JP7102255B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は電子写真方式や静電記録方式を利用したプリンタ、複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関する。また、画像形成装置に搭載されている定着器や記録材に定着されたトナー画像を再度加熱することにより、トナー画像の光沢度を向上させる光沢付与装置等の像加熱装置に関する。
上述した画像形成装置には、像加熱装置として、転写紙、OHPシート等の記録材に画像形成部で転写された未定着トナー像(未定着現像剤像)を記録材に定着させる加熱定着装置が搭載されている。その装置構成として、クイックスタート性や省エネルギー性に優れたフィルム加熱方式が知られている。このタイプの加熱定着装置は、加熱された定着フィルムに加圧部材としての加圧ローラを圧接させ、未定着トナー像を担持する記録材を定着フィルムと加圧ローラとで挟持搬送しながら未定着トナー像を加熱溶融して記録材に加熱定着する。
このフィルム加熱方式の加熱定着装置の中で、更なる省エネルギー性を追求するため、記録材上に形成された画像部を選択的に加熱する方式が提案されている(特許文献1)。この方法では、ヒータの発熱範囲をヒータの長手方向(記録材の搬送方向に直交する方向)に対し複数個の発熱ブロックに分割し、記録材上の画像の有無に応じて、各発熱ブロックを選択的に発熱制御するものである。すなわち、記録材上に画像が無い部分(非画像部)において発熱ブロックへの通電を減少させることで省電力化を図っている。
特開平6-95540号公報
しかしながら、上記の画像部を選択的に加熱する方式の加熱定着装置には、下記のような問題があった。
一般的に加熱定着装置では、未定着トナー像の溶けきらないコールドオフセット状態のトナー、溶けすぎたホットオフセット状態のトナー、静電気的作用で定着フィルム上に残ったトナーなど、さまざまな要因によって定着フィルム上にトナーが付着する。そして最終的には定着フィルムの表面と加圧ローラの表面のどちらか、もしくは定着フィルム表面と加圧ローラ表面の両方に、紙粉などを含んだ汚れ(以下、まとめて「トナー汚れ」という)として付着する。一般に、定着フィルム表面にオフセットしたトナーは、記録材に形成された未定着トナー像とともに溶融され、そのほとんどが機外に排出される。しかし、定着フィルム表面に残された一部のトナー汚れは、定着フィルム側よりも、主に加圧ローラ側に蓄積する。オフセットなどで発生した定着フィルム側のトナー汚れは、プリント中にいったんトナーの軟化点以上の温度に加熱されるが、通常プリント中は加圧ローラ表面の温度が定着部材表面の温度より低い。そのため、定着フィルム表面のトナー汚れは、紙間においてより表面温度の低い加圧ローラ表面に転移する。加圧ローラの表面温度がトナー軟化点以下の温度に冷えている場合などは、特に汚れトナーは表面に固着しやすくなる。一旦汚れトナーが付着すると、表面の離型性はさらに悪化するため、徐々に汚れトナーが蓄積するとうい悪循環になる。いったん加圧ローラ表面にトナー汚れが蓄積すると、記録材(特に記録材が光沢紙やOHTシートなど)が加圧ローラ表面に巻きついて、ジャム等の問題が発生する場合がある。また、多量のトナー汚れが記録材の未定着トナー像非担持面(裏面)に吐き出され、画像汚れが発生する場合もある。
上で説明した画像部を選択的に加熱する方式の加熱定着装置は、各発熱ブロックに対して、記録材上の非画像部における発熱ブロックでは通電を減少させることで、消費電力の低減を図っている。そのため、非画像領域が続くような発熱ブロックでは、通電を減少させたままの状態が続くため、加圧ローラの非画像部領域における温度は、画像が印字されている領域の温度と比べると低くなってしまう。このように局所的にでも加圧ローラ温度が低い状態で維持されると、加圧ローラ表面にトナー汚れが蓄積されやすく、記録材裏面へのトナー汚れの吐き出しや、記録材の加圧ローラへの巻きつきなどが発生する可能性があった。
本発明の目的は、省エネルギー性を維持したまま、トナー汚れによる記録材の汚染や、記録材の加圧部材への巻きつきを抑制することができる画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
記録材にトナー画像を形成する画像形成部と、
筒状のフィルムと、前記フィルムの内部空間に配置されているヒータであって、基板と、前記基板に設けられており記録材の搬送方向に対して直交する方向である前記ヒータの長手方向に並ぶ複数の発熱体と、を有する前記ヒータと、前記フィルムの外周面に接触する、弾性層を有する加圧ローラであって、前記ヒータと共に前記フィルムを挟み込み前記フィルムとの間にトナー画像が形成された記録材を挟持搬送するニップ部を形成する前記加圧ローラと、を有し、前記ニップ部でトナー画像を記録材に定着させる定着部と、
前記複数の発熱体を個別に制御する制御部と、
を有する画像形成装置において、
前記制御部は、記録材を前記ニップ部で搬送しない期間において、前記複数の発熱体のうちの第1の発熱体に対応する前記加圧ローラの前記長手方向における領域の外径と、前記複数の発熱体のうちの第2の発熱体に対応する前記加圧ローラの前記長手方向における領域の外径に差が生じるように、前記第1の発熱体を第1の制御目標温度で、前記第2の発熱体を前記第1の制御目標温度よりも低い第2の制御目標温度で夫々制御しながら、前記加圧ローラを回転駆動させるシーケンスを実行可能であることを特徴とする
本発明によれば、省エネルギー性を維持したまま、トナー汚れによる記録材の汚染や、記録材の加圧部材への巻きつきを抑制することができる。
本発明の実施例に係る画像形成装置の断面図 実施例1の加熱定着装置の断面図 実施例1のヒータ構成図 実施例1のヒータ制御回路図 実施例1の加熱領域の説明図 実施例1のクリーニングメカニズムの説明図 実施例1の加圧ローラ熱膨張の説明図 実施例2のピックアップローラと発熱ブロックの長手位置説明図 実施例3のクリーニングシーケンスのフローチャート 実施例4のクリーニングシーケンスのフローチャート 実施例5のクリーニングシーケンスのフローチャート 実施例6のクリーニングシーケンスのフローチャート
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
[実施例1]
1.画像形成装置の構成
図1は、本発明の実施例に係る画像形成装置の概略断面図である。本発明が適用可能な画像形成装置としては、電子写真方式や静電記録方式を利用したプリンタ、複写機、ファクシミリ装置などが挙げられ、ここではレーザプリンタに適用した場合について説明する。
画像形成装置100は、ビデオコントローラ120と制御部113を備える。ビデオコントローラ120は、記録材に形成される画像の情報を取得する取得部として、パーソナルコンピュータ等の外部装置から送信される画像情報及びプリント指示を受信して処理するものである。制御部113は、ビデオコントローラ120と接続されており、ビデオコントローラ120からの指示に応じて画像形成装置100を構成する各部を制御するものである。ビデオコントローラ120が外部装置からプリント指示を受けると、以下の動作で画像形成が実行される。
プリント信号が発生すると、画像情報に応じて変調されたレーザ光をスキャナユニット21が出射し、帯電ローラ16によって所定の極性に帯電された感光ドラム19表面を走査する。これにより感光ドラム19には静電潜像が形成される。この静電潜像に対して現像ローラ17からトナーが供給されることで、感光ドラム19上の静電潜像は、トナー画像(トナー像)として現像される。一方、給紙カセット11に積載された記録材(記録紙)Pはピックアップローラ12によって一枚ずつ給紙され、搬送ローラ対13によってレジストローラ対14に向けて搬送される。さらに、記録材Pは、感光ドラム19上のトナー画像が感光ドラム19と転写ローラ20で形成される転写位置に到達するタイミングに合わせて、レジストローラ対14から転写位置へ搬送される。記録材Pが転写位置を通過する過程で感光ドラム19上のトナー画像は記録材Pに転写される。その後、記録材Pは、定着部(像加熱部)としての定着装置200においてヒータの熱を利用して加熱され、トナー画像が記録材Pに加熱定着される。定着済みのトナー画像を担持する記録材Pは、搬送ローラ対26、27によって画像形成装置100上部のトレイに排出される。ドラムクリーナ18は感光ドラム19に残存するトナーを清掃する。記録材Pのサイズに応じて幅調整可能な一対の記録材規制板を有する給紙トレイ28(手差しトレイ)は、定型サイズ以外のサイズの記録材Pにも対応するために設けられている。ピックアップローラ29は、給紙トレイ28から記録材Pを給紙する。画像形成装置本体100は、定着装置200等を駆動するモータ30を有する。商用の交流電源401に接続されたヒータ駆動手段、通電制御部としての制御回路400は、定着装置200へ電力供給を行う。上述した、感光ドラム19、帯電ローラ16、スキャナユニット21、現像ローラ17、転写ローラ20が、記録材Pに未定着画像を形成する画像形成部を構成している。また、本実施例では、感光ドラム19、帯電ローラ16、現像ローラ17を含む現像ユニット、ドラムクリーナ18を含むクリーニングユニットが、プロセスカートリッジ15として画像形成装置100の装置本体に対して着脱可能に構成されている。
本実施例の画像形成装置100は、記録材Pの搬送方向に直交する方向における最大通紙幅が216mmであり、LETTERサイズ(216mm×279mm)の普通紙を200mm/secの搬送速度で毎分45枚プリントすることが可能である。
2.定着装置(定着部)の構成
図2は、本実施例の像加熱装置としての定着装置200の模式的断面図である。定着装置200は、定着部材としての定着フィルム(エンドレスベルト)202と、定着フィルム202の内面に接触するヒータ300と、定着フィルム202の外面に接触する加圧部材としての加圧ローラ208と、金属ステー204と、を有する。加圧ローラ208は、定着フィルム202を介してヒータ300と共に定着ニップ部Nを形成する。
定着フィルム202は、筒状に形成された複層耐熱フィルムであり、ポリイミド等の耐熱樹脂、またはステンレス等の金属を基層としている。また、定着フィルム202の表面には、トナーの付着防止や記録材Pとの分離性を確保するため、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等の離型性にすぐれた耐熱樹脂を被覆して離型層を形成してある。さらに、画質向上のため、上記基層と離型層の間にシリコーンゴム等の耐熱ゴムを弾性層として形成してもよい。
加圧ローラ208は、鉄やアルミニウム等の材質の芯金209と、シリコーンゴム等の材質の弾性層210と、フッ素樹脂等の材料の離型層211を有する。弾性層210は、シリコーンゴム(ソリッドゴム層)、或いは断熱効果をもたせるためにシリコーンゴムを発泡して形成されたスポンジ層などからなる。弾性層22は、シリコーンゴム、或いはスポンジ層に限られずより断熱効果を持たせるためにシリコーンゴム層内に中空フィラーや、あるいは吸水性ポリマーおよび水を添加することで形成された多孔質を有する気泡ゴム層などでもよい。上記弾性層210の上には、トナー汚れの付着を抑制するために離型層211を設ける。離型層211は、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン樹脂(FEP)等のフッ素樹脂からなるチューブを被覆させたものでもよい。あるいはその表面を塗料でコートしたものであってもよい。
比較的高速の画像形成装置に搭載される定着装置200では、ニップ部Nにおいて適正なニップ幅が形成でき、かつ熱容量をある程度確保する必要がある。そのため、本実施例の加圧ローラ208では、弾性層210は厚み3.5mmのソリッドゴムを用い、外径をφ25mmとしている。
ヒータ300は、耐熱樹脂製のヒータ保持部材201に保持されており、定着ニップ部N内に設けられた加熱領域A~A(詳細は後述する)を加熱することで、定着フィルム202を加熱する。ヒータ保持部材201は定着フィルム202の回転を案内するガイド機能も有している。ヒータ300には、定着フィルム202の内面に接触する側とは反対側(裏面側)に電極Eが設けられており、電気接点Cより電極Eに給電を行っている。金属ステー204は、不図示の加圧力を受けて、ヒータ保持部材201を加圧ローラ208向けて付勢する。また、ヒータ300の異常発熱により作動してヒータ300に供給する電力を遮断するサーモスイッチや温度ヒューズ等の安全素子212が、ヒータ300の裏面側にヒータ保持部材201を介してヒータ300と対向するように配置されている。
加圧ローラ208は、図1に示したモータ30から動力を受けて矢印R1方向に回転駆動される。加圧ローラ208が回転することによって、定着フィルム202が従動して矢印R2方向に回転する。定着ニップ部Nにおいて記録材Pを挟持搬送しつつ定着フィルム202の熱を与えることで、記録材P上の未定着トナー画像は定着処理される。また、定着フィルム202の摺動性を確保し安定した従動回転状態を得るために、ヒータ300と定着フィルム202の間には、潤滑剤として、耐熱性の高いグリース(不図示)を介在させている。
3.ヒータの構成
図3を用いて、本実施例におけるヒータ300の構成を説明する。図3(A)はヒータ300の断面図、図3(B)はヒータ300の各層の平面図、図3(C)はヒータ300への電気接点Cの接続方法を説明する図である。図3(B)には、本実施例の画像形成装置100における記録材Pの搬送基準位置Xを示してある。本実施例における搬送基準は中央基準となっており、記録材Pはその搬送方向に直交する方向における中心線が搬送基準位置Xを沿うように搬送される。また、図3(A)は、搬送基準位置Xにおけるヒータ300の断面図となっている。
ヒータ300は、セラミックス製の基板305と、基板305上に設けられた裏面層1と、裏面層1を覆う裏面層2と、基板305上の裏面層1とは反対側の面に設けられた摺動面層1と、摺動面層1を覆う摺動面層2と、より構成される。
裏面層1は、ヒータ300の長手方向に沿って設けられている導電体301(301a、301b)を有する。導電体301は、導電体301aと導電体301bに分離されており、導電体301bは、導電体301aに対して記録材Pの搬送方向の下流側に配置されている。また、裏面層1は、導電体301a、301bに平行して設けられた導電体303(303-1~303-7)を有する。導電体303は、導電体301aと導電体301bの間にヒータ300の長手方向に沿って設けられている。
さらに、裏面層1は、通電により発熱する発熱抵抗体である、発熱体302a(302a-1~302a-7)と発熱体302b(302b-1~302b-7)を有する。発熱体302aは、導電体301aと導電体303の間に設けられており、導電体301aと導電体303を介して電力を供給することにより発熱する。発熱体302bは、導電体301bと導電体303の間に設けられており、導電体301bと導電体303を介して電力を供給することにより発熱する。
導電体301と導電体303と発熱体302aと発熱体302bとから構成される発熱部位は、ヒータ300の長手方向に対し7つの発熱ブロック(HB~HB)に分割されている。すなわち、発熱体302aは、ヒータ300の長手方向に対し、発熱体302a-1~302a-7の7つの領域に分割されている。また、発熱体302bは、ヒータ300の長手方向に対し、発熱体302b-1~302b-7の7つの領域に分割されている。さらに、導電体303は、発熱体302a、302bの分割位置に合わせて、導電体303-1~303-7の7つの領域に分割されている。7つの発熱ブロック(HB~HB)は、各ブロックにおける発熱抵抗体へ供給する電力が個別に制御されることで、それぞれの発熱量が個別に制御される。これにより、定着ニップ部Nにおいて長手方向に複数分割して形成される加熱領域A~Aが個別に加熱される。
本実施例の発熱範囲は、発熱ブロックHBの図中左端から発熱ブロックHBの図中右端までの範囲であり、その全長は220mmである。また、各発熱ブロックの長手方向長さは、すべて同じ約31mmとしているが、長さを異ならせても構わない。
また、裏面層1は、電極E(E1~E7、およびE8-1、E8-2)を有する。電極E1~E7は、それぞれ導電体303-1~303-7の領域内に設けられており、導電体303-1~303-7を介して発熱ブロックHB~HBそれぞれに電力供給するための電極である。電極E8-1、E8-2は、ヒータ300の長手方向端部に導電体301に接続するよう設けられており、導電体301を介して発熱ブロックHB~HBに電力供給するための電極である。本実施例ではヒータ300の長手方向両端に電極E8-1、E8-2を設けているが、例えば、電極E8-1のみを片側に設ける構成(即ち、電極E8-2を設けない構成)でも構わない。また、導電体301a、301bに対し共
通の電極で電力供給を行っているが、導電体301aと導電体301bそれぞれに個別の電極を設け、それぞれ電力供給を行っても構わない。
裏面層2は、絶縁性を有する表面保護層307より構成(本実施例ではガラス)されており、導電体301、導電体303、発熱体302a、302bを覆っている。また、表面保護層307は、電極Eの箇所を除いて形成されており、電極Eに対して、ヒータの裏面層2側から電気接点Cを接続可能な構成となっている。
摺動面層1は、基板305において裏面層1が設けられる面とは反対側の面に設けられており、各発熱ブロックHB~HBの温度を検知する検知手段としてサーミスタTH(TH1-1~TH1-4、およびTH2-5~TH2-7)を有している。サーミスタTHは、PTC特性、若しくはNTC特性(本実施例ではNTC特性)を有した材料から成り、その抵抗値を検出することにより、全ての発熱ブロックの温度を検知できる。
また、摺動面層1は、サーミスタTHに通電しその抵抗値を検出するため、導電体ET(ET1-1~ET1-4、およびET2-5~ET2-7)と導電体EG(EG1、EG2)とを有している。導電体ET1-1~ET1-4は、それぞれサーミスタTH1-1~TH1-4に接続されている。導電体ET2-5~ET2-7は、それぞれサーミスタTH2-5~TH2-7に接続されている。導電体EG1は、4つのサーミスタTH1-1~TH1-4に接続され、共通の導電経路を形成している。導電体EG2は、3つのサーミスタTH2-5~TH2-7に接続され、共通の導電経路を形成している。導電体ETおよび導電体EGは、それぞれヒータ300の長手に沿って長手端部まで形成され、ヒータ長手端部において不図示の電気接点を介して制御回路400と接続されている。
摺動面層2は、摺動性と絶縁性を有する表面保護層308より構成(本実施例ではガラス)されており、サーミスタTH、導電体ET、導電体EGを覆うとともに、定着フィルム202内面との摺動性を確保している。また、表面保護層308は、導電体ETおよび導電体EGに対して電気接点を設けるために、ヒータ300の長手両端部を除いて形成されている。
続いて、各電極E(E1~E7、およびE8-1、E8-2)への電気接点C(C1~C7、およびC8-1、C8-2)の接続方法を説明する。図3(C)は、各電極Eへ電気接点Cを接続した様子をヒータ保持部材201側から見た平面図である。ヒータ保持部材201には、電極Eに対応する位置に貫通孔が設けられている。各貫通孔位置において、電気接点Cが、電極Eに対して、バネによる付勢や溶接などの手法によって電気的に接続されている。電気接点Cは、金属ステー204とヒータ保持部材201の間に設けられた不図示の導電材料を介して、後述するヒータ300の制御回路400と接続されている。
4.ヒータ制御回路の構成
図4は、実施例1のヒータ300の制御回路400の回路図である。画像形成装置100には、商用の交流電源401が接続されている。ヒータ300の電力制御は、トライアック411~トライアック417の通電/遮断により行われる。トライアック411~417は、それぞれ、CPU420からのFUSER1~FUSER7信号に従って動作する。トライアック411~417の駆動回路は省略して示してある。ヒータ300の制御回路400は、7つのトライアック411~417によって、7つの発熱ブロックHB~HBを個々に独立制御可能な回路構成となっている。ゼロクロス検知部421は、交流電源401のゼロクロスを検知する回路であり、CPU420にZEROX信号を出力している。ZEROX信号は、トライアック411~417の位相制御や波数制御のタイミングの検出等に用いている。
ヒータ300の温度検知方法について説明する。ヒータ300の温度検知は、サーミスタTH(TH1-1~TH1-4、TH2-5~TH2-7)によって行われる。サ-ミスタTH1-1~TH1-4と抵抗451~454との分圧がTh1-1~Th1-4信号としてCPU420で検知されており、CPU420にてTh1-1~Th1-4信号を温度に変換している。同様に、サ-ミスタTH2-5~TH2-7と抵抗465~467との分圧が、Th2-5~Th2-7信号としてCPU420で検知されており、CPU420にてTh2-5~Th2-7信号を温度に変換している。
CPU420の内部処理では、各発熱ブロックの制御目標温度TGTと、サーミスタの検知温度に基づき、例えばPI制御(比例積分制御)により、供給するべき電力を算出している。さらに、供給する電力を、電力に対応した位相角(位相制御)や、波数(波数制御)の制御レベル(デューティー比)に換算し、その制御条件によりトライアック411~417を制御している。CPU420は、本発明における制御部、取得部として、ヒータ300の温調制御にかかわる各種演算や通電制御等を実行する。
リレー430、リレー440は、故障などによりヒータ300が過昇温した場合、ヒータ300への電力遮断手段として用いている。
リレー430、リレー440の回路動作を説明する。RLON信号がHigh状態になると、トランジスタ433がON状態になり、電源電圧Vccからリレー430の2次側コイルに通電され、リレー430の1次側接点はON状態になる。RLON信号がLow状態になると、トランジスタ433がOFF状態になり、電源電圧Vccからリレー430の2次側コイルに流れる電流は遮断され、リレー430の1次側接点はOFF状態になる。同様に、RLON信号がHigh状態になると、トランジスタ443がON状態になり、電源電圧Vccからリレー440の2次側コイルに通電され、リレー440の1次側接点はON状態になる。RLON信号がLow状態になると、トランジスタ443がOFF状態になり、電源電圧Vccからリレー440の2次側コイルに流れる電流は遮断され、リレー440の1次側接点はOFF状態になる。なお、抵抗434、抵抗444は電流制限抵抗である。
リレー430、リレー440を用いた安全回路の動作について説明する。サーミスタTH1-1~TH1-4による検知温度の何れか1つが、それぞれ設定された所定値を超えた場合、比較部431はラッチ部432を動作させ、ラッチ部432はRLOFF1信号をLow状態でラッチする。RLOFF1信号がLow状態になると、CPU420がRLON信号をHigh状態にしても、トランジスタ433がOFF状態で保たれるため、リレー430はOFF状態(安全な状態)で保つことができる。尚、ラッチ部432は非ラッチ状態において、RLOFF1信号をオープン状態の出力にしている。同様に、サーミスタTH2-5~TH2-7による検知温度の何れか1つが、それぞれ設定された所定値を超えた場合、比較部441はラッチ部442を動作させ、ラッチ部442はRLOFF2信号をLow状態でラッチする。RLOFF2信号がLow状態になると、CPU420がRLON信号をHigh状態にしても、トランジスタ443がOFF状態で保たれるため、リレー440はOFF状態(安全な状態)で保つことができる。同様に、ラッチ部442は非ラッチ状態において、RLOFF2信号をオープン状態の出力にしている。
5.加熱領域および画像情報に応じたヒータ制御
図5は、本実施例における、長手方向に分割された加熱領域A~Aを示す図であり、LETTERサイズ紙の紙幅と対比して表示している。加熱領域A~Aは、定着ニップ部N内の、発熱ブロックHB~HBに対応した位置に設けられており、発熱ブロックHB(i=1~7)の発熱により、加熱領域A(i=1~7)がそれぞれ加熱される。加熱領域A~Aの全長は220mmであり、各領域はこれを均等に7分割した
ものである(L=31.4mm)。
本実施例の画像形成装置は、ホストコンピュータ等の外部装置(不図示)から送信される画像データ(画像情報)に応じて、発熱ブロックHB毎に発熱量を変えている。例えば、ハーフトーン画像のようにトナー粒子が疎らに分散した低印字率画像は、トナーを定着させるためにより多くの熱量が必要であることが知られている。したがって、低印字率画像に対応する加熱領域Aを加熱する発熱ブロックHBは、その目標温度を高く設定される。反対に、ベタ画像のようにトナー粒子が密に存在する高印字率画像は、低印字率画像に比べると少ない熱量で定着できる。そのため、高印字率画像に対応する加熱領域Aを加熱する発熱ブロックHBは、その目標温度を低く設定される。また一切画像が印字されない加熱領域Aを加熱する発熱ブロックHBは、その目標温度を更に低く設定することができる。
このように、画像情報に応じて発熱ブロックHB毎に発熱量を制御することで、必要以上に発熱させることを避け、省電力化を図っている。
6.クリーニングシーケンス
続いて、図6と図7を用いて、定着装置200のクリーニングシーケンスについて説明する。
図6(a)は、ヒータの発熱ブロックHBと定着フィルム202と加圧ローラ208の長手位置関係を示す。加圧ローラ208の長手方向において、発熱ブロックHBの位置に対応した加圧ローラ208の領域を領域C(i=1~7)とする。ここでは領域Cと領域Cをクリーニングする例を説明する。
本実施例のクリーニングシーケンスは、ジョブの最終紙が定着ニップ部Nを通過した後に実施する。すなわち、クリーニングシーケンスは、定着装置200における記録材の加熱処理が終了した後の記録材を定着ニップ部Nで搬送しない期間において実行される。
加圧ローラ208の領域C3、Cをクリーニングする場合、加圧ローラ208を回転
駆動しながら、ヒータ300の発熱ブロックHBのうち発熱ブロックHB、HBをその他の発熱ブロックよりも低い温調温度に設定し、数秒間維持する加熱制御を行う。
すなわち、7つの加熱領域A~Aのうち発熱ブロックHB、HBによって加熱される加熱領域A、Aが、クリーニング対象の加熱領域としての第2の加熱領域として、第2の制御目標温度で維持されるように加熱制御する。また、その他の発熱ブロックによって加熱される他の加熱領域A、A、A、A、Aが、非クリーニング対象の加熱領域としての第1の加熱領域として、第1の制御目標温度で維持されるように加熱制御する。第2の制御目標温度は、第1の制御目標温度よりも低い温度に設定されている。
図6(b)に、このときのヒータ300、フィルム202と加圧ローラ208の長手の温度分布を示す。図中、ヒータの制御温度は1点鎖線で、フィルム表面温度は破線で、加圧ローラ表面温度は実線で示している。ヒータ300は、発熱ブロックHB3と発熱ブロ
ックHBでその他の発熱ブロックHBよりも温度が低くなっている。ヒータ300の温度分布に従って定着フィルム202を介して加圧ローラ208も同様の温度分布になり、クリーニング領域(C、C)が、非クリーニング領域(C、C、C~C)と温度差が付く。本実施例の加圧ローラ208は定着ニップNを確保するために厚み3.5mmのシリコーンゴムからなる弾性層210を有している。
ここで、図7(a)に、加圧ローラを加熱し、加圧ローラ表面温度に対する加圧ローラ外径と常温時(=25℃)に対する熱膨張率の関係を示す。加圧ローラ208は、25℃から85℃に加熱されることで、外径が0.39mm、つまり1.5%程度の熱膨張が起きることがわかる。このように弾性層210を有する加圧ローラ208は、加熱されるこ
とで膨張するため、図6(c)に示すように加圧ローラ208の温度分布に応じた外径分布を持つことになる。一方で、定着フィルム202は、紙の凹凸への追従性を良化することで定着性を向上させるため、厚み0.2mmの弾性層を有する。定着フィルム202の弾性層は、加圧ローラ208の弾性層210に比べると厚みがとても薄く、熱による膨張量はわずかであるため、定着フィルム202の長手の外径は定着フィルム202の温度分布に寄らずほぼ一定である。そのため、図6(d)に示すように、定着フィルム202は長手で外径差がほぼ無いため、長手でほぼ一様の表面速度で回転する。その一方で加圧ローラ208は、長手で外径差を有するため、外径が太い非クリーニング領域(C、C、C~C)と外径が細いクリーニング領域(C、C)では表面速度が異なる。定着フィルム202は、加圧ローラ表面の摩擦力によって従動回転するため、加圧ローラの外径の太い領域(C、C、C~C)の速度に従って回転する。そのため加圧ローラ208の領域Cと領域Cでは定着ニップ内で定着フィルム202と表面速度差が付くことで、定着フィルムと202と加圧ローラ208の表面同士が摺擦される。
図7(b)に、非クリーニング領域(C、C、C~C)とクリーニング領域(C、C)の温度差に対するクリーニング領域(C、C)での定着フィルム202と加圧ローラ208の速度差を示す。非クリーニング領域(C、C、C~C)とクリーニング領域(C、C)の温度差が30℃あると、クリーニング領域の定着フィルム202と加圧ローラの速度差が搬送速度200mm/secの0.8%程度付く。このように加圧ローラ208の長手に温度差を持たせることで、加圧ローラ208と定着フィルム202の表面同士を速度差により摺擦させることができる。この速度差による摺擦により、加圧ローラ208に付着したトナー汚れを加圧ローラ表面から剥ぎ取ることができる。剥ぎ取られたトナー汚れは次のジョブの記録材の裏面に吐き出され、機外に排出される。
このシーケンスはジョブが終了するごとに行われるため、トナー汚れが大量に蓄積することはない。ジョブ毎にユーザが気づかない程度の微量なトナー汚れを吐き出すことでトナー汚れの蓄積を防止する。
また、クリーニングシーケンスが複数回実行される場合において、クリーニングする領域Cをジョブ毎に変えることで、加圧ローラの長手全体でトナー汚れの蓄積を防止することができる。本実施例においてはクリーニングする領域Cを2か所で説明したが、加圧ローラの長手に温度差を付けられるのであれば1か所でも3か所でも良い。またクリーニングする領域Cの順番は片側から順番でも、ランダムであっても良い。さらに、直前に実行されたシーケンスにおいてクリーニング領域Cとして選択された加熱領域の組み合わせと異なる組み合わせの加熱領域が、次のシーケンスにおけるクリーニング領域Cとなるようにしてもよい。
また、このクリーニングシーケンスは、定着フィルム202と加圧ローラ208の周速差が大きいほど効果が大きくなる。そのため、発熱ブロックHB間の温度差が大きく、シーケンス時間は長く、加圧ローラの弾性層の厚みは厚いほど効果が大きくすることができる。そのため、各機種の必要に応じてクリーニングの効果を調整することも可能である。
7.効果確認
次に、本実施例のクリーニングシーケンスの効果を確認するために、下記の実験を行った。
15℃/10%の低温低湿環境にプリンタ(画像形成装置)を設置し、500ページの文書を1ジョブとし繰り返しプリントし、8万枚まで通紙耐久を行った。紙(記録材)はCANON製のRedLabel Presentation(80g/m)を使用し
た。本実験のクリーニングシーケンスでは、クリーニングする位置の発熱体HBとその他の発熱体HBの温調温度差で、クリーニング領域での定着フィルムと加圧ローラの速
度差が0.5%つくように設定し、回転時間は2秒とした。また、クリーニングはランダムに3つの領域Cで実行する。比較例1として、クリーニングシーケンスを実施せずに通紙耐久した場合の結果も併記する。結果を表1に示す。
(表1)
Figure 0007102255000001
表中、○は加圧ローラにトナー汚れの付着無し、△は加圧ローラにトナー汚れの付着有りを示す。
比較例1では4万枚の通紙で、加圧ローラへのトナー付着が確認された。8万枚の通紙終了後では、加圧ローラへのトナー付着は継続して確認できたが、紙に目に見えるトナー汚れの付着は確認できなかった。加圧ローラの長手の中でトナー汚れの蓄積した位置を確認したところ、プリントした文書において非画像部が比較的多く続く領域でトナー汚れの付着が目立っていた。加圧ローラの長手位置で非画像部が多い領域Cでは、発熱ブロックHBの発熱量を低減した状態が続くため、加圧ローラの温度がその他の領域よりも低くなっている。耐久を通じて微量なトナー汚れが少しずつ加圧ローラに転移してくるが、加圧ローラ温度が低いと付着したトナー汚れは吐き出されることなく蓄積してしまう。ある程度蓄積した後は、それ以上蓄積することができずに一部のトナー汚れは紙の裏面に吐き出される。それ以降は蓄積と吐き出しが繰り返され、継続して紙面汚れが発生してしまった。
その一方で、実施例1においては8万枚の通紙耐久を通じて加圧ローラ表面に目に見えるレベルのトナー汚れの付着は確認できなかった。実施例1においても加圧ローラにトナーが転移する量は比較例1とほぼ同じであるし、加圧ローラの温度推移もほぼ同等である。しかし、実施例1では500枚のジョブが終了する度に実行する2秒間のクリーニングシーケンスによって、クリーニング領域の加圧ローラと定着フィルムは、0.5%程度の速度差で摺擦された。加圧ローラに付着したトナー汚れをこの定着フィルムとの摺擦で剥ぎ取り、次のジョブで紙裏に吐き出すことができていた。これにより多量のトナー汚れの蓄積を抑制できたため、目に見えるレベルの紙裏への吐き出しを防止することができた。
以上のように、長手方向でそれぞれ独立に制御可能な発熱ブロックを持つヒータにより加圧ローラに温度差をつけ、定着フィルムと摺擦させることで、加圧ローラへのトナー汚れの付着を抑制することができる。
[実施例2]
本発明の実施例2について説明する。実施例2の画像形成装置および定着装置の基本的な構成および動作は、実施例1のものと同じである。従って、実施例1と同一、又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
実施例2では、画像形成装置の特徴によって加圧ローラ208の長手で特定の位置に特にトナー汚れが付着しやすい場合などで効果が大きいシーケンスについて説明する。
例えば、ピックアップローラ12は、紙(記録材)を給紙カセット11から給紙する際に、強く紙を摺擦するため、図8に示すように紙の摺擦された場所では紙粉が発生しやすい。そのためピックアップローラ12の位置に該当する加圧ローラ208の領域Cは、
特に紙粉が多く付着する。紙粉が多く付着すると加圧ローラ208の離型層210の離型性が落ち、トナー汚れが蓄積しやすくなる。特に定着装置の寿命が長い画像形成装置において紙粉の発生が多い場合などでは、加圧ローラ208の離型層210は耐久により表面性が悪化することで実施例1のクリーニングシーケンスだけではトナー汚れの蓄積を抑制しきれない可能性がある。
このように特定の位置で顕著にトナー汚れが蓄積しやすい場合は、特定の領域でクリーニングシーケンスを行う頻度を高めると効果が大きい。今回説明したようにピックアップローラ起因の紙粉でトナー汚れが発生しやすい場合、領域Cのクリーニングは、例えばクリーニングシーケンス2回のうち1回行うように設定する。すなわち、実施例2では、記録材の幅方向に分割された複数の領域のうち定着ニップ部よりも記録材搬送経路の上流側に配置された記録材搬送部材(ピックアップローラ)と接触する領域を加熱するための加熱領域を第2の加熱領域とする構成となっている。クリーニングシーケンス2回のうち残りの1回は、領域C4以外のクリーニングを実施例1に示すように順番、又はランダム
に行う。
また更に領域Cのクリーニングの効果を高めたい場合、領域C以外の領域は実施例1に示すように順番やランダムに行い、それと同時に領域Cのクリーニングを毎回行うことも可能である。
上記のように特定の領域のクリーニング頻度を増やすことで、特定の位置の汚れにも対応することが可能である。
本実施例の効果を確認するために、下記のような実験を行った。15℃/10%の低温低湿環境にプリンタ(画像形成装置)を設置し、500ページの文書を1ジョブとし繰り返しプリントし、16万枚まで通紙耐久を行った。実験には、ピックアップローラ12での紙粉が比較的発生しやすい画像形成装置を用いた。
実施例2では、領域C4のクリーニングは毎回行い、その他の領域Cはランダムに2
つずつクリーニングを行うように設定した。
また、実施例1のランダムに3つの領域Cで行うクリーニングシーケンスと比較を行った。また比較例1のクリーニングシーケンスが無い場合も比較した。
結果を表2に示す。
(表2)
Figure 0007102255000002
表中、○は加圧ローラにトナー汚れの付着無し、△は加圧ローラにトナー汚れの付着有り、×は紙にユーザが気づく大きさのトナー汚れ付着有り、を示す。
実施例1では、クリーニングシーケンスを500枚のジョブ終了ごとに行っているが、12枚万の通紙で加圧ローラにトナー汚れの蓄積が確認できた。また16万枚通紙時ではわずかであるが紙へのトナー汚れの付着が確認できた。上記の加圧ローラへのトナー汚れの蓄積と紙へのトナー付着の位置は、ピックアップローラにより紙粉が発生しやすい領域
だけであった。
また比較例1では、領域Cで、4万枚の通紙でトナー汚れの付着が確認でき、10万枚の通紙では紙へのトナー汚れの付着も確認できた。領域C4以外の領域では4万枚の通
紙でトナー汚れの付着が確認でき、14万枚の通紙では紙へのトナー汚れの付着も確認できた。
これらの結果が示すように、実施例1のクリーニングによって基本的には加圧ローラへのトナー汚れの付着を防止できるが、紙粉が特に多い場合では耐久後半でクリーニング効果が不足して、紙へのトナー汚れの付着に至ってしまう場合がある。しかし、実施例2のクリーニングによれば、紙粉の多い領域Cでクリーニングの頻度を高めることで、16万枚の通紙でも加圧ローラへのトナー汚れの蓄積を防止することができる。
[実施例3]
本発明の実施例3について説明する。実施例3の画像形成装置および定着装置の基本的な構成および動作は、上記実施例のものと同じである。従って、上記実施例と同一、又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
実施例1や実施例2ではプリントジョブが終了するか、紙無しでプリント動作が停止するまでクリーニングシーケンスは実行されない。そのため、1つ1つジョブが大量の文書で一日中継続してプリントされるような使用状況においては、クリーニングシーケンスが500枚に1度、給紙カセットが紙無し状態になり停止する以外では入らない。上記のように大量の文書を長時間プリントし続ける状況は、高速、大型の画像形成装置において多い傾向にあるが、このような画像形成装置に搭載される定着装置は寿命が長く設定されている。定着装置が長寿命化すると、大量プリントにおける実施例1や実施例2のクリーニング効果や頻度では、トナー汚れの蓄積が防止することができない可能性がある。
このような場合、プリント枚数に応じてプリントジョブ終了後のクリーニングシーケンスの時間を変えることでトナー汚れの防止を改善することができる。
クリーニングシーケンスの実行の必要性を示すカウント値としてのプリント枚数(加熱処理が行われた記録材の数)を、カウント手段としての制御部が、装置本体または定着装置に設けられた不図示の記憶手段(メモリ)に累積して記憶する。制御部は、記憶された累積値が大きいほど、シーケンス制御量としてのクリーニングシーケンスの実行時間の長さが長くなるように制御する。
図9のフローチャートを用いて、本実施例における制御の一例を示す。ビデオコントローラ120がプリント信号を受信し(Step1)、制御部が画像形成を開始する(Step2)。画像形成終了(Step3)後に制御部に内蔵(記憶)されたプリントジョブ枚数が100枚以下かどうか判断する(Step4)。プリントジョブ枚数が100枚以下では2秒間のクリーニングシーケンスを実行し(Step5)、動作を終了する(Step6)。プリントジョブの枚数101枚以上の場合、300枚以下かどうかを判断する(Step7)。プリントジョブ枚数が300枚以下であれば、4秒間のクリーニングシーケンスを実行する(Step8)。プリントジョブ枚数が301枚以上の場合は6秒間のクリーニングシーケンスを実行し(Step9)、動作を終了する(Step6)。
クリーニングする領域Cは、順番やランダムでも良いが、特定の領域Cでトナー汚れが付着しやすいということがわかっている場合、実施例2のように特定領域Cでのクリーニング頻度を高め、その他の領域Cは順番やランダムに行うことが好ましい。
また、説明の中で使用したクリーニングシーケンスの時間や時間を変えるプリントジョブの枚数は一例にすぎず、装置の汚れやすさなどに応じて任意に変更することが可能である。
効果を確認するために15℃/10%の低温低湿環境にプリンタを設置し、連続500枚のジョブを繰り返し22万枚まで通紙を行った。
比較例として、プリントジョブが終了するごとに2秒間のクリーニングを実施する実施例1とクリーニングシーケンスを実行しない比較例1を用いた。結果を表3に示す。
(表3)
Figure 0007102255000003
表中、○は加圧ローラにトナー汚れの付着無し、△は加圧ローラにトナー汚れの付着有り、×は紙にユーザが気づく大きさのトナー汚れ付着有り、を示す。
実施例1では、18万枚の通紙終了時、加圧ローラへのトナー汚れの蓄積が確認でき、20万枚で紙へのトナー汚れの付着が確認できた。また比較例1では、14万枚の時点で紙へのトナー付着が確認できた。
実施例1では、クリーニング領域の加圧ローラと定着フィルムの速度差が0.5%程度で2秒間クリーニングシーケンスをプリントジョブ終了時に行った。よって、実施例1のクリーニングは、比較例1と比較し効果は確認できるものの、本実験のように22万枚の長寿命機において500枚に1度クリーニングシーケンスが入るような状況では、クリーニング効果が不足していたことを示している。
一方、実施例3では22万枚の通紙が終えた後も加圧ローラのトナー汚れの蓄積も確認できなかった。実施例3では図9のフローチャートに従い500枚の通紙後に6秒間のクリーニングシーケンスを実行した。
上記のように、プリントジョブの枚数に応じてクリーニング時間を延長することで、クリーニング効果がより強まっている。このように加圧ローラに付着するトナー汚れの量に応じてクリーニング効果を強めることで、長寿命の加熱定着装置においても加圧ローラへのトナー汚れを抑制することが可能となる。
[実施例4]
本発明の実施例4について説明する。実施例4の画像形成装置および定着装置の基本的な構成および動作は、上記実施例のものと同じである。従って、上記実施例と同一、又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
上記実施例3では、プリントジョブの枚数に応じてクリーニング時間を延長する例を示した。実施例4ではクリーニング時間は変えずに、プリントジョブの枚数に応じて、シーケンス制御量としてのクリーニング領域の加圧ローラと定着フィルムの速度差を大きくするクリーニングシーケンスを説明する。
図10のーチャートを用いて実施例4のクリーニングシーケンスを説明する。ビデオコントローラ120がプリント信号を受信し(Step1)、制御部が画像形成を開始する(Step2)。画像形成終了(Step3)後に制御部に内蔵(記憶)されたプリントジョブ枚数が100枚以下かどうか判断する(Step4)。プリントジョブ枚数が100枚以下ではクリーニング領域の加圧ローラと定着フィルムの速度差を0.5%に設定し、2秒間のクリーニングシーケンスを実行し(Step5)、動作を終了する(Step
6)。プリントジョブの枚数が101枚以上の場合、300枚以下かどうかを判断する(Step7)。プリントジョブ枚数が300枚以下であれば、クリーニング領域の加圧ローラと定着フィルムの速度差を0.8%に設定し、クリーニングシーケンスを実行する(Step8)。プリントジョブ枚数が301枚以上の場合は、クリーニング領域の加圧ローラと定着フィルムの速度差を1.2%に設定し、クリーニングシーケンスを実行し(Step9)、動作を終了する(Step6)。
上記実施例4のクリーニング効果を確認するために、実施例3で説明した実験と同様に、15℃/10%の低温低湿環境にプリンタを設置し、連続500枚のジョブを繰り返し22万枚まで通紙を行った。その結果、表3に示すように22万枚の通紙終了後も加圧ローラのトナー汚れの蓄積も確認できなかった。このようにプリントジョブの枚数に応じて速度差を変えることで、実施例3と同等の結果を得ることができた。
上記のように、プリントジョブの枚数に応じて速度差を変える方法は、画像形成後の中断時間を短くすることができるため、ユーザにとって好ましい。また、プリントジョブの枚数に応じてクリーニング時間と速度差の両方を変えることで、より強いクリーニング効果を得ることもできる。
[実施例5]
本発明の実施例5について説明する。実施例5の画像形成装置および定着装置の基本的な構成および動作は、上記実施例のものと同じである。従って、上記実施例と同一、又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
実施例3及び4では1つ1つが大量のジョブに対して、ジョブの枚数に応じてクリーニングの時間増やす、またはクリーニング領域での定着フィルムと加圧ローラの速度差を増やすことで、1回のクリーニング効果を高めている。それにより長寿命の加熱定着装置においても、加圧ローラへのトナー汚れの付着や、紙へのトナー汚れの付着を抑制した。
図11のフローチャートを用いて、実施例5によるクリーニング頻度を高める方法を説明する。ビデオコントローラ120がプリント信号を受信し(Step1)、制御部が画像形成を開始する(Step2)。画像形成が1枚分完了すると(Step3)、制御部113に内蔵されたクリーニングカウントCnに1が加算される(Step4)。クリーニングカウントCnが閾値の100に到達したかを画像形成が1枚終わるごとに確認する(Step5)。クリーニングカウントCnが閾値の100に到達しない場合、画像形成が終了していない場合は画像形成を継続し(Step3)、クリーニングカウントCnに1を加算する(Step4)。もし画像形成が終了した場合、動作を終了する(Step9)。
クリーニングカウントCnが閾値の100に到達した場合、画像形成動作を中断しクリーニングシーケンスを開始する(Step6)。2秒間のクリーニングシーケンス終了後、クリーニングカウントは0にリセットされる(Step7)。ジョブがまだ途中の場合、画像形成動作が再開され(Step3)、クリーニングカウントCnに1が加算される(Step4)。またジョブの画像形成動作が全て終わっていた場合、動作を終了する(Step9)。
上記実施例5のクリーニング効果を確認するために、実施例3で説明した実験と同様に、15℃/10%の低温低湿環境にプリンタを設置し、連続500枚のジョブを繰り返し22万枚まで通紙を行った。
その結果、表3に示すように実施例3、実施例4と同様に22万枚の通紙終了後も加圧ローラのトナー汚れの蓄積も確認できなかった。
このように実施例5では、1つ1つのジョブが大量の枚数のプリントジョブが続いても
確実に特定枚数ごとに加圧ローラのクリーニングが行われるため、ジョブの長さに関わらず加圧ローラへのトナー汚れの蓄積を抑制することが可能となる。
クリーニング効果は、クリーニングシーケンスの時間やクリーニングカウントCnの閾値を変更することで高めることが可能であるが、画像形成中の中断時間と中断頻度が増えてしまうため、これらは適切に設定する必要がある。
また、クリーニングカウントCnが閾値に達したときに、ジョブの残り枚数が例えば10枚以下など少数であった場合、クリーニングシーケンスはジョブ中の画像形成が完了するまで実行せず、画像形成終了後の後回転時に実行しても良い。このようにすることで、クリーニングの効果を落とすことなく、画像形成の中断頻度を低減することが可能である。
[実施例6]
本発明の実施例6について説明する。実施例6の画像形成装置および定着装置の基本的な構成および動作は、上記実施例のものと同じである。従って、上記実施例と同一、又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
本実施例の画像形成装置は、ホストコンピュータ等の外部装置から送信される画像データ(画像情報)を加熱領域A毎の画像データD(i=1~7)に変換し、これらの画像データDに応じて発熱ブロックHB毎に制御目標温度(発熱量)を変えている。各発熱ブロックHBは、それぞれ印字される画像を定着させるための最適な制御目標温度に調整されるため、好適な定着画像を得ることができる。また非画像部の発熱ブロックHBは、消費電力低減のため制御目標温度を低く設定している。非画像部では、本来トナーが一切無いため発熱ブロックHBの制御目標温度を低くしても問題は発生しない。しかし実際の感光ドラム上には、静電潜像が書かれていない領域に現像してしまう、いわゆるカブリトナーが付着している。このカブリトナーがトナー像と共に紙上に転写されるため、非画像部にもトナーが存在している。そのため制御目標温度を低く設定すると、カブリトナーを紙に定着することができずに加圧ローラ汚れに至りやすくなる。そのため、特定の画像を連続してプリントするなど、特定の領域Cで非画像部が続くような場合、非画像部が続く加圧ローラの領域Cでは、文字やその他の画像が印字される領域Cよりも格段にトナー汚れの付着に至りやすい。
そのため、実施例6では加熱ブロックAごとにクリーニングカウントCnを有し、加熱領域Aごとに画像データDに応じた加算値を加算していき、クリーニングカウントCnが閾値を超えた時にクリーニングシーケンスを実行する。その一例を図12のフローチャートを用いて説明する。また画像データDに応じた加算値を表4に示す。
(表4)
Figure 0007102255000004
本実施例では画像データDを非画像部、文字、HT(ハーフトーン)、ベタ黒の4種類に分類し、それぞれの加算値を+4、+1、+1、0とした。
図12のフローチャートを用いて、実施例6によるクリーニングシーケンスを説明する。
ビデオコントローラ120がプリント信号を受信し(Step1)、画像データはビデオコントローラ120において加熱領域Aごとの画像データDに変換される(Ste
p2)。画像データDに基づき制御部113に制御され画像形成を開始する(Step3)。画像形成が1枚分完了すると(Step4)、制御部113に内蔵されたクリーニングカウントCnが各画像データDに応じた加算値が加算される(Step5)。画像形成が1枚行われるごとに各クリーニングカウントCnがクリーニング閾値200を超えたかどうか比較を行う(Step6)。いずれのクリーニングカウントCnもクリーニング閾値200を超えない場合、画像形成がまだ終了していなければ画像形成を継続する(Step4)。また画像形成が終了した場合、動作を終了する(Step10)。
また、いずれかのクリーニングカウントCnがクリーニング閾値200を超えた場合、画像形成動作を中断し、クリーニングシーケンスを実行する(Step7)。ここでクリーニングが実行される領域は、1例として、クリーニングカウントCnが閾値を超えた領域Cと共に、クリーニングカウントCnで上位3つの領域Cで同時にクリーニングが行われることが好ましい。すなわち、クリーニング対象の加熱領域としての第2の加熱領域には、カウント値としてのクリーニングカウントCnが最大となる加熱領域と、カウント値が2番目に大きい加熱領域及び3番目に大きい加熱領域が含まれることになる。このように一度クリーニングシーケンスが実行されるときに、同時にクリーニングカウントCnのカウント上位を同時にクリーニングすることで、頻繁にクリーニングシーケンスが実行され、画像形成が中断する時間が増加してしまうことを防止できる。クリーニングシーケンス実行後、クリーニングが実行された領域CのクリーニングカウントCnはゼロにリセットされる(Step8)。ジョブがまだ途中の場合、画像形成が再開され(Step4)、クリーニングカウントCnに画像データDに応じた値がそれぞれ加算される(Step5)。またジョブの画像形成が全て終わっていた場合、動作を終了する(Step10)。
実施例6の効果を確認するために、非画像部が領域Cと領域Cに多く含まれる画像や文書を連続してプリントし22万枚まで通紙耐久を行った。また実施例6では、非画像部の発熱ブロックHBの制御温度を文字部の発熱ブロックHBの制御温度よりも50℃下げている。
比較例2では、実施例5のように画像形成が1枚分終了すると1増加するクリーニングカウントCnが閾値の100に達するごとにクリーニングシーケンスを行い、クリーニングを行う領域Cは3か所をランダムに実施した。また、実施例6と同様に非画像部の発熱ブロックHBの制御温度を文字部の発熱ブロックHBの制御温度よりも50℃下げている。
比較例3では、比較例2と同様のクリーニングシーケンスを行うが、非画像部の発熱ブロックHBの制御温度は文字部の発熱ブロックHBの制御温度と同等とした。
22万枚通紙後の結果を表5に示す。
(表5)
Figure 0007102255000005
表中、○は現象の発生なしを示し、×は現象の発生ありを示す。
比較例2では、非画像部が多い領域Cと領域Cで加圧ローラへのトナー汚れの蓄積や紙へのトナー汚れの付着が発生していた。加熱領域Aと加熱領域Aに非画像部が多く続くため、発熱ブロックHBと発熱ブロックHBの制御目標温度は50℃下げられたことで、一部のカブリトナーが紙へ定着しきれず加圧ローラへ移動しやすくなっていた。そのため加圧ローラへトナー汚れが蓄積しやすくなり、100枚に一度のクリーニングでも除去しきれなくなっていた。しかし、文字部が続くその他の領域Cでは、加圧ローラへのトナーの蓄積は見られなかった。
また比較例3では非画像部での制御温度を下げていないため、カブリトナーは紙に定着できており、どの領域Cでも加圧ローラの汚れは発生しなかった。しかし、非画像部での発熱ブロックHBの制御温度を下げていないため、省エネルギー性は悪化していしまった。
一方で実施例6では、非画像部の発熱ブロックHBの制御温度を下げ良好な省エネルギー性を維持しつつ、加圧ローラへのトナー汚れの蓄積も防止することができた。
このように加熱領域Aごとの画像データDに応じたクリーニングカウントCnを利用することで、加圧ローラの各領域Cでのトナー汚れの蓄積状況を予測することができ、必要な領域Cに必要な頻度でクリーニングを実行することが可能となる。
本実施例では、加熱領域Aごとの画像データDに応じたクリーニングカウントCnを利用し、クリーニング閾値を超えた場合に、画像形成動作を中断しクリーニングシーケンスを実行する例を説明した。しかし、ジョブごとにクリーニングカウントCnをカウントし、実施例3のようにクリーニングカウントCnに応じてジョブ終了後のクリーニングシーケンスの長さを変えても同様にトナー汚れの蓄積を防止することが可能となる。
また今回の加算値は一例として説明したものであり、各画像データDに応じて目標温度を変えると定着性も変化するため、加算値を変える必要がある。同じように、非画像部の温調温度を高く設定すれば加算値を下げることは可能であるが、省エネルギー性が低減してしまい、メリットが低減する。
また同様に、説明で使用したクリーニング閾値も一例であり、装置のトナー汚れの蓄積のしやすさなどに応じて任意に設定することができる。
また上記実施例では、カウントを利用したクリーニングの例として、プリント枚数と画像データに応じたクリーニングカウントを説明したが、これらに限定されるものではない。例えば、ジョブ中における定着装置が記録材を通紙した距離である累積通紙距離(定着ニップ部を通過した記録材の搬送方向長さの累積値)を利用しても良い。例えばA4(297mm)の紙を10枚プリントした場合の累積通紙距離は297×10=2970mmである。加圧ローラへ付着するトナー汚れの多くは、非画像部のカブリトナーと記録材に付着した紙粉(記録材粉)に起因している。そのため、記録材の長さが2倍になれば1枚当たりのカブリトナーや紙粉の量も2倍になる。よってクリーニングの目安としては記録材の枚数よりも記録材の長さ(搬送方向の長さ)の方がより好ましい。そのため累積通紙距離を用いることで、紙サイズに影響されることなく、カブリトナーや紙粉の発生量に応じたクリーニング効果を発揮することが可能となる。
上記各実施例は、それぞれの構成を可能な限り互いに組み合わせることができる。
なお、本実施例では、本発明の像加熱装置として、定着部材としての定着フィルムを備えた定着装置を例示したが、定着装置の構成はかかる構成に限定されない。例えば、定着フィルムに代えて定着ローラを備えた定着装置に対しても本発明は適用可能である。特に、定着ローラの弾性層が薄い場合において、本発明を好適に適用することができる。また
、本実施例の定着装置は、加圧ローラが回転する構成となっているが、定着フィルムに代えて定着ローラを採用し、かつ定着ローラを回転させる構成であってもよい。また、加熱源としてのヒータとして、例えばハロゲンヒータを用いてもよい。
100…画像形成装置、200…定着装置(像加熱装置)、202…定着フィルム、208…加圧ローラ、300…ヒータ、302a-1~302a-7、302b-1~302b-7…発熱体

Claims (14)

  1. 記録材にトナー画像を形成する画像形成部と、
    筒状のフィルムと、前記フィルムの内部空間に配置されているヒータであって、基板と、前記基板に設けられており記録材の搬送方向に対して直交する方向である前記ヒータの長手方向に並ぶ複数の発熱体と、を有する前記ヒータと、前記フィルムの外周面に接触する、弾性層を有する加圧ローラであって、前記ヒータと共に前記フィルムを挟み込み前記フィルムとの間にトナー画像が形成された記録材を挟持搬送するニップ部を形成する前記加圧ローラと、を有し、前記ニップ部でトナー画像を記録材に定着させる定着部と、
    前記複数の発熱体を個別に制御する制御部と、
    を有する画像形成装置において、
    前記制御部は、記録材を前記ニップ部で搬送しない期間において、前記複数の発熱体のうちの第1の発熱体に対応する前記加圧ローラの前記長手方向における領域の外径と、前記複数の発熱体のうちの第2の発熱体に対応する前記加圧ローラの前記長手方向における領域の外径に差が生じるように、前記第1の発熱体を第1の制御目標温度で、前記第2の発熱体を前記第1の制御目標温度よりも低い第2の制御目標温度で夫々制御しながら、前記加圧ローラを回転駆動させるシーケンスを実行可能であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記期間は、記録材に形成されたトナー画像を記録材に定着する定着処理が終了した後の期間であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記期間は、記録材に画像を形成する画像形成動作が中断された期間であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記シーケンスの実行の必要性を示すカウント値をカウントするカウント手段を有し、
    前記制御部は、前記カウント値が所定の値を超えたときに前記シーケンスを実行することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記カウント値は、前記定着部によりトナー画像の定着処理が行われた記録材の数であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記カウント値は、前記ニップ部を通過した記録材の搬送方向の長さの累積値であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  7. 前記カウント値は、記録材に形成されるトナー画像における前記複数の発熱体に対応する複数の加熱領域ごとに、夫々の領域に含まれる画像データの種類に応じて決められた加算値の累積値であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御部は、前記カウント値が前記所定の値を超え、かつ画像形成動作が中断された後に、前記シーケンスを実行することを特徴とする請求項4~7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御部は、前記シーケンスにおける制御量の設定を、前記シーケンスを実行する度に、前記カウント値に基づいて変更することを特徴とする請求項4~8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記制御部は、前記制御量としての前記シーケンスの実行時間の長さを、前記カウント値に基づいて変更することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記制御部は、前記制御量としての前記第1の制御目標温度と前記第2の制御目標温度との差を、前記カウント値に基づいて変更することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  12. 前記複数の発熱体に対応する複数の加熱領域ごとに前記カウント値がカウントされる場合において、前記複数の加熱領域のうち前記第2の制御目標温度に制御される前記第2の発熱体で加熱される加熱領域には、前記カウント値が最大の加熱領域が含まれることを特徴とする請求項4~11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  13. 前記シーケンスが複数回実行される場合において、前記複数の発熱体に対応する複数の加熱領域における、前記第1の制御目標温度に制御される前記第1の発熱体で加熱される加熱領域と、前記第2の制御目標温度に制御される前記第2の発熱体で加熱される加熱領域と、の組み合わせが、直前に実行された前記シーケンスにおける前記組み合わせと異なることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  14. 前記画像形成装置は、記録材を給紙するピックアップローラを有し、前記記録材の搬送方向に対して直交する方向において前記ピックアップローラがある位置に対応する発熱体を前記シーケンスにおいて前記第2の制御目標温度に設定する頻度を、その他の発熱体を前記シーケンスにおいて前記第2の制御目標温度に設定する頻度よりも多くすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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