JP2002311749A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002311749A
JP2002311749A JP2001116770A JP2001116770A JP2002311749A JP 2002311749 A JP2002311749 A JP 2002311749A JP 2001116770 A JP2001116770 A JP 2001116770A JP 2001116770 A JP2001116770 A JP 2001116770A JP 2002311749 A JP2002311749 A JP 2002311749A
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heater
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Satoru Izawa
悟 伊澤
Hiroko Tanaka
裕子 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数のプロセススピードを有する画像形成装置
において、プロセススピードが、低速から高速に切り替
わった時のホットオフセットの防止および熱耐久性の向
上。 【解決手段】低速モードでプリントするときは高速モー
ドに比べて定着温度を下降させる量を多くする。また、
低速モードはプリント枚数にしたがって定着温度を下降
させるが、高速モードは加圧ローラ温度を予測する手段
を設け、その結果とプリント枚数にしたがって定着温度
を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の記録材搬送
速度を有する、電子写真方式等を用いた複写機・プリン
タ・ファクシミリ等の画像形成装置であり、該画像形成
装置に具備される加熱定着装置(定着器)が、未定着画
像が形成された記録材を、加圧部材と加熱ヒータを具備
した加熱部材とを互いに圧接してなる定着ニップ間を通
過させることにより、上記未定着画像を記録材上に永久
画像として加熱定着させ、プリント枚数に応じて上記加
熱ヒータの制御温度を降下させる構成の装置である画像
形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば電子写真方式の複写機やプ
リンタ等の画像形成装置の多くは、記録材に対する未定
着画像の加熱定着手段として、熱効率、安全性が良好な
接触加熱型の熱ローラ定着方式の装置や、スタンバイ時
に加熱定着装置に電力を供給せず、消費電力を極力低く
抑えた装置、詳しくはヒータ部と加圧ローラの間に薄肉
のフィルムを介して記録材上のトナー像を定着する省エ
ネルギータイプのフィルム加熱方式の装置を採用してい
る。
【0003】フィルム加熱方式による加熱装置は特開昭
63−313182号公報・特開平2−157878号
公報・特開平4−44075号公報・特開平4−204
980公報等に提案されている。
【0004】図16はこのフィルム加熱方式の加熱装置
(加熱定着装置)の要部の概略構成模型図である。
【0005】2は加熱ヒータ(加熱体)であり、一般に
セラミックヒータが用いられる。セラミックヒータは全
体に低熱容量の部材であり、該ヒータの通電発熱抵抗層
に対する電力供給により所定の制御温度に迅速に昇温す
る。
【0006】1はステイホルダー(支持体)であり、上
記の加熱ヒータ2はこのステイホルダーに固定して支持
させてある。3は耐熱性の定着フィルム、4は加圧部材
としての加圧ローラである。
【0007】上記のステイホルダー1に固定支持させた
加熱ヒータ2と加圧ローラ4とは定着フィルム3を介し
て圧接させて所定幅の定着ニップ部Nを形成させてい
る。
【0008】定着フィルム3は円筒状あるいはエンドレ
スベルト状、もしくはロール巻きの有端ウエブ状の部材
であり、不図示の駆動伝達手段あるいは加圧ローラ4の
回転力により、定着ニップ部Nにおいて加熱ヒータ2面
に密着して摺動しつつ矢印の方向に搬送移動される。
【0009】5は加熱ヒータ2のヒータ基板の背面に配
設したサーミスタ等の温度検知素子であり、加熱ヒータ
2の温度を検知する。この温度検知素子5の温度検知情
報が不図示の通電回路の加熱ヒータ温調系に入力されて
通電発熱抵抗層への通電が制御され、加熱ヒータ2の温
度が所定の温度に温調される。
【0010】加熱ヒータ2を所定の温度に加熱・温調さ
せ、定着フィルム3を矢印の方向に搬送移動させた状態
において、定着ニップ部Nの定着フィルム3と加圧ロー
ラ4との間に被加熱材としての未定着トナー像tを形成
担持させた記録材Pを導入すると、記録材Pは定着フィ
ルム3の面に密着して該定着フィルム3と一緒に定着ニ
ップ部Nを挟持搬送される。この定着ニップ部Nにおい
て、記録材・トナー像が加熱ヒータ2により定着フィル
ム3を介して加熱されて記録材P上のトナー像tが加熱
定着される。定着ニップ部Nを通った記録材部分は定着
フィルム3の面から剥離して搬送される。
【0011】以上の加熱定着装置の構成において未定着
画像を定着させるための定着温調制御は図17のよう
に、プリント枚数が増加するにしたがって階段状に定着
温度が降下するようになっている。すなわち加熱定着装
置が冷えた状態からプリントする場合、プリント初期は
加熱ヒータ2の熱が定着フィルム3や加圧ローラ4など
に奪われるため、定着温度を高く設定する必要がある。
その後プリント枚数が増加すると定着フィルム3や加圧
ローラ4などが暖められて加熱ヒータ2の熱が主に記録
材Pへの熱供給に使われるようになるとともに、加圧ロ
ーラ温度の上昇により加圧ローラ4の熱が定着に寄与す
るようになる。
【0012】加圧ローラ温度はプリント枚数が増加する
につれて上昇するため定着温度は図17のように階段状
に降下させても定着性を満足させることができる。
【0013】ここで、定着温度を降下させずに連続プリ
ントを行った場合はプリント枚数が増加するにしたがっ
て記録材への熱供給が過剰気味になりホットオフセット
が発生してしまう。
【0014】また、定着フィルム3や加圧ローラ4など
が暖まっている場合は、加熱ヒータ2に当接されている
サーミスタ等の温度検知素子5の検知温度や前のプリン
ト履歴等によって加圧ローラ4の暖まり具合を判別し、
その判別結果により図17においてどの温調からプリン
トを開始するかを決定することにより、加圧ローラ4が
暖まっている場合でもホットオフセットや定着不良がな
いように設定している。
【0015】さらに近年、プリンタの高解像度化に対応
するため複数のプロセススピードを有し、解像度の高低
に応じてプロセススピードを切替え可能としたプリンタ
が製品化されている。
【0016】複数のプロセススピードを有する場合の定
着温度は以下のようになっている。定着温度はプロセス
スピードに大きく依存しておりプロセススピードが速く
なると定着温度も高くなる。これは高速化するほど記録
材が定着ニップを通過する時間が短くなるため単位時間
内に与える熱量を多くする必要があるからである。画像
形成装置が複数のプロセススピードを有する場合は図1
7のように、それぞれのプロセススピード(高速モー
ド、低速モード)で定着性を満足し、かつホットオフセ
ットのない画像が得られる定着温度でプリントする。ま
た、定着温度の降下量はプリント枚数が増加すると、プ
ロセススピードの速い方がプロセススピードの遅い方に
比べて大きくなっている。これは、定着温度が低い領域
になってくるとトナーを融かすために必要な最低定着温
度はプロセススピードよりもトナーの融点に大きく依存
しており、図17のように低速モードの場合に高速モー
ドと同様に定着温度を降下させていくと、定着温度がト
ナーを融かすために必要な最低定着温度よりも低くなっ
てしまい、定着性を満足できなくなるためである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】複数のプロセススピー
ドを有する画像形成装置でプリントを行う場合に、高速
プリントでは記録材に加圧ローラの熱が奪われるため加
圧ローラ温度の上昇率は低い。一方、低速プリントでは
加圧ローラの熱が記録材に奪われるが、その分ヒータか
らの熱供給も十分行われるため加圧ローラの上昇率は比
較的高い。また、プロセススピードが遅い方が定着温度
を低くできるのと同様に、低速プリントでは高速モード
に比べて加圧ローラ温度が低くても定着に寄与するよう
になる。したがって、実際は高速モードに比べて低速モ
ードでは定着温度を降下させる量を大きくすることがで
きる。しかし、従来はトナーの融点が高く定着に必要な
温度が高かったため、図17のように低速モードにおい
て高速モードよりも定着温度を降下させることができな
かった。従来はこのような制御において低速モードで大
量のプリントを行った後、高速モードに切り替えてプリ
ントを行っても加圧ローラ温度の上昇によるホットオフ
セットは発生しなかった。
【0018】しかし、画像形成装置の高速化に伴い高速
モードで定着性を満足させるために融点の低いトナーを
使用し、図17の制御において低速モードで大量のプリ
ントを行った結果、ホットオフセットが発生した。さら
に、低速モードでプリントした後、高速モードに切り替
えてプリントした場合はホットオフセットの発生が顕著
になった。これは、低融点トナーを使用しているため低
速モード時に加圧ローラ温度の上昇に伴い定着温度を降
下できるのも関わらず定着温度を降下させておらず、加
圧ローラ温度が上昇している事が原因であると考えられ
る。また、画像形成装置が高速化すると、高速モードに
おいて加圧ローラの熱が記録材によって奪われる割合が
高く、加圧ローラ温度の上昇率が低いのに加え、定着温
度と加圧ローラ温度の差が大きくなるため、加圧ローラ
の熱が定着にあまり寄与せず、プリント枚数が多くなっ
ても図17ほど定着温度を降下させることができない。
したがって、画像形成装置の高速化により、低速モード
でプリントした後の高速モードでのプリントでホットオ
フセットはさらに発生しやすくなる。
【0019】そこで本発明は、複数のプロセススピード
を有する画像形成装置において、プロセススピードが低
速から高速に切り替わった時のホットオフセットの防止
および熱耐久性の向上を図ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するため、以下のことを特徴とする画像形成装置とし
ている。
【0021】(1)複数の記録材搬送速度を有する画像
形成装置であり、該画像形成装置に具備される加熱定着
装置が、未定着画像が形成された記録材を、加圧部材と
加熱ヒータを具備した加熱部材とを互いに圧接してなる
定着ニップ間を通過させることにより、上記未定着画像
を記録材上に永久画像として加熱定着させ、プリント枚
数に応じて上記加熱ヒータの制御温度を降下させる構成
の装置である画像形成装置において、記録材搬送速度の
遅い場合、上記加熱ヒータの制御可能な温度範囲が記録
材搬送速度の速い場合より大きく、かつ加圧部材温度を
予測する手段で予測された加圧部材温度により上記加熱
ヒータの制御温度を決定することを特徴とした画像形成
装置。
【0022】(2)上記加圧部材温度を予測する手段
が、プリント直前のプリント枚数、休止時間、記録材搬
送速度の履歴であることを特徴とした(1)に記載の画
像形成装置。
【0023】(3)上記加熱ヒータの制御温度の最低設
定温度を、前記記録材を加熱定着装置に供給する間隔に
応じて設定することを特徴とした(1)又は(2)に記
載の画像形成装置。
【0024】(4)上記加熱ヒータの制御温度降下速度
および最低設定温度を、プリントの間欠時間に応じて設
定することを特徴とした(1)乃至(3)の何れか1つ
に記載の画像形成装置。
【0025】〈作 用〉記録材搬送速度の遅い場合、加
熱ヒータの制御温度の降下量が記録材搬送速度の速い場
合より大きく、かつ加圧回転体温度を予測する手段を有
し、予測された加圧回転体温度により上記加熱ヒータの
制御温度の降下量を決定することにより、低速モードで
大量のプリントを行っても加圧部材温度の上昇に伴って
定着温度を降下させているので、加圧部材温度の昇温を
抑えることができホットオフセットの発生を防止でき
る。
【0026】また、低速モードで大量のプリントを行っ
た後、高速モードに切り替えてプリントを行っても加圧
部材温度の昇温が抑えられるため、ホットオフセットの
発生しない良好な画像を得ることができる。
【0027】また、必要以上に熱を与えないため、省電
力、加熱部材の熱による耐久性が向上するという効果も
ある。
【0028】以上のようにプロセススピードに関わらず
加圧部材の上昇率に応じて定着温度を降下させることが
できるため、プロセススピードに関わらずホットオフセ
ットが発生しない良好な画像を得ることができ、また省
電力や加熱部材の耐久性向上という効果も得られた。
【0029】
【発明の実施の形態】〈実施例1〉 (1)画像形成装置例 図1に本実施例における画像形成装置の概略構成模型図
を示した。本例の画像形成装置は転写式電子写真プロセ
ス利用のレーザプリンタであり、高速モードと低速モー
ドの2つのプロセススピード(記録材搬送速度)を有
し、不図示の選択切換え手段によりモード切換えが出来
るものである。
【0030】19は像担持体としての感光ドラムであ
り、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の
感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の
基盤上に形成されている。
【0031】感光ドラム19は矢印の方向に回転駆動さ
れ、まず、その表面は帯電装置としての帯電ローラ20
によって一様帯電される。
【0032】次に画像情報に応じてON/OFF制御さ
れたレーザビーム21が不図示のスキャナユニット内で
回転するポリゴンミラーにより反射して感光ドラム19
に走査露光が施され、静電潜像が形成される。
【0033】この静電潜像は、現像装置22で現像、可
視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、
2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメー
ジ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多
い。
【0034】可視化されたトナー像は、転写装置として
の転写ローラ23により、所定のタイミングで搬送され
た記録材P上に感光ドラム19上より転写される。ここ
で感光ドラム19上のトナー像の画像形成位置と記録材
の先端の書き出し位置が合致するようにセンサ24にて
記録材の先端を検知し、タイミングを合わせている。所
定のタイミングで搬送された記録材Pは感光ドラム19
と転写ローラ23に一定の加圧力で挟持搬送される。
【0035】このトナー像が転写された記録材Pは定着
装置25へと搬送され、永久画像として定着される。
【0036】一方、感光ドラム19上に残存する転写残
りの残留トナーは、クリーニング装置26により感光ド
ラム19の表面より除去される。
【0037】(2)加熱定着装置25 図2・図3に本実施例の加熱定着装置25の構成を示
す。図2は横断面模型図、図3は縦断面模型図である。
本例の加熱定着装置25は加圧ローラ駆動方式・フィル
ム加熱方式の加熱装置である。
【0038】10は加熱部材(定着部材)としてのヒー
タアセンブリ、4は加圧部材としての加圧ローラであ
り、両者10・4を圧接させて定着ニップ部Nを形成す
る。
【0039】加圧部材としての加圧ローラ4は、芯金4
aと、その外側にシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴ
ムあるいはシリコンゴムを発泡して形成された弾性層4
bからなり、この上に更にPFA、PTFE、FEP等
の離型性層4cを形成してあってもよい。加圧ローラ4
はその芯金4aに両端部を装置の手前側と奥側の側板1
1・11間に軸受12・12を介して回転自在に支持さ
せてある。Gはこの加圧ローラ4の芯金4aの一端部に
固着したドライブギアであり、このギアGに不図示の駆
動部から回転力が伝達されて、加圧ローラ4が図2にお
いて矢印の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動
される。
【0040】加熱部材としてのヒータアセンブリ10
は、横断面略半円樋形のステイホルダー(支持体)1、
このステイホルダー1の下面に長手に沿って固定支持さ
せた加熱ヒータ(定着ヒータ)2、この加熱ヒータ2を
固定支持させたステイホルダー1にルーズに外嵌させた
円筒状の定着フィルム3、ステイホルダー1の両端部側
に組付けたフランジ部材13・13等からなる。
【0041】上記ヒータアセンブリ10の両端部側フラ
ンジ部材13・13をそれぞれ装置の手前側と奥側の側
板11・11に設けた縦方向スリット部11a・11a
に係合させることで、ヒータアセンブリ10を加熱ヒー
タ2側を下向きの状態にして側板11・11間に落とし
込み、加圧ローラ4の上側に配置する。そして、上記両
端部側フランジ部材13・13と不動部材15・15と
の間にそれぞれ加圧バネ14・14を縮設することでヒ
ータアセンブリ10を加圧ローラ4の上面に対して加圧
ローラ4の弾性に抗して所定の押圧力をもって圧接させ
てある。すなわちヒータアセンブリ10の長手方向両端
部から加圧リーラ4に対して加熱定着に必要なニップ部
Nを形成するべく十分に加圧されて、ヒータアセンブリ
10側の加熱ヒータ2の下面と加圧ローラ4の上面との
間に定着フィルム3を挟ませて加圧ローラ4の弾性撓み
にて所定幅の定着ニップ部Nが形成される。
【0042】加圧ローラ4の回転駆動により、定着ニッ
プ部Nにおいて、該加圧ローラ4と定着フィルム3の外
面との摩擦力で定着フィルム3に回転力が作用して、定
着フィルム3はその内面が加熱ヒータ2の面に密着して
摺動しつつステイホルダー1の外回りを図2において矢
印の時計方向に回転する。
【0043】加圧ローラ4の回転駆動で定着フィルム3
が回転され、加熱ヒータ2に通電がなされて所定の温度
に温調された状態において、画像形成部側から未定着ト
ナー像を担持した記録材Pが耐熱性の定着入口ガイド3
2に沿って定着ニップ部Nの定着フィルム3と加圧ロー
ラ4との間に導入される。定着ニップ部Nに導入された
記録材Pは定着フィルム3の外面に密着して該定着フィ
ルム3と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送される。この
定着ニップ部Nにおいて、記録材・トナー像が加熱ヒー
タ2により定着フィルム3を介して加熱されて記録材P
上のトナー像が加熱定着される。定着ニップ部Nを通っ
た記録材部分は定着フィルム3の面から剥離して、不図
示の耐熱性の定着排紙ガイドに案内されて不図示の排出
トレイ上に排出される。
【0044】a)ステイホルダー1 ステイホルダー1は上記のように加熱ヒータ2を保持
し、定着ニップ部Nと反対方向への放熱を防ぐための断
熱部材であり、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PP
S、PEEK等により形成されており、定着フィルム3
が余裕をもってルーズに外嵌される。定着フィルム3は
内面が加熱ヒータ2およびステイホルダー1に摺擦しな
がら回転するため、加熱ヒータ2およびステイホルダー
1と定着フィルム3の間の摩擦抵抗を小さく抑える必要
がある。このため加熱ヒータ2およびステイホルダー1
の表面に耐熱性グリース等の潤滑剤を介在させてある。
これにより定着フィルム3はスムーズに回転することが
可能となる。
【0045】b)加熱ヒータ2 加熱ヒータ2は記録材上のトナー像を溶融、定着させる
定着ニップ部Nの加熱を行う。加熱ヒータ2には一般的
に所謂セラミックヒータが用いられる。セラミックヒー
タは全体に低熱容量の部材であり、該ヒータの通電発熱
抵抗層に対する電力供給により所定の制御温度に迅速に
昇温する。
【0046】図4にセラミックヒータの一例の構成模型
図を示した。例えば、アルミナ等の電気絶縁性・良熱伝
導性・低熱容量のセラミック基板2aの面(定着フィル
ム3と対面する側の面)に基板長手に沿って,例えばA
g/Pd(銀パラジウム)、RuO2、Ta2N等の通電
発熱抵抗層2bをスクリーン印刷等により、厚み10μ
m程度、幅1〜5mm程度の線状もしくは細帯状に塗工
して形成し、この通電発熱抵抗層2bの両端部側には給
電用電極部2c・2cを電気的に導通させて形成し、さ
らに通電発熱抵抗層形成面を、定着フィルム3との摺擦
に耐えることが可能な薄層のガラスコート、フッ素樹脂
層等の保護層2dで覆ってなるものである。
【0047】このセラミックヒータ2は通電発熱抵抗層
2cに給電用電極部2c・2cを介して電源回路30か
ら通電がなされることにより該通電発熱抵抗層が発熱し
てセラミック基板・保護層を含むヒータ全体が急速昇温
する。このヒータ2の昇温がヒータ裏面に設置されたサ
ーミスタ等の温度検知素子5aにより検知されて温度制
御部31へフィードバックされる。温度制御部31は温
度検知素子5aで検知されるヒータ温度が所定のほぼ一
定温度(定着温度)に維持されるように電源回路30か
ら通電発熱抵抗層2bに対する給電を制御する。すなわ
ちヒータ2は所定の定着温度に加熱・温調される。
【0048】より具体的には、温度検知素子5aの信号
に応じて、電源回路30から給電用電極部2c・2cを
介して通電発熱抵抗層2bに印加される電圧のデューテ
ィー比や波数等を適切に制御することで、定着ニップ部
N内での温調温度を略一定に保ち、記録材上のトナー像
を定着するのに必要な加熱を行う。
【0049】加熱ヒータ2は上記のような構成のものに
限られない。例えば、ヒータ基板2aとして、ポリイミ
ド、PPS、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂基板を用いた
加熱ヒータ、金属製基板上の定着ニップ反対側に絶縁
層、通電発熱抵抗層を順次積層してなる金属製加熱ヒー
タ、金属製基板は定着ニップ側が湾曲した形状にした金
属製加熱ヒータ、ヒータ基板2aとして耐摩耗性に優
れ、熱伝導性の良好なAlN(チッ化アルミ)等を用
い、通電発熱抵抗層2bを該基板に対して定着ニップ部
Nと反対側に形成した裏面加熱型ヒータ、電磁誘導発熱
性ヒータ、等である。
【0050】c)定着フィルム3 定着フィルム3は熱容量の小さな耐熱性のフィルム材で
ある。熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上さ
せる、定着ニップ部において加熱ヒータ2の熱を効率よ
く被加熱材としての記録材に与えるため、膜厚を総厚1
00μm以下、特には20〜70μmとかなり薄くして
いる。本実施例では60μmとした。さらにオフセット
防止や記録材の分離性を確保するために表層にはPTF
E(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフ
ルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体)、FEP(テトラフルオロエチレンヘキサフル
オロプロピレン共重合体)、ETFE(エチレンテトラ
フルオロエチレン共重合体)、CTFE(ポリクロロト
リフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフル
オライド)等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂等の離型性
の良好な耐熱樹脂を混合ないし単独で被覆したものであ
る。
【0051】図5に定着フィルム3の層構成例の模型図
を示した。この例の定着フィルム3は、フィルム基層3
a、導電性プライマー層3b、離型性層3cの3層構成
で構成されており、フィルム基層3a側が加熱ヒータ側
であり、離型性層3cが加圧ローラ側である。フィルム
基層3aは絶縁性の高いポリイミド、ポリアミドイミ
ド、PEEK等であり、耐熱性、高弾性を有しており、
可撓性のある厚み15〜60μm程度で形成されてい
る。また、フィルム基層3aにより定着フィルム3全体
の引裂強度等の機械的強度を保っている。導電性プライ
マー層3bは厚み2〜6μm程度の薄い層で形成されて
おり、定着フィルム全体のチャージアップを防止するた
め、電気的にアースに接続されている。離型性層3cは
定着フィルム3に対するトナーオフセット防止層であ
り、離型性の良好なPFA、PTFE、FEP等のフッ
素樹脂を厚み5〜15μm程度に被覆して形成してあ
る。また、定着フィルム3表面のチャージアップを軽減
し、静電オフセットを防止するため、離型性層中には比
抵抗が103Ωcm〜106Ωcm程度のカーボンブラッ
ク等の導電部材が混入されている。
【0052】(3)記録材搬送速度の変更と加熱ヒータ
の制御温度変更 近年、画像形成装置の高解像度化が進んでいるが、これ
に対応するためにスキャナユニット内のポリゴンミラー
の回転数を上げるだけでは技術的、コスト的に困難であ
る。
【0053】しかし、ポリゴンミラーの回転数が一定で
も画像形成装置に複数のプロセススピード(複数の記録
材搬送速度)を持たせ、プロセススピードを遅くするこ
とによって解像度を上げることができる。
【0054】このように複数のプロセススピードを有す
ることでスキャナユニットを変更することなく解像度を
上げることができる。
【0055】さらに複数のプロセススピードを有するこ
とは、小サイズの記録材をプリントした時に、定着ニッ
プ部N内で記録材が通過しない領域の温度が上昇する非
通紙部昇温という問題に対しても有利になる。
【0056】ここで本発明による定着温調の制御方法に
ついて説明する。本実施例で使用しているトナーは比較
的低い定着温度でも定着可能な低融点トナーである。
【0057】本実施例の画像形成装置は .高速モード(200mm/s) .低速モード(133mm/s) という2つのプロセススピードを有している。
【0058】定着に必要な温度はプロセススピードに大
きく依存しており高速になるほど定着温度を高くしなけ
ればならない。これは高速化するほど記録材が定着ニッ
プ部Nを通過する時間が短くなるため単位時間内に与え
る熱量を多くする必要があるからである。
【0059】この二つのプロセススピードにおいて定着
に必要な温度を測定した結果、高速モードの場合は2
05℃であるのに対し、低速モードの場合は170℃
まで下げることが可能となる。
【0060】また、高速モードでプリントする場合は
記録材に熱を奪われやすいため加圧ローラの温度がそれ
ほど上昇しないが、低速モードでプリントする場合は
加圧ローラの温度は上昇しやすい。
【0061】表1に高速モード(200mm/s、20
5℃固定温調)と低速モード(133mm/s、170
℃固定温調)で連続プリントした場合の加圧ローラ温度
を示す。
【0062】
【表1】
【0063】低速モードではプリント枚数が増加するに
つれて加圧ローラ温度が上昇しているのに対し、高速モ
ードでは加圧ローラ温度の上昇率がわずかである。加圧
ローラ温度がある程度まで高くなると加圧ローラの熱が
定着性に寄与するようになり、その結果、定着温度を下
げることができる。また、低速モードでは記録材は定着
ニップ内を通過する時間が長いため加圧ローラ温度が比
較的低くても加圧ローラの熱が定着性に寄与することが
できる。したがって、表1のように高速モードでは連続
プリントした場合に加圧ローラ温度がそれほど上昇しな
いため、定着温度をそれほど下げることができないが、
低速モードでは加圧ローラ温度の上昇率が大きいため、
高速モードと比較すると少ないプリント枚数で定着温度
を下げることができ、かつ高速モードよりも定着温度を
大きく降下させることができる。
【0064】表1の加圧ローラの昇温状態をもとにして
図6のように高速モードに比べて低速モードの方が少な
いプリント枚数で定着温度を降下させ、且つ低速モード
の方がプリントスタートから最終温調までの降下温度を
大きくしたシーケンスで定着性の測定とホットオフセッ
トの評価を行った。
【0065】定着性の測定は定着性の悪いボンド紙、ホ
ットオフセットの評価はホットオフセットしやすい薄紙
をそれぞれ定着器が暖まっていない状態(コールド状
態)から100枚連続プリントした後、すぐにプロセス
スピードを切り替えて(高速モード→低速モード、低速
モード→高速モード)さらに100枚連続プリントして
評価した。
【0066】比較例1として、図7のように低速モード
の場合も高速モードと同様に定着温度を降下させるまで
の枚数を多くし、降下量は小さくしたもの、比較例2と
して図8のように高速モードの場合も低速モードと同様
に定着温度を降下させるまでの枚数を少なくし、降下量
を大きくしたものについても定着性の測定及びホットオ
フセットの評価を行った。
【0067】その結果を以下に示す。まず、表2でプロ
セススピードを切り替える前に100枚連続プリントし
た結果を示す。
【0068】
【表2】
【0069】本実施例のシーケンスでは高速モード、低
速モードともに定着不良がなく、且つホットオフセット
も発生しない良好な画像が得られた。
【0070】それに対して、比較例1では低速モードに
おいて連続プリントによって加圧ローラが十分暖まって
いるにもかかわらず定着温度を降下させなかったため、
プリント100枚目では加圧ローラ温度が約120℃ま
で達しており、わずかにホットオフセットが発生してい
た。
【0071】また、比較例2では高速モードにおいて加
圧ローラが十分暖まっていない時に定着温度を降下させ
たため、定着温度を降下させたところで定着性が悪化し
た。
【0072】さらに、比較例1は必要以上に熱を供給し
ているため電力を無駄に消費しているばかりでなく、定
着部材の熱による耐久性も悪化させている。
【0073】次に、プロセススピードを切替えた場合の
結果を表3に示す。
【0074】
【表3】
【0075】加圧ローラが暖まった状態からプリントを
開始する場合は加圧ローラ温度の上昇率が全く異なる。
200mm/sで200℃温調という条件でコールド状
態、100枚連続プリントから10分後の状態(ホット
状態1)と100枚連続プリントから1分後の状態(ホ
ット状態2)という3つの定着器状態から100枚の連
続プリントを行った時の加圧ローラ温度を表4に示す。
【0076】
【表4】
【0077】このように加圧ローラの飽和温度はほとん
ど変わらないが、飽和温度に達するまでの枚数はプリン
ト開始時の定着器温度が高いものの方が少ない。
【0078】以上のことを考慮して加圧ローラの暖まり
具合により、図9および図10のようにホット状態1,
ホット状態2という二つのシーケンスを設けている。
【0079】本検討では100枚の連続プリントの後、
すぐにプロセススピードを切り替えてプリントを開始し
ているため定着器は十分暖まっており、プロセススピー
ド切替え後のシーケンスはホット状態2である。プロセ
ススピードを切り替えた後のプリントでは定着性につい
てはどれも問題ないが、低速モードから高速モードに切
り替えた場合にホットオフセットが発生した。
【0080】以上のように本実施例のシーケンスでも低
速モードで100枚プリントを行った後、高速モードに
切り替えてプリントを行うとホットオフセットが発生し
た。これは、低速モードの連続プリントでプリント枚数
の増加にしたがって定着温度を降下させているが、10
0枚連続プリントすると加圧ローラ温度が上昇し過ぎて
しまうためにホットオフセットしてしまうと考えられ
る。
【0081】これを防止するために、低速モード時にさ
らに定着温度を降下させたり、高速モードのホット状態
2の定着温度をさらに低くする事が考えられるが、そう
した場合、定着性が問題になる。
【0082】そこで本実施例では、低速モードでプリン
トを行った後、高速モードでプリントを行う場合に加圧
ローラ温度を予測する手段を設け、その予測結果より定
着温度を決定する。表5は低速モードで200枚連続プ
リントした時の加圧ローラ温度である。
【0083】
【表5】
【0084】また、表6は低速モードで200枚連続プ
リントが終了した後の加圧ローラ温度である。
【0085】
【表6】
【0086】この結果をもとにして低速モードでのプリ
ントが90枚以上で、かつ低速モードプリント終了から
高速モードプリント開始までの時間が30秒以内という
条件を満たした時は定着温度をホット状態2のシーケン
スより5℃低くする。このようにすることで、低速モー
ドで90枚プリントしてから30秒後に高速モードでホ
ット状態2より5℃低い定着温度でプリントしても定着
不良は発生せず、低速モードで200枚プリントしてか
らすぐに高速モードでホット状態2より5℃低い定着温
度でプリントしてもホットオフセットは発生しなかっ
た。
【0087】本実施例では加圧ローラ温度を予測する手
段を低速モードでのプリント枚数と低速モードプリント
終了から高速モードプリント開始までの時間としたが、
加圧ローラ温度を予測する手段は定着ヒータに取り付け
られた温度検知素子であってもよいし、加圧ローラに温
度検知素子を取り付けてあってもよい。
【0088】以上のようにそれぞれのプロセススピード
毎に温度テーブルを有し、連続プリントにおいて定着温
度を降下させるまでの枚数と温度降下量をプロセススピ
ード毎に最適にし、かつ加圧ローラ温度を予測する手段
を有することにより、定着不良やホットオフセットなど
のない良好な画像を得ることができた。また、熱供給過
多による耐久性悪化や無駄な電力消費も防止できた。
【0089】〈実施例2〉本実施例2において、画像形
成装置および加熱定着装置全体の構成は前記実施例1で
示した図1〜5と同様であるため再度の説明を省く。
【0090】本実施例2では実施例1における定着温度
降下をプリント枚数のみではなく、プリント枚数と1分
間にプリントする枚数(以後、スループットと記す)に
より制御する。
【0091】B5サイズやCOM10など定着ヒータの
発熱体の長手方向幅に比べて十分に小さいサイズの記録
材をプリントした場合、定着ニップ部N内で記録材が通
過しない領域(非通紙部)では発熱しているが記録材が
熱を奪っていかないため、記録材が通過する領域(通紙
部)に比べて温度が上昇する。この現象を「非通紙部昇
温」と呼ぶが、この非通紙部昇温が大きくなると、非通
紙部において定着部材の耐熱温度以上に昇温し、ステイ
ホルダー1が溶けてしまう等の問題が発生する。
【0092】図3・図4は本実施例に関わる加熱定着装
置の長手方向の構成であるが、この非通紙部昇温を抑え
るために、定着温度を一定に保つために中央部に配設さ
れた温度検知素子5a(以後、中央サーミスタと記す)
以外に非通紙部温度を測定することを目的として温度検
知素子5b(以後、端部サーミスタと記す)を配設して
ある。そしてその端部サーミスタ5b検知温度によって
表7のように記録材を供給する間隔をあけてスループッ
トを低下させている。
【0093】
【表7】
【0094】スループットが低下した場合は記録材が定
着ニップ部Nを通過する時間に比べてヒータが通電して
いる時間が長くなるため、スループットが低下しない場
合と比較すると加圧ローラの上昇率および飽和温度は高
くなる。
【0095】したがって、スループットが低下した時に
図6に示すような定着温度でプリントするとホットオフ
セットが発生してしまう。
【0096】図11は高速モード(205℃固定温調)
と低速モード(170℃固定温調)で非通紙部昇温の起
こりやすいB5サイズの平滑な厚紙をプリントした時の
端部サーミスタ5bの検知温度である。高速モードでは
プリント4枚目で端部サーミスタ温度が240℃を超え
てしまい表7に記した制御にしたがってスループットが
低下しているのに対し、低速モードでは定着温度が低い
ため端部サーミスタ温度があまり上昇せず、スループッ
トは低下しなかった。
【0097】以上の結果より、低速モードでスループッ
トが低下するときはCOM10などB5サイズよりも非
通紙部昇温の起こりやすい記録材でかつ加圧ローラが十
分に暖まっていると推測できる。
【0098】したがって、図12のように、低速モード
でスループットが低下した時は定着温度を、スループッ
トが低下しない時に設定できる最低温度よりもさらに5
℃低い温度に設定した。
【0099】また、高速モードの場合はプリント開始か
ら数枚でスループットが24ppmから21ppmに低
下してしまうため、スループットが24ppmから21
ppmに低下しても加圧ローラが十分暖まっていない場
合もある。スループットが15ppmまで低下すると記
録材が通過する時間に対してヒータが通電している時間
が十分長くなるため加圧ローラが十分暖まっていると推
測できる。
【0100】したがって高速モードの場合はスループッ
トが21ppmに低下したら定着温度を降下させるまで
の枚数を−5枚、18ppmに低下した場合はさらに−
5枚する。そしてスループットが15ppmまで低下し
たら図13のようにスループットに応じて定着温度を降
下させるというシーケンスに切り替える。
【0101】以上のような制御で定着性とホットオフセ
ットの評価を行った結果、高速モード、低速モードとも
に定着不良やホットオフセットのない良好な画像が得ら
れた。
【0102】また、スループットに応じて従来より定着
温度を降下させることにより非通紙部昇温を抑えること
ができ、スループットがそれ以上低下するのを抑える効
果があるため、プリント所用時間も短縮することができ
た。
【0103】また、低速モードでプリント後、高速モー
ドでプリントする場合も加圧ローラ温度を予測して、プ
リント枚数が90枚以上またはスループットが低下して
おり、かつ低速モードプリント終了から高速モードプリ
ント開始までの時間が30秒以内という条件を満たした
時は定着温度をホット状態2のシーケンスより5℃低く
することにより低速モードでプリント後の高速モードプ
リントでホットオフセットが発生することはなくなっ
た。
【0104】以上のように小サイズの記録材をプリント
する場合でも低速モードにおいて定着温度の降下量を大
きくし、高速モードでプリントする場合に加圧ローラ温
度を予測してその結果をもとに定着温度を決定すること
により、ホットオフセットの無い良好な画像を得ること
ができた。またスループット低下を抑えることでプリン
ト所用時間を短縮することができた。
【0105】〈実施例3〉本実施例3において、画像形
成装置および加熱定着装置全体の構成は前記実施例1で
示した図1〜5と同様であるため再度の説明を省く。
【0106】本実施例3では間欠的にプリントが行わ
れ、連続プリント時よりも加圧ローラ温度が上昇する場
合について説明する。
【0107】間欠的にプリントが行われた場合はプリン
ト前にヒータを通電しながら前回転を行うため、スルー
プットが低下する場合よりも加圧ローラ温度の上昇率が
大きい。また間欠の時間が短い方が加圧ローラの温度上
昇率は大きくなる。
【0108】したがって、連続プリントではなく、且つ
プリントの間隔(間欠時間)が10秒以内と10〜30
秒の間でのプリントが続く場合は図14および図15の
ように、さらに定着温度を降下させる速度を速くする。
【0109】これにより加圧ローラが特に上昇しやすい
間欠プリントにおいても定着不良やホットオフセットの
ない良好な画像を得ることができる。
【0110】また、低速モードから高速モードに切り替
えてプリントする場合も、間欠プリントの場合は加圧ロ
ーラ温度が暖まりやすいため、低速モードで間欠時間1
0秒以内のプリントが70枚以上で、かつ低速モードプ
リント終了から高速モードプリント開始までの時間が3
0秒以内という条件を満たした時は定着温度をホット状
態2のシーケンスより10℃低くし、同様に間欠時間が
10〜30秒の場合は定着温度をホット状態2のシーケ
ンスより5℃低くする。このようにすることで低速モー
ドでプリントした後の高速モードプリントでホットオフ
セットの発生を防止できた。
【0111】以上のように間欠プリントの場合は連続プ
リントに比べて加圧ローラの温度と温度上昇率が大きく
なるため、定着温度を降下させるまでにプリントする枚
数を少なくし、その温度降下量も大きくすることで定着
不良やホットオフセットのない良好な画像を得ることが
できた。また、熱供給過多による耐久性悪化や無駄な電
力消費も防止できた。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複
数の記録材搬送速度を有する画像形成装置であり、該画
像形成装置に具備される加熱定着装置が、未定着画像が
形成された記録材を、加圧部材と加熱ヒータを具備した
加熱部材により互いに圧接してなる定着ニップ間を通過
させることにより、上記未定着画像を記録材上に永久画
像として加熱定着させる画像形成装置において、記録材
搬送速度の遅い場合、上記加熱ヒータの制御温度を降下
させる速度を記録材搬送速度が速い場合に比べて速くす
ることを特徴とした画像形成装置により、プロセススピ
ードに関わらず加圧ローラの上昇率に応じて定着温度を
降下させることができるため、プロセススピードに関わ
らずホットオフセットや定着不良の問題が発生しない良
好な画像を得ることができ、また省電力や定着部材の耐
久性向上という効果も得られた。
【0113】さらにスループットが低下した場合は、ス
ループット及びプリント枚数に応じて定着温度を降下さ
せることによりホットオフセットや定着不良の問題が発
生しない良好な画像がえられ、また定着部材の熱耐久性
を向上させ、消費電力を少なくすることができるばかり
でなく、スループットの低下を抑えることができるため
プリント時間の短縮もできた。
【0114】また、間欠的にプリントされる状態が続き
加圧ローラ温度が連続プリント時よりも上昇する場合に
おいてもさらに定着温度を降下させる量を大きくするこ
とによりホットオフセットの無い良好な画像を得ること
ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の画像形成装置の概略構成模型図
【図2】 加熱定着装置の横断面模型図
【図3】 加熱定着装置の縦断面模型図
【図4】 加熱ヒータの構成模型図
【図5】 定着フィルムの層構成模型図
【図6】 コールドスタート時の定着温度テーブル
【図7】 比較例1の定着温度テーブル
【図8】 比較例2の定着温度テーブル
【図9】 ホット状態1からプリント時の定着温度テー
ブル
【図10】 ホット状態2からプリント時の定着温度テ
ーブル
【図11】 200mm/sと133mm/sでの非通
紙部温度
【図12】 スループット低下時の低速モード定着温度
テーブル
【図13】 スループット低下時の高速モード定着温度
テーブル
【図14】 間欠プリント時の低速モード定着温度テー
ブル
【図15】 間欠プリント時の高速モード定着温度テー
ブル
【図16】 フィルム加熱方式の加熱定着装置の要部の
模型図
【図17】 従来例に係わる定着温度テーブル
【符号の説明】
19・・像担持体(感光ドラム)、20・・帯電ロー
ラ、21・・レーザビーム、22・・現像装置、23・
・転写ローラ、25・・加熱定着装置、26・・クリー
ニング装置、10・・加熱部材(定着部材)、4・・加
圧部材(加圧ローラ)、1・・ステイホルダー、2・・
加熱ヒータ(定着ヒータ)、3・・定着フィルム、N・
・定着ニップ部、P・・記録材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 裕子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H027 DA12 DA20 DA40 DA44 DA46 EA12 EC06 EC14 ED16 ED25 EE07 EE08 EF09 2H033 AA09 AA23 BA32 BE03 CA07 CA19 CA30 CA48 3K058 AA34 AA45 AA65 AA87 BA18 CA01 CA15 CA22 CA61 CC06 CE02 CE13 DA05 GA06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の記録材搬送速度を有する画像形成装
    置であり、該画像形成装置に具備される加熱定着装置
    が、未定着画像が形成された記録材を、加圧部材と加熱
    ヒータを具備した加熱部材とを互いに圧接してなる定着
    ニップ間を通過させることにより、上記未定着画像を記
    録材上に永久画像として加熱定着させ、プリント枚数に
    応じて上記加熱ヒータの制御温度を降下させる構成の装
    置である画像形成装置において、 記録材搬送速度の遅い場合、上記加熱ヒータの制御可能
    な温度範囲が記録材搬送速度の速い場合より大きく、か
    つ加圧部材温度を予測する手段で予測された加圧部材温
    度により上記加熱ヒータの制御温度を決定することを特
    徴とした画像形成装置。
  2. 【請求項2】上記加圧部材温度を予測する手段が、プリ
    ント直前のプリント枚数、休止時間、記録材搬送速度の
    履歴であることを特徴とした請求項1に記載の画像形成
    装置。
  3. 【請求項3】上記加熱ヒータの制御温度の最低設定温度
    を、前記記録材を加熱定着装置に供給する間隔に応じて
    設定することを特徴とした請求項1又は2に記載の画像
    形成装置。
  4. 【請求項4】上記加熱ヒータの制御温度降下速度および
    最低設定温度を、プリントの間欠時間に応じて設定する
    ことを特徴とした請求項1乃至3の何れか1つに記載の
    画像形成装置。
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