JP3990957B2 - 加熱定着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、電子写真方式・静電記録方式等の作像プロセスを採用した画像形成装置において、作像プロセス部で記録材(転写材・印字用紙・感光紙・静電記録紙等)に転写方式あるいは直接方式で形成担持させた目的の画像情報の未定着トナー像を固着像として熱定着処理する加熱定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式、静電記録方式等を採用する画像形成装置に具備される定着装置においては、未定着トナー像を担持した記録材を、互いに圧接して回転する定着ローラと加圧ローラとで形成されるニップ部(定着ニップ部)を通過させることにより記録材上に永久画像として定着させる、いわゆる加熱定着装置が広く用いられている。
【0003】
1)熱ローラ方式の加熱定着装置
従来の加熱定着装置の1例を図10に示す。本例の加熱定着装置は熱ローラ方式の装置である。
【0004】
図10において、40は定着部材(加熱手段)としての定着ローラであり、機械的強度を満足するように厚み0.5mm〜4mm程度のアルミの中空芯金42の内部にハロゲンランプ41が配設されており、不図示の電源からの通電により中空芯金42内部から記録材P上のトナーを融解させるのに十分な加熱を行なう。
【0005】
また記録材P上のトナーをオフセットすることなく、記録材上に定着するために中空芯金42の外側には離型性に優れた性能を示すポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレン共重合体(PFA)などの離型性層43が形成されている。離型性層43はチューブ状に形成されていたり、あるいは静電スプレー、ディッピング塗工等により形成されている。
【0006】
また、記録材の搬送によって定着ローラ表面がチャージアップすることで発生するオフセットを防止するため、離型性層にカーボンブラック等の導電部材を混入しているものもある。
【0007】
さらに定着ローラ40の中空芯金42は電気的にアース接続、もしくはダイオード素子を介して接地されていたり、不図示のバイアス印加手段によって、バイアス印加されており、定着ローラ表面がチャージアップしてオフセット画像が発生するのを防止している。
【0008】
また、定着ローラ40の表面にはサーミスタ44が接触しており、定着ローラ表面の温度を検知し、適度な温度で記録材上のトナー像を加熱するようにハロゲンランプ41への給電をon/off制御する。
【0009】
一方、50は上記定着ローラ40とローラ長手方向両端部において不図示の加圧バネにより圧接して記録材を挟持搬送する、加圧部材としての加圧ローラである。
【0010】
加圧ローラ50は芯金51の外部にシリコンゴムを成型した弾性層あるいはシリコンゴムを発泡して成るスポンジ弾性層52、さらにその外層に定着ローラと同様のPTFEあるいはPFA、FEP等の離型性層53をチューブ状に、あるいはコーティング塗工して形成して成る。
【0011】
よって加圧ローラ50の弾性により両ローラ40・50間に十分なニップ幅を形成することができる。このニップ部Nに挟持搬送される記録材P上のトナー像を定着ローラ40からの加熱により定着することができる。
【0012】
2)フィルム加熱方式の加熱定着装置
また、特にスタンバイ時に加熱定着装置に電力を供給せず、消費電力を極力低く抑えた方法、詳しくはヒータ部と加圧ローラの間に薄肉のフィルムを介して記録材上のトナー像を定着するフィルム加熱方式による加熱定着方法の1例が特開昭63−313182号公報・特開平2−157878号公報・特開平4−44075号公報・特開平4−204980公報等に提案されている。
【0013】
図11にフィルム加熱方式の加熱定着装置の1例の概略構成を示した。すなわち図11において、定着部材60は、耐熱性のあるステイホルダー(支持体)62に固定支持させた加熱部材(加熱体、以下ヒータと記す)61と、該ホルダー62にルーズに外嵌させた耐熱性の薄肉フィルム(以下、定着フィルムと記す)63等から構成されており、所定のニップ幅のニップ部(定着ニップ部)Nを形成するため、不図示の加圧手段により加圧部材としての弾性加圧ローラ50との間に所定の加圧力を付与させてある。
【0014】
ヒータ61はアルミナ等のセラミック基板に通電発熱抵抗層およびガラス層、ポリイミド層等の保護層を形成して構成されており、通電発熱抵抗層に対する通電により加熱され、ヒータ61の背面に配置した温度検知手段64を含む温調系により所定の温度に温調される。
【0015】
定着フィルム63は不図示の駆動手段あるいは加圧ローラ50の回転力により、定着ニップ部Nにおいてヒータ61面に密着・摺動しつつ矢印の方向に搬送移動される、円筒状あるいはエンドレスベルト状、もしくはロール巻きの有端ウエブ状の部材である。
【0016】
ヒータ61を所定の温度に加熱・温調させ、定着フィルム63を矢印の方向に搬送移動させた状態において、定着ニップ部Nの定着フィルム63と加圧ローラ50との間に被加熱材としての未定着トナー像を形成担持させた記録材Pを導入すると、記録材Pは定着フィルム63の面に密着して該定着フィルム63と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送される。この定着ニップ部Nにおいて、記録材・トナー像がヒータ61により定着フィルム63を介して加熱されて記録材P上のトナー像が加熱定着される。定着ニップ部Nを通った記録材部分は定着フィルム63の面から剥離して搬送される。
【0017】
定着フィルム63は、定着ニップ部Nにおいてヒータ61の熱を効率よく被加熱材としての記録材Pに与えるため、厚みは20〜70μmとかなり薄くしている。定着フィルム63は図12に示すようにフィルム基層63a、導電性プライマ層63b、離型性層63cの3層構成で構成されており、フィルム基層63a側がヒータ側であり、離型性層63cが加圧ローラ50側である。
【0018】
フィルム基層63aは絶縁性の高いポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等の樹脂フィルムあるいは、薄肉のSUS、Ni等の金属製フィルムであり、耐熱性、高弾性を有しており、可撓性のある厚み15〜60μm程度で形成されている。また、フィルム基層63aにより定着フィルム63全体の引裂強度等の機械的強度を保っている。
【0019】
導電性プライマ層63bは厚み2〜6μm程度の薄い層で形成されており、定着フィルム全体のチャージアップを防止するため、電気的にアースに接続されているかもしくはダイオード接続やバイアス印加手段と接続されている。
【0020】
離型性層63cは定着フィルム63に対するトナーオフセット防止層であり、離型性の良好なPFA、PTFE、FEP等のフッ素樹脂を厚み5〜10μm程度に被覆して形成してある。また、上記の定着ローラ40(図10)と同様に定着フィルム63表面のチャージアップを軽減し、静電オフセットを防止するため、離型性層63c中には比抵抗が103Ωcm〜106Ωcm程度のカーボンブラック等の導電部材が混入されている。
【0021】
また、加圧部材50は上述した定着ローラ方式の加熱定着装置の加圧ローラ50と同様の構成をしている。
【0022】
以上、フィルム加熱方式の加熱定着装置では、スタンバイ中にヒータ61への通電を行わず、画像形成装置がプリント信号を受信してから記録材Pが定着ニップ部Nに到達するまでの間に急速にヒータ61への通電により定着可能な温度まで加熱することで、記録材P上の未定着トナー像を加熱定着することが可能であり、省エネを満足する加熱定着手段である。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら昨今では、記録材として使用される種類も多くなり、厚み、表面性、記録材の抵抗等、多種多様になってきている。これにより、画像形成プロセスの加熱定着装置における加熱定着工程においても様々な画像問題が発生しており、様々な構成で回避してきた。
【0024】
例えば上記従来例の加熱定着装置において、定着ニップ部に記録材が突入する際、記録材上の未定着トナー像が記録材搬送方向と反対方向に飛び散る現象(以下、定着尾引きと記す)が発生することがある。該定着尾引きの発生メカニズムを図13を用いて説明する。図13において該定着尾引きは記録材Pに含有する水分が、定着ニップ部Nで急激に加熱されることで水蒸気となり、発生した水蒸気の勢い80によって定着ニップ突入前の記録材P上の未定着トナー画像のトナーTが記録材搬送方向と反対の方向に吹き飛ばされることによって発生し、特に高湿環境で記録材Pの含水率が高く、画像パターンが横ラインの画像でライン幅が太く、未定着トナー画像のトナー載り量が多い状態のときに発生しやすい不良画像である。また、該定着尾引きは画像形成装置の高速化に伴って記録材Pから発生する水蒸気の勢い80が強くなり、程度が悪化することがわかっている。
【0025】
上記定着尾引きを改善するための一例を以下に示す。すなわち、図10および図11に示すように定着部材40あるいは60と加圧部材としての加圧ローラ50によって形成される定着ニップ部Nよりも記録材搬送方向下流側には、排紙ゴムローラ71および排紙コロ72が対に構成されており、定着ニップ部Nから排出した記録材Pを挟持搬送している。また、排紙ゴムローラ71は導電性ゴム部材から成り、該排紙ゴムローラ71は電気的に接地状態としてある。あるいは接地状態のブラシ状の導電性部材等を定着ニップ部Nよりも記録材搬送方向下流側に、記録材Pが搬送中に接触して搬送されるように配置する。また、上記従来例において、定着ローラ40の中空芯金42や定着フィルム63の導電性プライマ層63bには未定着トナー画像と同極性のバイアスが不図示のバイアス印加手段によって印加されている。
【0026】
これにより、記録材Pが定着ニップ部Nを通過し、導電性排紙ゴムローラ71と接触することで、記録材を介して電流経路が形成され、定着ローラ40あるいは定着フィルム63と記録材Pの間で電圧降下が生じ、これによって発生する電界が未定着トナー画像の記録材Pへの保持力を高めることで定着尾引きを防止している。
【0027】
しかしながら、上記定着尾引きが発生しやすい画像形成装置が高速化された場合においては、上記定着尾引きを防止するためには、定着ローラ40あるいは定着フィルム63と記録材Pの間で発生する電圧降下を大きくする必要があり、定着ローラ40の中空芯金42あるいは定着フィルム63の導電性プライマ層63bへ印加するバイアス値を大きく設定し、記録材Pを介して形成された電流経路に多くの電流を流す必要があった。
【0028】
しかし、上記のように記録材Pを介して定着ローラ40の中空芯金42あるいは定着フィルム63の導電性プライマ層63bと導電性排紙ゴムローラ71間で記録材Pを介して電流経路を形成する構成の場合、電流経路に過電流が流れると、定着ニップ直後のトナーに対して帯電極性と逆極性の電荷が注入されることとなり、トナーの極性が反転してしまうため定着ローラ40あるいは定着フィルム63へ付着しやすい状態となり、トナー汚染を発生させる原因となってしまっていた。
【0029】
定着ローラ40や定着フィルム63の表面に特にクリーニング手段を具備しない低コストの加熱定着装置の場合、大量の記録材を加熱定着することで、徐々に定着ローラ40あるいは定着フィルム63あるいはこれらに当接される加圧ローラ50にトナー汚染が蓄積され、蓄積されたトナーが時折記録材上に吐き出され(以下、ブロッブスと記す)、不良画像を発生することがあった。
【0030】
そこで本発明の目的は、上記のような加熱定着装置において、定着尾引きを改善し、かつ定着部材表面に付着するトナーの量を軽減し、ブロッブス等の不良画像が発生しない加熱定着装置を提供することである。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする加熱定着装置である。
【0032】
(1)記録材上に担持された未定着トナー像と接触する定着部材と、前記定着部材に圧接して、前記未定着トナー像が形成された記録材を挟持搬送するための定着ニップ部を形成する加圧部材と、前記定着ニップ部よりも記録材搬送方向下流側で記録材に接触する導電部材と、前記導電部材と前記定着部材の少なくとも一方に電圧を印加する印加手段と、を有し、前記印加手段によって電圧が印加されていることにより前記導電部材と前記定着部材の両方に記録材が接触している時に記録材を介して前記導電部材と前記定着部材との間に電流経路が形成され未定着トナー像を記録材に引き付けている加熱定着装置において、
複数枚の記録材を連続プリントする場合、連続プリント枚数が増加するに連れて生じる前記定着ニップ部と前記導電部材の間の記録材の抵抗値の低下に応じて前記印加手段は印加する電圧を徐々に下げることを特徴とする加熱定着装置。
【0033】
(2)前記印加手段は、先行の記録材と後続の記録材との間の記録材間の、前記定着部材と前記加圧部材が記録材を介さずに直接接触する期間は、前記電圧をOFFすることを特徴とする(1)に記載の加熱定着装置。
【0034】
(3)前記印加手段は、前記定着部材にトナーの帯電極性と同極性の電圧を印加しており、記録材先端が前記導電部材に接触する前の前記定着部材と前記加圧部材の電位差が、記録材が前記導電部材に接触して前記電流経路が形成されている時の前記定着部材と前記加圧部材の電位差より大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱定着装置。
【0036】
(4)使用環境の温度あるいは湿度の少なくとも一方を検知する環境検知手段を有しており、前記印加手段は、前記環境検知手段の検知結果に応じて、前記電圧を設定することを特徴とする(1)から(3)のいずれか1項に記載の加熱定着装置。
【0037】
(5)前記印加手段は、記録材の搬送速度に応じて前記電圧を設定することを特徴とする(1)から(4)のいずれか1項に記載の加熱定着装置。
【0038】
(6)前記印加手段は、記録材の搬送速度が遅い場合は記録材の搬送速度が速い場合よりも前記電圧を小さく設定し、かつ記録材の抵抗値の低下に応じて徐々に低く設定される前記電圧の低下量を、搬送速度が速い場合よりも遅い場合を少なく設定することを特徴とする(1)から(5)のいずれか1項に記載の加熱定着装置。
(7)前記定着部材は加熱部材と、前記加熱部材と接触しつつ回転する定着フィルムを有し、前記定着フィルムを介して前記加熱部材と前記加圧部材で前記定着ニップ部を形成することを特徴とする(1)から(6)のいずれか1項に記載の加熱定着装置。
【0039】
〈作 用〉
複数枚の記録材を連続プリントする場合、連続プリント枚数が増加するに連れて生じる定着ニップ部と導電部材の間の記録材の抵抗値の低下に応じて印加手段は印加する電圧を徐々に下げる構成により、定着ニップ部に水蒸気が充満して記録材の抵抗値が下がっても定着部材へのトナー付着を抑えることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
〈第1の実施例〉
(1)画像形成装置例
図1は本実施例における画像形成装置の構成略図である。本例の画像形成装置は電子写真プロセス利用のレーザプリンタである。
【0041】
1は感光ドラムであり、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基盤上に形成されている。
【0042】
感光ドラム1は矢印の方向に回転駆動され、まず、その表面は帯電装置としての帯電ローラ2によって一様帯電される。
【0043】
次に、その回転感光ドラム1の一様帯電面に対してレーザスキャナユニット3によりレーザビーム走査露光Lが施こされて画像情報の静電潜像が形成される。感光ドラム1に対するレーザビーム走査露光Lは画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザビームがレーザスキャナユニット3内で回転するポリゴンミラーにより反射されてなされる。
【0044】
この静電潜像は、現像装置4で現像、可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
【0045】
可視化されたトナー像は、転写装置としての転写ローラ5により、不図示の給紙機構部から所定のタイミングで搬送された記録材P上に感光ドラム1上より転写される。ここで感光ドラム1上のトナー像の画像形成位置と記録材の先端の書き出し位置が合致するようにトップセンサ8にて記録材Pの先端を検知し、タイミングを合わせている。所定のタイミングで搬送された記録材Pは感光ドラム1と転写ローラ5に一定の加圧力で挟持搬送される。
【0046】
このトナー像が転写された記録材Pは加熱定着装置6へと搬送され、画像定着される。
【0047】
一方、感光ドラム1上に残存する転写残りの残留トナーは、クリーニング装置7により感光ドラム1表面より除去される。
【0048】
(2)加熱定着装置6
図2は加熱定着装置6の概略構成模型図である。本例の加熱定着装置6は、特開平4−44075〜44083、4−204980〜204984号公報等に開示の、移動部材として円筒状(エンドレスベルト状)・可撓性の定着フィルムを用いた、フィルム加熱方式、加圧用回転体駆動方式(テンションレスタイプ)の加熱装置である。
【0049】
1)装置6の全体的構成
10は定着部材(定着ユニット、定着フィルムアセンブリ)、20は加圧部材としての弾性加圧ローラであり、両者10・20の圧接により定着ニップ部Nを形成させている。
【0050】
定着部材10は図面に垂直方向を長手とする部材であり、横断面略半円弧状樋型の耐熱性・剛性・断熱性を有するステイホルダー(支持部材)12と、このステイホルダー12の下面に、該部材の長手に沿って設けた凹溝部に嵌め入れて固定して配設した、加熱体(加熱部材)としてのセラミックヒータ11と、該ヒータ11を取り付けたステイホルダー12にルーズに外嵌した移動部材としての、熱容量の小さな、円筒状の可撓性・耐熱性の定着フィルム13等からなる。
【0051】
ステイホルダー12は加熱用ヒータ11を保持し、定着ニップ部Nと反対方向への放熱を防ぐための断熱性部材であり、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等の耐熱性樹脂により形成されている。また定着フィルム13の回転案内部材の役目もしている。
【0052】
加圧部材としての弾性加圧ローラ20は、SUS、SUM、Al等の金属製芯金21と、その外側に好ましくは導電性部材を分散させたシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムあるいはシリコンゴムを発泡して形成された弾性層22からなり、この上にPFA、PTFE、FEP等の離型性層23を形成してあってもよい。
【0053】
加圧ローラ20は加熱定着に必要な定着ニップ部Nを形成するべく上記の定着部材10のヒータ11の下面方向に不図示の加圧バネ等の加圧手段により長手方向両端部から、定着フィルム13を挟ませてヒータ11の下面に対して十分に加圧されている。
【0054】
加圧ローラ20は不図示の駆動手段により矢印の反時計方向に所定の周速度で回転駆動される。この加圧ローラ20の回転駆動による該加圧ローラ20の外面と定着フィルム13との、定着ニップ部Nにおける圧接摩擦力により円筒状の定着フィルム13に回転力が作用して該定着フィルム13がその内面側がヒータ11の下向き面に密着して摺動しながらステイホルダー12の外回りを矢印の時計方向に従動回転状態になる。
【0055】
加圧ローラ20が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着フィルム13が従動回転状態になり、またヒータ11に通電がなされ、該ヒータ11が昇温して所定の温度に立ち上がり温調された状態において、定着ニップ部Nの定着フィルム13と加圧ローラ20との間に未定着トナー像を担持した記録材Pが耐熱性の定着入口ガイド15に沿って案内されて導入され、定着ニップ部Nにおいて記録材Pのトナー像担持面側が定着フィルム13の外面に密着してフィルム13と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程において、ヒータ11の熱が定着フィルム13を介して記録材Pに付与され、記録材P上の未定着トナー像が記録材P上に加熱・加圧されて溶融定着される。
【0056】
16は定着フィルム13に対する定着バイアスを導電性ブラシ17を介して印加する可変バイアス印加手段、24は加圧ローラ20の金属製芯金21に接続したダイオード等の整流子である。
【0057】
25、26は定着ニップ下流側に配置された導電性排紙ゴムローラと、排紙コロであり、定着ニップ部Nから排出された記録材Pを挟持搬送するローラ対である。本実施例においては、上記の導電性排紙ゴムローラ25が、定着ニップ部よりも記録材搬送方向下流側で記録材に接触する導電部材である。導電性排紙ゴムローラ25はアルミ等の金属製芯金にシリコンゴム等の耐熱ゴムにカーボンブラック等の導電性付与部材が分散されたゴム層が形成されており、該導電性ゴムは比抵抗が1×106Ω以下の導電性を付与されている。
【0058】
27は記録材Pが定着ニップ部Nから排出されたことを検知する排紙センサである。
【0059】
100は画像形成装置の制御回路部であり、画像形成装置全体の作像動作シーケンス制御を司る。前記の可変バイアス印加手段16はこの制御回路部100に設定した制御プログラムに従って定着フィルム13に対する印加定着バイアスが記録材搬送枚数等の状態に応じて適切になるように制御される。これについては後記(3)項・(4)項で詳述する。
【0060】
2)加熱用ヒータ11
ヒータ11はアルミナ、AlN等のセラミック材料より形成される高熱伝導性基板の定着ニップ部Nと反対側もしくは、ニップ側に、長手方向に沿って、例えばAg/Pd(銀パラジウム)、Ni/Cr、RuO2、Ta2N、TaSiO2等の導電剤とガラス、ポリイミド等のマトリックス成分からなる通電発熱抵抗層をスクリーン印刷、蒸着、スパッタリング、メッキ、金属箔等により、厚み10μm程度、幅1〜5mm程度の線状もしくは細帯状で弓状に塗工して形成されている。
【0061】
また通電発熱抵抗層の上には、耐熱性のポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、ガラス等の絶縁性保護層を形成してある。
【0062】
また、定着ニップ側の定着フィルム13と摺擦する部分には、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、FEP(テトラフルオロエチレン ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(エチレン テトラフルオロエチレン共重合体)、CTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)等のフッ素樹脂層を単独ないし、混合して被覆するか、あるいはグラファイト、二硫化モリブデン等からなる乾性被膜潤滑剤、ガラス、DLC(ダイアモンドライクカーボン)等を薄く塗布あるいは蒸着することによって形成された摺動層を設けてあっても良い。これにより、定着フィルムと加熱用ヒータは低摩擦係数で滑らかに摺動することが可能になる。あるいは、高熱伝導基板の定着フィルムと摺動する面の表面粗さを所定以下に抑え、潤滑性グリース等により摺動性を確保し、熱抵抗を小さく抑えることで熱効率を向上させる構成であっても良い。
【0063】
加熱用ヒータ11は、通電発熱抵抗層に対する通電による発熱で迅速に加熱され、その昇温が温度検知素子14により検知され、該温度検知素子14を含む温調系により通電発熱抵抗層に対する通電が制御されて所定の定着温度に温調される。
【0064】
3)定着フィルム13
定着フィルム13は熱容量の小さな可撓性の部材であり、クイックスタートを可能にするために総厚100μm以下の厚みの耐熱性フィルムである。図3に示すように、基層13aとしてポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等の耐熱性樹脂、あるいは耐熱性、高熱伝導性を有するSUS、Al、Ni、Ti、Zn等の金属部材を単独ないし複合して形成してある。
【0065】
樹脂製の基層13aの場合には、熱伝導性を向上するために、BN、アルミナ、Al等の高熱伝導性粉末を混入してあっても良い。
【0066】
また、長寿命の定着フィルム13を構成するために充分な強度を持ち、耐久性に優れた基層13aとして、総厚20μm以上の厚みが必要である。よって定着フィルム13の総厚みとしては20μm以上100μm以下が最適である。
【0067】
さらにオフセット防止や記録材の分離性を確保するために表層には、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、FEP(テトラフルオロエチレン ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(エチレン テトラフルオロエチレン共重合体)、CTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂等の離型性の良好な耐熱樹脂を混合ないし単独で離型性層13cを被覆してある。
【0068】
該離型性層13cは、カーボンブラック、イオン導電性物質等の導電性部材が混入されており、比抵抗が1×107〜1×1014Ω・cm程度で厚さが5〜20μm程度被覆されている。被覆の方法としては、例えば基層13aの外面に接着剤である導電プライマ層13bを塗布し、離型性層13cを被覆する等、基層13aもしくはプライマ層13bのどちらかが少なくとも導電性部材より形成されている。導電性プライマ層13bはカーボンブラック等の導電性付与部材が分散されており、比抵抗が1×105Ω・cm以下で厚み2〜10μm程度で形成されている。
【0069】
この定着フィルム13の導電性プライマ層に前記の導電性ブラシ17を接触させてあり、この導電性ブラシ17を介して前記の可変バイアス印加手段から定着フィルム13の導電性プライマ層(定着フィルム導電層)に、記録材搬送枚数等の状態に応じて未定着トナーと同極性の所定の電圧を印加することが可能となっている。
【0070】
(3)定着バイアス制御構成
前記の導電性排紙ゴムローラ25の金属製芯金は電気的に接地された状態となっており、定着フィルム13の導電性プライマ層13bに導電性ブラシ17を介してバイアス印加手段16から印加された電圧との間で所定の電位差を形成しており、記録材Pが定着ニップ部Nおよび排紙ゴムローラ25に接触している間は、排紙ゴムローラ25と定着フィルム13の導電性プライマ層13bの間で電流経路が形成されている。
【0071】
ここで本実施例では、導電性排紙ゴムローラ25で説明しているが、記録材Pと接触する導電性部材は導電性ブラシ、導電性ガイド等どのような形態であっても、定着フィルム13の導電性プライマ層13bとの電位差を生じることで記録材を介して電流経路を形成するものであれば良い。
【0072】
また、加圧ローラ20の金属製芯金21はダイオード等の整流素子24によってトナーの帯電極性と逆極性の電荷が加圧ローラ芯金21や導電性弾性層22に誘起される構成となっていても良い。
【0073】
制御回路部100は、記録材Pを定着ニップ部N内で加熱定着している間は、記録材Pの先端位置の検知を行うトップセンサ8、排紙センサ27の信号を基に、バイアス印加手段16により定着フィルム13の導電プライマ層13bへ所定の定着バイアス印加を実施する。
【0074】
図4は、本実施例の定着装置の定着バイアス制御の説明図であり、定着フィルム13の導電性プライマ層13bにトナーの帯電極性と同極性のDCバイアスをバイアス印加手段16により印加した場合の定着ニップ部Nに、未定着トナーTが転写された記録材Pが突入したときの等価回路の一例である。
【0075】
定着フィルム13の導電性プライマ層13bへのバイアス印加は図2・図3に示したような導電ブラシ17、あるいは不図示の導電ゴムリング等の給電部材を導電性プライマ層13bに接触させることで行い、バイアス印加手段16の出力端から導電プライマ層13b間には保護抵抗として抵抗Rdが接続されている。Rbは、前記給電部材17と導電性プライマ層13b間の接触抵抗、および導電性プライマ層13bの定着ニップ部N付近までの抵抗を示しており、Rfは定着フィルム13の離型性層13cの抵抗を表している。
【0076】
定着ニップ部Nの近傍Pnの領域では、紙などの記録材Pが加熱され、水蒸気が発生しているため、Pn部の電気抵抗は低下して等価回路上、直列につながる他の抵抗に比べ無視できる程小さくなり、Pnの領域では等電位と見なすことができる。
【0077】
定着ニップ部通過後の紙は含水率が低下することから、抵抗値は無視できなくなり、接地電極である排紙ゴムローラ25までの抵抗をRpで表している。
【0078】
また、接地電極である排紙ゴムローラ25の記録材Pとの接触抵抗とアースまでの抵抗はRhで表している。
【0079】
以上の等価回路で定着フィルム13の導電性プライマ層13bにバイアス印加手段16によりバイアスVを印加した場合、抵抗Rd、抵抗Rb、による電圧降下から定着フィルム13の導電性プライマ層13bの定着ニップ部近傍は印加バイアスVより若干低い電位Vnとなる。
【0080】
また、定着フィルム13の導電性プライマ層13bの電位Vnと離型性層13c、記録材P、接地電極である排紙ゴムローラ25を介して接地電位V0との間に電流iが流れ、この結果、導電性プライマ層13bと記録材Pの等電位部Pn間に電界Efが生じる。この電界により、未定着トナー像にはトナーの電荷量qに比例した記録材Pに対する拘束力Ft=q・Efが働き、前記定着尾引き、飛び散り等の画像不良を防止することが可能になる。
【0081】
また、画像形成装置がプリント信号を受信し、連続して未定着トナー画像を加熱定着する連続プリントの場合、特に水蒸気で飽和状態となっていない連続初期の加熱定着時は画像形成装置の転写−定着間を搬送されてきた記録材は、定着ニップ部で水蒸気を放出するものの、定着ニップ部前後では水蒸気が飽和状態にないため、加熱定着直後の記録材の抵抗値Rpが大きく、定着フィルム13の導電性プライマ層13bから接地電極である排紙ゴムローラ25間では電流が流れにくい。
【0082】
ここで連続プリントとは、画像形成装置が停止することなく、有限長さの複数枚の記録材が順次供給手段によって画像形成部、加熱定着部に搬送される場合を示し、詳しくは、図2に示した加熱定着装置の定着ニップ部Nもしくは排紙センサ27を先行の記録材後端が通過した時点で、次の後続の記録材が画像形成装置の記録材供給手段から供給を開始している場合を示す。
【0083】
一方、連続して加熱定着された後続の記録材が搬送される場合には、前に搬送された記録材からの水蒸気により定着ニップ部近傍は水蒸気で充満した状態となっている。特に連続して搬送される記録材の枚数が多くなるにつれ、水蒸気飽和量が多くなる。よって連続時の後半は定着フィルム13の導電性プライマ層13bから接地電極である排紙ゴムローラ25間には電流が流れ易くなる。また、連続搬送時の初期は定着ニップ部近傍の水蒸気量が少ないことから定着ニップ部前の気圧が低く、定着ニップ部Nで発生した水蒸気は強い勢いで定着ニップ部前に発生し易い。
【0084】
以上のことから、バイアス印加手段16によって印加するバイアス電圧Vが同一の場合には、連続プリントの初期においては、定着尾引きが発生し易く、一方連続プリントの後半では、定着尾引きの発生が軽微になる。
【0085】
また、定着ニップ部Nは高温であり、その周囲に充満した水蒸気は定着ニップ部付近では水滴となりずらく、特に画像形成装置に機内冷却のためのファン等がある場合には、ファンによる風の流れによって数秒で機外へ吐き出されてしまう。よって、画像形成装置の記録材供給間隔が空いた場合には、定着ニップ部前後の状態は、連続プリント初期の状態に戻ってしまう。
【0086】
以上のことから、必要な電流量を発生させるように定着フィルム13の導電性プライマ層13bへの印加バイアスを大きく設定すれば、定着尾引き画像の発生は抑えられるが、一方で、印加バイアスが大きい場合、特に連続プリントの後半で接地電極の排紙ゴムローラ25から記録材Pを介して定着フィルム13の導電性プライマ層13bへ過剰な電流が流れ、定着ニップ部直後のトナーに電荷が注入され定着ニップ部前の電位から逆転させてしまい、トナー画像を記録材から定着フィルム表面にオフセットさせてしまう等の弊害が生じてしまう。特に連続プリントが続き、トナー画像の定着フィルム上への転移が多くなると定着フィルム上あるいは、記録材の搬送合間(紙間:先行の記録材と後続の記録材との間の記録材間の、定着フィルム13と加圧ローラ20が記録材を介さずに直接接触する期間)において、定着フィルム13からトナーが転移した加圧ローラ20上にはトナー汚染が蓄積され、やがて記録材上に吐き出され、不良画像を発生してしまう。
【0087】
そこで本実施例では、連続して記録材を加熱定着する場合、定着フィルム13の導電性プライマ層13bと接地電極である排紙ゴムローラ25との電位差を連続プリント枚数に応じて徐々に小さくなるように、バイアス印加手段16による発生電圧を記録材連続搬送枚数に応じて下げることを特徴としている。
【0088】
本実施例におけるバイアス印加のタイミングチャートを図5に示す。図において、定着ニップ部に挟持搬送されている連続プリント時の記録材の枚数に応じて、
▲1▼.1〜20枚目までは、定着フィルム13の導電性プライマ層13bに印加するバイアス値をVf1とし、
▲2▼.その後は記録材の連続枚数に応じて21〜50枚目をVf2、
▲3▼.51〜80枚目をVf3、
▲4▼.81枚目以降をVf4、
と順にバイアス値を下げている。
【0089】
また、前回転(画像形成装置にプリント前動作を実行させる期間)、紙間、後回転(画像形成装置にプリント後動作を実行させる期間)等の定着ニップ部に記録材を介さずに定着フィルム13が加圧ローラ20と直接接触するとき、定着フィルム13にトナーと同極性のバイアスを印加しておくと、定着フィルム上に付着した微少オフセットが紙間等で静電気的に加圧ローラ20側に転移し易くなる。加圧ローラ側にトナーが付着すると次の記録材に転移しにくく、蓄積されてしまい、蓄積が多くなると目に見える大きさで記録材上に吐き出されることがある。
【0090】
これを避ける目的としては、例えば図6に示すように、主に記録材が定着ニップ部に挟持搬送されている時にだけ定着バイアスを印加した方が良い。すなわち図において、記録材が定着ニップ部に挟持搬送されている時を太線で示してあり、このタイミングに対して、トップセンサ8、排紙センサ27のセンシングのタイミング、バイアス印加タイミングを示している。センサ類のONが各センサで記録材がセンサ部に存在していることを示している。
【0091】
図より定着フィルム13の導電性プライマ層13bへのバイアス印加タイミングはトップセンサ8で記録材Pの先端を検知したのち、トップセンサON位置から定着ニップ部Nまでの距離を搬送速度で割った時間T1と同等かT1より少し少ない時間だけ遅らせてバイアス印加手段16にバイアス印加を開始する。
【0092】
また、定着バイアスOFFに関しては、トップセンサ8で記録材Pの後端を検知した後、トップセンサOFF位置から定着ニップ部Nまでの距離を搬送速度で割った時間T2後にバイアス印加手段によるバイアス印加をOFFさせることで行う。
【0093】
定着バイアスの値は記録材が定着ニップ部Nに挟持搬送されている間はVfという値でトナーと同極性のバイアスを定着フィルム13の導電性プライマ層13bに印加している。このVfの値を連続プリント時の記録材搬送枚数に応じて徐々に下げることによって、記録材上のトナー像の定着直後の電荷注入を低減し、かつ定着尾引きを防止する。
【0094】
連続プリントとは先述した通りの定義であり、先行の記録材後端が定着ニップを抜けて排紙センサ27を通過した際に、後続の記録材が供給手段によって画像形成装置内に供給されない場合には、連続プリントは終了したと判断し、その後に再度画像形成装置がプリント信号を受信し、記録材供給が開始された場合には、上記バイアス設定は初期の状態に戻す。
【0095】
(4)効果の確認
本実施例での効果を確認するため、以下の実験を実施した。
【0096】
1)使用した画像形成装置(図1)は、記録材搬送スピードが250mm/secのレーザービームプリンタであり、現像装置においてトナーをマイナス帯電させてジャンピング現像法により感光ドラム上にトナー画像を形成し、転写ローラで記録材上に画像を形成する装置である。
【0097】
2)定着装置(図2・図3)としては、上記定着フィルム13は外径30mmの厚み40μmのSUS304材を筒状に形成した部材を基層13aとし、その外面に導電性プライマ層13bを4μm塗布し、さらに導電部材を分散したPFAを離型性層13cとして10μm形成し、該離型性層13cの比抵抗を1×109Ω・cmとした。
【0098】
また、加圧ローラ20は外径22mmのアルミ芯金21の外面に、厚み4mm、外径30mmの導電性シリコンゴムよりなる弾性層22を形成し、更に外層23には厚み40μmの絶縁PFAチューブを形成した。
【0099】
3)実験は、上記金属製定着フィルム13の導電性プライマ層13bにバイアス印加手段16によりトナーと同極性のバイアスを印加し、連続してプリントした際に該バイアス値を記録材の加熱定着枚数に応じて変化させたときの、定着尾引きのレベル比較、定着フィルム表面および加圧ローラ表面に付着蓄積したトナーの量を観察、比較した。
【0100】
定着尾引きは、各枚数においてバイアスを変化させたときの最初の1枚目のレベル(1、21、51、81枚目)を比較し、蓄積トナー量の比較は500枚補給の給紙カセットにて500枚連続を1ジョブとして、1ジョブ毎に1分間の休止時間をおいて、20ジョブ連続して続けた場合のフィルム上および加圧ローラ上のトナー汚れの蓄積を比較した。
【0101】
定着バイアスは一旦停止後は枚数カウンタは初期状態となり、バイアス印加手段16によるバイアス値は初期状態に戻る。よって各500枚のジョブに対しては同様のバイアス値を印加させてある。
【0102】
4)表1に実験1〜3の各実験における連続プリント時の各枚数毎のバイアス値を以下に示す。
【0103】
【表1】
【0104】
5)各バイアス印加時の定着尾引き、トナー汚染の比較結果を表2に示す。表2において数値はランクを示し、5は全く問題のないレベル、4は微少に発生しているレベル、3は許容レベル、2は悪いことが確認できるレベル、1は劣悪レベルを示す(後記の表5、表7、表10も同様の表記とする)。定着尾引きの評価は記録材のほぼ中央位置での評価とした。
【0105】
【表2】
【0106】
以上の結果より、連続プリントの場合に定着バイアス値を−1000Vのまま変更しない実験1では定着尾引きはレベルが良いがトナー汚染に問題があり、10ジョブ目から記録材上にトナー汚れも観察された。
【0107】
また、バイアスの低下量が大きい実験3では、トナー汚染は全く発生しなかったが、定着バイアスを下げすぎたため、途中から劣悪レベルの定着尾引きが発生してしまった。この結果より連続プリント時に適度な範囲で徐々に定着バイアス値を下げることによってトナー汚染を発生させず、定着尾引きを満足することが可能になる。
【0108】
6)また、本実施例では、定着フィルム13の導電性プライマ層13bにのみにトナーと同極性のバイアスを印加する方法について説明したが、以下に示すように加圧ローラ導電層および定着ニップ下流側に位置した記録材と接触する導電性部材にトナーと逆極性のバイアスを別途バイアス印加手段によって印加する系であっても構わない。
【0109】
すなわち図7において、加圧ローラ20は金属性芯金21の外層にカーボン等の導電性部材を分散した導電性のシリコンゴム等の弾性層22を形成し、その外側にはPFA等の絶縁性の耐熱性チューブが離型性層23として形成されており、該加圧ローラ芯金21には第2のバイアス印加手段28が接続されている。
【0110】
また、該第2のバイアス印加手段28と加圧ローラ芯金21の間にはダイオード等の整流素子24が介在してある方が良い。
【0111】
また、上記第2のバイアス印加手段28は加圧ローラ芯金21にトナーと逆極性のバイアス(定着バイアスB)を供給するとともに、定着ニップ下流側に配置した導電性排紙ゴムローラ25の金属製芯金に同時にバイアス印加する構成であっても構わない。ただし、これらの印加電圧、詳しくは加圧ローラ芯金への印加バイアスおよび導電性排紙ゴムローラへの印加バイアスの印加電圧の値は異なっていても構わず、バイアス印加手段28をそれぞれ別途に用意してあっても一向に差し支えない。
【0112】
以上の構成により定着フィルム13の導電性プライマ層13bに第1のバイアス印加手段16によりトナーと同極性のバイアスを印加(定着バイアスA)するとともに、加圧ローラ20および排紙ゴムローラ25の芯金には第2のバイアス印加手段28によりトナーと逆極性のバイアス(定着バイアスB)を印加する。
【0113】
バイアス印加のタイミングチャートを図8に示す。図において定着バイアスAは先述したように第1のバイアス印加手段16から定着フィルム13の導電性プライマ層13bへのバイアスであり、トナーと同極性のバイアス値Vfを記録材が定着ニップに挟持搬送時に印加する。また、定着バイアスBは第2のバイアス印加手段28からの加圧ローラ20の芯金21へのバイアスと定着ニップ下流に位置する導電性排紙ゴムローラ25へのバイアスを示す。よって加圧ローラ芯金21、導電性排紙ゴムローラ25にはバイアス値Vpが印加される。
【0114】
ここでバイアス印加のタイミングは、図8に示すように記録材の先端をトップセンサ8で検知後に所定の時間経過してから定着バイアスAおよびBをほぼ同時に印加する。それぞれのバイアス値はVf、Vpであり、Vfはトナーと同極性のバイアス値、Vpはトナーと逆極性のバイアス値を印加する。また、記録材が定着ニップから排出されるタイミング、詳しくはトップセンサ8において記録材の後端を検知後に所定時間経過した時点でそれぞれのバイアスをOFFする。
【0115】
また、上記バイアス値VfあるいはVpの少なくとも一方は可変バイアスであり、連続プリント時に加熱定着される枚数に応じて定着フィルム13の導電性プライマ層13bと加圧ローラ20の芯金21あるいは導電性排紙ゴムローラ25との電位差を徐々に下げることで先述したように定着尾引きを改善しトナー汚染を防止する効果が得られる。
【0116】
また、上記加圧ローラ20および定着ニップ下流の導電性部材にトナーと逆極性のバイアスを印加する場合には、定着フィルム13の導電性プライマ層13bは電気的に接地状態としても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0117】
〈第2の実施例〉
以下に第2の実施例について説明する。画像形成装置全体の構成は前記第1の実施例で示した図1と同様であり、加熱定着装置内の構成も前記第1の実施例で示した図2、図3、および図7と同様であるため説明を省く。
【0118】
本実施例では、記録材先端が定着ニップ部Nに挟持された状態で、定着ニップ部下流側に位置した導電性部材25まで記録材先端が達していない状態において、定着フィルム13の導電性プライマ層13bと加圧ローラ導電性弾性層の間の電位差を大きく設定することで、記録材先端の定着尾引きを防止することを特徴としている。
【0119】
本実施例の説明を図7の加熱定着装置構成および図9のタイミングチャートで説明する。図7において定着フィルム13の導電性プライマ層13bにはトナーと同極性の定着バイアスAがバイアス印加手段16によって印加され、一方加圧ローラ20の芯金21および定着ニップ下流側に配置した導電性排紙ゴムローラ25にはトナーと逆極性の定着バイアスBがバイアス手段28によって印加される。このとき、図9に示すように、定着バイアスAは記録材先端をトップセンサ8が検知後に所定時間経過後、記録材先端が定着ニップ部Nに突入する直前にバイアス値Vfで印加され、一方定着バイアスBは定着バイアスAとほぼ同時期にバイアス値Vbで印加され、記録材先端が図7の排紙センサ27に検知された時点でVbより小さいバイアス値Vpに切り換えてバイアスを印加する。
【0120】
また、記録材Pが定着ニップ部Nおよび排紙ローラ25に接触している状態での上記バイアス値VfあるいはVpの少なくとも一方のバイアス値を連続プリント時には定着枚数に応じて徐々に下げることで、定着フィルム13の導電性プライマ層13bおよび定着ニップ下流の導電性部材間での電位差を徐々に小さくして記録材を介した電流経路に流れる電流量をコントロールする。
【0121】
以上により前記第1の実施例で示したように連続プリント時には定着フィルム13および加圧ローラ20へのトナー汚染を発生させることなく良好な画像形成が可能になる。
【0122】
また、本実施例の特徴として、記録材先端が定着ニップ下流に配置した導電性部材25に接触するまでの記録材先端の画像に対しては、バイアス値VfおよびVbに応じた電位差が確保でき、これにより未定着トナー画像の記録材上への拘束力を増加させることにより、記録材先端での定着尾引きをも改善させることが可能になる。
【0123】
また、加圧ローラ芯金21にはダイオード等の整流素子24が接続されており、定着バイアスBがVbからVpに切り替わっても加圧ローラ芯金21や導電性弾性層22はすぐに低い電位に落ち込まないのでVbからVpへのバイアス電圧の切り替わりで画像不良を起こすことはない。
【0124】
記録材先端での定着尾引き改善効果を確認し、この時の定着フィルムおよび加圧ローラ上のトナー汚染を確認するため、それぞれの定着バイアスVf、Vb、Vpを振って確認を行った。確認に用いた加熱定着装置の構成およびトナー汚染の確認方法は前記第1の実施例で示した構成と同様のため説明を省く。
【0125】
なお、トナー汚染に関しては、前記第1の実施例の結果よりある程度予測がついたので、前記第1の実施例のVfの電位差を本実施例ではフィルム側と加圧ローラ側で分割しそれぞれVfおよびVpのバイアス値を表3の設定として共通とした。
【0126】
また、連続プリントの定義は前記第1の実施例と同様であり、また、該連続プリントが一旦途切れた時点で表3のバイアス設定は1枚目に戻る設定となっている。
【0127】
【表3】
【0128】
表4に実験4〜7の各実験の設定バイアスVbを示す。
【0129】
【表4】
【0130】
表5にバイアスを振った時の記録材先端の定着尾引きの結果、および連続プリントした場合の定着フィルム上、および加圧ローラ上のトナー汚染の比較結果を示す。
【0131】
【表5】
【0132】
以上の結果より、導電排紙ゴムローラ25に記録材先端が達する前の電流経路がない状態の時には、記録材先端の定着尾引きは厳しく、第1の実施例と同様のバイアス設定にした実験4であっても先端の定着尾引きは記録材の中央付近に比べて1ランク低下してしまうことがわかる。
【0133】
一方、先端のみバイアス値を上げることで、定着フィルム13の導電性プライマ層13bと加圧ローラ導電性弾性層の間の電位差を大きく保つことで、記録材の先端における定着尾引きに対して有利となることがわかる。
【0134】
ただし、一方で先端のみではあるが、電位差をあまり大きく保つ状態にしてくるとトナー汚染が悪化してしまう。これは、記録材として紙を使用した場合に、紙のコバ部で強いバイアスによって紙粉が定着フィルム上あるいは加圧ローラ上に付着しやすくなるからである。通常カット紙では紙コバ部から裁断の影響により紙粉が発生し易く、これにより定着フィルムあるいは加圧ローラに紙粉が多く溜まると定着フィルムあるいは加圧ローラ表面の離型性が低下し、トナー汚染し易くなる。
【0135】
よって、記録材先端が定着ニップに挟持搬送され、定着ニップ下流側の導電性部材に接触する前の状態において、定着フィルムの導電性プライマ層と加圧ローラ導電性弾性層の間に適度な電位差を持たせることで、定着フィルム上や加圧ローラ表面にトナー汚染を発生させずに記録材先端の定着尾引きを改善することが可能となる。特に記録材が定着ニップ下流側の導電性部材に接触しているときに比べて上記電位差を大きく保つことで、記録材先端のみが定着尾引きが悪くなるようなことはなくなる。
【0136】
また本実施例では、定着フィルムの導電性プライマ層と加圧ローラ芯金および導電性弾性層、導電性排紙ゴムローラのそれぞれにバイアス印加する系で説明したが、同様の電位差を設定できる方法であれば、どのようなバイアス印加する形態であっても構わない。すなわち、記録材先端が定着ニップ直後の導電性部材に接触する前の定着フィルムの導電性プライマ層と加圧ローラ導電性弾性層の間の電位差を、記録材が導電性部材に接触している時の定着フィルムの導電性プライマ層と該導電性部材の電位差より大きく設定する方法であれば、その形態は問わない。
【0137】
〈第3の実施例〉
以下に第3の実施例について説明する。画像形成装置全体の構成は前記第1の実施例で示した図1と同様であり、加熱定着装置内の構成も前記第1の実施例で示した図2、図3、および図7と同様であるため説明を省く。
【0138】
本実施例では、画像形成装置の使用される環境に応じて定着バイアスの設定値を変更することを特徴とする。
【0139】
通常、前記第1の実施例および第2の実施例で示した定着尾引きに関しては、記録材としての紙への含水率が多い程、悪化する傾向がある。これは、紙中に含まれる水分が定着ニップ部で加熱され水蒸気となって記録材上の未定着トナー画像を吹き飛ばすメカニズムから容易に想像がつく。
【0140】
一方で、定着部材や加圧部材へのトナー汚染に関しては、静電気的な要因が大きく関与しており、特に低湿環境においては、トナーが電界の影響を受けやすく、トナー汚染し易い。
【0141】
以上のことから、本実施例では、温度/湿度等の環境を検知する手段を有する画像形成装置において、その環境に応じて定着バイアスの設定値を変更するとともに、連続プリント中の枚数に応じて定着バイアスを徐々に下げることで、定着尾引きとトナー汚染に対して画像不良のない高品質の画像形成装置を提供する。
【0142】
本実施例における説明を前記第1の実施例で示した図2の加熱定着装置および図6のバイアスタイミングチャートを用いて説明する。
【0143】
画像形成装置は環境検知手段として温度検知手段あるいは湿度検知手段の少なくとも1つの検知手段を有しており、画像形成装置の使用される環境(使用環境)を検知する。図2において101はその環境検知手段であり、この環境検知手段101の検知する環境情報が制御回路部100に入力する。制御回路部100は、環境検知手段101の検知する環境情報(検知結果)を、例えば温度15℃、湿度10%以下の低湿環境(以下L/L環境)、温度30℃、湿度80%以上の高湿環境(以下H/H環境)を切り分けることができる。またこの間の状態の場合には常湿環境(以下N/N環境)として判断する。よってL/L環境では定着尾引きは発生しにくいため、トナー汚染に対して有利なバイアス設定とし、一方H/H環境では定着尾引きに対して有利なバイアス設定とすることで、定着尾引き、トナー汚染の両方を防止する。また、N/N環境はL/L環境とH/H環境の間の設定とする。
【0144】
例えば上記を達成する印加バイアスとして図2に示す加熱定着装置を使用し、図6のバイアスタイミングチャートにおける定着フィルムの導電性プライマ層13bへの定着バイアス値Vfを表6の設定とする。
【0145】
【表6】
【0146】
以上の各環境でのバイアス設定に対してそれぞれの環境で定着尾引きおよびトナー汚染を評価した結果を表7に示す。なお評価に使用した画像形成装置および加熱定着装置の構成、評価方法は前記第1の実施例と同様であるため説明を省く。
【0147】
【表7】
【0148】
一方、L/L環境において、N/N環境時の設定バイアスでプリントした場合には、トナー汚染が悪化し、2レベルとなってしまい、一方H/H環境においてN/N環境時の設定バイアスでプリントした場合には、定着尾引きのレベルが2レベルまで低下してしまった。
【0149】
また、L/L環境で定着バイアスを−600Vに固定して連続プリントした場合には、トナー汚染が同様に悪化してしまった。
【0150】
このことから各環境で加熱定着装置のバイアス値を変更し、連続プリント時の枚数に応じて設定バイアス値を徐々に下げる方法は各環境における定着尾引き、トナー汚染を改善する方法として有効である。
【0151】
〈第4の実施例〉
以下に第4の実施例について説明する。画像形成装置全体の構成は前記第1の実施例で示した図1と同様であり、加熱定着装置内の構成も前記第1の実施例で示した図2、図3、および図7と同様であるため説明を省く。
【0152】
本実施例では、複数の記録材搬送速度を有する画像形成装置において、画像形成装置の記録材搬送速度に応じて定着バイアスの設定値を変更することを特徴とする。
【0153】
通常、前記実施例で示した定着尾引きは記録材の搬送スピードが速くなる程厳しくなる。これは、加熱定着装置に記録材が突入する際に、記録材搬送方向入口側(定着ニップ手前)に発生した水蒸気に逆らって記録材が定着ニップに突入することや、搬送速度が速くなった場合には、短い加熱時間で一挙にトナーを溶融する必要があるため、記録材から発生する水蒸気の勢いが強くなることから容易に類推できる。
【0154】
一方、記録材の速度が遅い場合には、定着部材と定着ニップ部下流側に配置した導電性部材間で電位差を設けると、記録材を介して形成される電流経路に流れる電流値は、同じ電位差の場合には速度が速いときに比べると若干少なくなるが、速度の比率に対して見ると十分多い電流量となってしまう。
【0155】
よって記録材の搬送速度が速い場合に最適化した定着バイアスでは、搬送速度を遅くした場合には、定着尾引きは良化するものの、過剰な電流が流れやすくなり、この結果、オフセット、トナー汚染が悪化してしまう。
【0156】
また、画像形成装置においては、記録材の種類に応じて搬送速度を可変にしてある装置や、トナー画像の解像度切換と同時に記録材の搬送速度を可変にしている装置等が提供されている。
【0157】
以上のような状況下で、複数の記録材搬送速度で画像形成が可能な画像形成装置においては、定着尾引きを防止するための最適なバイアス値を各記録材搬送速度に応じて設定する必要がある。また、前述したように定着尾引きに対しては、記録材の搬送速度が遅い方が有利であることから、前記第1および第2の実施例にて示した定着尾引き防止、トナー汚染防止を両立するための定着バイアス低下量は記録材の搬送速度が遅い程小さくて良い。
【0158】
以上のことから、例えば上記を達成する印加バイアスとして図2に示す加熱定着装置を使用し、図6のバイアスタイミングチャートにおける定着フィルム13の導電性プライマ層13bへの定着バイアス値Vfを各記録材搬送スピードに応じて表8の設定とする。なお、画像形成装置の記録材搬送スピードは250mm/secとその半速の125mm/secが選択可能な画像形成装置を使用した。
【0159】
【表8】
【0160】
上記バイアス設定で、図2に示す加熱定着装置で定着尾引きおよびトナー汚染を評価した結果を表9・表10に示す。
【0161】
表中、実験8は、250mm/secの記録材搬送速度で上表250mm/sec時のバイアス設定で記録材を加熱定着した場合、実験9は125mm/secの記録材搬送速度で表8の125mm/sec時のバイアス設定で記録材を加熱定着した場合の結果を示す。なお、比較として、125mm/secの記録材搬送スピードで下記バイアス設定で加熱定着した場合の結果を実験10および実験11として示す。
【0162】
【表9】
【0163】
【表10】
【0164】
また、125mm/secの記録材搬送速度で定着バイアス値を−600Vとして固定して連続プリントした場合には、定着尾引きは良好であるが、2レベルのトナー汚染が発生してしまった。
【0165】
上表の結果より、記録材の搬送速度が遅い場合には、設定される定着バイアスを低くした方が定着尾引きを悪化させずにトナー汚染を防ぐことが可能になる。ただし、定着バイアスを下げすぎると定着尾引きが悪化してしまう。
【0166】
また、記録材搬送速度が遅い場合、連続プリント初期の設定バイアスからの連続時のバイアスダウン量が少ない方が定着尾引き、トナー汚染に対して最適なバイアス設定となる。
【0167】
よって複数の記録材搬送速度が設定可能な画像形成装置において、記録材搬送速度に応じてバイアスを設定し、各記録材搬送速度に応じて連続プリント時の枚数に応じて設定バイアス値を徐々に下げるバイアス印加手段を有し、記録材搬送速度の遅い場合の該定着バイアスダウン量の方が記録材搬送速度の速い場合に比べて少なく設定することで、各速度に対して定着尾引き、トナー汚染を防止することが可能になる。
【0168】
〈その他〉
1)各実施例は、定着フィルム13を具備した加熱定着装置を主に説明したが、熱ローラを利用した加熱定着装置であっても、定着部材と定着ニップ下流の記録材と接触する導電性部材との間に電流経路を形成する系であれば、同様の効果があることは言うまでもない。
【0169】
2)定着部材の加熱構成は電磁誘導加熱方式とすることもできる。
【0170】
3)フィルム加熱方式の加熱定着装置は、実施例のものは加圧用回転体駆動方式であるが、エンドレスの定着フィルムの内周面に駆動ローラを設け、フィルムにテンションを加えながら駆動する方式の装置であってもよいし、フィルムをロール巻きの有端ウエブ状にし、これを走行駆動させる方式の装置であってもよい。
【0171】
4)本発明の加熱定着装置には、未定着画像を記録材上に永久画像として加熱定着させる定着装置ばかりでなく、未定着画像を記録材上に仮定着させる像加熱装置、画像を担持した記録材を再加熱してつや等の画像表面性を改質する像加熱装置なども包含される。
【0172】
5)画像形成装置の作像方式は電子写真方式に限られず、静電記録方式、磁気記録方式等であってもよいし、また転写方式でも直接方式でもよい。
【0173】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、連続して記録材を加熱定着する際に定着尾引きの発生しやすい連続初期に関しては、定着部材と定着ニップ下流側に配置させた導電部材との間に記録材を介して電流経路を形成することで、定着部材の導電部と記録材の間の電圧降下によって発生する電界によって記録材上の未定着トナー画像の拘束力を高めることで定着尾引きの発生を防止することが可能となる。
【0174】
また、連続後半では、定着バイアスを下げることによって、上記電流経路に流れる電流量を抑えることで、過剰に電流が流れて定着ニップ直後のトナーに電荷が注入されることによって、トナーが逆極性になりオフセットし、定着部材や加圧部材がトナー汚染されることを防止する。
【0175】
これにより定着尾引きを防止すると共に、オフセット、フィルム汚れ等の発生しない定着装置を実現できると共に、高速で高品位な定着画像を出力できる加熱定着装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係わる画像形成装置の構成略図
【図2】 本発明の第1の実施例に係わる加熱定着装置の構成略図
【図3】 本発明の第1の実施例に係わる定着フィルムの層構成模型図およびバイアス印加手段の図
【図4】 定着ニップ部近傍での等価回路図
【図5】 第1の実施例における定着バイアスタイミングチャート(その1)
【図6】 第1の実施例における定着バイアスタイミングチャート(その2)
【図7】 本発明の第1の実施例に係わる他の加熱定着装置の構成略図
【図8】 第1の実施例における定着バイアスタイミングチャート(その3)
【図9】 第2の実施例における定着バイアスタイミングチャート
【図10】 従来例に係わる定着装置(熱ローラ方式)の構成略図
【図11】 従来例に係わる定着装置(フィルム加熱方式)の構成略図
【図12】 定着フィルムの層構成模型図
【図13】 従来例に係わる定着装置における定着尾引きメカニズムの説明
【符号の説明】
10‥‥定着部材、11‥‥加熱用ヒータ、12‥‥ステイホルダー、13‥‥定着フィルム、14‥‥温度検知手段、16‥‥定着バイアス印加手段、20‥‥加圧ローラ、24‥‥整流素子、25‥‥導電性排紙ローラ、26‥‥排紙コロ、28‥‥定着バイアス印加手段
Claims (7)
- 記録材上に担持された未定着トナー像と接触する定着部材と、前記定着部材に圧接して、前記未定着トナー像が形成された記録材を挟持搬送するための定着ニップ部を形成する加圧部材と、前記定着ニップ部よりも記録材搬送方向下流側で記録材に接触する導電部材と、前記導電部材と前記定着部材の少なくとも一方に電圧を印加する印加手段と、を有し、前記印加手段によって電圧が印加されていることにより前記導電部材と前記定着部材の両方に記録材が接触している時に記録材を介して前記導電部材と前記定着部材との間に電流経路が形成され未定着トナー像を記録材に引き付けている加熱定着装置において、
複数枚の記録材を連続プリントする場合、連続プリント枚数が増加するに連れて生じる前記定着ニップ部と前記導電部材の間の記録材の抵抗値の低下に応じて前記印加手段は印加する電圧を徐々に下げることを特徴とする加熱定着装置。 - 前記印加手段は、先行の記録材と後続の記録材との間の記録材間の、前記定着部材と前記加圧部材が記録材を介さずに直接接触する期間は、前記電圧をOFFすることを特徴とする請求項1に記載の加熱定着装置。
- 前記印加手段は、前記定着部材にトナーの帯電極性と同極性の電圧を印加しており、記録材先端が前記導電部材に接触する前の前記定着部材と前記加圧部材の電位差が、記録材が前記導電部材に接触して前記電流経路が形成されている時の前記定着部材と前記加圧部材の電位差より大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱定着装置。
- 使用環境の温度あるいは湿度の少なくとも一方を検知する環境検知手段を有しており、前記印加手段は、前記環境検知手段の検知結果に応じて、前記電圧を設定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の加熱定着装置。
- 前記印加手段は、記録材の搬送速度に応じて前記電圧を設定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の加熱定着装置。
- 前記印加手段は、記録材の搬送速度が遅い場合は記録材の搬送速度が速い場合よりも前記電圧を小さく設定し、かつ記録材の抵抗値の低下に応じて徐々に低く設定される前記電圧の低下量を、搬送速度が速い場合よりも遅い場合を少なく設定することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の加熱定着装置。
- 前記定着部材は加熱部材と、前記加熱部材と接触しつつ回転する定着フィルムを有し、前記定着フィルムを介して前記加熱部材と前記加圧部材で前記定着ニップ部を形成することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の加熱定着装置。
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