JP2009025464A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着補助ローラに弾性発泡材料からなる弾性層を設けるとともに、定着補助ローラに対する加圧部材の圧接を規制する規制部材を設けることにより、経時にニップ幅が複雑に変動しても、定着性が良好であって安定する、ベルト方式の定着装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】ベルト方式の定着装置20であって、弾性発泡材料からなる弾性層20bを有する定着補助ローラ22と、定着補助ローラ22に対する加圧部材31の圧接を規制する規制部材50と、が設置されている。そして、経時においてニップ部におけるニップ幅が初期のものに比べて増加した後に減少するニップ幅変動に連動させて、加熱手段25によって加熱される定着ベルト21の表面温度の目標値を可変する。
【選択図】図2

Description

この発明は、複数のローラ部材に張架された定着ベルトを用いたベルト方式の定着装置と、それを備えた定着装置及び画像形成装置と、に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置において、定着ベルトを用いたベルト方式の定着装置が広く知られている(例えば、特許文献1等参照。)。
特許文献1等において、ベルト方式の定着装置は、加熱ローラと定着補助ローラ(定着ローラ)とによって張架された定着ベルトや、定着補助ローラに定着ベルトを介して当接する加圧ローラ、等で構成される。
そして、定着ベルトは、ヒータ(加熱手段)が内設された加熱ローラの位置で加熱される。加熱された定着ベルトは、定着補助ローラ及び加圧ローラの当接位置(ニップ部である。)に搬送される記録媒体上のトナー像を加熱して定着する。
このような定着ベルトを用いたベルト方式の定着装置は、定着ローラを用いた熱ローラ方式の定着装置に比べて、装置の立ち上がり時間を増加させることなくニップ部において充分なニップ幅を確保できるものとして知られている。すなわち、定着ベルトはニップ部ではなく加熱ローラの位置で加熱されるために、定着補助ローラに、層厚が比較的厚く充分な断熱性を有するとともに弾性が高い弾性層(断熱弾性層)を設けることができる。
一方、特許文献2等には、熱ローラ方式の定着装置であって、加圧ローラのローラ硬度が経時に低下してニップ幅が大きくなり過ぎるのを防止するために、加圧ローラと定着ローラ(加熱ローラ)との軸間距離が短くなるのを規制する規制部材を設ける技術が開示されている。
また、特許文献3等には、熱ローラ方式の定着装置であって、加圧ローラのローラ硬度が経時に低下してニップ幅が大きくなりホットオフセットが生じるのを防止するために、通紙枚数の累積値の増加にともない、定着温度を低下させるように制御する技術が開示されている。
特開平11−282293号公報 特許第3109942号公報 特開2004−21099号公報
上述した特許文献1等の定着装置は、充分なニップ幅と熱効率とを確保するために定着補助ローラに弾性発泡材料からなる弾性層を設けるとともに、ニップ幅が大きくなり過ぎるのを防止するために定着補助ローラに対する加圧部材の圧接を規制する規制部材を設けたときに、経時にニップ幅が複雑に変動して定着性が安定しなかった。
本願発明者は、研究を重ねた結果、以下のことを知るに至った。
定着補助ローラが長期間繰り返し変形されながら使用されることで、まず、弾性発泡層に微細な破泡が生じて定着補助ローラのローラ硬度が低下して、ニップ幅が増加する。このとき、定着工程後の画像にはホットオフセットが生じやすくなる。
その後、規制部材が作用して、ニップ幅の増加は停止する。さらに、定着補助ローラが長期間使用されてローラ硬度が低下すると、定着ベルトの張力によって定着補助ローラがニップ幅を小さくする方向に引っ張られる。やがて、ニップ幅は初期のものに対して小さくなって、定着工程後の画像にはコールドオフセットが生じやすくなる。
このように、ベルト方式の定着装置には、熱ローラ方式の定着装置(例えば、特許文献2、特許文献3等参照。)とは異なるニップ幅の経時変動が生じる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、定着補助ローラに弾性発泡材料からなる弾性層を設けるとともに、定着補助ローラに対する加圧部材の圧接を規制する規制部材を設けることにより、経時にニップ幅が複雑に変動しても、定着性が良好であって安定する、ベルト方式の定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる定着装置は、記録媒体上にトナー像を定着する定着装置であって、加熱手段によって加熱される加熱ローラと、弾性発泡材料からなる弾性層を有する定着補助ローラと、前記加熱ローラと前記定着補助ローラとに張架される定着ベルトと、前記定着ベルトを介して前記定着補助ローラに圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する加圧部材と、前記定着補助ローラに対する前記加圧部材の圧接を規制する規制部材と、を備え、経時において前記ニップ部におけるニップ幅が初期のものに比べて増加した後に減少するニップ幅変動に連動させて、前記加熱手段によって加熱される前記定着ベルトの表面温度の目標値を可変するものである。
また、請求項2記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1に記載の発明において、記録媒体の累積通紙枚数又は装置の累積稼働時間を検知する検知手段を備え、記録媒体の累積通紙枚数又は装置の累積稼働時間に応じて前記ニップ幅変動が生じているものとして、前記検知手段の検知結果に基いて前記定着ベルトの表面温度の目標値を可変するものである。
また、請求項3記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、記録媒体が通紙されていないときに前記定着補助ローラに対する前記加圧部材の圧接力を低減する減圧手段を備えたものである。
また、請求項4記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、記録媒体の種類を検知する第2検知手段を備え、
前記第2検知手段の検知結果に基いて記録媒体の種類ごとに前記定着ベルトの表面温度の目標値を可変するものである。
また、請求項5記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記加熱ローラ、前記定着補助ローラ、前記加圧部材のうち少なくとも1つの待機時の温度が通紙時の温度よりも高くなるように制御され、前記定着ベルトの表面温度の目標値が所定値を超えているときに、前記待機時の温度がさらに高くなるように制御されるものである。
また、請求項6記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、前記定着ベルトの表面温度の目標値に上限値を設けたものである。
また、請求項7記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項6に記載の発明において、前記定着ベルトの表面温度の目標値が前記上限値に達した場合に、可変手段によって記録媒体の搬送速度が可変されるものである。
また、請求項8記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項6又は請求項7に記載の発明において、記録媒体として普通紙を用いている場合であって、前記定着ベルトの表面温度の目標値が前記上限値に達したときに、装置のメンテナンスを促す告知をおこなうものである。
また、請求項9記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項6〜請求項8のいずれかに記載の発明において、前記定着ベルトの表面温度の目標値が前記上限値に達したときに、記録媒体ごとに設定した通紙モードを可変するものである。
また、請求項10記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項9のいずれかに記載の発明において、前記加熱手段を、ヒータとしたものである。
また、請求項11記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項10のいずれかに記載の発明において、前記弾性層は、発泡シリコーンゴムで形成されたものである。
また、この発明の請求項12記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項11のいずれかに記載の定着装置を備えたものである。
本発明は、定着補助ローラに弾性発泡材料からなる弾性層を設けるとともに、定着補助ローラに対する加圧部材の圧接を規制する規制部材を設けることにより、経時にニップ幅が複雑に変動しても、そのニップ幅変動に連動させて定着ベルトの表面温度の目標値を可変制御しているため、定着性が良好であって安定する、ベルト方式の定着装置及び画像形成装置を提供することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1〜図3にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は転写紙等の記録媒体Pが収容される給紙部、9は記録媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される感光体ドラム、12は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成される静電潜像を現像する現像部、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成されたトナー像を記録媒体P上に重ねて転写する転写バイアスローラ(1次転写バイアスローラ)、15は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の未転写トナーを回収するクリーニング部、を示す。
また、16は中間転写ベルト17を清掃する中間転写ベルトクリーニング部、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上のカラートナー像を記録媒体P上に転写するための2次転写バイアスローラ、20は記録媒体P上のトナー像(未定着画像)を定着する定着装置、を示す。
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス5上の原稿Dの画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿Dにて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿Dのカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部2に送信される。そして、書込み部2からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応する感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に向けて発せられる。
一方、4つの感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKは、それぞれ、図1の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、帯電部12との対向部で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目の感光体ドラム11Y表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11Yの回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電部12にて帯電された後の感光体ドラム11Y上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から2番目の感光体ドラム11M表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、紙面左から3番目の感光体ドラム11C表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目の感光体ドラム11BK表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、現像部13との対向位置に達する。そして、各現像部13から感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ14が設置されている。そして、転写バイアスローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
そして、転写工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、クリーニング部15との対向位置に達する。そして、クリーニング部15で、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
他方、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の各色のトナーが重ねて転写(担持)された中間転写ベルト17は、図中の時計方向に走行して、2次転写バイアスローラ18との対向位置に達する。そして、2次転写バイアスローラ18との対向位置で、記録媒体P上に中間転写ベルト17上に担持されたカラーのトナー像が転写される(2次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング部16の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部16に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
ここで、中間転写ベルト17と2次転写バイアスローラ18との間(2次転写ニップである。)に搬送される記録媒体Pは、給紙部7からレジストローラ9等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された記録媒体Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した記録媒体Pは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
そして、フルカラー画像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルトによって定着装置20に導かれる。定着装置20では、定着ベルトと加圧ローラとのニップ部にて、カラー画像(トナー)が記録媒体P上に定着される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラによって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2及び図3にて、画像形成装置本体1に設置される定着装置20の構成・動作について詳述する。
図2に示すように、定着装置20は、定着ベルト21、定着補助ローラ22、加熱ローラ23、加圧部材としての加圧ローラ31、加圧機構51、52、規制部材50、温度センサ40、ガイド板35、等で構成される。
ここで、定着ベルト21は、ベース層上に、弾性層、離型層が順次積層された多層構造の無端状ベルトである。定着ベルト21のベース層は、PI(ポリイミド)、PAI(ポリアミドイミド)等の樹脂材料や、ニッケル、ステンレス鋼等の金属材料にてフィルム状に形成されている。定着ベルト21の弾性層は、フッ素ゴム、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム等の弾性材料で形成されている。定着ベルト21の離型層は、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、等で形成されている。定着ベルト21の表層に離型層を設けることにより、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が確保されることになる。定着ベルト21は、2つのローラ部材(定着補助ローラ22と加熱ローラ23とである。)に張架・支持されて、図2中の矢印方向に走行する。
定着部材として熱容量の低い定着ベルト21を用いることで、装置の昇温特性が向上する。
定着補助ローラ22は、SUS304等の芯金22a上に、発泡シリコーンゴム等の弾性発泡材料からなる弾性層22bが形成されたローラ部材であって、加圧部材としての加圧ローラ31に定着ベルト21を介して当接してニップ部を形成する。弾性層22bを弾性発泡材料で形成することで、ニップ部におけるニップ幅(ニップ量)を比較的大きく設定できるとともに、定着ベルト21の熱が定着補助ローラ22に移行しにくくなる。定着補助ローラ22は、図2中の時計方向に回転する。
加熱ローラ23は、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料からなる中空構造のローラ部材(円筒体)であって、その円筒体の内部には加熱手段としてのヒータ25(熱源)が固設されている。
加熱ローラ23のヒータ25は、ハロゲンヒータであって、その両端部が定着装置20の側板(不図示である。)に固定されている。そして、装置本体1の電源部(交流電源)81により出力制御されたヒータ25からの輻射熱によって加熱ローラ23が加熱されて、さらに加熱ローラ23によって加熱された定着ベルト21の表面から記録媒体P上のトナー像Tに熱が加えられる。ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21表面に非接触で対向する温度センサ40(サーモパイル、非接触サーミスタ)によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。詳しくは、温度センサ40の検知結果に基づいて定められる通電時間だけ、ヒータ25に交流電圧が印加される。このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の表面温度(定着温度)を所望の温度(目標値)に調整制御することができる。
また、加圧部材としての加圧ローラ31は、主として、芯金32と、芯金32の外周面に接着層を介して形成された弾性層33と、からなる。加圧ローラ31の弾性層33は、発泡シリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等の弾性材料で形成されている。なお、弾性層33の表層にPFA等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。
そして、加圧ローラ31は、加圧機構51、52によって定着ベルト21を介して定着補助ローラ22に圧接する。詳しくは、加圧機構は、加圧レバー51、スプリング52、等で構成される。加圧レバー51は、一端が装置20の側板に回動自在に支持され、他端にはスプリング52(引張スプリング)の一端が接続され、中央には加圧ローラ31の軸部34が載置されている。スプリング52の他端は装置20の側板に支持されている。このような構成により、加圧ローラ31は上方(定着補助ローラ22の側である。)に押し上げられ、加圧ローラ31と定着ベルト21との間に所望のニップ部が形成される。
ここで、規制部材50は、装置20の側板に設置されていて、定着補助ローラ22(又は、定着ベルト21)に対する加圧ローラ31の圧接を規制する。具体的に、定着補助ローラ22の弾性層22bが経時で破泡して定着補助ローラ22のローラ硬度が低下した場合等に、加圧ローラ31は加圧機構51、52によってさらに上方に移動するが、ある程度上方に移動した時点で軸部34が規制部材50に当接してそれ以上の移動が制限される。したがって、ニップ部におけるニップ幅は、経時において、まず、初期値から大きくなっていくが、ある時点で規制部材50の作用によりニップ幅の増加が制限される。これにより、ニップ幅が大きくなりすぎて定着画像上にホットオフセットが発生する不具合が抑止される。
なお、本実施の形態1において、加圧ローラ31を直接的に加熱するヒータ等の加熱手段を設置することもできる。これにより、定着装置20の昇温特性がさらに向上することになる。
図2を参照して、定着ベルト21と加圧ローラ31との当接部(ニップ部である。)の入口側と出口側には、それぞれ、記録媒体Pの搬送を案内するガイド板35が配設されている。ガイド板35は、定着装置20の側板に固設されている。
また、図示は省略するが、定着ベルト21の外周面に対向する位置であって、ニップ部の出口側近傍には、分離板が配設されている。分離板は、定着工程後の記録媒体Pが定着ベルト21の走行に沿って定着ベルト21に巻き付いてしまう不具合を抑止する。
上述のように構成された定着装置20は、次のように動作する。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、交流電源81からヒータ25に交流電圧が印加(給電)されるとともに、定着ベルト21(定着補助ローラ22、加熱ローラ23)及び加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。詳しくは、不図示の駆動モータによって加圧ローラ31が直接的に回転駆動されて、これに従動して定着ベルト21、定着補助ローラ22、加熱ローラ23が駆動される。
その後、給紙部7から記録媒体Pが給送されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の各色のトナーが記録媒体P上に未定着画像として担持される。未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。そして、定着ベルト21による加熱と、定着ベルト21(定着補助ローラ22)及び加圧ローラ31の押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、回転する定着ベルト21及び加圧ローラ31によってそのニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印Y11方向に搬送される。
以下、本実施の形態1における特徴的な制御について説明する。
本実施の形態1では、経時においてニップ部におけるニップ幅が初期のものに比べて増加した後に減少するニップ幅変動に連動させて、定着ベルト21の表面温度(定着温度)の目標値を可変するように制御している。
具体的には、図2を参照して、記録媒体Pの累積通紙枚数を検知手段としてのカウンタ80にて検知する。そして、記録媒体Pの累積通紙枚数に応じてニップ幅変動が生じているものとして、カウンタ80の検知結果に基いて定着ベルト21の表面温度の目標値を可変している。
ここで、経時におけるニップ幅変動は、図3に示すようなものである。図3において、横軸は累積通紙枚数を交換通紙枚数(装置20の寿命とされる累積の通紙枚数である。)で除した割合(パーセンテージ)であって、左側の縦軸は初期のニップ幅に対する増減量(変動)を示し、右側の縦軸はニップ幅変動に連動して可変される定着ベルト21の表面温度(定着温度)の制御上の目標値(初期値を基準としてプラスマイナスで表示している。)である。
図3に示すように、ニップ部におけるニップ幅は、長期間の使用にともない、一度増加した後に減少して安定化する。これは、上述のように構成されたベルト方式の定着装置20では、次のようなことが起こるからである。定着補助ローラ22が長期間繰り返し変形されながら使用されることで、まず、弾性層22b(弾性発泡層)に微細な破泡が生じて定着補助ローラ22のローラ硬度が低下して、ニップ幅が増加する。その後、規制部材50が作用して、ニップ幅の増加は停止する。さらに、定着補助ローラ22が長期間繰り返し変形されながら使用されると、定着ベルト21の張力によって定着補助ローラ22がニップ幅を小さくする方向に引っ張られ、やがて、ニップ幅は初期のものに対して小さくなる。
そして、このようなベルト方式の定着装置20に特有なニップ幅変動に合わせて、定着目標温度を可変している。
具体的に、ニップ幅が基準値(初期値)から増加していく過程では、そのニップ幅の増加量に合わせて定着目標温度(目標値)を漸減させる。これにより、ヒータ25の出力が減少して定着ベルト21の表面温度(定着温度)が低めに制御されるため、ニップ幅が増加しても、ニップ部を通過する記録媒体Pのトナー像に与えられる総熱量に変動はほとんど生じずに、定着画像上にホットオフセットが生じる不具合が抑止される。
また、ニップ幅が基準値(初期値)から減少していく過程では、そのニップ幅の減少量に合わせて定着目標温度(目標値)を漸増させる。これにより、ヒータ25の出力が増加して定着ベルト21の表面温度(定着温度)が高めに制御されるため、ニップ幅が減少しても、ニップ部を通過する記録媒体Pのトナー像に与えられる総熱量に変動はほとんど生じずに、定着画像上にコールドオフセットが生じる不具合が抑止される。
ここで、本実施の形態1では、経時におけるニップ幅変動を直接的に検知してその検知結果に基づいて定着目標温度を可変しているのではなくて、経時におけるニップ幅変動の代用特性となる記録媒体の累積通紙枚数に基づいて定着目標温度を可変している。このニップ幅変動と記録媒体の累積通紙枚との関係は、予め実験により確認されたものであって、その結果に基づいて、累積通紙枚数と、制御すべき定着目標温度と、の関係が定められている。
なお、本実施の形態1では、記録媒体Pの累積通紙枚数に応じてニップ幅変動が生じているものとして、カウンタ80の検知結果に基いて定着ベルト21の表面温度の目標値を可変した。これに対して、装置20の稼働時間に応じてニップ幅変動が生じているものとして、稼働時間を検知する検知手段の検知結果に基いて定着ベルト21の表面温度の目標値を可変することもできる。その場合にも、本実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
以上説明したように、本実施の形態1では、定着補助ローラ22に弾性発泡材料からなる弾性層22bを設けるとともに、定着補助ローラ22に対する加圧ローラ31(加圧部材)の圧接を規制する規制部材50を設けることにより、経時にニップ幅が複雑に変動しても、そのニップ幅変動に連動させて定着ベルト21の表面温度の目標値を可変制御しているため、定着性が良好な出力画像を経時においても安定的に提供することができる。
なお、本実施の形態1では加圧部材として加圧ローラ31を用いたが、加圧部材として加圧ベルトや加圧パッドを用いてもよい。その場合にも、本実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態1では、2つのローラ部材22、23によって定着ベルト21を張架したが、3つ以上のローラ部材によって定着ベルト21を張架することもできる。その場合にも、本実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態2.
図4及び図5にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図4は、実施の形態2における定着装置を示す構成図であって、前記実施の形態1における図2に対応する図である。本実施の形態2の定着装置は、定着ローラ20に対する加圧部材31の圧接力を低減する減圧手段55、56が設置されている点が、前記実施の形態1のものとは相違する。
図4に示すように、本実施の形態2における定着装置20も、前記実施の形態1のものと同様に、定着ベルト21、定着補助ローラ22、加熱ローラ23、加圧部材としての加圧ローラ31、加圧機構51、52、規制部材50、温度センサ40、ガイド板35、等で構成される。また、定着補助ローラ22には、弾性発泡材料からなる弾性層22bが設けられている。そして、本実施の形態2においても、記録媒体Pの累積通紙枚数に応じてニップ幅変動が生じているものとして、カウンタ80(検知手段)の検知結果に基いて定着ベルト21の表面温度の目標値を可変している。
ここで、本実施の形態2における定着装置20は、定着補助ローラ22に対する加圧ローラ31の圧接力を減圧(又は解除)できるように構成されている。詳しくは、図4に示すように、減圧手段は、加圧機構51、52に係合する第2レバー55、第2レバー55に係合して加圧ローラ31の加圧・減圧をするためのカム56、カム56を駆動する駆動モータ(不図示である。)、等で構成される。そして、記録媒体の通紙(定着工程)がおこなわれるときには、カム56を図4の姿勢になるように回転駆動して、定着ベルト21(定着補助ローラ22)に対して加圧ローラ31を加圧する(図4の状態である。)。これに対して、記録媒体の通紙(定着工程)がおこなわれないとき(装置停止時、立上げ時、待機時等である。)には、カム56を図4の姿勢から半周ほど回転駆動して、定着ベルト21(定着補助ローラ22)に対する加圧ローラ31の圧接力を減圧する。
このような構成により、定着補助ローラ22(及び、加圧ローラ31)には、通紙時(加圧時)以外にローラ硬度を低下させる大きな加圧力が作用しないことになる。したがって、定着補助ローラ22の弾性層22b(弾性発泡層)の破泡が進むスピードを遅くすることができるとともに、記録媒体の累積通紙枚数とニップ幅変動との関係が装置の使用状態に関わらず(装置停止時間、立上げ時間、待機時間等の長短に関わらず)均一化されることになる。
そのため、記録媒体Pの累積通紙枚数(カウンタ80の検知結果)に基いて定着ベルト21の表面温度の目標値を可変する制御の精度が高まることになる。すなわち、ニップ幅変動と、記録媒体の累積通紙枚と、の相関性が高まることになる。
なお、図5は、定着補助ローラ22に対する加圧ローラ31の圧接力を減圧した状態(減圧状態)におけるニップ幅の経時変動を示すグラフである。本実施の形態2では、減圧時に定着補助ローラ22に対する加圧ローラ31の圧接力をゼロにはしていないため(僅かに圧接力が作用しているため)、減圧状態を長期間続けるとニップ幅の減少が生じることになるが、その減少量は図5に示すように僅かなものである。したがって、記録媒体Pの累積通紙枚数(カウンタ80の検知結果)に基いて定着ベルト21の表面温度の目標値を可変する制御の精度に及ぼす影響はほとんどない。
以上説明したように、本実施の形態2でも、前記実施の形態1と同様に、定着補助ローラ22に弾性発泡材料からなる弾性層22bを設けるとともに、定着補助ローラ22に対する加圧ローラ31(加圧部材)の圧接を規制する規制部材50を設けることにより、経時にニップ幅が複雑に変動しても、そのニップ幅変動に連動させて定着ベルト21の表面温度の目標値を可変制御しているため、定着性が良好な出力画像を経時においても安定的に提供することができる。
実施の形態3.
図6にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図6は、待機時から通紙開始をおこなうまでの定着ベルト21の温度制御を示すグラフである。
本実施の形態3における定着装置20も、前記実施の形態1(又は、前記実施の形態2)のものと同様に構成されている。そして、本実施の形態3においても、記録媒体Pの累積通紙枚数に応じてニップ幅変動が生じているものとして、カウンタ80(検知手段)の検知結果に基いて定着ベルト21の表面温度の目標値を可変している。
ここで、本実施の形態3では、図6のグラフS0に示すように、定着ベルト21の待機時の温度が通紙時の温度よりも高くなるように制御している。具体的には、ヒータ25の出力制御により、加熱ローラ23の待機時の温度が通紙時の温度よりも高くなるように制御している。
このような制御により、待機時から通紙を開始した直後に、定着ベルト21の熱が定着補助ローラ22(待機時に温度が低下した状態になっている。)に多く奪われても、定着ベルト21の表面温度が狙いの温度に対して急激に低下する不具合を抑止することができる。
さらに、本実施の形態3では、上述のような待機時の制御をおこなうにあたり、定着ベルト21の表面温度の目標値が所定値を超えているときに、図6のグラフS1に示すように、待機時の温度がさらに高くなるように制御している。具体的に、記録媒体Pの累積通紙枚数(カウンタ80の検知結果)が所定値を超えて定着ベルト21の表面温度の目標値が初期値よりも高くなるように制御されたときに、ヒータ25の出力制御により、加熱ローラ23の待機時温度が通常の待機時温度よりも高くなるように制御している。
このような制御をおこなわない場合には、記録媒体Pの累積通紙枚数(カウンタ80の検知結果)が所定値を超えて定着ベルト21の表面温度の目標値が初期値に対して同等以上になるように制御されたとき、定着ベルト温度は図6の破線で示すように変動することになる。すなわち、通紙開始されて暫くの間は、定着ベルト温度が低い状態になってしまい、コールドオフセットが発生してしまう。
これに対して、記録媒体Pの累積通紙枚数(カウンタ80の検知結果)が所定値を超えて定着ベルト21の表面温度の目標値が初期値よりも高くなるように制御されたときに、それに合わせて待機時温度も高めに制御することで(シフトさせることで)、通紙開始時から定着ベルト温度を最適化することができる。
なお、上述のような制御をおこなうにあたり、本実施の形態3では、ヒータ25の出力制御により加熱ローラ23の待機時温度を調整することにより定着ベルト21の待機時温度を可変した。これに対して、加圧ローラ31や定着補助ローラ22にヒータを内設する場合には、そのヒータの出力制御により加圧ローラ31や定着補助ローラ22の待機時温度を調整することにより定着ベルト21の待機時温度を可変することもできる。
以上説明したように、本実施の形態3でも、前記各実施の形態と同様に、定着補助ローラ22に弾性発泡材料からなる弾性層22bを設けるとともに、定着補助ローラ22に対する加圧ローラ31(加圧部材)の圧接を規制する規制部材50を設けることにより、経時にニップ幅が複雑に変動しても、そのニップ幅変動に連動させて定着ベルト21の表面温度の目標値を可変制御しているため、定着性が良好な出力画像を経時においても安定的に提供することができる。
実施の形態4.
図7にて、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。
図7は、記録媒体の種類ごとに可変する、ニップ幅と定着目標温度との関係を示すグラフである。
本実施の形態4における定着装置20も、前記実施の形態1(又は、前記実施の形態2)のものと同様に構成されている。そして、本実施の形態4においても、記録媒体Pの累積通紙枚数に応じてニップ幅変動が生じているものとして、カウンタ80(検知手段)の検知結果に基いて定着ベルト21の表面温度の目標値(定着温度目標温度)を可変している。
ここで、本実施の形態4では、記録媒体Pの種類を検知する第2検知手段(不図示である。)の検知結果に基いて、記録媒体Pの種類ごとに定着ベルト21の表面温度の目標値を可変している。記録媒体Pの種類(紙種)を検知する第2検知手段は、主として記録媒体Pの厚さ(紙厚)を検知するものであって、給紙部や搬送経路に紙厚センサ(光学センサ)を設置して直接的に検知してもよいし、ユーザが装置本体1の操作部に入力した紙種情報に基いて検知してもよい。
具体的に、図7に示すように、記録媒体の厚さが厚くなるほど、同じニップ幅でも定着目標温度を高めに設定している。これは、記録媒体の厚さが厚くなるほど、定着性が悪くなるためである。したがって、このように記録媒体の種類(厚さ)ごとに定着目標温度を可変する他、記録媒体の種類(厚さ)ごとに記録媒体の搬送速度や紙間(連続通紙時における通紙間隔である。)を可変する通紙モードを設定することができる。
また、図7に示すように、記録媒体の厚さが厚くなるほど、ニップ幅の減少にともなう定着目標温度の低下の程度(傾き)を大きくしている。これは、記録媒体の種類(厚さ)ごとに、ニップ幅変動にともなう適正な定着温度の変動量が異なるためである。
このように、記録媒体Pの種類ごとに定着ベルト21の表面温度の目標値を可変制御することで、異なる種類の記録媒体Pが用いられた場合であっても、定着性が良好な出力画像を経時においても安定的に提供することができる。
なお、本実施の形態4では、上述の制御をおこなうにあたり、定着ベルトの表面温度の目標値に上限値(図7の破線で示す定着目標温度である。)を設けている。これにより、定着ベルトの表面温度の目標値が大きくなり過ぎて、装置20を構成する種々の構成部品が熱劣化・熱破損する不具合を抑止することができる。さらに、定着ベルト温度が高くなり過ぎて、異常温度検知が頻繁におこなわれ装置が強制的に停止される不具合を抑止することができる。
また、本実施の形態4では、記録媒体として普通紙を用いている場合であって、定着ベルト21の表面温度の目標値が上限値に達したときに、定着装置20のメンテナンスを促す告知をおこなっている。具体的には、装置本体1の表示部(不図示である。)に「定着部品を交換してください」等の表示をおこなう。
これは、普通紙を用いているときに、ニップ幅変動による定着目標温度の設定が上限値に達する場合は、超厚紙や厚紙を用いているときとは異なり、定着補助ローラ22の寿命であると判断できるためである。
また、本実施の形態4では、定着ベルト21の表面温度の目標値が上限値に達したときに、記録媒体ごとに設定した通紙モード(本実施の形態4では、記録媒体の種類ごとに定着目標温度を可変する通紙モードである。)を可変している。具体的に、定着ベルト21の表面温度の目標値が上限値に達したときに、直ちに画像形成装置1を強制停止するのではなく、定着装置20のメンテナンスを促す告知をおこなうとともに、定着目標温度が低めに制御される1ランク下の通紙モードに切り替えて画像形成が可能な状態を維持する。
これにより、定着装置20のメンテナンスが完了するまでの間であっても、不充分な定着画像であるにしても、画像形成をおこなうことが可能になる。
以上説明したように、本実施の形態4でも、前記各実施の形態と同様に、定着補助ローラ22に弾性発泡材料からなる弾性層22bを設けるとともに、定着補助ローラ22に対する加圧ローラ31(加圧部材)の圧接を規制する規制部材50を設けることにより、経時にニップ幅が複雑に変動しても、そのニップ幅変動に連動させて定着ベルト21の表面温度の目標値を可変制御しているため、定着性が良好な出力画像を経時においても安定的に提供することができる。
実施の形態5.
図8にて、この発明の実施の形態5について詳細に説明する。
図8は、実施の形態5における定着装置でおこなわれる制御を示すグラフである。
本実施の形態5における定着装置20も、前記実施の形態1(又は、前記実施の形態2)のものと同様に構成されている。そして、本実施の形態5においても、記録媒体Pの累積通紙枚数に応じてニップ幅変動が生じているものとして、カウンタ80(検知手段)の検知結果に基いて定着ベルト21の表面温度の目標値(定着温度目標温度)を可変している。
ここで、本実施の形態5では、定着ベルト21の表面温度の目標値が上限値(前記実施の形態4にて説明したものである。)に達した場合に、可変手段によって記録媒体Pの搬送速度を可変制御している。ここで、定着装置20(加圧ローラ31)を駆動する駆動モータは、回転数を可変できる可変式駆動モータであって、記録媒体Pの搬送速度を可変する可変手段として機能する。そして、定着目標温度が上限値に達したときに、直ちに画像形成装置1を強制停止するのではなく、記録媒体Pの搬送速度を低下させて画像形成が可能な状態を維持する。具体的に、図8に示すように、ニップ幅が減少しても、記録媒体Pの搬送速度を低下させることで、ニップ時間(=ニップ幅/搬送速度)が固定化されて、定着目標温度が一定化することになる。
これにより、出力画像の生産性は低下するにしても、充分な定着性にて画像形成をおこなうことが可能になる。なお、このような制御は、定着目標温度が上限値に達しやすい超厚紙や厚紙を用いたときに特に有用になる。
以上説明したように、本実施の形態5でも、前記各実施の形態と同様に、定着補助ローラ22に弾性発泡材料からなる弾性層22bを設けるとともに、定着補助ローラ22に対する加圧ローラ31(加圧部材)の圧接を規制する規制部材50を設けることにより、経時にニップ幅が複雑に変動しても、そのニップ幅変動に連動させて定着ベルト21の表面温度の目標値を可変制御しているため、定着性が良好な出力画像を経時においても安定的に提供することができる。
なお、本発明が前記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、前記各実施の形態の中で示唆した以外にも、前記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は前記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。 図1の画像形成装置に設置される定着装置を示す構成図である。 図2の定着装置でおこなわれる制御を示すグラフである。 この発明の実施の形態2における定着装置を示す構成図である。 減圧状態におけるニップ幅の経時変動を示すグラフである。 この発明の実施の形態3における定着装置でおこなわれる制御を示すグラフである。 この発明の実施の形態4における定着装置でおこなわれる制御を示すグラフである。 この発明の実施の形態5における定着装置でおこなわれる制御を示すグラフである。
符号の説明
1 画像形成装置本体(装置本体)、
20 定着装置、
21 定着ベルト、
22 定着補助ローラ、
22b 弾性層(弾性発泡層)、
23 加熱ローラ、
25 ヒータ(加熱手段)、
31 加圧ローラ(加圧部材)、
50 規制部材、
51 加圧レバー、 52 スプリング、
55 第2レバー(減圧手段)、56 カム(減圧手段)。

Claims (12)

  1. 記録媒体上にトナー像を定着する定着装置であって、
    加熱手段によって加熱される加熱ローラと、
    弾性発泡材料からなる弾性層を有する定着補助ローラと、
    前記加熱ローラと前記定着補助ローラとに張架される定着ベルトと、
    前記定着ベルトを介して前記定着補助ローラに圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する加圧部材と、
    前記定着補助ローラに対する前記加圧部材の圧接を規制する規制部材と、
    を備え、
    経時において前記ニップ部におけるニップ幅が初期のものに比べて増加した後に減少するニップ幅変動に連動させて、前記加熱手段によって加熱される前記定着ベルトの表面温度の目標値を可変することを特徴とする定着装置。
  2. 記録媒体の累積通紙枚数又は装置の累積稼働時間を検知する検知手段を備え、
    記録媒体の累積通紙枚数又は装置の累積稼働時間に応じて前記ニップ幅変動が生じているものとして、前記検知手段の検知結果に基いて前記定着ベルトの表面温度の目標値を可変することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 記録媒体が通紙されていないときに前記定着補助ローラに対する前記加圧部材の圧接力を低減する減圧手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
  4. 記録媒体の種類を検知する第2検知手段を備え、
    前記第2検知手段の検知結果に基いて記録媒体の種類ごとに前記定着ベルトの表面温度の目標値を可変することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 前記加熱ローラ、前記定着補助ローラ、前記加圧部材のうち少なくとも1つの待機時の温度が通紙時の温度よりも高くなるように制御され、
    前記定着ベルトの表面温度の目標値が所定値を超えているときに、前記待機時の温度がさらに高くなるように制御されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記定着ベルトの表面温度の目標値に上限値を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記定着ベルトの表面温度の目標値が前記上限値に達した場合に、可変手段によって記録媒体の搬送速度が可変されることを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
  8. 記録媒体として普通紙を用いている場合であって、前記定着ベルトの表面温度の目標値が前記上限値に達したときに、装置のメンテナンスを促す告知をおこなうことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の定着装置。
  9. 前記定着ベルトの表面温度の目標値が前記上限値に達したときに、記録媒体ごとに設定した通紙モードを可変することを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれかに記載の定着装置。
  10. 前記加熱手段は、ヒータであることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の定着装置。
  11. 前記弾性層は、発泡シリコーンゴムで形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の定着装置。
  12. 請求項1〜請求項11のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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