JP2016057347A - 定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ニップ部に対して搬送方向下流側の位置において記録媒体Pの定着面に対向するように上ガイド板36が配設されていて、その上ガイド板36は、加圧ローラ31の回転軸に直交する断面でみたときに、曲率が1/20(1/mm)以上であって分離爪46が加圧ローラ31に当接する位置を通って分離爪46の分離搬送面46aに接する仮想円Aが交わる点における仮想接線Bと、上ガイド板36のガイド面36aと、の搬送方向下流側のガイド面36a側の交角θが90度より大きくなるように形成されている。
【選択図】図3
Description
詳しくは、定着装置は、定着ベルト、定着ローラ等の定着回転体に対して、加圧ローラ、加圧ベルト等の加圧回転体が圧接して、記録媒体が搬送されるニップ部が形成されている。そして、定着回転体と加圧回転体との間(ニップ部である。)に記録媒体が搬送されて、記録媒体上のトナー像が定着される。そして、特許文献1では、ニップ部に対して搬送方向下流側の位置で加圧回転体の外周面に当接するように、分離爪(加圧側分離部材)が設置されている。これにより、ニップ部から加圧回転体の外周面に沿うように記録媒体が送出されてしまっても、その記録媒体が分離爪に干渉して加圧回転体から分離されて、その後に下流側に向けて搬送されることになる。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、6は定着工程後の記録媒体Pを搬送する搬送ローラ対、7は記録媒体P(用紙)が収容される給紙装置(給紙部)、9は記録媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される感光体ドラム、12は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成される静電潜像を現像する現像部、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成されたトナー像を記録媒体P上に重ねて転写する1次転写バイアスローラ、15は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の未転写トナーを回収するクリーニング部、を示す。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ14が設置されている。そして、転写バイアスローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング部16の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部16に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙装置7から、給紙ローラ8により給送された記録媒体Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9(タイミングローラ)に達した記録媒体Pは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、搬送ローラ対6によって搬送された後に、排紙ローラ対によって装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2に示すように、定着装置20は、定着補助ローラ22、加熱ローラ23、定着回転体としての定着ベルト21、テンションローラ24、当接部材としての分離パッド26、加圧回転体としての加圧ローラ31、温度センサ40、定着側分離部材としての定着分離板45、加圧側分離部材としての分離爪46、入口ガイド板34、ガイド部材としての上ガイド板36、下ガイド板35、等で構成される。
なお、本実施の形態では、弾性層22bの材料として発泡シリコーンゴムを用いたが、弾性層22bの材料としてフッ素ゴム、シリコーンゴム等を用いることもできる。
加熱ローラ23のヒータ25は、ハロゲンヒータであって、その両端部が定着装置20の側板(不図示である。)に固定されている。そして、装置本体1に設置された不図示の電源部(交流電源)により出力制御されたヒータ25からの輻射熱によって加熱ローラ23が加熱されて、さらに加熱ローラ23によって加熱された定着ベルト21の表面から記録媒体P上のトナー像に熱が加えられる。ヒータ25(加熱手段)の出力制御は、定着ベルト21表面に非接触で対向する温度センサ40(サーモパイル)によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。詳しくは、温度センサ40の検知結果に基づいて定められる通電時間だけ、電源部からヒータ25に交流電圧が印加される。このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度(目標制御温度)に調整制御することができる。
なお、弾性層33の表層にPFA等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。また、加圧ローラ31の外周面にシリコーンオイルなどが含浸されたクリーニングローラを摺接させることもできる。さらに、定着ベルト21に対して加圧ローラ31を接離する接離機構を設けることもできる。
なお、本実施の形態では、分離パッド26として、樹脂材料からなる半円柱状の部材の外周面に、摺動性の高いシート材を貼着したものを用いている。
詳しくは、図6を参照して、定着分離板45は、フッ素樹脂からなる分離板本体451、分離板本体451を保持する保持部材452、分離板本体451の幅方向両端部にそれぞれ設置された突当部材453、等で構成される。保持部材452は、幅方向両端部にそれぞれ起立する支軸452aを介して、定着装置20の両側版に支持されている。また、突当部材453が定着ベルト21の非画像領域に当接することで、定着ベルト21に対して分離板本体451が微小ギャップで対向することになる。
このような定着分離板45を設けることで、ニップ部から送出される記録媒体Pの定着ベルト21に対する分離性をさらに高めることができる。すなわち、ニップ部から記録媒体Pが定着ベルト21の外周面に沿うよう送出されてしまったときに、その記録媒体Pを定着ベルト21から分離することができる。
また、定着ベルト21と加圧ローラ31とのニップ部の出口側(ニップ部に対して搬送方向下流側の位置)には、ニップ部から送出された記録媒体Pの搬送を案内する上ガイド板36及び下ガイド板35が配設されている。ガイド部材としての上ガイド板36は、ニップ部から送出された記録媒体Pの定着面(直前の定着工程において定着画像が形成された面である。)に対向するように配設されている。また、下ガイド板35は、ニップ部から送出された記録媒体Pの非定着面に対向するように配設されていて、上ガイド板36との間に記録媒体Pの搬送経路を形成している。
なお、ガイド部材としての上ガイド板36については、さらに後で詳しく説明する。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、電源部からヒータ25に交流電圧が印加(給電)されるとともに、不図示の駆動モータによって定着補助ローラ22が回転駆動されて、それぞれの部材同士の摩擦抵抗によって定着ベルト21、加熱ローラ23、加圧ローラ31が図2中の矢印方向に回転(従動)する。
その後、給紙装置7から記録媒体Pが給送されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の各色のトナーが記録媒体P上に未定着画像として担持される。未定着画像(トナー像)が担持された記録媒体Pは、図2の一点鎖線の矢印方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。そして、定着ベルト21による加熱と、定着ベルト21(定着補助ローラ22)及び加圧ローラ31の押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像が定着される。その後、回転する定着ベルト21及び加圧ローラ31によってそのニップ部から送出された記録媒体Pは、上下に対向するように配設された2つのガイド板35、36に案内されながら一点鎖線の矢印方向に搬送されて、搬送ローラ対6の位置に達して、さらに搬送ローラ対6の回転によって搬送方向下流側に搬送される。
先に説明したように、本実施の形態における定着装置20には、図2〜図4に示すように、ニップ部(定着ニップ部)に対して搬送方向下流側の位置において記録媒体Pの定着面に対向するように、上ガイド板36(ガイド部材)が配設されている。
ここで、本実施の形態において、この上ガイド板36(ガイド部材)は、図3に示すように、加圧ローラ31(加圧回転体)の回転軸に直交する断面でみたときに、曲率が1/20(1/mm)以上であって、分離爪46(加圧側分離部材)が加圧ローラ31に当接する位置を通って分離爪46の分離搬送面46aに接する仮想円Aが交わる点における仮想接線Bと、上ガイド板36のガイド面36aと、の搬送方向下流側のガイド面36a側の交角θが90度より大きくなるように形成されている。
詳しくは、薄い記録媒体P(薄紙)はコシが弱いため、定着ベルト21から受ける熱によってニップ部を通過した後にフェイスカール(定着ベルト21側が凹状になるカールである。)しやすくなる。また、両面プリントにおいてウラ面の定着工程後は、記録媒体Pのオモテ面(第1面)の定着画像がニップ部で再び熱を受けて半溶融状態になるため加圧ローラ31に吸着しやすくなる。そのため、薄紙Pを用いた両面プリントにおけるウラ面への定着工程時において、ニップ部から送出される記録媒体P(薄紙)は、図4(A)に示すように、その先端部に曲率半径R20(mm)以下の大きなカール(フェイスカール)が形成された状態で加圧ローラ31に吸着した状態で加圧ローラ31の回転に沿うように移動して、分離爪46によって分離されて、カールした先端部(破線で囲んだ部分である。)が上ガイド板36にぶつかることになる。しかし、本実施の形態における上ガイド板36は、先に説明したように曲率半径R20(mm)以下の仮想円Aの仮想接線Bに対するガイド面36aの角度θが鈍角になるように形成されているため、図4(B)に示すように、カールした先端部が上ガイド板36にぶつかっても、先端部がガイド面36aに引っ掛かることなく、ガイド面36a上を滑るように記録媒体Pが搬送されることになる。
すなわち、上ガイド板36が本実施の形態のように構成されていない場合には、図5に示すように、大きくフェイスカールした記録媒体Pの先端部が、分離爪46によって分離された後に、上ガイド板360にぶつかって、先端部がガイド面に引っ掛かってジャム(紙詰まり)してしまうことになる。
また、上述した仮想円Aの曲率は、1/20(1/mm)以上であって1/15(1/mm)以下に設定することが好ましい。これは、曲率が1/15(1/mm)を超える大きなフェイスカールはほとんど生じ得ないためである。
なお、本実施の形態において、上ガイド板36のガイド面36aに、低摩擦係数材料で形成されて搬送方向に延在する複数のリブを形成することもできる。そして、そのような場合であっても、同様に、記録媒体Pがガイド面36aに沿ってスムーズに搬送されることになる。
詳しくは、図7(及び、図6)を参照して、分離板本体451が、圧縮スプリング455が巻装されたネジ454を介して保持部材452に保持されるように構成することができる。そして、定着ベルト21に対する定着分離板45のギャップを全体的に狭めたいときには複数のネジ454を締める方向に同じように移動させて、定着ベルト21に対する定着分離板45のギャップを全体的に広げたいときには複数のネジ454を緩める方向に同じように移動させる。また、定着ベルト21に対する定着分離板45のギャップについて幅方向の偏差を可変したいときには、複数のネジ454を別々に緩めたり締めたりすることになる。
このように構成することで、ニップ部から送出される記録媒体Pの定着ベルト21に対する分離性をさらに高めることができる。
さらに、本実施の形態では定着回転体を加熱する加熱手段としてヒータ25を用いたが、定着回転体を加熱する加熱手段として励磁コイル(電磁誘導加熱方式の定着装置に対応する加熱手段である。)を用いることもできるし、加熱手段として抵抗発熱体を用いることもできる。
そして、それらのような場合にも、本実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、ニップ部に対して搬送方向下流側の位置で加圧回転体の外周面に当接するように分離爪46を設置して加圧側分離部材として機能させたが、ニップ部に対して搬送方向下流側の位置で加圧回転体の外周面に微小ギャップをあけて対向するように分離板を設置して加圧側分離部材として機能させることもできる。なお、その場合、上述した、仮想円Aは、曲率が1/20(1/mm)以上であって分離爪46(加圧側分離部材)が加圧ローラ31に微小ギャップで近接する爪の先端位置を通って分離爪46の分離搬送面46aに接する仮想円Aとする。
そして、それらのような場合にも、本実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
20 定着装置、
21 定着ベルト(定着回転体)、
22 定着補助ローラ(ローラ部材)、
23 加熱ローラ(ローラ部材)、
25 ヒータ(加熱手段)、
26 分離パッド(当接部材)、
31 加圧ローラ(加圧回転体)、
40 温度センサ、
35 下ガイド板、
36 上ガイド板(ガイド部材)、
45 定着分離板(定着側分離部材)、
46 分離爪(加圧側分離部材)、
A 仮想円、 B 仮想接線、 P 記録媒体。
Claims (8)
- トナー像を加熱して記録媒体上に定着する定着回転体と、
前記定着回転体に圧接することで記録媒体が搬送されるニップ部を形成する加圧回転体と、
前記ニップ部に対して搬送方向下流側の位置で前記加圧回転体の外周面に当接又は対向するように配設され、前記記録媒体を前記加圧回転体から分離するための加圧側分離部材と、
前記ニップ部に対して搬送方向下流側の位置において記録媒体の定着面に対向するように配設されて、前記ニップ部から送出された記録媒体の搬送を案内するガイド部材と、
を備え、
前記ガイド部材は、前記加圧回転体の回転軸に直交する断面でみたときに、曲率が1/20(1/mm)以上であって前記加圧側分離部材が前記加圧回転体に当接又は対向する位置を通って前記加圧側分離部材の分離搬送面に接する仮想円が交わる点における仮想接線と、当該ガイド部材のガイド面と、の搬送方向下流側の前記ガイド面側の交角が90度より大きくなるように形成されたことを特徴とする定着装置。 - 前記仮想円は、曲率が1/20(1/mm)以上であって1/15(1/mm)以下の仮想円であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記ガイド部材は、前記ガイド面が低摩擦係数材料で形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
- 前記ガイド部材は、前記ガイド面に、低摩擦係数材料で形成されて搬送方向に延在する複数のリブが形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
- 前記定着回転体は、複数のローラ部材に張架された定着ベルトであって、
前記複数のローラ部材のうちの1つであって、前記定着ベルトを介して前記加圧回転体に当接して前記ニップ部を形成する定着補助ローラと、
前記ニップ部に対して前記定着ベルトの回転方向下流側の位置で前記定着ベルトの内周面に当接するように前記定着補助ローラとの間に配設されて、前記回転方向下流側の位置において前記定着ベルトの曲率を大きく形成する当接部材と、
前記定着ベルトを介して前記当接部材に対向する位置において、少なくとも前記定着ベルトの外周面における画像領域に対して非接触で対向するように、前記定着ベルトと前記ガイド部材との間に配設された定着側分離部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。 - 前記定着側分離部材は、前記定着ベルトの外周面における画像領域に対する対向距離を可変できるように構成されたことを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
- 前記定着側分離部材は、少なくとも、その分離搬送面と前記定着ベルトに対向する部分とが低摩擦係数材料で形成されたことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の定着装置。
- 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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