JP2010256529A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子写真方式や静電記録方式など画像形成装置において、定着フィルムへの紙粉の付着を抑えて、この紙粉付着に起因するトナー汚れ現象を防止する。
【解決手段】トナー像を担持し移動する像担持体と、前記像担持体の前記トナー像を担持する表面と記録材を介して当接し、電圧が印加され前記記録材に前記トナー像を転写させる転写部材と、前記トナー像が転写された記録材を、前記トナーと同極性の電圧で印加された定着フィルムを介して加熱加圧して、前記トナー像を前記記録材に定着させる定着装置と、画像形成動作を制御する制御手段とを備えた画像形成装置であって、制御手段は、記録材の先端から画像先端までの非印字領域S1および画像後端から記録材の後端までの非印字領域S2に対して、転写部材にトナーと同極性の転写バイアスVnを印加させる画像形成装置により前記課題を解決する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式などによって画像形成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、特にその定着フィルムへの紙粉の付着に起因するトナー汚れ現象の防止に関するものである。
従来、電子写真方式、静電記録方式等を採用する画像形成装置に具備される定着装置においては、未定着トナー像を担持した記録材(転写材ともいう)を、互いに圧接して回転する定着ローラと加圧ローラとで形成されるニップ部(定着ニップ部)を通過させることにより記録材上に永久画像として定着させる、いわゆる加熱定着装置が広く用いられている。
従来の加熱定着装置の一例を図13に示す。図13において、1は加熱手段としての定着ローラであり、機械的強度を満足するように厚み0.5mm〜4mm程度のアルミの中空芯金3の内部にハロゲンランプ2が配設されている。そして、不図示の電源からの通電により中空芯金3内部から記録材上のトナーを融解させるのに十分な加熱を行う。また、記録材の搬送によって定着ローラ表面がチャージアップすることで発生するオフセットを防止するため、離型性層4にカーボンブラック等の導電部材を混入しているものもある。さらに定着ローラ1の中空芯金3は電気的にアース接続、もしくはダイオード素子を介して接地されていたり、バイアス印加手段30によって、バイアス印加されており、定着ローラ表面がチャージアップしてオフセット画像が発生するのを防止している。
一方、6は前記定着ローラ1とローラ長手方向両端部において不図示の加圧バネにより圧接して記録材を挟持搬送する加圧ローラである。よって、加圧ローラ6の弾性により両ローラ間に十分なニップ幅を形成することができる。このニップ部に挟持搬送される記録材P上のトナー像を定着ローラ1からの加熱により定着することができる。また、特にスタンバイ時に加熱定着装置に電力を供給せず、消費電力を極力低く抑える手法、詳しくはヒータ部と加圧ローラの間に薄肉のフィルムを介して記録材上のトナー像を定着するフィルム加熱方式による加熱定着方法の例が特許文献1ないし4等に提案されている。
図14にフィルム加熱方式の一例の概略構成を示した。すなわち、図14において、加熱ローラ10は、耐熱性のあるステイホルダ(支持体)12に固定支持させた加熱部材(加熱体、以下「ヒータ」と記す)11と、前記ヒータ11に耐熱性の薄肉フィルム(以下、「定着フィルム」と記す)13から構成されている。そして、所定のニップ幅のニップ部(定着ニップ部)を形成するため、不図示の加圧手段により加圧ローラ6との間に所定の加圧力を付与させてある。ヒータ11を所定の温度に加熱・温調させ、定着フィルム13を矢印の方向に搬送移動させた状態において、定着ニップ部の定着フィルム13と加圧ローラ6との間に被加熱材としての未定着トナー像を形成担持させた記録材を導入する。すると、記録材は定着フィルム13の面に密着して前記定着フィルム13と一緒に定着ニップ部を挟持搬送される。この定着ニップ部において、記録材・トナー像がヒータ11により定着フィルム13を介して加熱されて記録材上のトナー像が加熱定着される。 このように、フィルム加熱方式の加熱定着装置では、スタンバイ中にヒータへの通電を行わず、画像形成装置がプリント信号を受信してから記録材が定着ニップ部に到達するまでの間に急速にヒータへの通電により定着可能な温度まで加熱する。これにより、記録材上の未定着トナー像を加熱定着することが可能であり、省エネを満足する加熱定着手段である。
特開昭63−313182号公報 特開平2−157878号公報 特開平4−44075号公報 特開平4−204980号公報
しかしながら、昨今、電子写真方式のプリンタは全世界で幅広く使用され、これにともないプリンタに使用される記録材も多種多様化してきている。例えば、ヨーロッパ市場では、記録材として、腰があり白色度の良いものが好まれており、記録材に用いられるフィラーとしては、CaCO3が多く使用されている。従来一般に間接(転写)方式、あるいは直接方式によって未定着トナーが形成される際、記録材にはプラスの電荷が与えられ、CaCO3 等を含む紙粉もプラスの電荷を持つことが知られている。一方、画像上の問題等から定着フィルムには、マイナスのバイアスが印加されることが多く、プラスに帯電した紙粉を静電気的に定着フィルムヘと引き寄せてしまう傾向がある。その結果、定着フィルムに多量の紙粉が付着すると、定着フィルム表面の離型性が悪化し、運ばれてきたトナーが定着フィルムに容易に転移しやすくなる。この転移したトナーを以下、オフセットトナーと称す。このオフセットトナーは、定着フィルム周期のタイミングで、次の記録材の印字面に汚れとなって付着したり、記録材が定着ニップに介在しないタイミングで、加圧ローラ側へ転移することになる。加圧ローラにトナーが転移すると、加圧ローラの離型性も著しく低下するため、記録材(特に記録材がOHPフィルムの場合)が加圧ローラに巻き付いたり、蓄積されたトナー汚れが一気に放出されて、記録材の裏面を著しく汚したりするという問題も生じる。
このような紙粉付着によるトナー汚れ現象は、低湿環境下ほどひどくなり、例えば、温度15℃・湿度10%の環境下でCaCO3 を10〜15%含んだ記録材を用いて通紙耐久テストを行うと、連続プリント1000枚〜2000枚の通紙枚数で加圧ローラは汚れ始め、それとほぼ同じ枚数で記録材にトナー汚れが発生し画像不良になることがある。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、電子写真方式や静電記録方式など画像形成装置において、定着フィルムへの紙粉の付着を抑えて、この紙粉付着に起因するトナー汚れ現象を防止することを課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明では、画像形成装置を次の(1)のとおりに構成する。
(1)トナー像を担持し移動する像担持体と、前記像担持体の前記トナー像を担持する表面と記録材を介して当接し、電圧が印加され前記記録材に前記トナー像を転写させる転写部材と、前記トナー像が転写された記録材を、前記トナーと同極性の電圧で印加された定着フィルムを介して加熱加圧して、前記トナー像を前記記録材に定着させる定着装置と、画像形成動作を制御する制御手段とを備えた画像形成装置であって、
前記制御手段は、前記記録材の先端から画像先端までの非印字領域および画像後端から当該記録材の後端までの非印字領域に対して、前記転写部材からトナーと同極性の電圧を印加させる画像形成装置。
本発明によれば、定着フィルムへの紙粉の付着を抑えて、この紙粉付着に起因するトナー汚れ現象を防止することができる。
実施例1の画像形成装置の概略構成を示す断面図 実施例1における、画像位置と転写バイアスの関係を示す図 実施例1における記録材Pの搬送タイミングを示す図 実施例1における転写バイアスの動作タイミングを示す図 実施例1における転写バイアス印加手段の制御ブロック図 実施例1における定着装置の構成を示す断面図 実施例1における定着フィルムへの給電回路を示す模式図 実施例1における定着バイアスの等価回路を示す模式図 実施例2おける画像位置と転写バイアスの関係を示す図 実施例2における記録材Pの搬送タイミングを示す図 実施例2における転写バイアスの動作タイミングを示す図 実施例3における転写バイアスの印加状態を示す図 従来例における加熱定着装置の構成を示す断面図 従来例における定着装置の構成を示す断面図
以下、本発明の実施の形態を画像形成装置の実施例にもとづいて詳しく説明する。なお、各実施例は、電子写真方式の画像形成装置であるが、誘電体ドラムを用い、トナーの転写、定着を行う静電記録方式の画像形成装置においても同様に実施することができる。また、各実施例は、感光体ドラムから記録材へ直接転写するものであるが、中間転写ベルトを介して記録材へ転写するものにおいても同様に実施することができる。そこで、請求項では、これらのトナー像を担持する、感光体ドラム、誘電体ドラム、中間転写ベルトを像担持体と表記している。
図1は、実施例1である“画像形成装置”の概略構成を示す断面図である。
A 画像形成装置の全体説明
図1において、101は感光体ドラムであり、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基盤上に形成されている。感光体ドラム101は矢印の方向に回転駆動(請求項でいう,移動に相当)される。まず、その表面は帯電装置としての帯電ローラ102によって一様帯電される。次に、画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザビーム103による走査露光が施され、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置104で現像、可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。可視化されたトナー像は、転写用高圧電源により転写バイアスを印加することで、感光体ドラム101に記録材を介して当接する転写部材としての転写ローラ105により、転写ニップ部N1の位置において、所定のタイミングで搬送された記録材P上に感光体ドラム101上より転写される。ここで感光体ドラム101上のトナー像の画像形成位置と記録材の先端の書き出し位置が合致するようにトップセンサ108にて記録材の先端を検知し、タイミングを合わせている。所定のタイミングで搬送された記録材Pは感光体ドラム101と転写ローラ105に一定の加圧力で挟持搬送される。このトナー像が転写された記録材Pは定着装置106へと搬送され加熱加圧され、永久画像として定着される。一方、感光体ドラム101上に残存する転写残りの残留トナーは、クリーニング装置107により感光体ドラム101表面より除去される。
B 転写装置
図2は本実施例における、記録材Pの画像位置と転写バイアスの関係を示す概略図である。転写バイアスV0、Vt、Vc、Vnはいずれも転写用高圧電源により定電圧制御で転写ローラ105に印加される電圧である。転写バイアスV0は、転写ニップ部N1に記録材Pが存在しないタイミングに転写ローラ105に印加される。転写バイアスVtは、転写強バイアスで、例えば感光体ドラム101と転写ローラ105間で形成される転写ニップ部N1に記録材Pが存在しないときに、不図示の電源より転写ローラ105に一定電流を定電流制御で付与したときの発生電圧V0から予め設定した制御式により算出する、いわゆるPTVC制御方式等で決定した電圧値である。この転写バイアスVtは、転写ニップ部N1に画像形成領域Sが存在するタイミングにおいて転写ローラ105に印加される。Vcは転写ニップ部N1に記録材Pが存在しないタイミングにおいて、転写ローラ105に付着したトナーを感光体ドラム101上に吐き出すために印加される、転写ローラクリーニングバイアスであり、本実施例ではマイナス1000Vとした。Vnは、記録材Pの先端非印字領域S1と後端非印字領域S2をマイナスに帯電させるための転写逆バイアスであり、本実施例ではVnをマイナス500Vに設定した。
図3は本実施例における記録材Pの搬送タイミングを示す概略図であり、図4は本実施例における転写バイアスの動作タイミングを示す概略図である。転写バイアスの動作タイミングは、紙先端X0がトップセンサ108をONするタイミングT0を起点として、記録材Pの先端X0が転写ニップ部に突入するタイミングT1、画像先端X1が転写ニップ部Nに突入するタイミングT2、画像後端X2が転写ニップ部N1を抜けるタイミングT3、紙後端X3が転写ニップ部N1を抜けるタイミングT4において、転写用高圧電源による印加バイアスを切り替える。各タイミングにおけるバイアス印加状態は、T0からT1までは転写バイアスV0を出力し、T1からT2までは転写バイアスVnを出力し、T2からT3までは転写バイアスVtを出力し、T3からT4までは転写バイアスVnを出力する。その他、画像形成装置のプリント動作(画像形成動作)中で、T0以前の紙先端がトップセンサをONするまでの間や、T4以降の紙後端が排紙センサ127をOFFするまでの間、および、連続プリント動作中のプリント間は、転写バイアスV0を出力する。連続プリントのラスト紙後端が排紙センサ127をOFFしてからプリント動作が終了するまでの所定時間の間には、転写ローラをクリーニングする目的で、転写バイアスVcが印加される。各タイミングT1からT4の動作タイミングは、紙の搬送速度をPs[mm/sec]、トップセンサ108から転写ニップ部N先端までの距離をY0[mm]、紙先端X0から画像先端X1までの長さをY1[mm]、紙先端X0から画像後端X2までの長さをY2[mm]、紙先端X0から紙後端X3までの長さをY3[mm]、とした場合に、紙先端X0がトップセンサ108をきるタイミングT0を起点として、T1はY0/Ps[sec]、T2は(Y0+Y1)/Ps[sec]、T3は(Y0+Y2)/Ps[sec]、T4は(Y0+Y3)/Ps[sec]、だけ遅れたタイミングで実行される。連続プリント動作中の2枚目以降に関しては、再び各プリント紙先端X0がトップセンサ108をきるタイミングを起点として、その起点から、T1はY0/Ps[sec]、T2は(Y0+Y1)/Ps[sec]、T3は(Y0+Y2)/Ps[sec]、T4は(Y0+Y3)/Ps[sec]、だけ遅れたタイミングで実行される。
図5は本実施例における転写バイアス印加手段の制御ブロック図である。CPU130は、転写バイアス印加動作に関連する情報を検知、記憶、演算、実行するためのDCコントローラである。CPU130は、トップセンサ108と排紙センサ127のON、OFF情報を記憶するセンサ情報記憶手段131と、印字する印字パターンの画像データからレーザーが露光する印字情報を記憶する印字情報記憶手段132を有する。また、両情報記憶手段に記憶された情報とタイマ手段によるタイミングを調整するタイマ手段133を有する。さらに、両情報御記憶手段に記憶された情報とタイマ手段によるタイミング情報をもとに演算処理を実行し、その演算処理の結果にもとづき、転写バイアス印加手段135にバイアス印加タイミングを指令する制御部134を有する。転写バイアス印加手段135は、制御部134からの指令にもとづきバイアス印加を実行するように構成される。
なお、本実施例では、紙の搬送速度Psは150mm/sec、トップセンサ108から転写ニップ部Nまでの距離Y0は25mmとしている。そして、T0を起点とした各タイミングT1からT4の動作タイミングや、紙先端X0を基準とした画像先端X1までの長さY1、画像後端X2までの長さY2などの画像位置関係に関しては、前述のセンサ情報記憶手段131と、印字情報記憶手段132と、タイマ手段133の情報をもとに、制御部134で演算処理を実行して算出される。またこの算出結果にもとづき、制御部134の指令で転写バイアス印加手段135から所望の転写バイアスが印加される。
以上、本実施例の転写バイアス印加タイミングの動作をまとめると、画像形成領域Sが転写ニップ部N1を通過するタイミングT2にて転写装置が転写バイアスVtを印加する。そして、画像形成されていない先端非印字領域S1と後端非印字領域S2が転写ニップ部N1を通過するタイミングでは、転写装置は転写バイアスVtと逆極性の転写逆バイアスVnを印加する。その結果、先端非印字領域S1と後端非印字領域S2上に付着している紙粉D1は、転写逆バイアスVnと同極性に帯電され、その極性を維持したまま、定着装置106に搬送される。詳細は後述するが、本実施例の定着装置106では、定着フィルム113の表面をマイナス極性に帯電させることで、マイナス極性を持つトナーTが静電的に定着フィルム113にオフセットする現象を防止している。これと同様の作用効果により、記録材P上の紙粉D1は、転写バイアスVnの影響を受けてマイナスに帯電しているので、同じくマイナス帯電している定着フィルム113にオフセットしないで定着ニップN2を通過できる。また、マイナス帯電している記録材P上の領域S1、S2が定着ニップN2を通過することで、プラス帯電して定着フィルム113に付着している紙粉D2を、記録材P上に静電的に回収することができる。
B 定着装置
図6に、本実施例における定着装置106の構成を示す。図6において、定着部材110は以下の部材から構成される。113は熱容量の小さな定着フィルムであり、図7に示すように、クイックスタートを可能にするために総厚100μm以下の厚みの耐熱性フィルムである。基層113aとしてポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等の耐熱性樹脂、あるいは耐熱性、高熱伝導性を有するSUS、Al、Ni、Ti、Zn等の金属部材を単独ないし複合して形成してある。樹脂製の基層113aの場合には、熱伝導性を向上するために、BN、アルミナ、Al等の高熱伝導性粉末を混入してあっても良い。また、長寿命の定着フィルム113を構成するために充分な強度を持ち、耐久性に優れた基層113aとして、総厚20μm以上の厚みが必要である。よって定着フィルム113の総厚みとしては20μm以上100μm以下が最適である。さらに、図7に示すように、オフセット防止や記録材の分離性を確保するために表層にはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、FEP(テトラフルオロエチレン ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(エチレン テトラフルオロエチレン共重合体)、CTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂等の離型性の良好な耐熱樹脂を混合ないし単独で離型性層113cを被覆してある。前記離型性層113cは、カーボンブラック、イオン導電性物質等の導電性部材が混入されており、比抵抗が1×107〜1×1014Ω・cm程度で厚さが5〜20μm程度被覆されている。被覆の方法としては、例えば基層113aの外面に接着剤である導電性プライマ層113bを塗布し、離型性層113cを被覆する等、基層113aもしくはプライマ層113bのどちらかが少なくとも導電性部材より形成されている。導電性プライマ層113bはカーボンブラック等の導電性付与部材が分散されており、比抵抗が1×105Ω・cm以下で厚み2〜10μm程度で形成されている。
また、111(図6参照)は、前記定着フィルム基層113aを基材としてなる定着フィルム113の内部に具備されたヒータである。定着ニップ部において前記ヒータ111を定着フィルム113の内面に接触することにより、定着ニップ部に搬送された記録材上のトナー像を溶融、定着させるニップ部の加熱を行う。ヒータ111は、アルミナ、AlN等のセラミック材料より形成される高熱伝導性基板の定着ニップと反対側もしくは、ニップ側に、長手方向に沿って、例えばAg/Pd(銀パラジウム)、Ni/Cr、RuO2、Ta2N、TaSiO2等の導電剤とガラス、ポリイミド等のマトリックス成分からなる通電発熱抵抗層をスクリーン印刷、蒸着、スパッタリング、メッキ、金属箔等により、厚み10μm程度、幅1〜5mm程度の線状もしくは細帯状で弓状に塗工して形成されている。そして、前記ヒータ111による加熱温度はサーミスタ等の温度検知手段114によって検出され、加熱温度が所定温度になるように制御される。また通電発熱抵抗層の上には、耐熱性のポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、ガラス等の絶縁性保護層を形成してある。また、定着ニップ側の定着フィルムと摺擦する部分には、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、FEP(テトラフルオロエチレン ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(エチレン テトラフルオロエチレン共重合体)、CTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)等のフッ素樹脂層やポリイミド、ポリアミドイミド等の樹脂を単独ないし、混合して被覆する。あるいはグラファイト、二硫化モリブデン等からなる乾性被膜潤滑剤、ガラス、DLC(ダイアモンドライクカーボン)等を薄く塗布あるいは蒸着することによって形成された摺動層を設けてあっても良い。これにより、定着フィルムとヒータは低摩擦係数で滑らかに摺動することが可能になる。あるいは、高熱伝導基板の定着フィルムと摺動する面の表面粗さを所定以下に抑え、潤滑性グリース等により摺動性を確保し、熱抵抗を小さく抑えることで熱効率を向上させる構成であっても良い。112はヒータ111を保持し、ニップと反対方向への放熱を防ぐための断熱ステイホルダであり、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等の耐熱性樹脂により形成されており、定着フィルム113が余裕をもってルーズに外嵌されている。そして、定着フィルム113は矢印の方向に回転自在に配置されている。また、加圧部材としての加圧ローラ120は、SUS、SUM、Al等の金属製芯金121の外側に好ましくは導電性部材を分散させたシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムあるいはシリコンゴムを発泡して形成された弾性層122からなる。そして、弾性層122の上にPFA、PTFE、FEP等の離型性層123を形成してあってもよい。加圧ローラ120は前記の定着部材110の方向に不図示の加圧バネ等の加圧手段により、長手方向両端部から加熱定着に必要なニップ部を形成するべく十分に加圧されている。また、加圧ローラ120の金属製芯金121の長手方向端部より、不図示の駆動手段により回転駆動される。この結果断熱ステイホルダ112の外周面に余裕をもってルーズに外嵌されている定着フィルム113は加圧ローラ120の外周面により摩擦力で従動回転させられる。
また、図7に示すように、116は、定着フィルム113の導電性プライマ層に導電性ブラシ117等によって給電するためのバイアス印加手段である。このバイアス印加手段116により、マイナス極性を持つトナーが静電的に定着フィルム113に付着するのを防止するため、記録材搬送タイミングに応じてマイナス極性の所定の電圧を定着フィルム導電層113bに印加することが可能となっている。また、図6において、125、126は定着ニップ下流側に配置された導電性排出ゴムローラ、排出コロであり、定着ニップから排出された記録材Pを挟持搬送するローラ対である。導電性排出ゴムローラ125はアルミ等の金属製芯金にシリコンゴム等の耐熱ゴムにカーボンブラック等の導電性付与部材が分散されたゴム層が形成されており、前記導電性ゴムは比抵抗が1×106Ω以下の導電性を付与されている。また導電性排出ゴムローラ125の金属製芯金は電気的に接地された状態となっており、定着フィルム113の導電性プライマ層113bにバイアス印加手段116によって印加された電圧との間で所定の電位差を形成している。よって、記録材Pが定着ニップおよび導電性排出ゴムローラ125に接触している間は、導電性排出ゴムローラ125と定着フィルム113の導電性プライマ層113bの間で電流経路が形成されている。ここで本実施例では、導電性排出ゴムローラ125で説明しているが、記録材と接触する導電性部材は導電性ブラシ、導電性ガイド等どのような形態であってもよい。要は定着フィルム113の導電性プライマ層113bとの間で電位差を生じることで記録材を介して電流経路を形成するものであれば良い。また、加圧ローラ120の金属製芯金121はダイオード等の整流素子124によってトナーと逆極性の電荷が加圧ローラ芯金121や導電性弾性層122に誘起される構成となっている。これにより、定着フィルム113の導電性プライマ層113bと加圧ローラ120の導電性弾性層122との間に所定の電位差を生じさせる構成となっている。127は記録材が定着ニップから排出されたことを検知する排紙センサである。特に加圧ローラ120の導電性部材と接地間に整流素子124を介在させることは、加圧ローラ120表面の電位を安定させることが可能になるため、装置間でのばらつきを抑え、オフセット現象の安定化を図るために有効である。
以上が定着装置の構成であり、記録材Pは不図示の供給手段によって適宜供給され、耐熱性の定着入口ガイド115に沿って加熱部材110と加圧部材120によって形成される定着ニップN2内に搬送される。その後、定着ニップN2より排出された記録材Pは導電性排出ゴムローラ125と排出コロ126によって挟持搬送され、耐熱性の不図示の定着排出ガイドに案内されて不図示の排出トレイ上に排出される。また、記録材Pを定着ニップ内で加熱定着している間は、記録材の先端位置の検知を行うトップセンサ108、排紙センサ127の信号を基に、前記バイアス印加手段116により定着フィルム導電プライマ層へ所定のマイナスバイアスを印加している。
C 定着バイアス回路
図8は、本実施例における定着装置の要部を示した図であり、定着ニップ部に、未定着トナーTが転写された記録材Pが突入したときの等価回路の一例を示している。116はバイアス印加手段であり、定着フィルム113の導電性プライマ層113bへバイアスが印加される。導電性プライマ層113bへのバイアス印加は、図7に示したような導電ブラシ、あるいは不図示の導電ゴムリング等の給電部材を導電性プライマ層113bに接触させることで行う。バイアス印加手段116の出力端から導電性プライマ層113b間には保護抵抗として抵抗Rdが接続されている。また、Rbは前記給電部材と導電性プライマ層113b間の接触抵抗、および導電性プライマ層113の定着ニップ部付近までの抵抗を示しており、Rfは定着フィルムの離型性層13cの抵抗を表している。定着ニップ部の近傍Pnの領域では、紙などの記録材Pが加熱され、水蒸気が発生しているため、Pn部の電気抵抗は低下して等価回路上、直列につながる他の抵抗に比べ無視できる程小さくなり、Pnの領域では等電位と見なすことができる。定着ニップ通過後の記録材は含水率が低下することから、抵抗値は無視できなくなり、接地電極である導電性排出ゴムローラ125までの抵抗をRpで表している。また、接地電極である導電性排出ゴムローラ125の記録材Pとの接触抵抗とアースまでの抵抗はRhで表している。
以上の等価回路により、バイアス印加手段116でトナーと同極性のマイナスバイアスVnを印加すると、定着フィルム113の導電性プライマ層113bの電位Vnと離型性層113c、記録材P、接地電極である導電性排出ゴムローラ125を介して接地電位との間に電流iが流れる。その結果、導電性プライマ層113bと記録材Pの等電位部Pn間に電界Efが生じ、この電界により、マイナスに帯電しているトナーTには、電荷量qに比例した記録材Pに対する拘束力Ft=q・Efが働く。これにより、トナーTは、静電的に定着フィルム離型性層113cに付着することなく、定着ニップN2を通過することができ、定着フィルム113へのオフセットトナーを軽減することができる。
また、図2において、非印字領域S1、S2上の紙粉D1も、転写逆バイアスVnの影響でマイナスに帯電している。そのため、トナーTと同じく、定着フィルム113に付着することなく、定着ニップN2を通過することができ、定着フィルム上に紙粉D1が蓄積するのを抑制できる。しかし、その一方で、転写バイアスVtの影響を受けてプラスに帯電した紙粉D2は、逆に定着フィルム113に引き寄せられ表面に付着して残存してしまう。このような紙粉D2に対しては、マイナスに帯電した記録材Pを定着ニップN2に通過させることで、再び記録材Pへ静電的に回収することができる。つまり、本実施例では、転写逆バイアスVnが印加される非印字領域S1、S2領域が定着ニップN2を通過することで、定着フィルム113上の紙粉D2を回収することができる。このような作用効果により、定着フィルム113に蓄積する紙粉Dの量は軽減され、定着フィルム表面の離型性を延命することがきる。このため、離型性の低下によりトナーが定着フィルム113にオフセットして次の記録材Pの印字面を汚したりする現象を抑制することができる。また、オフセットトナーが加圧ローラ120へ転移した後に、記録材P(特に記録材がOHPフィルムの場合)が加圧ローラ120に巻き付いたり、蓄積されたトナー汚れが一気に放出され、記録材Pの裏面を著しく汚し付着してしまう現象を抑制することができる。
D 実験結果
使用した画像形成装置は、記録材搬送スピードが150mm/secのレーザービームプリンタである。このプリンタは、現像装置においてトナーをマイナス帯電させてジャンピング現像法により感光体ドラム上にトナー画像を形成し、転写ローラで記録材上に画像を転写する装置である。転写装置としては、転写ローラは外径12.5mmのイオン導電性のスポンジローラを使用し、転写バイアスVnの出力は−500Vである。定着装置としては、前記定着フィルム113は外径30mmの厚み40μmのSUS304材を筒状に形成した部材の外面に導電性プライマ層113bを4μm塗布し、さらに導電部材を分散したPFAを離型性層113cとして10μm形成した。離型性層13cの比抵抗を1×109Ω・cmとした。また、加圧ローラ120は外径22mmのアルミ芯金外面に厚み4mm、外径30mmの導電性シリコンゴムよりなる弾性層122を形成し、さらに外層には厚み40μmの絶縁PFAチューブを形成した。また、図6に示すように、加圧ローラ120のアルミ芯金121には接地との間に整流素子124を介在させ、加圧ローラ120の導電性弾性層122にはトナーと逆極性の電荷が誘起されるように接続した。定着バイアスVnの出力はマイナス1.0kVである。
実験は、温度15℃・湿度10%の環境下でCaCO3 を10〜15%含んだ記録材Pを用いて、従来例と本実施例の2条件でトータル10000枚の連続プリント耐久を行った。耐久画像は紙先後端に20mmの非印字領域を設けた4%印字画像とし、プリント枚数が500枚、1000枚、5000枚、10000枚時点において、定着フィルムへの紙粉汚染レベルと、記録材裏面のトナー汚れを比較した。表1に実験結果を示す。表において数値はランクを示し、○は全く問題の無いレベル、△○は微小に発生しているレベル、△は許容レベル、△×は悪いことが確認できるレベル、×は劣悪レベルを示す。(以下の表図に示すレベルも同様の表記とする。)
Figure 2010256529
以上の結果より、本実施例は、従来例に比して明らかに紙粉の付着量が軽減し、それに起因するトナー汚れも改善していることがわかる。本実施例の実験結果によると、先後端のわずか20mm程度の非印字領域にのみ転写逆バイアスVnを印加するだけでも、その効果を発揮することが実証された。とりわけ、記録材Pの先後端は紙製造の裁断でエッジが立ち、そのエッジが定着フィルム113と摺擦することで、紙紛が発生しやすい領域でもある。本実施例の制御では、この紙粉が発生しやすい領域に対して、常に集中的に転写逆バイアスVnを印加し続けたこと、そして、この逆バイアスが印加された領域が定着ニップN2を通過することで、すでにプラス帯電して定着フィルム113に付着してしまっている紙粉D2を、再び記録材Pに回収し続けたことにより、連続プリントすればするほど、従来に比して、その改善効果がより顕著になったと思われる。
このように、本実施例によれば、紙粉が発生しやすい先後端の非印字領域に対して転写逆バイアスを印加することで、この領域における紙粉をマイナスに帯電させて定着フィルムへの付着を防止する。さらに、すでに定着フィルムに付着している紙粉を再び記録材Pへと回収する。このことで、連続プリント耐久を通して、定着フィルム上に付着、蓄積する紙粉の量を軽減し、その表面の離型性を延命し、それに起因する、オフセット現象や記録材裏面のトナー汚れ現象を抑制することができる。
なお、本実施例では、転写逆バイアスをマイナス500Vとしているが、このバイアスの絶対値が大きすぎると、転写クリーニングと同じ作用により、同じくマイナスに帯電して転写ローラ上に付着しているトナーを記録材の裏面に転写してしまうおそれがある。このような理由により、転写逆バイアスVnは、転写クリーニングバイアスVcよりも小さくなるように設定している。また、本実施例では、通紙中の転写逆バイアスVnを定電圧で出力制御しているが、転写ローラや記録材Pの負荷抵抗によらず、安定して所望の電流を供給できる方法として、定電流で出力制御しても良い。
実施例2である“画像形成装置”について説明する。本実施例は、実施例1で実行している紙先後端の非印字領域S1、S2での転写逆バイアスVn印加だけでなく、紙先後端以外の非印字領域(印字率0%の領域)に対しても、転写逆バイアスVnを印加することを特徴としている。本実施例は、実施例1に比べると、転写逆バイアスVnの印加時間が長くなるので、定着フィルム上に付着する紙粉の量をさらに軽減するとともに、すでに定着フィルム上に付着している紙粉を効率よく回収することもできる。以下に、本実施例について説明するが、実施例1と同様の箇所については説明を省略する。
図9に本実施例における画像位置と転写バイアスの関係の概略図、図10に本実施例における記録材Pの搬送タイミングの概略図、図11に本実施例における転写バイアスの動作タイミングの概略図を示す。本実施例では、記録材P中の印字領域Sが複数に分断される場合を想定しており、先後端余白S1、S2領域以外にも、非印字領域(印字率0%の領域)Smnが存在する。本実施例では、実施例1で印加していた転写逆バイアスVnを、紙先後端余白S1、S2以外に、この非印字領域Smnに対しても印加する。
この非印字領域Smnの先端Xmが転写ニップ部N1に突入するタイミングをTm、後端Xnが転写ニップ部N1を抜けるタイミングをTnとする。すると、タイミングTm、Tnの動作タイミングは、紙の搬送速度をPs[mm/sec]、トップセンサ108から転写ニップ部N1先端までの距離をY0[mm]、紙先端X0からXmまでの長さをYm[mm]、紙先端X0からXnまでの長さをYn[mm]、とした場合に、紙先端X0がトップセンサ108をきるタイミングT0を起点として、TmはYm/Ps[sec]、TnはYn/Ps[sec]となる。したがって、実施例1に比べると、非印字領域Smnが転写ニップ部N1を通過する時間Δ|Tn−Tm|[sec]だけ、転写逆バイアスVnを印加する時間が長くなる。
ただし、非印字領域Smnの幅|Yn−Ym|[mm]と転写ニップ部N1の幅|Nd|[mm]の関係が、|Yn−Ym|<|Nd|の場合には、非印字領域Smnと、画像形成領域Sの一部が、同一のタイミングにて転写ニップ部内に共存した状態になるため、このタイミングでは、転写性を悪化させるようなマイナスの転写逆バイアスVnを印加できない。また、|Yn−Ym|>|Nd|を満たしていても、|Yn−Ym|の長さに十分な間隔がないと、転写バイアス切替えが遅れたり、切替え時にオーバーシュートを引き起こすなどして、瞬間的に電流不足や過電流を引き起こすおそれもある。また、それが原因で画像形成領域Sに画像不良を引き起こしたり、紙粉D1に対しても安定して所望のマイナス電荷に帯電できないことも考えられる。
本実施例では、このような弊害が生じないことを条件に、印字率0%領域Smnの幅|Ym−Yn|を20mmと設定した。つまり、前述した印字情報記憶手段132とタイマ手段133の情報をもとに、非印字領域Smnの幅が20mm以上あると算出されたタイミングに限り、TmとTnのタイミングで転写バイアスの切替えを実行する。この非印字領域Smnは、請求項でいう、記録材の搬送方向の所定幅以上の印字率0%の領域に相当する。
次に本実施例の効果を確認するため、実施例1と同様の実験を行い、紙粉付着レベルと記録材裏面へのトナー汚れについて、従来例、実施例1との比較を行った。
Figure 2010256529
以上より、本実施例2は、実施例1に比して、紙粉汚染がさらに改善する結果となった。本実施例によれば、通紙中の転写逆バイアスVnを、紙先後端余白S1、S2に加えて非印字領域Smnにも、繰り返し印加しつづけることで、記録材Pのより広い領域をマイナスに帯電させることができる。その結果、記録材P上の紙粉が定着フィルムに付着するのをさらに抑制できるとともに、すでに定着フィルム上に付着しているプラス帯電した紙粉を記録材P上に効率よく回収することができる。このようにして、紙粉付着に起因する記録材裏面のトナー汚れ等のレベルをさらに改善することができる。
実施例3である“画像形成装置”について説明する。本実施例は、定着フィルムに付着している紙粉やトナーをクリーニングする目的で、マイナスに帯電させた記録材Pを定着装置に挿通するモードを設けることを特徴としている。以下、本実施例について説明するが、実施例1、2と同様の構成については説明を省略する。
図12に本実施例で実行するモードにおける転写バイアスの印加状態を示す。本モードでは、記録材Pの全面に画像形成を行わない状態で転写逆バイアスVnを印加し、記録材Pをマイナスに帯電した状態で定着装置106に挿通する。定着装置106内に挿通された記録材Pは、定着ニップN2で、定着フィルム113上でプラスに帯電している紙粉D2を、前述した静電的な作用により、効率よく、記録材Pに転移させることができる。このようなモードを定期的に繰り返すことで、定着フィルム113上に紙粉D2が蓄積するのを防止できるので、定着フィルムの離型性を延命し、それに起因する、オフセット現象や記録材裏面のトナー汚れ現象を抑制することができる。そこで、以上のようなモードを、連続プリント耐久の合間に、1000枚に1回1枚のペースで実行することで、実施例1と同様の実験を行い、紙粉付着レベルと記録材裏面へのトナー汚れについて、従来例、実施例1、実施例2との比較を行った。
Figure 2010256529
以上の結果より、本実施例のように、1000枚の1回1枚のペースでも、定期的にクリーニングモードを設け、マイナスに帯電した記録材を定着装置に挿通することで、連続プリント耐久10000枚を通して、紙粉の付着を大幅に軽減できる。これにより、紙粉付着により悪化してしまう記録材裏面のトナー汚れに対しても改善効果があることが確認された。また、この作用効果を上げるには、このモードを、ユーザーが指定して動作させるだけでなく、給紙可能な状態を検知するなどして、スタンバイ中や連続プリントジョブの合間、プリントジョブ終了後などに、自動的に動作させてもよい。また、汚れやすいLL環境や耐久後半などの状況に応じて、1回のモード実行に対して、複数枚の記録材Pを挿通してもよい。
P 記録材
T トナー
101 感光体ドラム
102 帯電ローラ
103 レーザビーム
104 現像装置
105 転写ローラ
106 定着装置
110 定着部材
113 定着フィルム
116 バイアス印加手段
120 加圧ローラ

Claims (3)

  1. トナー像を担持し移動する像担持体と、前記像担持体の前記トナー像を担持する表面と記録材を介して当接し、電圧が印加され前記記録材に前記トナー像を転写させる転写部材と、前記トナー像が転写された記録材を、前記トナーと同極性の電圧で印加された定着フィルムを介して加熱加圧して、前記トナー像を前記記録材に定着させる定着装置と、画像形成動作を制御する制御手段とを備えた画像形成装置であって、
    前記制御手段は、前記記録材の先端から画像先端までの非印字領域および画像後端から当該記録材の後端までの非印字領域に対して、前記転写部材からトナーと同極性の電圧を印加させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記制御手段は、前記記録材の前記画像先端から前記画像後端までの間に、前記記録材の搬送方向の所定幅以上の印字率0%の領域がある場合にも、前記転写部材にトナーと同極性の電圧を印加することを特徴とする画像形成装置。
  3. トナー像を担持し移動する像担持体と、前記像担持体の前記トナー像を担持する表面と記録材を介して当接し、電圧が印加され前記記録材に前記トナー像を転写させる転写部材と、前記トナー像が転写された記録材を、前記トナーと同極性の電圧で印加された定着フィルムを介して加熱加圧して、前記トナー像を前記記録材に定着させる定着装置と、画像形成動作を制御する制御手段とを備えた画像形成装置であって、
    前記制御手段は、前記転写部材にトナーと同極性の電圧を印加した状態での、前記像担持体の前記表面とこれに当接する前記転写部材の間の転写ニップ部に、記録材を搬送させて帯電させた後に前記定着装置に挿通する処理を、所定のプリント枚数ごとに実行することを特徴とする画像形成装置。
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