JP5344295B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2等には、クリーニング部材を設置することなく、裏面にベタ画像を印字した記録媒体を両面通紙することで定着部材や加圧部材のクリーニングをおこなう技術が開示されている。
このような問題を解決するために、上述した特許文献1、特許文献2等の技術は、クリーニング部材を設置することなく、クリーニングシートを通紙したり、裏面にベタ画像を印字した記録媒体を両面通紙したりすることで、定着部材や加圧部材のクリーニングをおこなっている。しかし、その場合、ユーザーにとって不必要な通紙がおこなわれることになり、時間的なロスや記録媒体の浪費が生じていた。
図1〜図5にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は転写紙等の記録媒体Pが収容される給紙部、9は記録媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される感光体ドラム、12は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成される静電潜像を現像する現像部、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成されたトナー像を記録媒体P上に重ねて転写する転写バイアスローラ(1次転写バイアスローラ)、15は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の未転写トナーを回収するクリーニング部、を示す。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ14が設置されている。そして、転写バイアスローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング部16の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部16に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された記録媒体Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した記録媒体Pは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラによって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2は、定着装置20を示す概略断面図である。図3は、クリーニングモード時の定着装置20を示す概略図である。さらに、図4は、クリーニングモード時の制御を示すフローチャートである。図5は、クリーニングモード時の別の制御を示すフローチャートである。
図2に示すように、定着装置20は、定着部材としての定着ベルト21、定着補助ローラ22(ローラ部材)、加熱ローラ23(ローラ部材)、テンションローラ24(ローラ部材)、加圧部材としての加圧ローラ31、温度センサ40、ブレーキパッド45、ガイド板35、等で構成される。
なお、本実施の形態1では、弾性層22bの材料として発泡シリコーンゴムを用いたが、弾性層22bの材料としてフッ素ゴム、シリコーンゴム等を用いることもできる。
加熱ローラ23のヒータ25は、ハロゲンヒータであって、その両端部が定着装置20の側板(不図示である。)に固定されている。そして、装置本体1の電源部(交流電源)により出力制御されたヒータ25からの輻射熱によって加熱ローラ23が加熱されて、さらに加熱ローラ23によって加熱された定着ベルト21の表面から記録媒体P上のトナー像Tに熱が加えられる。ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21表面に非接触で対向する温度センサ40(サーモパイル)によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。詳しくは、温度センサ40の検知結果に基づいて定められる通電時間だけ、ヒータ25に交流電圧が印加される。このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度(目標制御温度)に調整制御することができる。
そして、加圧ローラ31は、不図示の加圧機構によって、定着ベルト21を介して定着補助ローラ22に圧接する。こうして、加圧ローラ31と定着ベルト21との間に、所望のニップ部が形成される。なお、本実施の形態1では、定着補助ローラ22の弾性層22bの圧縮量が3〜4mm程度であって、ニップ部のニップ幅が14mm程度に設定されている。
なお、定着ベルト21の昇温効率をさらに高めるために、加圧ローラ31の内部にヒータを設置することもできる。その場合、加圧ローラ31の表面温度を検知するサーミスタ等の温度センサを設置して、その温度センサの検知結果に基いて加圧ローラ31に内設されたヒータの出力制御をおこなうことになる。
なお、定着補助ローラ22に対向する位置には、パッド駆動部66によって定着補助ローラ22に対して接離可能に移動するブレーキパッド45が設けられている。これについては、後で詳しく説明する。
また、図示は省略するが、定着ベルト21の外周面に対向する位置であって、ニップ部の出口側近傍には、分離板が配設されている。分離板は、定着工程後の記録媒体Pが定着ベルト21の走行に沿って定着ベルト21に巻き付いてしまう不具合を抑止する。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、交流電源からヒータ25に交流電圧が印加(給電)されるとともに、駆動モータ65によって加圧ローラ31が図2の反時計方向に回転駆動されて、それにともない定着ベルト21(定着補助ローラ22、加熱ローラ23)の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。
その後、給紙部7から記録媒体Pが給送されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の各色のトナーが記録媒体P上に未定着画像として担持される。未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。そして、定着ベルト21による加熱と、定着ベルト21(定着補助ローラ22)及び加圧ローラ31の押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、回転する定着ベルト21及び加圧ローラ31によってそのニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印Y11方向に搬送される。
本実施の形態1における定着装置20では、ニップ部において定着ベルト21と加圧ローラ31とに速度差を設けて双方の部材21、31を摺接させることで、定着ローラ21や加圧ローラ31の表面のクリーニングをおこなうクリーニングモードが、所定のタイミングでおこなわれる。
詳しくは、クリーニングモードは、所定の走行速度(通常の通紙時の回転速度である。)で走行(回転)する加圧ローラ31に対して定着ベルト21の走行を停止させるものである。具体的に、図3を参照して、制御部60において通常の通紙時(定着工程時)以外のタイミングでクリーニングモードの実施が決定されると、まず、駆動モータ65によって加圧ローラ31の回転駆動が開始される。そして、これとほぼ同時に、パッド駆動部66が駆動制御されて、定着補助ローラ22に対して離間位置(図2の位置である。)にあるブレーキパッド45が、定着補助ローラ22に当接する位置に移動する(図3の白矢印方向の移動である。)。これにより、加圧ローラ31は通常時(通紙時)の回転速度とほぼ同じ速度で回転するのに対して、定着補助ローラ22はブレーキパッド45の押圧によってその回転が抑制されて、それにともない定着ベルト21や加熱ローラ23の走行も停止される。すなわち、クリーニングモードが実行されている間は、ニップ部において、停止状態にある定着ベルト21と、回転する加圧ローラ31と、が摺接することになる。
また、図示は省略するが、パッド駆動部66は、ブレーキパッド45を接離方向に移動させるためにブレーキパッド45に当接する偏心カムや、偏心カムを回転駆動するモータや、ブレーキパッド45を偏心カムに向けて付勢するスプリング、等で構成されている。
図4に示すように、まず、画像形成装置1の制御部60にプリント要求が送信されると(ステップS1)、駆動モータ65によって加圧ローラ31の回転駆動が開始される(ステップS2)。そして、パッド駆動部66によってブレーキパッド45による定着補助ローラ22への押圧がt秒間おこなわれる(ステップS3)。すなわち、クリーニングモードがt秒間おこなわれる。その後、ブレーキパッド45による定着補助ローラ22への押圧を解除して(ステップS4)、プリント動作を開始する(ステップS5)。そして、プリント動作の終了にともない、本フローが終了する(ステップS6)。
図3を参照して、制御部60には、画像形成がおこなわれた記録媒体Pの累積枚数をカウントするプリント枚数カウンタ61や、書込み部2のデューティ等から記録媒体Pにプリントした画像面積の総和(累積画像面積)を記憶する累積画像面積カウンタ62が設けられている。
そして、図5のフローチャートを参照して、ステップS2にて駆動モータ65によって加圧ローラ31の回転駆動が開始された後に、プリント枚数カウンタ61によってカウントされた累積プリント枚数が所定値Mに達しているか、さらに、累積画像面積カウンタ62によってカウントされた累積画像面積が所定値N以下であるかが判別される(ステップS21)。その結果、上述した双方の条件が満足されない場合には、加圧ローラ31等に固着した付着物が少ないものとして、クリーニングモードを実行せずに、ステップS5以降の通常のプリント動作をおこなう。これに対して、ステップS21にて、上述した双方の条件が満足される場合には、加圧ローラ31等に固着した付着物が多いものとして、ステップS3のクリーニングモードを実行した後に、ステップS4以降のフローをおこなう。なお、ステップS3のクリーニングモードが実行された場合には、プリント枚数カウンタ61及び累積画像面積カウンタ62のカウント数はリセットされる。
加圧ローラ31等の表面に異物が固着しやすい状況は、画像面積(画像比率)が小さなプリントが繰り返された場合である。これは、記録媒体P上に担持されたトナーTが、ニップ部において、定着ベルト21や加圧ローラ31の表面に付着した付着物を引き付けて除去してくれるためである。したがって、所定のプリント枚数が通紙される間の累積画像面積が多い場合には、定着ベルト21や加圧ローラ31の表面に付着する付着物が少なく、クリーニングモードを積極的におこなう必要がない。これに対して、所定のプリント枚数が通紙される間の累積画像面積が少ない場合には、定着ベルト21や加圧ローラ31の表面に付着する付着物が多く、クリーニングモードを積極的におこなう必要がある。したがって、上述した制御をおこなうことで、クリーニングモードの実効性を高めることができる。
具体的に、本実施の形態1では、クリーニングモードをおこなう条件として、図5で説明したプリント枚数カウンタ61によってカウントされる累積プリント枚数の所定値Mが1000枚に設定されていて、累積画像面積カウンタ62によってカウントされる累積画像面積の所定値Nが3.1×104cm2(1000枚のプリントにおいて平均の画像面積率が5%に相当する。)に設定されている。また、クリーニングモードをおこなう時間tは、加圧ローラ31が2〜5回転する程度の時間に設定されている。
これに対して、クリーニングモード時に、加圧ローラ31の走行速度よりも遅い回転速度(走行速度)で定着ベルト21を走行させることで、ニップ部において定着ベルト21と加圧ローラ31とを摺接させることもできる。具体的に、加圧ローラ31を通常の回転速度で回転させて、定着補助ローラ22にブレーキパッド45を比較的低い押圧力で当接させることで、定着ベルト21(定着補助ローラ22)を通常時の走行速度よりも遅い走行速度で走行させて、ニップ部において定着ベルト21と加圧ローラ31との線速差(速度差)を与えて双方の部材21、31を摺接させることもできる。
さらには、クリーニングモード時に、加圧ローラ31の走行速度よりも速い回転速度(走行速度)で定着ベルト21を走行させることで、ニップ部において定着ベルト21と加圧ローラ31とを摺接させることもできる。
そして、これらのような場合であっても、本実施の形態1とほぼ同様の効果を得ることができる。
図6にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図6は、実施の形態2における定着装置を示す構成図である。本実施の形態2における定着装置は、定着ベルト21を誘導加熱部65によって電磁誘導加熱している点が、定着ベルト21をヒータ25によって間接的に加熱している前記実施の形態1のものとは相違する。
加熱ローラ23は、ステンレス鋼等で形成された円筒体である。加熱ローラ23や定着補助ローラ22は、図6の反時計方向に回転する。
定着ベルト21は、発熱層を備えていて、加熱ローラ23及び定着補助ローラ22に張架・支持されている。定着ベルト21は、内周面側から、ベース層、弾性層、発熱層、シリコーンゴム層、離型層、が積層されている。そして、定着ベルト21の発熱層は、誘導加熱部65から発せられる磁束によって電磁誘導加熱される。
誘導加熱部65は、励磁コイル66、コア67、コイルガイド68等で構成されている。
そして、本実施の形態2においても、前記実施の形態1と同様に、定着補助ローラ22に対して接離自在に移動するブレーキパッド45が設置されている。そして、本実施の形態2においても、所定のタイミングで、ブレーキパッド45が定着補助ローラ22に当接した状態で、加圧ローラ31のみの回転駆動がおこなわれる、クリーニングモードが実行される。
定着補助ローラ22の回転駆動によって、定着ベルト21は図6の反時計方向に周回するとともに、加熱ローラ23も反時計方向に回転して、加圧ローラ31も時計方向に回転する。定着ベルト21は、誘導加熱部65との対向位置で加熱される。
詳しくは、不図示の電源部から励磁コイル66に10kHz〜1MHz(好ましくは、20kHz〜800kHzである。)の高周波交番電流を流すことで、発熱層に向けて磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このように交番磁界が形成されることで、定着ベルト21の発熱層に渦電流が生じて、発熱層の電気抵抗によってジュール熱が発生して、発熱層が加熱される。こうして、定着ベルト21は、自身の発熱層の発熱によって加熱される。
20 定着装置、
21 定着ベルト(定着部材)、
22 定着補助ローラ(ローラ部材)、
23 加熱ローラ(ローラ部材)、
25 ヒータ、
31 加圧ローラ(加圧部材)、
45 ブレーキパッド、
60 制御部、 P 記録媒体。
Claims (6)
- 複数のローラ部材に張架されて、所定方向に走行するとともに、トナー像を加熱・溶融して記録媒体上に定着する定着ベルトと、
駆動手段から駆動力が伝達されて所定方向に走行するとともに、前記定着ベルトを介して前記複数のローラ部材のうちの1つのローラ部材に圧接することで記録媒体が搬送されるニップ部を形成する加圧部材と、
前記1つのローラ部材に対して接離可能に移動するブレーキパッドと、
を備え、
前記1つのローラ部材に対して離間位置にある前記ブレーキパッドを前記1つのローラ部材に当接する位置に移動させて前記ニップ部において前記定着ベルトと前記加圧部材とに速度差を設けて双方の部材を摺接させることで前記定着ベルト又は/及び前記加圧部材の表面のクリーニングをおこなうクリーニングモードが所定のタイミングでおこなわれることを特徴とする定着装置。 - 前記クリーニングモードは、所定の走行速度で走行する前記加圧部材に対して前記定着ベルトの走行を停止させることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記クリーニングモードは、前記加圧部材の走行速度よりも遅い走行速度で前記定着ベルトを走行させることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記クリーニングモードは、装置の稼動が開始されて最初の記録媒体が前記ニップ部に送入されるまでの間におこなわれることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
- 前記クリーニングモードは、前記ニップ部を通過する記録媒体の累積の枚数が所定値に達したときであって、それらの記録媒体にプリントした画像面積の総和が所定値以下であるときにおこなわれることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置
- 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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