JP5168646B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2等には、定着工程を一度終えた記録媒体の裏面を再加熱することにより、出力画像の光沢度を向上させる技術が開示されている。
具体的に、上述した特許文献1、2等の画像形成装置は、2回目の定着工程において記録媒体上のトナー像の上面にも熱が与えられてホットオフセットが発生しやすくなっていた。さらには、上流側の定着装置から下流側の定着装置に至る搬送経路で、記録媒体上のトナー像がゲル化してしまい、その搬送経路にトナーが付着しやすくなっていた。
図1〜図7にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は転写紙等の記録媒体Pが収容される給紙部、9は記録媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される感光体ドラム、12は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成される静電潜像を現像する現像部、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成されたトナー像を記録媒体P上に重ねて転写する1次転写ローラ、15は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の未転写トナーを回収するクリーニング部、を示す。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、像担持体としての中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように1次転写ローラ14が設置されている。そして、1次転写ローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング部16の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部16に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラにより給送された記録媒体Pが、搬送ガイドを通過した後に、加熱装置50の位置を通過して、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した記録媒体Pは、タイミングを合わせて、転写位置(2次転写ニップ)に向けて搬送される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラによって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
なお、通常モード時には加熱装置50(プレ加熱装置)による2次転写工程前の記録媒体Pの加熱はおこなわれずに、高光沢モードが選択されたときにのみ加熱装置50による2次転写工程前の記録媒体Pの加熱がおこなわれる。高光沢モード時の画像形成装置の動作や、加熱装置50の構成・動作については後で詳しく説明する。
図2は、加熱装置50及び定着装置20の近傍を示す概略図である。図3は、定着装置20を示す構成図である。
図2に示すように、定着装置20は、2次転写ローラ18が中間転写ベルト17に対向する転写位置に対して、記録媒体Pの搬送方向下流側に配設されている。なお、加熱装置50は、転写位置に対して、記録媒体Pの搬送方向上流側に配設されている。
定着加熱ローラ23のヒータ25(第2加熱手段)は、ハロゲンヒータであって、その両端部が定着装置20の側板(不図示である。)に固定されている。そして、装置本体1の電源部(交流電源)42により出力制御されたヒータ25からの輻射熱によって定着加熱ローラ23が加熱されて、さらに定着加熱ローラ23によって加熱された定着ベルト21が記録媒体Pの定着面に当接して記録媒体P上のトナー像Tに熱が加えられる。ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21表面に非接触で対向するサーモパイル40によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。詳しくは、サーモパイル40の検知結果に基づいて定められる通電時間だけ、ヒータ25に交流電圧が印加される。このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の表面温度(定着温度)を所望の温度(目標値)に調整制御することができる。
そして、加圧ローラ31は、加圧機構36、37によって定着ベルト21を介して定着補助ローラ22に圧接する。詳しくは、加圧機構は、加圧レバー36、カム37、等で構成される。加圧レバー36は、一端が装置20の側板に回動自在に支持され、他端がカム37で支持され、中央には加圧ローラ31の軸部34が載置されている。このような構成により、加圧ローラ31は上方(定着補助ローラ22の側である。)に押し上げられ、加圧ローラ31と定着ベルト21との間に所望の第2ニップ部が形成される。
加圧ローラ31のヒータ35は、ハロゲンヒータであって、その両端部が定着装置20の側板(不図示である。)に固定されている。そして、装置本体1の電源部(交流電源)42により出力制御されたヒータ35からの輻射熱によって加圧ローラ31が加熱されて、加圧ローラ31によって記録媒体Pの非定着面から記録媒体Pに熱が加えられる。ヒータ35の出力制御は、加圧ローラ31表面に接触するサーミスタ41によるローラ表面温度の検知結果に基いておこなわれる。詳しくは、サーミスタ41の検知結果に基づいて定められる通電時間だけ、ヒータ35に交流電圧が印加される。このようなヒータ35の出力制御によって、加圧ローラ31の表面温度を所望の温度に調整制御することができる。このように、加圧ローラ31にヒータ35を内設することで、後述する高光沢モード時においてプレ加熱された記録媒体Pから加圧ローラ31に熱が移動しにくくなる。
また、図3を参照して、定着ベルト21の外周面に対向する位置であって、第2ニップ部の出口側近傍には、分離板39が配設されている。分離板39は、定着工程後の記録媒体Pが定着ベルト21の走行に沿って定着ベルト21に巻き付いてしまう不具合を抑止する。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、電源部42からヒータ25、35に交流電圧が印加(給電)されるとともに、定着ベルト21(定着補助ローラ22、定着加熱ローラ23)及び加圧ローラ31の図3中の矢印方向の回転駆動が開始される。詳しくは、不図示の駆動モータによって加圧ローラ31が直接的に回転駆動されて、これに従動して定着ベルト21、定着補助ローラ22、定着加熱ローラ23が駆動される。
その後、給紙部7から記録媒体Pが給送されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の各色のトナーが記録媒体P上に未定着画像として担持される。未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、図3の矢印方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31の第2ニップ部に送入される。そして、定着ベルト21による加熱と、定着ベルト21(定着補助ローラ22)及び加圧ローラ31の押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、回転する定着ベルト21及び加圧ローラ31によってその第2ニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印方向に搬送される。
図4は、加熱装置50を示す構成図である。図5は、通常モード時の加熱装置50を示す図である。先に、図2で説明したように、加熱装置50は、転写位置に対して、記録媒体Pの搬送方向上流側に配設されている。具体的に、加熱装置50は、レジストローラ9の直前の位置に配設されていて、操作者(ユーザー)によって高光沢モード(出力画像の光沢度を向上させるための操作モードであって、先に説明した通常モードとは別に選択できるものである。)が選択されたときに2次転写工程直前に記録媒体Pのプレ加熱をおこなうものである。
そして、画像形成装置1を操作する操作者は、加熱装置50による記録媒体Pの加熱(プレ加熱)をおこなわない通常モードと、加熱装置50による記録媒体Pの加熱(プレ加熱)をおこない光沢度の高い画像を出力する高光沢モードと、のいずれかを選択することができる。具体的に、画像形成装置1の操作パネル(不図示である。)には、通常モードを選択するためのボタンと、高光沢モードを選択するためのボタンと、が設けられていて、操作者はそのいずれかのボタンを操作することで、所望の画質の出力画像を得ることができる。なお、デフォルト時には通常モードが自動選択されるように制御することもできる。さらに、光沢度の程度を段階的に選択できるように、光沢度の程度に応じた複数のボタン(高光沢モード用ボタンである。)を操作パネルに設けることもできる。
加熱ローラ52のヒータ55(加熱手段)は、ハロゲンヒータであって、その両端部が加熱装置50の側板(不図示である。)に固定されている。そして、装置本体1の電源部(交流電源)72により出力制御されたヒータ55からの輻射熱によって加熱ローラ52が加熱されて、さらに加熱ローラ52が記録媒体Pの転写面に当接して記録媒体Pに熱が加えられる。ヒータ55の出力制御は、加熱ローラ52表面に非接触で対向するサーモパイル56によるローラ表面温度の検知結果に基いておこなわれる。詳しくは、サーモパイル56の検知結果に基づいて定められる通電時間だけ、ヒータ55に交流電圧が印加される。このようなヒータ55の出力制御によって、加熱ローラ52の表面温度を所望の温度(目標値)に調整制御することができる。
そして、圧接ローラ61は、圧接機構66、67によって加熱ローラ52に圧接する。詳しくは、圧接機構は、圧接レバー66、カム67、等で構成される。圧接レバー66は、一端が加熱装置50の側板に回動自在に支持され、他端がカム67で支持され、中央には圧接ローラ61の軸部64が載置されている。このような構成により、圧接ローラ61は上方(加熱ローラ52の側である。)に押し上げられ、圧接ローラ61と加熱ローラ52との間に所望のニップ部が形成される。
また、本実施の形態1では、加熱ローラ52と圧接ローラ61とを離間する離間手段が設けられている。詳しくは、図5を参照して、カム67が駆動部74によって所定回転駆動されることで、圧接レバー66が回動軸を中心にして所定角度回動して、加熱ローラ52に対して圧接ローラ61が完全に離間する位置まで移動する。ここで、位置検知センサ68a〜68cによって圧接レバー66の先端位置を光学的に検知して、その検知結果を制御部43に送ることで、圧接ローラ61が離間位置にあることが制御部43において制御管理される。なお、このように圧接ローラ61を離間する動作は、操作者によって通常モードが選択されたときにおこなわれる。
このガイド板75a、75bは、図5に示すように、不図示の移動手段(駆動モータ等で構成されている。)によって、上述した離間手段66、67によって加熱ローラ52と圧接ローラ61とが離間された後の加熱ローラ52に記録媒体Pが接触しないように移動される(図5の破線で示す位置からの移動である。)。詳しくは、通常モードが選択されているときに、離間手段66、67によって圧接ローラ61の離間動作がおこなわれるとともに、移動手段による記録媒体Pの搬送経路(ガイド板75a、75b)の移動動作がおこなわれる(図5の状態である。)。さらに、通常モード時には、圧接ローラ61のみが回転駆動されて、加熱ローラ52には回転駆動力が伝達されないように構成している。
加熱装置50によって記録媒体Pに与えられる単位面積当たりの加熱量を可変する可変手段としては、ヒータ55(加熱手段)の加熱温度を可変する加熱温度可変手段や、ニップ部におけるニップ幅を可変するニップ幅可変手段を用いることができる。
また、高光沢モード時において、用紙温度検知センサ60によって加熱装置50を通過した直後の記録媒体Pの温度が検知されると、その検知結果が制御部43に送られて、制御部43によって圧接レバー66の位置が必要に応じて可変されるように駆動部74(カム67)が制御される。これにより、ニップ部におけるニップ幅が調整されて、記録媒体Pに与えるプレ加熱量(単位面積当りの加熱量である。)が最適化される。本実施の形態1では、用紙温度検知センサ60の検知温度によって圧接レバー66の先端位置(カム67の位置)を第2位置検知センサ68bで検知される基準位置から第1位置検知センサ68a又は第3位置検知センサ68cで検知される位置に変位させて、用紙温度検知センサ60の検知温度が一定値Qに安定するように制御している。
なお、加熱装置50によって記録媒体Pに与えられるプレ加熱量を可変する可変手段としては、ヒータ55の加熱温度を可変する加熱温度可変手段と、ニップ部におけるニップ幅を可変するニップ幅可変手段と、のうち一方のみを用いることもできるし、双方を用いることもできる。
図6に示すように、高光沢モードが選択されると(ステップS1)、加熱装置50が通常モードの状態(図5の状態である。)から高光沢モードの状態(図4の状態である。)に設定される。このとき、加熱装置50のカム位置(圧接レバー66の姿勢である。)が基準位置a2(第2位置検知センサ68bで検知される位置である。)に設定されるとともに、加熱ローラ52の加熱温度(ヒータ55の出力である。)が基準値A2に設定される(ステップS2)。さらに、定着装置20のカム位置(加圧レバー36の姿勢である。)が基準位置b2(第2位置検知センサ38bで検知される位置である。)に設定されるとともに、定着ベルト21の定着温度(ヒータ25の出力である。)が基準値B2に設定される(ステップS3)。その後、加熱装置50のカム位置の変更動作(圧接レバー66の移動)が終了したかが判別されて、終了していないと判別された場合にはステップS2以降のフローを繰り返す。
そして、用紙温度検知センサ60の検知結果が所定値Qよりも5℃低い温度(Q−5℃)よりも大きいかが判別される(ステップS6)。その結果、用紙温度検知センサ60の検知結果がQ−5℃以上ではないと判別された場合には、プレ加熱量が不足しているものとして、加熱ローラ52の加熱温度を基準値A2よりも5℃増加させる。
これに対して、用紙温度検知センサ60の検知結果がQ−5℃以上であると判別された場合には、さらに用紙温度検知センサ60の検知結果が所定値Qよりも5℃高い温度(Q+5℃)よりも小さいかが判別される(ステップS7)。その結果、用紙温度検知センサ60の検知結果がQ+5℃以下ではないと判別された場合には、プレ加熱量が過剰であるものとして、加熱ローラ52の加熱温度を基準値A2よりも5℃減少させる。
その結果、ジョブが終了していないものと判別された場合には、ステップS5以降のフローが繰り返される。これに対して、ジョブが終了しているものと判別された場合には、加熱装置50のカム位置をデフォルト位置(通常モード時の位置である。)に戻して本フローを終了する(ステップS10)。
このような構成・動作により、通常モード時では、記録媒体Pが加熱ローラ52から熱を受けずに、転写位置での記録媒体Pの温度を常温レベルに保てるので、安定した通常モード時の出力画像が得られることになる。
これにより、記録媒体Pの紙間等で記録媒体Pがない状態で用紙温度検知センサ60が温度検知してしまう不具合が抑止される。また、記録媒体Pがない状態で用紙温度検知センサ60が温度検知してしまっても、そのデータを事後的に削除することができる。また、両面プリント時において、最初の片面(第1面)への画像形成時にのみ加熱装置50によるプレ加熱をおこなう制御をおこなうこともできるため、高光沢制御の信頼性がアップする。
定着装置20によって記録媒体Pに与えられる単位面積当たりの加熱量を可変する第2可変手段としては、ヒータ25(第2加熱手段)の加熱温度を可変する第2加熱温度可変手段や、第2ニップ部におけるニップ幅を可変する第2ニップ幅可変手段を用いることができる。
また、高光沢モード時において、用紙温度検知センサ60によって加熱装置50を通過した直後の記録媒体Pの温度が検知されると、その検知結果が制御部43に送られて、制御部43によって加圧レバー36の位置が必要に応じて可変されるように駆動部44(カム37)が制御される。これにより、加熱装置50のプレ加熱条件の変更によりプレ加熱量が多少変化してしまっても出力画像上の光沢が均一になるように調整できる。本実施の形態1では、用紙温度検知センサ60の検知温度が規定値に対して増減した場合に、用紙温度検知センサ60の検知温度によって加圧レバー36の先端位置(カム37の位置)を第2位置検知センサ38bで検知される基準位置から第1位置検知センサ38a又は第3位置検知センサ38cで検知される位置に変位させて、所望の光沢度を得るための熱量の過不足分を補っている。
このように、プレ加熱された記録媒体Pの温度が多少変化しても、定着装20の供給熱量で変動量を調整するので、出力画像の光沢度を最適化かつ安定化することができる。
なお、定着装置20によって記録媒体Pに与えられる加熱量を可変する第2可変手段としては、ヒータ25の加熱温度を可変する第2加熱温度可変手段と、第2ニップ部におけるニップ幅を可変する第2ニップ幅可変手段と、のうち一方のみを用いることもできるし、双方を用いることもできる。
図7に示すように、高光沢モードが選択されると(ステップS1)、加熱装置50が通常モードの状態(図5の状態である。)から高光沢モードの状態(図4の状態である。)に設定される。このとき、加熱装置50のカム位置(圧接レバー66の姿勢である。)が基準位置a2(第2位置検知センサ68bで検知される位置である。)に設定されるとともに、加熱ローラ52の加熱温度(ヒータ55の出力である。)が基準値A2に設定される(ステップS2)。さらに、定着装置20のカム位置(加圧レバー36の姿勢である。)が基準位置b2(第2位置検知センサ38bで検知される位置である。)に設定されるとともに、定着ベルト21の定着温度(ヒータ25の出力である。)が基準値B2に設定される(ステップS3)。その後、加熱装置50のカム位置の変更動作(圧接レバー66の移動)が終了したかが判別されて、終了していないと判別された場合にはステップS2以降のフローを繰り返す。
そして、用紙温度検知センサ60の検知結果が所定値Qよりも5℃低い温度(Q−5℃)よりも大きいかが判別される(ステップS6)。その結果、用紙温度検知センサ60の検知結果がQ−5℃以上ではないと判別された場合には、定着ベルト21の表面温度を基準値B2よりも5℃増加させる。
これに対して、用紙温度検知センサ60の検知結果がQ−5℃以上であると判別された場合には、さらに用紙温度検知センサ60の検知結果が所定値Qよりも5℃高い温度(Q+5℃)よりも小さいかが判別される(ステップS7)。その結果、用紙温度検知センサ60の検知結果がQ+5℃以下ではないと判別された場合には、定着ベルト21の表面温度を基準値B2よりも5℃減少させる。
以下、ステップS8以降のフローは、図6におけるステップS8以降のフローと同様である。
転写位置(2次転写ニップ)では、高光沢モード時に、プレ加熱された記録媒体Pが中間転写ベルト17に接触する。そのため、連続プリントをおこなうときや加熱装置50が高温設定されたときに、中間転写ベルト17の表面温度が高くなってしまうことがある。したがって、中間転写ベルト17の温度を第2温度検知センサ85によって非接触で検知して、検知温度が所定値を超えたら、冷却ファン86を稼動して中間転写ベルト17を冷却する。これにより、プレ加熱によって加熱された記録媒体Pが転写位置を通過しても、中間転写ベルト17の急激な昇温が防止されるために、中間転写ベルト17やこれに対向する作像部材が熱的な影響を受ける不具合が抑止される。なお、冷却ファン86は定着装置20や搬送ベルト80の上方に配設されていて、上方に向けて送風しているために、定着装置20や搬送ベルト80に風による影響を及ぼすことがない。
さらに、先に説明したように、圧接ローラ61の断熱弾性層62も、発泡シリコーンゴム等の断熱弾性材料で形成されている。これにより、高光沢モード時に加熱ローラ52に接触しても熱が蓄積されずに、通常モード時に記録媒体Pが圧接ローラ61に当接して温められるのを防止することができる。
このように、高光沢モードから通常モードに切り替わったときに高光沢モードによる熱の影響を防止できる。
図8にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図8は、実施の形態2における画像形成装置でおこなわれる制御を示すフローチャートである。本実施の形態2における画像形成装置は、紙厚等の異なる記録媒体Pの種類に応じた制御をおこなっている点が、前記実施の形態1のものとは相違する。
さらに、本実施の形態2における画像形成装置は、記録媒体Pの搬送速度(プロセス線速)を可変する搬送速度可変手段が設けられている。具体的に、作像部材を駆動する駆動モータや記録媒体Pを搬送する搬送部材を駆動する駆動モータ等の回転駆動速度を可変できるように構成されている。
そして、検出手段としての紙厚センサの検出結果に応じて、加熱装置50の加熱温度可変手段やニップ幅可変手段、上述した搬送速度可変手段のうち少なくとも1つが制御される。
種々の紙厚の記録媒体Pに対して良好な定着性を維持するためには、通常モード時でも定着温度を変更したり記録媒体Pの搬送速度を遅くしたりして、定着装置20の第2ニップ部におけるニップ時間を増やす必要がある。したがって、それらの種々の紙厚の記録媒体Pに対して良好な光沢性を維持するには、上述した通常モード時での条件の変化に対応する必要がある。そのため、高光沢モードが選択されたときにも、紙厚センサの検出結果に応じて、加熱装置50の加熱温度可変手段やニップ幅可変手段、上述した搬送速度可変手段のうち少なくとも1つを制御している。これにより、記録媒体Pの種類が変わっても、光沢度の高い出力画像を安定的に提供することができる。
図8に示すように、高光沢モードが選択されると(ステップS1)、まず、紙厚センサ(検出手段)によって記録媒体Pの紙厚が検知され、その検知結果に応じて用紙設定値Nが1〜3のいずれかであるか判別される(ステップS0)。なお、用紙設定値Nが1のときは紙厚の薄い記録媒体P(薄紙)であって、用紙設定値Nが2のときは通常の紙厚の記録媒体P(普通紙)であって、用紙設定値Nが3のときは紙厚の厚い記録媒体P(厚紙)である。
その結果、用紙設定値Nが2のときは、前記実施の形態1における図6のステップS2〜ステップS10と同様のフローがおこなわれる。
そして、用紙温度検知センサ60の検知結果が所定値Pよりも5℃低い温度(P−5℃)よりも大きいかが判別される(ステップS16)。その結果、用紙温度検知センサ60の検知結果がP−5℃以上ではないと判別された場合には、加熱ローラ52の加熱温度を基準値A1よりも5℃増加させる。
これに対して、用紙温度検知センサ60の検知結果がP−5℃以上であると判別された場合には、さらに用紙温度検知センサ60の検知結果が所定値Pよりも5℃高い温度(P+5℃)よりも小さいかが判別される(ステップS17)。その結果、用紙温度検知センサ60の検知結果がP+5℃以下ではないと判別された場合には、加熱ローラ52の加熱温度を基準値A1よりも5℃減少させる。
以下、ステップS18以降のフローは、図6におけるステップS8以降のフローと同様である。
その結果、線速設定値Xが2のときは、ステップS22〜ステップS30において、前記実施の形態1における図6のステップS2〜ステップS10と同様のフローがおこなわれる。ただし、ステップS26とステップS27において判別基準となる所定値Sは、図6における所定値Qと異なる値である。
そして、用紙温度検知センサ60の検知結果が所定値Rよりも5℃低い温度(R−5℃)よりも大きいかが判別される(ステップS36)。その結果、用紙温度検知センサ60の検知結果がR−5℃以上ではないと判別された場合には、加熱ローラ52の加熱温度を基準値A3よりも5℃増加させる。
これに対して、用紙温度検知センサ60の検知結果がR−5℃以上であると判別された場合には、さらに用紙温度検知センサ60の検知結果が所定値Rよりも5℃高い温度(R+5℃)よりも小さいかが判別される(ステップS37)。その結果、用紙温度検知センサ60の検知結果がR+5℃以下ではないと判別された場合には、加熱ローラ52の加熱温度を基準値A3よりも5℃減少させる。
以下、ステップS38以降のフローは、図6におけるステップS8以降のフローと同様である。
そして、用紙温度検知センサ60の検知結果が所定値Tよりも5℃低い温度(T−5℃)よりも大きいかが判別される(ステップS46)。その結果、用紙温度検知センサ60の検知結果がT−5℃以上ではないと判別された場合には、加熱ローラ52の加熱温度を基準値A3よりも5℃増加させる。
これに対して、用紙温度検知センサ60の検知結果がT−5℃以上であると判別された場合には、さらに用紙温度検知センサ60の検知結果が所定値Tよりも5℃高い温度(T+5℃)よりも小さいかが判別される(ステップS47)。その結果、用紙温度検知センサ60の検知結果がT+5℃以下ではないと判別された場合には、加熱ローラ52の加熱温度を基準値A3よりも5℃減少させる。
以下、ステップS48以降のフローは、図6におけるステップS8以降のフローと同様である。
17 中間転写ベルト(像担持体)、
18 2次転写ローラ(転写手段)、
19A 2次転写対向ローラ、
20 定着装置、
21 定着ベルト(定着部材)、
22 定着補助ローラ、
23 定着加熱ローラ、
25 ヒータ(第2加熱手段)、
31 加圧ローラ(加圧部材)、
50 加熱装置、
52 加熱ローラ(加熱部材)、
61 圧接ローラ(圧接部材)、
55 ヒータ(加熱手段)、
60 用紙温度検知センサ(温度検知手段)、
66 圧接レバー、
67 カム、
85 ベルト温度検知センサ(第2温度検知手段)、
86 冷却ファン(冷却手段)、 P 記録媒体。
Claims (10)
- トナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体に対向する転写位置に搬送される記録媒体上に当該像担持体に担持されたトナー像を転写する転写手段と、
記録媒体の転写面に当接するとともに加熱手段によって加熱される加熱部材と、前記加熱部材に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する圧接部材と、を具備して、記録媒体が前記転写位置に搬送される前に当該記録媒体を加熱する加熱装置と、
前記転写位置にて転写された記録媒体上のトナー像を当該記録媒体上に定着する定着装置と、
前記加熱装置を通過した後の記録媒体の温度を検知する温度検知手段と、
前記加熱装置によって記録媒体に与えられる単位面積当たりの加熱量を可変する可変手段と、
前記加熱部材と前記圧接部材とを離間する離間手段と、
前記離間手段によって前記加熱部材と前記圧接部材とが離間された後の当該加熱部材に記録媒体が接触しないように記録媒体の搬送経路を移動する移動手段と、
を備え、
前記温度検知手段の検知結果に基いて前記可変手段を制御し、
前記加熱装置による記録媒体の加熱をおこない光沢度の高い画像を出力する高光沢モードが装置を操作する操作者に選択されていない場合に、前記離間手段によって前記加熱部材と前記圧接部材とが離間されて、前記移動手段によって前記加熱部材に記録媒体が接触しないように記録媒体の搬送経路が移動されるとともに、前記圧接部材が駆動されることを特徴とする画像形成装置。 - 装置を操作する操作者が、前記加熱装置による記録媒体の加熱をおこなわない通常モードと、前記高光沢モードと、のいずれかを選択できるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記可変手段は、前記加熱手段の加熱温度を可変する加熱温度可変手段、又は/及び、前記ニップ部におけるニップ幅を可変するニップ幅可変手段であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 記録媒体の種類を検出する検出手段と、
記録媒体の搬送速度を可変する搬送速度可変手段と、
を備え、
前記高光沢モードが装置を操作する操作者に選択されているときに、前記検出手段の検出結果に応じて、前記加熱温度可変手段、前記ニップ幅可変手段、前記搬送速度可変手段のうち少なくとも1つを制御することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記圧接部材は、断熱弾性層を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記加熱装置に対して搬送方向上流側と搬送方向下流側とに記録媒体を検知する記録媒体検知手段を備え、
前記記録媒体検知手段の検知結果に基いて、前記温度検知手段によって記録媒体の温度を検知するタイミングを定めることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記定着装置によって記録媒体に与えられる単位面積当たりの加熱量を可変する第2可変手段を備え、
前記温度検知手段の検知結果に基いて前記第2可変手段を制御することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記定着装置は、記録媒体の定着面に当接するとともに第2加熱手段によって加熱される定着部材と、前記定着部材に圧接して記録媒体が搬送される第2ニップ部を形成する加圧部材と、を具備し、
前記第2可変手段は、前記第2加熱手段の加熱温度を可変する第2加熱温度可変手段、又は/及び、前記第2ニップ部におけるニップ幅を可変する第2ニップ幅可変手段であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。 - 前記像担持体の温度を検知する第2温度検知手段と、
前記像担持体を冷却する冷却手段と、
を備え、
前記第2温度検知手段によって検知された温度が所定値に達したときに前記冷却手段によって前記像担持体を冷却することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記像担持体は、中間転写ベルトであって、
前記中間転写ベルトを張架するとともに、前記転写位置で前記中間転写ベルトを介して2次転写ローラに圧接する2次転写対向ローラを備え、
前記2次転写対向ローラは、断熱弾性層を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。
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