JP5381745B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、そこに設置される定着装置と、に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短くて、装置を高速化した場合であっても定着不良が生じにくい定着装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
詳しくは、特許文献1、2等の定着装置は、定着部材としての定着ベルト、定着ベルトの内周面の一部又は全部に対向するように固設された略円筒状の金属部材(対向部材)、金属部材を加熱するために金属部材に内設されたヒータ(加熱手段)、定着ベルトに圧接してニップ部を形成する加圧回転体としての加圧ローラ、等で構成されている。
そして、定着ベルトがヒータによって加熱された金属部材によって加熱されて、ニップ部に向けて搬送された記録媒体上のトナー像がニップ部にて熱と圧力とを受けて記録媒体上に定着されることになる。なお、このような定着装置では、駆動手段によって加圧ローラが回転駆動されることで、ニップ部の位置で加圧ローラに圧接する定着ベルトが摩擦抵抗によって従動回転することになる。
一方、特許文献3等には、定着ベルトに対して加圧ローラを接離する接離機構が設置された定着装置であって、定着ベルトに対して加圧ローラを離間した状態で、駆動機構によって定着ベルトを単独で駆動しながら定着ベルトを加熱する技術が開示されている。
上述した特許文献1、2等の定着装置は、定着ベルトや加圧ローラの磨耗劣化や圧縮永久歪を軽減するために、定着ベルトに対して加圧ローラを接離する接離機構を設けて、定着工程時のみに定着ベルトに対して加圧ローラを圧接させるように制御した場合に、ウォーミングアップ時(ウォームアップ時)に加圧ローラから定着ベルトが駆動力を受けずに定着ベルトが回転停止した状態になり、加熱手段によって定着ベルトが周方向全域にわたって均一に加熱されにくくなってしまったり定着ベルトの昇温時間が長くなってしまったりする不具合があった。そして、このような場合には、定着画像に定着ムラ等の定着不良が生じてしまったり、定着装置の立ち上がりが遅くなったりすることになる。
これに対して、特許文献3等の技術を応用して、定着ベルトを単独で回転駆動する駆動機構を設けて、ウォーミングアップ時に、定着ベルトに対して加圧ローラを離間した状態で、駆動機構によって定着ベルトを単独で駆動させながら定着ベルトを加熱する方策が考えられる。しかし、このような場合には、特許文献1、2等の定着装置に設置される定着ベルトが厚さが1mm以下の薄肉で可撓性を有する無端状ベルトであるために、定着工程時に加圧ローラが圧接した状態で駆動機構によって定着ベルトが回転駆動されたときに、定着ベルトに座屈等の変形が生じて、経時において定着ベルトが破損してしまう可能性が大きくなる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短くて、定着画像に定着ムラ等の定着不良が生じることなく、定着ベルトや加圧回転体に磨耗劣化や圧縮永久歪や破損が生じにくい、定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる定着装置は、所定方向に走行してトナー像を加熱して溶融するとともに、可撓性を有する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトの内周面側に固設された固定部材と、前記定着ベルトを介して前記固定部材に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成するとともに、駆動手段によって所定方向に回転駆動される加圧回転体と、前記定着ベルトの内周面に対向するように固設されて前記定着ベルトを加熱するとともに、加熱手段によって加熱されるパイプ状の金属部材と、を備え、前記加圧回転体は、通紙領域に形成された第1加圧部と、非通紙領域に形成された第2加圧部と、を具備し、前記第1加圧部と前記第2加圧部とが前記定着ベルトを介して前記固定部材に圧接する第1の状態と、前記第1加圧部が前記定着ベルトに対して離間するとともに前記第2加圧部のみが前記定着ベルトを介して前記固定部材に圧接する第2の状態と、を切り替えるように前記加圧回転体を移動させる移動機構をさらに備え、前記駆動手段が稼動したときに、前記第1の状態であっても前記第2の状態であっても、前記定着ベルトが所定方向に走行するように構成されたものである。
また、請求項2記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記移動機構は、前記ニップ部に記録媒体が通紙される場合に前記第1の状態になるように制御され、前記ニップ部に記録媒体が通紙されない場合に前記第2の状態になるように制御され、装置のウォーミングアップがおこなわれる場合と前記ニップ部に記録媒体が通紙される場合とに、前記駆動手段は前記加圧回転体を回転駆動するように制御されるとともに、前記加熱手段は前記金属部材を加熱するように制御されるものである。
また、請求項3記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記加圧回転体は、前記第1加圧部の外周面の摩擦係数に比べて前記第2加圧部の外周面の摩擦係数が大きくなるように形成されたものである。
また、請求項4記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記加圧回転体は、前記第1加圧部の表面硬度に比べて前記第2加圧部の表面硬度が小さくなるように形成されたものである。
また、請求項5記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記定着ベルトの温度を検知する第1温度検知手段と、前記加圧回転体の温度を検知する第2温度検知手段と、を備え、装置のウォーミングアップがおこなわれる場合、前記駆動手段が稼動する直前に前記第2温度検知手段によって検知された温度が所定値未満であるときに、前記第1温度検知手段によって検知された温度が第1温度に達した後に前記第2の状態から前記第1の状態になるように前記移動機構が制御され、前記駆動手段が稼動する直前に前記第2温度検知手段によって検知された温度が前記所定値以上であるときに、前記第1温度検知手段によって検知された温度が前記第1温度よりも高い第2温度に達した後に前記第2の状態から前記第1の状態になるように前記移動機構が制御されるものである。
また、請求項6記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、前記ニップ部における記録媒体の通紙動作が終了した後に、前記第1の状態から前記第2の状態になるように前記移動機構が制御されるものである。
また、請求項7記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の発明において、前記定着ベルトの温度を検知する第1温度検知手段を備え、前記ニップ部における記録媒体の通紙動作が終了した後に前記定着ベルトを加熱して待機する加熱待機モードが選択されている場合に、前記ニップ部における記録媒体の通紙動作が終了した後に、前記第1の状態から前記第2の状態になるように前記移動機構が制御されるとともに、前記駆動手段が稼動されながら前記第1温度検知手段によって検知された温度が所定値に維持されるように前記加熱手段が制御されるものである。
また、請求項8記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の発明において、前記金属部材は、前記ニップ部を除く位置で前記定着ベルトの内周面に対向するように固設され、前記金属部材の内周面側に固設されて前記固定部材に当接して当該固定部材を補強する補強部材をさらに備えたものである。
また、この発明の請求項9記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の定着装置を備えたものである。
なお、本願において、「通紙領域」とは、画像形成装置にて通紙される最大サイズの記録媒体の幅方向(通紙方向に直交する方向である。)の範囲であるものと定義し、「非通紙領域」とは「通紙領域」の範囲外の領域であるものと定義する。
また、本願において、固定部材や金属部材や補強部材が「固設」された状態とは、固定部材や金属部材や補強部材が回転駆動されることなく非回転で保持されている状態であるものと定義する。したがって、例えば、固定部材がスプリング等の付勢部材によってニップ部に向けて付勢されている場合であっても固定部材が非回転で保持されていれば、固定部材が「固設」された状態となる。
本発明は、通紙領域に第1加圧部が形成され、非通紙領域に第2加圧部が形成された加圧回転体を設けている。また、第1加圧部と第2加圧部とが定着ベルトを介して固定部材に圧接する第1の状態と、第1加圧部が定着ベルトに対して離間するとともに第2加圧部のみが定着ベルトを介して固定部材に圧接する第2の状態と、を切り替えるように加圧回転体を移動させる移動機構をさらに設けている。そして、駆動手段が稼動したときに、第1の状態であっても第2の状態であっても、定着ベルトが所定方向に走行するように構成している。これにより、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短くて、定着画像に定着ムラ等の定着不良が生じることなく、定着ベルトや加圧回転体に磨耗劣化や圧縮永久歪や破損が生じにくい、定着装置及び画像形成装置を提供することができる。
この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。 図1の画像形成装置に設置された定着装置を示す構成図である。 図2の定着装置を幅方向にみた図である。 ニップ部の近傍を示す拡大断面図である。 第2の状態にある定着装置を示す図である。 第2の状態にある定着装置を幅方向にみた図である。 ウォーミングアップ時の制御を示すフローチャートである。 加熱待機モード時の制御を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2における定着装置を示す構成図である。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1〜図8にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1に示すように、本実施の形態1における画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタである。画像形成装置本体1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y、102M、102C、102Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。その中間転写ユニット85の中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
各作像部4Y、4M、4C、4Kには、それぞれ、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kが配設されている。また、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの周囲には、それぞれ、帯電部75、現像部76、クリーニング部77、除電部(不図示である。)等が配設されている。そして、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に各色の画像が形成されることになる。
感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kは、不図示の駆動モータによって図1中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部75の位置で、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、現像装置76との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、各色のトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト78及び第1転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、クリーニング部77との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に残存した未転写トナーがクリーニング部77のクリーニングブレードによって機械的に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト78上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト78上にカラー画像が形成される。
ここで、中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78、4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング部80、等で構成される。中間転写ベルト78は、3つのローラ82〜84によって張架・支持されるとともに、1つのローラ82の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kは、それぞれ、中間転写ベルト78を感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト78は、2次転写ローラ89との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ82が、2次転写ローラ89との間に中間転写ベルト78を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト78上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト78には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
ここで、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体1の下方に配設された給紙部12から、給紙ローラ97やレジストローラ対98等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部12には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ97が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対98のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対98に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対98のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト78上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対98が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト21及び加圧ローラ31による熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対99によって装置外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2〜図8にて、画像形成装置本体1に設置される定着装置20の構成・動作について詳述する。
図2〜図4に示すように、定着装置20は、定着部材としての定着ベルト21(ベルト部材)、固定部材26、金属部材22(加熱部材)、補強部材23、加熱手段としてのヒータ25(熱源)、加圧回転体としての加圧ローラ31、第1温度検知手段としての第1温度センサ40、第2温度検知手段としての第2温度センサ55、移動機構51〜53、断熱部材27、ステー部材28、等で構成される。
ここで、定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状ベルトであって、図2中の矢印方向(反時計方向)に回転(走行)する。定着ベルト21は、内周面21a(固定部材26との摺接面である。)側から、基材層、弾性層、離型層が順次積層されていて、その全体の厚さが1mm以下に設定されている。
定着ベルト21の基材層は、層厚が30〜50μmであって、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド等の樹脂材料で形成されている。
定着ベルト21の弾性層は、層厚が100〜300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、等のゴム材料で形成されている。弾性層を設けることで、ニップ部における定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなり、記録媒体P上のトナー像Tに均一に熱が伝わりユズ肌画像の発生が抑止される。
定着ベルト21の離型層は、層厚が10〜50μmであって、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、等の材料で形成されている。離型層を設けることで、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保される。
また、定着ベルト21の直径は15〜120mmになるように設定されている。なお、本実施の形態1では、定着ベルト21の内径が30mmに設定されている。
定着ベルト21の内部(内周面側)には、固定部材26、ヒータ(加熱手段)、金属部材22、補強部材23、断熱部材27、ステー部材28、等が固設されている。また、図示は省略するが、定着ベルト21と金属部材22との間には、潤滑剤が塗布されている。
ここで、固定部材26は、定着ベルト21の内周面21aに摺接するように固定されている。そして、固定部材26が定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接することで、記録媒体Pが搬送されるニップ部が形成される。図3を参照して、固定部材26は、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に固定支持されている。なお、固定部材26の構成については、後でさらに詳しく説明する。
図2を参照して、金属部材22(加熱部材)は、ニップ部を除く位置で定着ベルト21の内周面に対向するように形成され、ニップ部の位置では断熱部材27を介して固定部材26を保持するように形成された略円筒体である。図3を参照して、金属部材22は、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に固定支持されている。また、金属部材22の両端には、定着ベルト21の寄り(幅方向の移動である。)を制限するための寄止めフランジ29が挿設されている。
そして、略パイプ状に形成された金属部材22は、ヒータ25の輻射熱により加熱されて定着ベルト21を加熱する(熱を伝える。)。すなわち、金属部材22がヒータ25によって直接的に加熱されて、金属部材22を介して定着ベルト21がヒータ25によって間接的に加熱されることになる。定着ベルト21の加熱効率を良好に維持するためには、金属部材22の厚さを0.1mm以下に設定することが好ましい。
金属部材22の材料としては、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、鉄、等の金属熱伝導体(熱伝導性を有する金属である。)を用いることができるが、その中でも単位体積の熱容量比(密度×比熱である。)が比較的小さいフェライト系ステンレス鋼が好適である。本実施の形態1では、金属部材22の材料として、フェライト系ステンレス鋼であるSUS430を用いている。また、金属部材22の厚さを0.1mmに設定している。
加熱手段としてのヒータ25は、ハロゲンヒータ(又はカーボンヒータ)であって、その両端部が定着装置20の側板43に固定されている(図3を参照できる。)。そして、装置本体1の電源部により出力制御されたヒータ25(加熱手段)の輻射熱によって、金属部材22が加熱される。さらに、金属部材22によって定着ベルト21がニップ部を除く位置で全体的に加熱されて、加熱された定着ベルト21の表面から記録媒体P上のトナー像Tに熱が加えられる。なお、ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21表面に対向するサーミスタ等の第1温度センサ40(第1温度検知手段)によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。また、このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定することができる。
このように、本実施の形態1における定着装置20は、定着ベルト21の一部のみが局所的に加熱されるのではなく、金属部材22によって定着ベルト21が周方向にわたってほぼ全体的に加熱されることになるために、装置を高速化した場合であっても定着ベルト21が充分に加熱されて定着不良の発生を抑止することができる。すなわち、比較的簡易な構成で効率よく定着ベルト21を加熱できるために、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短縮化されるとともに、装置の小型化が達成される。
ここで、略パイプ状の金属部材22は、定着ベルト21の内周面(ニップ部を除く位置である。)にクリアランスをあけて対向するように固設されている。定着ベルト21と金属部材22とのクリアランス量δ(ニップ部を除く位置のギャップである。)は、0mmより大きく1mm以下に設定されている(0mm<δ≦1mmである。)。これにより、金属部材22と定着ベルト21とが摺接する面積が大きくなって定着ベルト21の磨耗が加速する不具合を抑止するとともに、金属部材22と定着ベルト21とが離れ過ぎて定着ベルト21の加熱効率が低下する不具合を抑止することができる。さらに、金属部材22が定着ベルト21に近設されることで、可撓性を有する定着ベルト21の円形姿勢がある程度維持されるため、定着ベルト21の変形による劣化・破損を軽減することができる。
また、金属部材22と定着ベルト21とが摺接しても定着ベルト21の磨耗が軽減されるように、定着ベルト21の内周面には、双方の部材21、22の間にはフッ素グリスやシリコーンオイル等の潤滑剤が塗布されている。
なお、本実施の形態1では、金属部材22の断面形状が略円形になるように形成したが、金属部材22の断面形状が多角形になるように形成することもできる。
ここで、本実施の形態1では、ニップ部を形成する固定部材26の強度を補強する補強部材23が、定着ベルト21の内周面側に固設されている。図3を参照して、補強部材23は、幅方向の長さが固定部材26と同等になるように形成されていて、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に固定支持されている。そして、補強部材23が固定部材26及び定着ベルト21を介して加圧ローラ31に当接することで、ニップ部において固定部材26が加圧ローラ31の加圧力を受けて大きく変形する不具合を抑止している。なお、本実施の形態1において、補強部材23は、金属部材22の内部を概ね2つの空間に分けるように配設された板状部材である。
この補強部材23は、上述した機能を満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが好ましい。
また、補強部材23における、ヒータ25に対向する面の一部又は全部に、断熱部材を設けたり、鏡面処理を施したりすることもできる。これにより、ヒータ25から補強部材23に向かう熱(補強部材23を加熱する熱)が金属部材22の加熱に用いられることになるために、定着ベルト21(金属部材22)の加熱効率がさらに向上することになる。
図2及び図3を参照して、ニップ部の位置で定着ベルト21の外周面に当接する加圧回転体としての加圧ローラ31は、中空構造の芯金34上に、第1加圧部32と第2加圧部33とがそれぞれ形成されたものである。加圧ローラ31において、第1加圧部32は通紙領域Mに形成され、第2加圧部33は両端の非通紙領域Nにそれぞれ形成されている。なお、図3に示すように、本実施の形態1では、記録媒体Pの通紙精度(横レジストの精度)を考慮して、第1加圧部32が狙いの通紙領域Mに対して非通紙領域N側にマージンをとって広く形成されている。
加圧ローラ31(加圧回転体)の第1加圧部32は、記録媒体Pが搬送されるニップ部を形成する主部であって、直径が30mmの弾性材料で形成されている(芯金34上に形成された弾性層である。)。加圧ローラ31の第1加圧部32(弾性層)は、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の材料で形成されている。なお、第1加圧部32(弾性層)上に、表層としてPFA、PTFE等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。加圧ローラ31(第1加圧部32)は定着ベルト21に圧接して、双方の部材間に所望のニップ部を形成する。
なお、加圧ローラ31の両端(非通紙領域N)に設けられた第2加圧部33については、後で詳しく説明する。
なお、加圧ローラ31の弾性層を発泡性シリコーンゴム等のスポンジ状の材料で形成した場合には、ニップ部に作用する加圧力を減ずることができるために、固定部材26に生じる撓みをさらに軽減することができる。さらに、加圧ローラ31の断熱性が高められて、定着ベルト21の熱が加圧ローラ31側に移動しにくくなるために、定着ベルト21の加熱効率が向上する。
また、本実施の形態1では、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径とほぼ同等になるように形成したが、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径よりも小さくなるように形成することもできる。その場合、ニップ部における定着ベルト21の曲率が加圧ローラ31の曲率よりも小さくなるために、ニップ部から送出される記録媒体Pが定着ベルト21から分離され易くなる。
また、図3を参照して、加圧ローラ31には不図示の駆動手段(駆動機構)の駆動ギアに噛合するギア45が設置されていて、加圧ローラ31は駆動手段によって図2中の矢印方向(時計方向)に回転駆動される。
また、加圧ローラ31は、その幅方向両端部が、定着装置20の側板43に回動自在に支持された加圧レバー51に対して軸受42を介して回転自在に支持されている。そして、この加圧レバー51を含む移動機構51〜53によって、所定のタイミングで加圧ローラ31が図2の左右方向に移動されることになる(図2、図3の位置と、図5、図6の位置と、の間の移動である。)。
なお、移動機構51〜53の構成・動作については、後で詳しく説明する。
また、本実施の形態1では、加圧ローラ31(第1加圧部32)の表面温度を検知するための第2温度検知手段として、サーミスタ等の第2温度センサ55が設置されている。そして、第2温度検知センサ55の検知結果に基いて、ウォーミングアップ時の制御がおこなわれることになるが、これについても後で詳しく説明する。
なお、加圧ローラ31の内部に、ハロゲンヒータ等の熱源を設けることもできる。
図4を参照して、定着ベルト21の内周面21aに摺接する固定部材26は、ベース層26b上に表面層26aが形成されたものである。固定部材26は、加圧ローラ31との対向面(摺接面)が、加圧ローラ31の曲率にならうように凹状に形成されている。これにより、記録媒体Pは加圧ローラ31の曲率にならうようにニップ部から送出されるために、定着工程後の記録媒体Pが定着ベルト21に吸着して分離しないような不具合を抑止することができる。
なお、本実施の形態1では、ニップ部を形成する固定部材26の形状を凹状に形成したが、ニップ部を形成する固定部材26の形状を平面状に形成することもできる。すなわち、固定部材26の摺接面(加圧ローラ31に対向する面である。)が平面形状になるように形成することができる。これにより、ニップ部の形状が記録媒体Pの画像面に対して略平行になって、定着ベルト21と記録媒体Pとの密着性が高まるために定着性が向上する。さらに、ニップ部の出口側における定着ベルト21の曲率が大きくなるために、ニップ部から送出された記録媒体Pを定着ベルト21から容易に分離することができる。
また、固定部材26のベース層26bを形成する材料としては、加圧ローラ31による加圧力を受けても大きく撓むことがないように、ある程度剛性のある材料(例えば、高剛性の金属やセラミック等である。)で形成されている。
金属板を曲げ加工することにより形成する略パイプ状の金属部材22は、その肉厚を薄くすることができるために、ウォームアップ時間を短縮することができる。しかし、金属部材22自身の剛性は小さくなっているため、加圧ローラ31の加圧力に抗しきれずに、撓んだり、変形することがある。パイプ状の金属部材22が変形してしまうと所望のニップ幅が得られずに、定着性が低下するという問題が生じる。これに対して、本実施の形態1では、薄肉の金属部材22とは別に高剛性の固定部材26を設置してニップ部を形成しているために、そのような問題が生じるのを未然に防止することができる。
また、固定部材26の表面層26aは、目の粗いシート状の低摩擦材料で形成されている。そして、この表面層26aには、予め潤滑剤が含浸されている。これにより、固定部材26は、定着ベルト21に当接する面に潤滑剤が保持された状態になる。したがって、固定部材26と定着ベルト21との摺接によって双方の部材21、26が磨耗する不具合が軽減される。
また、本実施の形態1では、固定部材26とヒータ25(加熱手段)との間に断熱部材27を設置している。詳しくは、固定部材26と金属部材22との間であって、固定部材26の摺接面を除く面を覆うように断熱部材27が設置されている。断熱部材27の材料としては、断熱性に優れたスポンジゴムや、空包を有するセラミック、等を用いることができる。
本実施の形態1では、定着ベルト21と金属部材22とがほぼ全周にわたって近接しているため、加熱待機時(プリント動作待機時)においても定着ベルト21を周方向に温度ムラなく加熱できる。したがって、プリント要求を受けた後、速やかにプリント動作をおこなうことができる。このとき、従来のオンデマンド方式の定着装置(例えば、特許第2884714号公報参照。)では、ニップ部で加熱待機時に加圧ローラを変形させたまま熱を与えてしまうと、加圧ローラのゴムの材質によっては、熱劣化を起こして加圧ローラの寿命が短くなってしまったり、加圧ローラに圧縮永久ひずみが発生してしまったりする(ゴムの圧縮永久ひずみは、ゴムの変形に加熱が加わることにより増大する。)。そして、加圧ローラに圧縮永久ひずみが発生すると、加圧ローラの一部が凹んだ状態になり、所望のニップ幅が得られないため、定着不良が発生したり、回転時に異音が生じたりする。
これに対して、本実施の形態1では、固定部材26と金属部材22との間に断熱部材27が設置されているために、加熱待機時に金属部材22の熱が固定部材26に達しにくくなる。したがって、加熱待機時に加圧ローラ31が変形した状態で高温加熱される不具合が軽減されて、上述の問題が生じるのを抑止することができる。
さらに、固定部材26と定着ベルト21との摩擦抵抗を低減するために双方の部材間に塗布された潤滑剤は、ニップ部における高圧条件に加えて高温条件による使用によって劣化して、定着ベルト21のスリップ等の不具合が生じてしまう可能性がある。
これに対して、本実施の形態1では、固定部材26と金属部材22との間に断熱部材27が設置されているために、金属部材22の熱がニップ部の潤滑剤に達しにくくなる。したがって、潤滑剤の高温による劣化が軽減されて、上述の問題が生じるのを抑止することができる。
また、本実施の形態1では、固定部材26と金属部材22との間に断熱部材27が設置されているために、固定部材26が断熱されて、ニップ部では積極的に定着ベルト21は加熱されないことになる。そのため、ニップ部に送入された記録媒体Pの温度がニップ部から送出されるときには低くなる。すなわち、ニップ部出口では、記録媒体P上に定着されたトナー像の温度が低くなって、トナーの粘性が低下して、定着ベルト21に対するトナー接着力が小さくなった状態で、記録媒体Pは定着ベルト21から分離される。したがって、定着工程直後の記録媒体Pが定着ベルト21に巻き付いてジャムになる不具合が防止されるとともに、定着ベルト21に対するトナー固着も抑制される。
また、本実施の形態1では、図4を参照して、固定部材26が挿設された金属部材22の凹部を内周面側から保持するステー部材28が設置されている。
略パイプ状の金属部材22は、0.1mm厚のステンレス板に曲げ加工を施して形成したものである。したがって、ステンレス板を曲げ加工によって所望のパイプ形状に加工しようとしても、そのままでは、スプリングバックによって径が大きくなる方向に開いてしまい所望のパイプ形状を形成することができない。そして、金属部材22がスプリングバックによって開いてしまうと、定着ベルト21の内周面に接触してしまい定着ベルト21を傷つけたり、定着ベルト21との接触ムラによる定着ベルト21の加熱ムラが生じたりしてしまう。本実施の形態1では、このような不具合が生じるのを抑止するために、金属部材22の開口部が形成された凹部(曲げ部)をステー部材28で固定することによって、金属部材22のスプリングバックによる変形を抑止している。具体的には、スプリングバック力に抗するように曲げ加工が施された金属部材22の形状を保持しながら、金属部材22の内周面側からステー部材28を凹部に圧入する。
ここで、金属部材22の加熱効率を高くするためには、金属部材22の肉厚は0.2mm以下に設定することが好ましい。
上述したように、金属板を曲げ加工することにより形成する略パイプ状の金属部材22は、その肉厚を薄くすることができるために、ウォームアップ時間を短縮することができる。しかし、金属部材22自身の剛性は小さくなっているため、加圧ローラ31の加圧力が金属部材22に作用すると、その加圧力に抗しきれずに、撓んだり、変形してしまう。そして、パイプ状の金属部材22が変形してしまうと所望のニップ幅が得られずに、定着性が低下するという問題が生じてしまう。これに対して、本実施の形態1では、薄肉の金属部材22に凹部(固定部材26が挿設されている部分である。)をニップ部から離れるように設けて、加圧ローラ31の加圧力が金属部材22に直接的に作用しないように構成しているために、そのような問題が生じるのを未然に防止することができる。
以下、上述のように構成された定着装置20の通常時の動作について簡単に説明する。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、ヒータ25に電力が供給されるとともに、不図示の駆動手段によって加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。これにより、加圧ローラ31との摩擦力によって、定着ベルト21も図2中の矢印方向に従動(回転)する。
その後、給紙部12から記録媒体Pが給送されて、2次転写ローラ89の位置で、記録媒体P上に未定着のカラー画像が担持(転写)される。未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、不図示のガイド板に案内されながら図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。
そして、金属部材22(ヒータ25)によって加熱された定着ベルト21による加熱と、補強部材23によって補強された固定部材26と加圧ローラ31(第1加圧部32)との押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、ニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印Y11方向に搬送される。
以下、本実施の形態1における定着装置20において特徴的な構成・動作について、詳しく説明する。
上述したように、図2及び図3を参照して、本実施の形態1における定着装置20の加圧ローラ31(加圧回転体)には、芯金34上に、通紙領域Mに第1加圧部32が形成され、非通紙領域Nに第2加圧部33が形成されている。この第1加圧部32と第2加圧部33とは、それぞれ、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性材料で形成されている。ここで、第1加圧部32の外径(無負荷状態の外径である。)が30mmに設定されているに対して、第2加圧部33の外径(無負荷状態の外径である。)は30.5〜33mm(本実施の形態1では、32mmに設定されている。)に設定されている。
さらに、本実施の形態1における定着装置20には、図2及び図5を参照して、移動機構51〜53が設置されている。この移動機構51〜53(接離機構)は、第1加圧部32と第2加圧部33とが定着ベルト21を介して固定部材26に圧接する第1の状態(図2及び図3の状態である。)と、第1加圧部32が定着ベルト21に対して離間するとともに第2加圧部33のみが定着ベルト21を介して固定部材26に圧接する第2の状態(図5及び図6の状態である。)と、を切り替えるように加圧ローラ31を移動させるものである。
詳しくは、移動機構(接離機構)は、加圧レバー51、カム52、引張スプリング53等で構成されている(幅方向両端にそれぞれ設置されている。)。加圧レバー51は、支軸51aを中心に回動可能に側板43に設置されている。加圧レバー51の一端側には軸受42を介して加圧ローラ31の芯金34の軸部が回転可能に保持され、他端側には引張スプリング53の一端が接続されている。また、図示は省略するが、引張スプリング53の他端側は側板43に接続されている。また、定着装置20の側板43には、不図示の駆動モータに接続されたカム52が回動可能に設置されている。そして、このカム52が回動制御されて加圧レバー51に対して接離することで、上述した第1の状態と第2の状態とが切り替えられることになる。
具体的に、カム52が加圧レバー51に当接しないように、その回動方向の姿勢が制御されているときには、引張スプリング53のスプリング力によって、加圧レバー51が加圧ローラ31を定着ベルト21に近づける方向に付勢する。これにより、図2及び図3に示すように、加圧ローラ31の第1加圧部32と第2加圧部33とは、それぞれ、定着ベルト21に圧接してニップ部を形成することになる。そして、この状態で不図示の駆動手段が稼動すると、駆動手段からギア45への駆動力の伝達によって加圧ローラ31が回転駆動されて、第1加圧部32及び第2加圧部33との摩擦抵抗によって定着ベルト21も図2の反時計方向に従動回転することになる。そして、このような状態で、先に説明した定着工程(記録媒体Pの通紙動作)がおこなわれる。
これに対して、カム52が加圧レバー51に当接するように、その回動方向の姿勢が制御されているときには、引張スプリング53のスプリング力に抗するように、加圧レバー51が加圧ローラ31を定着ベルト21から遠ざける方向に回動する。これにより、図5及び図6に示すように、第1加圧部32は定着ベルト21から離間して、第2加圧部33のみが定着ベルト21に圧接してニップ部(図2、図3の状態よりも圧接力は小さい。)を形成することになる。そして、この状態でも、不図示の駆動手段が稼動すると、駆動手段からギア45への駆動力の伝達によって加圧ローラ31が回転駆動されて、第2加圧部33との摩擦抵抗によって定着ベルト21が図2の反時計方向に従動回転することになる。そして、このような状態で、ウォーミングアップ(定着工程がおこなわれる前の初期動作である。)等がおこなわれることになる。なお、図5及び図6を参照して、本実施の形態1では、第1加圧部32が定着ベルト21から離間した状態において、双方の部材21、32のギャップBが0.5〜1mmになるように設定されている。
このように、本実施の形態1における定着装置20は、駆動手段が稼動したとき(加圧ローラ31が回転したとき)に、第1の状態(図2及び図3の状態)であっても第2の状態(図5及び図6の状態)であっても、定着ベルト21が所定方向に走行するように構成されている。すなわち、2つの加圧部32、33の外径や材料、移動機構51〜53の移動範囲等が最適化されて、駆動手段が稼動したときに、第1の状態であっても第2の状態であっても、定着ベルト21が所定方向に走行するように構成されている。
そして、このように構成された定着装置20において、移動機構51〜53は、ニップ部に記録媒体Pが通紙される場合(定着工程時)に第1の状態(図2及び図3の状態)になるように制御され、ニップ部に記録媒体Pが通紙されない場合(非定着工程時)に第2の状態(図5及び図6の状態)になるように制御される。さらに、定着装置20のウォーミングアップがおこなわれる場合と、ニップ部に記録媒体Pが通紙される場合(定着工程時)と、には、駆動手段は加圧ローラ31を回転駆動するように制御されるとともに、ヒータ25(加熱手段)は金属部材22を加熱するように制御される(ヒータ25への電力供給がおこなわれる)。
詳しくは、第2の状態(図5及び図6の状態)で加圧ローラ31の回転駆動やヒータ25への電力供給が停止された状態(休止時)から、ウォーミングアップが開始されると、第2の状態(図5及び図6の状態)で加圧ローラ31の回転駆動やヒータ25への電力供給が開始される。
これにより、ウォーミングアップ時において、定着ベルト21は図5の反時計方向に走行(回転)しながらヒータ25(金属部材22)によって加熱されることになるため、周方向に温度ムラが生じることなく定着ベルト21が効率的に迅速に加熱されることになる。すなわち、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短くて、定着画像に定着ムラ等の定着不良が生じにくくなる。
また、ウォーミングアップ時にも、休止時と同様に、第1加圧部32(非通紙領域Nに形成された第2加圧部33とは異なり、定着画像の画質の良否を決定する。)が、定着ベルト21から離間されているため、定着画像の画質の良否を左右するような定着ベルト21や加圧ローラ31の磨耗劣化や圧縮永久歪や破損を軽減することができる。
そして、ウォーミングアップが終了した後に、移動機構51〜53によって第2の状態(図5及び図6の状態)から第1の状態(図2及び図3の状態)に加圧ローラ31を移動させて、第1の状態で加圧ローラ31の回転駆動やヒータ25への電力供給をおこないながら、記録媒体Pの通紙動作(定着工程)をおこなう。
さらに、記録媒体Pの通紙動作(定着工程)が終了した後には、再び第1の状態から第2の状態になるように移動機構51〜53を制御して、装置が休止状態になる。
なお、本実施の形態1における定着装置20は、休止時であっても稼動時であっても加圧ローラ31の第2加圧部33が定着ベルト21に常に圧接した状態になるため、第2加圧部33と第2加圧部33が圧接する定着ベルト21の部分とに劣化が生じやすくなるが、第2加圧部33は非通紙領域Nに設けられているために、定着画像の画質への影響が生じないことになる。
ここで、本実施の形態1における加圧ローラ31は、第1加圧部32の外周面の摩擦係数に比べて、第2加圧部33の外周面の摩擦係数が大きくなるように形成されている。具体的には、第1加圧部32や第2加圧部33の弾性材料を最適化したり外周面に表面層を設けたりして、上述した摩擦係数の差異が生じるように構成している。
このように構成することにより、第2の状態(第2加圧部33のみが定着ベルト21に圧接している状態である。)であっても、定着ベルト21に対する第2加圧部33の摩擦抵抗をある程度大きく維持できるため、第2の状態における定着ベルト21の走行不良が生じにくくなる。
また、本実施の形態1における加圧ローラ31は、第1加圧部32の表面硬度に比べて、第2加圧部33の表面硬度が小さくなるように形成されている。具体的には、第1加圧部32や第2加圧部33の弾性材料を最適化したり外周面に表面層を設けたりして、上述した表面硬度の差異が生じるように構成している。
このように構成することにより、第1の状態(第1加圧部32と第2加圧部33とが定着ベルト21に圧接している状態である。)でおいて、双方の加圧部32、33に外径差があっても双方の加圧部32、33によってそれぞれ形成されるニップ部において大きな圧接力の差異が生じにくくなるため、第1の状態における通紙領域Mの良好なニップ部が確保されるとともに、第1の状態における定着ベルト21の走行不良が生じにくくなる。
ここで、本実施の形態1では、定着装置20のウォーミングアップがおこなわれる場合、駆動手段が稼動する直前(加圧ローラ31が回転駆動される直前)に第2温度センサ55(第2温度検知手段)によって検知された温度が所定値(本実施の形態1では、40℃に設定されている。)未満であるときに、第1温度センサ40(第1温度検知手段)によって検知された温度が第1温度T1に達した後に第2の状態から第1の状態になるように移動機構51〜53が制御される。これに対して、駆動手段が稼動する直前(加圧ローラ31が回転駆動される直前)に第2温度センサ55によって検知された温度が所定値(本実施の形態1では、40℃に設定されている。)以上であるときに、第1温度センサ40によって検知された温度が第1温度T1よりも高い第2温度T2に達した後に第2の状態から第1の状態になるように移動機構51〜53が制御される。
具体的に、図7のフローチャートを用いて説明する。
まず、ウォーミングアップが開始されると(ステップS1)、第2温度センサ55によって検知される加圧ローラ31の温度が40℃以下であるかが判別される(ステップS2)。
その結果、加圧ローラ31の温度が40℃以下であると判別された場合(例えば、装置の放置状態(休止状態)が長時間あった場合等である。)、定着ベルト21の判定温度(第2の状態から第1の状態への移行をおこなうタイミングを判断するための値である。)がT1に設定される(ステップS3)。そして、ヒータ25への電力供給と加圧ローラ31の駆動とが開始される(ステップS4、S5)。そして、第1温度センサ40によって検知される定着ベルト21の温度が判定温度T1以上であるかが判別され(ステップS6)、定着ベルト21の温度が判定温度T1以上であると判別された場合に加圧ローラ31を第2の状態から第1の状態へ移動して通紙を開始する(ステップS11、S12)。
これに対して、ステップS2にて、加圧ローラ31の温度が40℃以下ではないと判別された場合(例えば、装置の放置状態(休止状態)が比較的短い時間であった場合等である。)、定着ベルト21の判定温度がT2(ステップS3の判定温度T1よりも高い値である。)に設定される(ステップS7)。そして、ヒータ25への電力供給と加圧ローラ31の駆動とが開始される(ステップS8、S9)。そして、第1温度センサ40によって検知される定着ベルト21の温度が判定温度T2以上であるかが判別され(ステップS10)、定着ベルト21の温度が判定温度T2以上であると判別された場合に加圧ローラ31を第2の状態から第1の状態へ移動して通紙を開始する(ステップS11、S12)。
その後、通紙動作(定着工程)が終了したかが判別され(ステップS13)、通紙動作が終了したものと判別された場合にはヒータ25への電力供給と加圧ローラ31の駆動とが停止される(ステップS14、S15)。さらに、加圧ローラ31を第1の状態から第2の状態へ移動して、本フローを終了する(ステップS16、S17)。
このような制御をおこなうことにより、ウォーミングアップ時において、加圧ローラ31の温度があまり高くないときには第1加圧部32を含む加圧ローラ31全体が比較的早いタイミングで定着ベルト21に接触することになり、加圧ローラ31の温度があまり低くないときには第1加圧部32を含む加圧ローラ31全体が比較的遅いタイミングで定着ベルト21に接触することになる。したがって、加圧ローラ31の温度があまり高くないときには、定着工程がおこなわれるまでに、定着ベルト21からの長時間の受熱によって加圧ローラ31全体を充分に加熱することができるため、加圧ローラ31の昇温不足による定着不良画像の発生を軽減することができる。また、加圧ローラ31の温度があまり低くないときには、定着工程がおこなわれるまでに、定着ベルト21からの短時間の受熱によって加圧ローラ31全体を充分に加熱することができるため、加圧ローラ31の昇温不足による定着不良画像の発生を軽減することができるとともに、加圧ローラ31への放熱を抑えて定着ベルト21の昇温時間を早めることができる。
また、本実施の形態1では、ニップ部における記録媒体Pの通紙動作が終了した後にも定着ベルト21を加熱しながら待機する加熱待機モードが選択できるように構成されている。具体的に、図示は省略するが、画像形成装置本体1の操作部(又は、装置本体1に接続されたコンピュータ)には、通紙動作が終了した後の次の通紙動作をおこなう際の立ち上げ時間を短縮化する「加熱待機モード」を選択するためのボタン(又は、それに代わるもの)が設けられている。そして、ユーザーの操作によって加熱待機モードが選択されている場合には、ニップ部における記録媒体Pの通紙動作が終了した後に、第1の状態から第2の状態になるように移動機構51〜53が制御されるとともに、加圧ローラ31及び定着ベルト21を駆動するための駆動手段が稼動されながら第1温度センサ40(第1温度検知手段)によって検知された温度が所定値(本実施の形態1では、150℃に設定されている。)に維持されるようにヒータ25が制御される。
具体的に、図8のフローチャートを用いて説明する。
まず、通紙動作(プリント動作)が終了して装置が待機状態(第1の状態から第2の状態になるように移動機構51〜53が制御される。)になると(ステップS20、S21)、加熱待機モードが設定されているかが判別される(ステップS22)。
その結果、加熱待機モードが設定されているものと判別された場合には、第1温度センサ40によって定着ベルト21の温度が150℃に維持されるようにヒータ25が出力制御されるとともに、加圧ローラ31の回転駆動がおこなわれる(ステップS23、S24)。そして、60秒が経過した後に、加熱待機モードを終了する(ステップS28)。なお、60秒が経過する前に、ユーザーによってプリント動作が選択された場合には、本フローを直ちに終了して、プリント動作が優先される。
これに対して、ステップS22にて、加熱待機モードが設定されていないものと判別された場合には、ヒータ25への電力供給と加圧ローラ31の回転駆動とを停止して(ステップS26、S27)、本フローを終了する(ステップS28)。
このような制御をおこなうことにより、加熱待機モードが実行される場合であっても、定着ベルト21は図5の反時計方向に走行しながらヒータ25(金属部材22)によって加熱されることになるため、周方向に温度ムラが生じることなく定着ベルト21が効率的に迅速に加熱されることになり、その後のプリント動作において定着画像に定着ムラ等の定着不良が生じにくくなる。また、加熱待機モード時にも、休止時と同様に、第1加圧部32が定着ベルト21から離間されているため、定着画像の画質の良否を左右するような定着ベルト21や加圧ローラ31の磨耗劣化や圧縮永久歪や破損を軽減することができる。
なお、本実施の形態1において、加熱待機モードが所定時間経過後に終了するように構成したのは、ユーザーによる次のプリント作業が即座におこなわれない場合に、装置の省エネルギーを優先させた方がユーザーの利益になるとの考えによるものである。したがって、装置の省エネルギーを優先させない場合等には、加熱待機モードが所定時間経過後であっても終了しないように構成することもできる。
以上説明したように、本実施の形態1においては、通紙領域Mに第1加圧部32が形成され、非通紙領域Nに第2加圧部33が形成された加圧ローラ31(加圧回転体)を設けている。また、第1加圧部32と第2加圧部33とが定着ベルト21を介して固定部材26に圧接する第1の状態と、第1加圧部32が定着ベルト21に対して離間するとともに第2加圧部33のみが定着ベルト21を介して固定部材26に圧接する第2の状態と、を切り替えるように加圧ローラ31を移動させる移動機構51〜53をさらに設けている。そして、駆動手段が稼動したときに、第1の状態であっても第2の状態であっても、定着ベルト21が所定方向に走行するように構成している。これにより、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短くて、定着画像に定着ムラ等の定着不良が生じることなく、定着ベルト21や加圧ローラ31に磨耗劣化や圧縮永久歪や破損が生じる不具合を軽減することができる。
実施の形態2.
図9にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図9は、実施の形態2における定着装置を示す構成図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。本実施の形態2における定着装置は、金属部材22が電磁誘導によって加熱される点が、前記実施の形態1のものとは相違する。
図9に示すように、本実施の形態2における定着装置20も、前記実施の形態1のものと同様に、定着ベルト21、固定部材26、略パイプ状の金属部材22、補強部材23、断熱部材27、加圧ローラ31(加熱回転体)、第1温度センサ40、第2温度センサ55、移動機構51〜53、等で構成される。また、本実施の形態2における加圧ローラ31も、前記実施の形態1のものと同様に、通紙領域に第1加圧部32が形成され、非通紙領域に第2加圧部33が形成されている。また、移動機構51〜53によって、第1の状態(図9の状態)と、第2の状態(定着ベルト21に対して第1加圧部32が離間して、第2加圧部33のみが圧接している状態である。)と、が切り替えられるように構成されている。さらに、第1の状態であっても、第2の状態であっても、加圧ローラ31が回転駆動されたときには、加圧ローラ31から定着ベルト21に駆動量が伝達されるように構成されている。
ここで、本実施の形態2における定着装置20は、加熱手段として、ヒータ25の代わりに、誘導加熱部50が設置されている。そして、本実施の形態2における金属部材22は、ヒータ25の輻射熱によって加熱される前記実施の形態1のものとは異なり、誘導加熱部50による電磁誘導によって加熱される。
誘導加熱部50は、励磁コイル、コア、コイルガイド、等で構成される。励磁コイルは、定着ベルト21の一部を覆うように、細線を束ねたリッツ線を幅方向(図9の紙面垂直方向である。)に延設したものである。コイルガイドは、耐熱性の高い樹脂材料等からなり、励磁コイルやコアを保持する。コアは、フェライト等の強磁性体(比透磁率が1000〜3000程度である。)からなる半円筒状部材であって、金属部材22に向けて効率のよい磁束を形成するためにセンターコアやサイドコアが設けられている。コアは、幅方向に延設された励磁コイルに対向するように設置されている。
このように構成された定着装置20は、次のように動作する。
加圧ローラ31が図9中の矢印方向に回転駆動されると、定着ベルト21も矢印方向に従動回転する。そして、定着ベルト21は誘導加熱部50との対向位置で加熱される。詳しくは、励磁コイルに高周波の交番電流を流すことで、金属部材22の周囲に磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このとき、金属部材22表面に渦電流が生じて、金属部材22自身の電気抵抗によってジュール熱が発生する。このジュール熱によって、金属部材22が電磁誘導加熱されて、さらに加熱された金属部材22によって定着ベルト21が加熱される。
なお、金属部材22を効率的に電磁誘導加熱するためには、誘導加熱部50を金属部材22の周方向全域に対向するように構成することが好ましい。また、金属部材22の材料としては、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、コバルト、クロム、アルミニウム、金、白金、銀、スズ、パラジウム、これらのうち複数の金属からなる合金、等を用いることができる。
以上説明したように、本実施の形態2においても、前記各実施の形態と同様に、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短くて、定着画像に定着ムラ等の定着不良が生じることなく、定着ベルト21や加圧ローラ31に磨耗劣化や圧縮永久歪や破損が生じる不具合を軽減することができる。
なお、本実施の形態2では、金属部材22を電磁誘導加熱により加熱したが、金属部材22を抵抗発熱体の熱によって加熱することもできる。具体的に、金属部材22の内周面の一部又は全部に抵抗発熱体を当接させる。抵抗発熱体は、セラミックヒータ等の面状発熱体であって、その両端部に電源部が接続されている。そして、抵抗発熱体に電流が流されると、抵抗発熱体自身の電気抵抗によって抵抗発熱体が昇温して、当接する金属部材22を加熱する。さらに、加熱された金属部材22によって定着ベルト21が加熱されることになる。
このような場合にも、加圧ローラ31や移動機構51〜53を本実施の形態2と同様に構成することで、本実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
なお、前記各実施の形態では、定着ベルトとして複層構造の定着ベルト21を用いたが、定着ベルトとしてポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、金属等からなる無端状の定着フィルムを用いることもできる。そして、その場合にも、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が前記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、前記各実施の形態の中で示唆した以外にも、前記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は前記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
1 画像形成装置本体(装置本体)、
20 定着装置、
21 定着ベルト(定着部材)、
22 金属部材(加熱部材)、
23 補強部材、
25 ヒータ(加熱手段)、
26 固定部材、
31 加圧ローラ(加圧回転体)、
32 第1加圧部、
33 第2加圧部、
40 第1温度センサ(第1温度検知手段)、
51 加圧レバー(移動機構)、
52 カム(移動機構)、
53 引張スプリング(移動機構)、
55 第2温度センサ(第2温度検知手段)、
P 記録媒体、 M 通紙領域、 N 非通紙領域。
特許2008−158482号公報 特許2009−3410号公報 特許2007−57827号公報

Claims (9)

  1. 所定方向に走行してトナー像を加熱して溶融するとともに、可撓性を有する無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトの内周面側に固設された固定部材と、
    前記定着ベルトを介して前記固定部材に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成するとともに、駆動手段によって所定方向に回転駆動される加圧回転体と、
    前記定着ベルトの内周面に対向するように固設されて前記定着ベルトを加熱するとともに、加熱手段によって加熱されるパイプ状の金属部材と、
    を備え、
    前記加圧回転体は、通紙領域に形成された第1加圧部と、非通紙領域に形成された第2加圧部と、を具備し、
    前記第1加圧部と前記第2加圧部とが前記定着ベルトを介して前記固定部材に圧接する第1の状態と、前記第1加圧部が前記定着ベルトに対して離間するとともに前記第2加圧部のみが前記定着ベルトを介して前記固定部材に圧接する第2の状態と、を切り替えるように前記加圧回転体を移動させる移動機構をさらに備え、
    前記駆動手段が稼動したときに、前記第1の状態であっても前記第2の状態であっても、前記定着ベルトが所定方向に走行するように構成されたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記移動機構は、前記ニップ部に記録媒体が通紙される場合に前記第1の状態になるように制御され、前記ニップ部に記録媒体が通紙されない場合に前記第2の状態になるように制御され、
    装置のウォーミングアップがおこなわれる場合と前記ニップ部に記録媒体が通紙される場合とに、前記駆動手段は前記加圧回転体を回転駆動するように制御されるとともに、前記加熱手段は前記金属部材を加熱するように制御されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記加圧回転体は、前記第1加圧部の外周面の摩擦係数に比べて前記第2加圧部の外周面の摩擦係数が大きくなるように形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記加圧回転体は、前記第1加圧部の表面硬度に比べて前記第2加圧部の表面硬度が小さくなるように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 前記定着ベルトの温度を検知する第1温度検知手段と、
    前記加圧回転体の温度を検知する第2温度検知手段と、
    を備え、
    装置のウォーミングアップがおこなわれる場合、
    前記駆動手段が稼動する直前に前記第2温度検知手段によって検知された温度が所定値未満であるときに、前記第1温度検知手段によって検知された温度が第1温度に達した後に前記第2の状態から前記第1の状態になるように前記移動機構が制御され、
    前記駆動手段が稼動する直前に前記第2温度検知手段によって検知された温度が前記所定値以上であるときに、前記第1温度検知手段によって検知された温度が前記第1温度よりも高い第2温度に達した後に前記第2の状態から前記第1の状態になるように前記移動機構が制御されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記ニップ部における記録媒体の通紙動作が終了した後に、前記第1の状態から前記第2の状態になるように前記移動機構が制御されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記定着ベルトの温度を検知する第1温度検知手段を備え、
    前記ニップ部における記録媒体の通紙動作が終了した後に前記定着ベルトを加熱して待機する加熱待機モードが選択されている場合に、
    前記ニップ部における記録媒体の通紙動作が終了した後に、前記第1の状態から前記第2の状態になるように前記移動機構が制御されるとともに、前記駆動手段が稼動されながら前記第1温度検知手段によって検知された温度が所定値に維持されるように前記加熱手段が制御されることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の定着装置。
  8. 前記金属部材は、前記ニップ部を除く位置で前記定着ベルトの内周面に対向するように固設され、
    前記金属部材の内周面側に固設されて前記固定部材に当接して当該固定部材を補強する補強部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の定着装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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