JP4950462B2 - 画像加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁誘導加熱方式により発熱する加熱回転体と、ハロゲンヒーター等の加熱手段により加熱される加圧回転体とで形成されるニップ部により記録材を挟持搬送して記録材上の画像を加熱する画像加熱装置に関する。
電子写真プロセス方式を用いた複写機或いはプリンター等の画像形成装置は、画像形成部と、この画像形成部で記録材(以下、転写材と記す)上に形成したトナー画像を転写材上に加熱定着する画像加熱定着装置(以下、定着装置と記す)と、を有している。
定着装置としては、例えば互いに圧接・回転している定着ローラと加圧ローラとの圧接部(ニップ部)で転写材を挟持搬送しながら熱と圧力を加えることによりトナー画像を転写材上に溶融定着させる熱ローラ定着方式のものが知られている。
定着装置においては、近年、画像形成装置の出力高速化のために、プロセススピードも高速化が必要になってきているため、より広いニップ幅(ニップ部の幅)が必要とされる傾向がある。そこで、定着ローラや加圧ローラ、または両方を無端ベルトに置き換えて広いニップ幅を確保するベルト定着方式が提案されている(特許文献1)。この方式によると、同等の大きさの熱ローラ定着方式と比べ、大幅にニップ幅を確保できるなどのメリットがある。
また、定着装置においては、励磁コイルによる磁界で定着ローラ内部に設けた導電層や無端ベルトに設けた導電層に渦電流を発生させ、ジュール熱により発熱させる誘導加熱方式が提案されている(特許文献2、3)。この方法は熱発生源からトナー画像ヘの熱伝達経路が短く単純であるため熱効率が高いという特徴がある。
特開2004−117518号公報 特開2002−196613号公報 特開2003−271002号公報
無端ベルトを用いた誘導加熱方式の定着装置の場合、加熱時にはベルトを回転駆動するのが一般的である。それは、ベルトを停止したまま加熱する場合、ニップ部の温度が所望の温度まで上昇しないことと、ベルトの周方向の温度にもムラが発生した状態になることにより、動作時に回転駆動を開始してから定着可能な温度になるまで時間が必要となる。しかしながら、ベルトは金属である導電層を含んでいるため、総回転時間には制限が有り、ベルトを回転し続けると早期に制限時間に達してしまう。
そこで、本発明の目的は、磁束発生手段からの磁束により発熱する加熱回転体の耐久性を延ばすこと、そして、早期に加熱可能な温度に立上げること、を両立できる画像加熱装置を提供することにある。
本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、コイルと、前記コイルからの磁束により発熱し、予め設定した像加熱温度で記録材上の画像を加熱する回転可能なベルト部材であって、第一ローラと第二ローラで張架されるベルト部材と、前記ベルト部材と圧接して記録材上の画像を加熱するニップ部を形成する加圧回転体と、前記加圧回転体を加熱する加熱手段と、前記ベルト部材及び前記加圧回転体を回転駆動する駆動手段と、前記コイルと前記加熱手段への通電及び前記駆動手段の回転駆動を制御する制御手段と、を有し、前記コイルは前記ベルト部材を介して前記第一ローラに対向し、前記第二ローラに対向しない位置で前記ベルト部材の回転方向において前記ベルト部材に局所的に対向して配置されている画像加熱装置において、前記制御手段は、前記第一ローラと前記第二ローラとが前記加圧回転体を圧して前記ベルト部材と前記加圧回転体とが回転が停止された状態で接触しているときに画像形成信号が入力されると、前記コイルへの通電を停止した状態で前記加熱手段への通電制御を開始し、前記加圧回転体の温度が予め設定した設定温度に達すると、前記加熱手段への通電制御とコイルへの通電制御を行いながらベルト部材と前記加圧回転体の回転を開始し、前記ベルト部材の温度が前記像加熱温度に達した後は前記加熱手段への通電を停止して記録材の画像を加熱する制御を実行することを特徴とする。
本発明によれば、磁束発生手段からの磁束により発熱する加熱回転体の耐久性を延ばすこと、そして、早期に加熱可能な温度に立上げること、を両立できる。
以下、本発明を図面に基づいて詳しく説明する。
[実施例1]
図1は、本発明に係る画像加熱装置を画像加熱定着装置として搭載できる画像形成装置の一例の全体構成模型図である。
図1に示す画像形成装置は、複数の画像形成部を並列に配し、且つ中間転写方式を採用した電子写真プロセス利用のカラー複写機であり、画像読取部1Rと、画像出力部1Pとを有する。画像読取部1Rは、原稿画像を光学的に読み取り、電気信号に変換して画像出力部1Pに送信する。画像出力部1Pは、4つの画像形成部10(10a,10b,10c,10d)と、給紙ユニット20と、中間転写ユニット30と、画像加熱定着装置としての定着ユニット40と、を有する。さらに、クリーニングユニット50と、クリーニングブレード70と、フォトセンサ60と、制御手段としての制御ユニット80と、を有する。
更に、個々のユニットについて詳しく説明する。
各画像形成部10a〜10dは同じ構成とされている。各画像形成部10a〜10dでは、第一の像担持体としてのドラム状の電子写真感光体(以下、感光体ドラムと記す)11a,11b,11c,11dが回転自在に軸支され、矢印方向に回転駆動される。各感光体ドラム11a〜11dの外周面に対向して、その回転方向に一次帯電器12a〜12dと、光学系13a〜13dと、折り返しミラー16a〜16dと、現像装置14a〜14dと、クリーニング装置15a〜15dが、それぞれ配置されている。
一次帯電器12a〜12dにおいて感光体ドラム11a〜11dの表面に均一な帯電量の電荷を与える。次いで、光学系13a〜13dにより、画像読取部1Rからの記録画像読取信号に応じて変調した例えばレーザビームなどの光線a〜dを折り返しミラー16a〜16dを介して感光体ドラム11a〜11d上に露光することによって、そこに静電潜像を形成する。
更に、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックといった4色の現像剤(以下、「トナー」という。)をそれぞれ収納した現像装置14a〜14dによって上記静電潜像を顕像化する。顕像化された可視画像を一次転写領域Ta〜Tdにて中間転写ユニット30を構成する第二の像担持体としてのベルト状の中間転写体、即ち、中間転写ベルト31に転写する。中間転写ユニット30については、後で詳述する。
画像転写領域Ta〜Tdの下流側では、クリーニング装置15a〜15dにより中間転写ベルト31に転写されずに感光体ドラム11a〜11d上に残されたトナーを掻き落としてドラム表面の清掃を行う。
以上に示したプロセスにより、各トナーによる画像形成が順次行われる。
給紙ユニット20は、記録材としての転写材Pを収納するためのカセット21と、このカセットより転写材を一枚ずつ送り出すためのピックアップローラ22と、を有する。また、ピックアップローラ22から送り出された転写材Pを更に搬送するための給紙ローラ対23と、給紙ガイド24と、を有する。そして、各画像形成部10a〜10dの画像形成タイミングに合わせて転写材Pを二次転写領域Teへ送り出すためのレジストローラ25を有する。
中間転写ユニット30について詳細に説明する。中間転写ベルト31は、中間転写ベルト駆動用の駆動ローラ32と、ばね(図示せず)の付勢によって中間転写ベルトに適度なテンションを与える従動ローラ33と、二次転写対向ローラ34とに緊張状態に張設巻回されている。又、駆動ローラ32と従動ローラ33の間に一次転写平面Aが形成される。中間転写ベルト31としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PVdFポリフッ化ビニリデン)などが用いられる。駆動ローラ32は、金属ローラの表面に数mm厚のゴム(ウレタン又はクロロプレン)をコーティングしてベルトとのスリップを防いでいる。駆動ローラ32は、パルスモータ(不図示)によって回転駆動される。
各感光体ドラム11a〜11dと中間転写ベルト31が対向する一次転写領域Ta〜Tdには、中間転写ベルト31の裏に一次転写用帯電器35a〜35dが配置されている。一方、二次転写対向ローラ34に対向して二次転写ローラ36が配置され、中間転写ベルト31とのニップ部によって二次転写領域Teを形成する。二次転写ローラ36は、中間転写ベルト31に対して適度な圧力で加圧されている。
また、中間転写ベルト31の二次転写領域Teの下流には中間転写ベルト31の画像形成面をクリーニングするためのクリーニングユニット50が配置される。クリーニングユニット50は、中間転写ベルト31上のトナーを除去するためのクリーニングブレード51と、廃トナーを収納する廃トナーボックス52とを備えている。
また、中間転写ベルト31の二次転写領域Teとクリーニングユニット50との間には、クリーニングブレード70と、このクリーニングブレードを転写ベルト31から着脱するためのパルスモータ(不図示)が備えられている。このクリーニングブレード70も転写ベルト31上のトナーを除去するためのものである。
更に、定着ユニット40のニップ部Nへ転写材Pを導くためのガイド26と、定着ユニットから排出されてきた転写材を装置外部に導き出すための内排紙ローラ27及び外排紙ローラ28と、装置外部に導き出された転写材を積載する排紙トレイ29などを備える。
次に、上記カラー複写機の動作について説明する。
制御ユニット80は、図示されていないが、上記各ユニット内の機構の動作を制御するためのCPU、レジストレーション補正回路や、モータドライバ部などを有している。CPUにより画像形成動作開始信号が発せられると、選択された用紙サイズなどにより選択された給紙段から給紙動作を開始する。
例えば上段の給紙段から給紙された場合について説明すると、図1にて、先ず、ピックアップローラ22により、カセット21から転写材Pが一枚ずつ送り出される。そして、給紙ローラ対23によって転写材Pが給紙ガイド24の間を案内されてレジストローラ25まで搬送される。その時レジストローラ25は停止されており、転写材Pの先端はニップ部に突き当たる。その後、画像形成部10a〜10dが画像の形成を開始するタイミングに合わせてレジストローラ25は回転を始める。この回転時期は、転写材Pと画像形成部10a〜10dより中間転写ベルト31上に一次転写されたトナー画像とが二次転写領域Teにおいて一致するようにそのタイミングが設定されている。
一方、画像形成部10a〜10dでは、画像形成動作開始信号が発せられると、前述したプロセスにより中間転写ベルト31の回転方向において一番上流にある感光体ドラム11d上に形成されたトナー画像を中間転写ベルト31に一次転写する。すなわち、一次転写用帯電器35dに高電圧を印加することによって感光体ドラム11d上のトナー画像を一次転写領域Tdにおいて中間転写ベルト31に一次転写する。一次転写されたトナー画像は次の一次転写領域Tcまで搬送される。そこでは各画像形成部間をトナー画像が搬送される時間だけ遅延して画像形成が行われており、前画像の上にレジストを合わせて、その次のトナー画像が転写される。以下も同様の工程が繰り返され、結局4色のトナー画像が中間転写ベルト31上において一次転写される。
その後、転写材Pが二次転写領域Teに進入し、中間転写ベルト31に接触すると、転写材Pの通過タイミングに合わせて二次転写ローラ36に高電圧を印加する。これにより、前述したプロセスにより中間転写ベルト31上に形成された4色のトナー画像が転写材Pの表面に転写される。その後、転写材Pは搬送ガイド26によって定着ユニット40のニップ部Nまで正確に案内される。
定着ユニット40において転写材Pはニップ部Nで挟持搬送され、その搬送過程で熱と圧力によってトナー画像が転写材表面に定着される。
定着ユニット40のニップ部Nを出た転写材Pは内外排紙ローラ27,28により搬送され、排紙トレイ29上に積載される。
(2)定着ユニット40の構成
図2は定着ユニット40の横断面側面模型図である。
定着ユニット40は、加熱回転体としての可撓性のエンドレスの定着ベルト(以下、ベルトと記す)42を有する。このベルト42は第一ローラとしての従動ローラ44と第二ローラとしての駆動ローラ43に緊張状態に張架されている。加圧回転体としての加圧ローラ45はベルト42を挟んで駆動ローラ43と従動ローラ44に不図示の加圧バネ等により加圧されている。これにより加圧ローラ45はベルトと圧接してベルトとの間に記録材上の画像を加熱するニップ部(定着ニップ部)Nを形成している。駆動ローラ43及び加圧ローラ45には駆動手段としてのモーター41が連結されている。従動ローラ44の近傍にはベルト42と対向させて磁束発生手段としてのコイルユニット47が配置してある。加圧ローラ45の内部には加熱手段としてのハロゲンランプヒーター(以下、ヒーターと記す)46が配置してある。48,49は温度検知手段としての温度センサーである。温度センサー48はベルト42の外周面に当接されている。温度センサー49は加圧ローラ45の外周面に当接されている。
上記駆動ローラ43、従動ローラ44、加圧ローラ45、コイルユニット47及びヒーター46は、転写材Pの搬送方向Xと直交する幅方向に細長い部材である。駆動ローラ43、従動ローラ44及び加圧ローラ45の両端部はそれぞれ不図示のユニット側板対に軸受けを介して回転自在に支持されている。またコイルユニット47及びヒーター46の両端部はそれぞれユニット側板対に固定して支持してある。温度センサー48,49はそれぞれ不図示のセンサー支持部材によりユニット側板対に支持されている。
図3にベルト42の層構成の一例の断面図を示す。ベルト42は内面(駆動ローラ43、従動ローラ44側の面)側にNi製のスリーブ状の基体42aを有している。そしてこの基体42aの外周に弾性層としてシリコンゴム層42bが設けられ、その外周に離型層としてフッ素樹脂の層42cが設けられている。
駆動ローラ43及び従動ローラ44は同じ構成としてある。すなわち基体43a,44aが鉄製スリーブで、その外周に弾性層としてシリコンゴムスポンジ43b,44bが設けられ、表層は離型層としてPFAチューブ43c,44cが設けられている。
加圧ローラ45は、基体45aがアルミ製スリーブで、その外周に弾性層としてシリコンゴム45bが設けられ、表層は離型層としてPFAチューブ45cが設けられている。
コイルユニット47は、図2に示すように定着ベルト42を介して第一ローラ(従動ローラ44)に対向し、第二ローラ(駆動ローラ43)に対向しない位置で定着ベルト42の回転方向において定着ベルト42に局所的に対向するように配置された励磁コイル(以下、コイルと略記する)47aと、磁性体コア(以下、コアと略記する)47bと、コイルホルダー(以下、ホルダーと略記する)47cと、を有している。コア47bは横断面略E字型に形成してあり、このコアには長円状に扁平に巻いたリッツ線からなるコイル47aを支持させている。このコア47bをホルダー47cで支持させ、このホルダーの両端部をユニット側板対に支持させている。
(3)定着ユニット40の起動動作
上記定着ユニット40では、画像形成動作開始信号が発せられると、制御ユニット80に記憶されている温度制御シーケンスに従って起動される。
図4は定着ユニット40の起動時の一例の制御フローである。
先ず、制御ユニット80は、モーター41を停止したままで、つまり、駆動ローラ43、加圧ローラ45を駆動しないことによって加圧ローラ(図2に示すように定着ベルト42を介して第一ローラ(従動ローラ44)と第二ローラ(駆動ローラ43)とが圧している))に接触する定着ベルト42の回転が停止された状態で、ヒーター46をオンさせ(加熱手段への通電)、加圧ローラの温調をスタートする(S301)。すなわち、制御ユニット80は、加圧ローラ45が所定の目標温度(所定値:本実施例では150℃とする)に到達するまでヒーター46をオンする。そして、150℃に到達した後、加圧ローラ45の温度が150℃近傍になるようにヒーター46をオン・オフする。
次に、制御ユニット80は、温度センサー49により検知される加圧ローラ45の温度が目標温度に到達したか否かを判定し、目標温度未満であれば引き続きヒーター46をオンし、目標温度に到達していれば、次のステップに進む(S302)。
制御ユニット80は、加圧ローラ45が目標温度に到達した後、モーター41の回転駆動をスタートする(S303)。ここで、モーター41は、不図示のギアを介して駆動ローラ43を矢印方向へ回転駆動する。駆動ローラ43の回転はベルト42に伝達され、これによりベルトも同方向へ周回移動する。ベルト42の周回移動は従動ローラ44に伝達され、従動ローラがベルトの周回移動に伴い従動回転する。また加圧ローラ45も不図示のギアを介して矢印の方向に回転駆動される。
そして、制御ユニット80は、コイルユニット47のコイル47aに電力を供給(磁束発生手段への通電)して誘導加熱方式によるベルト42の温調をスタートする(S304)。すなわち、制御ユニット80は、不図示の高周波駆動電源を駆動させ、この高周波駆動電源から10〜100[kHz]の交流電流で適宜0〜1[kW]の電力をコイル47aに供給する。ベルト42において交流電流によって誘導された磁界はベルトのNi導電層に渦電流を流し、ジュール熱を発生させる。これにより、ベルト42と加圧ローラ45は周方向に渡って均一に昇温することになる。
次に、制御ユニット80は、温度センサー48により検知されるベルト42の温度が目標温度(所定値:本実施例では190℃とする)、即ち記録材上の画像を加熱する予め設定した像加熱温度に到達したか否かを判定する。目標温度未満であれば引き続きベルト42の温調と加圧ローラ45の温調を行い、目標温度に到達していれば、次のステップに進む(S305)。
制御ユニット80は、ベルト42が目標温度に到達した後、ヒーター46による加圧ローラ45の温調を停止する(S306)。
以上の制御フローによって定着ユニット40の起動時の温調制御シーケンスは終了し、以後、誘導加熱方式によるベルト42の温調だけによって定着ユニットの温調を行う。
すなわち、ベルト42が目標温度に温調された状態において、4色のトナー画像を担持した転写材Pがニップ部Nに案内される。転写材Pはニップ部Nでベルト42と加圧ローラ45とで挟持搬送され、その搬送過程で熱と圧力によってトナー画像が転写材表面に定着される。
このように本実施例では、定着ユニット40の起動時に、ベルト42及び加圧ローラ45を停止した状態でヒーター46による加圧ローラの温調を行うので、ニップ部Nを通じて加圧ローラの温調温度をベルトに伝えることができる。これにより、ベルト42においてモーター41の回転駆動を開始してから目標温度に昇温させるまでの時間を短くすることができる。よって、ベルト42の総回転時間を減らすことができる。したがって、コイルユニット47からの磁束により発熱するベルト42の耐久性を延ばすこと、そして、早期に目標温度に立上げること、を両立することができる。
また、加圧ローラ45を目標温度に立上げる場合は通電されたヒーター46を用いている。加圧ローラ45とベルト42を温調する場合は通電されたヒーター46とコイルユニット47の両方を用いている。そしてベルト42を目標温度に立上げた以降は通電されたコイルユニット47用いている。このように、場合によって最適に加熱方法を選択することにより、省電力化することができる。
[比較例]
比較例では定着ユニットの他の例を説明する。
比較例に示す定着ユニットは、制御ユニット80の制御ユニット80以外は実施例1の定着ユニット40と同じである。実施例1の定着ユニット40と共通する部材には同一の符号を付して再度の説明を省略する。
上述のように画像形成装置の起動時の制御において、定着ユニット40の温調制御と共に、各種装置の初期動作や画像調整(プロセス調整、レジストレーション調整、画像濃度調整、など)の制御が行われる。誘導加熱方式によるベルト42の温調立ち上げに必要な時間は、これら初期動作や画像調整に必要な時間より短い。このため、初期動作や画像調整の終了タイミングに合わせて、ほぼ同時に定着ユニット40の温調立ち上げを終了させるように、温調立ち上げを開始することで、更にベルト42の寿命を延ばすことが可能となる。
比較例では、例えば、初期動作、プロセス調整、レジストレーション調整、画像濃度調整の順番で初期動作を行う。そして、画像濃度調整に必要な時間と定着ユニット40の起動時動作に必要な時間がほぼ同じとする。つまり、画像濃度調整の開始と同時に定着ユニット40の起動時動作を開始する。
図5に本比較例の定着ユニット40における起動時の一例の制御フローを示す。
先ず、制御ユニット80は、画像形成装置における定着ユニット40の起動時動作以外の初期化動作を行う(ステップS401)。つまり、初期動作、プロセス調整、レジストレーション調整まで行う。
次に、制御ユニット80は、初期動作、プロセス調整、レジストレーション調整まで終了したか否かを判断し、終了していれば次のステップに進む(S402)。
S403〜S407は、それぞれ、実施例1の制御フローのS301〜S305と同じ処理を行う。
S408では、制御ユニット80は、ベルト42が目標温度に到達した後、ヒーター46による加圧ローラ45の温調を停止し、定着ユニット40の起動を終了する。
次に、制御ユニット80は、画像形成装置の全ての初期化動作が終了したか否かを判断し(ステップS409)、初期化動作が終了していれば、画像形成装置の起動時動作を終了する。
以上の制御フローによって定着ユニット40の起動時の温調制御シーケンスを含む画像形成装置の起動時動作を終了し、以後、誘導加熱方式による定着ベルトの温調だけによって定着ユニットの温調を含む、画像形成装置の動作を続ける。
このように本比較例では、画像形成装置の起動時制御の所定のタイミングで定着ユニット40の温調立ち上げを開始する。つまり、定着ユニット40の起動時に、ベルト42及び加圧ローラ45を停止した状態でヒーター46による加圧ローラの温調を行う。これにより実施例1と同様な作用・効果を得ることができる。
また、画像形成装置の起動時の制御において、定着ユニット40の立上げよりも時間の掛かる初期動作や画像調整が、ある程度終了したタイミングで定着ユニット40の温調立ち上げを行うことにより、更にベルトの寿命を延ばすこと、そして、省電力化することができる。
〔その他〕
1)上記実施例において、コイル47aに入力する電力について起動時の電力を起動後の電力よりも大きくしても良い。例えば、起動後に必要な電力を800Wとすると、早期に温度を立ち上げるために起動時には1100Wの電力を投入する。
これは、コイル47aに入力する電力(1100W)と、ヒーター46の電力(例えば300Wとする)と、その他の画像形成装置の起動時動作に必要な電力(例えば100Wとする)の合算が、所定の電力値を超えないように設定する必要がある。ここで、所定の電力値は例えば1500Wとする。
2)上記実施例において、ベルト42と加圧ローラ45の回転スピード(プロセススピード)について言及していないが、起動時の回転スピードを起動後の回転スピードよりも遅くしても良い。
3)上記実施例において、加圧回転体として、加圧ローラ45を用いる構成について説明したが、定着側と同様に1つのベルトと2のローラで構成しても良い。その際、ハロゲンランプヒーター46は、そのローラのどちらに配置しても良いし、両方に配置しても良い。
4)上記実施例において、ハロゲンランプヒーター46は、加圧ローラ45に内蔵する構成について説明したが、加圧ローラの外部に接して配置しても良いし、駆動ローラ43及び従動ローラ44の少なくとも何れか一方に内蔵しても良い。或いは駆動ローラ43及び従動ローラ44の少なくとも何れか一方に外部に接して配置しても良い。
5)上記実施例において、モーター41の回転駆動開始とベルト42の温調開始、及び、ハロゲンランプヒーター46による加圧ローラ45の温調を停止して定着ユニット40の起動シーケンスを終了させるタイミングについて、次のような設定としている。すなわち、上記タイミングを温度センサー48,49による検出温度が目標温度となる時としているが、上記タイミングを所定時間を経過した時としても良い。
6)上記比較例では、ハロゲンランプヒーター46による温調開始するタイミングについて、画像形成装置の起動時制御の所定のタイミングで行う制御フローについて説明したが、画像形成装置の起動時制御のタイミングで開始しても良い。この場合の誘導加熱方式によるベルト42の温調開始タイミングは、上記比較例で説明したタイミングとほぼ同じとする。
7)本発明の画像加熱装置は実施例の定着装置としての使用に限られず、未定着画像を被記録材に定着する仮定着装置、定着画像を担持した被記録材を再加熱してつや等の画像表面性を改質する表面改質装置等の画像加熱装置としても有効に使用することができる。
画像形成装置の一例の全体構成模型図。 実施例1に係る定着ユニットの横断面側面模型図。 定着ベルトの層構成の一例の断面図。 定着ユニットの起動時の一例の制御フローチャート。 比較例に係る定着ユニットの起動時の一例の制御フローチャート。
40 定着ユニット、41 モーター、42 定着ベルト、45 加圧ローラ、46 ハロゲンランプヒーター、47 コイルユニット、48,49 温度センサー80 制御ユニット

Claims (2)

  1. コイルと、前記コイルからの磁束により発熱し、予め設定した像加熱温度で記録材上の画像を加熱する回転可能なベルト部材であって、第一ローラと第二ローラで張架されるベルト部材と、前記ベルト部材と圧接して記録材上の画像を加熱するニップ部を形成する加圧回転体と、前記加圧回転体を加熱する加熱手段と、前記ベルト部材及び前記加圧回転体を回転駆動する駆動手段と、前記コイルと前記加熱手段への通電及び前記駆動手段の回転駆動を制御する制御手段と、を有し、前記コイルは前記ベルト部材を介して前記第一ローラに対向し、前記第二ローラに対向しない位置で前記ベルト部材の回転方向において前記ベルト部材に局所的に対向して配置されている画像加熱装置において、
    前記制御手段は、前記第一ローラと前記第二ローラとが前記加圧回転体を圧して前記ベルト部材と前記加圧回転体とが回転が停止された状態で接触しているときに画像形成信号が入力されると、前記コイルへの通電を停止した状態で前記加熱手段への通電制御を開始し、前記加圧回転体の温度が予め設定した設定温度に達すると、前記加熱手段への通電制御とコイルへの通電制御を行いながらベルト部材と前記加圧回転体の回転を開始し、前記ベルト部材の温度が前記像加熱温度に達した後は前記加熱手段への通電を停止して記録材の画像を加熱する制御を実行することを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記加熱手段は、ハロゲンランプヒータであることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
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