゴム層で形成されている。そのため、記録材Pに未定着トナー画像Tを加熱定着するための定着ベルト11及び加圧ベルト12の加熱に必要な上記部材13・14・17の熱容量を小さくすることができる。従って、本実施例の定着装置112を搭載する画像形成装置Aは、プリンタ指令の入力後、1枚目の画像を出力するまでの時間(FPOT:First Printout time)を短くできる。つまり、ウォームアップ時間を短くすることができる。また、本実施例の定着装置112は、プリンタ指令を待つ待機中の消費電力を少なくすることができる。
上記のように加圧ベルト12及び定着ベルト11の回転とヒータ15への通電を行わせた状態において、トナー画像Tを担持する記録材Pがプレニップ部N1にトナー画像担持面を上向きにして導入される。
その記録材Pは、プレニップ部N1において、定着ベルト11と加圧ベルト12とにより、定着ベルト11と加圧ベルト12の弾性(復元力)によって弱く均一に挟持され、その状態で搬送される。
同時に、予熱されている定着ベルト11及び加圧ベルト12によって、記録材Pは定着ベルト11側のトナー画像担持面と加圧ベルト12側のトナー画像非担持面の両面から予熱される。このプレニップ部N1は、図3に示すよう定着ベルト11と加圧ベルト12の接触のみで形成されているため、記録材Pを挟持している状態では定着ベルト11と加圧ベルトはそれぞれ記録材Pのみと接触している領域である。
すなわち、プレニップ部N1における定着ベルト11は、記録材Pのトナー画像担持面にのみ接触することとなり、定着ローラ13や他の構成部材とは接触していない。
また、プレニップ部N1における加圧ベルト12は、記録材Pのトナー画像非担持面にのみ接触し、加圧ローラ14や他の構成部材とも接触していない。
従って、定着ベルト11及び加圧ベルト12が保持している熱は、記録材Pに対して効率よく伝達することができるようになっている。
従って、定着ベルト11及び加圧ベルト12が保持している熱は、記録材Pに対して効率よく伝達することができるようになっている。
このように記録材Pは定着ベルト11及び加圧ベルト12の弾性により定着ベルト11表面と加圧ベルト12表面とによって挟持されることから、記録材P面は全域に渡って均一に弱く加圧され、且つ均一に予熱される。
記録材Pに担持された未定着トナー画像Tは、プレニップ部N1において略流出開始温度Tfb以上に十分に加熱され、引き続き加圧ニップ部N2で定着ベルト11表面と加圧ベルト12表面とにより挟持搬送されながら加圧される。
これにより、記録材Pに担持された未定着トナー画像Tは、十分な定着性、光沢(グロス)を有する定着画像として記録材P面に加熱定着される。
つまり、プレニップ部N1で未定着トナー画像Tが十分に溶融する時間を確保してから加圧ニップ部N2で未定着トナー画像Tを記録材Pに加圧定着する温度分布と圧力分布をプレニップ部N1と加圧ニップ部N2とにより得ることができる。
これにより、未定着トナー画像Tの定着不良、ブリスター、オフセット等の発生を大幅に低減できる。そしてその記録材Pは加圧ニップ部N2から排出される。
このプレニップ部N1、加圧ニップ部N2を通過する加熱定着過程を通して、トータルニップ内の各地点における記録材P上に担持されたトナー画像Tの温度変化の様子を測定した。
温度プロファイルの測定は、次のようにして行った。温度検知部の熱容量が小さい熱電対(例えば、安立計器(株)製K型熱電対線径50μm)を記録材P上に貼り付け、その記録材Pを上記温度制御した定着装置112のプレニップ部N1と加圧ニップ部N2で挟持搬送させた。そしてそのときの熱電対から電位差信号を日置電機(株)製メモリハイコーダー(8842)にて測定した。
このようにして、ニップ部通過時における、時間に対する温度変化の様子を測定することができるが、これに記録材Pの搬送速度を乗ずることによって、定着ニップ内の各位置における温度プロファイルとすることができる。
このようにして測定した本実施形態のプレニップ部N1と第2の加圧ニップ部N2における温度プロファイルを図10に示す。この図中には、図9に示した加圧力の分布を、ニップの各地点における位置を横軸方向で合わせた上で、温度プロファイルと重ねて示している。
また、溶融、定着過程を説明するために、この定着工程における記録材Pとトナー画像Tの状態を示すモデル図を図11に示す。
図11(a)は、ニップ突入前の記録材Pとトナー画像Tの状態を示す図であり、同様に(b)はプレニップ部N1通過直後における状態、(c)は加圧ニップ部N2通過直後における状態を示すモデル図である。
以下に、本定着器の実施形態の定着器をもってトナー画像Tが定着される過程を、図10の温度プロファイル、加圧力の分布、図11の記録材Pとトナー像Tの状態を示すモデル図から説明する。
まず、トナー画像Tを担時した記録材Pは、プレニップ部N1に導入される。プレニップ部N1では図10に示すように、トナー画像Tは次第に予熱され、その温度が上昇する。このとき、プレニップ部N1での温度プロファイルは上昇し、その傾きはプレニップ部N1の後半に至るにつれて次第に緩やかになり、飽和する傾向を示す。このとき、その温度は図10に示すように、プレニップ部N1の範囲内において、フローテスターにおける略流出開始温度Tfb以上に到達している。
まず、フローテスタ−における略流出開始温度Tfb以上とするのが好ましいとするのは以下のような理由からである。
トナー画像Tが、実際に記録材Pに十分な強度をもって定着される為には、少なくとも記録材の繊維に浸透させ、繊維間に埋め込み固着させる、アンカー効果をもって定着しなければならない。そして、このように記録材の繊維に浸透させるためには、まずトナーが溶融し、変形する状態になっていなければならない。
フローテスターにおける流出開始温度Tfbは、その測定原理から、まさにこのようにトナーが溶融し変形し始める温度を示している。すなわち、フローテスターにおいて、一定荷重を加えた状態のトナーペレットに対し徐々に温度を上げていった際にトナーがダイ穴から流出し始める温度は、トナーの溶融、変形し始めた温度を示している。
このことは実験的にも以下のように確かめられた。トナー画像Tを担持した記録材Pを無加圧の状態で、流出開始温度Tfb以下の環境下に放置した場合、記録材上に担持されたトナー画像Tは全く変化しなかった。
一方、流出開始温度Tfb以上の環境下に放置した場合には、記録材上に担持されたトナー画像Tが溶融し始めており、明らかに記録材に対する付着力の向上が認められた。
次に、トナー画像Tの温度を、特にプレニップ部N1において、Tfb以上にすることが望ましい理由は、加圧力のかかる加圧ニップ部N2に至る前に、十分に溶融した状態を作っておく為である。
トナー画像Tを担持した記録材Pは、引き続き、加圧力のかかっている加圧ニップ部N2で加圧力を受けて記録材の繊維にトナー画像Tを適度に浸透させ、定着画像を得る。このとき、プレニップ部N1内において、すでにTfb以上の温度に到達していれば、加圧力のかかっている加圧ニップ部N2内全域に渡って、トナー画像Tは略流出開始温度Tfb以上の温度を維持できることになる。つまり、トナー画像Tは加圧ニップ部N2内全域に渡って、溶融変形する状態にあるので、加圧ニップ部N2で付与された加圧力は、無駄なく、トナー画像Tを記録材Pへ浸透させるのに使われる。
一方、加圧ニップ部N2内でトナーは流出開始温度Tfb以上の温度に達していない部分があると、トナー画像Tは変形しない状態にあるので、その部分で付与された加圧力は、粒子状のトナーを記録材へ押し付ける力として無駄に使われる。その場合、トナーを記録材Pへ効果的に浸透させる力が減少する。
このように、付与した加圧力を効果的に使い、必要最小限の加圧力でトナー画像Tを定着させる為には、加圧力のかかっている加圧ニップ部N2内全域に渡って、トナー画像TをTfb以上の温度とする。つまり、プレニップ部N1内において、トナー画像Tの温度をフローテスタ−における流出開始温度Tfb以上とするのが好ましい。
言うまでもないが、トナー画像Tの温度がプレニップ部N1において、Tfbに到達していないことによって、効果がなくなるわけではない。その場合も、プレニップ部N1内においてできるだけトナー画像Tの温度を上げておくことによって、最も効果の出る状態に近づけることができる。
このように時間をかけて予熱されることによって、トナー画像Tは、その厚さ方向内においても、ほぼ均一に溶融し、トナー層の上層から下層に渡って、良好な溶融状態となっている。同時にこのプレニップ部N1内では圧力はほとんどかかっていないため、記録材P上のトナー画像Tは図11(b)に示すように記録材Pにあまり浸透することなく溶融した状態で存在する。
このようにプレニップ部N1において、十分に溶融した状態となった後、記録材Pは加圧ニップ部N2に至り、図10に示されるような加圧力を受ける。
このとき、トナー画像Tはプレニップ部N1において流出開始温度Tfb以上に到達している。そのためトナー画像Tはその厚さ方向に渡って十分に溶融していことから、加えられた加圧力はトナー画像Tを記録材Pに適度に浸透させるために効果的に作用させることができる。すなわち、トナー画像Tが十分溶融していることから、高い加圧力を加えなくとも、記録材Pの繊維に適度に浸透して定着性を確保でき、このとき、トナー像Tは過度に記録材の繊維に浸透することはない。
加圧ニップ部N2において加圧された記録材Pは、トナー画像Tが適度に浸透したあと加圧ニップ部N2から排出されることによって、十分な定着性を有する定着画像を得られる(図11(c))。
以上のような過程を経て定着される本実施例の定着器で実現している定着プロセスの特徴は以下の3点である。
本実施例の定着器を用いた定着プロセスにおける1つ目の特徴は、トナー画像Tの温度が十分に上昇するまではほとんど加圧力を付与しない点である。トナーが溶融していない状態で加圧した場合、その加圧力は、粉体状のトナーを記録材に押し付けるだけになってしまうため、全く定着に寄与しない。このときの加圧力は無駄になってしまう。すなわち、効率よく定着を行うためには、トナー画像Tが十分に溶融した状態で加圧力を加えることが必要である。
図9に示すように、トナー画像Tを加熱昇温させている過程であるプレニップ部N1の範囲では加圧力がかかっていない。
本実施例では、プレニップ部N1の領域内でトナー画像Tを担時した記録材Pに対して積極的に加圧力を加えることなく予熱を行う構成を、定着ベルト11と加圧ベルト12で挟持されるプレニップ部N1を形成することによって実現している。
本実施例の定着器における2つ目の特徴は、加圧力のかかっている加圧ニップ部N2領域内に渡って、トナー画像Tの温度がフローテスターにおける流出開始温度Tfb以上に維持されていることにある。
図10に示すように加圧力のかかっている加圧ニップ部N2の領域内においてそのトナー画像Tの温度はフローテスターにおける流出開始温度Tfb以上の温度を維持している。これにより、トナー画像Tの温度がTfb以上に達し、十分に溶融した状態で加圧することによって、必要最小限の加圧力で記録材Pへの定着を行うことができる。
加圧ニップ部N2内において、特に「フローテスターにおける流出開始温度Tfb」以上とすることが望ましい理由は前述の通りである。
このように、トナーが十分に溶融状態で加圧することによって、その加圧力を無駄にすることなく、溶融したトナーを適度に記録材の繊維に浸透させ、効率的に定着させることができる。
本実施例の定着器における3つ目の特徴は、トナー画像T上層の温度とトナー画像T下層の温度の差が少ない状態、すなわち、トナー画像Tの厚さ方向で均一に近いトナーの溶融状態となったところで加圧するという点である。
本実施形態の定着装置の温度プロファイルは、図10に示すようにプレニップ部N1においてそのトナー画像Tの温度が上昇し、Tfb以上に到達する。トナー画像Tの温度変化の傾きはプレニップ部N1の後半に至るにつれて次第に緩やかになり、飽和する傾向を示している。このように温度変化が飽和する傾向を示しているということは、その付近での温度勾配が少なくなっていることを示している。つまり、定着ベルト11の熱が十分に記録材P側へと伝達されて、定着ベルト11と記録材Pの温度差が小さくなってきていることを示している。
このことは同時に、記録材Pの厚さ層方向についてもあてはまる。つまり、このとき、記録材Pの厚さ層方向での温度分布、実際にトナー画像Tを担持した状態であればそのトナー画像Tの厚さ方向での温度分布が小さくなっていることを示している。トナー画像Tの厚さ方向での温度分布が小さくなっているということは、すなわち、トナー画像T上層と下層でのトナーの溶融状態が近く、厚さ方向でほぼ均一に溶融させることができているということを示している(図11(b))。
トナー画像Tがこのように上層と下層で同じような溶融状態なったところで加圧ニップ部N2において加圧されることにより、溶融したトナーを適度に紙に浸透させ、同時に十分なグロスを実現している。
以上説明したように、本実施例の定着装置は、プレニップ部N1において、トナー画像Tを担持した記録材Pを十分に予熱し、トナー画像上層の温度と、トナー画像下層の温度の差が少ない状態となった後に、加圧ニップ部N2においてトナー画像を加圧する。つまり、トナー画像T上層の温度と、トナー画像T下層の温度の差が少ない状態、すなわち、トナー画像Tの厚さ方向でほぼ均一なトナーの溶融状態となった後に、加圧ニップ部N2においてトナー画像Tを加圧する。これによって溶融したトナーを適度に記録材Pの繊維に浸透させて定着し、十分なグロスを出すことを実現している。
以上のような効果は、実際にはフローテスターにおける流出開始温度Tfbに対して、およそ±5℃程度の範囲内でも得ることができた。従って、流出開始温度Tfb±5℃程度の「略流出開始温度」とすれば同様の効果が得られる。
なお、本実施形態においては、加熱源としてハロゲンヒータ15を用い、定着ベルトユニットU1の加熱ローラ16内に配置し、定着ベルト11を加熱するようにしたものである。熱源としてのハロゲンヒータ15の配置はこれに限定されるものではなく、定着ローラの位置に配置してもよい。また、さらに複数のローラ内に設けてもなんら問題ない。また、定着ベルト11表面への熱供給も、輻射熱による加熱、熱風による加熱、ベルト基層が金属である場合には、誘導加熱による加熱であっても良い。
(4)ベルト基層のヤング率と厚さ、および曲率半径の関係
本実施例の定着装置112は、さらに高画質化を実現するために、ベルト基層11a・12aのヤング率E(kgf/mm2)と厚さt(mm)、弛み部の曲率半径R(mm)はEt3/R≧0.17の関係を満たすように設定している。この関係が必要な理由を以下に述べる。
本実施例の定着装置112は、さらに高画質化を実現するために、ベルト基層11a・12aのヤング率E(kgf/mm2)と厚さt(mm)、弛み部の曲率半径R(mm)はEt3/R≧0.17の関係を満たすように設定している。この関係が必要な理由を以下に述べる。
プレニップ部N1では、トナー画像Tを担持した記録材Pを挟持搬送する際に、定着ベルト11と、加圧ベルト12と、記録材Pが安定して均一に接触していなければならない。このとき、接触が不安定になって記録材Pがベルトから浮くと、トナー画像Tが乱れ、画像不良が発生してしまう。
プレニップ部N1において、無端ベルトはある幅、長さ、厚さ、曲率を持った剛体であると仮定する。剛性(変形しにくさ)への寄与率の大きい「厚さ」と、弛み部を形成するための「曲率半径」を考慮すると、剛体の応力σは、ヤング率E、厚さt、曲率半径Rとの間に、σ∝E・t3/Rの関係がある。ある曲率半径で形成されたベルト弛み部を、他方のベルトに当接させるとき、弛み部はその形状から決まる応力で他方のベルトを押し返し、力がつりあった状態で弛み当接部が形成される。このときの弛み部の応力が大きいほど、より強く均一に他方のベルトに当接し、記録材Pの浮きを抑えることができる。
図12はEt3/R≧0.05の関係が成り立つときのプレニップ部N1近傍における定着ベルト11と加圧ベルト12と記録材Pの関係を表わした横断面模式図である。ここでは定着ベルト11、加圧ベルト12ともに弛み部を持ち、Et3/Rの値が等しい場合を示している。E、t、R、Et3/Rのそれぞれの値は、例えばE=2×104kgf/mm2、t=0.075mm、R=52mm、Et3/R=0.17である。
記録材Pがプレニップ部N1を通過するとき、記録材Pは先端突入部や湾曲部などに生じる応力によって、定着ベルト11および加圧ベルト12を押し返そうとする。その力は記録材Pの種類や坪量、厚さなどによって異なる。
Et3/R≧0.05とすることで、定着ベルト11と加圧ベルト12は本実施形態で使用可能な記録材Pの応力に負けずに記録材Pを押さえつけることができる。これにより、記録材Pの定着ベルト11表面及び加圧ベルト12表面からの浮きを抑制でき、定着ベルト11と加圧ベルト12と記録材Pとの接触性が安定する。よって、記録材Pに担持された未定着トナー画像Tに乱れが発生することがなく未定着トナー画像Tの良好な加熱定着が可能となる。
また好ましくはEt3/R≧0.17とすると、更に坪量、厚さの大きな記録材でも効果が得られる。
図16(a)は弛み部を形成するベルト基層のヤング率E、厚さt、曲率半径Rを変化させたとき、各種記録材Pに担持されたトナー画像Tの定着状態を示した表である。
図16(b)は本実施例で使用した記録材Pの一例である。画像良好であった場合は○、画像の乱れやグロスムラが発生した場合は×で示してある。ベルト基層の金属材料の例としてNi、耐熱樹脂材料の例としてポリイミド(PI)の値を示している。Et3/Rの値と画像の関係を見ると、Et3/R≧0.05であれば、記録材(1)、(2)に対して良好な画像が得られ、更にEt3/R≧0.17であれば、記録材(3)に対しても良好な画像が得られることが分かった。
図16(c)はベルトを構成するその他の材質のヤング率E、厚さt、曲率半径RとEt3/Rの値を示している。曲率半径R=50mmで比較すると、弾性層や離型層のEt3/Rの値は基層(Ni、PIなど)の値よりも十分小さいため、無視しても問題はない。
以上の理由から、本実施例におけるベルト基層11a・12aのヤング率Eと厚さt、および曲率半径RはEt3/R≧0.05、好ましくはEt3/R≧0.17の関係になっていることが必要である。これにより、定着ベルト11及び加圧ベルト12についてベルト内側から押圧する部材等を追加することなく、最小限の部材で定着装置112全体の熱容量を低減しつつ幅の長いプレニップ部N1を形成できる。そして、様々な記録材Pに対して画像の乱れやグロスムラ等の画像不良を低減することができる。これによって、高速、高画質で省エネルギー性に優れた定着装置112を提供することが可能となる。
本実施例の定着装置112におけるEt3/R>0.05、好ましくはEt3/R>0.17の関係は、ベルト方式の定着装置において2つのベルトが互いのベルトにのみ接触してニップ部を形成する構成の定着装置に適用してもよい。この場合でも本実施例の定着装置112と同様の作用効果を得ることができる。
[比較例1]
図13は本実施例の定着装置112の比較例1を表わす図である。ここでは定着ベルト11、加圧ベルト12ともに、Et3/R≧0.05の関係が成り立たないときのプレニップ部N1近傍の横断面模式図である。
図13は本実施例の定着装置112の比較例1を表わす図である。ここでは定着ベルト11、加圧ベルト12ともに、Et3/R≧0.05の関係が成り立たないときのプレニップ部N1近傍の横断面模式図である。
本比較例では、図12と同様、定着ベルト11、加圧ベルト12ともに弛み部を持ち、Et3/Rの値が等しい場合を示している。
記録材Pがプレニップ部N1を通過するとき、記録材Pには様々な要因から定着ベルト11および加圧ベルト12を押し返す応力が生じる。例えば厚みのある記録材Pの先端部がプレニップ部N1に突入することで、定着ベルト11および加圧ベルト12は記録材P先端部から応力を受けて微小に湾曲する。また、記録材Pの急激な水分変化や、搬送力のムラに起因して記録材Pに発生するしわによって、定着ベルト11および加圧ベルト12は応力を受ける。また、プレニップ部N1突入前の記録材Pの姿勢(湾曲のしかた)によっても、定着ベルト11および加圧ベルト12は応力を受ける。
Et3/R≧0.05が成り立たない場合は、定着ベルト11および加圧ベルト12が記録材Pから受ける応力に負け、変形してしまう。その結果、記録材Pと定着ベルト11および加圧ベルト12との間に浮きが生じ、未定着トナー画像Tが乱れたり、熱伝達不良によるグロスムラ等の画像不良を引き起こしてしまう。
これは、プレニップ部N1において、定着ベルト11および加圧ベルト12を内部から押圧する部材がなく、ベルト自体の剛性を利用して接触しているために、特に現れやすい現象である。
[実施例2]
定着装置の他の例を説明する。実施例1の定着装置112と同一の部材・部分には同じ符号を付して再度の説明を省略する。実施例3についても同様とする。
定着装置の他の例を説明する。実施例1の定着装置112と同一の部材・部分には同じ符号を付して再度の説明を省略する。実施例3についても同様とする。
図14はEt3/R≧0.05の関係が成り立つときのプレニップ部N1近傍における定着ベルト11と加圧ベルト12と記録材Pの関係を表わした横断面模式図である。
本実施例に示す定着装置112は、定着ベルト11と加圧ベルト12ともに弛み部を持ち、それぞれのE・t3/Rの値を意図的に変えてある。ここではE,t、Rの内の一つ、あるいは複数の値を変えることで、加圧ベルト12の剛性を相対的に定着ベルト11よりも小さくしている。これにより、図14に示すようにベルト軌跡を湾曲させてプレニップ部N1を長く形成し、高速条件下でも予熱時間を十分に取ることが出来る。また、プレニップ部N1において、相対的に剛性の弱い加圧ベルト12は、剛性の強い定着ベルト11の形状変化に追従しようとする。したがって振動などの外乱に対しては、同じ剛性のベルト同士の場合と比べて、より安定してプレニップ部N1を維持することが出来る。
なお、定着ベルト11と加圧ベルト12のEt3/Rの値は、その大小関係に関わらず、それぞれが0.05以上、好ましくは0.17以上であれば、本発明の効果が得られる。
[実施例3]
定着装置の他の例を説明する。
定着装置の他の例を説明する。
図15は定着ベルト11のみにおいてEt3/R≧0.05の関係が成り立つときのプレニップ部N1近傍における定着ベルト11と加圧ベルト12と記録材Pの関係を表わした横断面模式図である。
本実施例に示す定着装置112は、定着ベルト11に弛み部を設け、加圧ベルト12は図7(a)のように加圧ローラ14とテンションローラ17とにテンションを張った状態に掛け回されている。図15に示すように定着ベルト11の弛み部はテンションを張った加圧ベルト12に当接し、プレニップ部N1を形成している。以上の点を除いて、実施例1の定着装置112と同じ構成としてある。
このように定着ベルト11と加圧ベルト12のどちらか一方にのみ弛み部を設け、他方はテンションを張った状態であっても、弛み部を設けたベルトにおいてEt3/R≧0.05、好ましくはEt3/R≧0.17の関係が成り立っていれば同様の効果を得ることが出来る。
11:定着ベルト、11a:ベルト基層、12:加圧ベルト、12a:ベルト基層、15:ハロゲンヒータ、16:加熱ローラ、17:テンションローラ、N1:プレニップ部、N2:加圧ニップ部
Claims (2)
- 2つの無端ベルトと、前記2つの無端ベルトの少なくとも一方の無端ベルトを加熱する手段と、を有し、前記2つの無端ベルトの外周面同士を互いに当接させてニップ部を形成するとともに、前記ニップ部でトナー画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置において、
前記ニップ部は、加圧部材によるバックアップがない無端ベルトの領域同士によって形成されているプレニップ部と、前記加圧部材によるバックアップがある一方の無端ベルトの領域を他方の無端ベルトに当接させている加圧ニップ部と、によって形成されるとともに、前記ニップ部は、前記プレニップ部から始まり、記録材搬送方向下流側に連続して前記加圧ニップ部が形成されるよう、前記2つの無端ベルトを支持し、少なくとも一方の無端ベルト基層のヤング率E(kgf/mm2)と厚さt(mm)、および前記プレニップ部に相当する無端ベルト領域の当接前の曲率半径R(mm)がEt3/R≧0.05の関係にあることを特徴とする像加熱装置。 - 前記少なくとも一方の無端ベルト基層のヤング率E(kgf/mm2)と厚さt(mm)、およびプレニップ部に相当する無端ベルト領域の当接前の曲率半径R(mm)がEt3/R≧0.17の関係にあることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
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