JP5765031B2 - 定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Description
このようなベルト方式の定着装置は、厚さが薄くて低熱容量の定着ベルトを用いているために、定着ベルトが定着可能な所定温度に達するまでの立ち上がり時間を短くすることができる反面、小サイズ紙を連続通紙したとき等に定着ベルトにおける非通紙領域の熱が通紙領域に伝導しにくくて非通紙領域が過昇温してしまう不具合が生じやすいことが知られている。そして、このような不具合を解消するために、小サイズ紙の通紙領域と非通紙領域とをそれぞれ独立して加熱するヒータ、励磁コイル等の加熱手段を複数設置する技術も広く知られている。
特に、電磁誘導加熱方式の定着装置は、加熱手段となる励磁コイル・ユニットによって、装置が大型化・高コスト化してしまう問題があった。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は転写紙等の記録媒体Pが収容される給紙部、9は記録媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される感光体ドラム、12は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成される静電潜像を現像する現像部、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成されたトナー像を記録媒体P上に重ねて転写する転写バイアスローラ(1次転写バイアスローラ)、15は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の未転写トナーを回収するクリーニング部、を示す。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ14が設置されている。そして、転写バイアスローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング部16の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部16に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された記録媒体Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した記録媒体Pは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラによって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
なお、本実施の形態では、記録媒体Pの搬送速度(プロセス線速)が100〜300mm/秒程度に設定されている。
図2は、定着装置20を示す構成図である。図3は、張架ローラ23を幅方向に示す断面図である。
図2に示すように、定着装置20は、定着補助ローラ22(第1のローラ部材)、張架ローラ23(第2のローラ部材)、定着ベルト21(定着部材)、ヒータ25(加熱手段)、加圧回転体としての加圧ローラ31、温度センサ40、45、ガイド板38、分離板35、分離爪39、等で構成される。
このように、定着ベルト21を加熱するヒータ25(加熱手段)として、安価なハロゲンヒータを1つだけ設置することで定着装置20の低コスト化・小型化が達成される。特に、ヒータ25は、定着ベルト21の外周面に対向するように配設されているのではなく、定着ベルト21の内周面に対向するように定着ベルト21の内部に収納(配設)されているために、装置の小型化が達成される。また、定着ベルト21は、定着補助ローラや加熱ローラ等に内設されたヒータによって間接的に加熱されるのではなく、ヒータ25によって直接的に加熱されるために、定着ベルト21の加熱効率を向上させることができる。
そして、加圧ローラ31は、不図示の加圧機構によって定着ベルト21を介して定着補助ローラ22に圧接する。こうして、加圧ローラ31と定着ベルト21との間に、所望のニップ部が形成される。
また、定着ベルト21の外周面に対向する位置であって、ニップ部の出口側近傍には、分離板35が配設されている。分離板35は、定着工程後の記録媒体Pが定着ベルト21の回転に沿って定着ベルト12に巻き付いてしまう不具合を抑止する。
また、加圧ローラ31の外周面に対向する位置であって、ニップ部の出口側近傍には、分離爪39が配設されている。分離板39は、定着工程後の記録媒体Pが加圧ローラ31の回転に沿って加圧ローラ31に巻き付いてしまう不具合を抑止する。
装置本体1の電源スイッチ(主電源)が投入されると、交流電源からヒータ25に交流電圧が印加(給電)されるとともに、不図示の駆動モータに連結された加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始されて、その他の部材(定着ベルト21、定着補助ローラ22、張架ローラ23)も接触する相手部材との摩擦抵抗によって図2中の矢印方向にそれぞれ従動回転する。
その後、給紙部7から記録媒体Pが給送されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の各色のトナーが記録媒体P上に未定着画像として担持される。未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。そして、定着ベルト21による加熱と、定着ベルト21(定着補助ローラ22)及び加圧ローラ31の押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、回転する定着ベルト21及び加圧ローラ31によってそのニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印Y11方向に搬送される。
図3を参照して、本実施の形態において、張架ローラ23は、その内部が中空構造になっていて、その内周面に幅方向にわたって接触するようにヒートパイプ24が内設されている。また、本実施の形態において、張架ローラ23は、ヒートパイプ24が内設された円筒状の芯金23a、芯金23a上に積層された弾性層23b、芯金23aの両端にそれぞれ圧入された軸部23c、等で構成されている。また、ヒートパイプ24は、熱伝導性が高い銅等の金属材料からなる略円筒状の容器部24aの内部に、揮発性の液体24b(作動液)が減圧封入されている。
詳しくは、張架ローラ23において、幅方向(図3の左右方向である。)の両端部が中央部に比べて高温になると、それに合わせてヒートパイプ24の両端部の作動液24bが張架ローラ23から熱を吸収して沸騰する。そして、沸騰した作動液24bの蒸気が圧力差によって低温部(中央部)に流れて、ここで作動液の凝縮が起こり熱が放出される。そして、凝集した作動液24bは、容器部24aの内周面に形成された微小な溝(不図示であるが、幅方向に沿って延在するように周方向に放射状に複数形成されている。)による毛細管現象によって再びヒートパイプ24の両端部に移動する。このようなサイクルが繰り返されて、定着ベルト21の両端部の熱が張架ローラ23(ヒートパイプ24)を介して中央部に移動することになる。これにより、定着ベルト21の幅方向両端部の過昇温が防止される。
具体的に、図4(A)や図4(B)に示す定着装置200のように、幅方向中央部を加熱するヒータ250Aと、幅方向両端部を加熱するヒータ250Bと、を設置して、通紙する記録媒体Pのサイズに応じて通電するヒータ250A、250Bを選択するように構成した場合には、それらのヒータ250A、250Bを設置するための定着ベルト210の内部の空間を広く設定する必要があるため、定着装置200が大型化してしまう。また、定着ベルト210の周長が大きくなってベルト表面積が大きくなると、放熱の影響によって定着ベルト210の温度を所定温度に維持するための消費電力も大きくなってしまう。さらに、2本のハロゲンヒータ250A、250Bを使用する場合には、ヒータ同士が互いに熱を吸収又は遮蔽してしまい、定着ベルト210の加熱効率が低下してしまう。このようなことから、図4(A)や図4(B)に示すような定着装置200は、立ち上がり時間の短縮化を充分に達成することができない。
これに対して、本実施の形態における定着装置20は、上述した理由によって、装置の小型化・低コスト化と、立ち上がり時間の短縮化と、非通紙領域の過昇温の軽減化と、のすべてを充分に達成することができることになる。
また、本実施の形態において、張架ローラ23上に設けた弾性層23bは、定着ベルト21との摩擦抵抗によって張架ローラ23を従動回転させるためのものであるため、その層厚はヒートパイプ24への熱移動を妨げないように極力薄く形成することが望ましい。
同様に、本実施の形態における定着装置20には、定着補助ローラ22とヒータ25との間にも、ヒータ25から射出された光を定着ベルト21の内周面に向けて反射させる反射部材としての反射板52が設けられている。このように反射板52(反射部材)を設けることで、ヒータ25によって定着補助ローラ22が直接的に加熱されにくくなるとともに、定着ベルト21がヒータ25から直接的に照射される光の他に反射板52から反射されたヒータ25の光によっても加熱されることになるため、定着ベルト21の加熱効率が向上する。
20 定着装置、
21 定着ベルト(定着部材)、
22 定着補助ローラ(ローラ部材)、
23 張架ローラ(ローラ部材)、
24 ヒートパイプ、
25 ヒータ(ハロゲンヒータ)、
31 加圧ローラ(加圧回転体)、
51、52 反射板(反射部材)、 P 記録媒体。
Claims (7)
- 少なくとも定着補助ローラと張架ローラとの2つのローラ部材によって張架されるとともに、所定方向に走行してトナー像を加熱して溶融する定着ベルトと、
前記定着ベルトに圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する加圧回転体と、
前記定着ベルトの内周面に対向して前記定着ベルトを加熱するヒータと、
を備え、
前記張架ローラは、
その外周面に、前記所定方向に走行する前記定着ベルトとの摩擦抵抗によって当該張架ローラを従動回転させるための弾性層が形成されて、
その内周面に対して幅方向の両端部にそれぞれ隙間をあけて接触するようにヒートパイプが内設されて、前記ヒートパイプの幅方向への熱膨張によって当該張架ローラが変形しないように形成されたことを特徴とする定着装置。 - 前記ヒータは、幅方向の一端側から他端側にわたって前記定着ベルトの内周面に非接触で対向するように配設されたハロゲンヒータであることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記張架ローラと前記ヒータとの間に、前記ヒータから射出された光を前記定着ベルトの内周面に向けて反射させる反射部材を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
- 前記定着補助ローラと前記ヒータとの間に、前記ヒータから射出された光を前記定着ベルトの内周面に向けて反射させる反射部材を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
- 前記張架ローラは、
前記ヒートパイプが内設されて、その外周面に前記弾性層が形成された円筒状の芯金と、
前記芯金の幅方向両端部にそれぞれ圧入された軸部と、
を具備し、
前記軸部と前記ヒートパイプの幅方向端部との間に隙間が形成されるように、前記芯金の内周面に接触するように前記ヒートパイプが挿入されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。 - 前記定着補助ローラは、前記定着ベルトを介して前記加圧回転体に圧接するように配設されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置。
- 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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