JP7102255B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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このフィルム加熱方式の加熱定着装置の中で、更なる省エネルギー性を追求するため、記録材上に形成された画像部を選択的に加熱する方式が提案されている(特許文献1)。この方法では、ヒータの発熱範囲をヒータの長手方向(記録材の搬送方向に直交する方向)に対し複数個の発熱ブロックに分割し、記録材上の画像の有無に応じて、各発熱ブロックを選択的に発熱制御するものである。すなわち、記録材上に画像が無い部分(非画像部)において発熱ブロックへの通電を減少させることで省電力化を図っている。
一般的に加熱定着装置では、未定着トナー像の溶けきらないコールドオフセット状態のトナー、溶けすぎたホットオフセット状態のトナー、静電気的作用で定着フィルム上に残ったトナーなど、さまざまな要因によって定着フィルム上にトナーが付着する。そして最終的には定着フィルムの表面と加圧ローラの表面のどちらか、もしくは定着フィルム表面と加圧ローラ表面の両方に、紙粉などを含んだ汚れ(以下、まとめて「トナー汚れ」という)として付着する。一般に、定着フィルム表面にオフセットしたトナーは、記録材に形成された未定着トナー像とともに溶融され、そのほとんどが機外に排出される。しかし、定着フィルム表面に残された一部のトナー汚れは、定着フィルム側よりも、主に加圧ローラ側に蓄積する。オフセットなどで発生した定着フィルム側のトナー汚れは、プリント中にいったんトナーの軟化点以上の温度に加熱されるが、通常プリント中は加圧ローラ表面の温度が定着部材表面の温度より低い。そのため、定着フィルム表面のトナー汚れは、紙間においてより表面温度の低い加圧ローラ表面に転移する。加圧ローラの表面温度がトナー軟化点以下の温度に冷えている場合などは、特に汚れトナーは表面に固着しやすくなる。一旦汚れトナーが付着すると、表面の離型性はさらに悪化するため、徐々に汚れトナーが蓄積するとうい悪循環になる。いったん加圧ローラ表面にトナー汚れが蓄積すると、記録材(特に記録材が光沢紙やOHTシートなど)が加圧ローラ表面に巻きついて、ジャム等の問題が発生する場合がある。また、多量のトナー汚れが記録材の未定着トナー像非担持面(裏面)に吐き出され、画像汚れが発生する場合もある。
記録材にトナー画像を形成する画像形成部と、
筒状のフィルムと、前記フィルムの内部空間に配置されているヒータであって、基板と、前記基板に設けられており記録材の搬送方向に対して直交する方向である前記ヒータの長手方向に並ぶ複数の発熱体と、を有する前記ヒータと、前記フィルムの外周面に接触する、弾性層を有する加圧ローラであって、前記ヒータと共に前記フィルムを挟み込み前記フィルムとの間にトナー画像が形成された記録材を挟持搬送するニップ部を形成する前記加圧ローラと、を有し、前記ニップ部でトナー画像を記録材に定着させる定着部と、
前記複数の発熱体を個別に制御する制御部と、
を有する画像形成装置において、
前記制御部は、記録材を前記ニップ部で搬送しない期間において、前記複数の発熱体のうちの第1の発熱体に対応する前記加圧ローラの前記長手方向における領域の外径と、前記複数の発熱体のうちの第2の発熱体に対応する前記加圧ローラの前記長手方向における領域の外径に差が生じるように、前記第1の発熱体を第1の制御目標温度で、前記第2の発熱体を前記第1の制御目標温度よりも低い第2の制御目標温度で夫々制御しながら、前記加圧ローラを回転駆動させるシーケンスを実行可能であることを特徴とする。
1.画像形成装置の構成
図1は、本発明の実施例に係る画像形成装置の概略断面図である。本発明が適用可能な画像形成装置としては、電子写真方式や静電記録方式を利用したプリンタ、複写機、ファクシミリ装置などが挙げられ、ここではレーザプリンタに適用した場合について説明する。
本実施例の画像形成装置100は、記録材Pの搬送方向に直交する方向における最大通紙幅が216mmであり、LETTERサイズ(216mm×279mm)の普通紙を200mm/secの搬送速度で毎分45枚プリントすることが可能である。
図2は、本実施例の像加熱装置としての定着装置200の模式的断面図である。定着装置200は、定着部材としての定着フィルム(エンドレスベルト)202と、定着フィルム202の内面に接触するヒータ300と、定着フィルム202の外面に接触する加圧部材としての加圧ローラ208と、金属ステー204と、を有する。加圧ローラ208は、定着フィルム202を介してヒータ300と共に定着ニップ部Nを形成する。
図3を用いて、本実施例におけるヒータ300の構成を説明する。図3(A)はヒータ300の断面図、図3(B)はヒータ300の各層の平面図、図3(C)はヒータ300への電気接点Cの接続方法を説明する図である。図3(B)には、本実施例の画像形成装置100における記録材Pの搬送基準位置Xを示してある。本実施例における搬送基準は中央基準となっており、記録材Pはその搬送方向に直交する方向における中心線が搬送基準位置Xを沿うように搬送される。また、図3(A)は、搬送基準位置Xにおけるヒータ300の断面図となっている。
通の電極で電力供給を行っているが、導電体301aと導電体301bそれぞれに個別の電極を設け、それぞれ電力供給を行っても構わない。
図4は、実施例1のヒータ300の制御回路400の回路図である。画像形成装置100には、商用の交流電源401が接続されている。ヒータ300の電力制御は、トライアック411~トライアック417の通電/遮断により行われる。トライアック411~417は、それぞれ、CPU420からのFUSER1~FUSER7信号に従って動作する。トライアック411~417の駆動回路は省略して示してある。ヒータ300の制御回路400は、7つのトライアック411~417によって、7つの発熱ブロックHB1~HB7を個々に独立制御可能な回路構成となっている。ゼロクロス検知部421は、交流電源401のゼロクロスを検知する回路であり、CPU420にZEROX信号を出力している。ZEROX信号は、トライアック411~417の位相制御や波数制御のタイミングの検出等に用いている。
リレー430、リレー440の回路動作を説明する。RLON信号がHigh状態になると、トランジスタ433がON状態になり、電源電圧Vccからリレー430の2次側コイルに通電され、リレー430の1次側接点はON状態になる。RLON信号がLow状態になると、トランジスタ433がOFF状態になり、電源電圧Vccからリレー430の2次側コイルに流れる電流は遮断され、リレー430の1次側接点はOFF状態になる。同様に、RLON信号がHigh状態になると、トランジスタ443がON状態になり、電源電圧Vccからリレー440の2次側コイルに通電され、リレー440の1次側接点はON状態になる。RLON信号がLow状態になると、トランジスタ443がOFF状態になり、電源電圧Vccからリレー440の2次側コイルに流れる電流は遮断され、リレー440の1次側接点はOFF状態になる。なお、抵抗434、抵抗444は電流制限抵抗である。
図5は、本実施例における、長手方向に分割された加熱領域A1~A7を示す図であり、LETTERサイズ紙の紙幅と対比して表示している。加熱領域A1~A7は、定着ニップ部N内の、発熱ブロックHB1~HB7に対応した位置に設けられており、発熱ブロックHBi(i=1~7)の発熱により、加熱領域Ai(i=1~7)がそれぞれ加熱される。加熱領域A1~A7の全長は220mmであり、各領域はこれを均等に7分割した
ものである(L=31.4mm)。
このように、画像情報に応じて発熱ブロックHBi毎に発熱量を制御することで、必要以上に発熱させることを避け、省電力化を図っている。
続いて、図6と図7を用いて、定着装置200のクリーニングシーケンスについて説明する。
図6(a)は、ヒータの発熱ブロックHBiと定着フィルム202と加圧ローラ208の長手位置関係を示す。加圧ローラ208の長手方向において、発熱ブロックHBiの位置に対応した加圧ローラ208の領域を領域Ci(i=1~7)とする。ここでは領域C3と領域C4をクリーニングする例を説明する。
本実施例のクリーニングシーケンスは、ジョブの最終紙が定着ニップ部Nを通過した後に実施する。すなわち、クリーニングシーケンスは、定着装置200における記録材の加熱処理が終了した後の記録材を定着ニップ部Nで搬送しない期間において実行される。
駆動しながら、ヒータ300の発熱ブロックHBiのうち発熱ブロックHB3、HB4をその他の発熱ブロックよりも低い温調温度に設定し、数秒間維持する加熱制御を行う。
すなわち、7つの加熱領域A1~A7のうち発熱ブロックHB3、HB4によって加熱される加熱領域A3、A4が、クリーニング対象の加熱領域としての第2の加熱領域として、第2の制御目標温度で維持されるように加熱制御する。また、その他の発熱ブロックによって加熱される他の加熱領域A1、A2、A5、A6、A7が、非クリーニング対象の加熱領域としての第1の加熱領域として、第1の制御目標温度で維持されるように加熱制御する。第2の制御目標温度は、第1の制御目標温度よりも低い温度に設定されている。
ックHB4でその他の発熱ブロックHBiよりも温度が低くなっている。ヒータ300の温度分布に従って定着フィルム202を介して加圧ローラ208も同様の温度分布になり、クリーニング領域(C3、C4)が、非クリーニング領域(C1、C2、C5~C7)と温度差が付く。本実施例の加圧ローラ208は定着ニップNを確保するために厚み3.5mmのシリコーンゴムからなる弾性層210を有している。
とで膨張するため、図6(c)に示すように加圧ローラ208の温度分布に応じた外径分布を持つことになる。一方で、定着フィルム202は、紙の凹凸への追従性を良化することで定着性を向上させるため、厚み0.2mmの弾性層を有する。定着フィルム202の弾性層は、加圧ローラ208の弾性層210に比べると厚みがとても薄く、熱による膨張量はわずかであるため、定着フィルム202の長手の外径は定着フィルム202の温度分布に寄らずほぼ一定である。そのため、図6(d)に示すように、定着フィルム202は長手で外径差がほぼ無いため、長手でほぼ一様の表面速度で回転する。その一方で加圧ローラ208は、長手で外径差を有するため、外径が太い非クリーニング領域(C1、C2、C5~C7)と外径が細いクリーニング領域(C3、C4)では表面速度が異なる。定着フィルム202は、加圧ローラ表面の摩擦力によって従動回転するため、加圧ローラの外径の太い領域(C1、C2、C5~C7)の速度に従って回転する。そのため加圧ローラ208の領域C3と領域C4では定着ニップ内で定着フィルム202と表面速度差が付くことで、定着フィルムと202と加圧ローラ208の表面同士が摺擦される。
また、クリーニングシーケンスが複数回実行される場合において、クリーニングする領域Ciをジョブ毎に変えることで、加圧ローラの長手全体でトナー汚れの蓄積を防止することができる。本実施例においてはクリーニングする領域Ciを2か所で説明したが、加圧ローラの長手に温度差を付けられるのであれば1か所でも3か所でも良い。またクリーニングする領域Ciの順番は片側から順番でも、ランダムであっても良い。さらに、直前に実行されたシーケンスにおいてクリーニング領域Ciとして選択された加熱領域の組み合わせと異なる組み合わせの加熱領域が、次のシーケンスにおけるクリーニング領域Ciとなるようにしてもよい。
また、このクリーニングシーケンスは、定着フィルム202と加圧ローラ208の周速差が大きいほど効果が大きくなる。そのため、発熱ブロックHBi間の温度差が大きく、シーケンス時間は長く、加圧ローラの弾性層の厚みは厚いほど効果が大きくすることができる。そのため、各機種の必要に応じてクリーニングの効果を調整することも可能である。
次に、本実施例のクリーニングシーケンスの効果を確認するために、下記の実験を行った。
15℃/10%の低温低湿環境にプリンタ(画像形成装置)を設置し、500ページの文書を1ジョブとし繰り返しプリントし、8万枚まで通紙耐久を行った。紙(記録材)はCANON製のRedLabel Presentation(80g/m2)を使用し
た。本実験のクリーニングシーケンスでは、クリーニングする位置の発熱体HBiとその他の発熱体HBiの温調温度差で、クリーニング領域での定着フィルムと加圧ローラの速
度差が0.5%つくように設定し、回転時間は2秒とした。また、クリーニングはランダムに3つの領域Ciで実行する。比較例1として、クリーニングシーケンスを実施せずに通紙耐久した場合の結果も併記する。結果を表1に示す。
本発明の実施例2について説明する。実施例2の画像形成装置および定着装置の基本的な構成および動作は、実施例1のものと同じである。従って、実施例1と同一、又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
実施例2では、画像形成装置の特徴によって加圧ローラ208の長手で特定の位置に特にトナー汚れが付着しやすい場合などで効果が大きいシーケンスについて説明する。
特に紙粉が多く付着する。紙粉が多く付着すると加圧ローラ208の離型層210の離型性が落ち、トナー汚れが蓄積しやすくなる。特に定着装置の寿命が長い画像形成装置において紙粉の発生が多い場合などでは、加圧ローラ208の離型層210は耐久により表面性が悪化することで実施例1のクリーニングシーケンスだけではトナー汚れの蓄積を抑制しきれない可能性がある。
に行う。
また更に領域C4のクリーニングの効果を高めたい場合、領域C4以外の領域は実施例1に示すように順番やランダムに行い、それと同時に領域C4のクリーニングを毎回行うことも可能である。
上記のように特定の領域のクリーニング頻度を増やすことで、特定の位置の汚れにも対応することが可能である。
実施例2では、領域C4のクリーニングは毎回行い、その他の領域Ciはランダムに2
つずつクリーニングを行うように設定した。
また、実施例1のランダムに3つの領域Ciで行うクリーニングシーケンスと比較を行った。また比較例1のクリーニングシーケンスが無い場合も比較した。
結果を表2に示す。
C4だけであった。
また比較例1では、領域C4で、4万枚の通紙でトナー汚れの付着が確認でき、10万枚の通紙では紙へのトナー汚れの付着も確認できた。領域C4以外の領域では4万枚の通
紙でトナー汚れの付着が確認でき、14万枚の通紙では紙へのトナー汚れの付着も確認できた。
本発明の実施例3について説明する。実施例3の画像形成装置および定着装置の基本的な構成および動作は、上記実施例のものと同じである。従って、上記実施例と同一、又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
クリーニングシーケンスの実行の必要性を示すカウント値としてのプリント枚数(加熱処理が行われた記録材の数)を、カウント手段としての制御部が、装置本体または定着装置に設けられた不図示の記憶手段(メモリ)に累積して記憶する。制御部は、記憶された累積値が大きいほど、シーケンス制御量としてのクリーニングシーケンスの実行時間の長さが長くなるように制御する。
また、説明の中で使用したクリーニングシーケンスの時間や時間を変えるプリントジョブの枚数は一例にすぎず、装置の汚れやすさなどに応じて任意に変更することが可能である。
効果を確認するために15℃/10%の低温低湿環境にプリンタを設置し、連続500枚のジョブを繰り返し22万枚まで通紙を行った。
比較例として、プリントジョブが終了するごとに2秒間のクリーニングを実施する実施例1とクリーニングシーケンスを実行しない比較例1を用いた。結果を表3に示す。
実施例1では、クリーニング領域の加圧ローラと定着フィルムの速度差が0.5%程度で2秒間クリーニングシーケンスをプリントジョブ終了時に行った。よって、実施例1のクリーニングは、比較例1と比較し効果は確認できるものの、本実験のように22万枚の長寿命機において500枚に1度クリーニングシーケンスが入るような状況では、クリーニング効果が不足していたことを示している。
一方、実施例3では22万枚の通紙が終えた後も加圧ローラのトナー汚れの蓄積も確認できなかった。実施例3では図9のフローチャートに従い500枚の通紙後に6秒間のクリーニングシーケンスを実行した。
本発明の実施例4について説明する。実施例4の画像形成装置および定着装置の基本的な構成および動作は、上記実施例のものと同じである。従って、上記実施例と同一、又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
上記実施例3では、プリントジョブの枚数に応じてクリーニング時間を延長する例を示した。実施例4ではクリーニング時間は変えずに、プリントジョブの枚数に応じて、シーケンス制御量としてのクリーニング領域の加圧ローラと定着フィルムの速度差を大きくするクリーニングシーケンスを説明する。
6)。プリントジョブの枚数が101枚以上の場合、300枚以下かどうかを判断する(Step7)。プリントジョブ枚数が300枚以下であれば、クリーニング領域の加圧ローラと定着フィルムの速度差を0.8%に設定し、クリーニングシーケンスを実行する(Step8)。プリントジョブ枚数が301枚以上の場合は、クリーニング領域の加圧ローラと定着フィルムの速度差を1.2%に設定し、クリーニングシーケンスを実行し(Step9)、動作を終了する(Step6)。
本発明の実施例5について説明する。実施例5の画像形成装置および定着装置の基本的な構成および動作は、上記実施例のものと同じである。従って、上記実施例と同一、又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
実施例3及び4では1つ1つが大量のジョブに対して、ジョブの枚数に応じてクリーニングの時間増やす、またはクリーニング領域での定着フィルムと加圧ローラの速度差を増やすことで、1回のクリーニング効果を高めている。それにより長寿命の加熱定着装置においても、加圧ローラへのトナー汚れの付着や、紙へのトナー汚れの付着を抑制した。
その結果、表3に示すように実施例3、実施例4と同様に22万枚の通紙終了後も加圧ローラのトナー汚れの蓄積も確認できなかった。
このように実施例5では、1つ1つのジョブが大量の枚数のプリントジョブが続いても
確実に特定枚数ごとに加圧ローラのクリーニングが行われるため、ジョブの長さに関わらず加圧ローラへのトナー汚れの蓄積を抑制することが可能となる。
本発明の実施例6について説明する。実施例6の画像形成装置および定着装置の基本的な構成および動作は、上記実施例のものと同じである。従って、上記実施例と同一、又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
ビデオコントローラ120がプリント信号を受信し(Step1)、画像データはビデオコントローラ120において加熱領域Aiごとの画像データDiに変換される(Ste
p2)。画像データDiに基づき制御部113に制御され画像形成を開始する(Step3)。画像形成が1枚分完了すると(Step4)、制御部113に内蔵されたクリーニングカウントCniが各画像データDiに応じた加算値が加算される(Step5)。画像形成が1枚行われるごとに各クリーニングカウントCniがクリーニング閾値200を超えたかどうか比較を行う(Step6)。いずれのクリーニングカウントCniもクリーニング閾値200を超えない場合、画像形成がまだ終了していなければ画像形成を継続する(Step4)。また画像形成が終了した場合、動作を終了する(Step10)。
比較例2では、実施例5のように画像形成が1枚分終了すると1増加するクリーニングカウントCnが閾値の100に達するごとにクリーニングシーケンスを行い、クリーニングを行う領域Ciは3か所をランダムに実施した。また、実施例6と同様に非画像部の発熱ブロックHBiの制御温度を文字部の発熱ブロックHBiの制御温度よりも50℃下げている。
比較例3では、比較例2と同様のクリーニングシーケンスを行うが、非画像部の発熱ブロックHBiの制御温度は文字部の発熱ブロックHBiの制御温度と同等とした。
22万枚通紙後の結果を表5に示す。
また比較例3では非画像部での制御温度を下げていないため、カブリトナーは紙に定着できており、どの領域Ciでも加圧ローラの汚れは発生しなかった。しかし、非画像部での発熱ブロックHBiの制御温度を下げていないため、省エネルギー性は悪化していしまった。
このように加熱領域Aiごとの画像データDiに応じたクリーニングカウントCniを利用することで、加圧ローラの各領域Ciでのトナー汚れの蓄積状況を予測することができ、必要な領域Ciに必要な頻度でクリーニングを実行することが可能となる。
また同様に、説明で使用したクリーニング閾値も一例であり、装置のトナー汚れの蓄積のしやすさなどに応じて任意に設定することができる。
なお、本実施例では、本発明の像加熱装置として、定着部材としての定着フィルムを備えた定着装置を例示したが、定着装置の構成はかかる構成に限定されない。例えば、定着フィルムに代えて定着ローラを備えた定着装置に対しても本発明は適用可能である。特に、定着ローラの弾性層が薄い場合において、本発明を好適に適用することができる。また
、本実施例の定着装置は、加圧ローラが回転する構成となっているが、定着フィルムに代えて定着ローラを採用し、かつ定着ローラを回転させる構成であってもよい。また、加熱源としてのヒータとして、例えばハロゲンヒータを用いてもよい。
Claims (14)
- 記録材にトナー画像を形成する画像形成部と、
筒状のフィルムと、前記フィルムの内部空間に配置されているヒータであって、基板と、前記基板に設けられており記録材の搬送方向に対して直交する方向である前記ヒータの長手方向に並ぶ複数の発熱体と、を有する前記ヒータと、前記フィルムの外周面に接触する、弾性層を有する加圧ローラであって、前記ヒータと共に前記フィルムを挟み込み前記フィルムとの間にトナー画像が形成された記録材を挟持搬送するニップ部を形成する前記加圧ローラと、を有し、前記ニップ部でトナー画像を記録材に定着させる定着部と、
前記複数の発熱体を個別に制御する制御部と、
を有する画像形成装置において、
前記制御部は、記録材を前記ニップ部で搬送しない期間において、前記複数の発熱体のうちの第1の発熱体に対応する前記加圧ローラの前記長手方向における領域の外径と、前記複数の発熱体のうちの第2の発熱体に対応する前記加圧ローラの前記長手方向における領域の外径に差が生じるように、前記第1の発熱体を第1の制御目標温度で、前記第2の発熱体を前記第1の制御目標温度よりも低い第2の制御目標温度で夫々制御しながら、前記加圧ローラを回転駆動させるシーケンスを実行可能であることを特徴とする画像形成装置。 - 前記期間は、記録材に形成されたトナー画像を記録材に定着する定着処理が終了した後の期間であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記期間は、記録材に画像を形成する画像形成動作が中断された期間であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記シーケンスの実行の必要性を示すカウント値をカウントするカウント手段を有し、
前記制御部は、前記カウント値が所定の値を超えたときに前記シーケンスを実行することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記カウント値は、前記定着部によりトナー画像の定着処理が行われた記録材の数であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記カウント値は、前記ニップ部を通過した記録材の搬送方向の長さの累積値であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記カウント値は、記録材に形成されるトナー画像における前記複数の発熱体に対応する複数の加熱領域ごとに、夫々の領域に含まれる画像データの種類に応じて決められた加算値の累積値であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記カウント値が前記所定の値を超え、かつ画像形成動作が中断された後に、前記シーケンスを実行することを特徴とする請求項4~7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記シーケンスにおける制御量の設定を、前記シーケンスを実行する度に、前記カウント値に基づいて変更することを特徴とする請求項4~8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記制御量としての前記シーケンスの実行時間の長さを、前記カウント値に基づいて変更することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記制御量としての前記第1の制御目標温度と前記第2の制御目標温度との差を、前記カウント値に基づいて変更することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
- 前記複数の発熱体に対応する複数の加熱領域ごとに前記カウント値がカウントされる場合において、前記複数の加熱領域のうち前記第2の制御目標温度に制御される前記第2の発熱体で加熱される加熱領域には、前記カウント値が最大の加熱領域が含まれることを特徴とする請求項4~11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記シーケンスが複数回実行される場合において、前記複数の発熱体に対応する複数の加熱領域における、前記第1の制御目標温度に制御される前記第1の発熱体で加熱される加熱領域と、前記第2の制御目標温度に制御される前記第2の発熱体で加熱される加熱領域と、の組み合わせが、直前に実行された前記シーケンスにおける前記組み合わせと異なることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置は、記録材を給紙するピックアップローラを有し、前記記録材の搬送方向に対して直交する方向において前記ピックアップローラがある位置に対応する発熱体を前記シーケンスにおいて前記第2の制御目標温度に設定する頻度を、その他の発熱体を前記シーケンスにおいて前記第2の制御目標温度に設定する頻度よりも多くすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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