JPH11224024A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH11224024A
JPH11224024A JP10040965A JP4096598A JPH11224024A JP H11224024 A JPH11224024 A JP H11224024A JP 10040965 A JP10040965 A JP 10040965A JP 4096598 A JP4096598 A JP 4096598A JP H11224024 A JPH11224024 A JP H11224024A
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JP
Japan
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roll
fixing
temperature
heating
fixing belt
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JP10040965A
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English (en)
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Yuichiro Azuma
裕一郎 東
Takeshi Kato
猛 加藤
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Nitto Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nitto Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Priority to DE69917503T priority patent/DE69917503T2/de
Priority to EP99102465A priority patent/EP0935176B1/en
Priority to CN99102127A priority patent/CN1121635C/zh
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  • General Physics & Mathematics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オフセット及び薄紙のジャムが発生すること
が無く、定着性にも問題が無く、コピー速度の低下が防
止されると共に、待機時間が長時間に渡ったとしても、
この待機時からの立ち上がり時間を短くして、定着開始
までにかかる待ち時間を短くすることの出来る定着装置
を提供することである。 【構成】 定着ロール28と、この定着ロール2に転接
するように付勢される加圧ロール30とを備え、未定着
トナーが表面上に担持されたシートが、定着ロール28
と加圧ロール30との転接部を一方向に沿って通過する
ことにより、未定着トナーをシート上に定着させる定着
装置10において、定着ロール28の上側に隣接して配
設され、内部に発熱源32が配設された加熱ロール34
と、この加熱ロール34と定着ロール28とにエンドレ
スに掛け渡され、発熱源32からの熱伝達を受けて転接
部を通過するシート上の未定着トナーを加熱する熱伝達
ベルト36と、待機状態において、定着ロール28及び
加圧ロール30の温度を所定温度範囲に保持する待機温
度制御手段86とを具備することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、ファクシミリ等において、記録媒体上の未定着トナ
ーを溶融圧着し、記録媒体に定着させるために使用する
定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近時の電子写真装置用の定着装置におい
ては、図9に示すように、定着ロールR1と加熱兼テン
ションロール(以下、単に「加熱ロール」と略称する。)R
3間に定着ベルトBを張設し、この定着ベルトBを介し
て下方より押圧する加圧ロールR2を設けたベルト定着
方式と、記録媒体Dの予熱とを組み合わせた技術が開発
されている。これによって、予熱によりニップ部の温度
を低く設定でき、熱容量の小さい定着ベルトBを用いる
ことで、ニップ部通過時に定着ベルトBの温度を急速に
冷却させ、ニップ部出口での定着ベルトBと分離するト
ナーの凝集力を高めることで、定着ベルトBとトナーと
の離型性を高めて、オイルレス或いは微量のオイルしか
塗布しない場合でも、オフセットの無い鮮明な定着画像
が得られる。この装置は、加熱ロール方式では解決でき
なかった離型性とオイルの塗布の問題を解決した定着装
置として知られている。
【0003】この従来の定着装置10の構成を以下に簡
単に説明する。定着装置10は、定着ロールR1と、こ
の定着ロールR1の直下方に配設された加圧ロールR2
と、定着ロールR1の側方(記録媒体の搬送方向に沿う
上流側)に配設された加熱ロールR3とを備え、定着ロ
ールR1と加熱ロールR3間に定着ベルトBが張設され
ている。
【0004】定着ベルトBの上部にはオイル塗布ロール
R4が設けられている。また、定着ベルトBの下部に
は、隙間をあけて記録媒体支持体としてのガイド板Gが
設けられ、定着ベルとBの下部とガイド板Gの間に記録
媒体の加熱通路Pを形成している。
【0005】定着ベルトBは、加熱ロールR3が加圧レ
バーUにより定着ロールR1と隔離する方向に加圧され
ることで、所望の張力を得ると共に、定着ロールR1で
駆動することによりスリップや緩みの無い安定した回転
をすることが出来る。
【0006】加熱ロールR3の内部には、加熱源として
加熱ヒータHが備えられる。また、加熱兼テンションロ
ールR3の芯金面の温度測定のためにサーミスタSを設
けている。
【0007】上記構成を有する従来の定着装置10で
は、サーミスタS及び図示しないコントロールによっ
て、定着動作中に渡り、加熱ロールR3の芯金面の温度
が設定温度となるように、加熱ヒータHの放熱量を制御
している。
【0008】上記のような加熱ヒータHの制御方法によ
ると、定着ロールR1上の定着ベルトBの温度は、定着
ベルトの回転時間に応じて変化し、通紙時においては一
定ではないため、回転時間が短い場合には定着ロールR
1上の定着ベルトBの温度が低く、この温度を上昇させ
るため、加熱ロールR3の設定温度を高くして、定着ロ
ールR1上の定着ベルトBの温度が常に定着可能領域に
入るように制御する必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、フルカラーの
連続コピー時等においては、定着ベルトBの回転時間が
長くなるため、定着ロールR1上の定着ベルトBの温度
が上昇し、即ち、ニップ部出口の温度が上昇し、図10
に示すような温度特性となる。
【0010】同図において、横軸は定着ベルトBの回転
時間を、縦軸は各ロール上の定着ベルトBの温度を示
す。まず、加熱ロールR3上の定着ベルトBの温度が設
定温度T2になるように加熱ヒータHの放熱量を制御し
た場合の温度特性について説明する。この場合、同図の
上方における実線で示した波線W1が加熱ロールR3上
の定着ベルトBの温度を示す。一方、その下方の特性曲
線C1が定着ロールR1上の定着ベルトBの温度の変化
を示す。
【0011】待機時間を経て、定着ベルトBの回転時間
が長くなるに従い、定着ロールR1上の定着ベルトBの
温度が上昇する。そして、定着ロールR1上の定着ベル
トBの温度が定着上限温度T1を超えると、オフセッ
ト、または、薄紙のジャムが発生する可能性が大きくな
る。尚、同図の破線で示す定着下限温度T1′より定着
ロールR1上の定着ベルトBの温度が低くなると、低温
オフセット、または、トナーの未定着の領域が生ずる等
の問題が生ずる。従って、定着ロールR1上の定着ベル
トBの温度は、定着上限温度T1と定着下限温度T1′
との間にある場合が正常状態である。
【0012】ここで、以下の表1に示すように、定着ベ
ルトBの線速が大きくなると、更に上記傾向が大きくな
る。
【0013】
【表1】
【0014】この表1は、定着ベルトBの線速を変化さ
せて、定着ベルトBの所定の空転時間経過後の加熱ロー
ルR1上の定着ベルトBの温度及び定着ロールR1上の
定着ベルトBの温度を測定すると共に、ジャムまたはオ
フセットが発生するかいなかについて調べた試験の結果
を示す。同表中のジャム・オフセット発生の欄の○印が
ジャムまたはオフセットが発生しなかった場合、×印が
ジャムまたはオフセットが発生した場合を示す。
【0015】試験にあたっては、ポリイミド100μ+
シリコーンゴム100μの定着ベルトと、シリコーンス
ポンジ30HS(t=4)の定着ロールと、シリコーン
スポンジ40HS(t=4)の加圧ロールを使用し、加
熱ロールの設定温度を150℃として、圧力14.6k
g/片で45kg紙(52.3g/m2紙)で先端余白
なし、全ベタの紙を使用した。
【0016】この表より明らかなように、定着ベルトB
の線速が、80mm/secから120mm/secに
大きくなると、定着ロールR1上の定着ベルトBの温度
がより早く上昇して、定着上限温度T1より定着ロール
R1上の定着ベルトBの温度が高くなり、オフセット、
または、薄紙のジャムが発生する可能性が大きくなる。
【0017】この対策として、図10に示すように、定
着ロールR1上の定着ベルトBの温度が最高のときに定
着上限温度T1以下となるように、加熱ロールR3上の
定着ベルトBの温度を設定温度T2′にすると(この場
合の特性を破線W2及びC2で示す。)、オフセット、
薄紙のジャムの発生は防止することが出来るが、定着ロ
ールR1上の定着ベルトBの温度が定着下限温度T1′
に達するまでにより長い時間が必要となり、コピー速度
がTsからTs′に低下するという問題がある。
【0018】一方、記録媒体の定着動作が終了すると、
記録媒体の搬送動作が中断され、これに伴い、定着ベル
トBの走行動作も停止されると共に、加熱ロールR3に
おける加熱ヒータHの発熱動作も停止され、待機状態が
設定されることになる。このような待機状態の設定に伴
い、定着ベルトBと共に、定着ロールR1の表面温度が
低下していくことになる。この結果、この待機状態が長
時間に渡ると、定着ベルトB及び定着ロールR1は冷え
切ってしまい、この冷え切った状態から定着動作が再開
された場合には、定着ロールR1を定着可能温度まで加
熱するのに時間がかかり、操作者に長時間に渡る待ち時
間を強要することとなり、改善が要望されている。
【0019】この発明は、上述した事情に鑑みなされた
もので、この発明の目的は、オフセット及び薄紙のジャ
ムが発生することが無く、定着性にも問題が無く、コピ
ー速度の低下が防止されると共に、待機時間が長時間に
渡ったとしても、この待機時からの立ち上がり時間を短
くして、定着開始までにかかる待ち時間を短くすること
の出来る定着装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するため、この発明に係わる定着装置は、請
求項1の記載によれば、定着ロールと、この定着ロール
に転接するように付勢される加圧ロールとを備え、未定
着トナーが表面上に担持されたシートが、前記定着ロー
ル及び加圧ロールの転接部を一方向に沿って通過するこ
とにより、前記未定着トナーを前記シート上に定着させ
る定着装置において、前記定着ロールの、前記加圧ロー
ルが配設される側とは反対側に隣接して配設され、内部
に発熱手段が配設された加熱ロールと、この加熱ロール
と前記定着ロールとにエンドレスに掛け渡され、前記発
熱手段からの熱伝達を受けて前記転接部を通過する前記
シート上の未定着トナーを加熱する熱伝達ベルトと、待
機状態において、前記定着ロール及び加圧ロールの温度
を所定温度範囲に保持する待機温度制御手段とを具備す
ることを特徴としている。
【0021】また、この発明に係わる定着装置は、請求
項2の記載によれば、少なくとも前記加圧ロールを回転
駆動させる駆動手段と、前記発熱手段を制御する発熱制
御手段とを更に具備することを特徴としている。
【0022】また、この発明に係わる定着装置は、請求
項3の記載によれば、前記加圧ロールの温度を検出する
検出手段を更に具備し、前記待機温度制御手段は、該検
出手段による検出結果に基づき、前記加圧ロールの温度
が前記所定温度範囲より低くなると判断した場合に、前
記発熱制御手段をして、前記発熱手段を起動すると共
に、前記駆動手段をして、前記加圧ロールを回転駆動さ
せて前記熱伝達ベルトを走行駆動させ、前記定着ロール
及びこれに転接する加圧ロールを加熱させることを特徴
としている。
【0023】また、この発明に係わる定着装置は、請求
項4記載によれば、前記待機温度制御手段は、前記検出
手段により検出結果に基づき、前記加圧ロールの温度が
前記所定温度範囲より高くなると判断した場合に、前記
発熱制御手段をして、前記発熱手段の起動を停止すると
共に、該発熱手段の起動停止して所定時間経過後、前記
駆動手段をして、前記加圧ロールの回転駆動を停止させ
ることを特徴としている。
【0024】また、この発明に係わる定着装置は、請求
項5の記載によれば、前記待機状態に入ってからの時間
を計時するカウント手段を更に具備し、前記待機温度制
御手段は、該カウント手段による計時結果に基づき、前
記待機時間に入ってから第1の所定時間毎に、前記発熱
制御手段をして、前記発熱手段を起動すると共に、前記
駆動手段をして、前記加圧ロールを回転駆動させて前記
熱伝達ベルトを走行駆動させ、前記定着ロール及びこれ
に転接する加圧ロールを加熱させることを特徴としてい
る。
【0025】また、この発明に係わる定着装置は、請求
項6の記載によれば、前記待機温度制御手段は、前記発
熱制御手段をして起動された前記発熱手段を第2の所定
時間だけ発熱制御すると共に、前記駆動手段をして回転
駆動された前記加圧ロールを第3の所定時間だけ駆動制
御することを特徴としている。
【0026】また、この発明に係わる定着装置は、請求
項7の記載によれば、前記第3の所定時間は、前記第2
の所定時間より長く設定されていることを特徴としてい
る。
【0027】また、この発明に係わる定着装置は、請求
項8の記載によれば、前記待機温度制御手段は、前記待
機状態が解除されることに伴い、前記発熱制御手段及び
駆動手段に対する前記制御動作を中止することを特徴と
している。
【0028】また、この発明に係わる定着装置は、請求
項9の記載によれば、前記所定温度範囲は、定着温度よ
りも低く設定されていることを特徴としている。
【0029】
【発明を実施する形態】以下に、この発明に係わる定着
装置の一実施例の構成を、添付図面を参照して以下に詳
細に説明する。
【0030】{定着装置10の概略説明}先ず、図1に
示すように、この実施例の定着装置10は、ハウジング
構造として、図示しない電子式画像形成装置、例えば、
電子複写装置のフレームに固定されるハウジング12を
備えており、このハウジング12は、装置フレーム上に
直接的に固定される底板14と、この底板14の左右両
側縁から夫々起立した側板16と、この側板16にこれ
の図中略右上部を覆うように取付けられた上カバー部1
8と、側板16にこれの略左側部を覆うように取付けら
れた左カバー部20とを備えている。
【0031】ここで、上カバー部18は、側板16に対
して固定された状態で取付けられ、これの右上部には、
揺動レバー22が図中右方に位置する第1の支軸24回
りに図中左方が開放されるように、揺動自在に軸支され
ている。一方、左カバー部20は、下部に位置する第2
の支軸26回りに上方が開放されるように、揺動自在に
側板16に取付けられている。
【0032】また、この定着装置10は、ロール構成と
して、側板16に固定軸線回りに回転自在に軸支された
定着ロール28と、定着ロール28の略下方(具体的に
は、斜め下方)でこれに転接する状態で、且つ、定着ロ
ール28の固定軸線と平行に設定された固定軸線回りに
側板16に回転自在に支持された加圧ロール30と、定
着ロール28の略上方(具体的には、斜め上方)に位置
する状態で揺動レバー22に取付けられ、自身の中心軸
線回りに回動自在に支持され、内部に例えばハロゲンラ
ンプ等の発熱源32を内蔵した加熱ロール34とを備え
て構成されている。また、この定着装置10は、定着ロ
ール28と加熱ロール34とに渡りエンドレスに巻回さ
れた定着ベルト(熱伝達ベルト)36を更に備えてい
る。
【0033】ここで、詳細は後述するが、定着ロール2
8は弾性ロールから構成され、一方、加圧ロール30は
弾性ロールより堅いロール上硬度を有するロールから構
成されている。一方、定着ロール28と加圧ロール30
との互いの回転中心間距離Dは、図2に示すように、定
着ロール28の半径R1及び加圧ロール30R2の半径
の和(R1+R2)より、僅かであるが短く設定されて
いる。この結果、定着ロール28と加圧ロール30との
互いの転接部(ニップ部)においては、両者は互いに所
定の圧接力P1で転接し、これにより、定着ロール28
が転接部で凹んだ状態にもたらされることになる。即
ち、ニップ幅が十分に確保されることになる。
【0034】また、この定着装置10は、定着ベルト3
6の外表面にシリコーンオイルを塗布すると共に、この
定着ベルト36の外表面をクリーニングするためのオイ
ル塗布ロール38と、このオイル塗布ロール38を定着
ベルト36に直交する状態で圧接させて、定着ベルト3
6に所定のテンションを付与させる第1のコイルバネ4
0と、加熱ロール34を定着ロール28から離間する方
向に付勢して、第1のコイルバネ40と協同して定着ベ
ルト36に所定のテンションを付与させる第2のコイル
スプリング42とを更に備えている。
【0035】また、上述した上カバー部18の図中右下
部は、内方に折り曲げられており、この折曲片の下方に
位置すると共に、これから大きく離間した状態で、ガイ
ド板44が側板16に固定されている。この上カバー部
18とガイド板44との間から、未定着トナーが上面に
担持されたシート(以下、単に、未定着シートと呼
ぶ。)が、図中矢印で示す一方向(搬送方向)に沿って
ハウジング12内に取り込まれる入口ポート46が規定
される。
【0036】ここで、このガイド板44は、ハウジング
12内に入るにつれてその高さが高まるように図中左斜
め上方に傾斜した状態で取付けられている。一方、ガイ
ド板44の導入側端部、即ち、図中右下側の端部は、電
子複写装置内であって入口ポート46の図中右側に隣接
した状態で配設されたシート搬送用のエンドレスベルト
EBの出口側端部に対向した状態に位置決めされ、ガイ
ド板44の導出側端部、即ち、図中左上側の端部は、定
着ロール28と加圧ロール30との転接部(ニップ部)
に対向した状態に位置決めされている。
【0037】そして、このエンドレスベルトEBを介し
て定着装置10に向けて図中矢印で示す一方向(搬送方
向)に沿って搬送されてきた未定着シートの先端は、先
ず、ガイド板44に触れ、これに案内された状態で、斜
め上向きに搬送されるように設定されている。この結
果、このガイド板44により案内された未定着シート
は、定着ロール28と加圧ロール30との転接部に導か
れることになる。
【0038】一方、上述した左カバー部20の上部に
は、転接部を通過して定着ロール28と加圧ロール30
とにより熱圧着により未定着トナーを定着されたシート
(以下、定着済みシートと呼ぶ。)が排出される排紙通
路48が形成されており、この実施例においては、この
排紙通路48は、定着済みシートを略直立した状態で上
方に向けて排出するように設定されている。
【0039】この排紙通路48と転接部との間に位置し
た状態で、下排紙ロール50が左カバー部20に回転自
在に軸支されており、この下排紙ロール50は、後述す
る駆動機構52からの駆動力を得て、加圧ロール30よ
り同速以上の速さ(例えば、加圧ロール30の速度より
5%早く設定された回転速度)で回転駆動されるように
構成されている。そして、この下排紙ロール50には、
斜め上方から転接する状態で、上排紙ロール54が板バ
ネ56を介して所定の弾性力で圧接した状態で転接して
いる。尚、この上排紙ロール54の配設位置は、これと
下排紙ロール50との互いの中心位置を結ぶ線分が、定
着済みシートの排紙パスに対して、略直交する状態に設
定されている。
【0040】このように概略構成される定着装置10に
おいては、図示しない搬送機構により、ガイド板44上
に搬送されてきた未定着シートSは、未定着トナーが付
着していない下面をガイド板44に接触・支持されると
共に、定着ベルト36が巻かれた定着ロール28と加圧
ロール30との転接部(ニップ部)に向けて案内され、
両者28、30の間を圧接された状態で挿通されること
により、トナーが熱圧着されてシート上に定着されるよ
うに設定されている。
【0041】{定着ロール28の説明}上述した定着ロ
ール28は、側板16に図示しないベアリングを介して
回転自在に軸支される芯金部28Aと、この芯金部28
Aの外周に同軸に配設され、定着ベルト36が巻回され
るロール本体28Bとを備えて構成され、ロール外径を
この実施例では38.5mmに設定されている。ここ
で、この実施例において、芯金部28Aは、直径25m
mの鉄製シャフトから形成され、ロール本体28Bは、
芯金部28Aの外周に厚さ6.75mmで取り付けられ
たシリコーンゴム耐熱弾性体(具体的には、アスカーC
硬度で35度のシリコーンゴムスポンジ)から形成され
ている。
【0042】尚、芯金部28Aの一端に配設された軸部
には、第1の従動ギヤ58がこれと同軸に、詳細を後述
するワンウエイクラッチ60を介して取付けられてお
り、この第1の従動ギヤ58には、詳細は後述する駆動
機構52の一部を構成する伝達ギヤ62が噛合してい
る。このようにして、この伝達ギヤ62を介して駆動機
構52からの駆動力が第1の従動ギヤ58に図中時計方
向の回転力として伝達されて、ワンウェイクラッチ60
を介して定着ロール28にこの回転力が伝達される構成
されている。
【0043】{加圧ロール30の説明}上述した加圧ロ
ール30は、側板16に図示しないベアリングを介して
回転自在に軸支される芯金部30Aと、この芯金部30
Aの外周に同軸に配設されたロール本体30Bとを備え
て構成され、ロール外径を35mmに設定されている。
ここで、この実施例において、芯金部30Aは、直径3
2mmの鉄製シャフトから形成され、ロール本体30B
は、芯金部30Aの外周に厚さ1.5mmで取り付けら
れたシリコーンゴム耐熱弾性体(具体的には、上述した
定着ロール28よりも硬めのJIS A硬度で20度の
シリコーンゴム)から形成されている。尚、このロール
本体30Bの外周には、厚さ50μmのフッ素樹脂製チ
ューブが被覆されている。
【0044】尚、芯金部30Aの一端に配設された軸部
は、第2の従動ギヤ64が同軸に固定されており、この
第2の従動ギヤ64には、上述した第1の従動ギヤ58
が噛合しており、この第1の従動ギヤ58を介してこれ
からの駆動力が第2の従動ギヤ64に伝達されて、加圧
ロール30が定着ロール28とは反対の反時計方向に沿
って回転駆動されるように構成されている。
【0045】ここで、この実施例においては、未定着シ
ートの搬送用の主駆動としては、加圧ロール30が設定
されており、定着ロール28はこれの熱膨張時において
も周速が加圧ロール30の周速よりも早くならないよう
に、第1及び第2の従動ギヤ58、64のギヤ比が設定
されている。即ち、定着ロール28が第2の従動ギヤ6
4により回転される際の回転速度は、定着ベルト36を
介して加圧ロール30と摩擦係合して回転される際の回
転速度よりも、僅かに遅くなるように設定されている。
【0046】一方、この実施例においては、加圧ロール
30は、定着ロール28の直下方に位置しているのでは
なく、定着ロール28の直下方位置よりも、未定着シー
トの搬送方向に沿って偏倚した位置に配設されており、
定着ロール28の中心点を通る垂線を基線とした場合
に、この基線と、定着ロール28及び加圧ロール30の
両中心点を通る線分とのなす角度が、所定の鋭角となる
ような位置に配設されている。尚、この加圧ロール30
の中心点を規定する前記線分は、未定着シートの搬送方
向と略直交するように設定されているものである。
【0047】{ワンウェイクラッチ60の説明}ここ
で、このワンウェイクラッチ60は、定着ロール28の
第1の従動ギヤ58に対する図中時計方向の相対的な回
転を許容するが、図中反時計方向の相対的な回転を係止
するように、換言すれば、両者が一体回転するように構
成されている。詳細には、冷機状態では、即ち、定着ベ
ルト36が加圧ロール30と摩擦係合して、また、定着
ロール28が定着ベルト36と摩擦係合して、加圧ロー
ル30により定着ロール28及び定着ベルト36が従動
(連れ回り)する状態では、定着ロール28の図中時計
方向に回転する周速は、加圧ロール30の周速と同一と
なり、第1の従動ギヤ58の周速よりも僅かに速くなさ
れることになるが、この速度差は、ワンウェイクラッチ
60により吸収されることになる。
【0048】尚、加熱ロール34の発熱により定着ロー
ル36が定着ベルト36を介して加熱され暖機状態とな
り、定着ロール36の外径が熱膨張により大きくなって
定着ロール36の周速が早くなったとしても、加圧ロー
ル30の周速より早くはならないように設定されている
ので、この場合でも、この速度差は、ワンウェイクラッ
チ60により確実に吸収されることになる。
【0049】一方、このようなワンウェイクラッチ60
を設けているため、以下のような効果が付随的に達成さ
れることになる。即ち、仮に、このようなワンウェイク
ラッチ60を設けていないとすると、転接部に未定着シ
ートとして例えばコート紙のような表面に光沢のある用
紙が搬送されてきた場合に、未定着シートと定着ベルト
36との間に滑りが発生し、加圧ロール30の駆動力が
定着ベルト36及び定着ロール28に伝達されずに、こ
れらが従動(連れ回り)されない事態が発生することと
なる。このような事態が発生すると、未定着シートが転
接部で止まってジャムすることになるか、又は、例え転
接部を通過出来たとしても、未定着シート上の未定着ト
ナーは、停止中の定着ベルト36により擦られて、画像
が乱されてしまうことになる。
【0050】しかしながら、この実施例では、ワンウェ
イクラッチ60を定着ロール28と第1の従動ギヤ58
との間に設けているため、仮に、加圧ロール30の駆動
力が定着ベルト36に伝達されない事態が発生したとし
ても、定着ロール28の周速が第1の従動ギヤ58の周
速よりも遅く成りはじめた時点で、この第1の従動ギヤ
58により図中時計方向に回転駆動されることになる。
このようにして、未定着シートは転接部を確実に通過さ
せられ、ここでジャムする虞が効果的に防止されること
になると共に、転接部を通過時の未定着トナーの画像の
乱れが抑制されることになる。
【0051】{加熱ロール34の説明}上述した加熱ロ
ール34の内部には、発熱源32として、この一実施例
においては、両端の配光を中央より50%大きく設定し
た800Wのハロゲンランプが備えられている。この加
熱ロール34は、この実施例においては、直径30mm
で、肉厚3.5mmのアルミパイプ芯金に、厚さ20μ
mのPTFEの被覆層をコーティングしたもので、両端
の軸受け部には、耐熱樹脂のポリエーテルエーテルケト
ン(PEEK)製の直径30mmのカラー66が圧入さ
れており、これにより、定着ベルト36の蛇行や片寄り
を防止している。
【0052】{定着ベルト36の説明}上述した定着ベ
ルト36は、未定着シートS上の未定着トナーを定着温
度まで放熱により予熱し、過剰な熱量を与えることなく
定着できるように、その定着ベルト36の1平方cm当
たりの熱容量が、0.002cal/℃〜0.025c
al/℃のものが好ましいものである。このため、この
実施例においては、定着ベルト36は、内径が60m
m、厚さが100μmのポリイミド製の無端状のベルト
本体と、このベルト本体の外周面に厚さ150μmでコ
ーティングされたシリコーンゴムの耐熱弾性離型層とを
備えて構成されている。
【0053】尚、この定着ベルト36は、ポリイミドと
シリコンゴムとから形成されることに限定されることな
く、例えば、40μmのニッケル電鋳等の無端状のベル
ト本体と、このベルト本体の外周面に厚さ150μmで
コーティングされたシリコーンゴムの耐熱弾性離型層と
を備えるように構成してもよい。
【0054】{オイル塗布ロール38の説明}この定着
装置10は、定着ベルト36の外周面に、離型用のオイ
ルを微量に塗布するためのオイル塗布ロール38を備え
ている。このオイル塗布ロール38は、ケーシング68
に軸線固定状態で回転自在に軸支された支軸38Aと、
この支軸38Aの外周にシリコーンオイルを含浸させた
耐熱紙層38Bとを備えて構成されており、支軸38A
は、この一実施例においては、直径8mmの鉄製シャフ
トから形成され、耐熱紙層38Bは、その外周に100
μmの多孔質フッ素樹脂フィルム38Cが装着された状
態で、直径22mmのローラ外径を有するように形成さ
れている。このように、オイル塗布ロール38を構成す
ることにより、定着ベルト36の外周面への安定した微
量のオイル塗布が可能となる。
【0055】尚、このオイル塗布ロール38の外周面に
は、定着ベルト36の外周面に付着した汚れ(トナー
等)が転移して付着し、汚されることになる。この為、
このオイル塗布ロール38の外周面には、クリーニング
用ブラシが接触しており、常時、オイル塗布ロール38
の外周面を清掃して、ここに付着した汚れを掻き落とす
ようになされている。
【0056】{定着ベルト36へのテンション付与機構
の説明}上述したように、この実施例では、定着ベルト
36へテンションを付与するための機構として、このオ
イル塗布ロール38を定着ベルト36に直交する状態で
圧接させて、定着ベルト36に所定のテンションを付与
させる第1のコイルバネ40と、加熱ロール34を定着
ロール28から離間する方向に付勢して、第1のコイル
バネ40と協同して定着ベルト36に所定のテンション
を付与させる第2のコイルスプリング42とを備えてい
る。
【0057】ここで、第1のコイルバネ40は、オイル
塗布ロール38を回転自在に支持するケーシング68
を、定着ベルト36に向けて付勢するように、左カバー
部20に取付けられている。即ち、ケーシング68は、
側板16に取り付けられたガイドリブ70により、定着
ベルト36に対して接離自在に支持されている。このよ
うにして、左カバー部20が図中左方に開かれた際に、
ケーシング68を押圧していた第1のコイルバネ40が
ケーシング68から取り外され、これにより、オイル塗
布ロール38の定着ベルト36への押圧状態が解除され
ることになる。また、左カバー部20が図中右方に回動
されて閉じられることにより、第1のコイルバネ40が
ケーシング68を押圧力P2で押圧して、オイル塗布ロ
ール38が定着ベルト36を所定のテンションで押圧す
ることになる。
【0058】一方、第2のコイルバネ42は、揺動レバ
ー22の図中左端と側板16との間に介設され、揺動レ
バー22を図中時計方向に沿って回動するように、換言
すれば、この揺動レバー22に支持された加熱ロール3
4が定着ロール28から離間する方向に第3の押圧力P
3で押圧するように取付けられている。これにより、定
着ベルト36には、所定のテンションが付与されること
になる。
【0059】即ち、この第2のコイルバネ42の付勢力
により揺動レバー22を介して加熱ロール34は、定着
ロール28から離間する方向に偏倚させられ、これによ
り、加熱ロール34と定着ロール28とにエンドレスに
掛け渡された定着ベルト36は、所定のテンションに緊
張された状態で張られることになる。
【0060】このように第1及び第2のコイルバネ4
0、42の作用により、定着ベルト36は、加圧ロール
30と摩擦係合して連れ回りし、且つ、この定着ベルト
36の連れ回りに応じて、定着ロール28は定着ベルト
36に対してスリップや緩みの無い安定した状態で従動
されることになる。
【0061】{駆動機構52の説明}上述した加圧ロー
ル30等を回転駆動するための駆動機構52は、図3に
示すように、電子複写装置にこの定着装置10が装着さ
れた状態で、電子複写装置側の駆動源に図示しないギヤ
トレインを介して接続された出力ギヤGEに噛合し、こ
れからの駆動力を受けて回転駆動される伝達ギヤ62
と、この伝達ギヤ62に常時噛合すると共に、ワンウェ
イクラッチ60を介して定着ロール28に連結される第
1の従動ギヤ58と、この第1の従動ギヤに常時噛合す
ると共に、加圧ロール30に同軸に固定される第2の従
動ギヤ64とを備えている。
【0062】また、この駆動機構52は、上述した伝達
ギヤ62に常時噛合するアイドルギヤ72を更に備え、
このアイドルギヤ72は、下排紙ローラ50に同軸に固
定された第3の従動ギヤ74と常時噛合し、加圧ロール
30の回転と同速以上の速さで下排紙ロール50を回転
駆動するように構成されている。
【0063】{その他の構成}この実施例の定着装置1
0は、上述した構成の他、再び図1に示すように、加圧
ロール30の外周面に付着した定着済みシートを引き剥
がすための剥離爪76と、上述した下排紙ロール50と
上排紙ロール54との間(転接部)に定着済みシートの
先端が搬送されてきたことを検出する排紙センサ78と
を備えている。
【0064】また、加熱ロール34に内蔵された発熱源
32の温度制御のために、図4に示すように、加熱ロー
ル34の外周面に巻き付いた定着ベルト36の部分の温
度を検出する第1のサーミスタ80と、定着ロール28
の外周に巻き付いた定着ベルト36の部分の外周面の温
度を検出する第2のサーミスタ82と、加圧ロール30
の外周面の温度を検出する第3のサーミスタ84と、こ
れら第1乃至第3のサーミスタ80、82、84からの
検出結果に基づき、発熱源32を発熱制御する制御回路
86とを更に備えている。尚、この制御回路86は、ヒ
ータドライバ88を介して、発熱源32を制御するよう
に構成されている。
【0065】{加熱ロール34の上方配置の説明}上述
したように、この実施例においては、加熱ロール34は
定着ロール28の略上方に配設されており、これによ
り、加熱ロール34と定着ロール28との間にエンドレ
スに巻回された定着ベルト36とガイド板44との間
は、このガイド板44上を搬送される未定着シートが定
着ベルト36に接触しないように離間されることにな
る。換言すれば、この定着ベルト36は、ガイド板44
上を搬送される未定着シートが通過する可能性のある領
域を外れた位置に配設されていることを意味している。
【0066】このように加熱ロール34を定着ロール2
8の上方に配置することにより、搬送途中の未定着シー
トがどのような湾曲姿勢(カール状態)にあろうとも、
このシートの上面に担持された未定着トナーが定着ベル
ト36に接触することから確実に防止され、未定着トナ
ーを乱すことなく定着ロール28と加圧ロール30との
転接部に導いて、これを定着させることが可能となる。
【0067】{加熱ロール34の構成角度の説明}上述
した構成の定着装置10において、上述したように加熱
ロール34を定着ロール28の略上方に配設することに
より、特有の効果を達成することが出来るものである。
ここで、「略上方」の範囲を明確に規定するために、図
5に示すように、加熱ロール34の構成角度を種々変更
して、その最適範囲を求める実験例を説明する。
【0068】先ず、この実験例では、定着ロール28の
中心点を通る垂線を基線Bとして定義し、この基線B
と、定着ロール28及び加熱ロール34の両中心点を結
ぶ線分Lとのなす構成角度をθと定義した場合、加熱ロ
ール34の位置を変更して、この構成角度θが90°〜
180°となるようにして、定着ロール28と加圧ロー
ル30との転接部の入口での画像の擦れの発生頻度、及
び、転接部の出口での異常の発生頻度を、片面コピー時
と両面コピー時とで、夫々測定した。
【0069】ここで、構成角度θの±は、基線Bから反
時計方向に測定した値を「+」とし、基線Bから図中時
計方向に測定した値を「−」と定義した。従って、+1
80°にある加熱ロール34と、−180°にある加熱
ロール34とは、同一位置を示すことになり、また、+
105°にある加熱ロール34と、−255°にある加
熱ロール34とは、同一位置を示すことになる。一方、
転接部の出口における異常とは、この実施例では、転接
部の出口におけるオフセットの発生又はジャムの発生を
意味するものとする。
【0070】尚、測定条件は、以下の通りである。
【0071】即ち、転接部におけるニップ幅を8mmに
設定し、このための圧接力P1を24kgf/片側に設
定した。一方、定着ロール28に巻回されている定着ベ
ルト36の部分の温度を160℃に、また、加圧ロール
30の表面温度を140℃に設定した。更に、未定着シ
ートの搬送速度を180mm/secに設定し、これに
同期した状態で、加圧ロール30を回転駆動した。そし
て、トナーとしては、富士ゼロックス社製のAカラート
ナーを用い、シートとして、64g/m2の普通紙を採
用した。
【0072】このようにして、構成角度θを90°、1
05°、120°、150°、180°、−150°、
−120°、−105°、−90°の9種類に分けて、
上述した測定条件で測定した。
【0073】その測定結果を表2に示す。
【0074】
【表2】
【0075】この表2から明白なように、構成角度θが
105°より大きい場合、及び、−105°よりも小さ
い場合、即ち、構成角度θを反時計方向のみに測定した
場合に、これが105°乃至255°の範囲内にある場
合には、転接部の入口での画像の擦れの発生、及び、転
接部の出口での異常の発生がなく、良好な定着動作が実
行されていることが判明した。一方、構成角度θが10
5°以下の場合には、転接部の入口での画像の擦れ又は
転接部の出口での異常の何れかが発生し、良好な定着動
作が実行されないことが判明した。
【0076】{発熱源32の温度制御方法の説明}次
に、この発明の特徴となる、定着装置1の発熱源32の
温度制御方法について説明する。
【0077】この制御回路86は、第1及び第2のサー
ミスタ80、82からの検出結果に基づき、定着ロール
28及び加熱ロール34上の定着ベルト36の温度の設
定値を、夫々T1、T2とした場合に、基本的に、両ロ
ール28、34上の定着ベルト36の温度がこれらの設
定値T1、T2となるように、発熱源32に接続された
ヒータドライバ88を断続制御して、これの放熱量を制
御するものである。
【0078】先ず、制御回路86は、定着ロール28上
の定着ベルト36の温度が設定温度T1以下にある通常
待機状態においては、加熱ロール34上の定着ベルト3
6の第1のサーミスタ80の検出結果に基づき、この加
熱ロール34上の定着ベルト36の温度が設定温度T2
になるように、ヒートドライバ88を介して発熱源32
の放熱量を制御する。
【0079】この通常待機状態から定着ベルト36が回
転すると、定着ロール28と加圧ロール30とは、定着
ベルト36の熱伝達により温められ、両ロール28、3
0上の定着ベルト36の温度が上昇する。そして、定着
ロール28上の定着ベルト36の温度がT1に達する
と、制御回路86は、内部で図示しないリレーを切り替
えて、今度は第2のサーミスタ82の検出結果に基づ
き、定着ロール28上の定着ベルト36の温度がT1と
なるように、ヒートドライバ88を介して発熱源32の
放熱量を制御する。
【0080】定着ベルト36が停止した後は、徐々に定
着ロール28上の定着ベルト36の温度が低下して設定
温度T1未満となる。すると、制御回路86は、再びリ
レーを切り替えて、第1のサーミスタ80の検出結果に
基づき、加熱ロール34上の定着ベルト36の温度がT
2となるように、ヒータドライバ88を介して発熱源3
2の放熱量を制御する。
【0081】次に、上述した温度制御方法によって制御
した場合の温度特性を図6に示す。従来技術の説明に用
いた図10の場合と同様に、横軸は定着ベルト36の回
転時間を、縦軸は定着及び加熱ロール28、34上の夫
々の定着ベルト36の温度を示す。図6の上方における
実線で示した波線Wが加熱ロール34上の定着ベルト3
6の温度を示し、その下方の特性曲線Cが定着ロール2
8上の定着ベルト36の温度の変化を示す。
【0082】待機時間から、定着ロール28の定着ベル
ト36の温度が上昇して設定温度T1に達するまでは、
従来と同様に、加熱ロール34上の定着ベルト36の温
度が設定温度T2になるように制御されている。定着ロ
ール28上の定着ベルト36の温度が設定温度T1に達
すると、制御回路86は内部のリレーを切り替えて、定
着ロール28上の定着ベルト36の温度が設定温度T1
となるように、ヒートドライバ88を介して発熱源32
の放熱量を制御するため、定着ロール28上の定着ベル
ト36の温度が設定温度(定着上限温度)T1より上昇
することはなく、オフSっと及び薄紙のジャムが発生す
ることはない。
【0083】尚、制御回路86が、定着ロール28上の
定着ベルト36の温度が設定温度T1になるように発熱
源32の放熱量を制御してからは、加熱ロール34上の
定着ベルト36の温度が徐々に低下するが、加圧ロール
30の表面の温度曲線(C′)及び予熱部(ガイド板G
及び雰囲気)の温度(曲線C”)が上昇して、加熱ロー
ル34上の定着ベルト36の温度低下分を補うため、装
置の定着性に問題はない。
【0084】次に、表3及び図7を参照して、従来技術
の説明の欄で説明した従来の制御方法とこの実施例にお
ける制御方法とを比較した試験例を示す。
【0085】
【表3】
【0086】この表3は、従来の制御と本発明の制御に
おいて、定着ベルト36の一定の空転時間経過後の加熱
ロール34上の定着ベルト36の温度及び定着ロール2
8上の定着ベルト36の温度を測定すると共に、ジャ
ム、オフセットの発生及び定着性を調査した試験の結果
を示している。この表3中のジャムまたはオフセット発
生の欄には、10回試験を行ってジャムまたはオフセッ
トの発生した回数が記載されている。また、定着性の良
否の欄には○印が記載され、定着性の問題が無かったこ
とを示している。
【0087】試験にあたっては、ポリイミド100μ+
シリコーンゴム100μの定着ベルトと、シリコーンス
ポンジ30HS(t=4)の定着ロールと、シリコーン
スポンジ40HS(t=4)の加圧ロールを使用し、線
速80mm/sec、圧力14.6kg/片出、定着ロ
ールの設定温度T1を135℃〜140℃とし、加熱ロ
ールの設定温度T2を155℃〜160℃として、45
kg紙(52.3g/m2紙)で先端余白なし、全ベタ
の紙をジャムの有無を確認するために使用し、55kg
紙(64g/m2紙)先端余白有り、全ベタの紙をオフ
セット及び定着性の確認のために使用した。
【0088】表3に示すように、従来の制御によると、
定着ベルト36が回転してから徐々に定着ロール28上
の定着ベルト36の温度が上昇し、定着ベルト36の回
転開始後40秒を超えると、定着上限温度の140℃を
超えてしまうため、定着性に問題はないものの、オフセ
ット及び薄紙のジャムの発生率が徐々に上昇し、定着ベ
ルト36の回転開始後300秒後には、ほとんどの薄紙
にジャムが発生し、50%の紙にオフセットが発生す
る。
【0089】一方、本発明の制御によると、表3及び図
7に示すような結果となる。
【0090】図7において、実線で示した波線Wが加熱
ロール34上の定着ベルト36の温度であり、その下方
の特性曲線Cが定着ロール28上の定着ベルト36の温
度の変化を示す。
【0091】待機時間から、定着ロール28上の定着ベ
ルト36の温度が上昇して設定温度135℃に達するま
では、従来と同様に、加熱ロール34上の定着ベルト3
6の温度が設定温度155℃〜160℃になるように、
制御回路86はヒータドライバ88を介して発熱源32
の放熱量を制御している。定着ベルト36の回転後40
秒経過したときに、定着ロール28上の定着ベルト36
の温度が設定温度135℃に達し、リレー88が切り替
わり、定着ロール28上の定着ベルト36の温度が設定
温度135℃〜140℃になるように、制御回路86は
ヒータドライバ88を介して発熱源32の放熱量を制御
するため、以後、定着ロール28上の定着ベルト36の
温度が定着上限温度140℃より上昇することはない。
従って、オフセット及び薄紙のジャムが発生することは
ない。
【0092】尚、定着ロール28上の定着ベルト36の
温度が設定温度135℃〜140℃になるように発熱源
32の放熱量を制御してからは、加熱ロール34上の定
着ベルト36の温度が徐々に低下し、144℃〜150
℃の間を推移するが、曲線C′で示す加圧ロール30の
表面の温度及び曲線C”で示す予熱部(ガイド板G及び
雰囲気)の温度が上昇して、加熱ロール34上の定着ベ
ルト36の温度低下分を補うため、装置の定着性に問題
はない。
【0093】{制御回路86における待機温度制御動作
の説明}一方、上述した制御回路86においては、待機
状態において、定着ロール28及び加圧ロール30の外
周面の温度を所定温度範囲に保持する待機温度制御動作
を実行するように構成されている。
【0094】即ち、この制御回路86は、第3のサーミ
スタ84からの検出結果に基づき、加圧ロール30の温
度が所定温度範囲より低くなると判断した場合に、ヒー
タドライバ88を介して、発熱源32を発熱駆動すると
共に、駆動機構52をして、加圧ロール30を回転駆動
させて、定着ベルト36を走行駆動させ、定着ロール2
8及びこれに転接する加圧ロール30を加熱させるよう
に動作する。ここで、この所定温度範囲は、冷機状態に
おける温度よりは高く、定着温度T1よりは低い範囲に
設定されている。
【0095】一方、制御回路86は、第3のサーミスタ
84からの検出結果に基づき、加圧ロール30の温度が
上述した所定温度範囲より高くなると判断した場合に、
ヒータドライバ88を介して、発熱源32における発熱
動作を停止すると共に、この発熱源32における発熱が
停止して所定時間経過するまでは、駆動機構52を介し
てい定着ベルト36の走行駆動を継続し、上述した所定
時間経過後に、駆動機構52をして、加圧ロール30の
回転駆動を停止させ、定着ベルト36の走行を停止する
ように動作する。
【0096】尚、この制御回路86は、待機状態が解除
されることに伴い、ヒータドライバ88及び駆動機構5
2に対する待機温度制御動作を中止するように構成され
ている。
【0097】以上詳述したように、この実施例において
は、制御回路86が上述した待機温度制御動作を実行す
ることにより、待機時間が長時間に渡ったとしても、こ
の待機時からの立ち上がり時間を短くして、定着動作の
開始までにかかる待ち時間を短くすることの出来る効果
を奏することが出来ることになる。
【0098】また、この実施例においては、加熱ロール
34を定着ロール28の略上方に配置し、具体的には、
加熱ロール34を、これの中心点と定着ロール28の中
心点とを結ぶ線分Lが、定着ロール28と加圧ロール3
0との互いの中心点を結ぶ線分を基線Bとした状態で、
該基線Bから計測した角度が約105度乃至約255度
の範囲となる位置に配設しているので、加熱ロール34
と定着ロール28との間にエンドレスに巻回された定着
ベルト36とガイド板44との間は、このガイド板44
上を搬送される未定着シートが定着ベルト36に接触し
ないように離間されることになる。換言すれば、この定
着ベルト36は、ガイド板44上を搬送される未定着シ
ートが通過する可能性のある領域を外れた位置に配設さ
れていることを意味している。
【0099】この結果、この実施例によれば、搬送途中
の未定着シートが、跳ね上がりや転写部との搬送速度差
に基づくたるみ等により、どのような湾曲姿勢(カール
状態)にあろうとも、このシートの上面に担持された未
定着トナーが定着ベルト36に接触することから確実に
防止され、未定着トナーを乱すことなく定着ロール28
と加圧ロール30との転接部に導いて、これを確実に定
着させることが可能となる。
【0100】また、この実施例においては、定着ロール
28を弾性ロールから、また、加圧ロール30を定着ロ
ールよりも堅いロール上硬度を有して、夫々形成してい
る。従って、この実施例によれば、定着ロール28及び
加圧ロール30のサイズを小径化したとしても、両者の
転接部におけるニップ幅を十分に確保することが出来、
定着装置の小型化を達成することが出来ると共に、シー
トの搬送速度の高速化を達成することが出来ることにな
り、特に、カラープリンタに好適する定着装置を提供す
ることが可能となる。
【0101】また、この実施例においては、上方の定着
ロール28を弾性ロールから、また、下方の加圧ロール
30を定着ロール28よりも堅いロール上硬度を有し
て、夫々形成しているので、転接部におけるニップの形
状が、定着ロールを本願の弾性ロールよりも堅いロール
上硬度を有するロールから形成する従来構成と比較し
て、下向きに凹んだ状態から、上方に凹んだ状態を容易
に達成することが出来ることになる。この結果、この実
施例によれば、転接部におけるニップ形状自身から、定
着済みシートが定着ベルト36から離間する方向の力を
得ることとなり、定着ベルト36に接触する側の表面に
トナーが担持されていたとしても、定着ベルト36への
オフセット防止用のオイル塗布ロール38によるオイル
塗布量を微量に押さえることができると共に、オイルレ
スとしても、定着ベルト36側へのオフセットや、ジャ
ムの無い定着動作が達成されることになる。
【0102】また、この実施例においては、熱伝達ベル
トとしての定着ベルト36として、小熱容量の材質を採
用すると共に、加熱ロール34への定着ベルト36の巻
き付け角度が大きく、且つ、加熱ロール34へ定着ベル
ト36が密着していることになる。この結果、この実施
例によれば、シートを高速で、即ち、単位時間当たりの
通紙枚数を多数枚としても、定着ロール28と加圧ロー
ル30との転接部において、定着動作に必要な温度を確
実に維持することが出来ることになる。
【0103】また、この実施例においては、ソフトロー
ルとして構成される定着ロール28に発熱源を内蔵させ
ずに、定着ロール28から離間した位置に配設された加
熱ロール34に発熱源32を内蔵するようにしたので、
定着ロール28のシリコーンゴム耐熱弾性体28Bの厚
さを十分に厚くすることが可能となり、この結果、この
実施例によれば、転接部におけるニップ幅を、定着ロー
ル28を小径に維持しながら、十分に広く取ることが可
能となる。
【0104】また、この実施例においては、第1の従動
ギヤ58と定着ロール28との間にワンウェイクラッチ
60を介設することにより、シートの搬送のための主駆
動(即ち、シートの搬送速度を規定する駆動ロール)と
して、定着ロール28ではなく、加圧ロール30を設定
している。この為、例え、定着ロール28が定着動作に
伴い加熱され、この結果、熱膨張により定着ロール28
の外径が熱膨張したとしても、この定着ロール28でシ
ートの搬送速度を規定していないので、この熱膨張によ
りシートの搬送速度が変化することなく、常に、一定に
保持することが出来ることになる。この結果、この実施
例によれば、線速を一定に維持して、転写ずれや画像の
擦れ等を確実に防止することが可能になる。
【0105】
【変形例の説明】この発明は、上述した実施例の構成に
限定されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲
で、種々変形可能であることは言うまでもない。
【0106】例えば、上述した実施例においては、定着
装置10は電子式複写装置に適用される場合につき説明
したが、この発明は、このような適用に限定されること
なく、電子式ファクシミリ装置、電子式プリンタ等の電
子画像形成装置に適用され得ることは言うまでもない。
【0107】また、上述した実施例においては、未定着
シートは横方向から定着装置10に搬送されてくるよう
に説明したが、この発明は、このような構成に限定され
ることなく、未定着シートは上下方向、例えば、下から
上に向けて搬送されるように構成してもよい。この場
合、加圧ロール30は定着ロール28の下方ではなく、
側方に配設されることとなり、一方、加熱ロール34は
定着ロール28の、加圧ロール30が配設された側とは
反対側の側方に配設されることになることは言うまでも
ない。
【0108】また、上述した実施例においては、加圧ロ
ール30の外周面の温度を検出する第3のサーミスタ8
4を設けるように説明したが、これを省略して構成する
ことが出来ることは言うまでもない。
【0109】また、上述した実施例においては、発熱源
32は加熱ロール34の内部に配設されるように説明し
たが、この発明はこのような構成に限定されることな
く、図8に変形例として示すように、加圧ロール30の
内部にも発熱源90を更に配設するように構成してもよ
い。この場合、図示するように、加圧ロール30の外周
面の温度を検出する第3のサーミスタ84は必須の構成
となることは言うまでもない。
【0110】そして、この変形例においても、追加した
加熱源90の放熱量を、加熱ロール34に設けた加熱源
32と同一の方法によって制御することも可能である。
【0111】また、上記実施例においては、各ロール上
のベルトの温度を測定して、加熱ヒータの制御に使用し
ているが、各ロール表面温度を直接的に測定して、加熱
源32(90)の制御に使用することも可能である。
【0112】また、上述した実施例では、制御回路86
は、待機温度制御動作を実行するに際して、第3のサー
ミスタ84からの検出結果に基づくクローズド制御(フ
ィードバック制御)を実行するように説明したが、この
発明は、このような構成に限定されることなく、制御回
路86は、待機状態に入ってからの時間を計時するカウ
ント手段としてのカウンタを更に備えて、このカウンタ
による計時結果に基づき、待機時間に入ってから第1の
所定時間毎に、ヒータドライバ88を介して、発熱源3
2を発熱させると共に、駆動機構52をして、加圧ロー
ル30を回転駆動させて、定着ベルト36を走行駆動さ
せ、定着ロール28及びこれに転接する加圧ロール30
を加熱させるように構成しても良い。
【0113】この場合、制御回路86は、ヒータドライ
バ88を介して起動された発熱源32を第2の所定時間
だけ発熱制御すると共に、駆動機構52をして回転駆動
された加圧ロール30を、上述した第2の所定時間より
も長く設定された第3の所定時間だけ駆動制御する様に
動作することにより、上述した実施例と実質的に同様の
効果を奏することが出来ることになる。
【0114】そして、このように制御回路86が、待機
温度制御動作をカウンタを用いたオープン制御として実
行することにより、第3のサーミスタ84を設けること
なく待機温度制御動作を実行することが出来、全体構成
にかかるコストを低く抑えることが可能となる。
【0115】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、オフセット及び薄紙のジャムが発生することが無
く、定着性にも問題が無く、コピー速度の低下が防止さ
れると共に、待機時間が長時間に渡ったとしても、この
待機時からの立ち上がり時間を短くして、定着開始まで
にかかる待ち時間を短くすることの出来る定着装置が提
供されることになる。
【0116】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる定着装置の一実施例の構成を
示す正面断面図である。
【図2】定着ロールと加圧ロールとの転接状態を示す図
である。
【図3】駆動機構の構成を取り出して示す正面図であ
る。
【図4】発熱源の温度制御のためのシステム構成を示す
ブロック図である。
【図5】定着ロールに対する加熱ロールの配設位置の許
容範囲を調べるために行われた実験例における構成角度
を示す図である。
【図6】制御回路における温度制御方法を実行した場合
の各ロール上の定着ベルトの温度特性を示す線図であ
る。
【図7】制御回路における温度制御方法を実行した試験
例における各ロール上の定着ベルトの温度特性を示す線
図である。
【図8】この発明の変形例に係わる定着装置の構成を概
略的に示す正面断面図である。
【図9】従来の定着装置の構成を概略的に示す正面図で
ある。
【図10】図9に示す従来構成において、温度制御方法
を実行した場合の各ロール上の定着ベルトの温度特性を
示す線図である。
【符号の説明】
10 定着装置 12 ハウジング 14 底板 16 側板 18 上カバー部 20 左カバー部 22 揺動レバー 24 第1の支軸 26 第2の支軸 28 定着ロール 28A 芯金部 28B ロール本体 30 加圧ロール 30A 芯金部 30B ロール本体 32 発熱源 34 加熱ロール 36 定着ベルト 38 オイル塗布ロール 40 第1のコイルバネ 42 第2のコイルバネ 44 ガイド板 46 入口ポート 48 排紙通路 50 下排紙ロール 52 駆動機構 54 上排紙ロール 56 板バネ 58 第1の従動ギヤ 60 ワンウェイクラッチ 62 伝達ギヤ 64 第2の従動ギヤ 66 カラー 68 ケーシング 70 ガイドリブ 72 アイドルギヤ 74 第3の従動ギヤ 76 剥離爪 78 排紙センサ 80 第1のサーミスタ 82 第2のサーミスタ 84 第3のサーミスタ 86 制御回路 88 ヒータドライバ 90 他の発熱源 EB エンドレスベルト GE 出力ギヤ S 未定着シート

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】定着ロールと、この定着ロールに転接する
    ように付勢される加圧ロールとを備え、未定着トナーが
    表面上に担持されたシートが、前記定着ロール及び加圧
    ロールの転接部を一方向に沿って通過することにより、
    前記未定着トナーを前記シート上に定着させる定着装置
    において、 前記定着ロールの、前記加圧ロールが配設される側とは
    反対側に隣接して配設され、内部に発熱手段が配設され
    た加熱ロールと、 この加熱ロールと前記定着ロールとにエンドレスに掛け
    渡され、前記発熱手段からの熱伝達を受けて前記転接部
    を通過する前記シート上の未定着トナーを加熱する熱伝
    達ベルトと、 待機状態において、前記定着ロール及び加圧ロールの温
    度を所定温度範囲に保持する待機温度制御手段とを具備
    することを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】少なくとも前記加圧ロールを回転駆動させ
    る駆動手段と、 前記発熱手段を制御する発熱制御手段とを更に具備する
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 【請求項3】前記加圧ロールの温度を検出する検出手段
    を更に具備し、 前記待機温度制御手段は、該検出手段による検出結果に
    基づき、前記加圧ロールの温度が前記所定温度範囲より
    低くなると判断した場合に、前記発熱制御手段をして、
    前記発熱手段を起動すると共に、前記駆動手段をして、
    前記加圧ロールを回転駆動させて前記熱伝達ベルトを走
    行駆動させ、前記定着ロール及びこれに転接する加圧ロ
    ールを加熱させることを特徴とする請求項2に記載の定
    着装置。
  4. 【請求項4】前記待機温度制御手段は、前記検出手段に
    より検出結果に基づき、前記加圧ロールの温度が前記所
    定温度範囲より高くなると判断した場合に、前記発熱制
    御手段をして、前記発熱手段の起動を停止すると共に、
    該発熱手段の起動停止して所定時間経過後、前記駆動手
    段をして、前記加圧ロールの回転駆動を停止させること
    を特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 【請求項5】前記待機状態に入ってからの時間を計時す
    るカウント手段を更に具備し、 前記待機温度制御手段は、該カウント手段による計時結
    果に基づき、前記待機時間に入ってから第1の所定時間
    毎に、前記発熱制御手段をして、前記発熱手段を起動す
    ると共に、前記駆動手段をして、前記加圧ロールを回転
    駆動させて前記熱伝達ベルトを走行駆動させ、前記定着
    ロール及びこれに転接する加圧ロールを加熱させること
    を特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  6. 【請求項6】前記待機温度制御手段は、前記発熱制御手
    段をして起動された前記発熱手段を第2の所定時間だけ
    発熱制御すると共に、前記駆動手段をして回転駆動され
    た前記加圧ロールを第3の所定時間だけ駆動制御するこ
    とを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 【請求項7】前記第3の所定時間は、前記第2の所定時
    間より長く設定されていることを特徴とする請求項6に
    記載の定着装置。
  8. 【請求項8】前記待機温度制御手段は、前記待機状態が
    解除されることに伴い、前記発熱制御手段及び駆動手段
    に対する前記制御動作を中止することを特徴とする請求
    項4又は5に記載の定着装置。
  9. 【請求項9】前記所定温度範囲は、定着温度よりも低く
    設定されていることを特徴とする請求項前記何れか1項
    に記載の定着装置。
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