JP2016191824A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルムユニットの耐用期間を長くすること。
【解決手段】画像形成装置は、画像が形成されたシートを加熱するフィルムユニット110と、フィルムユニット110とでシートを挟持して搬送しながら、トナー画像をシートに定着する加圧ローラ120と、を有する定着器106と、フィルムユニット110にトナーと極性の異なる直流のバイアスを印加する可変バイアス印加部116と、シートの搬送方向の縁から所定の幅内のトナー画像が形成されていない部分の画素数をカウントするビデオカウント制御部と、ビデオカウント制御部がカウントする値に応じて、シート間の可変バイアス印加部116の印加の有無を決定する制御部と、を備え、カウントする値に応じて、シート間の可変バイアス印加部116の印加の有無を決定するので、不必要に塵埃を除去する動作を防止して、フィルムユニット110の耐用期間を長くすることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、シートにトナー画像を定着する定着装置を備えてシートに画像を形成する画像形成装置に関する。
従来、シートにトナー画像を、電子写真方式、静電記録方式等により形成する画像形成装置がある。この画像形成装置には、シートにトナー画像を定着させる定着器を有する定着装置を備えているものがある。
図19は、定着ローラ方式の定着器900を有する従来の定着装置951の概略図である。この定着装置951は、後述する「定着尾引き」の発生を抑制するようになっている。図20は、定着フィルム方式の定着器920を有する従来の定着装置952の概略図である。この定着装置952も、「定着尾引き」の発生を抑制するようになっている。
図19の定着器900は定着ローラ901と加圧ローラ906が圧接して形成される定着ニップNP1に定着ローラ901と加圧ローラ906の回転によって未定着のトナー画像を有するシートPを通過させてシートPにトナー画像を定着するようになっている。
加熱手段としての回転する定着ローラ901は、発熱手段であるハロゲンランプ902、ハロゲンランプ902を内部に有する中空芯金903、及び中空芯金903の外周を覆う離型層904で形成されている。一方、加圧手段としての加圧ローラ906は、芯金907、芯金907の外周を覆うスポンジ弾性層908、及びスポンジ弾性層908の外周を覆う離型層909で形成されている。定着器900は、定着ニップNP1にシートを通過させ、シート上の未定着のトナー画像にハロゲンランプ902からの熱が伝達して、未定着のトナー画像を熱溶解してシートに定着するようになっている。
定着ローラ901、加圧ローラ906は、外周を離型層904,909で覆われている。離型層904,909は、シートに転写されたトナー画像のトナーが定着ローラ901、加圧ローラ906に付着するのを防止するために設けられている。なお、シートに転写されたトナー画像のトナーが定着ローラ901、加圧ローラ906に付着して、トナー画像の一部分がシートから剥がれ、ローラに付着したトナーが再度、搬送されるシートに定着されることを、「オフセット」と称する。離型層904,909は、チューブ状に形成されて定着ローラ901、加圧ローラ906に装着されていたり、静電スプレー、ディッピング塗工により定着ローラ901、加圧ローラ906に塗布されていたりして、定着ローラ、加圧ローラに設けられている。
図20(A)の定着フィルム方式の定着器920は、フィルムユニット910と加圧ローラ906とが圧接して形成される定着ニップNP2に、未定着のトナー画像が有するシートを挟持して通過させることでシートPにトナー画像を定着するようになっている。なお、加圧手段としての加圧ローラ906は、定着ローラ方式の定着器900の加圧ローラ906と同一構造であるので、同一部分に同一符号を付して、その部分の説明は、省略する。
加熱手段としてのフィルムユニット910は、可撓性を有するエンドレス状の定着フィルム913の内周にヒータ911が直接摺擦するようになっている。ヒータ911には、通電されることで発熱する通電発熱抵抗体が用いられている。なお、ヒータ911は、ステイホルダ(支持体)912に支持されて、定着フィルム913との摺擦面の反対側にヒータ911の温度を検知する温度検知センサ914が設けられている。
図20(B)は定着フィルム913の断面概略図である。定着フィルム913は、内側から順にフィルム基層913a、導電性プライマ層913b、離型層913cが積層する3層構造であり、フィルム基層913aがヒータ911に直接摺擦するようになっている。フィルム基層913aは、可撓性を保つように、厚さ約15μm至約60μmに形成されている。導電性プライマ層913bは、厚さ約2μm乃至約6μm程度の薄い層で形成されている。導電性プライマ層913bは、フィルムユニット910全体のチャージアップを防止するため、不図示のアースに接続されているか、もしくはダイオード接続、バイアス印加部と接続されている。離型層913cは、厚さ約5μm乃至約10μm程度に形成されて、シート上のトナー画像のトナーが定着フィルム913にオフセットすることを防止するものである。このように、定着フィルム913は、ヒータ911から効率よく熱が伝わるように厚さが薄く形成されている。
なお、定着フィルム方式の定着器920は、定着フィルム913にヒータ911が直接、摺擦するので、定着ローラ方式より発熱温度を低くできる。このため、定着フィルム方式の定着器920は、定着ニップNP2における定着フィルム913の温度を加熱定着に必要な所望の温度までに昇温させる時間が比較的短く、省エネ性、利便性に優れている。
以上説明したように、定着器900,920は、図21に示すように、定着ニップNP1,NP2をシートPが通過する際に、定着ニップNP1,NP2でシートを高温で加熱するようになっている。このため、シートPに含まれる水分がシート搬送方向A或いはその反対方向に水蒸気Wとなって吹き出ることがある。吹き出た水蒸気Wは、定着ニップNP1,NP2に進入前のシートPの未定着のトナー画像のトナーTを定着ニップNP1,NP2から離れる方向に吹き飛ばして、画質を低下させることがある。この現象を「定着尾引き」と称することとする。
また、定着器900,920は、画像形成装置の画像形成速度が高速化される程、定着ニップNP1,NP2での加熱温度を高くして、トナー画像をシートに素早く定着させる必要がある。このため、「定着尾引き」の現象は、画像形成装置の画像形成速度が高速化される程、加熱シートPから発生する水蒸気の吹き出る勢いが強くなり、顕著に現れる。
このような「定着尾引き」の現象を抑制した機能を備えた定着装置が特許文献1に開示されている。図19の第1の定着装置951と、図20の第2の定着装置952は、「定着尾引き」の現象を抑制した機能を備えた定着装置である。図19、図20に示す定着装置951,952は、定着ニップNP1,NP2の下流側に排出ゴムローラ916と排出ころ915を対にして有している。排出ゴムローラ916と排出ころ915は、定着ニップNP1,NP2から排出したシートPを挟持し回転して搬送するようになっている。排出ゴムローラ916は、導電性ゴム部材によって形成されて、電気的にアースEされている(接地されている)。
また、図19の定着ローラ901の中空芯金903、及び図20のフィルムユニット910の導電性プライマ層913bは、バイアス印加部930,931によって、トナーと同極性のバイアスが印加されようになっている。
このような構成において、未定着トナー画像を有するシートPが定着ニップNP1,NP2に進入するとき、バイアス印加部930,931は、トナーと同極性のバイアスを中空芯金903、導電性プライマ層913bに印加するようになっている。例えば、トナーが正極に帯電している場合、中空芯金903、導電性プライマ層913bに正極バイアス印加部930a,931aの正極の直流バイアス(直流電圧)が印加するようになっている。そして、シートPが定着ニップNP1,NP2を通過しながら、排出ゴムローラ915に接触すると、シートPを介してバイアス印加部930,931からアースEへの電流経路が形成される。このため、定着ローラ901、フィルムユニット910とシートPとの間で電圧降下が生じる。そして、電圧降下によって電界が発生し、シート上の未定着トナーが電界から力を受けて、シートPの未定着トナー画像のトナーに対する保持力を高めることができる。よって、「定着尾引き」の程度を軽減することができる。
また、上記のように、画像形成装置の画像形成速度が高速化した場合、「定着尾引き」が顕著に現れやすい。この対策として、バイアス印加部930,931による印加バイアス値を大きくして、シートPを介して形成された電流経路に多くの電流を流すことでシートPの未定着トナー画像のトナーに対する保持力をさらに高め、「定着尾引き」を低減させることができる。
しかし、シートPを介して形成された電流経路に過電流が流れると、印加バイアスの影響を受けてトナーに対して逆極性に帯電している、紙粉、ゴミ、感光体ドラムの削れ粉等の塵埃が、定着ローラ901、フィルムユニット910の表面に付着することがある。この結果、定着ローラ901、フィルムユニット910が、本来有しているトナーの離型性を損ない、トナー画像のオフセットの発生やトナー汚染の発生を助長するという問題が生じる。
この問題に対処する方法として、定着ニップNP1,NP2を通過するシートが途切れた間に、定着ローラ901、フィルムユニット910に対し、バイアス印加部930によって、トナーに対して逆極性のバイアスを印加する方法がとられている。例えば、トナーが正極に帯電している場合、中空芯金903、導電性プライマ層913bに負極バイアス印加部930b,931bの負極の直流バイアス(直流電圧)が印加するようになっている。定着ニップNP1,NP2を通過するシートが途切れるとは、シート同士が所定の間隔を空けて搬送されているため、先行シートが定着ニップNP1,NP2を通過してから、所定の間隔を経て、後続シートが定着ニップを進入するまでの間(シート間、紙間)、途切れることである。
したがって、定着ローラ901、フィルムユニット910は、定着ニップNP1,NP2を通過しているシートがあるときには、トナーと同極性のバイアスが印加されるようになっている。また、定着ニップNP1,NP2を通過するシートが途切れた間には、トナーとは逆極性のバイアスが印加されるようになっている。よって、定着ニップを通過するシートが途切れた間に、塵埃を定着ローラ901、定着フィルム913の表面から反発させて加圧ローラ906側に転移させることが出来る。
このように、定着ニップを通過するシートが途切れた間に、定着ローラ901及びフィルムユニット910の表面に付着した塵埃を、シートのトナー画像が形成されている側から反発して、トナー画像のオフセット等の発生を低減することができる。
特開2009−229550号公報
しかし、従来の定着装置951,952は、シートが定着ニップを通過する度に塵埃を除去していたので、塵埃が除去するほどで溜まっていなくても、塵埃を除去していた。このため、従来の定着装置951,952は、定着ローラ901及びフィルムユニット910の直流バイアスの極性を不必要に、頻繁に切り換えていたことになり、定着ローラ及びフィルムユニットの表面が摩耗し易く、長期間使用するのが困難であった。
本発明は、塵埃を除去する必要が生じたときに塵埃を除去して、不必要に塵埃を除去する動作を防止して、定着器の加熱手段の摩耗を少なくした画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明の画像形成装置は、画像形成手段によりトナー画像が形成されたシートを加熱する加熱手段と、前記加熱手段とでシートを挟持して搬送しながら、トナー画像をシートに定着する加圧手段と、を有する定着装置と、前記加熱手段にトナーと極性の異なる直流のバイアスを印加する印加手段と、シートの搬送方向の縁から所定の幅内のトナー画像が形成されていない部分の画素数をカウントするカウント手段と、前記カウント手段がカウントする値に応じて、シート間の前記印加手段の印加の有無を決定する制御手段と、を備えた、ことを特徴としている。
本発明の画像形成装置は、塵埃を除去する必要が生じたときに電極の極性を切り換えて塵埃を除去するので、加熱手段、加圧手段の摩耗を少なくして、長期間使用することができるという効果を奏する。
画像形成装置のシート搬送方向に沿った断面概略図である。 定着フィルム方式の定着器を有する本実施形態の画像形成装置における第1の定着装置の概略図である。 図1のフィルムユニットの概略構成を示す図である。(A)は、フィルムユニットの定着フィルムの拡大図である。(B)は、導電ブラシが導電性プライマ層に接触している状態を示す図である。 可変バイアス印加部の切り換え制御をするブロック図である。 シートの両端から5mm幅の領域内(検知領域内、所定の幅内)に形成されるトナー画像を示す図である。(A)は、検知領域全体にトナー画像が形成されたときの図である。(B)は、検知領域の一部分にトナー画像が形成されているときの図である。 第1の定着装置のクリーニングモードの動作説明用のフローチャートである。 本実施形態の画像形成装置における定着装置の定着フィルムの離型層の耐用実験結果の図であり、従来の定着装置と比較した図である。 定着フィルム方式の定着器を有する第2の定着装置の概略図である。 可変バイアス印加部の切り換え制御をするブロック図である。 定着ローラ方式の定着器を有して定着ローラに可変バイアス印加部の直流バイアスを印加する第3の定着装置の概略図である。 定着ローラ方式の定着器を有して加圧ローラに可変バイアス印加部の直流バイアスを印加する第4の定着装置の概略図である。 第5の定着装置における、シートの坪量と使用温湿度とを考慮して、クリーニングモードを行える制御ブロック図である。 第5の定着装置の動作説明用のフローチャートである。 図13に続くフローチャートである。 図13に続くフローチャートである。 環境の温湿度が15℃10%以下の場合の定着装置の耐用実験結果の図である。(A)は、従来の定着装置の実験結果の図である。(B)は、本実施の形態の画像形成装置における定着装置の耐用実験結果の図である。 環境の温湿度が15℃10%を超えた場合の定着装置の耐用実験結果の図である。(A)は、従来の定着装置の実験結果の図である。(B)は、本実施の形態の画像形成装置における定着装置の耐用実験結果の図である。 環境の温湿度とシートの種類と関係における画素の累積数を示す図である。 定着ローラ方式の定着器を有する従来の定着装置の概略図である。 定着フィルム方式の定着器を有する従来の定着装置の概略図である。(A)は、全体の概略図である。(B)は、フィルムユニットの定着フィルムの拡大図である。( 従来の定着装置の定着器の動作説明用の図である。
以下、本発明の実施形態の画像形成装置を図に基づいて説明する。なお、本実施形態に記載されている構成部品の材質、形状、その相対配置関係、数値等は、参考に示すものであって、本発明の範囲をそれらに限定するものではない。
(画像形成装置)
本発明の実施の形態に係る画像形成装置を説明する。図1は、画像形成装置100のシート搬送方向に沿った断面概略図であり、像担持体としての感光体ドラム101と定着装置151(152,153,154,155)とを主体に示した概略図である。画像形成装置100は、感光体ドラム101を備えている。感光体ドラム101は、アルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基体を、OPC、アモルファスSE、アモルファスSI等の感光材料で被覆して形成されている。
感光体ドラム101は、不図示の駆動手段によって図1中矢印Bの方向に回転するようになっており、帯電ローラ102によって表面が正(プラス、+)か負(マイナス、−)の極性に一様に帯電されるようになっている。帯電ローラ102によって表面が一様に帯電された感光体ドラム101の表面には、不図示のレーザスキャナから、画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザビームLが照射されて、画像情報に応じた静電潜像が形成される。静電潜像は感光体ドラム101の回転に伴って感光体ドラム101とともに移動し、現像装置104から供給されるトナーによってトナー画像として可視像化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
トナー画像のトナーは、仮に、正極に帯電されて感光体ドラム101に付着しているものとする。トナー画像のトナーTは負極に帯電されていてもよいが、説明の便宜上、正極に帯電されているものとする。
トナー画像のトナーTは、感光体ドラム101と転写ローラ105との転写ニップNP3に、所定のタイミングで搬送されてくるシートPに転写される。この場合、転写ローラ105が負極に帯電されているため、正極に帯電されたトナーTは、感光体ドラム101から離れてシートPに吸着される。シートPへのトナー画像の転写のタイミングは、感光体ドラム101上のトナー画像の画像形成位置とシートPの先端の書き出し位置が合致するように、トップセンサ108によってシートPの先端を検知することでタイミングが合わされている。
所定のタイミングで搬送されたシートPは、感光体ドラム101と転写ローラ105との転写ニップNP3において一定の加圧力を受けて挟持搬送される。そして、トナー画像が転写されたシートPは、定着装置の定着器106(300)へ搬送されて加熱加圧される。これによって、シートPは、トナー画像を定着され、排出ゴムローラ125と排出ころ126とによって、不図示の排出トレイに排出されて積載される。また、感光体ドラム101に残存した転写残りの残留トナーは、クリーニング装置107により感光体ドラム101表面より除去される。これによって、感光体ドラム101は、次のシートのために準備することができる。
以上の説明において、感光体ドラム101、帯電ローラ102、現像装置104及び転写ローラ105等は、画像形成手段としての画像形成部118を構成している。
(第1の定着装置)
図2は、定着フィルム方式の定着器106を有する第1の定着装置151の概略図である。第1の定着装置151は、「定着尾引き」の発生を抑制した構造になっている。図3は、図1のフィルムユニット110の概略構成を示す図である。図3の(A)図は、フィルムユニット110の定着フィルム113の拡大図である。図3の(B)図は、導電ブラシ117が導電性プライマ層113bの離型層113cに被覆されていない部分113baに接触した状態を示した図である。図4は、可変バイアス印加部116の切り換え制御をするブロック図である。
第1の定着装置151は、定着フィルム方式の定着器106、排出ゴムローラ125、排出ころ126、制御部130及び可変バイアス印加部116等を備えている。制御部130は、センサ情報記憶部131、印字情報記憶部132、タイマ部133、CPU134等を備えている。
定着器106は、トナー画像が形成されたシートを加熱する加熱手段としてのフィルムユニット110と、このフィルムユニット110とでシートを挟持し回転して搬送しながらトナー画像をシートに定着する加圧手段としての加圧ローラ120等を備えている。定着器106は、フィルムユニット110と、フィルムユニット110に圧接する加圧ローラ120とによって形成される定着ニップNP4に、未定着のトナー画像を有するシートを通過させて、トナー画像をシート上に定着するようになっている。
図2に示す定着フィルム113は、図3に示すように、熱容量の小さな無端状(筒状)の耐熱性と可撓性とを備えたフィルム部材であり、クイックスタート性に最適な総厚約20μm乃至約100μmの厚みを有している。また、定着フィルム113は、図3に示すように基層113a、導電性プライマ層113b、離型層113cが内側から順に積層する複層構造に形成されている。基層113aは、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等の耐熱性樹脂、あるいは耐熱性、高熱伝導性を有するSUS、AL、NI、TI、ZN等の金属部材を単独ないし複合して形成されたものである。樹脂製の基層113aは、熱伝導性を向上するために、BN、アルミナ、AL等の高熱伝導性粉末を混入してあっても良い。また、定着フィルム113の長寿命化を図るため、基層113aは、充分な強度、耐久性が要求され、総厚20μm以上の厚みであることが好ましい。
基層113aの外側には、導電性プライマ層113bが形成されている。導電性プライマ層113bは、カーボンブラック等の導電性付与部材が分散されており、比抵抗が1×10Ω・cm以下で、厚みが約2μm乃至約10μmに設定されている。なお、本実施の形態では、導電性プライマ層113bが導電性部材により形成されているが、基層113aと導電性プライマ層113bとの内、少なくとも導電性プライマ層113bが導電性部材により形成されていることが好ましい。
導電性プライマ層113bの外側には、表層として離型層113cが形成されている。離型層113cは、シート上の未定着トナー画像に直接接触する層であり、トナーのオフセットの防止、シートとの分離性の向上を図るために、離型性に優れた材料が用いられている。離型層113cとしては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)等が使用可能である。
また、それ以外にもETFE(エチレンテトラフルオロエチレン共重合体)、CTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)等のフッ素樹脂が、混合ないし単独で使用してもよい。さらには、シリコーン樹脂等の離型性の良好な耐熱樹脂が混合ないし単独で使用してもよい。また、離型層113cには、カーボンブラック、イオン導電性物質等の導電性部材が混入されており、比抵抗が約1×10Ω・cm乃至約1×1014Ω・cmで厚さが約5μm乃至約20μmであることが好ましい。また、離型層113cの被覆の方法としては、例えば、基層113aの外面に、接着剤としての機能をも有する導電性プライマ層113bを塗布し、離型層113cを被覆する等の方法が挙げられる。
図2に示すように、定着フィルム113の内部には、加熱用ヒータ111が設けられている。加熱用ヒータ111は、定着フィルム113が定着ニップNP4を形成する部分において、基層113aと直接摺擦するように設けられている。すなわちこの構成によれば、定着ニップ部を通過するシートP上の未定着トナー画像に定着フィルム113の内側から効率よく熱を伝えることができ、シートP上の未定着トナー画像を熱溶解、定着させることができる。
加熱用ヒータ111は、アルミナ、ALN等のセラミック材料より形成される高熱伝導性基板の長手方向(シート搬送方向Aに対して交差する方向)に沿って通電発熱抵抗層が形成されたものであり、不図示の通電部によって発熱可能に構成されている。具体的に、AG/PD(銀パラジウム)、NI/CR、RUO2、TA2N、TASIO2等の導電剤と、ガラス、ポリイミド等のマトリックス成分からなる通電発熱抵抗層を、スクリーン印刷、蒸着、スパッタリング、メッキ、金属箔等によって形成されている。なお、通電発熱抵抗層は厚み約10μm、幅約1mm乃至約5mmの線状もしくは細帯状で弓状に塗工して形成されている。
そして、加熱用ヒータ111による加熱温度は、サーミスタ等の温度検知部114によって検知され、加熱温度が所定温度になるように制御される。また、通電発熱抵抗層の上には、耐熱性のポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、ガラス等の絶縁性保護層が形成されている。また、加熱用ヒータ111における定着フィルム113との摺擦部分には、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等が単独もしくは混合で被覆されている。
または、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)を被覆してもよい。さらには、CTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)等のフッ素樹脂層やポリイミド、ポリアミドイミド等の樹脂を被覆してもよい。もしくは、グラファイト、二硫化モリブデン等からなる乾性被膜潤滑剤、ガラス、DLC(ダイアモンドライクカーボン)等を薄く塗布あるいは蒸着することによって形成された摺動層を設けてもよい。
これにより、定着フィルム113と加熱用ヒータ111が低摩擦係数で滑らかに摺動することが可能になる。また、高熱伝導性の基板製の加熱用ヒータ111は、定着フィルム113と摺動する面の表面粗さを所定以下に抑え、潤滑性グリース等により摺動性を確保し、熱抵抗を小さく抑えることで熱効率を向上させる構成であっても良い。
このように構成される加熱用ヒータ111は、フィルムガイド112によって保持される。フィルムガイド112は、加熱用ヒータ111からの発熱が、定着ニップ部とは反対方向へ放熱することを防ぐ機能を有している。フィルムガイド112は、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等の耐熱性樹脂により形成されており、定着フィルム113が余裕をもってルーズに外嵌されていて、定着フィルム113を図2中矢印のC方向に回転自在に案内するように位置している。
また、加圧ローラ120は、SUS、SUM、AL等の金属製の芯金121の外側に、好ましくは導電性部材を分散させたシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムあるいはシリコンゴムを発泡して形成された弾性層122が設けられている。さらに、弾性層122の外側にPFA、PTFE、FEP等の離型層123を形成してある。加圧ローラ120は、定着フィルム113の側に不図示の加圧バネ等の加圧手段により、長手方向両端部から加熱定着に必要な定着ニップNP4を形成すべく十分に加圧され、圧接している。また、加圧ローラ120の金属製の芯金121の長手方向端部には、不図示の駆動手段の回転力が加わるようになっている。この結果、定着フィルム113は、フィルムガイド112の外周面に余裕をもってルーズに外嵌されて、回転する加圧ローラ120の外周面との摩擦力により従動回転するようになっている。
また、本実施の形態には、画像形成時に、定着フィルム113の導電性プライマ層113bに定着バイアスを印加するための印加手段としての可変バイアス印加部116が設けられている。可変バイアス印加部116は、トナーTと同極の正極性の直流バイアスを導電性プライマ層113bに印加する正極バイアス印加部116aと、トナーTと逆極性の負極の直流バイアスを印加する負極バイアス印加部116bとを備えている。さらに、可変バイアス印加部116は、切換スイッチSW1等も備えている。切換スイッチSW1は、導電性プライマ層113bに加える直流バイアス(直流電圧)を切り換えるとき、後述の制御部130によって、正極バイアス印加部116aと負極バイアス印加部116bとに選択的に切り換えるようになっている。なお、可変バイアス印加部116のバイアス印加の切り換えタイミングについては後述する。
また、図3に示すように、可変バイアス印加部116の出力端と導電性プライマ層113bは、給電部材としての導電ブラシ117によって電気的に接続されている。導電ブラシ117は、図3の(B)図に示すように、導電性プライマ層113bの離型層113cに被覆されていない部分113baに接触している。なお、図3の定着フィルム113は、構成を理解し易くするため、厚みを厚く図示してあるが、実際は、約20μm乃至約100μmである。また、導電ブラシ117の代わりに、導電ゴムリング、導電接触片等を使用してもよい。
図2において、定着ニップNP4よりもシート搬送方向Aの下流側には、導電性の排出ゴムローラ(導電性部材)125と排出ころ126とが対になって配置されている。これらは、定着ニップ部から排出されたシートPを挟持搬送するローラ対である。
導電性の排出ゴムローラ125は、アルミ等の金属製の芯金125aと、芯金125aの外周に形成されたシリコンゴム等の耐熱ゴムにカーボンブラック等の導電性付与部材が分散されたゴム層125bとで形成されている。排出ゴムローラ125は、比抵抗が1×10Ω以下の導電性を備えている。
また、排出ゴムローラ125は、定着ニップNP4をシートPが通過しているとき、シートPの先端が接触する位置に配置されている。排出ゴムローラ125はアースEされている。
このため、シートPが定着ニップNP4を通過しながら排出ゴムローラ125に接触すると、可変バイアス印加部116に接続される導電性プライマ層113bと、シートPと、排出ゴムローラ125とによって、アースされた電流経路が形成される。これによって、定着フィルム113の導電性プライマ層113bとアースEとの間には、電位差が生じるようになっている。
なお、排出ゴムローラ125の代わりに、定着装置151のシート搬送方向下流側にアースされた導電性ブラシ、導電性ガイド等を配置してシートPに接触させてもよい。この場合においても、アースされた電流回路が形成されるので、定着フィルム113の導電性プライマ層113bとアースEとの間には、電位差を生じる。したがって、導電性プライマ層113bとアースEとの間に、電位差を生じるようにするために、排出ゴムローラ125をアースさせなければならないものではない。
加圧ローラ120の金属製の芯金121は、ダイオード等の整流素子124を介してアースEされている。このため、トナーと逆極性の負の電荷が金属性の芯金121や導電性の弾性層122に誘起されて、定着フィルム113の導電性プライマ層113bと加圧ローラ120の弾性層122との間に所定の電位差が生じるようになっている。なお、整流素子124を設けると、加圧ローラ120の表面の電位を安定させることができるので、加圧ローラ120、フィルムユニット110、排出ゴムローラ125、排出ころ126等の間での電位差のばらつき等が起こりにくくなる。この結果、トナー画像のオフセットを防止することができる。
また、定着ニップNP4と排出ゴムローラ125との間には、シートPが定着ニップNP4から排出されたことを検知する排出センサ127が設けられている。また、図1に示す画像形成装置100には、搬送されるシートPの先端を検知するトップセンサ108が設けられている。可変バイアス印加部116は、トップセンサ108、排出センサ127からの信号に基づく制御手段としての制御部130の制御動作によって、定着フィルム113の導電性プライマ層113bへのバイアスの印加電極の切り換えを行うようになっている。
図1において、画像形成装置100は、以上説明した定着装置151を備えている。画像形成装置100において、ピックアップローラ141によってカセット109から送り出されたシートは、搬送ローラ対142によって搬送され、レジストローラ対143によって斜行を矯正されて、転写ニップNP3に送り込まれる。転写ニップNP3でトナー画像を転写されたシートは、図2の耐熱性の定着入口ガイド115に案内されて、定着器106の定着フィルム113と加圧ローラ120とによって形成された定着ニップNP4に送り込まれて、加熱加圧される。そして、トナー画像はシートに加熱定着される。
トナー画像を定着されたシートPは、定着ニップNP4から排出され、導電性の排出ゴムローラ125と排出ころ126によって挟持搬送され、不図示の定着排出ガイドに案内されて不図示の排出トレイ上に排出される。
(可変バイアス印加部116の制御)
図4は、可変バイアス印加部116の切り換え制御を示すブロック図である。図4を参照して、可変バイアス印加部116のバイアス印加の切り換え制御について説明する。
可変バイアス印加部116によるバイアス印加の切り換えは、画像形成装置に内蔵された制御部130の制御によって行われる。制御部130は、定着バイアス印加動作に関連する情報を検知、記憶、演算、実行するようになっている。
制御部130は、主に、次の4つの構成要素を備えている。トップセンサ108と排出センサ127とのON、OFF情報を記憶するセンサ情報記憶部131。シートに形成(印字)するトナー画像の印字パターンのデータ(画像データ)を印字情報として記憶する印字情報記憶部132。センサ情報記憶部131と印字情報記憶部132とに記憶された情報に連動して画像形成動作中のタイミングを調整するタイマ部133。センサ情報記憶部131と印字情報記憶部132とに記憶された情報と、タイマ部133によるタイミング情報とに基づいて、演算処理を実行し、その演算処理の結果に基づき可変バイアス印加部116にバイアス印加タイミングを指令するCPU134。印字情報記憶部132に記憶された画像データに基づいて、後述するベタ白部の素子をカウントするカウンタとしてのビデオカウント制御部135。
可変バイアス印加部116は、CPU134によって、導電性プライマ層113bに対する、トナーと同極性(正極性)の直流バイアス(直流電圧)の印加と、逆極性(負極性)の直流バイアス(直流電圧)の印加との切り換えを行うようになっている。また、可変バイアス印加部116は、バイアス印加の定着動作のタイミングに応じてバイアス印加のON、OFFを交互に切り換えることができるようになっている。
以上の第1の定着装置151は、定着尾引きの発生を防止する際に、定着フィルム113に付着する紙粉を、定着ニップNP4を通過するシートが途切れる度のシート間(紙間)に除去するのではなく、予測される紙粉量に応じて除去動作をするようになっている。なお、定着フィルムに付着する紙粉を除去する動作をクリーニングモードと言う。
以下、第1の定着装置151が、定着フィルム113に付着した塵埃の量が所定の値を超えた後に、クリーニングモードを実行する動作を説明する。図5は、シートの両端から5mm幅の領域内(検知領域内、所定の幅内)に形成されるトナー画像を示す図である。図5の(A)図は、検知領域全体にトナー画像TGが形成されたときの図である。図5の(B)図は、検知領域の一部分にトナー画像TGが形成されているときの図である。図6は、第1の定着装置151のクリーニングモードの動作説明用のフローチャートである。
CPU134は、画像データ等に基づいて、画像を形成するシートのサイズを認識し、印刷シートサイズ内の印字情報を印字情報記憶部132に記憶する。そして、CPU134は、図5(A),(B)に示すように、シートの搬送方向Aの両端部から5mmの幅の領域(以下、「検知領域」という)AR1,AR2に形成される画像情報を検知する。画像情報とは画像を形成させるための画素を意味する。なお、トナー画像は、シート全面の適宜の場所に形成されるが、CPU134は、全面の画像情報と、検知領域ARに形成される画像情報とを検知する。全面の画像情報は、トナーの使用量の検知に使用されて、現像装置104においてのトナー供給タイミングを決定するのに使用される。
本実施形態においては、どのようなシートサイズであっても、クリーニングモードを行えるように、所定の値(閾値)を、検知領域AR1,AR2のトナー画像が形成されない「ベタ白部」の累積画素数で設定されている。なお、シートに付着している塵埃は、検知領域に付着していることが多い。この場合、トナー画像が形成された部分の塵埃は、トナーとともに、シートに固着されるため、定着フィルム113に付着することが殆ど無い。しかし、トナー画像が形成されていない部分の塵埃は、シートに、単に付着しているだけであるので、定着フィルム113に付着することが多い。このようなことから、定着装置151は、トナー画像が形成されていない部分(ベタ白部)の画素数をカウントすることによって、塵埃の大凡の量を予測してカウントすることができる。そして、定着装置151は、カウントするベタ白部の累積画素数が所定の値を超えると、クリーニングモードによって、定着フィルム113に付着した塵埃を除去するようになっている。
図5の(A)図に示すシートP1のように、検知領域AR1,AR2全体にトナー画像TGが形成されることがある。この場合、ベタ白部の画素数が少ない。また、殆どの塵埃がトナー画像のトナーとともに、シートに定着されている。したがって、ベタ白部の画素数が少ないことは、塵埃が少ないことになる。ところが、図5の(B)図に示すシートP2のように、検知領域AR1,AR2の一部分にトナー画像TGが形成されることがある。この場合、ベタ白部の画素数が多い。また、殆どの塵埃がトナー画像のトナーとともに、シートに定着されていないことになる。したがって、ベタ白部の画素数が多いことは、塵埃が多いことになる。このように、定着装置151は、ベタ白部の画素数をカウントして、塵埃の量を想定し、累積画素数が所定の値になると、定着フィルム113に多数の塵埃が付着しているものと推定して、クリーニングモードになるようになっている。累積画素数の所定の値は、定着フィルム113に付着した塵埃によって、シートにトナー画像を定着できなくなるときを想定した値である。以下、これ等の動作を説明する。
図6のフローチャートを使用して、一般的に用いられる普通シート(例えば、64g/m乃至90g/m)のクリーニングモードについて説明する。始めに、ユーザが、本体電源をONにする。すると、画像形成装置100は待機状態になる(S1)。その後、制御部130のCPU134は、ユーザが入力した画像形成Jobの内容や、画像形成装置100が不図示の画像読取装置や外部のファクス等から送信されてきた画像形成Jobの画像データを印字情報記憶部132に記憶する(S2)。CPU134は、画像形成装置が画像形成Jobの画像データに基づいて画像形成を行えるように画像形成装置全体を初期設定する。このとき、CPU134は、シートサイズの情報を検知する(S3)。その後、CPU134は、画像形成装置100を制御して、画像形成装置100に、シートにトナー画像を形成する動作を開始させる(S4)。
シート1枚のトナー画像をカウントするビデオカウント制御部135は、シートの両端からの5mm幅の検知領域AR1、AR2(図5)のトナー画像TGが形成されていない部分の画素数をカウントする。すなわち、ベタ白部の画素数をカウントする。そして、ビデオカウント制御部135は、定着装置151にシートが送り込まれてくる度に、ベタ白部の画素数のカウントを継続する。このため、カウント数は累積される。なお、トナー画像の解像度は600×600dpiとする。
ここで、検知領域AR1、AR2のそれぞれの画素数は、A4横送り(幅210mm)で計算を行う。このため、画素数は、(5mm÷25.4mm/inch*600dpi)*(297mm÷25.4mm/inch*600dpi)=828631となる。CPU134は、その後、検知領域AR1、AR2のそれぞれのベタ白部の画素の累積数が82863100画素を超えるまで、ベタ白部の画素のカウントを継続する(S6でNo、S8でNo、S5)。
CPU134は、Jobを終了しない内に(S8でNo)、累積数が82863100画素を超えたとき(S6でYes)、定着器106の定着ニップNP4を通過しているシートが通過すると(S7)、SW1を切り換える。これによって、導電性プライマ層113bに接続されていた正極バイアス印加部116aが負極バイアス印加部116bに切り換えられる(S9)。定着装置151は、クリーニングモードになり、定着フィルム113が正極から負極に切り替わり、定着フィルム113に付着していた負極の塵埃Dが定着フィルム113から反発されて、定着フィルム113から除去される。CPU134は、クリーニングモード動作終了後、ビデオカウント制御部135に記憶されているベタ白部の画素数のカウントをリセットする(S10)。その時点でJobを終了しているとき、CPU134は、画像形成動作を終了する(S11でYES)。Jobを終了していないときには(S11でNO)、CPU134は、処理S5以降の制御を行う。
処理S6で、ベタ白部の画素数の累積数が82863100画素を超えないうちに(S6でNO)、Jobを終了(S8でYES)することがある。このような場合、CPUは、その終了した時点での、カウント数をビデオカウント制御部135に記憶させたままで(S12)、画像形成動作を終了する。記憶されたカウント数は、次のJobの画像定着時における処理S5においての初期値になり、その初期値からカウントが開始される。
以上のように、第1の定着装置151は、塵埃の除去を、シートが通過する度に行うのでなく、塵埃の量がある所定の値に達したと予測されるときに行うようになっている。このため、定着装置151は、定着フィルム113に印加するバイアスによって、定着フィルム113の過度な通電劣化を防止することができる。
また、第1の定着装置151は、使用されるシートのサイズが異なっても、その都度使用されるシートサイズの両端5mm幅の検知領域のベタ白画素を累積するようになっている。このため、第1の定着装置151は、どのシートサイズにおいても普通シートの場合、82863100画素数を超えた後、クリーニングモードになるので、シートのサイズに関係なく、定着フィルム113に付着した塵埃を除去することができる。
しかも、第1の定着装置151は、ベタ白部の画素をカウントして、塵埃の量を調べているので、定着フィルム113に付着した塵埃の除去を適切な時期に行うことができて、無駄な塵埃除去動作をすることが防止できる。
さらに、図7に、第1の定着装置151の定着フィルム113の離型層113cの耐用実験結果を、従来の定着装置と比較して示した。実験は、A4のシートを幅210mmの部分を先頭にして何枚のシートにトナー画像を定着できるかの実験である。グラフにおいて、横軸に耐久枚数、縦軸に定着フィルム113の離型層113cの厚みを記してある。
第1の定着装置と従来の定着装置はともに、初期の定着フィルム113の離型層113cの膜厚は8μmである。従来の定着装置は耐久枚数約175000枚で離型層113cの膜厚が0μmとなり(離型層が無くなり)、導電性プライマ層113bが見えるようになった。これに対して、第1の定着装置151は、耐久枚数約250000枚で離型層113cの膜厚が0μmになった。このように、第1の定着装置151は、従来の定着装置より、離型層113cを長く使用することができることが実験結果からしても明らかである。
(第2の定着装置)
図8は、定着フィルム方式の定着器106を有する本発明の実施形態の画像形成装置における第2の定着装置152の概略図である。第2の定着装置152は、「定着尾引き」の発生を抑制した構造になっている。図9は、可変バイアス印加部160の切り換え制御をするブロック図である。
第2の定着装置152は、加圧ローラ120の金属製の芯金121に加圧ローラバイアスを印加するための印加手段としての可変バイアス印加部160を接続した構成になっている。第2の定着装置152は、定着フィルム方式の定着器106、排出ゴムローラ125、排出ころ126、制御部130及び可変バイアス印加部160等を備えている。制御部130は、センサ情報記憶部131、印字情報記憶部132、タイマ部133、CPU134等を備えている。可変バイアス印加部160は、芯金121に、トナーと同極性のバイアスを印加する正極バイアス印加部160aと、トナーと逆極性の負極のバイアスを印加する負極バイアス印加部160bと、切換スイッチSW2等を備えている。切換スイッチSW2は、芯金121に加えるバイアスを、後述するCPU134によって、正極バイアス印加部160aと負極バイアス印加部160bとに切り換えるようになっている。
図9の、可変バイアス印加部160の切り換え制御をするブロック図は、図4のブロック図とほぼ同様であるので説明を省略する。
第2の定着装置152の塵埃除去動作を説明する。塵埃を除去する動作は、第1の定着装置151の図6のフローチャートに示す動作と略同様であるので、フローチャートの図を省略し、異なる部分のみ説明する。トナー画像の未定着トナーTは、第1の定着装置151と同様に、正極に帯電されているものとする。塵埃は、負極に帯電されているものとする。
CPU134は、最初、金属製の芯金11に、正極性のトナーに対して異極である負極のバイアスを負極バイアス印加部160bによって印加している。加圧ローラ120は、負極に帯電されて、正極のトナーTをシートに吸着する。未定着トナーは、シートに吸着されてニップNP4を通過するとき、シートに定着される。このとき、シートに付着している塵埃は、負極に帯電されているので、負極に帯電されている加圧ローラ120に反発されて、一部分が、フィルムユニット110の定着フィルム113に付着する。
CPU134は、ベタ白部の累積画素数が所定の値を超えると、そのとき、ニップNP4を通過しているシートが、ニップNP4を通過すると、切り換えスイッチSW2によって、負極バイアス印加部160bに切り換える。すると、加圧ローラ120は、正極に帯電される。定着フィルム113に付着している負極の塵埃は、定着フィルム113から正極の加圧ローラ120に付着して、定着フィルム113から除去される。
第2の定着装置152も、次の特長を備えている。加圧ローラ120の過度な通電劣化を防止することができる。シートのサイズに関係なく、定着フィルム113に付着した塵埃を除去することができる。無駄な塵埃除去動作をすることが防止できる。
(第3の定着装置)
図10は、定着ローラ方式の定着器300を有して定着ローラ301に可変バイアス印加部116のバイアスを印加する本発明の実施形態の画像形成装置における第3の定着装置153の概略図である。定着器300は、定着ローラ301と加圧ローラ120が圧接して形成される定着ニップNP5に、定着ローラ301と加圧ローラ120の回転によって未定着のトナー画像を有するシートPを通過させて、シートPにトナー画像を定着するようになっている。
加熱手段としての回転する定着ローラ301は、加熱部材としてのハロゲンランプ302、ハロゲンランプ302を内部に有する中空芯金303、及び中空芯金303の外周を覆う離型層304で形成されている。一方、加圧手段としての加圧ローラ120は、第1の定着装置151の加圧ローラ120と同様に、芯金121、芯金121の外周を覆う弾性層122、及び弾性層122の外周を覆う離型層123で形成されている。
第3の定着装置153は、定着ローラ301の中空芯金303に可変バイアス印加部116の直流バイアスを印加するようになっている。塵埃除去動作は、第1の定着装置151と同様であるので、動作説明は省略する。この第3の定着装置153も、第1の定着装置と同様な特長を備えている。また、第3の定着装置153は、定着ローラ301の過度な通電劣化を防止することができる。
(第4の定着装置)
図11は、定着ローラ方式の定着器300を有して加圧ローラ120に可変バイアス印加部160の直流バイアスを印加する本発明の実施形態の画像形成装置における第4の定着装置154の概略図である。第4の定着装置154は、加圧ローラ120の芯金121に可変バイアス印加部160の直流バイアスを印加するようになっている。この第4の定着装置154も、第2の定着装置152と同様な操作をするので、動作説明は省略する。この第4の定着装置154も、第2の定着装置152と同様な特長を備えている。
(第5の定着装置)
以上の第1乃至第4の定着装置151乃至154は、坪量64g/m乃至90g/mの普通シートについての説明であった。しかし、シートには、坪量が90g/mを超えた厚シートや、坪量が64G/m未満の薄シート等がある。そして、塵埃の一種である紙粉は、シートの厚みが厚い程、塵埃の帯電量が多くなる。
これは、普通シートよりシートの電気抵抗値の高い厚シートは、転写時に転写ローラ105から受ける転写電圧が高い。このため、転写後の厚シートはシート上の紙粉を含めて負極の帯電量が多くなる。この後、定着オフセットを防止するため、定着フィルム113に正極バイアスを印加すると、負極に帯電したシート上の紙粉が正極の定着バイアスに引き付けられて定着フィルム113に吸着する。その付着量は、紙粉の帯電量に比例する。このため、紙粉の帯電量が多い厚シートの紙粉は、定着フィルム113への付着量が多くなる。逆に、シートの電気抵抗値が低い薄シートは転写時に印加する負極の転写電圧を低く設定してある。このため、転写後の薄シートは紙面上の紙粉を含めて負極の帯電量が少なく、定着バイアスに引き付けられて定着部材に吸着する紙粉も少ない。
以上の理由により、普通シートのクリーニングモードへ移行する画素数の所定の値(閾値)をそのまま使用すると、厚シートでは定着フィルム113、加圧ローラ120、定着ローラ301への紙粉付着量が多くなる。このため、定着装置151乃至154は、クリーニングモードを実行するタイミングが遅くなり、定着フィルム113、定着ローラ301に付着した塵埃を除去しきれない場合がある。反対に、薄シートではクリーニングモードを実行するタイミングが早くなる。このため、定着装置151乃至154は、定着フィルム113、定着ローラ301へ紙粉が付着する前にバイアスを印加するので、電力増加の懸念が生じる。
また、定着装置151乃至154の使用されている温度や湿度の環境(以下、温湿度と言う)によっても、クリーニングモードを実行するタイミングを調整した方が好ましい場合がある。すなわち、温湿度が高いと紙粉が定着フィルム113、定着ローラ301に付着しにくくなるため、温湿度に応じてもクリーニングモードを最適化しなければならない。そこで、定着装置151乃至154は、シートの坪量と使用温湿度とを考慮して、クリーニングモードを行えるようになっているのが好ましい。
図12は、第1の定着装置151が、シートの坪量と使用温湿度とを考慮して、クリーニングモードを行えるようにした場合の制御ブロック図である。図12のセンサ情報記憶部531は、図14のセンサ情報記憶部131に温湿度センサ144からの温湿度情報と、シート種の情報とを受信できるようになっている。また、図12の制御部530のCPU534は、図4のCPU134が行う制御の他に、シートの坪量と使用温湿度とを考慮して、クリーニングモードを行う制御をできるようになっている。その他の部分は、図4と同様であるので、その他の部分には、図4と同一の符号を付して、その部分の説明は省略する。温湿度センサ144(図1)は、定着装置151の近くに配置してある。
なお、シートの坪量と使用温湿度とを考慮して、クリーニングモードを行えるようにした本定着装置を第5の定着装置155とする。
第5の定着装置の動作を図12乃至図18に基づいて説明する。図13は、第5の定着装置の動作説明用のフローチャートである。図14は、図13に続くフローチャートである。図15は、図13に続くフローチャートである。図16は、環境の温湿度が15℃10%以下の場合の定着装置の耐用実験結果の図である。図16の(A)図は、従来の定着装置の実験結果の図である。図16の(B)図は、本実施形態の画像形成装置における定着装置の耐用実験結果の図である。図17は、環境の温湿度が15℃10%を超えた場合の定着装置の耐用実験結果の図である。図17の(A)図は、従来の定着装置の実験結果の図である。図17の(B)図は、本実施形態の画像形成装置における定着装置の耐用実験結果の図である。図18は、環境の温湿度とシートの種類と関係における画素の累積数を示す図である。
図13において、始めに、ユーザが、本体電源をONにする。すると、画像形成装置100は待機状態になる(S111)。その後、CPU534は、受信ユーザが入力した画像形成Job内容や、画像形成装置100が不図示の画像読取装置や外部のファクス等から送信されてきた画像形成Jobの画像データを印字情報記憶部132に記憶する(S112)。制御手段としてのCPU534は、画像形成装置が画像形成Jobの画像データに基づいて画像形成を行えるように画像形成装置全体を初期設定する。このとき、CPU534は、シートサイズの情報を検知する(S113)。
その後、CPU534は、センサ情報記憶部531が受けた温湿度センサ144の温湿度情報に基づいて、環境温湿度Xが≦15℃10%以下(X≦15℃10%)であるかを判断する(S114)。CPU534は、X≦15℃10%の場合(S114でYes)、センサ情報記憶部531が受けたシートの坪量情報に基づいて、トナー画像を定着するシートが普通シートであるかを判断する(S115)。シートの坪量は、ユーザが画像形成装置に画像形成動作を開始させる前に、不図示の操作パネルから入力された、シートが普通シート、厚シート、薄シートのいずれであるかによって判断される。
CPU534は、普通シートの場合(S115でYes)、普通シートに応じた画像形成動作を画像形成装置に開始させる(S116)。ビデオカウント制御部135は、シート1枚のトナー画像比率をカウントするビデオカウント制御部135に基づいて、シートの両端からの5mmの所定の幅の検知領域AR1、AR2(図5)のトナー画像TGが形成されていない部分の画素数をカウントする。すなわち、ベタ白部の画素数をカウントする。そして、ビデオカウント制御部535は、定着装置151にシートが送り込まれてくる度に、ベタ白部の画素数のカウントを継続する。このため、カウント数は累積される。CPU534は、その後、検知領域AR1、AR2のそれぞれのベタ白部の画素の累積数が82026140画素を超えるまで、ベタ白部の画素のカウントを継続する(S118でNo、S120でNo、S117)。
CPU534は、Jobを終了しない内に(S120でNo)、累積数が82026140画素を超えたとき(S118でYes)、定着器106の定着ニップNP4を通過しているシートが通過すると(S119)、SW1を切り換える。これによって、導電性プライマ層113bに接続されていた正極バイアス印加部116aが負極バイアス印加部116bに切り換えられる(S121)。定着装置151は、クリーニングモードになり、定着フィルム113が正極から負極に切り替わり、定着フィルム113に付着していた負極の塵埃が定着フィルム113から反発されて、定着フィルム113から除去される。CPU534は、クリーニングモード動作終了後、ビデオカウント制御部135に記憶されているベタ白部の画素数のカウントをリセットする(S122)。その時点でJobを終了しているとき、CPU534は、画像形成動作を終了する(S123でYES)。Jobを終了していないときには(S123でNO)、CPU534は、処理S117以降の制御を行う。
処理S118で、ベタ白部の画素数の累積数が82026140画素を超えないうちに(S118でNO)、Jobを終了(S120でYES)する場合がある。このような場合、CPUは、その終了した時点での、カウント数をビデオカウント制御部135に記憶させたままで(S124)、画像形成動作を終了する。記憶されたカウント数は、次のJobの画像定着時における処理S117においての初期値になり、その初期値からカウントが開始される。
処理S115において、シートが普通シートでなく(S115でNo)、薄シートの場合(S215でYes)、図14のように、CPU534は、薄シートに応じた画像形成動作を画像形成装置に開始させる(S216)。ビデオカウント制御部135は、シート1枚のトナー画像比率をカウントするビデオカウント制御部135に基づいて、シートの両端からの5mm幅の検知領域AR1、AR2(図5)のトナー画像TGが形成されていない部分の画素数をカウントする。すなわち、ベタ白部の画素数をカウントする。そして、ビデオカウント制御部535は、定着装置151にシートが送り込まれてくる度に、ベタ白部の画素数のカウントを継続する。このため、カウント数は累積される。CPU534は、その後、検知領域AR1、AR2のそれぞれのベタ白部の画素の累積数が93744160画素を超えるまで、ベタ白部の画素のカウントを継続する(S218でNo、S220でNo、S217)。
CPU534は、Jobを終了しない内に(S220でNo)、累積数が93744160画素を超えたとき(S218でYes)、定着器106の定着ニップNP4を通過しているシートが通過すると(S219)、SW1を切り換える。これによって、導電性プライマ層113bに接続されていた正極バイアス印加部116aが負極バイアス印加部116bに切り換えられる(S221)。定着装置151は、クリーニングモードになり、定着フィルム113が正極から負極に切り替わり、定着フィルム113に付着していた負極の塵埃が定着フィルム113から反発されて、定着フィルム113から除去される。CPU534は、クリーニングモード動作終了後、ビデオカウント制御部135に記憶されているベタ白部の画素数のカウントをリセットする(S222)。その時点でJobを終了しているとき、CPU534は、画像形成動作を終了する(S223でYES)。Jobを終了していないときには(S223でNO)、CPU534は、処理S217以降の制御を行う。
処理S218で、ベタ白部の画素数の累積数が93744160画素を超えないうちに(S218でNO)、Jobを終了(S220でYES)する場合がある。このような場合、CPUは、その終了した時点での、カウント数をビデオカウント制御部135に記憶させたままで(S224)、画像形成動作を終了する。記憶されたカウント数は、次のJobの画像定着時における処理S217においての初期値になり、その初期値からカウントが開始される。
シートは、処理S115において普通シートでなく(S115でNo)、処理S215において薄シートでない(S215でNo)場合、厚シートになる(S315)。図14のように、CPU534は、厚シートに応じた画像形成動作を画像形成装置に開始させる(S316)。ビデオカウント制御部135は、シート1枚のトナー画像比率をカウントするビデオカウント制御部135に基づいて、シートの両端からの5mm幅の検知領域AR1、AR2(図5)のトナー画像TGが形成されていない部分の画素数をカウントする。すなわち、ベタ白部の画素数をカウントする。そして、ビデオカウント制御部535は、定着装置151にシートが送り込まれてくる度に、ベタ白部の画素数のカウントを継続する。このため、カウント数は累積される。CPU534は、その後、検知領域AR1、AR2のそれぞれのベタ白部の画素の累積数が58590100画素を超えるまで、ベタ白部の画素のカウントを継続する(S318でNo、S320でNo、S317)。
CPU534は、Jobを終了しない内に(S320でNo)、累積数が58590100画素を超えたとき(S318でYes)、定着器106の定着ニップNP4を通過しているシートが通過すると(S319)、SW1を切り換える。これによって、導電性プライマ層113bに接続されていた正極バイアス印加部116aが負極バイアス印加部116bに切り換えられる(S321)。定着装置151は、クリーニングモードになり、定着フィルム113が正極から負極に切り替わり、定着フィルム113に付着していた負極の塵埃が定着フィルム113から反発されて、定着フィルム113から除去される。CPU534は、クリーニングモード動作終了後、ビデオカウント制御部135に記憶されているベタ白部の画素数のカウントをリセットする(S322)。その時点でJobを終了しているとき、CPU534は、画像形成動作を終了する(S323でYES)。Jobを終了していないときには(S323でNO)、CPU534は、処理S317以降の制御を行う。
処理S318で、ベタ白部の画素数の累積数が58590100画素を超えないうちに(S318でNO)、Jobを終了(S320でYES)することがある。このような場合、CPUは、その終了した時点での、カウント数をビデオカウント制御部135に記憶させたままで(S324)、画像形成動作を終了する。記憶されたカウント数は、次のJobの画像定着時における処理S317においての初期値になり、その初期値からカウントが開始される。
以上説明した、シートサイズA4(送り方向幅210mm)で、環境の温湿度XがX≦15℃10%において(S114でYes)、クリーニングモードを行ったときの効果を説明する。図16の(A)図は、従来技術における耐久性の実験結果を示したグラフであり、図16の(B)図は、第5の定着装置155の耐久性の実験結果を示したグラフである。それぞれのグラフにおいて、横軸は耐久枚数を示し、縦軸に定着フィルム913(図20),113(図2)の膜厚を示している。
従来技術、本実施形態のどちらにおいても、初期の定着フィルム913,113の離型層913c,113cの膜厚は8μmである。シートの厚み(坪量)毎に離型層913c,113cの摩耗の比較を行った。普通シートでは、従来技術が約175000枚で定着フィルム913の離型層913cが無くなった(厚み0μm)。本実施形態は、約250000枚で定着フィルム113の離型層113cが無くなった(厚み0μm)。薄シートでは、従来技術が約200000枚で離型層913cが無くなった。本実施形態では約275000枚で離型層113cが無くなった。厚シートでは、従来技術が約160000枚で離型層913cが無くなった。本実施形態では約200000枚で離型層113cが無くなった。よって、どの坪量のシートにおいても、第5の定着装置155は、定着フィルム113の離型層113cの耐久性を向上させることができて、長期間使用することができる。
処理S114においてNoの場合(15℃10%<Xの場合)CPU534は、センサ情報記憶部531が受けたシートの坪量情報に基づいて、トナー画像を定着するシートが普通シートであるかを判断する(図15、S415)。シートの坪量は、ユーザが画像形成装置に画像形成動作を開始させる前に、不図示の操作パネルから入力された、シートが普通シート、厚シート、薄シートのいずれであるかによって判断される。
CPU534は、普通シートの場合(S415でYes)、普通シートに応じた画像形成動作を画像形成装置に開始させる(S416)。この後の処理S417乃至処理S424は、処理S117乃至処理124と同様であるので、説明を省略する。但し、処理S118における累積数82026140が、処理S418において58590100に変更される。
処理S415において、シートが普通シートでなく(S415でNo)、処理S515で薄シートの場合(S515でYes)、CPU534は、薄シートに応じた画像形成動作を画像形成装置に開始させる(S516)。この後の処理S517乃至処理S524は、処理S217乃至処理224と同様であるので、説明を省略する。但し、処理S218における累積数93744160が、処理S518において70308120に変更される。
シートは、処理S415において、普通シートでなく(S415でNo)、処理S515において、薄シートでない(S515でNo)場合、厚シートになる(S615)。CPU534は、厚シートに応じた画像形成動作を画像形成装置に開始させる(S616)。この後の処理S617乃至処理S624は、処理S317乃至処理324と同様であるので、説明を省略する。但し、処理S318における累積数58590100が、処理S618において46872080に変更される。
以上説明した、シートサイズA4(送り方向幅210mm)で、温湿度Xが15℃10%<Xにおいて(図13、S114でNo)、クリーニングモードを行ったときの効果を説明する。図17の(A)図は、従来技術における耐久性の実験結果を示したグラフであり、図17の(B)図は、第5の定着装置155の耐久性の実験結果を示したグラフである。それぞれのグラフにおいて、横軸は耐久枚数を示し、縦軸に定着フィルム913(図20),113(図2)の膜厚を示している。
従来技術、本実施形態のどちらにおいても、初期の定着フィルム913,113の離型層913c,113cの膜厚は8μmである。シートの厚み(坪量)毎に離型層913c,113cの摩耗の比較を行った、普通シートでは、従来技術が約200000枚で定着フィルム913の離型層913cが無くなった(厚み0μm)。本実施形態は、約250000枚で定着フィルム113の離型層113cが無くなった(厚み0μm)。薄シートでは、従来技術が約225000枚で定着フィルム913が無くなった。本実施形態では約300000枚で離型層113cが無くなった。厚シートにおいても、従来技術が175000枚で離型層913cが無くなった。本実施形態では225000枚で離型層113cが無くなる。よって、どの坪量のシートにおいても、第5の定着装置155は、定着フィルム113の離型層113cの耐久性を向上させることができて、長期間使用することができる。
なお、以上説明した、定着装置155も、シートのサイズが異なる場合、その都度、使用されるシートのサイズの両端5mm幅分(検知領域の幅分)の画素数をカウントするようになっている。よって、定着装置155は、シートの厚み(坪量)に関係なく、検知領域の画素数をカウントして、クリーニングモードを行うことができるようになっている。
以上説明した第5の定着装置155は、第1の定着装置151のみならず、第2乃至4の定着装置152,153,154にも適用して、加圧ローラ120、定着ローラ301の耐久性を向上させることができる。
以上説明した第1乃至第5の定着装置、可変バイアス印加部は、定着フィルム方式の定着器のフィルムユニットと加圧ローラとの少なくとも一方に設けてもよし、また、定着ローラ方式の定着器の定着ローラと加圧ローラとの少なくとも一方に設けても良い。
以上の説明において、トナー画像のトナーは、正極性に印加されている場合について説明した。しかし、トナー画像のトナーが負極性に印加されている場合もある。この場合、転写ローラ105は正極性に印加される。このため、塵埃は、正極性に印加される。このように、トナーが負極性に印加されている場合、CPU134,534は、定着フィルム113、定着ローラ301に、トナーと同極性の負極を負極バイアス印加部116bによって印加する。そして、CPU134、534は、ベタ白部の画素数が所定の値を超えると、正極バイアス印加部116aに切替えて、定着フィルム113、定着ローラ301に、トナーと逆極性の正極を印加する。これによって、正極の塵埃は、正極の定着フィルム113、定着ローラ301から反発されて除去される。なお、図8の第2の定着装置、図10の第4の定着装置のように加圧ローラ306に直流バイアスを印加されて、トナー画像のトナーが負極性に印加されている場合には、加圧ローラ306に、正極バイアスの直流バイアスが印加される。定着ローラ301に付着した正極の塵埃は、加圧ローラ306が負極バイアス印加部160bによって負極に帯電されることによって加圧ローラ306から除去される。
なお、上述した実施の形態では、CPU134、534は、ベタ白部の画素数が所定の値を超えると、正極バイアス印加部116aに切替えて、定着フィルム113、定着ローラ301に、トナーと逆極性の正極を印加する。しかし、ベタ白部の画素数に限定せずに、所定枚数画像形成したベタ黒部の画素数が所定の値を越えないとき、或いはシートが所定枚数になったとき、定着フィルム、ローラに塵埃が付着していることを予測してクリーニング動作を実行するようにしても良い。
また、制御部130によって、正極バイアス印加部116aと負極バイアス印加部116bとに選択的に切り換えるようになっているが、正負のバイアスを印加するか否かの判断(バイアスの印加の有無を判断)をしてもよい。
以上説明した、定着フィルム113、加圧ローラ120、定着ローラ301の耐久性の優れた定着装置を備えた画像形成装置は、シートに形成するトナー画像の品質を向上させることができる。
100:画像形成装置、106:定着器、110:フィルムユニット(加熱手段)、116:可変バイアス印加部(印加手段)、118:画像形成部(画像形成手段)、120:圧ローラ(加圧手段)、130,530:制御部、134,534:CPU、135:ビデオカウント制御部(カウンタ)、144:温湿度センサ、151,152,153,154,155:定着装置、160:可変バイアス印加部(印加手段)、300:定着器、301:定着ローラ(加熱手段)、P:シート、NP4,NP5:定着ニップ部。

Claims (4)

  1. 画像形成手段によりトナー画像が形成されたシートを加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段とでシートを挟持して搬送しながら、トナー画像をシートに定着する加圧手段と、を有する定着装置と、
    前記加熱手段にトナーと極性の異なる直流のバイアスを印加する印加手段と、
    シートの搬送方向の縁から所定の幅内のトナー画像が形成されていない部分の画素数をカウントするカウント手段と、
    前記カウント手段がカウントする値に応じて、シート間の前記印加手段の印加の有無を決定する制御手段と、を備えた、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記印加手段は、トナーの極性と同極のバイアス印加を前記加熱手段に印加することが可能で、
    前記制御手段は、前記カウントの値が前記所定の値になったときのシート間の前記バイアスの極性を、画像形成時に印加する極性から異極の極性に切り換える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、シートの厚み情報に基づいて、シートの厚みが厚い程、前記カウントする値を小さくすることが可能である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、温湿度情報に基づいて、温湿度が高い程、前記カウントする値を小さくすることが可能である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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