JP2009020135A - 定着装置 - Google Patents

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JP2009020135A JP2007180495A JP2007180495A JP2009020135A JP 2009020135 A JP2009020135 A JP 2009020135A JP 2007180495 A JP2007180495 A JP 2007180495A JP 2007180495 A JP2007180495 A JP 2007180495A JP 2009020135 A JP2009020135 A JP 2009020135A
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Abstract

【課題】定着装置において、消費エネルギーを抑制しつつローラ等の弾性層の変形を防止すること。
【解決手段】ヒータを具備し弾性部材を有する加熱回転体と、前記加熱回転体に対して加圧当接することでニップ部を形成する加圧回転体と、前記ヒータの温度や前記加熱回転体及び加圧回転体の回転についての制御を行う制御手段と、を有する定着装置において、前記制御手段は、非画像形成動作状態が長時間続いたと判断した場合、一定時間を経過するごとに、前記加熱回転体及び前記加圧回転体を僅かに逆回転させることで、前記弾性部材の前記ニップ部に当接していた部分を前記ニップ部から退避させ、前記ヒータを点灯させ、前記加熱回転体及び前記加圧回転体を正回転させ、前記弾性部材の前記ニップ部に当接していた部分が前記ニップ部を通過した時点で前記正回転を止めるように制御することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真式画像形成に用いる定着装置に関するものである。
プリンターや複写機等の画像形成装置に使用される定着装置として、フィルム加熱方式の定着装置がある(例えば、特許文献1又は2参照)。
しかし、弾性層を持たない定着フィルムを使用したフィルム加熱方式の定着装置では、定着時において、記録材表面の凹凸や、トナー層の厚みの違いによる段差に、定着フィルム表面が十分追随できない。そのため、フィルム表面がトナー面に良く接する凸部では、圧力と熱が良く加わるためにトナー層が良く溶け画像に光沢が出る一方、凹部では逆に接触が弱く光沢が出ない。このため、装置の出力画像は光沢ムラの目立つものとなってしまう。
そこで、ゴム部材等による弾性層を有する定着ベルト(定着スリーブ)を薄膜フィルムの代わりに使用するものがある(例えば、特許文献3参照)。これにより、低コストであり、かつ光沢ムラの発生を防止した、定着ベルト加熱方式と呼ばれるオンデマンド定着装置が提案されている。
ところが、このような定着ベルト加熱方式を採用したオンデマンド定着装置を採用した場合、長期間の停止後に定着ベルトのシリコーンゴム等からなる弾性層が変形することが有る。この結果、その後の使用時にトルク変動で記録材の送りスピードが部分的に変化して、出力画像にピッチムラ、ブレや光沢ムラが出ることがあった。
定着ベルトの弾性層の変形は次のようなメカニズムで発生していると考えられる。
まず、プリント終了直後は定着ベルトや、加圧ローラが余熱による高温状態を保ったまま駆動が停止される。ここで、特にニップ部においては、最も高温の余熱源であるヒータの余熱も加わり、より高温の状態となる上、加圧力が加わり続ける。すると定着ベルトの弾性層は、定着ベルト本来の形状とは異なる、ニップ内における形状(平面形状)や、弾性層が加圧により押しつぶされる。すると、肉厚の減少した形状を強固に記憶してしまい、前述の変形が発生してしまう。その後、停止時間と共にニップ部の温度は低下し、やがて室温に達するが、一度形状記憶してしまった変形は容易には消えず、残ってしまう。
この問題を解決する手段として、プリント終了後の待機状態中に一定時間毎に定着器を起動させ、ヒータを点灯させ定着ベルトを回し、弾性層を温めることによって変形を防止する方法がある。
特開平4−44075号公報 特開平4−204980号公報 特開平11−15303号公報
しかしながら、このようにただ定着ベルトを回し、温める方法では、結果的に定着ベルト全体を温めてしまうことになるため、変形を防止するためにかかる熱量の他に、必要のない熱量も多くかかってしまう。また、定着ベルトの変形していない部分についても加熱し、回転させることから耐久性の点においても課題を残している。例えば、本体寿命が30万枚の画像形成装置では定着装置の寿命は10万枚程度である画像形成装置が1時間毎に30秒の回転を行った場合、定着器寿命の約5〜6%を無駄に消費してしまう。
そこで、本発明の目的は、定着装置において、消費エネルギーを抑制しつつローラ等の弾性層の変形を防止することである。
前記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、
ヒータを具備し弾性部材を有する加熱回転体と、前記加熱回転体に対して加圧当接することでニップ部を形成する加圧回転体と、前記ヒータの温度や前記加熱回転体及び加圧回転体の回転についての制御を行う制御手段と、を有する定着装置において、
前記制御手段は、
非画像形成動作状態が長時間続いたと判断した場合、
一定時間を経過するごとに、
前記加熱回転体及び前記加圧回転体を僅かに逆回転させることで、前記弾性部材の前記ニップ部に当接していた部分を前記ニップ部から退避させ、
前記ヒータを点灯させ、
前記加熱回転体及び前記加圧回転体を正回転させ、
前記弾性部材の前記ニップ部に当接していた部分が前記ニップ部を通過した時点で前記正回転を止めるように制御することを特徴とする。
本発明は、上述の構成により、定着器において、消費エネルギーを抑制しつつローラ等の弾性層の変形を防止することができる。
〔第1実施形態〕
図を用いて本発明の第1実施形態を説明する。
(画像形成装置)
図1は画像形成装置の概略断面図である。図1に示すように、画像形成部は、有機感光体から構成される像担持体としての感光体ドラム101を有する。感光体ドラム101の周囲には、帯電部材としての帯電ローラ102、レーザー露光装置103、現像スリーブ及び現像ブレードならびに一成分磁性トナー等からなる現像装置104、クリーニングブレード105、転写ローラ106を有する。画像形成部から、記録材Pの搬送方向下流には、定着装置としての加熱装置107が配設される。記録材Pは、特に限定するものではないが、紙、印刷紙、転写材シート、OHTシート、光沢紙、光沢フィルム等が好ましい。
感光体ドラム101は所定の周速度にて回転駆動され、本例の場合、帯電ローラ102によって負の所定電位に一様に帯電される。帯電ローラ102の感光体ドラム101の一様帯電処理面にレーザー露光装置103からの光による画像情報の走査露光がなされ、感光体ドラム101に走査露光パターンに対応した静電潜像が形成される。
次に、現像装置104の中で帯電したネガトナーが感光体ドラム101上の静電潜像の露光明部に付着して、静電潜像がトナー像として可視像となる(反転現像)。
一方、所定の給送制御タイミングにて給送ローラ108が回転駆動されて給送カセット109から紙等の記録材Pが1枚、分離給送される。記録材Pは、搬送ローラ110、レジストローラ111等を含むシートパス112を通って、感光体ドラム101と転写ローラ106との当接部である転写ニップ部に、所定の制御タイミングにて導入される。その後、記録材Pの記録面に感光体ドラム101上のトナー像が順次転写される。
転写ニップ部を出た記録材Pは、感光体ドラム101面から分離されて、除電手段としての除電針の上を通過する。そして、シートパス113を通って加熱装置107に導入されてトナー像の加熱定着処理を受ける。その後、シートパス114を通って排出トレイ115上に排出される。
また記録材分離後の感光体ドラム101面はクリーニングブレード105により転写残トナーの除去を受けて清掃され、繰り返して作像に供される。以上の過程を繰り返すことで本画像形成装置は記録材に画像を記録していく。尚、加熱装置107等の各手段に対する制御は、不図示の制御手段において行う。
(加熱装置)
次に未定着画像を記録材上に定着せしめる加熱装置について説明する。図2は加熱装置107の概略構成図である。
図2に示すように、加熱装置107は、耐熱性薄肉フィルムから構成される定着フィルム(加熱回転体)1及び加圧ローラ(加圧回転体)5とを有する。
定着フィルム1の内部には、加熱体2、加熱体支持部材3、サーミスタ4が配設される。また、定着フィルム1と隣接して、電源6、温度制御回路7が配設される。
定着フィルム1は、エンドレスベルト状の部材であり、加圧ローラ5からの回転駆動力を受けることで、図2の矢印の方向に従動回転を行う。定着フィルム1は、表面には耐熱性のゴム(例えばシリコーンゴム)で作られた100〜300μmの弾性層(弾性部材)を有しており、最表層はフッ素樹脂層(例えばPFA)となる。
加熱体2は、加圧ローラ5と当接するニップ部Nにおいて配設され、周囲に配設される加熱体支持部材3により支持される。加熱体2は通電により発熱し、通電の制御は、温度制御回路(制御手段)7により行う。
加熱体支持部材3は、加熱体2やサーミスタ4を支持し、且つ定着フィルム1をガイドする。
サーミスタ4は、加熱体支持部材3に内蔵され、面状の加熱体2に対して、規定された所望の圧力で予め接触している。サーミスタ4での検知信号は、電源6や温度制御回路7に伝達される。
電源6は加熱体(ヒータ)2を加熱するためのものである。
温度制御回路7は、フィルム表面温度を目標値に制御する。具体的には、加熱体2の加熱状況やサーミスタ4の検知信号を検知して、加熱体2の加熱の制御を行う。制御回路7は画像形成時において、ヒータ温度やフィルム表面温度を目標値に制御するため、サーミスタからの温度情報に応じて電源6に指示を送り、ヒータへの投入電力を制御する。
加圧ローラ5は、弾性層を有し、表面に弾性層を持つ定着フィルム1を介して、加熱体支持部材3に支持された加熱体2に対して圧接される。これにより、未定着トナー画像の定着に必要な所定の定着ニップ幅が形成される。
また、ニップ部Nのシート搬送方向上流側には入口ガイド8が配設され、下流側には排出搬送ローラ対9が配設される。
以上のような構成により、加熱装置107では、次のような動作を行う。
まず、記録材Pがニップ部Nに進入する前、加熱体2を所定の温度に加熱させるよう温度調節をしておく。そして、定着フィルム1を図中矢印の方向に回転移動させた状態において、記録材Pが、入口ガイド8に案内されてニップ部Nに進入する。
ニップ部Nに進入した記録材Pには、未定着トナー像Tが形成されている。このため、記録材Pがニップ部Nの定着フィルム1と加圧ローラ5との間に進入すると、未定着トナー像Tが加熱・溶融され、記録材Pに対して永久画像として定着される。
ニップ部Nを通過した記録材Pは、定着フィルム1の面から剥離して、排出搬送ローラ対9によって搬送され、最終的には排出トレイ115に排出される。
このような加熱装置における定着動作において、画像形成動作なしの状態(非画像形成動作状態)が長時間経過した場合、定着フィルム1の弾性層や加圧ローラ5の弾性層が変形することがある。すると、再び定着動作をする際に、バンディングや光沢ムラ等の画像不良が発生するおそれがある。この現象は、プリント終了後に弾性層が加圧により押しつぶされ、弾性層の肉厚が減少した形状を記憶してしまうことにより発生する。そして、装置を停止させ、ニップ部Nの温度が低下すると、一度記憶してしまった変形が容易には消えず残ってしまうおそれがある。
この現象を防ぐため、本実施形態においては、この変形が発生した場合、ニップ部Nを温めて圧力をかけることで取り除く。即ち、変形した部分を加熱することで、変形部を柔軟にし、その上で圧力をかけることで変形を速やかに矯正する。また、変形部をニップ部Nから移動させることで、同じ箇所が再びニップ部Nになり、変形することを防止することもできる。
そこで、本実施形態では画像形成動作なしに長時間放置された場合、制御手段が、所定時間を経過するごとに、定着フィルム1及び加圧ローラ5を僅かに逆回転した後、ニップ部Nを温めつつ、低速で正回転させる。動作開始時にニップ部Nになっていた部分がニップを通過して時点で回転を止める。これにより、弾性層にできた変形を取り除くこととする。
尚、ここで、正回転とは正方向に回転させることであり、正方向とは、記録材Pに対して定着動作をするときの定着フィルム1や加圧ローラ5の回転方向である。一方、逆回転とは、正回転と逆方向に回転させることである。また、低速とは、定着動作時の定着フィルム1及び加圧ローラ5の回転速度に比して低速であることをいう。
回転する範囲をニップ部Nの近傍に限定することで、ニップ部N近傍のみを集中的に温めることができ、電力の消費を抑えることができる。また、弾性層の変形に関係のない部分を加熱することがないので、耐久性の面でも有利となる。
例えば、φ24mmのSUS製の定着フィルムを用いた加熱装置とφ24mmの加圧ローラを用いた加熱装置の場合について示す。ここで、ニップ幅は8mm、プロセススピードは315mm/sである。この構成において、2時間毎に前記の動作を行う。この時、ヒータ温度は150℃、回転速度は10mm/sとする。
駆動は本体の駆動用DCモータ(不図示)により行い、モータを低速で回転することでローラの回転速度を低下させる。これにより弾性層の変形部のみを加熱、加圧して、変形を取り除くことができる。このように制御することで、最小限の電力で、かつ各部品の耐久性を落とすことなく、変形部を矯正することができる。
また、ニップ部N近傍のみを加熱する方法としては、これ以外にも正回転と逆回転を交互に行い、ニップ部Nを往復させる方法もある。
以上のように、本実施形態においては、非画像形成動作状態で長時間経過した場合、制御手段は、所定時間を経過するごとに、定着フィルム1及び加圧ローラ5を僅かに逆回転させる。これにより、弾性部材のニップ部Nに当接していた部分を、ニップ部Nから退避させる。次に、加熱体2を点灯させた後、定着フィルム1及び加圧ローラ5を正回転させる。弾性部材のニップ部Nに当接していた部分がニップ部Nを通過した時点で、正回転を止める。このように制御することで、消費エネルギーを抑制しつつローラ等の弾性層の変形を防止することができる。
〔第2実施形態〕
図を用いて本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態はローラ定着方式の加熱装置の場合について述べる。前述した実施形態と同様の構成については同符号を付し、説明を省略する。図3は第2実施形態に係る熱ローラ方式の加熱装置の概略図であり、図4は第2実施形態に係る定着ローラ10の断面図である。
図3に示すように、本実施形態の加熱装置107は、加熱部材としての加熱ローラ(以下、定着ローラ10と記す)と、ハロゲンランプ等のヒータ11と、サーミスタ12、加圧ローラ(加圧回転体)13を有する。
図4に示すように、定着ローラ10は、内面からアルミ層10a(厚さ2.5mm)、シリコーンゴム層10b(2.1mm)、フッ素ゴム層10c(30μm)、フッ素ゴムラテックス層10d(30μm)、PFA層10e(30μm)を有する。
加圧ローラ13は、アルミ層の厚さが2.7mm、シリコーンゴム層の厚さが1.9mmで構成される以外は、定着ローラ10と同じ構造となっている。
熱ローラ方式の加熱装置は、定着ローラ10と加圧ローラ13を並行に配列して加圧ローラ13の弾性に抗して互いに所定の押圧力をもって加圧して当接させる。これによりニップ部を形成する。
図3に示すように、定着ローラ10と加圧ローラ13は、矢印の方向に所定の周速度で回転する。定着ローラ10と加圧ローラ13の内部にはヒータ11が配設される。そして、定着ローラ10と加圧ローラ13は、このヒータ11の発熱により内側から加熱される。また、定着ローラ10と定着ローラ13の表面温度が所定の定着温度に維持されるように、定着ローラの表面に設置されたサーミスタ12が配設される。サーミスタ12からの温度情報をもとに、制御回路(制御手段)7によって電源6からヒータ11に供給される電力が制御される。
定着ローラ10と加圧ローラ13が回転駆動され、定着ローラ10の温度が所定の定着温度に立ち上がって温調される。この状態において、定着ローラ10と加圧ローラ13のニップ部Nに未定着のトナー像Tを担持した記録材Pが導入される。ニップ部Nでは、未定着画像Tを形成しているトナーは半溶融し、加圧されることにより記録材表面に定着する。このように、記録材Pがニップ部Nを挟持搬送されると、未定着トナー像Tの記録材Pに対する加熱定着が行われる。
本実施形態における加熱装置が、画像形成動作なしの状態(非画像形成動作状態)で長時間経過した場合、定着ローラ10と加圧ローラ13の弾性層(弾性部材)が変形することがある。すると、その後の使用時にバンディング、光沢ムラ等の画像不良が発生するおそれがある。この現象は、プリント終了後に弾性層が加圧により押しつぶされ、肉厚の減少した形状を強固に記憶してしまい、前述の変形が発生してしまうことにより起こる。
この変形はニップ部Nを温めて、圧力をかけることで解消することができる。本実施形態では、画像形成動作なしの状態(非画像形成動作状態)で長時間経過した場合、所定時間を経過するごとに、定着ローラ10と加圧ローラ13を正回転させる。それに加えて、変形部(動作開始前にニップ部Nであった部分)がニップ部Nを通過する時のみ回転速度を遅くしてヒータを点灯する。このようにして、ニップ部N近傍のみを効率的に加熱する。これにより、より少ない電力で変形部のみを加熱することができる。また、変形していない部分は、短時間しか加熱されないため、耐久性が低下することもない。
例として、φ30mmの定着ローラ10とφ40mmの加圧ローラ13とが圧接して、ニップ部N(9mm)を形成している画像形成装置の場合をあげる。ここで、両ローラの弾性層はオイルレス定着、及び画像品質向上のため、通常よりも低く9°(JIS-A)としている。また、ローラ圧解除機構にローラ駆動ギアの逆回転方向を使用しているため、ローラの逆回転を行うことができない。
この構成において、1時間毎に前記の動作を行う。その様子を図5に第2実施形態の実施例として示す。図5は開始10秒までの様子を示している。凡例にあるように斜線部及び網掛け部は、各ローラの変形部がニップ部を通過している時を示している。従って、その変形部がニップを通過している時のみヒータが点灯している。点灯時、ヒータ温度を150℃とし、回転速度を10mm/sに下げ変形部を集中的に加熱する。逆に、変形していない部分がニップ部を通過する時はヒータを切り、回転速度を紙搬送速度である120mm/sまで上げて、不必要な電力の消費を防止する。回転速度の制御はモータの回転数を変化させることで行う。ここでは回転数の制御を細かく行う必要があるためパルスモータを使用する。
以上のように、本実施形態においては、ローラ方式の加熱装置において、非画像形成動作状態で長時間経過した場合、制御手段が、所定時間を経過するごとにヒータ11を点灯させる。そして、定着ローラ10及び加圧ローラ13を正回転させ、弾性部材のニップ部Nに当接していた部分がニップ部Nを通過するときに回転速度を落とす。そして、弾性部材のニップ部Nに当接していた部分が再びニップ部Nを通過した時点で回転を止める。
このように、回転速度を制御して変形部のみを集中的に加熱することで、各部品の耐久性を損なうことなく、より少ない電力で変形部を集中的に加熱し、変形部を矯正することができる。
〔第3実施形態〕
図を用いて本発明の第3実施形態を説明する。前述した実施形態と同様の構成については同符号を付し、説明を省略する。
本実施形態はベルト方式の加熱装置の場合について述べる。
図6に第3実施形態の加熱装置の概略図を示す。図6に示すように、本実施形態の加熱装置107は、定着ベルト(加熱回転体)14、アイドラローラ15、加熱ローラ16、を有する。定着ベルト14は加熱ローラ16とアイドラローラ15とに張架される。
ベルト方式の加熱装置では、定着ベルト14を加熱ローラ16とアイドラローラ15に張設し、加熱ローラ16には定着ベルト14を介して加圧ローラ(加圧回転体)13が加圧して当接するように設置する。この加熱ローラ16と加圧ローラ13が、定着ベルト14を介して圧接された部分が定着ニップ部Nとなる。
定着ベルト14は、厚さ50μmのPI(ポリイミド)よりなる基層の上に弾性層(弾性部材)として250μmのシリコーンゴム層を設ける。更に外側に表面層として厚み30μmのPFA樹脂チューブを被覆する。尚、基層についてはSUS、ニッケル等の金属材料を用いることもできる。
加熱ローラ16と加圧ローラ13は、矢印の所定の周速度で回転する。加熱ローラ16及び加圧ローラ13の内部にはヒータ11が配設してあり、加熱ローラ16と加圧ローラ13はこのヒータ11の発熱により内側から加熱される。そして、各ローラの表面温度が所定の定着温度に維持されるように、各ローラの表面に設置されたサーミスタ12からの温度情報をもとに制御回路(制御手段)7によって電源6からヒータ11に供給される電力を制御する。
この構成により、加熱ローラ16と加圧ローラ13が回転駆動され、各ローラの温度が所定の定着温度に立ち上がって温調される。この状態において、加熱ローラ13と加圧ローラ16のニップ部Nに未定着のトナー像Tを担持した記録材Pが導入される。ニップ部Nでは未定着画像Tを形成しているトナーが半溶融し、加圧されることにより記録材表面に定着する。こうして、ニップ部Nを挟持搬送された記録材Pに対しては、未定着トナー像Tの加熱定着が行われる。
本実施形態の構成を取った場合、画像形成動作なしの状態(非画像形成動作状態)で長時間経過した場合に、定着ベルト14がアイドラローラ15と接している部分において、定着ベルト14に変形が生じる。これは特にアイドラローラ15の径が小さい場合に顕著である。画像形成動作なしに長時間放置後の使用時に定着ベルト14の変形部がアイドラローラ15に近づくと、トルク変動が生じ、画像にピッチムラとなって現れる。
この変形は変形部を温めながら、圧力をかけることにより解消することができる。本実施形態では、変形部をニップ部Nの直前まで回転させた後、ニップ部Nを温め、低速で回転して変形部をニップ部Nに通過させる。これにより、変形部のみを効率的に加熱することができる。一方、変形していない部分は加熱されないので、耐久性が低下することもない。
例えば、φ24mmの加熱ローラ、φ24mmの加圧ローラ、φ5mmのアイドラローラを用いた加熱装置の場合を示す。ここで、定着ニップ幅8mm、プロセススピード100mm/sである。この構成において、1時間毎に前記の動作を行う。変形部をニップ直前まで移動する時は100mm/sで、変形部がニップを通過する時は10mm/s、ヒータ温度は150℃とする。また、ベルトの駆動は本体の駆動用DCモータ(不図示)により行い、ニップ部直前でモータの回転を下げることで、定着ベルトを低速にする。これにより定着ベルト上の弾性層の変形部のみを加熱・加圧して、変形を効率的に取り除くことができる。
このように、定着ベルトの変形部を定着ニップ直前まで移動させ、その後、ヒータを点灯させて、変形部を低速でニップ部を通過させる。これにより、不要な電力の消費を抑え、かつ各部品の耐久性を落とすことなく定着ベルトの変形部を矯正することができる。
画像形成装置の概略断面図。 第1実施形態に係る加熱装置107の概略構成図。 第2実施形態に係る熱ローラ方式の加熱装置の概略図。 第2実施形態に係る定着ローラ10の断面図。 第2実施形態の実施例の結果を示す図。 第3実施形態の加熱装置の概略図。
符号の説明
N…ニップ部、P…記録材、T…未定着トナー像、1…定着フィルム、2…加熱体、3…加熱体支持部材、4…サーミスタ、5…加圧ローラ、6…電源、7…温度制御回路、8…入口ガイド、9…排出搬送ローラ対、10…定着ローラ、10a…アルミ層、10b…シリコーンゴム層、10c…フッ素ゴム層、10d…フッ素ゴムラテックス層、10e…PFA層、11…ヒータ、12…サーミスタ、13…加圧ローラ、14…定着ベルト、15…アイドラローラ、16…加熱ローラ、101…感光体ドラム、102…帯電ローラ、103…レーザー露光装置、104…現像装置、105…クリーニングブレード、106…転写ローラ、107…加熱装置、108…給送ローラ、109…給送カセット、110…搬送ローラ、111…レジストローラ、112…シートパス、114…シートパス、115…排出トレイ

Claims (3)

  1. ヒータが配設され弾性部材を有する加熱回転体と、前記加熱回転体に対して加圧して当接することでニップ部を形成する加圧回転体と、前記ヒータの温度や前記加熱回転体及び加圧回転体の回転についての制御を行う制御手段と、を有する定着装置において、
    非画像形成動作状態で長時間経過した場合、
    前記制御手段は、
    所定時間を経過するごとに、
    前記加熱回転体及び前記加圧回転体を僅かに逆回転させることで、前記弾性部材の前記ニップ部に当接していた部分を前記ニップ部から退避させ、
    前記ヒータを点灯させ、
    前記加熱回転体及び前記加圧回転体を正回転させ、
    前記弾性部材の前記ニップ部に当接していた部分が前記ニップ部を通過した時点で前記正回転を止めるように制御することを特徴とする定着装置。
  2. ヒータを具備し弾性部材を有する加熱回転体と、前記加熱回転体に対して加圧して当接することでニップ部を形成する加圧回転体と、前記ヒータの温度や前記加熱回転体及び加圧回転体の回転についての制御を行う制御手段と、を有する定着装置において、
    非画像形成動作状態で長時間経過した場合、
    前記制御手段は、
    所定時間を経過するごとに、
    前記ヒータを点灯させ、
    前記加熱回転体及び前記加圧回転体を正回転させ、
    前記弾性部材の前記ニップ部に当接していた部分が前記ニップ部を通過するときに回転速度を落とし、
    前記弾性部材の前記ニップ部に当接していた部分が前記ニップ部を通過した時点で前記正回転を止めるように制御することを特徴とする定着装置。
  3. ヒータを具備し弾性部材を有する加熱回転体と、前記加熱回転体に対して加圧して当接することでニップ部を形成する加圧回転体と、前記ヒータの温度や前記加熱回転体及び加圧回転体の回転についての制御を行う制御手段と、を有する定着装置において、
    前記加熱回転体は、アイドラローラに張架された定着ベルトであり、
    非画像形成動作状態で長時間経過した場合、
    前記制御手段は、
    所定時間を経過するごとに、
    前記定着ベルトにおける前記弾性部材の前記ニップ部に当接していた部分が前記ニップ部直前にくるように回転させ、
    前記ヒータを点灯させ、
    前記定着ベルトの回転速度を落とし、
    前記弾性部材の前記ニップ部に当接していた部分が前記ニップ部を通過した時点で前記回転を止めるように制御することを特徴とする定着装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017003686A (ja) * 2015-06-08 2017-01-05 コニカミノルタ株式会社 定着装置および画像形成装置
JP2017009784A (ja) * 2015-06-22 2017-01-12 コニカミノルタ株式会社 定着装置および画像形成装置
JP2018101059A (ja) * 2016-12-20 2018-06-28 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置及び該定着装置を備えた画像形成装置

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