JP2016109901A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の大型化やコストアップを招くことなく、非接触式の温度検知手段と温度検知対象の定着部材表面との間隔とを一定に保持し、高精度な温度検知及び温度制御が可能な定着装置を提供する。【解決手段】定着部材33と、定着部材33に圧接して記録媒体Pを挿通させる定着ニップを形成する加圧部材34と、定着部材33を加熱する加熱部材32と、定着部材33表面の温度を非接触の状態で検知する温度検知手段36と、温度検知手段36を、定着部材33表面から所定の距離離間させて支持する温度検知手段支持部材60と、を備え、温度検知手段支持部材30は、通紙可能な最大サイズの前記記録媒体の通過領域外及び画像領域外のいずれかにおいて定着部材33に当接する当接部材60bを有する定着装置である。【選択図】図4

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
従来から、用紙などの記録媒体にトナー画像を転写し、トナー画像が転写された記録材を定着装置へ搬送し、トナー画像を加熱溶融して記録材に定着させる画像形成装置が知られている。定着装置には、一般に、定着部材の温度を検知するために、サーミスタやサーモスタット等の温度検知手段が設けられており、該温度検知手段で検知した温度情報に基づいて、定着部材の温度を所定の温度に維持したり、過度に温度上昇するのを防止したりしている。
温度検知手段としては、定着部材に対して接触して配設されるもの(以下、「接触式」ともいう)と、非接触に配設されるもの(以下、「非接触式」ともいう)とがある。
接触式の温度検知手段を備える定着装置では、定着部材の表面の接触部に接触跡が生じ、該接触跡によって画像上に光沢スジが発生してしまうという問題があった。
一方、非接触式の温度検知手段(サーミスタ)を備える定着装置では、熱により温まった空気は鉛直方向へ移動するため、温度検知手段の配置位置によっては温まった空気が伝わりにくく、実際の温度よりも低い温度を検知してしまうことがある。
これに対し、特許文献1には、用紙の表面に形成されたトナー像を加熱する加熱ローラと、前記加熱ローラの外周面に非接触状態で対向配置されて、前記加熱ローラの表面温度を検知するサーミスタと、を備えた定着装置であって、前記サーミスタは、前記加熱ローラの回転軸が通る水平面よりも上側で、かつ、前記加熱ローラの回転軸が通る鉛直面よりも加熱ローラの回転方向下流側の領域において、前記水平面よりも前記鉛直面に近い位置に配置されるように構成された定着装置が開示されている。
特許文献1の構成によれば、非接触式のサーミスタにおいて加熱ローラの表面温度をより正確に測定することが可能であることが記載されている。
特許文献2には、複数の回転体に巻き掛けられて回転する定着ベルトと、この定着ベルトを挟んで前記回転体の1つと圧接する加圧回転体と、前記定着ベルトを加熱する加熱源とを備え、前記定着ベルトと前記加圧回転体で形成されるニップ部内を通過させることにより、転写材上に未定着トナー画像を定着させる定着装置において、前記定着ベルト温度を検出する非接触式の温度検出手段と、前記何れか1つの回転体を付勢して前記定着ベルトに張力を与える付勢部材とを備え、前記非接触式の温度検出手段の設置角度が調整可能である態様が開示されている。
特許文献2の定着装置によれば、部材の取付け誤差、部品差異により温度検出位置にバラツキが生じた場合でも、容易に非接触式の温度検出手段の設置角度を調整することができ、設置時に正確に温度検出対象の検出箇所を測定できるため、温度検出精度を向上させることができることが記載されている。
しかしながら、非接触式の温度検知手段を最適位置に配置しても、装置を構成する部材(例えば、加熱手段である加熱ローラ)の熱膨張などにより部材の外径や位置が変化し、測定対象である定着部材との間隔に変動が発生し、正確な温度検知ができなくなり、高精度な温度制御が困難になるという問題がある。
また、非接触式の温度検知手段の配置角度を調整する場合は、定着装置自体が大型化してしまうと共に、コストアップの原因となる。
そこで本発明は、装置の大型化やコストアップを招くことなく、非接触式の温度検知手段と温度検知対象の定着部材表面との間隔とを一定に保持し、高精度な温度検知及び温度制御が可能な定着装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明に係る定着装置は、定着部材と、前記定着部材に圧接して記録媒体を挿通させる定着ニップを形成する加圧部材と、前記定着部材を加熱する加熱部材と、前記定着部材表面の温度を非接触の状態で検知する温度検知手段と、前記温度検知手段を、前記定着部材表面から所定の距離離間させて支持する温度検知手段支持部材と、を備え、前記温度検知手段支持部材は、通紙可能な最大サイズの前記記録媒体の通過領域外及び画像領域外のいずれかにおいて前記定着部材に当接する当接部材を有することを特徴とする定着装置である。
本発明によれば、装置の大型化やコストアップを招くことなく、非接触式の温度検知手段と温度検知対象の定着部材表面との間隔とを一定に保持し、高精度な温度検知及び温度制御が可能な定着装置を提供することができる。
本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態の定着装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態の定着装置の支持構造の一例を示す概略構成図である。 本実施形態の定着装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態の定着装置の定着部材を含む要部の上面図である。 本実施形態の定着装置における加熱ローラの移動の一例を示す説明図である。 加熱ローラと温度検知手段を説明する拡大図である。 加熱ローラと温度検知手段を説明する拡大図である。 本実施形態の定着装置における加熱ローラの移動の一例を示す説明図である。 本実施形態の定着装置における加熱ローラの移動の一例を示す説明図である。 加熱ローラと温度検知手段を説明する拡大図である。 本実施形態の定着装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態の定着装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態の定着装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態の定着装置の一例を示す概略構成図である。 図15の加熱ローラの移動を示す説明図である。
以下、本発明に係る定着装置及び画像形成装置について、図面を参照して説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
図1は、本発明に係る画像形成装置の実施の一形態であり、この画像形成装置は、電子写真方式でタンデム式を採用してフルカラー画像を形成可能なカラープリンタ(以下「プリンタ」と記す)である。画像形成装置としては、図1に示すプリンタに限らず、複写機、ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等であってもよい。
まず、図1を用いてプリンタとしての基本構成とその動作について説明し、この後に本形態特有の構成と作用について説明する。
このプリンタは、その基部となる画像形成装置本体1の下部に、記録媒体Pが収納される給紙部2が配設され、その上方に画像形成部3を配置した構成となっている。
画像形成部3には、像担持体を備えた複数の作像手段として4個の作像ユニット8Y,8C,8M,8Bkを備えた作像部8と、複数のローラ4,5,6と、これらローラに巻き掛けられた可撓性を有する無端ベルトにより構成された中間転写体としての中間転写ベルト7aとを有する中間転写ユニット7と、各像担持体に光書込みを行う光書込み部としての光書き込みユニット15と、記録媒体Pにトナー画像を定着する本実施形態に係る定着装置30とが設けられている。定着装置30については後述する。
作像ユニット8Y,8C,8M,8Bkと中間転写ユニット7は、装置本体1に対して着脱可能とされている。
給紙部2から定着装置30までの間には、記録媒体Pを搬送する搬送経路Rが形成されている。
ローラ6は搬送経路Rに臨んで配置されている。
本実施形態において、中間転写ユニット7、作像部8、光書き込みユニット15及び定着装置30は、装置内部の構成要素をなし、装置本体1内の略中央に配置されている。
中間転写ベルト7aのローラ4とローラ5間は、このベルトの下部側ベルト走行辺に相当している。
中間転写ベルト7aには、ローラ6と対向する部位に2次転写装置となる2次転写ローラ20が搬送経路Rに臨むように配設され、ローラ4と対向する部位にベルト表面を清掃するベルトクリーニング装置21が配設されている。
作像部8は、この下側走行辺に対向するように配置されることで、中間転写ベルト7aの下方に配設されている。
各作像ユニットは、中問転写ベルト7aに接する像担持体としての感光体ドラム10をそれぞれ具備している。
各感光体ドラム10の周りには、帯電装置11、現像装置12、クリーニング装置13がそれぞれ配置されている。
各感光体ドラム10が中間転写ベルト7aに接する位置における中間転写ベルト7aの内側には、1次転写を行う転写手段としての1次転写ローラ14がそれぞれ設けられている。
作像ユニット8Y,8C,8M,8Bkは、基本的には同一構造に構成されており、図1では代表して作像ユニット8Bkの構成にのみ符号を付している。
各作像ユニットにおいて異なるのは、各現像装置12に収納されている現像剤としてのトナーの色だけである。
作像ユニット8Y,8C,8M,8Bkの各現像装置12には、それぞれイエロー,シアン,マゼンタ、ブラックのトナーが収納されている。
各現像装置12には、トナーが減ると、装置本体1の上部に配設されたトナー補給ボトルT1,T3,T3,T4から補給用のトナーがそれぞれ供給される。
光書き込みユニット15は、光変調されたレーザ光を各感光体ドラムの表面に照射して、感光体表面に色毎の潜像を形成するものであり、本実施形態では、作像部8の下方に配置されている。
トナー補給ボトルT1,T2,T3,T4、中間転写ユニット7、作像部8、光書き込みユニット15は、同一方向に傾斜して装置本体1に内に配設されていて、これら要素を装置本体1内に水平に配置する場合に比して、その設置面積が小さくされている。
画像形成動作が開始されると、各作像ユニットの感光体ドラム10が図示しない駆動装置によって時計方向に回転駆動され、各感光体ドラム10の表面が帯電装置11によって所定の極性に一様に帯電される。
帯電された各感光体ドラムの表面には、光書き込みユニット15からレーザ光がそれぞれ照射されて、それぞれの表面に静電潜像が形成される。
このとき、各感光体ドラムに露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。
このように形成された静電潜像は、各感光体と現像装置12の間を通るとき、各現像装置12のトナーによってトナー画像として可視像化される。
中間転写ベルト7aが巻きかけられた複数のローラ4,5,6のうち、1つのローラが図示していない駆動装置によって反時計方向に回転駆動され、これにより中間転写ベルト7aが矢印で示す反時計周り方向に走行駆動され、他のローラが従動回転する。
このように走行する中間転写ベルト7aには、イエローのトナーを有する現像装置12を具備する作像ユニット8Yで形成されたイエロートナー画像が1次転写ローラ14によって転写される。
その転写されたイエロートナー画像には、作像ユニット8C,8M及び8Bkで形成されたシアントナー画像、さらにマゼンタトナー画像及びブラックトナー画像が1次転写ローラ14によって順次重ね転写され、かくして中問転写ベルト7aはその表面にフルカラーのトナー画像を担持する。
トナー画像が転写された後の各感光体ドラム表面に付着する残留トナーは、各クリーニング装置13によって感光体ドラム表面から除去され、次いでその表面が図示していない除電装置によって除電作用を受け、その表面電位が初期化されて次の画像形成に備えられる。
給紙部2から給紙される記録媒体Pは、搬送経路Rに送り込まれ、2次転写ローラ20よりも給紙側に配設されたレジストローラ対24によって給紙タイミングを計られて、ローラ6と2次転写ローラ20との対向部に給送される。
そして、このとき2次転写ローラ20には、中問転写ベルト表面のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加され、これによって中間転写ベルト7aの表面のトナー画像が記録媒体P上に一括して転写される。
トナー画像を転写された記録媒体Pは、定着装置30へと搬送され、定着装置30を通過する際に熱と圧が加えられてトナー画像が熔融されて定着される。
トナー画像が定着された記録媒体Pは、搬送経路Rの終端に位置し、装置本体1の上部により構成された排出部23へと搬送され、装置本体1の上部に構成された積載部25へと排出される。
トナー画像を記録媒体Pに転写後の中間転写ベルト7aは、このベルトに残留したトナーがクリーニング装置21より除去される。
このように構成されたプリンタは、4個の作像ユニット8Y,8M,8C及び8Bkを中間転写ベルト7aに対向して設け、中間転写ベルト7aに順次各色のトナー画像を重ね転写するため、作像手段が1つで4色の現像装置を持ち、中間転写ベルト上にトナー画像を重ね転写し、その後記録媒体に転写する形式のものと比べて作像時間を大幅に短縮することができる。
また、装置本体1の上部に積載部25が構成されているので、装置本体1から積載部25が周囲に飛び出ることがなく、設置面積や占有面積が小さくなる。
以上の説明は、記録媒体P上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、作像部8の作像ユニットのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2色又は3色の画像を形成したりすることもできる。
また、本実施形態のプリンタを用いてモノクロ印刷をする場合には、作像ユニット8Bkの感光体ドラム上にのみ静電潜像を形成して同ユニットによって現像して記録媒体Pに転写し、定着装置30で定着すればよい。
次に、本実施形態に係る定着装置30について説明する。
本実施形態の定着装置は、定着部材と、前記定着部材に圧接して記録媒体を挿通させる定着ニップを形成する加圧部材と、前記定着部材を加熱する加熱部材と、前記定着部材表面の温度を非接触の状態で検知する温度検知手段と、前記温度検知手段を、前記定着部材表面から所定の距離離間させて支持する温度検知手段支持部材と、を備え、前記温度検知手段支持部材は、通紙可能な最大サイズの前記記録媒体の通過領域外及び画像領域外のいずれかにおいて前記定着部材に当接する当接部材を有する。
[第1の実施形態(ベルト定着方式)]
まず、本実施形態の一例として、ベルト定着方式の定着装置30について図2〜図11を参照して詳細に説明する。
図2に示すように、定着装置30は、加熱手段としての加熱ローラ32と、定着ローラ31と加熱ローラ32とによって張架された無端状の定着ベルト33と、定着ローラ31に対向した位置で定着ベルト33に圧接してニップを形成するニップ形成部材としての加圧ローラ34と、定着ベルト33の温度を検知する温度検知手段36を有している。温度検知手段36としては、サーミスタ及びサーモスタット(バイメタル)のいずれかが好ましい。以下、温度検知手段36はサーミスタまたはサーモスタットである態様として説明する。
加熱手段は、定着ローラに対して接近離間可能に構成された加熱ローラ32であり、定着部材は、定着ローラ31と、定着ローラ31及び加熱ローラ32に張架されて回転可能に構成された無端状の定着ベルト33とからなり、温度検知手段支持部材60は、加熱手ローラ32が定着ローラ31に対して接近離間する方向に移動可能な範囲内において、温度検知手段36と定着ベルト33表面との距離がほぼ一定となるように温度検知手段36を支持する。
定着ローラ31は、SUS304等の芯金31a上に、発泡性シリコンゴム等の発泡材料からなる弾性層31bが形成されたローラ部材である。
弾性層31bを発泡材料で形成することで、ニップ部におけるニップ幅(ニップ量)を比較的大きく設定できると共に、定着ベルト33の熱が定着ローラ31に移行しにくくなる。
本実施形態における定着ローラ31は、外径29mmで発泡性シリコンゴム厚さは8.5mmに設定されている。
加熱ローラ32は、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料からなる肉厚が1mm以下の中空構造のローラ部材(円筒体)で構成される。
本実施形態における加熱ローラ32は、アルミニウムで形成され、肉厚が0.6mm、外径が20mmに設定されている。
加熱ローラ32内には、熱源としてのハロゲンヒータ35が配設されている。
加圧ローラ34の内部にも定着ローラ31と同様にハロゲンヒータを設ける構成にしてもよい。
被加熱体としての加熱ローラ32の肉厚を1mm以下に設定することで、被加熱体の熱容量が低下して装置の昇温特性が向上し、立ち上がり時間を短縮することが可能である。
定着ベルト33は、厚みが50〜150μmのポリイミド等の樹脂基材と、基材の上に設けられた弾性層としてのシリコンゴム層(厚み100〜200μm)と、シリコンゴム層の上に設けられた表面離型層としてのPFA、FEP、PTFE等の層(厚さ20〜50μm)で構成されている。
定着ベルト33は、熱容量を小さくするため、前述の樹脂基材またはステンレス等の金属基材のみの構成でもよい。
また、定着ベルト33の周長は、熱容量を小さくするため出来るだけ小さくするように構成されている。
定着ローラ31の外径は定着性能を満足するニップ幅を確保するために、加熱ローラ32の外径より大きくし、加熱ローラ32は、内側のハロゲンヒータ35と干渉しない程度に出来るだけ小さくしている。
加圧ローラ34は、ニップを形成するために図示しないスプリングにより定着ローラ31に圧接する向きに40〜80kgfの荷重で押圧されている。
また、加圧ローラ34は、アルミニウムまたは鉄等の芯金34aの外周に液状シリコン又は発泡シリコンによる弾性層34bが2〜6mmの厚さで形成されている。
本実施形態における加圧ローラ34は、外径が30mmでシリコンゴム厚さは3.5mmに設定されている。
加圧ローラ34の表層はPFA(Tetra fluoro ethylene-perfluoro alkylvinyl ether copolymer)やPTFE(poly tetra fluoro ethylene)で構成された離型層34cとなっている。
そして、その表面硬度はアスカC軸上硬度で、10〜70Hsとなっている。
また、定着ベルト33の外周面に対向する位置であって、ニップの出口側近傍には、定着ベルト33から記録媒体を分離させる分離部材としての分離板38が配設されている。
分離板38は、画像領域において幅方向に渡って、定着ベルト33に対して所定距離離間するように配設されている。
また、分離板38は、その幅方向両端部が、定着ベルト33の非画像領域に当接するように構成されている。
なお、本実施形態では、分離板38と定着ベルト33とのギャップは、0.3mm程度に設定されている。
このように定着ベルト33の画像領域に当接しない分離板38を配設することで、画像に影響を与えることなく、定着工程後の記録媒体が定着ベルト33の走行に沿って定着ベルト33に巻き付いてしまう不具合を軽減することができる。
温度検知手段36は、それぞれ定着ベルト33の加熱される部分の温度を検知するために、加熱ローラ32に対向した位置において、定着ベルト33の外周面から所定距離だけ離れて配設されている。
また、温度検知手段36は、温度検知手段支持部材60に固定され、温度検知手段支持部材60の一端の回動穴60aにて定着装置に設けられた図示しないフレーム等に回動可能に固定されている。
温度検知手段支持部材60は、例えば、板金部品で構成されている。
温度検知手段支持部材60の一端の回動穴60aの他端側に固定されている温度検知手段36は、定着ベルト33に近接する方向に極わずかな付勢力が働いている。また、該付勢力は、その自重もしくは図示しないバネ等によるものである。
また、温度検知手段36を定着部材の上方に配設することにより、温度検知手段支持部材60の自重で付勢力を付与でき、バネ等の付勢部材が不要となる。
図5(A)に示すように、温度検知手段支持部材60は、通紙可能な最大サイズの記録媒体Pの通過領域外及び画像領域外のいずれかにおいて定着部材である定着ベルト33に当接する当接部材60bを有する。
温度検知手段支持部材60の軸方向の両端部には、少なくとも記録媒体Pの通過領域外、つまり、大サイズ紙(幅方向に大きいサイズの記録媒体)の通紙領域W2の外側、または画像が形成された領域の外側で定着ベルト33表面に接触する当接部材60bを有している。
当接部材60bが定着ベルト33表面に接触する位置で位置決めされることにより、温度検知手段36は、定着ベルト33表面との間に所定の間隔Dを隔てて配置される。
温度検知手段支持部材60は、定着ベルト33に当接する当接部材60bを、定着ベルト33の通紙可能な最大サイズの記録媒体Pの通過領域外及び画像領域外のいずれかの両側に有する。
当接部材60bと定着ベルト33表面の接触状態の例を図4(A)及び(B)に示す。
当接部材60bと定着ベルト33表面の接触点は、温度検知手段36の検知点K(図7及び図8参照)との位置関係を合わせておくと、温度検知手段36と定着ベルト33表面との間隔が精度良く保つことが出来る。
本実施形態の当接部材60bは、板金部品である温度検知手段支持部材60の端部を図4に示すように曲げて形成し、曲げR部と定着ベルト33表面とを接触させて接触抵抗を低減し、定着ベルト33の寿命を延命している。
当接部材60bの形状は図4に示す例に限定されず、板金部品である温度検知手段支持部材60の端部の平面と定着ベルト33表面を接触させる構成にしても良い。
さらに、当接部材60bと定着ベルト33表面の接触抵抗を低減するために、当接部材60bの定着ベルト33表面との接触部に摩擦低減部材を介して接触させても良い。
温度検知手段支持部材60の当接部材60bが定着ベルト33表面に接触することにより、定着ベルト33の接触部表面には接触跡が生じるが、接触部は記録媒体Pの通過領域外及び画像領域外のいずれかであるため、画像上に光沢スジを発生させることがない。
さらに、温度検知手段36を、加熱部材32の上方に配設している。
これにより、加熱された定着ベルト33から上昇する熱気の温度を検知しやすくなる。
温度検知手段36は、定着ベルト33の温度を所定の温度に維持するために当該定着ベルト33の温度変化を検知する手段として機能するものである。
詳しくは、温度検知手段36によって検知された定着ベルト33の温度情報が、画像形成装置に設けられたCPU等の制御手段に送信され、その温度情報に基づいて、加熱ローラ32内のハロゲンヒータ35への通電時間が制御されることにより、定着ベルト33の温度(定着温度)を所望の温度(目標温度)に維持されるようになっている。
なお、温度検知手段36としては、サーミスタの代わりに、サーモパイル等を用いることもできる。ただし、小型で安価なものとなる点で、サーモパイルよりもサーミスタの方が好ましい。
温度検知手段36としてのサーモスタットは、定着ベルト33の過昇温を検知するとハロゲンヒータ35への通電を遮断する過昇温防止手段として機能するものである。
本実施形態では、定着ベルト33の雰囲気温度が約185℃に達すると即時にサーモスタットによりハロゲンヒータ35への通電を遮断するように構成されている。
図3に、定着ローラ31、加熱ローラ32及び加圧ローラ34の支持構造を示す。
図3に示す側板39は、定着ローラ31、加熱ローラ32及び加圧ローラ34を支持する部材であり、詳しくは定着装置30のフレーム構造体の側板である。
定着ローラ31は、側板39に図示しない軸受を介して回転可能に支持されている。
加熱ローラ32は、軸受40によって回転可能に支持されており、軸受40は側板39に形成されたガイド孔39aに挿入されている。
ガイド孔39aは図の横方向に長く形成されており、軸受40はガイド孔39aの図の横方向に伸びるガイド部39bに沿ってその長手方向(X方向及びY方向)に移動可能に構成されている。
このように、軸受40がガイド孔39aに沿って移動可能となっていることにより、加熱ローラ32は定着ローラ31に対して接近離間可能となっている。
また、加熱ローラ32は、図示しない付勢手段によって、定着ローラ31から離間する方向(X方向)に付勢されている。
本実施形態では、付勢手段として引張スプリングを設け、その引張スプリングによって加熱ローラ32を引っ張り荷重2〜20kgfで付勢している。
ただし、付勢手段は引張スプリングに限定されない。例えば、付勢手段として加熱ローラ32を押圧する圧縮スプリングを用いてもよい。
前記引張スプリングによって加熱ローラ32が引っ張られることにより、定着ベルト33にはテンションが付与されている。
また、引張スプリングによる加熱ローラ32の付勢方向は、加熱ローラ32の移動方向(X方向又はY方向)と略平行を成す方向に設定することが好ましい。
加熱ローラ32の移動方向に対する付勢方向の角度が大きくなると、付勢力の損失が大きくなるため、付勢力増大に伴う大型化やコストアップ等を招く。
これに対し、加熱ローラ32の付勢方向を、加熱ローラ32の移動方向と略平行を成す方向に設定した場合は、加熱ローラ32の移動方向に対する付勢方向の角度が極めて小さくなるため、付勢力の損失を少なくすることができ、小型化やコスト低減を図ることができる。
また、加熱ローラ32の付勢方向はその移動方向と完全に平行に設定するよりも、僅かにずれている(略平行)とすることが望ましい。
図3では、図の上下のガイド部39b同士の間隔は軸受40の外径と同じ大きさで表しているが、実際は、軸受40のガイド孔39a内での摺動性を確保するために、ガイド部39b同士の間隔は軸受40の外径よりも若干大きく形成されている。
従って、軸受40をいずれか一方のガイド部39bに沿わせて移動させるには、加熱ローラ32の付勢方向はその移動方向(ガイド部39bの方向)に対して図の上方又は下方に僅かに傾斜させなければならない。
このため、加熱ローラ32の付勢方向はその移動方向に対して略平行となるように設定されることが望ましい。
なお、加熱ローラ32内のハロゲンヒータ35は定着装置のフレームに固定されているため、加熱ローラ32がガイド孔39aに沿って移動すると、ハロゲンヒータ35と加熱ローラ32とが干渉する可能性がある。
さらに、加熱ローラ32と定着ローラ31の外径ばらつきや、定着ベルト33の周長ばらつき、各ローラを軸支する側板39の部品精度ばらつき、それぞれの熱の影響による膨張等によっても、ハロゲンヒータ35に対する加熱ローラ32の位置が変位する。
しかし、上記種々の要因による加熱ローラ32の移動量は、各部品精度や部品材質の膨張量を考慮すれば予測可能であり、予測した移動量により加熱ローラ32の外径(内径)を適宜設定し、ハロゲンヒータ35と加熱ローラ32とが干渉しないようにしている。
温度検知手段36は、図3の軸受40の移動可能方向(X方向及びY方向)に対して略並行に配置されているが、軸受40の移動可能方向(X方向及びY方向)に対して、温度検知手段36を所定の角度に傾けて配置してもよい。温度検知手段支持部材60の当接部材60bが定着ベルト33表面に接触する位置で位置決めされるため、温度検知手段36と定着ベルト33表面との距離をほぼ一定とすることができる。
加圧ローラ34は、図示しない軸受によって回転可能に支持されている。
この軸受は、加圧ローラ34を定着ローラ31に向かって接近離間する方向に移動可能に側板39に支持されている。
加圧ローラ34が定着ローラ31に対して接近離間することにより、加圧ローラ34は定着ベルト33に対して圧接又はその圧接の解除可能となっている。
このように構成されていることにより、記録媒体詰まり等が発生した場合は、加圧ローラ34を定着ベルト33に対して離間させて加圧ローラ34の圧接を解除した状態にすれば、詰まった記録媒体を容易に除去することが可能となる。
また、加圧ローラ34は、図示しない駆動モータによって回転駆動される駆動ローラとして構成されている。
加圧ローラ34が図2において時計回り方向に回転駆動すると、加圧ローラ34に従動して定着ベルト33が回転し、その定着ベルト33に従動して定着ローラ31と加熱ローラ32が反時計回り方向に回転するようになっている。このように構成することにより、駆動系を最小限の構成に抑えることができる。
また、加圧ローラ34を駆動ローラとする代わりに、定着ローラ31を駆動ローラとして構成しても構わない。
図2を参照しつつ、本実施形態に係る定着装置30の定着動作について説明する。
まず、画像形成装置本体に設けた図示しない電源部(交流電源)からハロゲンヒータ35への通電を開始して、ハロゲンヒータ35を発熱させる。
発熱するハロゲンヒータ35からの輻射熱によって加熱ローラ32が加熱され、次いで、加熱ローラ32の熱が定着ベルト33に伝達されて定着ベルト33が加熱される。
ハロゲンヒータ35の出力制御は、温度検知手段36によるベルト表面温度の検知結果に基づいて行われ、定着ベルト33の温度(定着温度)が所望の温度(目標温度)となるように制御される。
その後、加圧ローラ34を図の時計回り方向に回転駆動させることにより、定着ベルト33、定着ローラ31及び加熱ローラ32をそれぞれ図の反時計回り方向に回転させ、加圧ローラ34と定着ベルト33との間に形成されたニップに、未定着のトナー画像Tが担持された記録媒体Pを搬入する。
そして、記録媒体P上のトナー画像Tに、定着ベルト33の熱と定着ベルト33と加圧ローラ34とによる圧力とが付与されて、トナー画像Tが記録媒体Pの表面に定着される。
また、万が一、動作中に温度検知手段36の故障によりヒータ点灯制御が正常に行われなくなってハロゲンヒータ35が点灯し続ける状態になったとしても、定着ベルト33の雰囲気温度が約185℃に達すると即時にサーモスタットによりハロゲンヒータ35への通電を遮断することができる。
これにより、定着ベルト33の温度が、定着ベルト33等に損傷を与えるほどの異常高温(例えば250℃)にまで昇温するのを防止できる。
また、図4(B)のように、加熱ローラ32の内側にハロゲンヒータ35を複数配置してもよい。
例えば、ハロゲンヒータ35として、定格ワット数が700ワットのものと300ワットのものを1つずつ配設する。これにより、ハロゲンヒータ35の総ワット数を大きくなるので、装置の立ち上がり時間(ウォーミングアップ時間)を短くすることができる。
図5(A)に示すように、定着装置30が幅方向のサイズの異なる記録媒体Pを通紙可能に構成されている場合は、大サイズ紙(幅方向に大きいサイズの記録媒体)の通紙領域W2と、小サイズ紙(幅方向に小さいサイズの記録媒体)の通紙領域W1とで、定着ベルト33を別々に加熱可能に構成されていることが好ましい。
大サイズ紙と小サイズ紙のいずれを選択した場合でも大サイズ紙の通紙領域しか加熱できない場合は、小サイズ紙を連続して通紙すると、小サイズ紙が通過しない領域において定着ベルト33が局所的に過昇温する不具合が生じる虞があるからである。
例えば、図5に示すように、小サイズ紙と大サイズ紙をそれぞれの幅方向の中心を一致させて搬送する、いわゆるセンター基準の搬送方式を採用している場合は、小サイズ紙を連続通紙することによる定着ベルト33の局所的な過昇温はその両端部側において発生する。
そこで、小サイズ紙が通過する定着ベルト33の幅方向中央部と、小サイズ紙が通過しない定着ベルト33の両端部とを、別々に加熱できるように構成し、小サイズ紙を連続的に通紙する場合は、定着ベルト33の幅方向中央部のみを加熱することで、両端部における過昇温を未然に防止することが可能となる。
また、上記のように定着ベルト33の幅方向中央部と両端部とを別々に加熱するように構成した場合は、これに対応して、温度検知手段36も、定着ベルト33の幅方向中央部と幅方向端部とに1つずつ配設することが望ましい。すなわち、温度検知手段36を加熱部材の長手方向に複数配設されるように配置することが好ましい。
これにより、定着ベルト33の幅方向中央部と幅方向端部との温度を別々に検知することができ、定着ベルト33の温度調整及び過昇温防止を効率的かつ確実に行うことができる。
本実施形態の定着装置30を搭載する画像形成装置1は、図5に示すようなセンター基準の搬送方式に限定されるものではなく、サイズの異なる記録媒体をそれぞれの幅方向の端部を一致させて搬送する、いわゆる端部基準の搬送方式を採用することも可能である。
図6に、本実施形態の定着装置30において、加熱ローラ32が移動する様子を示す。なお、図6において、加圧ローラ34及び分離板38等の図示を省略している。
定着ベルト33が加熱や冷却(又は放熱)などによって伸縮すると、図6に示すように、加熱ローラ32は、定着ベルト33のテンションを維持するために、定着ローラ31に対して接近又は離間する方向(図のX方向又はY方向)に移動する。
このとき、加熱ローラ32の移動に伴って、定着ベルト33の表面位置も変位する。
この定着ベルト33の表面位置が変位する変位領域の最外周を符号Aで示す。
そして、この定着ベルト33の変位領域の最外周A上には、加熱ローラ32の移動方向(図のX方向又はY方向)と平行を成す箇所Hが存在する。本実施形態において、平行を成す箇所Hにおいて、温度検知手段36を、定着ベルト33に対向させて配設している。
なお、本実施形態では、加熱ローラ32の移動方向が定着ベルト33の図の上側の平面部に対して平行を成すように構成されているため、上記平行を成す箇所Hは、定着ベルト33の図の上側の平面部全体に渡って存在するが、温度検知手段36は、平行を成す箇所Hのうち、加熱ローラ32に対向した位置に配設されている。
上記のように、温度検知手段36を配設したことにより、加熱ローラ32が定着ローラ31に対して接近離間する方向に移動しても、温度検知手段36と定着ベルト33との距離を一定に維持することが可能となる。
詳しくは、図7の(A)に示す状態から(B)に示す状態へ、加熱ローラ32が移動した場合、これに伴って定着ベルト33の表面も変位するが、このとき、定着ベルト33の温度検知手段36と対向する部分は、加熱ローラ32の移動方向(図のX方向)と平行に伸長する。
このため、図7(A)に示す移動前の温度検知手段36の検知点Kと定着ベルト33の外周面との距離D1と、図7(B)に示す移動後の温度検知手段36の検知点Kと定着ベルト33の外周面との距離D2は、同じとなる。
また、同様に、定着ベルト33が収縮して加熱ローラ32が逆方向に移動した場合も、定着ベルト33の温度検知手段36と対向する部分は、加熱ローラ32の移動方向(図のX方向)と平行に収縮するので、移動前後における温度検知手段36と定着ベルト33との距離は変化しない。
ここで、定着装置30の加熱や冷却(又は放熱)などによって、加熱ローラ32の熱膨張による外径変化を考慮する必要がある。
加熱ローラ32の外径変化が生じた場合、温度検知手段36と該加熱ローラ32に張架された定着ベルト33との距離は変化するが、本実施形態の定着装置30は、温度検知手段支持部材60を備えることにより、温度検知手段36と定着ベルト33表面との距離をほぼ一定に維持することができる。
ところで、図8(A)に示すように、温度検知手段36の配設の仕方によっては、温度検知手段36の検知点Kが、定着ベルト33の加熱ローラ32に巻き掛けられた曲面部に対向して配設される場合がある。
この場合、図8(B)に示すように、加熱ローラ32が移動すると、温度検知手段36は定着ベルト33の平面部と対向するようになるため、移動前の温度検知手段36と定着ベルト33との距離D3と、移動後の温度検知手段36と定着ベルト33との距離D4は、若干異なる。
ところが、本実施形態では、温度検知手段支持部材60の当接部材60bが定着ベルト33表面に接触する位置で位置決めされるので、移動前の温度検知手段36と定着ベルト33との距離D3と、移動後の温度検知手段36と定着ベルト33との距離D4は、ほぼ等しくなる。
また、図8(B)に示す状態から、加熱ローラ32がさらに図のX方向へ移動した場合は、上記図7において説明したのと同様に、温度検知手段36と定着ベルト33との距離を一定に維持することが可能である。
図9は、定着装置30の他の実施形態の構成を示す図である。
図9に示す実施形態は、図6に示す実施形態と異なり、加熱ローラ32の移動方向が定着ベルト33の図の下側の平面部に対して平行を成すように構成されている。この場合、加熱ローラ32の移動に伴って変位する定着ベルト33の変位領域の最外周A上で、加熱ローラ32の移動方向(図のX方向又はY方向)と平行を成す箇所Hは、定着ベルト33の図の下側に存在する。
図9に示す実施形態においては、温度検知手段36を、上記平行を成す箇所Hであって、かつ、加熱ローラ32の下部に対向する位置において、定着ベルト33と対向させて配設している。
これにより、加熱ローラ32が定着ローラ31に対して接近離間する方向に移動した場合、定着ベルト33の温度検知手段36と対向する部分は、加熱ローラ32の移動方向(図のX方向又はY方向)と平行に伸縮するので、温度検知手段36と定着ベルト33との距離を一定に維持することができる。
図10は、定着装置30のさらに他の実施形態の構成を示す図である。
図10に示す実施形態では、加熱ローラ32の移動方向は、定着ベルト33の両方の平面部と平行とならない方向に設定されている。
しかし、この実施形態においても、加熱ローラ32の移動に伴って変位する定着ベルト33の変位領域の最外周A上には、加熱ローラ32の移動方向(図のX方向又はY方向)と平行を成す箇所Hが存在する。
そして、温度検知手段36は、その平行を成す箇所Hにおいて、定着ベルト33と対向して配設されている。
この場合、温度検知手段36は、定着ベルト33の加熱ローラ32に巻き掛けられた曲面部に対向して配設されているため、図11の(A)に示す状態から(B)に示す状態へ、加熱ローラ32が移動した際、定着ベルト33と温度検知手段36との距離は、距離D5から距離D6へ若干変化する。
これに対し、本実施形態では、温度検知手段支持部材60の当接部材60bが定着ベルト33表面に接触する位置で位置決めされるので、移動前の温度検知手段36と定着ベルト33との距離D5と、移動後の温度検知手段36と定着ベルト33との距離D6は、ほぼ等しくなる。
本実施形態では、図15に示す定着装置における距離の変化も最低限に抑えることができる。距離が変化する態様を図16に示す。
図15に示す定着装置は、定着ローラ31と、内部に熱源35を有する加熱ローラ32と、定着ローラ31と加熱ローラ32とに張架された無端状の定着ベルト33と、定着ローラ31に対向した位置で定着ベルト33に接触してニップを形成する加圧ローラ34等を備えている。
図15の定着装置によって画像を定着する場合は、まず、不図示の駆動モータによって加圧ローラ34を回転駆動させ、これに従動して定着ベルト33、定着ローラ31、加熱ローラ32が回転される。そして、定着ベルト33と加圧ローラ34との間のニップに、未定着のトナー画像Tが担持されたシート状の記録媒体Pが図の矢印の方向に搬入され、熱と圧力の作用によりトナー画像Tが記録媒体Pの表面に定着される。
図15に示す2軸で張架するタイプの定着装置においては、加熱ローラ32にテンションローラとしての機能も持たせているため、温度変化によって定着ベルト33が伸縮すると、定着ベルト33の張力を調整するために加熱ローラ32は定着ローラ31に対して接近又は離間する方向に移動する。その結果、図16に示すように、加熱ローラ32がX方向又はY方向に移動して符号32X又は符号32Yで示す位置に配設されると、温度検知手段36と定着ベルト33との距離が変化して、温度を精度良く検知できなくなる。
そこで、通紙可能な最大サイズの記録媒体の通過領域外及び画像領域外のいずれかにおいて定着ベルト33に当接する当接部材(不図示)を有する温度検知手段支持部材(不図示)を備えることにより、温度検知手段36と定着ベルト33との距離を一定に維持することができる。
ただし、温度検知手段と定着ベルトとの距離の変化を抑えるという観点では、より高精度に温度検知を行うために、図6や図9に示した態様のように、定着ベルト33の平面部を加熱ローラ32の移動方向と平行を成すように配設し、その平面部に対向して温度検知手段36を配設し、温度検知手段支持部材60により支持することが望ましい。
一方、図6や図9に示した実施形態では、定着ベルト33が加熱ローラ32に巻き付いていない部分を温度検知することになる。
定着ベルト33の表面温度の安定性という観点では、図10や図15に示す態様のように、定着ベルト33が加熱ローラ32に巻き付いている部分を温度検知することが好ましい。このように、温度検知手段と定着ベルトとの距離の変化を抑えるとともに、定着ベルトの表面温度が安定する部分の温度を検知可能なレイアウトとすることも可能である。
[第2の実施形態(ローラ定着方式)]
図14に、ローラ定着方式の定着装置の例を示す。図14の定着部材31は、芯材31aと芯材31aの外周面を被覆する弾性層31bとを有し、加熱手段35によって加熱される定着ローラである。
図14に示す定着装置30は、定着部材としての定着ローラ31と、定着ローラ31に対向した位置で定着ローラ31に圧接してニップを形成するニップ形成部材としての加圧ローラ34と、定着ローラ31の温度を検知する温度検知手段としての温度検知手段(サーミスタ、バイメタル)36等を有している。温度検知手段支持部材60は、温度検知手段36と定着ローラ表面との距離がほぼ一定となるように温度検知手段36を支持する。
定着ローラ31は、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料からなる肉厚が1mm以下の中空構造の芯材31a(円筒体)上に、シリコンゴム等の耐熱ゴム材料からなる弾性層31bが形成され、シリコンゴム層の上に設けられた表面離型層としてのPFA、FEP、PTFE等の表層31c(厚さ20〜50μm)で構成されたローラ部材である。
本実施形態における定着ローラ31は、アルミニウムで形成され、肉厚が1mm、外径28mmでシリコンゴム厚さは3mmに設定されている。
弾性層31bを耐熱ゴム材料で形成することで、ニップ部におけるニップ幅(ニップ量)を比較的大きく設定できる。
定着ローラ31内には、熱源としてのハロゲンヒータ35が配設されている。
加圧ローラ34の内部にも定着ローラ31と同様にハロゲンヒータを設ける構成にしてもよい。
被加熱体としての定着ローラ31の肉厚を1mm以下に設定することで、被加熱体の熱容量が低下して装置の昇温特性が向上し、立ち上がり時間を短縮することが可能である。
加圧ローラ34は、ニップを形成するために図示しないスプリングにより定着ローラ31に圧接する向きに40〜80kgfの荷重で押圧されている。
また、加圧ローラ34は、アルミニウムまたは鉄等の芯金34aの外周に液状シリコン又は発泡シリコンによる弾性層34bが2〜6mmの厚さで形成されている。
本実施形態における加圧ローラ34は、外径が30mmでシリコンゴム厚さは3.5mmに設定されている。
加圧ローラ34の表層はPFA(Tetra fluoro ethylene-perfluoro alkylvinyl ether copolymer)やPTFE(poly tetra fluoro ethylene)で構成された離型層34cとなっている。
そして、その表面硬度はアスカC軸上硬度で、10〜70Hsとなっている。
また、定着ローラ31の外周面に対向する位置であって、ニップの出口側近傍には、定着ローラ31から記録媒体を分離させる分離部材としての分離板38が配設されている。
分離板38は、画像領域において幅方向に渡って、定着ローラ31に対して所定距離離間するように配設されている。
また、分離板38は、その幅方向両端部が、定着ローラ31の非画像領域に当接するように構成されている。
なお、本実施形態では、分離板38と定着ローラ31とのギャップは、0.3mm程度に設定されている。
このように定着ローラ31の画像領域に当接しない分離板38を配設することで、画像に影響を与えることなく、定着工程後の記録媒体が定着ローラ31の走行に沿って定着ローラ31に巻き付いてしまう不具合を軽減することができる。
温度検知手段36は、定着ローラ31の表面温度を検知するために、定着ローラ31に対向した位置において、定着ローラ31の外周面から所定距離だけ離れて配設されている。温度検知手段36は、温度検知手段支持部材60に固定されている。
温度検知手段支持部材60は、一端の回動穴60aにて定着装置に設けられた図示しないフレーム等に回動可能に固定されている。温度検知手段支持部材60は、例えば、板金部品で構成されている。
温度検知手段支持部材60の一端の回動穴60aの他端側に固定されている温度検知手段36には、付勢部材として図示しないバネ等により定着ベルト33に近接する方向に極わずかな付勢力が働いている。
温度検知手段支持部材60の当接部材は、定着ローラ31表面に接触することにより、定着ローラ31の接触部表面には接触跡が生じるが、接触部が記録媒体Pの通過領域外及び画像領域外のいずれかであるので、画像上には光沢スジは発生しない。
定着ローラ31は定着装置に設けられた図示しないフレーム等に軸受けを介して回動可能に固定されている。よって、熱膨張によって定着ローラ31の位置は移動しないが、定着ローラは弾性層31bを厚肉の耐熱ゴム材料で形成しているので、熱膨張に対して外径変化が比較的大きい。
これに対し、本実施形態の構成によれば、定着ローラ31の熱膨張による定着ローラの外径が変化しても、温度検知手段支持部材60は、温度検知手段36と定着ローラ31表面との距離がほぼ一定となるように温度検知手段36を支持する。
[第3の実施形態(ベルト定着方式)]
図12に、ベルト定着方式の定着装置の例を示す。図12の定着部材は、内部に加熱手段35を備え、無端状の定着ベルト33と、定着ベルト33を加圧部材34に押付ける固定部材76と、固定部材76に接合して固定部材76を補強する補強部材73と、加熱手段35からの熱を定着ベルト33の内周面に反射する反射部材74からなる。
図12の定着装置30において、温度検知手段支持部材60は、温度検知手段36と定着ベルト表面33との距離がほぼ一定となるように温度検知手段36を支持する。さらに、加圧レバー81を備える。
図12の定着装置30の要部上面図を図5(B)に示す。
図5(B)に示すように、温度検知手段支持部材60は、通紙可能な最大サイズの記録媒体Pの通過領域外及び画像領域外のいずれかにおいて定着部材である定着ベルト33に当接する当接部材60bを有する。
温度検知手段支持部材60の軸方向の両端部には、記録媒体Pの通過領域外、つまり、大サイズ紙(幅方向に大きいサイズの記録媒体)の通紙領域W2の外側で定着ベルト33表面に接触する当接部材60bを有しており、温度検知手段支持部材60は、当接部材60bが定着ベルト33表面に接触する位置で位置決めされることにより、温度検知手段36は、定着ベルト33表面との間に所定の間隔Dを隔てて配置される。
温度検知手段支持部材60は、定着ベルト33に当接する当接部材60bを、定着ベルト33の通紙可能な最大サイズの記録媒体Pの通過領域外及び画像領域外のいずれかの両側に有する。
定着ベルト33は、薄肉で可撓性を有する無端状ベルトであり、図中の矢印方向に回転する。ここで、無端状とは、ベルトの両端部を接合しかつつなぎ目が存在しない状態をいう。
定着ベルト33は、内周面側から、基材層、弾性層、離型層が順次積層されていて、その全体の厚さが1mm以下に設定されている。
定着ベルト33の基材層は、層厚が30〜100μmであって、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド等の樹脂材料で形成されている。なお、これは例示であって、本発明は、これに限定されるものではない。
定着ベルト33の弾性層は、層厚が100〜300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、等のゴム材料で形成されている。なお、これは例示であって、本発明は、これに限定されるものではない。
弾性層を設けることで、定着ベルト33と加圧ローラ34との間に形成されるニップ部において記録媒体Pにカラー画像を定着する場合に、定着ベルト33の表面の微小な凹凸が形成されなくなり、記録媒体P上のカラー画像に均一に熱が伝わる。
これにより、定着装置30は、記録媒体Pに柚子肌画像が発生することを抑止することができる。ここで、柚子肌画像とは、表面に多数の微小な凹凸が形成された画像のことを意味する。
定着ベルト33の離型層は、層厚が10〜50μmであって、PFA(テトラフルオロエチレン‐パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、等の材料で形成されている。なお、これは例示であって、本発明は、これに限定されるものではない。
離型層を設けることで、定着ベルト33は、記録媒体P上のカラー画像に対する離型性が確保される。また、定着ベルト33の直径は15〜120mmになるように設定されている。なお、本実施の形態では、定着ベルト33の直径が30mm程度に設定されている。また、これは例示であって、本発明は、これに限定されるものではない。また、離型とは、接着している物体同士が剥離することを意味し、離型性とは、物体同士の剥離しやすさを意味する。
また、ニップ部の位置で定着ベルト33の外周面に接触する加圧ローラ34は、直径が30〜40mm程度であって、中空構造の芯金34a上に弾性層34bを形成したものである。なお、これは例示であって、本発明は、これに限定されるものではない。
加圧ローラ34は、定着ベルト33に押付けられ、双方の部材間に所望のニップ部を形成する。
固定部材76は、液晶ポリマー等の耐熱樹脂材料等で構成される。固定部材76と、定着ベルト33との間に、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性部材を設けることにより、定着ベルト33の表面は、ニップ部において記録媒体Pの表面の微小な凹凸に追従することができる。これにより、定着ベルト33は、記録媒体P上のカラー画像に均一に熱を伝えるため、柚子肌画像の発生を防止する効果がある。
固定部材76は、加圧ローラ34側の面が加圧ローラ34の曲率にならうように断面形状が凹形状に形成されている。これにより、記録媒体Pは、加圧ローラ34の曲率にならうようにニップ部から送り出されるために、定着工程後の記録媒体Pが定着ベルト33に吸着して分離しない、というような不具合を抑止することができる。
伝熱部材72は、その幅方向両端部が定着装置30の図示しない側板に固定支持されており、肉厚が0.2mm以下のパイプ状部材である。なお、これは例示であって、本発明は、これに限定されるものではない。伝熱部材72の材料としては、アルミニウム、鉄、ステンレス等の熱伝導性を有する金属を用いることができる。
伝熱部材72の肉厚を0.2mm以下に設定することで、定着装置30は、定着ベルト33の加熱効率を向上することができる。伝熱部材72は、ニップ部を除く位置で定着ベルト33の内周面に近接もしくは接触するように形成され、ニップ部の位置では、内部に凹形状が形成されるとともに、開口部が形成された凹部が設けられている。
ここで、常温時にニップ部を除く位置における定着ベルト33と伝熱部材72とのギャップは、0mmより大きく1mm以下とすることが好ましい。なお、これは例示であって、本発明は、これに限定されるものではない。
これにより、定着装置30は、伝熱部材72と定着ベルト33とが滑る状態で接触する面積が大きくなり定着ベルト33の摩耗が加速する不具合を抑止することができる。
また、定着装置30は、伝熱部材72と定着ベルト33とが離れ過ぎて定着ベルト33の加熱効率が低下する不具合を抑止することができる。
さらに、定着装置30は、伝熱部材72が定着ベルト33の近くに設けられることで、可撓性を有する定着ベルト33の円形姿勢がある程度維持されるため、定着ベルト33の変形による劣化を軽減することができる。
また、定着装置30は、伝熱部材72と定着ベルト33とが滑りながら動く際の摩擦抵抗を低下させるために、伝熱部材72の滑りながら動く面を摩擦係数の低い材料で形成したり、定着ベルト33の内周面にフッ素を含む材料からなる表面層を形成したりすることもできる。
伝熱部材72は、ハロゲンヒータやカーボンヒータなどにより構成されたヒータ35の輻射熱および輻射光(以下、単に「輻射熱」とする。)により加熱されて定着ベルト33を加熱する。すなわち、定着装置30は、伝熱部材72がヒータ35によって直接的に加熱されて、伝熱部材72を介して定着ベルト33がヒータ35によって間接的に加熱される構成となっている。
伝熱部材72は、内面を黒色に塗装されている。これにより、定着装置30は、反射部材74で反射された赤外線を伝熱部材72が吸熱する効率が高くなり、定着ベルト33への伝熱効率も向上させることができる。
なお、ヒータ35の出力制御は、定着ベルト33表面に対向する温度検知手段36による定着ベルト33の表面温度の検知結果に基づいて行われる。また、このようなヒータ35の出力制御によって、記録媒体P上のカラー画像を定着させる定着ベルト33の定着温度を所望の温度に設定することができる。
このように、定着装置30は、定着ベルト33の一部のみが局所的に加熱されるのではなく、伝熱部材72によって定着ベルト33が周方向にわたってほぼ全体的に加熱される構成となっている。これにより、定着装置30は、装置を高速化した場合であっても、定着ベルト33が充分に加熱されて定着不良の発生を抑止することができる。
補強部材73は、ニップ部を形成する固定部材76を補強、支持するためのもので、定着ベルト33の内周面側に設けられている。補強部材73は、その幅方向両端部が定着装置30の図示しない側板に固定支持されている。
補強部材73は、固定部材76および定着ベルト33を介して加圧ローラ34に接触することで、ニップ部において固定部材76が加圧ローラ34の加圧力を受けて大きく変形する不具合の発生を抑止している。
なお、補強部材73は、上述した機能を満足するために、ステンレスや鉄合金等の機械的強度が高い金属材料で形成することが好ましい。
また、本実施の形態に係る補強部材73においては、部品の材料費と加工費を低減させる目的で、板厚5mmの鋼材をプレス加工で打ち抜いて外形を作成し、高温環境下でも材料が酸化しにくいように表面にめっき処理を施されている。なお、これは例示であって、本発明は、これに限定されるものではない。
反射部材74は、その断面が、長方形の一つの辺を開口にした形状をなしており、反射部材74の一部が補強部材73の上方に回り込み、反射部材74が補強部材73を咥え込むように構成されている。このような断面形状とすることで、補強部材73は、平板の打ち抜き加工のみで作成可能な単純な形状であっても、反射部材74を保持することが可能となる。
ヒータ35がハロゲンヒータなど輻射熱を利用して加熱する方式の熱源である場合には、反射部材74には、ヒータ35に対向する反射面24aに、断熱部材を設けたり、BA(Bright Anneal)処理や鏡面研磨処理を施したりすることもできる。
これにより、ヒータ35から補強部材73に向かう輻射熱は、断熱もしくは反射されて伝熱部材72の加熱に用いられることになり、伝熱部材72の加熱効率がさらに向上するため、定着ベルト33の加熱効率がさらに向上することになる。
加圧ローラ34には不図示の駆動機構の駆動ギヤに噛合するギヤが設置されていて、加圧ローラ34は、図中の矢印方向に回転駆動される。また、加圧ローラ34は、その幅方向両端部が定着装置30の不図示の側板に軸受を介して回転自在に支持されている。
弾性層34bは、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の材料で形成されている。なお、弾性層34bの表層にPFA、PTFE等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。
また、弾性層34bを発泡性シリコーンゴム等のスポンジ状の材料で形成した場合には、ニップ部に作用する加圧力を減ずることができるために、固定部材76に生じる撓みを軽減することができる。この場合、定着ベルト33の加熱効率は、定着ベルト33の熱が加圧ローラ34側に移動しにくくなるため向上する。
定着装置30には、定着ベルト33に対して加圧ローラ34を接触および離隔する加圧レバー81が設けられている。加圧レバー81は、一端側に設けられた支軸81aを中心として定着装置30の図示しない側板に回転自在に支持されている。
加圧レバー81の中央部は、側板に形成された長穴に移動可能に保持されている加圧ローラ34の軸受に接触している。また、加圧レバー81の他端側には、図示しない加圧スプリング等の弾性部材が接続されている。
このような構成により、加圧レバー81は、支軸81aを中心にして回転し、通常の定着動作時において、加圧ローラ34が定着ベルト33を加圧して所望のニップ部を形成する。
これに対して、ジャム処理時等、通常の定着動作時以外のときには、図示しない偏心カムレバー等により、加圧ローラ34は、定着ベルト33から離脱、または、定着ベルト33を減圧する。
次に、上述のように構成された定着装置30の、通常時の動作について簡単に説明する。
画像形成装置1の電源スイッチが投入されると、ヒータ35に電力が供給されるとともに、加圧ローラ34の図中の矢印方向の回転駆動が開始される。
これにより、加圧ローラ34との摩擦力によって、定着ベルト33も図中の矢印方向に従動回転する。その後、給紙部2から記録媒体Pが給送されて、2次転写ローラ20の位置で、記録媒体P上に未定着のカラー画像が転写される。
未定着のカラー画像が転写された記録媒体Pは、不図示のガイド板に案内されながら図の矢印77方向に搬送されて、押付けられた状態にある定着ベルト33および加圧ローラ34のニップ部に搬入される。
そして、伝熱部材72を介してヒータ35によって加熱された定着ベルト33による加熱と、補強部材73によって補強された固定部材76および加圧ローラ34による押付ける力とによって、記録媒体Pの表面のカラー画像は、記録媒体Pに定着される。
その後、ニップ部から送り出された記録媒体Pは、矢印78方向に搬送される。
[その他の実施形態]
図13に、回転しない定着パッド51を備えた定着装置の例を示す。
図13に示す定着装置では、加圧ローラ34が回転駆動することにより、定着ベルト33と加熱ローラ32とが従動して回転する。また、加圧ローラ34の内部にも、熱源としてのヒータ52等が設けられている。なお、加熱ローラ32を、回転しない加圧部材及び加熱部材で構成することも可能である。
すなわち、定着部材、加熱部材及び加圧部材の少なくとも1つが回転駆動することにより、定着ベルト33を回転させることができればよい。
また、加圧部材(ニップ形成部材)として加圧ベルトを使用し、その加圧ベルトを加圧ローラ又は加圧パッド等によって定着ベルトに加圧する構成としてもよい。
さらに、加圧部材(ニップ形成部材)は、定着ベルト33に圧接する場合に限らず、加圧を行わす定着ベルト33に接触させるだけの構成とすることも可能である。
上述のように、本実施形態の定着装置によれば、定着ベルトの伸縮などによって、加熱ローラが移動したり、熱膨張による加熱ローラの外径が変化しても、そのときの定着ベルトに対する温度検知手段の距離をほぼ一定に維持することができる。
なお、ここで言う「ほぼ一定」とは、距離が完全に一定となる場合と、温度検知の許容誤差範囲内での影響に収まる程度で距離が変化する場合とを含むことを意味する。
これにより、温度検知手段の検知温度のばらつきを許容誤差範囲内に抑えることができるようになるので、定着ベルトの温度を精度良く検知することができ、温度検知手段の誤検知による装置の誤作動を防止することが可能となる。
また、定着ベルトに対して温度検知手段が強く接触することによる定着ベルトの傷付きも防止することができる。
このように、本実施形態の定着装置は、装置の誤作動や定着ベルトの傷付きを防止することができるため、本実施形態の定着装置を搭載することにより信頼性の高い画像形成装置を提供することができる。
また、本実施形態の定着装置によれば、定着ベルトに対する温度検知手段の配設位置を所定の位置に設定するだけで、定着ベルトの温度を精度良く検知可能となるので、簡易な構成とすることができ、調整機構などの複雑な構成が不要となり、装置の小型化及び低コスト化を実現できる。
1 画像形成装置
30 定着装置
31 定着ローラ(定着部材)
32 加熱部材(加熱ローラ)
33 定着ベルト(定着部材)
34 加圧部材(加圧ローラ)
36 温度検知手段
60 温度検知手段支持部材
60a 回動穴
60b 当接部材
特開2011−048190号公報 特開2006−243029号公報

Claims (10)

  1. 定着部材と、
    前記定着部材に圧接して記録媒体を挿通させる定着ニップを形成する加圧部材と、
    前記定着部材を加熱する加熱部材と、
    前記定着部材表面の温度を非接触の状態で検知する温度検知手段と、
    前記温度検知手段を、前記定着部材表面から所定の距離離間させて支持する温度検知手段支持部材と、を備え、
    前記温度検知手段支持部材は、通紙可能な最大サイズの前記記録媒体の通過領域外及び画像領域外のいずれかにおいて前記定着部材に当接する当接部材を有することを特徴とする定着装置。
  2. 前記定着部材は、定着ローラと、前記定着ローラ及び前記加熱手段に張架されて回転可能に構成された無端状の定着ベルトとからなり、
    前記加熱手段は、前記定着ローラに対して接近離間可能に構成された加熱ローラであり、
    前記温度検知手段支持部材は、前記加熱手段が前記定着ローラに対して接近離間する方向に移動可能な範囲内において、前記温度検知手段と前記定着ベルト表面との距離がほぼ一定となるように前記温度検知手段を支持することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着部材は、内部に前記加熱手段を備え、無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを前記加圧部材に押付ける固定部材と、前記固定部材に接合して前記固定部材を補強する補強部材と、前記加熱手段からの熱を前記定着ベルトの内周面に反射する反射部材からなり、
    前記温度検知手段支持部材は、前記温度検知手段と前記定着ベルト表面との距離がほぼ一定となるように前記温度検知手段を支持することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記定着部材は、芯材と前記芯材の外周面を被覆する弾性層とを有し、前記加熱手段によって加熱される定着ローラであり、前記温度検知手段支持部材は、前記温度検知手段と前記定着ローラ表面との距離がほぼ一定となるように前記温度検知手段を支持することを特徴とする請求項1に記載の定着装置
  5. 前記温度検知手段支持部材は、前記定着部材に当接する当接部材を、前記定着部材の通紙可能な最大サイズの前記記録媒体の通過領域外及び画像領域外のいずれかの両側に有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記温度検知手段支持部材は、前記定着部材に向けて付勢する付勢部材を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記温度検知手段を前記加熱部材の上方に配設したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の定着装置。
  8. 前記温度検知手段を前記加熱部材の長手方向に複数配設したことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の定着装置。
  9. 前記温度検知手段は、サーモスタット及びサーミスタのいずれかであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の定着装置。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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JP2019191379A (ja) * 2018-04-25 2019-10-31 コニカミノルタ株式会社 定着装置、画像形成装置および圧接状態切換装置

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