JP2018025668A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】最適な条件で加圧手段の除電を行うこと。
【解決手段】定着装置11は、ヒータ19を備えるフィルムユニット20と、フィルムユニット20との間で記録材を挟持及び搬送する加圧ローラ21と、加圧ローラ21を除電する電圧印加部40と、電圧印加部40が作用する加圧ローラ21又はフィルムユニット20の抵抗値の変化を判定する判定部41と、判定部41の判定結果に応じて電圧印加部40の作用を変更する制御部42と、を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、記録材に形成された未定着トナー像を記録材に定着させる定着装置及びこの定着装置を備えた電子写真記録方式の複写機又はプリンタ等の画像形成装置に関する。
電子写真記録方式を採用する複写機又はプリンタ等の画像形成装置の多くは、未定着トナー像を担持する用紙等の記録材に定着処理を施すための手段として、熱定着方式を採用する定着装置を備えている。
かかる定着装置としては、フィルムガイドに沿って回転する定着フィルムと、定着フィルム内に配設されて定着フィルムを加熱するヒータ等の加熱源と、アルミニウムや鉄の芯金にゴム材の耐熱弾性層を形成した加圧ローラと、を備えるものが知られている。定着フィルムは、バネ等により加圧ローラに圧接されている。定着フィルムと加圧ローラとの圧接により形成される圧接幅は、定着ニップと呼ばれる。定着装置では、未定着トナーを担持する記録材を定着ニップに通紙して加熱及び加圧することにより、未定着トナーを記録材に定着させる。
加圧ローラは、湿度の低い環境に放置されて乾燥した記録材を定着ニップに通紙した際に、記録材との摩擦帯電等により負極性に帯電していく。これにより、定着装置では、記録材上の負帯電トナーが定着フィルム側に付着する静電オフセットを生じ、画像の劣化を招く。これに対して、従来、定着フィルム側に加圧ローラの負帯電よりも大きな負極性のバイアス電圧を印加し、静電オフセットを防止している。
しかしながら、近年の画像形成速度の高速化に伴い、加圧ローラの負極性帯電が増大し、定着フィルム側の負極性のバイアス電圧よりも加圧ローラ側の負極性帯電量が大きくなって静電オフセットを生じてしまう。
そこで、従来、除電ブラシ又は除電針を使用して加圧ローラの負極性帯電を除電する機構又は加圧ローラのゴム材を絶縁材から導電材に変更して加圧ローラの抵抗を下げる方法により、加圧ローラの負極性帯電を抑制するものが知られている。
特許文献1は、加圧ローラの負極性帯電を除電する定着装置を開示している。特許文献1に開示されている定着装置は、未定着のトナー像を記録材上に押さえつける方向の電界を発生する定着バイアス電圧を定着フィルムに印加する。また、特許文献1に開示されている定着装置は、記録材が定着ニップを通過していないときに、定着バイアス電圧の極性と逆極性のバイアス電圧を定着フィルムに印加する。このように逆極性のバイアス電圧を印加することで、定着ニップに電界を発生させ、記録材が定着ニップを通過していないときに加圧ローラの除電を行うので、加圧ローラが負極性帯電することによって生じる画像不良を防止することができる。
特開2010−128474号公報
しかしながら、従来の定着装置においては、近年の画像形成速度の更なる高速化に伴って、除電ブラシ又は除電針を用いる除電機構及び加圧ローラのゴム材を導電材に変更する構成では加圧ローラの負極性帯電を十分に抑制することができないという課題を有する。
また、特許文献1においては、加圧ローラの除電時間が一定であるため、画像形成動作の条件によっては除電時間が必要以上に長くなり、次の画像形成動作を実施するまでの無駄な待ち時間を生じる。一方、特許文献1においては、除電時間が不十分である場合には静電オフセットを生じる。要するに、特許文献1においては、除電時間の最適化がなされていないという課題を有する。
本発明の目的は、最適な条件で加圧手段の除電を行うことができる定着装置及び画像形成装置を提供することである。
本発明に係る定着装置は、ヒータを備える加熱手段と、前記加熱手段との間で記録材を挟持及び搬送する加圧手段と、前記加圧手段を除電する除電手段と、前記除電手段が作用する前記加圧手段又は前記加熱手段の抵抗値の変化を判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に応じて前記除電手段の作用を変更する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により前記記録材に形成した前記トナー像を前記記録材に定着させる上記の定着装置と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、最適な条件で加圧手段の除電を行うことができる。
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の断面図である。 本発明の実施の形態1に係る定着装置の断面図である。 本発明の実施の形態1に係る定着装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る除電処理における負極性電荷の流れを示す模式図である。 本発明の実施の形態1に係る高圧電源と加圧ローラとの間の抵抗値を示す模式図である。 本発明の実施の形態1に係る加圧ローラの除電処理を示すフロー図である。 本発明の実施の形態1に係る定着フィルムの温度及び抵抗値と除電時間との関係を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る加圧ローラの負極性帯電量の時間推移を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る通紙枚数と加圧ローラの表面電位との関係を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る連続200枚印刷直後に連続20枚印刷後の加圧ローラの表面の負極性帯電量の時間推移を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る定着装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2に係る加圧ローラの除電処理を示すフロー図である。 本発明の実施の形態2に係る通紙枚数と加圧ローラの表面電位と除電時間との関係を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る加圧ローラの負極性帯電量の時間推移を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る加圧ローラの除電処理を示すフロー図である。 本発明の実施の形態3に係る加圧ローラの負極性帯電量の時間推移を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
<画像形成装置の構成>
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置S1の構成について、図1を参照しながら、詳細に説明する。
画像形成装置S1は、ここでは転写式電子写真プロセス利用のレーザープリンタを例示する。画像形成装置S1は、感光ドラム1と、帯電ローラ2と、レーザースキャナ3と、現像装置4と、給紙カセット5と、給送ローラ6と、レジストローラ7と、転写ローラ9と、クリーニング装置10と、を有している。また、画像形成装置S1は、定着装置11と、排出部12と、を有している。感光ドラム1と、帯電ローラ2と、レーザースキャナ3と、現像装置4と、転写ローラ9と、は画像形成部を構成している。
感光ドラム1は、像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体であり、周方向に所定の速度で回転する。感光ドラム1は、OPC又はアモルファスシリコンドラム等の感光材料をアルミニウムやニッケル等のシリンダ状の基板上に設けて構成されている。
帯電ローラ2は、所定のバイアス電圧が印加され、回転中の感光ドラム1の表面と接触して回転することにより、感光ドラム1の表面を均一に帯電させる。
レーザースキャナ3は、画像情報に対応して変調されたレーザー光Lを出力して、表面が一様に帯電された感光ドラム1を走査露光することにより、感光ドラム1の表面上に画像情報に対応した静電潜像画像を形成する。
現像装置4は、感光ドラム1に形成された静電潜像画像にトナー(現像剤)を供給して、静電潜像画像をトナー像として現像する。
給紙カセット5は、記録材である記録材Pを収納している。
給送ローラ6は、給紙カセット5に収納されている記録材Pを1枚ずつ分離してシートパス8aに給送する。
レジストローラ7は、感光ドラム1と転写ローラ9とで形成された転写ニップTに対して、シートパス8aから給送される記録材Pを導入する。この際、レジストローラ7は、感光ドラム1に形成されたトナー像の先端と記録材Pの先端との転写ニップTに入るタイミングが同じになるように同期させる制御を行う。
転写ローラ9は、感光ドラム1に対して所定の圧力で当接することにより転写ニップTを形成している。転写ローラ9は、転写ニップTに導入された記録材Pを挟持及び搬送する。この際、転写ローラ9は、図示しない転写バイアス印加電源からトナーと逆極性の転写バイアスが印加されることにより、感光ドラム1に形成されたトナー像を静電的特性により記録材P上に転写させる。転写ローラ9は、トナー像を転写させた記録材Pを感光ドラム1の表面から分離してシートパス8bに搬送する。
クリーニング装置10は、記録材Pに対するトナー像の転写後、感光ドラム1の表面のトナー又は紙粉を除去して感光ドラム1の表面を清浄する。
定着装置11は、シートパス8bから搬送されるトナー像が転写されている記録材Pを加熱及び加圧することにより、記録材Pにトナー像を定着させる。定着装置11は、トナー像を定着させた記録材Pをシートパス8cに搬送する。
排出部12は、シートパス8cから搬送される記録材Pを排出する。
なお、画像形成装置S1は、上記の構成を一例とするものであり、上記構成に限定されるものではない。
<定着装置の構成>
本発明の実施の形態1に係る定着装置11の構成について、図2及び図3を参照しながら、詳細に説明する。
定着装置11は、フィルムユニット20と、加圧ロ−ラ21と、電圧印加部40と、判定部41と、制御部42と、を有している。
加熱手段であるフィルムユニット20は、フィルムガイド13と、Tステ−14と、定着フィルム15と、サーミスタ18と、ヒータ19と、を有している。
フィルムガイド13は、長手方向に沿って図示しない複数のリブを備えており、リブにより定着フィルム15との抵抗を抑制しながら定着フィルム15の周動を補助している。
Tステ−14は、鋼板により形成され、フィルムガイド13に対して均一な加圧力を加えている。
定着部材である定着フィルム15は、円筒形状に形成され、ヒータ19からの熱を効率良く記録材16上のトナー17へ伝える。定着フィルム15は、ステンレス製の基層と、プライマ層と、離型層であるフッ素樹脂と、が順次積層された3層構造になっている。プライマ層は、フッ素樹脂の下層である基層とフッ素樹脂とを接着させるための接着層である。プライマ層は、ここでは厚さ5μmのPTFE/PFA混合の樹脂剤で形成した層を例示する。また、フッ素樹脂は、ここでは厚さ10μmのPTFE/PFA混合の樹脂剤で形成した層を例示する。
サーミスタ18は、ヒータ19のセラミック基板の裏側に設けられている。サーミスタ18は、ヒータ19の温度を検出し、ヒータ19の温度の検出値を判定部41に出力する。
ヒータ19は、セラミック基板と、セラミック基板上に発熱ペーストを印刷して形成された発熱体と、発熱体を保護すると共に発熱体の絶縁性を確保するために発熱体を覆うガラスコーティング層と、を有している。ヒータ19は、サーミスタ18における温度の検出値に応じて制御されたAC電流が発熱体に供給されることで発熱する。
加圧手段である加圧ロ−ラ21は、ローラ形状の軸を中心として回転可能である。加圧ローラ21は、芯金に1×10Ω・cm程度の体積抵抗率の導電性シリコンゴム(弾性層)を被覆し、その上に約60μmの絶縁チューブ(表層)を被覆して形成されている。加圧ローラ21の表面抵抗は、1×10以上である。
加圧ローラ21は、バネにより、定着フィルム15を挟んでヒータ19に対し所定のニップ圧(所定圧力)で圧接して定着ニップ22を形成している。加圧ローラ21は、回転駆動することにより定着フィルム15を従動して回転させると共に、定着ニップ22に導入された記録材16を定着フィルム15と密着させた状態で搬送する。定着ニップ22の搬送方向における長さは、ここでは5〜8mmを例示する。
除電手段である電圧印加部40は、定着フィルム15に対してバイアス電圧を印加することにより加圧ローラ21を除電すると共に、定着フィルム15及び加圧ローラ21に作用する。具体的には、電圧印加部40は、ブラシ23と、負極性印加部24と、正極性印加部25と、保護抵抗26と、保護抵抗27と、切替スイッチ30と、通紙有無判断部101と、通紙動作開始判断部105と、を有している。
電圧印加部40では、負極性印加部24からトナーと同極性の負極性のバイアス電圧が保護抵抗26を介して切替スイッチ30に印加される。また、電圧印加部40では、正極性印加部25からトナーと逆極性の正極性のバイアス電圧が保護抵抗27を介して切替スイッチ30に印加される。
負極性印加部24は、通紙動作開始判断部105の制御により、保護抵抗26及び切替スイッチ30を介して定着フィルム15に負極性のバイアス電圧を印加する。
正極性印加部25は、通紙有無判断部101及び制御部42の制御に従った印加時間において、保護抵抗27及び切替スイッチ30を介して定着フィルム15に正極性のバイアス電圧を印加することにより、加圧ローラ21に作用して加圧ローラを除電する。かかるバイアス電圧は、加圧ローラ21の表面の帯電極性と逆極性である。
保護抵抗26又は保護抵抗27は、例えば水分を吸湿した記録材Pを通紙した際に、転写バイアスが吸湿紙及び定着フィルム15表面を伝って負極性印加部24又は正極性印加部25まで流れることを防ぐために設けられている。保護抵抗26及び保護抵抗27の抵抗値は、ここでは10MΩを例示する。
判定部41は、サーミスタ18から入力した温度の検出値より定着フィルム15又は加圧ローラ21の温度の変化を判定、又は、サーミスタ18から入力した温度の検出値に基づいて定着フィルム15又は加圧ローラ21の抵抗値の変化を判定する。判定部41は、判定結果を制御部42に出力する。
制御部42は、通紙有無判断部101から正極性印加部25が動作開始した通知を受けてから所定時間経過後に、判定部41から入力した判定結果に応じて除電時間を決定することにより電圧印加部40の作用を変更する。ここで、除電時間は、加圧ローラ21を除電するのに必要な時間であり、正極性印加部25から定着フィルム15に対して正極性のバイアス電圧を印加する印加時間と同一の時間である。制御部42は、正極性印加部25が動作を開始してから決定した除電時間が経過した際に、正極性印加部25の動作を停止させる制御を行う。
通紙有無判断部101は、印字動作における最後の記録材が定着ニップ22を通過したか否かを判断する。通紙有無判断部101は、印字動作における最後の記録材が定着ニップ22を通過したと判断した場合に、負極性印加部24の動作を停止させる制御を行う。また、通紙有無判断部101は、切替スイッチ30により正極性印加部25とブラシ23とを接続させると共に正極性印加部25の動作を開始させる制御を行う。通紙有無判断部101は、正極性印加部25を動作させたことを制御部42に通知する。
通紙動作開始判断部105は、通紙動作が開始されたか否かを判断し、通信動作が開始されたと判断した場合に、切替スイッチ30により負極性印加部24とブラシ23とを接続させると共に負極性印加部24を動作させる。
電圧印加部40は、切替スイッチ30が負極性印加部24とブラシ23とを接続した際に、負極性印加部24からブラシ23を介して定着フィルム15に対して、トナーと同極性である負極性のバイアス電圧を印加する。電圧印加部40は、切替スイッチ30が正極性印加部25とブラシ23とを接続した際に、正極性印加部25からブラシ23を介して定着フィルム15に対して、トナー17とは逆極性である正極性のバイアス電圧を印加する。
<定着装置の動作>
本発明の実施の形態1に係る定着装置の動作について、図4及び図5を参照しながら、詳細に説明する。図5において、図5(a)は定着フィルム15の表面が低温時の各抵抗値を示すものであり、図5(b)は定着フィルム15の表面が高温時の各抵抗値を示すものである。
印字動作を開始した際には、切替スイッチ30により負極性印加部24と定着フィルム15とを接続し、負極性印加部24から保護抵抗26、切替スイッチ30及びブラシ23を介して定着フィルム15に対して、負極性のバイアス電圧が印加される。定着時にトナーと同極性である負極性のバイアス電圧を印加することにより、定着ニップ22では、トナーに対して定着フィルム15から加圧ローラ21の方向に作用する電界が生じる。これにより、未定着のトナー17の像を記録材16上に押さえつける方向の力が生じ、静電オフセットを防止することができる。負極性のバイアス電圧は、ここでは500Vを例示する。
定着装置11における記録材Pにトナー像を定着させるための定着温調温度は、ヒータ19の裏面に設置されているサーミスタ18で検出する温度に基づいて制御される。定着温調温度は、ここでは220℃を例示する。
サーミスタ18で検出される温度は、定着フィルム15の温度の低下又は上昇に応じて低下又は上昇するため、定着フィルム15の温度と相関関係にある。従って、定着フィルム15の温度は、ヒータ19の裏面に設けられているサーミスタ18で検出することができる。
最後の記録材の後端が定着ニップ22を通過して印字動作を終了した後に、切替スイッチ30により正極性印加部25と定着フィルム15とを接続する。これにより、正極性印加部25から保護抵抗26、切替スイッチ30及びブラシ23を介して定着フィルム15に対して、正極性のバイアス電圧が印加される。このように、トナー17とは逆極性である正極性のバイアス電圧を印加することにより、負帯電していた加圧ローラ21の表層の電荷が除去される。
具体的には、図4に示すように、加圧ローラ21の表面には負極性の電荷が帯電する。この際、正極性印加部25より定着フィルム15に正極性のバイアス電圧を印加することで、加圧ローラ21の表面から定着ニップ22及び定着フィルム15の表面を介して正極性印加部25までの経路ができる。加圧ローラ21の表面に帯電した負極性の電荷は、この経路を伝って正極性印加部25まで移動する。これにより、加圧ローラ21の表面上の負極性電荷は除電される。
なお、トナー17の極性と逆極性の正極性のバイアス電圧は、記録材が定着ニップ22を通過した後に定着フィルム15に印加されるため、記録材16上の未定着のトナー17に直接的に影響を及ぼすことはない。
ここで、定着フィルム15の表面層は、半導電性である場合が多く、電気抵抗を有しているため、温度に応じて電気抵抗値が変化する抵抗温度特性を有している。そのため、定着フィルム15の表面は、前の画像形成動作時の条件によっては非常に高温になる場合があり、この場合には電気抵抗値が高くなる。定着フィルム15の表面温度が非常に高温になる画像形成動作の条件としては、連続で数百枚程度を印字する場合、又は連続数枚程度の印字を数回連続で繰り返す場合が考えられる。
図5(b)に示すように、定着フィルム15の表面が180℃以上の高温時には、定着フィルム15の表層の抵抗は50MΩ以上となる。図5(b)に示す定着フィルム15の表面が高温時の場合、正極性印加部25と定着フィルム15との間に流れる電流は8μAとなる。なお、加圧ローラ21の表面の負極性電荷の流れる量は、定着フィルム15の表層の抵抗に保護抵抗27及び切替スイッチ30の接触抵抗を含めた総抵抗により決まる。
一方、定着フィルム15の表面は、前の画像形成動作時の条件によっては比較的低温になる場合があり、この場合には電気抵抗値が低くなる。定着フィルム15の表面温度が比較的低温になる画像形成動作の条件としては、通紙枚数の少ない1枚〜10枚程度を印字する場合、又は1時間に十数枚程度の印刷を一回する場合等のJOB間隔の長い場合が考えられる。
図5(a)に示すように、定着フィルム15の表面が150℃以下の比較的低温時には、定着フィルム15の表層の抵抗は48MΩ以下となる。図5(a)に示す定着フィルム15の表面が比較的低温時の場合、正極性印加部25と定着フィルム15との間に流れる電流は12μAとなる。従って、定着フィルム15の表面が低温時の場合に正極性印加部25と定着フィルム15との間に流れる電流は、定着フィルム15の表面が高温時の場合に正極性印加部25と定着フィルム15との間に流れる電流の約1.5倍となる。
本実施の形態では、サーミスタ18で検出した定着フィルム15の表面の温度に基づいて、正極性印加部25より定着フィルム15に正極性のバイアス電圧を印加する加圧ローラ21の除電処理を実行する。次に、この加圧ローラ21の除電処理について詳細に説明する。
<加圧ローラの除電処理>
本発明の実施の形態1に係る加圧ローラ21の除電処理について、図6から図10を参照しながら、詳細に説明する。
図6では、定着フィルム15又は加圧ローラ21の温度の変化の判定結果に基づいて除電処理を行う場合を例に説明する。
加圧ローラ21の除電処理は、通紙有無判断部101で最後の記録材の後端部が定着ニップ22を通過したことを検出して印字動作を終了した後に開始される。
加圧ローラ21の除電処理が開始された後、加圧ローラ21は、図示しない駆動部により駆動されて後回転動作を開始する(S1)。
また、通紙有無判断部101は、負極性印加部24の動作を停止させ、切替スイッチ30により正極性印加部25とブラシ23とを接続すると共に正極性印加部25を動作させる。これにより、正極性印加部25から定着フィルム15に対して正極性のバイアス電圧が印加される(S2)。更に、通紙有無判断部101は、正極性印加部25を動作させたことを制御部42に通知する。
次に、制御部42は、後回転動作開始から所定時間経過後に、判定部41から入力した判定結果より、サーミスタ18で検出した温度が180℃以上であるか否かを判定する(S3)。所定時間は、ここでは2secを例示する。
制御部42は、サーミスタ18で検出した温度が180℃以上である場合(S3:Yes)、除電時間を12secとすることを決定する(S4)。そして、制御部42は、後回転動作開始から12sec経過後に、正極性印加部25の動作を停止させる。これにより、正極性印加部25は、12secの印加時間において定着フィルム15に対して正極性のバイアス電圧を印加する。
一方、制御部42は、サーミスタ18で検出した温度が180℃未満である場合(S3:No)、判定部41から入力した判定結果より、サーミスタ18で検出した温度が151℃以上であるか否かを判定する(S5)。
制御部42は、サーミスタ18で検出した温度が151℃以上である場合(S5:Yes)、除電時間を9secとすることを決定する(S6)。そして、制御部42は、後回転動作開始から9sec経過後に、正極性印加部25の動作を停止させる。これにより、正極性印加部25は、9secの印加時間において定着フィルム15に対して正極性のバイアス電圧を印加する。
即ち、正極性印加部25は、制御部42の制御により、サーミスタ18で検出した温度が所定値未満である180℃未満の場合に、サーミスタ18で検出した温度が所定値以上である180℃以上の場合に比べて、印加時間を短くする。
一方、制御部42は、サーミスタ18で検出した温度が151℃未満である場合(S5:No)、除電時間を6secとすることを決定する(S7)。そして、制御部42は、後回転動作開始から6sec経過後に、正極性印加部25の動作を停止させる。これにより、正極性印加部25は、6secの印加時間において定着フィルム15に対して正極性のバイアス電圧を印加する。
即ち、正極性印加部25は、制御部42の制御により、サーミスタ18で検出した温度が所定値未満である151℃未満の場合に、サーミスタ18で検出した温度が所定値以上である151℃以上の場合に比べて、印加時間を短くする。
このように、制御部42は、サーミスタ18で検出した温度が151℃以上且つ180℃未満の場合と180℃以上の場合と151℃未満の場合とで、正極のバイアス電圧の印加時間を異ならせることにより、電圧印加部40の作用を変更する。
そして、加圧ローラ21は、制御部42で決定した除電時間が経過した後に、後回転動作を終了する(S8)。
なお、定着フィルム15は温度に応じて電気抵抗値が変化する抵抗温度特性を有しているため、上記の除電処理は、温度の変化の判定結果に代えて抵抗値の変化の判定結果を用いて同様の手順で実行することができる。
図7に示すように、一般的に、定着フィルム15の表面電気抵抗値は、定着フィルム15の温度が高くなるほど大きくなる正の抵抗温度特性を持っている。従って、定着フィルム15の表面電気抵抗値に応じて、定着フィルム15に印加する正極性のバイアス電圧の印加時間を可変にすることにより、除電時間を最適化することができる。なお、図7に示す除電時間は、後回転動作開始からの時間であるので、サーミスタ18で温度を検出するまでの2secを含んでいる。
図8に破線で示すように、定着フィルム15の温度が180℃の高温時では負極性電荷の流れる量は8μAと少ないので除電効果は小さく、加圧ローラ21の表面電位を0Vまで下げるのに必要な除電時間は12sec程度を要する。一方、図8に実線で示すように、定着フィルム15の温度が150℃の低温時では負極性電荷の流れる量は12μAと多くなるので除電効果は大きく、加圧ローラ21の表面電位を0Vまで下げるのに必要な除電時間は6sec程度で済む。
この場合、従来は、定着フィルム15の温度に関わらず、最も長い除電時間である12secで一律に除電処理を行っていたため、定着フィルム15の温度が150℃の低温時において6secの不必要な除電時間を含んでいた。これに対して、本実施の形態では、定着フィルム15の温度に応じて除電時間を決定するので、不必要な除電時間を含んでいない。
また、定着温調温度を220℃に設定した際において、連続20枚印刷し、続いて連続5枚印刷して2sec経過後にサーミスタ18で検出した定着フィルム15の温度は175℃であった。なお、この際、連続印刷した用紙5枚は水分量の少ない乾燥紙を印刷しているため、加圧ローラ21の表面電位は−300Vまで帯電している。
この場合、従来では、定着フィルム15の表面の温度減少による表面電気抵抗の減少を考慮していないため、加圧ローラ21の負極性帯電量が最も多い場合の除電時間である12secを設定する。これに対して、本実施の形態では、定着フィルム15の表面の温度減少による表面電気抵抗の減少を考慮して、図6より除電時間を9secに決定する。従って、従来は、3secの不必要な除電時間を含んでいた。これに対して、本実施の形態では、定着フィルム15の温度に応じて除電時間を決定するので、不必要な除電時間を含んでいない。
このように、従来は、不必要な除電時間を含んでいたため、次のJOBまでの無駄な待ち時間を生じていた。一方、本実施の形態は、不必要な除電時間を含んでいないため、次のJOBまでの無駄な待ち時間を生じない。
次に、サーミスタ18で検出する温度に関わらずに、単にJOB毎の通紙枚数で除電時間を設定する場合と比較して、本実施の形態における加圧ローラ21の除電処理の利点について説明する。
加圧ローラ21の表面の負極性帯電量は、図9に示すように、通紙枚数に応じて変化することが知られている。
定着フィルム15の表面は、連続で数枚印刷を行うような印字動作が数回連続で繰り返される場合には保温されているために電気抵抗値は高くなっている。このような場合において、JOB毎の通紙枚数に応じて設定した除電時間で除電を行っても、定着フィルム15の表面温度は比較的高温度になっているために十分な除電効果を得られない。
図10は、連続で数枚印刷を行うような印字動作が数回連続で繰り返される場合における、本実施の形態とJOB毎の通紙枚数に応じて設定した除電時間で除電を行う場合との加圧ローラ21の負極性帯電量の時間推移を比較したものである。図10(a)は、本実施の形態における加圧ローラ21の負極性帯電量の時間推移を示すものである。図10(b)は、JOB毎の通紙枚数に応じて設定した除電時間で除電を行う場合における加圧ローラ21の負極性帯電量の時間推移を示すものである。
例えば、前JOBで連続200枚印刷直後に後JOBで連続20枚印刷して加圧ローラ21の除電処理を実行する場合、定着フィルム15の表面は、前JOBによって保温されているために比較的高温度になっている。このような場合において、後JOBの通紙枚数に応じて設定した除電時間で除電を行っても、図10(b)に示すように、加圧ローラ21の負極性帯電量が−100Vまでしか除電できない。従って、この場合には、後JOBの次のJOBで静電オフセットを生じて画像に汚れが発生する。
一方、本実施の形態では、後JOBの印刷時にサーミスタ18で検出した温度に基づいて除電時間を決定するため、加圧ローラ21の表面の温度が保温されている場合であっても、最適な除電時間を決定することができる。従って、本実施の形態では、図10(a)に示すように、加圧ローラ21の負極性帯電量が0Vになるまで完全に除電することができ、静電オフセット等による画像不良を生じない。
このように、本実施の形態では、加圧ローラ21を除電する電圧印加部40が作用する加圧ローラ21又はフィルムユニット20の抵抗値の変化の判定結果に応じて、電圧印加部40の作用を変更する。これにより、最適な条件で加圧ローラ21の除電を行うことができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る画像形成装置の構成は定着装置11の代わりに定着装置111を設ける以外は図1と同一構成であるので、その説明を省略する。
<定着装置の構成>
本発明の実施の形態2に係る定着装置111の構成について、図11を参照しながら、詳細に説明する。
なお、図11において、図3と同一構成である部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
定着装置111は、フィルムユニット20と、加圧ロ−ラ21と、判定部41と、電圧印加部50と、制御部142と、を有している。
電圧印加部50は、定着フィルム15に対してバイアス電圧を印加する。具体的には、電圧印加部50は、ブラシ23と、負極性印加部24と、正極性印加部25と、保護抵抗26と、保護抵抗27と、切替スイッチ30と、通紙有無判断部101と、通紙動作開始判断部105と、を有している。
通紙有無判断部101は、正極性印加部25を動作させたことを制御部142に通知する。なお、通紙有無判断部101における上記以外の構成は、上記実施の形態1の通紙有無判断部101と同一構成である。
制御部142は、通紙有無判断部101から正極性印加部25が動作開始した通知を受けてから所定時間経過後に、判定部41から入力した判定結果及び入力した通紙枚数情報に基づいて除電時間を決定することにより電圧印加部50の作用を変更する。ここで、通紙枚数情報は、定着ニップ22を連続して通紙した記録材Pの通紙枚数の情報であり、具体的にはJOBの通紙枚数の情報である。制御部142は、正極性印加部25が動作を開始してから決定した除電時間が経過した際に、正極性印加部25の動作を停止させる制御を行う。
<加圧ローラの除電処理>
加圧ローラ21の表面の負極性帯電量は、JOBの通紙枚数が増えるに連れて用紙と加圧ローラ21との接触摩擦によって負極性にチャージアップしていくため、JOBの通紙枚数に応じて変化する。また、定着フィルム15の表面温度及び加圧ローラ21の表面温度は、JOBの通紙枚数が多いほどヒータ19で加熱される時間が長くなるため、保温されて高くなる。これより、本実施の形態における加圧ローラ21の除電処理では、通紙枚数を考慮して除電時間を決定する。
本発明の実施の形態2に係る加圧ローラ21の除電処理について、図12を参照しながら、詳細に説明する。
加圧ローラ21の除電処理は、通紙有無判断部101で最後の記録材の後端部が定着ニップ22を通過したことを検出して印字動作を終了した後に開始される。
加圧ローラ21の除電処理が開始された後、加圧ローラ21は、図示しない駆動部により駆動されて後回転動作を開始する(S11)。
また、通紙有無判断部101は、負極性印加部24の動作を停止させ、切替スイッチ30により正極性印加部25とブラシ23とを接続すると共に正極性印加部25を動作させる。これにより、正極性印加部25から定着フィルム15に対して正極性のバイアス電圧が印加される(S12)。更に、通紙有無判断部101は、正極性印加部25を動作させたことを制御部142に通知する。
次に、制御部142は、後回転動作開始から所定時間経過後に、判定部41から入力した判定結果より、サーミスタ18で検出した温度が180℃以上であるか否かを判定する(S13)。
制御部142は、サーミスタ18で検出した温度が180℃以上である場合(S13:Yes)、入力した通紙枚数情報よりJOBの通紙枚数を確認し、JOBの通紙枚数が30枚以上であるか否かを判定する(S14)。
制御部142は、JOBの通紙枚数が30枚未満の場合(S14:No)、除電時間を8secとすることを決定する(S15)。そして、制御部142は、後回転動作開始から8sec経過後に、正極性印加部25の動作を停止させる。これにより、正極性印加部25は、8secの印加時間において定着フィルム15に対して正極性のバイアス電圧を印加する。
一方、制御部142は、JOBの通紙枚数が30枚以上の場合(S14:Yes)、JOBの通紙枚数が100枚以上であるか否かを判定する(S16)。
制御部142は、JOBの通紙枚数が100以上の場合(S16:Yes)、除電時間を12secとすることを決定する(S17)。そして、制御部42は、後回転動作開始から12sec経過後に、正極性印加部25の動作を停止させる。これにより、正極性印加部25は、12secの印加時間において定着フィルム15に対して正極性のバイアス電圧を印加する。
一方、制御部142は、JOBの通紙枚数が100枚未満の場合(S16:No)、除電時間を10secとすることを決定する(S18)。そして、制御部42は、後回転動作開始から10sec経過後に、正極性印加部25の動作を停止させる。これにより、正極性印加部25は、10secの印加時間において定着フィルム15に対して正極性のバイアス電圧を印加する。
このように、所定枚数以上である通紙枚数100枚以上のJOBの場合には、サーミスタ18で検出する温度は180℃以上になるので、サーミスタ18で検出した温度のみで除電時間を決定しても加圧ローラ21の負極性帯電量を完全に除電することができる。従って、正極性印加部25は、通紙枚数100枚以上のJOBの場合、通紙枚数に関わらずサーミスタ18で検出した温度に基づいて制御部142で決定した除電時間と同一の印加時間において正極性のバイアス電圧を定着フィルム15に印加する。
また、制御部142は、サーミスタ18で検出した温度が180℃未満である場合(S13:No)、判定部41から入力した判定結果より、サーミスタ18から入力した温度の検出値の示す温度が151℃以上であるか否かを判定する(S19)。
制御部142は、サーミスタ18で検出した温度が151℃以上である場合(S19:Yes)、JOBの通紙枚数を確認し、JOBの通紙枚数が30枚以上であるか否かを判定する(S20)。
制御部142は、JOBの通紙枚数が30枚以上の場合(S20:Yes)、除電時間を9secとすることを決定する(S21)。そして、制御部142は、後回転動作開始から9sec経過後に、正極性印加部25の動作を停止させる。これにより、正極性印加部25は、9secの印加時間において定着フィルム15に対して正極性のバイアス電圧を印加する。
正極性印加部25は、通紙枚数が30枚以上のS17、S18及びS21の処理によって、サーミスタ18から入力した温度の検出値が180℃未満の場合に、サーミスタ18から入力した温度の検出値が180℃以上の場合に比べて、印加時間を短くする。
一方、制御部142は、JOBの通紙枚数が30枚未満の場合(S20:No)、除電時間を7secとすることを決定する(S22)。そして、制御部42は、後回転動作開始から7sec経過後に、正極性印加部25の動作を停止させる。これにより、正極性印加部25は、7secの印加時間において定着フィルム15に対して正極性のバイアス電圧を印加する。
正極性印加部25は、通紙枚数が30枚未満のS15及びS22の処理によって、サーミスタ18から入力した温度の検出値が180℃未満の場合に、サーミスタ18から入力した温度の検出値が180℃以上の場合に比べて、印加時間を短くする。
また、制御部142は、サーミスタ18から入力した温度の検出値の示す温度が151℃未満である場合(S19:No)、JOBの通紙枚数を確認し、JOBの通紙枚数が30枚以上であるか否かを判定する(S23)。
制御部142は、JOBの通紙枚数が30枚以上の場合(S23:Yes)、除電時間を8secとすることを決定する(S24)。そして、制御部142は、後回転動作開始から9sec経過後に、正極性印加部25の動作を停止させる。これにより、正極性印加部25は、9secの印加時間において定着フィルム15に対して正極性のバイアス電圧を印加する。
正極性印加部25は、通紙枚数が30枚以上のS21及びS23の処理によって、サーミスタ18から入力した温度の検出値が151℃未満の場合に、サーミスタ18から入力した温度の検出値が151℃以上の場合に比べて、印加時間を短くする。
一方、制御部142は、JOBの通紙枚数が30枚未満の場合(S23:No)、除電時間を6secとすることを決定する(S25)。そして、制御部42は、後回転動作開始から6sec経過後に、正極性印加部25の動作を停止させる。これにより、正極性印加部25は、6secの印加時間において定着フィルム15に対して正極性のバイアス電圧を印加する。
正極性印加部25は、通紙枚数が30枚未満のS22及びS25の処理によって、サーミスタ18から入力した温度の検出値が151℃未満の場合に、サーミスタ18から入力した温度の検出値が151℃以上の場合に比べて、印加時間を短くする。
加圧ローラ21は、制御部142において上記の除電時間を決定した後に、後回転動作を終了する(S26)。
このように、制御部142は、サーミスタ18で検出した温度が151℃以上且つ180℃未満の場合と180℃以上の場合と151℃未満の場合とで、正極のバイアス電圧の印加時間を異ならせることにより、電圧印加部50の作用を変更する。
図13は、本実施の形態における上記処理において除電時間を決定する際の、除電時間とJOBの通紙枚数Nとサーミスタ18で検出した温度Tとの関係を示すものである。なお、図13において、各検出温度Tの欄の+0、+1又は+2の数値を除電時間に加算した時間が上記処理で決定される検出温度及び通紙枚数に応じて決定される除電時間となる。
図13に示すように、制御部142は、前JOBの通紙枚数が100枚未満の場合に、サーミスタ18で検出した温度に加えて、JOBの通紙枚数に応じて除電時間を決定する。これにより、加圧ローラ21の除電処理に伴う処理負荷の増大を抑制しつつも、より最適な除電時間を設定することができる。
図14は、連続して200枚印刷後すぐに、連続20枚印刷した後の加圧ローラ21の表面の負極性帯電量の推移を示している。図14(a)は、本実施の形態の加圧ローラ21の表面の負極性帯電量の時間推移を示すものである。図14(b)は、通紙枚数のみによって除電時間を設定する場合の加圧ローラ21の表面の負極性帯電量の時間推移を示すものである。
加圧ローラ21の表面の温度は、前JOBの連続200枚の印刷によって保温されているため、比較的高くなっている。本実施の形態では、図14(a)に示すように、サーミスタ18で検出した温度に基づいて除電時間を決定しているため、加圧ローラ21の表面の負極性帯電量が0Vとなる最適な除電時間である8secを設定することができる。従って、本実施の形態では、静電オフセットによる画像不良を生じない。
一方、図14(b)の場合には、除電時間を6secに設定しており、必要な除電時間が2sec不足しているため、加圧ローラ21の表面の負極性帯電量が−100Vとなるまでしか除電できず、加圧ローラ21の表面の負極性帯電量を0Vにできない。従って、図14(b)の場合には、次のJOBで静電オフセットを生じ、画像にトナー汚れが付着する。
このように、本実施の形態では、加圧ローラ21を除電する電圧印加部40が作用する加圧ローラ21又はフィルムユニット20の抵抗値の変化の判定結果に応じて、電圧印加部40の作用を変更する。これにより、最適な条件で加圧ローラ21の除電を行うことができる。
また、本実施の形態によれば、定着ニップ22を通過した記録材Pの通紙枚数に応じたバイアス電圧を正極性印加部25から定着フィルム15に印加することにより、より最適な条件で加圧ローラ21を除電することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る画像形成装置及び定着装置の構成は図1から図3と同一構成であるので、その説明を省略する。
<加圧ローラの除電処理>
本発明の実施の形態3に係る加圧ローラ21の除電処理について、図15を参照しながら、詳細に説明する。
加圧ローラ21の除電処理は、通紙有無判断部101で最後の記録材の後端部が定着ニップ22を通過したことを検出して印字動作を終了した後に開始される。
加圧ローラ21の除電処理が開始された後、加圧ローラ21は、図示しない駆動部により駆動されて後回転動作を開始する(S31)。
また、通紙有無判断部101は、負極性印加部24の動作を停止させ、切替スイッチ30により正極性印加部25とブラシ23とを接続すると共に正極性印加部25を動作させる。これにより、正極性印加部25から定着フィルム15に対して正極性のバイアス電圧が印加される(S32)。更に、通紙有無判断部101は、正極性印加部25を動作させたことを制御部42に通知する。
次に、制御部42は、後回転動作開始から所定時間経過後に、判定部41から入力した判定結果より、サーミスタ18で検出した温度が180℃以上であるか否かを判定する(S33)。
制御部42は、サーミスタ18で検出した温度が180℃以上である場合(S33:Yes)、定着フィルム15に印加する印加電圧を変更しないことを決定する(S34)。
そして、正極性印加部25は、6secの印加時間において+500Vの正極性のバイアス電圧を定着フィルム15に印加する(S35)。
一方、制御部42は、サーミスタ18で検出した温度が180℃未満である場合(S33:No)、判定部41から入力した判定結果より、サーミスタ18で検出した温度が151℃以上であるか否かを判定する(S36)。
制御部42は、サーミスタ18で検出した温度が151℃以上である場合(S36:Yes)、定着フィルム15に印加する印加電圧を変更することを決定する(S37)。
そして、正極性印加部25は、6secの印加時間において+700Vの正極性のバイアス電圧を定着フィルム15に印加する(S38)。
即ち、正極性印加部25は、サーミスタ18で検出した温度が所定値未満である180℃未満の場合に、サーミスタ18で検出した温度が所定値以上である180℃以上の場合に比べて、印加するバイアス電圧を高くする。
一方、制御部42は、サーミスタ18で検出した温度が151℃未満である場合(S36:No)、定着フィルム15に印加する印加電圧を変更することを決定する(S39)。
そして、正極性印加部25は、6secの印加時間において+900Vの正極性のバイアス電圧を定着フィルム15に印加する(S40)。
即ち、正極性印加部25は、サーミスタ18で検出した温度が所定値未満である151℃未満の場合に、サーミスタ18で検出した温度が所定値以上である151℃以上の場合に比べて、印加するバイアス電圧を高くする。また、正極性印加部25は、バイアス電圧の印加時間を6secの一定時間にする。
このように、制御部42は、サーミスタ18で検出した温度が151℃以上且つ180℃未満の場合と180℃以上の場合と151℃未満の場合とで、印加する正極のバイアス電圧を異ならせることにより、電圧印加部40の作用を変更する。
加圧ローラ21は、制御部42から定着フィルム15に対して上記の正極性のバイアス電圧を印加した後に、後回転動作を終了する(S41)。
本実施の形態では、サーミスタ18で検出した温度に基づいて決定した正極性のバイアス電圧を6secの印加時間において定着フィルム15に印加して、加圧ローラ21の負極性帯電量を除電する。これにより、印加時間を一定時間にすることができるため、全てのJOBにおいて後回転時間を同一にすることができ、処理負荷の増大を抑制することができる。
図16は、連続して200枚印刷後すぐに、連続20枚印刷した後の加圧ローラ21の表面の負極性帯電量の推移を示している。
加圧ローラ21の表面の温度は、前JOBの連続200枚の印刷によって保温されているため、比較的高くなっている。図16に破線で示す本実施の形態では、サーミスタ18で検出した温度に基づいて正極性のバイアス電圧を設定しているため、6secの除電時間において加圧ローラ21の表面の負極性帯電量が0Vとなる最適なバイアス電圧を設定することができる。従って、本実施の形態では、静電オフセットによる画像不良を生じない。
一方、図16に実線で示す従来の場合には、サーミスタ18で検出した温度に関わりなく一定の正極性のバイアス電圧を設定している。従って、従来の場合には、6secの除電時間において加圧ローラ21の表面の負極性帯電量を−100Vまでしか除電できず、加圧ローラ21の表面の負極性帯電量を0Vにできない。また、従来の場合には、加圧ローラ21の表面の負極性帯電量が0Vとなる除電時間は8sec必要であり、6secの除電時間では2sec不足している。従って、従来の場合には、6secの除電時間では次のJOBで静電オフセットを生じ、画像にトナー汚れが付着する。
このように、本実施の形態では、加圧ローラ21を除電する電圧印加部40が作用する加圧ローラ21又はフィルムユニット20の抵抗値の変化の判定結果に応じて、電圧印加部40の作用を変更する。これにより、最適な条件で加圧ローラ21の除電を行うことができる。
また、本実施の形態によれば、サーミスタ18により検出した温度に応じて定着フィルム15に印加するバイアス電圧を可変にすることにより、加圧ローラ21の表面の負極性帯電量を短時間で0Vまで除電することができる。
なお、上記実施の形態1から実施の形態3において、ヒータ19の裏面にサーミスタ18を設けたが、定着フィルム15の表面又は定着フィルム15の内面にサーミスタを設けてもよい。
また、上記実施の形態1から実施の形態3において、サーミスタ18により温度を測定したが、サーミスタ18以外の温度検出手段により温度を検出してもよい。
また、上記実施の形態1から実施の形態3において、定着温調温度を220℃にしたが、定着温調温度を220℃以外の温度にしてもよい。
また、上記実施の形態1から実施の形態3では、切替スイッチ30を切り替えて負極性印加部24又は正極性印加部25から定着フィルム15にバイアス電圧を印加した。しかしながら、上記実施の形態1から実施の形態3において、切替スイッチ30を用いずに、正極及び負極の両極性のバイアス電圧を印加できる1つの電圧印加部から定着フィルム15にバイアス電圧を印加してもよい。
また、上記実施の形態1から実施の形態3において、サーミスタ18により検出したヒータ19の温度に基づいて除電処理を行ったが、サーミスタにより検出した加圧ローラ21の温度に基づいて除電処理を行ってもよい。
S1 画像形成装置
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 レーザースキャナ
4 現像装置
5 給紙カセット
6 給送ローラ
8a シートパス
8b シートパス
8c シートパス
9 転写ローラ
10 クリーニング装置
11 定着装置
12 排出部
13 フィルムガイド
14 Tステー
15 定着フィルム
16 記録材
17 トナー
18 サーミスタ
19 ヒータ
20 フィルムユニット
21 加圧ローラ
22 定着ニップ
23 ブラシ
24 負極性印加部
25 正極性印加部
26 保護抵抗
27 保護抵抗
30 切替スイッチ
40 電圧印加部
41 判定部
42 制御部
50 電圧印加部
101 通紙有無判断部
105 通紙動作開始判断部
111 定着装置
142 制御部

Claims (11)

  1. ヒータを備える加熱手段と、
    前記加熱手段との間で記録材を挟持及び搬送する加圧手段と、
    前記加圧手段を除電する除電手段と、
    前記除電手段が作用する前記加圧手段又は前記加熱手段の抵抗値の変化を判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定結果に応じて前記除電手段の作用を変更する制御手段と、
    を有することを特徴とする定着装置。
  2. 前記除電手段は、
    前記加圧手段の表面の帯電極性と逆極性のバイアス電圧を印加して前記加圧手段を除電する、
    ことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記判定手段は、
    前記加熱手段又は前記加圧手段の温度に基づいて前記抵抗値の変化を判定する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記除電手段は、
    前記加熱手段又は前記加圧手段の温度が所定値未満の場合に、前記所定値以上の場合よりも前記バイアス電圧を印加する印加時間を短くすることにより前記作用を変更する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記除電手段は、
    前記加熱手段又は前記加圧手段の温度が所定値未満の場合に、前記所定値以上の場合よりも印加する前記バイアス電圧を高くすることにより前記作用を変更する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  6. 前記除電手段は、
    前記バイアス電圧を一定時間だけ印加する、
    ことを特徴とする請求項5記載の定着装置。
  7. 前記除電手段は、
    挟持及び搬送した前記記録材の枚数に応じた前記バイアス電圧を印加することにより前記作用を変更する、
    ことを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記除電手段は、
    挟持及び搬送した前記記録材が所定枚数以上の場合に、前記バイアス電圧を印加することにより前記作用を変更する、
    ことを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. 前記加熱手段は、
    トナー像を形成された前記記録材を前記加圧手段との間で挟持して前記記録材にトナー像を定着させる定着部材を有し、
    前記定着部材は、
    表層である離型層と、前記離型層の下層である基層と、前記離型層と前記基層とを接着する接着層と、を積層した構成を有する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の定着装置。
  10. 前記加圧手段は、
    表面抵抗が1×10以上である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の定着装置。
  11. 記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段により前記記録材に形成した前記トナー像を前記記録材に定着させる請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の定着装置と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114063418A (zh) * 2020-08-04 2022-02-18 佳能株式会社 图像形成装置

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