JP4257772B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等において、シート上の未定着トナーを溶融圧着し、該シートに定着させるために使用される定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時の電子写真装置用の定着装置においては、例えば特開平6ー318001号(特許登録第2813297号)に示されるように、2ローラ式の加熱・定着ローラから熱源を外部に取り出し、熱源を内蔵した加熱ローラを別途設け、この加熱ローラからの熱を定着ベルトを介して、定着ローラと加圧ローラとの転接部に伝達してここを加熱するようにした所謂横型のベルト式定着装置が開発され、実用に供されている。
【0003】
このベルト式定着装置によれば、熱源を定着ローラ(2ローラ式における加熱・定着ローラ)から外部に取り出しているため、定着ローラを所謂ソフトローラから構成することができることとなると共に、加圧ローラをハードローラと構成することとあいまって、定着ローラと加圧ローラとの転接部(ニップ部)の形状を、所謂下向き(上向きに凸)ニップ形状とすることができることになる。この結果、未定着シートは、このニップ部を通過する際に、この下向きのニップ形状に応じた変形を受けることとなり、このニップ部から下向きの変形力を受けた状態で排出される状態となる。
【0004】
また、上述したベルト式定着装置においては、定着ベルトを未定着シートの搬送経路を規定するガイド板に近接して配設しているため、定着ベルトからの輻射熱により、ガイド板上を搬送されている未定着シートを予熱することが出来、これによりニップ部の温度を低く設定できることになる。そして、熱容量の小さい定着ベルトを用いることで、ニップ部通過時に定着ベルトの温度を急速に冷却させ、ニップ部出口での定着ベルトと分離するトナーの凝集力を高めることで、定着ベルトとトナーとの離型性を高めることのできる構成となっている。
【0005】
このようにして、下向きのニップ形状と高められたトナーの凝集力とにより、このベルト式定着装置は、オイルレス或いは微量のオイルしか塗布しない場合でも、オフセットの無い鮮明な定着画像が得られる等、2ローラ方式では解決できなかった離型性とオイルの塗布の問題を解決した定着装置として知られ、実用に供することが出来ている。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したベルト式定着装置の一般的な構造においては、定着ローラと加圧ローラとの間の圧力解除もなしに、定着ローラは加圧ローラにより加圧され続けられ、また、定着動作が停止されている待機状態においても、静止され続けられる、という制御が採用されている。この結果、定着ベルト及び定着ローラに過度なストレスが掛けられてしまう制御内容となっている。
【0007】
即ち、上述したベルト式定着装置の構造においては、転接部のニップ幅を広く取るために、定着ローラを厚肉で弾性変形量が大きい弾性層を備えて構成され、一方、加圧ローラを比較的薄肉で弾性変形量が小さい表層を備えて構成されているため、待機中の圧力の非解除により、大きなダメージを受けることになる。特に、100℃以上の高温環境下においては、弾性層に低硬度品(特に、スポンジ)を使用すると、スポンジにクリープ(永久歪)が発生して、定着ローラの表面に凹みが残ってしまう問題があり、解決が強く要望されている。
【0008】
また、定着ベルトも、上記転接部において定着ローラの外周への変形と同様の変形を受けると共に、加熱ローラの外周に巻きつけられた、即ち、加熱ローラとの接触部においても、加熱ローラの外周面の曲率に従った変形を受けることになる。特に、加熱ローラを待機時に加熱して、待機状態からの立ち上がり時間の短縮化を図るものにおいては、加熱ローラの外周面温度が180℃前後に保持されることになるため、加熱ローラの外周への接触部分と非接触部分との差が顕著に生じると共に、曲率癖を起こして定着済の画像に、例えば白抜け部が異常画像として出現して、画質の低下を招く問題もあり、解決が強く要望されている。
【0009】
この発明は、上述した事情に鑑みなされたもので、この発明の主たる目的は、定着ローラの表面に永久歪が発生しないようにして、長寿命を図ることの出来る定着装置を提供することである。
【0010】
また、この発明の他の目的は、定着ベルトに曲率癖が発生しないようにして、画質の向上を図ると共に長寿命化を図ることの出来る定着装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明に係わる定着装置は、請求項1の記載によれば、定着ローラと、この定着ローラに所定の圧力で転接する加圧ローラと、前記定着ローラから離間して配設された加熱ローラと、この加熱ローラと定着ローラとにエンドレスに掛け渡された定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱させて、前記定着ローラ及び加圧ローラの転接部を通過するシート上の未定着トナーを加熱する発熱手段とを備え、未定着トナーが表面上に担持されたシートが、前記転接部を一方向に沿って通過することにより、前記未定着トナーを前記シート上に定着させる定着装置において、定着動作時を除く期間において、前記定着ベルトを定期的に所定距離だけ移動するように走行駆動させる制御手段を更に具備し、前記定着ベルトが前記加熱ローラに巻き付いている範囲の周長をAとした場合に、前記所定距離は、前記周長Aよりも長く設定されており、前記制御手段は、前記定着ベルトの1回の走行駆動において、前記加熱ローラに巻き付いていた部分が、前記転接部に位置しないように、その走行距離を制御することを特徴としている。
【0012】
また、この発明に係わる定着装置は、請求項2の記載によれば、定着ローラと、この定着ローラに所定の圧力で転接する加圧ローラと、前記定着ローラから離間して配設された加熱ローラと、この加熱ローラと定着ローラとにエンドレスに掛け渡された定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱させて、前記定着ローラ及び加圧ローラの転接部を通過するシート上の未定着トナーを加熱する発熱手段とを備え、未定着トナーが表面上に担持されたシートが、前記転接部を一方向に沿って通過することにより、前記未定着トナーを前記シート上に定着させる定着装置において、定着動作時を除く期間において、前記定着ベルトを定期的に所定時間だけ移動するように走行駆動させる制御手段を更に具備し、前記定着ベルトが前記加熱ローラに巻き付いている範囲の周長をAとした場合に、前記所定距離は、前記周長Aよりも長く設定されており、前記制御手段は、前記定着ベルトの1回の走行駆動において、前記加熱ローラに巻き付いていた部分が、前記転接部に位置しないように、その走行距離を制御することを特徴としている。
【0013】
また、この発明に係わる定着装置は、請求項3の記載によれば、定着ローラと、この定着ローラに所定の圧力で転接する加圧ローラと、前記定着ローラから離間して配設された加熱ローラと、この加熱ローラと定着ローラとにエンドレスに掛け渡された定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱させて、前記定着ローラ及び加圧ローラの転接部を通過するシート上の未定着トナーを加熱する発熱手段とを備え、未定着トナーが表面上に担持されたシートが、前記転接部を一方向に沿って通過することにより、前記未定着トナーを前記シート上に定着させる定着装置において、前記定着ベルトの走行が停止してから所定時間経過したら、前記定着ベルトを定期的に所定距離だけ移動するように走行駆動させる制御手段を更に具備し、前記定着ベルトが前記加熱ローラに巻き付いている範囲の周長をAとした場合に、前記所定距離は、前記周長Aよりも長く設定されており、前記制御手段は、前記定着ベルトの1回の走行駆動において、前記加熱ローラに巻き付いていた部分が、前記転接部に位置しないように、その走行距離を制御することを特徴としている。
【0014】
また、この発明に係わる定着装置は、請求項4の記載によれば、定着ローラと、この定着ローラに所定の圧力で転接する加圧ローラと、前記定着ローラから離間して配設された加熱ローラと、この加熱ローラと定着ローラとにエンドレスに掛け渡された定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱させて、前記定着ローラ及び加圧ローラの転接部を通過するシート上の未定着トナーを加熱する発熱手段とを備え、未定着トナーが表面上に担持されたシートが、前記転接部を一方向に沿って通過することにより、前記未定着トナーを前記シート上に定着させる定着装置において、前記定着ベルトの走行が停止してから所定時間経過したら、前記定着ベルトを定期的に所定時間だけ移動するように走行駆動させる制御手段を更に具備し、前記定着ベルトが前記加熱ローラに巻き付いている範囲の周長をAとした場合に、前記所定距離は、前記周長Aよりも長く設定されており、前記制御手段は、前記定着ベルトの1回の走行駆動において、前記加熱ローラに巻き付いていた部分が、前記転接部に位置しないように、その走行距離を制御することを特徴としている。
【0017】
また、この発明に係わる定着装置は、請求項の記載によれば、前記制御手段は、前記定着ベルトの1回の走行駆動において、前記転接部に位置していた部分が、前記加熱ローラに巻きつけられないように、その走行距離を制御することを特徴としている。
【0018】
また、この発明に係わる定着装置は、請求項の記載によれば、前記制御手段は、前記定着ベルトの1回の走行駆動において、前記加熱ローラの外周に巻き付いていた部分が、再び、該加熱ローラの外周に巻きつくことが無いように、その走行距離を制御することを特徴としている。
【0019】
【発明を実施する形態】
以下に、この発明に係わる定着装置の一実施例の構成を、添付図面を参照して以下に詳細に説明する。
【0020】
{定着装置10の概略説明}
先ず、図1に示すように、この一実施例の定着装置10は、ハウジング構造として、図示しない電子式画像形成装置、例えば、電子プリンタのフレームに固定されるハウジング12を備えており、このハウジング12は、装置フレーム上に直接的に固定される底板14と、この底板14の左右両側縁から夫々起立した側板16とを備えて構成されている。尚、図1は側面図として描かれており、図中右方が、このハウジング12の正面側を示し、図中左方が、このハウジング12の裏面側を示している。そして、詳細は後述するが、未定着トナーが上面に担持された未定着シートは、図中右方から左方に向けて搬送されてくるように設定されている。
【0021】
ここで、両側板16の上部には、後述する加熱ローラ28が回転自在に軸支される摺動ブラケット18が、図中上下方向に沿って摺動自在に取り付けられている。また、両側板16の下部には、後述する加圧ローラ26が回転自在に軸支される揺動ブラケット20が、支軸22回りに揺動自在に支持されている。
【0022】
また、この定着装置10は、ローラ構成として、側板16に固定軸線回りに回転自在に軸支された定着ローラ24と、定着ローラ24の略下方(具体的には、図中左斜め下方)でこれに転接する状態で、且つ、定着ローラ24の固定軸線と平行に設定された固定軸線回りに揺動ブラケット20に回転自在に支持された加圧ローラ26と、定着ローラ24の略上方に位置する状態で摺動ブラケット18に回動自在に支持された加熱ローラ28とを備えて構成されている。
【0023】
また、この定着装置10は、加熱ローラ28の内部に配設された、例えばハロゲンランプ等の第1の加熱源30と、定着ローラ24と加熱ローラ28とに渡りエンドレスに巻回された定着ベルト(熱伝達ベルト)32と、加圧ローラ26の内部に配設され、例えばハロゲンランプ等の第2の加熱源33とを更に備えている。
【0024】
ここで、詳細は後述するが、定着ローラ24は弾性ローラとして構成され、一方、加圧ローラ26は弾性ローラより硬いローラ上硬度を有するローラから構成されている。一方、揺動ブラケット20は、第1のコイルスプリング34により、加圧ローラ26が定着ローラ24に圧接する方向に、支軸22回りに回動付勢されている。この結果、定着ローラ24と加圧ローラ26との互いの転接部(ニップ部)においては、両者は互いに所定の圧接力で転接し、これにより、定着ローラ24が転接部で凹んだ状態にもたらされることになる。即ち、ニップ幅が十分に確保されるように設定されている。
【0025】
また、この定着装置10は、摺動ブラケット18の各端部と対応する側板16との間に介設され、加熱ローラ28を定着ローラ24から離間する方向に付勢して、定着ベルト32に所定のテンションを付与させる第2のコイルスプリング36を更に備えている。この第2のコイルスプリング36は、左右各端部において、前後1対づつ備えられている。
【0026】
また、上述したハウジング12には、未定着シートを転接部に向けてガイドする取り込みガイド板38が取り付けられると共に、転接部を通過して定着動作が終了した定着済みシートを排紙口に向けて搬送する排紙ガイド板40が取り付けられている。更に、このハウジング12には、定着ローラ24の外周面であって、定着ベルト32が巻回されていない部分であり、且つ、転接部よりも定着ローラ24の回転方向に関して直上流側に位置する部分の表面温度を検出するための第1のサーミスタ42と、加圧ローラ26の外周面の非通紙部分の表面温度を検出するための第2のサーミスタ43とが取り付けられている。ここで、これら第1及び第2のサーミスタ42、43は、この実施例においては、夫々接触式の構造が採用されている。
【0027】
尚、この第1のサーミスタ42の温度検出位置は、定着ローラ24の外周面であって、定着ベルト32が巻回されていない部分に限定されることなく、定着ローラ24の外周面に巻回されている定着ベルト32の外周面であって、転接部よりも定着ローラ24の回転方向に関して直上流側に位置する部分の表面温度を検出するように取り付けられていても良いものである。この場合、このサーミスタ42は、非接触式であることが好ましい。
【0028】
そして、図示しない搬送機構を介して定着装置10に向けて搬送されてきた未定着シートの先端は、先ず、取り込みガイド板38の上面に触れ、これに案内された状態で、斜め上向きに搬送されるように設定されており、更に、この取り込みガイド板38により案内された未定着シートは、その先端が加圧ローラ26の外周面に先ず接触した後、加圧ローラ26の外周面に沿って移動して、定着ローラ24と加圧ローラ26との転接部に導かれるように設定されている。
【0029】
このように概略構成される定着装置10においては、図示しない搬送機構を介して取り込みガイド板38上に搬送されてきた未定着シートSは、未定着トナーが付着していない下面を取り込みガイド板38に接触・支持されると共に、定着ベルト32が巻かれた定着ローラ24と加圧ローラ26との転接部(ニップ部)に向けて案内され、両者24,26の間を圧接された状態で挿通されることにより、未定着トナーが熱圧着されてシート上に定着されることになる。
【0030】
以下、上述した種々の構成要素を順次個別に説明する。
{定着ローラ24の説明}
上述した定着ローラ24は、側板16にベアリング44(図2に示す)を介して回転自在に軸支される芯金部24Aと、この芯金部24Aの外周に同軸に配設され、定着ベルト32が巻回されるローラ本体24Bとを備えて構成され、ローラ外径をこの一実施例では25.0mmに設定されている。ここで、この一実施例において、芯金部24Aは、直径15mmの鉄製シャフトから形成され、ローラ本体24Bは、芯金部24Aの外周に厚さ5mmで取り付けられたシリコーンゴム耐熱弾性体(具体的には、ローラ上にてアスカC硬度で23度)から形成されている。
【0031】
尚、図2に示すように、芯金部24Aの一端に位置する軸部には、第1の従動ギヤ46がこれと同軸に、詳細を後述するワンウエイクラッチ48を介して取付けられており、この第1の従動ギヤ46には、加圧ローラ26の後述する芯金部26Aの一端部に同軸に取り付けられた第2の従動ギヤ50が噛合している。一方、詳細は図示していないが、この第2の従動ギヤ50には、駆動機構52の一部を構成する駆動ギヤが噛合している。このようにして、この駆動ギヤを介して駆動機構52からの駆動力が第2の従動ギヤ50に図中反時計方向の回転力として伝達され、引き続き、第1の従動ギヤ46に図中時計方向の回転力として伝達されて、ワンウェイクラッチ48を介して定着ローラ24にこの回転力が伝達される構成とされている。
【0032】
{加圧ローラ26の説明}
上述したように、加圧ローラ26は、側板16にベアリング54を介して回転自在に軸支される芯金部26Aと、この芯金部26Aの外周に同軸に配設されたローラ本体26Bとを備えて構成され、ローラ外径を24mmに設定されている。ここで、この一実施例において、芯金部26Aは、肉厚2mmの鉄製パイプから形成され、ローラ本体26Bは、芯金部26Aの外周に厚さ1.5mmで取り付けられたシリコーンゴム耐熱弾性体(具体的には、上述した定着ローラ24よりも硬めのローラ上にてASKER C硬度で74〜75度のもの)から形成されている。
【0033】
尚、芯金部26Aの一端に配設された軸部は、上述したように、第2の従動ギヤ50が同軸に固定されており、この第2の従動ギヤ50には、上述した第1の従動ギヤ46が噛合しており、図示しない駆動ギヤを介してこれからの駆動力が第2の従動ギヤ50に直接的に伝達されて、加圧ローラ26が定着ローラ24とは反対の反時計方向に沿って回転駆動されるように構成されている。
【0034】
ここで、この一実施例においては、未定着シートの搬送用の主駆動としては、加圧ローラ26が設定されており、定着ローラ24はこれの熱膨張時においても周速が加圧ローラ26の周速よりも早くならないように、第1及び第2の従動ギヤ46、50のギヤ比が設定されている。即ち、定着ローラ24が第2の従動ギヤ46により回転される際の回転速度は、定着ベルト32を介して加圧ローラ26と摩擦係合して回転される際の回転速度よりも、僅かに遅くなるように設定されている。
【0035】
一方、この一実施例においては、加圧ローラ26は、定着ローラ24の直下方に位置しているのではなく、定着ローラ24の直下方位置よりも、未定着シートの搬送方向に沿って下流側に偏倚した位置に配設されており、加熱ローラ28と定着ローラ24との両中心点を通る線分を基線とした場合に、この基線と、定着ローラ24及び加圧ローラ26の両中心点を通る線分とのなす角度が、所定の鋭角となるような位置に配設されている。尚、定着ローラ24と加圧ローラ26の両中心点を通る線分は、未定着シートの搬送方向と略直交するように設定されているものである。
【0036】
{ワンウェイクラッチ48の説明}
ここで、このワンウェイクラッチ48は、定着ローラ24の第1の従動ギヤ46に対する図中時計方向の相対的な回転を許容するが、図中反時計方向の相対的な回転を係止するように、換言すれば、両者が一体回転するように構成されている。即ち、定着ベルト32が加圧ローラ26と摩擦係合して、また、定着ローラ24が定着ベルト32と摩擦係合して、加圧ローラ26により定着ローラ24及び定着ベルト32が従動(連れ回り)する状態では、定着ローラ24の図中時計方向に回転する周速は、加圧ローラ26の周速と同一となり、定着ローラ24の回転は第1の従動ギヤ46の回転よりも僅かに速くなされるように設定している。
【0037】
{加熱ローラ28の説明}
上述した第1の加熱源30を内蔵する加熱ローラ28は、この一実施例においては、直径20.1mmで、肉厚0.25mmの鉄パイプ製芯金の外周面に、厚さ20μmのPTFEの被覆層をコーティングしたものから構成されている。即ち、加熱ローラ28は、後述するようにウォーミングアップ時間の短縮化の目的で、薄肉芯金を有するように構成されている。尚、この加熱ローラ28の両端は、ベアリング56を介して回転自在に軸支されており、各ベアリング56の内側には、耐熱樹脂のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)製のカラー58が挿入されており、これにより、定着ベルト32の蛇行や片寄りを防止している。
【0038】
この加熱ローラ28の内部には、発熱手段としての第1の加熱源30が内蔵されているが、この一実施例においては、この第1の加熱源30は、最大出力(発熱量)が800Wのハロゲンランプから構成されている。一方、上述した加圧ローラ26に内蔵された第2の加熱源33は、最大出力(発熱量)が400Wのハロゲンランプから構成されている。ここで、この定着装置10の加熱源に許容された最大出力は、この実施例においては800Wに設定されている。即ち、この実施例においては、第1の加熱源30は、この定着装置10に許容される最大出力そのものを出力することが出来るように設定されている。
【0039】
尚、この実施例においては、加圧ローラ26に第2の加熱源33を内蔵しているので、後述する定着可能温度までは第2の加熱源33と加熱ローラ28に内蔵された第1の加熱源30とを同時に発熱動作(点灯動作)させ、定着可能温度以上に上昇した場合には、加圧ローラ26に内蔵した第2の加熱源33をオフ動作させるようにしても良い。また、定着可能温度以上に上昇した場合において、加熱ローラ28に内蔵された第1の加熱源30がオフしている状態の場合のみ、加圧ローラ26に内蔵した第2の加熱源33を発熱動作させるように構成しても良いものである。
【0040】
ここで、上述した定着可能温度までは、加熱ローラ28の第1の加熱源30は、ここで使用できる電力の最大出力とするが、定着可能温度よりも上昇した場合には、この第1の加熱源30は、ここで使用できる電力の最大出力以下に設定されていても良いものである。
【0041】
{定着ベルト32の説明}
上述の定着ベルト32は、未定着シートS上の未定着トナーを定着温度まで過剰な熱量を与えることなく定着できるように、その定着ベルト32の1平方cm当たりの熱容量が、0.002cal/℃乃至0.025cal/℃の範囲内のものが好ましいものである。このため、この一実施例においては、図3に示すように、定着ベルト32は、内径が40mm、厚さが90μmのポリイミド樹脂製の無端状のベルト基体32aと、このベルト基体32aの外周面(表層)に厚さ30μmで被覆されたPFAの耐熱離型層32bとを備えて構成されている。
【0042】
ここで、この発明においては、このようにベルト基体32aとしてポリイミド樹脂を用いることに限定されることなく、ニッケル電鋳製の金属ベルトを用いることが出来ることも言うまでもない。このようにニッケル電鋳製の金属ベルトをベルト基体32aとして用いる場合には、このベルト基体32aの厚さは例えば30μmのものを用い、このベルト基体32aの表面に厚さ300μmで耐熱シリコーン樹脂を被覆し、更に、この耐熱シリコーン樹脂層の外周に、ポリイミド樹脂の場合と同様に、厚さ30μmで被覆されたPFAの耐熱離型層32bを被覆する構成が採用されている。
【0043】
{定着ベルト32へのテンション付与機構の説明}
上述したように、この一実施例では、定着ベルト32へテンションを付与するための機構として、加熱ローラ28を定着ローラ24から離間する方向に付勢して、定着ベルト32に所定のテンションを付与させる第2のコイルスプリング36を備えている。
【0044】
即ち、この第2のコイルバネ36の付勢力により摺動ブラケット18を介して加熱ローラ28は、定着ローラ24から離間する方向に偏倚させられ、これにより、加熱ローラ28と定着ローラ24とにエンドレスに掛け渡された定着ベルト32は、所定のテンションに緊張された状態で張られることになる。
【0045】
このように第2のコイルバネ36の作用により、定着ベルト32は、加圧ローラ26と摩擦係合して連れ回りし、且つ、この定着ベルト32の連れ回りに応じて、定着ローラ24は定着ベルト32に対してスリップや緩みの無い安定した状態で従動されることになる。
【0046】
{制御システムの構成}
一方、この定着装置10は、上述した駆動機構52を駆動制御する他、加熱ローラ28に内蔵された第1の加熱源30及び加圧ローラ26に内蔵された第2の加熱源33の発熱制御のために、図4に示すように、制御装置60を備えている。この制御装置60には、上述した発熱制御のため、第1のサーミスタ42及び第2のサーミスタ43が接続されていて、待機時制御においては、この第2のサーミスタ43からの検出結果のみに基づき、第2の加熱源33を発熱制御し、通紙時制御においては、第1のサーミスタ42からの検出結果にのみに基づき、第1の加熱源30を発熱制御するように構成されている。
【0047】
この制御装置60は、第1及び第2のヒータドライバ62、63が接続されており、これら第1及び第2のヒータドライバ62、63を夫々介して、第1の加熱源30及び第2の加熱源33としてのハロゲンランプを夫々制御するように構成されている。また、この制御装置60は、通紙指令(プリント動作開始信号)を受ける入力端子と、装置全体への電源の供給をオン・オフするための電源スイッチ64と、特に発熱制御に係わる部分への電源の供給をオン・オフするためのメインスイッチ66とが接続されている。
【0048】
{制御装置60における全体制御方法の説明}
次に、この制御装置60における全体制御を実行するためのメインルーチンを、図5及び図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0049】
先ず、電源スイッチ64がオンされている状態で、以下の制御手順が実行されるものであり、電源スイッチ64がオフされている状態で、電源の供給が遮断されており、何らの制御動作も実行されえない状態となっている。
【0050】
このように電源スイッチ64がオンされている状態において、先ず、メインスイッチ66がオンされたかを判別し(ステップS10)、このメインスイッチ66がオフされていると判断される状態において、詳細は後述するが、定着ベルト32を強制的に走行駆動させ、定着ローラ24を強制的に回転駆動させるための割り込みルーチンを起動するためのフラグFをセットする(ステップS12)。
【0051】
一方、ステップS10でメインスイッチ66がオンされたと判別されると、電源立ち上げ時制御を開始し(ステップS14)、定着ローラ24の外周面の温度が所定の定着可能温度となるように、第1及び第2の加熱源30,33の発熱制御を実行する。そして、上述したフラグFをリセットする(ステップS16)。そして、定着ローラ24の外周面の温度が所定の定着可能温度に到達したと判断されるまで待ち(ステップS18でNO)、到達したと判断されると(ステップS18でYES)、今度は、定着可能状態制御に移り(ステップS20)、所定の定着可能温度が所定幅で維持されるように制御する。
【0052】
この後、入力端子からプリント動作開始信号が出力されてくるのを待ち(ステップS22でNO)、プリント動作開始信号が出力されてくると(ステップS22でYES)、所定の定着動作制御を実行する(ステップS24)。そして、次のプリント動作開始信号が出力されてくるのを待ち(ステップS26でNO)、次のプリント動作開始信号が出力されてくると(ステップS26でYES)、上述したステップS24に戻り、所定の定着動作制御を実行する。
【0053】
一方、上述したステップS22及びS26で、プリント動作開始信号(又は、次のプリント動作開始信号)が出力されてくるのを待つ状態において、所定時間T1の経過を待ち(ステップS28でNO)、プリント動作開始信号(又は、次のプリント動作開始信号)が所定時間T1待っても、出力されてこない場合には(ステップS28でYES)、所定の待機時制御を実行して、待機状態を規定する(ステップS30)。
【0054】
一方、このように待機時制御が実行されると、上述したフラグFをセットし(ステップS32)、次のプリント動作開始信号が出力されてくるのを待つ(ステップS34でNO)。そして、この待機時制御が実行されている状態において、次のプリント動作開始信号が出力されてくると(ステップS34でYES)、待機状態を解除する制御を実行し(ステップS36)、引き続き、上述したフラグFをリセットして(ステップS38)、上述したステップS18に戻って、定着ローラ32の外周面の温度が所定の定着可能温度に至ったかを判断し、以後、上述した一連のメインルーチンの制御手順を繰り返す。
【0055】
このように、この実施例においては、定着動作時を除く期間を、メインスイッチ64がオフしている状態、又は、待機状態が設定される状態から規定されるようにし、この定着動作時を除く期間がきていされるとフラグFをセットし、後述する割り込みルーチンの実行に際して、所定時間ごとに、定着ベルト32を強制的に走行駆動させる制御動作を実行させるものである。
【0056】
{制御装置60による発熱制御方法の説明}
次に、制御装置60における第1の加熱源30の発熱制御方法(制御手順)を説明する。
【0057】
先ず、この制御装置60は、下記の2条件の場合にのみ、第1の加熱源30に通電して、対応するハロゲンランプを点灯して、これを発熱させるように設定されている。即ち、
(1)ステップS20において、図示しない電子プリンタの全体制御を司るプリンタ制御装置(図示せず)からプリント動作開始信号、即ち、定着動作開始信号が出力されてから、サーミスタ42による検出温度が、定着可能温度(t1)を検出するまでのレディー状態が規定された場合;
(2)ステップS22において、サーミスタ42による検出温度が定着可能温度(t1)を検出して定着開始信号がプリンタ制御装置に出力され、これに基づき、プリンタ制御装置がプリント動作(即ち,定着動作)を開始してから、プリント終了信号が出力されるまでの定着動作状態が規定された場合;
の2つの場合にのみ、第1の加熱源30を発熱させるように設定されている。
【0058】
そして、この制御装置60は、プリント終了信号が出力されてから、次のプリント動作開始信号が出力されるまでの待機状態が規定される場合(ステップS30)においては、第1の加熱源30を停止状態として、第2の加熱源33による発熱動作のみを実行するように設定されている。
【0059】
{制御装置60による駆動機構52の制御方法の説明}
次に、この制御装置60における駆動機構52の制御方法を説明する。
この実施例においては、上述した条件(1)が成立した状態においては、制御装置60は、加熱ローラ28の起動と同期した状態で、図示しない駆動モータを起動して、第1及び第2の従動ギヤ46,50を回転駆動し、これに伴い、定着ベルト32をエンドレス走行させるように設定されている。
【0060】
尚、上述した条件(2)が成立する状態においては、未定着シートの定着動作を実行するものであるため、制御装置60は、上記した条件(1)の場合と同様に、定着ベルト32をエンドレス走行させるように設定されていることは言うまでもない。
【0061】
一方、この実施例においては、制御装置60は、上述したような駆動機構52の制御態様を実施するほか、以下に詳細に説明するが、定着ベルト32を強制的に走行させる(即ち、定着ローラ24を強制的に回転駆動させる)ように駆動機構52を駆動制御する割り込み制御を実行するように構成されている。この割り込みルーチンは、例えば、電源スイッチ64がオンされている状態において、例えば1分毎にメインルーチンの制御手順がどこにあろうと、割り込み実施されるように設定されている。
【0062】
具体的には、図7に割り込みルーチンの制御手順をフローチャートとして示すように、所定の割り込みタイミングで、この割り込みルーチンが開始されると、先ず、この割り込み制御を実行することを示すフラグFがセットされているかを判別する(ステップS40)。このステップS40において、フラグFがセットされていないと判断される場合(即ち、このステップS40においてYESと判断される場合)には、この割り込みルーチンの実行が禁止されているので、以下の制御動作を実行せず、この割り込みルーチンを終了する。
【0063】
一方、ステップS40においてNOと判断される場合、即ち、フラグFがセットされていると判断される場合には、所定時間T2の経過を待ち(ステップS42においてNO)、所定時間T2が経過すると(ステップS42においてYES)、定着ベルト32を所定距離だけ走行するように、駆動機構52を制御する(ステップS44)。ここで、所定時間T2は、この実施例においては、1時間に設定されている。換言すれば、この制御態様に従えば、メインスイッチ64がオフしてから、又は、待機状態が規定されてから、1時間ごとに、この割り込みルーチンが実行されて、定着ベルト32が強制的に所定距離だけ走行駆動され、また、定着ローラ24が強制的に回転駆動されることになる。
【0064】
また、この実施例においては、この所定距離は、定着ベルト32が加熱ローラ28に巻き付いている範囲の周長をAとした場合に、この周長Aよりも長く設定されている。換言すれば、巻き付いている範囲の周長Aは、定着ベルト32の加熱ローラ28への巻きつけ角度により規定されるものであり、この実施例においては、約半周、即ち、180度だけ巻きつけられていることになる。
【0065】
一方、定着ベルト32の走行により、加熱ローラ28の外周面に巻きつけられていた定着ベルト32の部分が、転接部において停止することが無いように、また、転接部に位置していた定着ベルト32の部分が、加熱ローラ28の外周面に巻きついた状態で停止することが無いように、また、加熱ローラ28の外周面に巻きつけられていた定着ベルト32の部分が、引き続いて、加熱ローラ28の外周面に巻きついた状態で停止することが無いように設定されている。
【0066】
このため、この実施例においては、定着ベルト32の所定の走行距離は、加熱ローラ28の回転角度にして180度だけ回転することにより走行する距離となるように、予め設定されている。
【0067】
このようにして、この実施例においては、メインスイッチ64がオフしてから、又は、待機状態が規定されてから、所定時間としての例えば1時間ごとに、この割り込みルーチンが実行されて、定着ベルト32が、加熱ローラ28の回転角度にして180度回転することに対応する走行距離だけ、強制的に走行駆動されることになる。
【0068】
この結果、この定着ベルト32の走行により、加熱ローラ28の外周面に巻きつけられていた定着ベルト32の部分が、転接部において停止することが無く、また、転接部に位置していた定着ベルト32の部分が、加熱ローラ28の外周面に巻きついた状態で停止することが無く、また、加熱ローラ28の外周面に巻きつけられていた定着ベルト32の部分が、引き続いて、加熱ローラ28の外周面に巻きついた状態で停止することが無い状態が、確実に達成されることになる。また、この定着ベルト32の走行により、定着ローラ24も回転されて、加圧ローラ26が圧接する部分が、特定の個所に止めおかれることが無くなり、定着ローラ24の外周面における永久歪の発生が防止されることになる。
【0069】
従って、この実施例によれば、長期にわたり、定着ローラ24に加圧ローラ26が圧接しつづける状態が回避されることになり、定着ローラ24の表面に永久歪が発生することが効果的に防止されるので、定着装置10の長寿命化を図ることができることになる。また、この実施例によれば、長期にわたり、定着ベルト32の一定の個所が転接部や加熱ローラ28の外周に巻きつけられた状態が回避されることになり、定着ベルト32に曲率癖が発生することが効果的に防止されるので、この曲率癖による画質の低下が抑制されて、画質の向上を図ることが出来ることになる。
【0070】
この発明は、上述した実施例の構成に限定されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である事は言うまでもない。
【0071】
例えば、上述した実施例においては、第1の加熱源30として(又は、第2の加熱源33として)ハロゲンヒータを用いるように説明したが、この発明はこのような構成に限定されることなく、セラミックヒータ等をも使用できることは言うまでもない。
【0072】
また、上述した実施例においては、定着可能温度に到達した時点で、定着動作を開始させる定着動作開始信号を出力するように説明したが、この発明はこのような定着動作開始信号を出力することに限定されることなく、レディー(待機)状態を終了させるレディー状態終了信号を出力するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0073】
また、上述した実施例においては、定着ローラ24のローラ本体24Bを、芯金部24Aの外周に厚さ5mmで取り付けられたシリコーンゴム耐熱弾性体から形成されるように説明したが、この発明は、このような構成に限定されることなく、例えば、厚さ5mmのスポンジから形成されるように構成してもよい。
【0074】
また、上述した実施例においては、定着動作時を除く期間を、メインスイッチ64がオフしてからの期間、又は、待機状態が設定されてからの期間から規定し、この定着動作時を除く期間において、このメインスイッチ64がオフしてからの、又は、待機状態が設定されてから、所定時間T2ごとに、割り込みルーチンを実行して、定着ベルト32及び定着ローラ24を移動駆動するように説明したが、この発明は、このような制御態様に限定されること無く、定着動作を除く期間として、例えば、定着ベルト32の走行の停止を検出して、この定着ベルト32の走行停止タイミングから所定時間が経過して以降の期間から、定着動作を除く期間を規定し、この定着ベルト32の走行停止タイミングから所定時間T2経過するごとに、上述したステップS44を実行して、強制的に定着ベルト32を走行駆動及び定着ローラ24を回転駆動するように制御しても良いことは、言うまでもない。
【0075】
また、上述した実施例においては、割り込みルーチンの実行に際して、定着ベルト32を、所定距離だけ走行するように説明したが、この発明は、このような構成に限定されること無く、例えば、定着ベルト32が加熱ローラ28に巻き付いている範囲の周長をAとした場合に、この周長Aよりも長く距離だけ走行するに必要な所定時間だけ、走行駆動するように構成しても良いものである。
【0076】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、定着ローラの表面に永久歪が発生しないようにして、長寿命を図ることの出来る定着装置が提供されることになる。
【0077】
また、この発明によれば、定着ベルトに曲率癖が発生しないようにして、画質の向上を図ると共に長寿命化を図ることの出来る定着装置が提供されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる定着装置の一実施例の構成を示す側面断面図である。
【図2】図1に示す定着装置における各ローラの端部における支持状態を示す断面図である。
【図3】定着ベルトの構成を取り出して示す正面図である。
【図4】制御システムの構成を概略的に示すブロック正面図である。
【図5】制御装置における制御手順の前半部分を示すフローチャートである。
【図6】制御装置における制御手順の後半部分を示すフローチャートである。
【図7】制御装置における割り込みルーチンの制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 定着装置
12 ハウジング
14 底板
16 側板
18 摺動ブラケット
20 揺動ブラケット
22 支軸
24 定着ローラ
24A 芯金部
24B ローラ本体
26 加圧ローラ
26A 芯金部
26B ローラ本体
28 加熱ローラ
30 第1の加熱源
32 定着ベルト
33 第2の加熱源
34 第1のコイルスプリング
36 第2のコイルスプリング
38 取り込みガイド板
40 排紙ガイド板
42 第1のサーミスタ
43 第2のサーミスタ
44 ベアリング
46 第1の従動ギヤ
48 ワンウェイクラッチ
50 第2の従動ギヤ
52 駆動機構
54 ベアリング
56 ベアリング
58 カラー
60 制御装置
62 第1のヒータドライバ
63 第2のヒータドライバ
64 電源スイッチ
64 メインスイッチ

Claims (6)

  1. 定着ローラと、この定着ローラに所定の圧力で転接する加圧ローラと、前記定着ローラから離間して配設された加熱ローラと、この加熱ローラと定着ローラとにエンドレスに掛け渡された定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱させて、前記定着ローラ及び加圧ローラの転接部を通過するシート上の未定着トナーを加熱する発熱手段とを備え、未定着トナーが表面上に担持されたシートが、前記転接部を一方向に沿って通過することにより、前記未定着トナーを前記シート上に定着させる定着装置において、
    定着動作時を除く期間において、前記定着ベルトを定期的に所定距離だけ移動するように走行駆動させる制御手段を更に具備し、
    前記定着ベルトが前記加熱ローラに巻き付いている範囲の周長をAとした場合に、前記所定距離は、前記周長Aよりも長く設定されており、
    前記制御手段は、前記定着ベルトの1回の走行駆動において、前記加熱ローラに巻き付いていた部分が、前記転接部に位置しないように、その走行距離を制御することを特徴とする定着装置。
  2. 定着ローラと、この定着ローラに所定の圧力で転接する加圧ローラと、前記定着ローラから離間して配設された加熱ローラと、この加熱ローラと定着ローラとにエンドレスに掛け渡された定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱させて、前記定着ローラ及び加圧ローラの転接部を通過するシート上の未定着トナーを加熱する発熱手段とを備え、未定着トナーが表面上に担持されたシートが、前記転接部を一方向に沿って通過することにより、前記未定着トナーを前記シート上に定着させる定着装置において、
    定着動作時を除く期間において、前記定着ベルトを定期的に所定時間だけ移動するように走行駆動させる制御手段を更に具備し、
    前記定着ベルトが前記加熱ローラに巻き付いている範囲の周長をAとした場合に、前記所定距離は、前記周長Aよりも長く設定されており、
    前記制御手段は、前記定着ベルトの1回の走行駆動において、前記加熱ローラに巻き付いていた部分が、前記転接部に位置しないように、その走行距離を制御することを特徴とする定着装置。
  3. 定着ローラと、この定着ローラに所定の圧力で転接する加圧ローラと、前記定着ローラから離間して配設された加熱ローラと、この加熱ローラと定着ローラとにエンドレスに掛け渡された定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱させて、前記定着ローラ及び加圧ローラの転接部を通過するシート上の未定着トナーを加熱する発熱手段とを備え、未定着トナーが表面上に担持されたシートが、前記転接部を一方向に沿って通過することにより、前記未定着トナーを前記シート上に定着させる定着装置において、
    前記定着ベルトの走行が停止してから所定時間経過したら、前記定着ベルトを定期的に所定距離だけ移動するように走行駆動させる制御手段を更に具備し、
    前記定着ベルトが前記加熱ローラに巻き付いている範囲の周長をAとした場合に、前記所定距離は、前記周長Aよりも長く設定されており、
    前記制御手段は、前記定着ベルトの1回の走行駆動において、前記加熱ローラに巻き付いていた部分が、前記転接部に位置しないように、その走行距離を制御することを特徴とする定着装置。
  4. 定着ローラと、この定着ローラに所定の圧力で転接する加圧ローラと、前記定着ローラから離間して配設された加熱ローラと、この加熱ローラと定着ローラとにエンドレスに掛け渡された定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱させて、前記定着ローラ及び加圧ローラの転接部を通過するシート上の未定着トナーを加熱する発熱手段とを備え、未定着トナーが表面上に担持されたシートが、前記転接部を一方向に沿って通過することにより、前記未定着トナーを前記シート上に定着させる定着装置において、
    前記定着ベルトの走行が停止してから所定時間経過したら、前記定着ベルトを定期的に所定時間だけ移動するように走行駆動させる制御手段を更に具備し、
    前記定着ベルトが前記加熱ローラに巻き付いている範囲の周長をAとした場合に、前記所定距離は、前記周長Aよりも長く設定されており、
    前記制御手段は、前記定着ベルトの1回の走行駆動において、前記加熱ローラに巻き付いていた部分が、前記転接部に位置しないように、その走行距離を制御することを特徴とする定着装置。
  5. 前記制御手段は、前記定着ベルトの1回の走行駆動において、前記転接部に位置していた部分が、前記加熱ローラに巻きつけられないように、その走行距離を制御することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の定着装置。
  6. 前記制御手段は、前記定着ベルトの1回の走行駆動において、前記加熱ローラの外周に巻き付いていた部分が、再び、該加熱ローラの外周に巻きつくことが無いように、その走行距離を制御することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の定着装置。
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