JP2017090841A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オフセットの発生と先端尾引きの発生を共に解決し、可及的に紙間時間を短くし得る定着装置及び画像形成装置を提供する。【解決手段】紙間時間内で、トナーと同極性のバイアスに切り替えてから、記録材がニップ部に突入するまでの時間を切り替え時間としたとき、前記紙間時間の長さに対応する異なる切り替え時間を予め記憶しておき、記憶された紙間時間と切り替え時間の対応関係に基づいて、実際の記録材の紙間時間に応じて切り替え時間を変更し、前記バイアス印加手段の切り替えタイミングを制御する。【選択図】図7

Description

本発明は、記録材に形成されたトナー像を加熱定着する定着装置及びこれを用いた電子写真プリンタ、複写機などの画像形成装置に関する。
従来のこの種の画像形成装置の定着装置としては、たとえば、特許文献1に記載のようなフィルム加熱方式の定着装置が知られている。
すなわち、ヒータにより加熱される筒状の定着フィルムと、定着フィルムを介してヒータと共にニップ部を形成する加圧ローラと、を有し、ニップ部でトナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱しトナー像を記録材に定着する。
この定着装置においては、「先端尾引き」と呼ばれる画像不良が発生することがあった。尾引きとは、吸湿量の多い記録材を加熱定着した場合において、記録材中より噴出した水蒸気によって、記録材の搬送方向と反対方向にトナー像を飛散させる現象である。
この尾引き対策として、特許文献1では、定着フィルムにトナーと同極性のバイアスを印加し、トナーが記録材に吸引される方向の電界を形成する手法が開示されている。この電界によりトナーが記録材に押さえつけられ、その結果、水蒸気によるトナー像の飛び散りが低減する。
一方、定着装置においては、この尾引き不良のほかに、「オフセット」と呼ばれる画像不良が発生することも知られている。オフセットとは、ニップ部にて記録材を搬送する過程で、加圧ローラの表面が次第にチャージアップし、その結果、記録材上の未定着トナーが引き剥がされることで発生する現象である。
このオフセット対策として、特許文献2には、記録材がニップ部を通過していない非通過期間において、定着フィルムあるいは加圧ローラにトナーと逆極性のバイアスを印加し、加圧ローラのチャージアップを防止するという手法が開示されている。
特開2000−131974号公報 特開2010−128474号公報
しかしながら、近年、画像形成装置に対してはプリント速度の高速化が進み、記録材がニップ部を通過しない非通過期間が短くなっているために、「オフセット」と「先端尾引き」の課題の解決を両立することが困難となっている。以下に、その理由を説明する。
「オフセット」とは、記録材Pの通紙に伴い、加圧ローラがトナーの極性と同極性にチャージアップすることで、定着フィルムにトナーを引きつける電界の力が発生することが原因である。十分な紙間時間を確保することが困難である画像形成装置においては、紙間でトナーと逆極性のバイアスを印加する時間が十分にとれない。
その結果、加圧ローラに十分な電荷を付与させることができず、チャージアップを防ぐ効果が小さくなり、「オフセット」が発生してしまう場合がある。
一方、短い紙間時間においても、加圧ローラに十分なトナーと逆極性の電荷を付与するため、紙間にて定着フィルムに対しトナーと逆極性のバイアスを印加する時間を長く設定することもできる。しかし、この場合、後続の記録材Pがニップ部Nを通過する際に印加すべきトナーと同極性のバイアスを印加するように切り替えてから、後続の記録材Pが定着ニップを通過するまでの切り替え時間が短くなり、その結果、「先端尾引き」を引き起
こす場合がある。
本発明は、上記した問題点を解決するためになされたもので、その目的は、オフセットの発生と先端尾引きの発生を共に解決し、可及的に紙間時間を短くし得る定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の定着装置は、
加熱体により加熱される筒状の定着フィルムと、該定着フィルムに接触してニップ部を形成する加圧部材と、を有し、前記ニップ部で未定着のトナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱しトナー像を記録材に定着する構成で、
前記定着フィルムに前記トナーと同極性のバイアス、前記定着フィルム又は前記加圧部材にトナーと逆極性のバイアスを印加するバイアス印加手段を有し、
該バイアス印加手段は、記録材が前記ニップ部を通過するニップ通過時には、前記定着フィルムにトナーと同極性のバイアスを印加し、先行の記録材が前記ニップ部を通過した後、後続の記録材がニップ部に突入するまでの紙間時間内で、前記定着フィルムに前記トナーと逆極性のバイアスを印加する定着装置において、
前記紙間時間内で、トナーと同極性のバイアスに切り替えてから、記録材がニップ部に突入するまでの時間を切り替え時間としたとき、
前記紙間時間の長さに対応する異なる切り替え時間を予め記憶しておき、
記憶された紙間時間と切り替え時間の対応関係に基づいて、実際の記録材の紙間時間に応じて切り替え時間を変更し、前記バイアス印加手段の切り替えタイミングを制御することを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、記録材に未定着のトナー像を形成する画像形成部と、前記未定着のトナー像を定着するための上記した本発明の定着装置と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、オフセットの発生と先端尾引きの発生を共に解決し、可及的に紙間時間を短くすることができる。
実施例1に係る画像形成装置の断面図。 実施例1に係る定着装置の断面図。 実施例1に係る定着フィルムの断面図。 比較例1に係る定着フィルム表面電位の時間変化を表したグラフ。 比較例2に係る定着フィルム表面電位の時間変化を表したグラフ。 比較例1,2に係る加圧ローラ表面電位のプリント枚数変化を表したグラフ。 実施例1に係る定着フィルム表面電位の時間変化、および加圧ローラ表面電位のプリント枚数による変化を表したグラフ。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施の形態に基づいて例示的に詳しく説明する。
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1に係る画像形成装置の断面図である。
(画像形成装置の概略構成)
この画像形成装置は、記録材上にトナー画像を形成する画像形成部100Aと、画像形成部100Aに記録材を送り出す記録材送り部100Bと、記録材上のトナー画像を記録
材に加熱定着する定着装置100Cを有している。
画像形成部100Aは、像担持体としてドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)1を有している。この感光ドラム1は、画像形成装置の筺体を構成する画像形成装置本体(以下、装置本体と記す)Mに回転自在に支持されている。感光ドラム1の外周面の周囲には、その回転方向に沿って順に、帯電ローラ2と、レーザースキャナ3と、現像装置4と、転写ローラ5と、クリーニング装置6が配設されている。
記録材送り部100Bは、送り出しローラ11を有している。この送り出しローラ11は、不図示の搬送駆動モータによって矢印方向に所定のタイミングで回転され、カセット7に積載収納されている記録材Pの搬送経路に沿って順に、搬送ローラ8と、トップセンサ9と、搬送ガイド10と、定着部(定着装置と記す)C、搬送ローラ12と、排出ローラ13と、排出トレイ14が配設されている。
本実施例の画像形成装置は、画像形成部100Aと記録材送り部100Bと定着装置100C等を制御する制御部31有している。制御部31はCPUとROMやRAM等のメモリからなり、メモリには画像形成に必要な各種プログラムが記憶されている。
この制御部31はホストコンピュータ等の外部装置からプリント信号を取り込み、そのプリント信号に基づいて所定の画像形成制御シーケンスを実行する。これにより、ドラムモータが回転駆動され、感光ドラム1は所定の周速度(プロセススピード)で矢印方向に回転する。回転された感光ドラム1表面は、帯電ローラ2によって、トナーと同極性(ここではマイナス極性)の所定の電位に一様に帯電される。この感光ドラム1表面の帯電面に対し、レーザースキャナ3が画像情報に基づいてレーザー光Lを走査し、感光ドラム1表面を露光する。そしてこの露光によって、露光部分の電荷が除去され、感光ドラム1表面に静電潜像が形成される。
現像装置4は現像ローラ41と、トナーを収納するトナー容器42等を有している。トナーは不図示のウレタンブレード等の部材により摩擦され、所定の極性に帯電される。本実施例1ではマイナス極性に帯電されたトナーを用いている。この現像装置4は、現像ローラ41に現像バイアス電源(不図示)によりマイナスバイアスが印加されることによって、感光ドラム1表面の静電潜像に、電位差を利用してトナーを付着させ、静電潜像を未定着のトナー画像Tとして現像する。感光ドラム1表面に形成されたトナー画像Tは、トナーと逆極性であるプラスバイアスを転写ローラ5に印加することによって、転写バイアスによる電位差を利用して記録材Pに転写される。
また、記録送り部材Bに設けられている搬送駆動モータが回転駆動され、送り出しローラ11は、カセット7から記録材Pを搬送ローラ8に送り出す。この記録材Pは搬送ローラ8によって搬送され、トップセンサ9を通過して感光ドラム1表面と転写ローラ5の外周面との間の転写ニップ部に搬送される。このとき記録材Pは検出手段としてのトップセンサ9によって記録材の先端位置が検出される。
感光ドラム1表面に形成されたトナー画像Tが転写された記録材Pは、搬送ガイド10に沿って、定着装置100Cに搬送され、この定着装置100Cで記録材P上のトナー画像Tが加熱および加圧されて記録材P上に加熱定着される。
トナー画像Tが加熱定着された記録材Pは、搬送ローラ12、排出ローラ13の順に搬送されて装置本体M上面の排出トレイ14に排出される。
トナー画像を記録材Pに転写した後の感光ドラム1表面に残留している転写残トナーは、クリーニング装置6のクリーニングブレード61によって除去され、クリーニング装置6内に蓄積される。以上の動作を繰り返すことで順次プリントを行うようになっている。本実施例の画像形成装置はA4サイズの場合、60枚/分のプリント速度でプリントを行うことができる。
(定着装置の構成)
図2は、本実施例1に係る画像形成装置の定着装置の横断側面図である。
本実施例1の定着装置100Cは、加熱体としてのセラミックヒータ20によって加熱される筒状の定着フィルム25と、定着フィルム25に接触してニップ部を形成する加圧部材としての加圧ローラ26と、を有する。このニップ部で未定着のトナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱し、トナー像を記録材に定着することを基本構成とする。
また、本実施例1の特徴的な構成として、定着フィルム25にバイアスを印加する、バイアス印加装置50を有している。すなわち、定着フィルム25には、トナーと同極性のバイアス、定着フィルム25には、トナーと逆極性のバイアスを印加する。
(ヒータ)
セラミックヒータ20は、窒化アルミニウム、アルミナ等からなる耐熱性のヒータ基板21を有している。このヒータ基板21の表面には、通電により発熱する通電発熱抵抗層としての抵抗体パターン22が、例えば、印刷によってヒータ基板21の長手方向に沿って形成されている。この抵抗体パターン22表面は、保護層としてのガラス層23で被覆されている。また、ヒータ基板21の裏面(ニップ部Nと反対側の面)には、セラミックヒータ20の温度を検知する温度検知部材としてのサーミスタ24が配設されている。フィルムガイド部材29は、セラミックヒータ20を支持する支持部材として作用するとともに、定着フィルム25の回転をガイドするガイド部材としても作用する。フィルムガイド部材29の材料としては、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等の耐熱性樹脂が用いられている。
(加圧ローラ)
加圧ローラ26は、芯軸部261の外周に弾性層262を有し、弾性層262の外周に表層263を有している。加圧ローラ26の外径は約30mmである。芯軸部261には、アルミニウム、鉄などの金属材料が中実もしくは中空で用いられる。実施例1では、中実のアルミニウムを芯金材料として用いている。弾性層262は、断熱性のシリコーンゴムから成り、カーボン等の電気伝導材を添加することで導電性としている。実施例1では弾性層262はカーボンを適量添加し、体積抵抗率を1×10(Ω・cm)程度に調整したシリコーンゴムからなり、その厚みは3mmとしている。
表層263は、PFA、PTFE、FEP等のフッ素樹脂からなる厚さ10〜80umの離型性チューブである。ここで、PFAはテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、PTFEはポリテトラフルオロエチレン(4フッ化)、FEPはテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(4,6フッ化)の略称である。
実施例1では、加圧ローラ26の表層263の材料は絶縁のフッ素樹脂(厚さ30μmのピュアのPFAチューブ)としている。従って、実施例1の加圧ローラ26の体積抵抗率は1×1014(Ω・cm)以上と高抵抗である。ピュアのフッ素樹脂を用いた理由は、表層263に抵抗を下げるカーボン等を添加すると、表面の平滑性が低下しトナーや紙粉で汚れる現象(コンタミネーション)が発生する場合があるためである。
(定着フィルム)
エンドレスベルト状の耐熱性フィルム(定着フィルム)25は、直径30mmの円筒形状である。定着フィルム25は可撓性を有し、半円弧状のフィルムガイド部材29に対してルーズに外嵌されている。定着フィルム25の層構造は、図3の円内に示すように、内側から基層251、弾性層252、表層253が設けられた複層からなる。
基層251の材料として、熱伝導性と耐久性を高めるためにSUS、Ni等の薄肉金属を用いている。また、その他の材料としてポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES等の低熱容量の耐熱性樹脂材料を用いることもできる。基層251は熱容量を小さくしてクイックスタート性を満足させると同時に、機械的強度も満足させる必要があるため、厚みは15μm以上50μm以下とすることが望ましい。実施例1の基層251は厚み
35μmの円筒形のステンレス(SUS)素管とした。弾性層252はシリコーンゴムを材料として形成している。この弾性層252を設けることで、トナー画像Tを包み込み、均一に熱を与えることができるようになるため、光沢度が高くてムラのない良質な画像を得ることが可能になる。また、弾性層252はシリコーンゴム単体では熱伝導性が低いため、熱伝導性フィラーを添加する。弾性層252の熱伝導率としては1.2W/mk以上を確保すると良い。
熱伝導フィラーの候補として、アルミナ、金属ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛等が挙げられる。実施例1においては、弾性層252にゴム材であるジメチルポリシロキサン100重量部に対して、熱伝導性フィラーである金属ケイ素を400重量部含有し、その熱伝導率を1.2W/mkとしている。また弾性層252の厚さは210μmとしている。
表層253は離型層として、高い耐摩耗性およびトナーに対する高い離型性が要求される。材料としては先述のPFA、PTFE、FEP等のフッ素樹脂が用いられる。そして、そのフッ素樹脂に有機リン化合物、リチウム塩等のイオン導電剤や五酸化アンチモン、酸化チタン、カーボンブラック、カーボンナノファイバー等の電子導電材を添加して抵抗値を調整する。また、厚さは10μmから50μm程度であることが好ましく、チューブを被覆させたものであっても、表面を塗料でコートしたものであっても良い。
実施例1の表層253は、フッ素樹脂としてPFAを用いている。そのPFAに(CP・BRで表される有機リン化合物である、ヒシコーリンPX−2B(日本化学工業(株)製)を7重量部混合する。また、厚さは15μmでコーティング層とした。
(バイアス印加手段)
続いて、実施例1の特徴的な構成であるバイアス印加装置50について説明する。
定着フィルム25に印加するバイアスは、バイアス電源53から導電ブラシなどの給電手段51を介して、定着フィルム25表面に一部露出させている導電の基層251に印加する。また、加圧ローラ26は芯軸部261から、カーボンチップなどの給電部材55を介して接地している。
実施例1では、定着フィルム25に対して、トナーと同極性のバイアス(負バイアス)と、トナーと逆極性のバイアス(正バイアス)を、切り替えて印加することができる構成となっている。
バイアスの大きさは、正バイアスが+800V、負バイアスが−500Vであり、例えば、トランスと抵抗により構成されるバイアス電源53により、印加される。バイアスの切り替えは、バイアス制御部54によって、リレーなどの手段により行う。
そして、記録材Pがニップ部Nを通過する時(以降、通紙時と称する)は負バイアス、そして記録材Pがニップ部Nを非通過の時(以降、紙間と称する)は正バイアスを印加している。その目的を以下に示す。
通紙時にトナーと同極性のバイアスを印加する目的は、尾引きの改善である。ここで、尾引きとは、記録材Pが定着ニップを通過する際、記録材Pより噴出した水蒸気によって、トナー画像Tのトナーが記録材Pの搬送方向と逆方向に飛散させられることで画像が乱れるという問題である。定着フィルムにマイナスバイアスを印加することで、未定着のトナー画像Tのトナーを記録材Pに抑えつける電界の力が働くようになるため、上記尾引きの発生を防止することができる。
紙間でトナーと逆極性のバイアスを印加する目的は、静電オフセットの改善である。ここで、静電オフセットとは、ニップ部Nで記録材Pが担持していた未定着のトナー画像Tのトナーが、静電的な力で記録材Pから引きはがされ定着フィルム25に付着し、次の周回で画像として現れる現象のことである。
この静電オフセットは、記録材Pを大量に通紙した後に発生しやすい現象である。その理由を以下に示す。加圧ローラ26の表層は上述のように1×1014(Ω・cm)以上
と高抵抗である。また、加圧ローラ26の表層263を構成する材料であるPFAは記録材Pとの摺擦でマイナスに帯電しやすい特徴を有する。このため、記録材Pを通紙することで、摺擦により加圧ローラ26の表層263にマイナス電荷が蓄積され、チャージアップしてしまう。記録材Pの通紙量が増加すると、定着フィルム25の表面電位より、加圧ローラ26の表面電位がマイナスに大きくなってしまう現象(電位の逆転)が発生する。その結果、未定着のトナー画像Tのトナーが静電的な力により、記録材Pから引きはがされ定着フィルムに付着することで、上記静電オフセットが発生してしまう。
上記静電オフセットを改善する手段として、紙間で定着フィルム25に+バイアスを印加して、定着フィルム25の表層253を介して加圧ローラ26の表層263にプラス電荷を付与することが効果的である。理由は、通紙時に付与されたマイナス電荷を、紙間で定着フィルム表層から受けたプラスの電荷でキャンセルすることで、加圧ローラ26の表層263がトナーと同極性にチャージアップすることを防ぐことができるためである。その結果、定着フィルム表面と加圧ローラ表面の間で、未定着のトナー画像Tのトナーを記録材Pに抑えつけるために十分な電界を形成することができ、オフセットは発生しない。
プラス電荷を加圧ローラ表面に付与する手段として、加圧ローラ26の芯軸部261にプラスバイアスを印加することも可能である。しかし、実施例1のように加圧ローラ26の表層263の電気抵抗値が高い場合、より電気抵抗値の低い定着フィルム25の表面を介して電荷を付与する方が、格段に効率が良い。
(バイアス切り替えタイミング)
上記のように実施例1の画像形成装置では、定着フィルム25に、通紙時は−500V,紙間では+800Vを印加している。このとき、紙間でのプラスバイアスから通紙時のマイナスバイアスに切り替えるタイミングが重要である。
上述のように、尾引きを抑制するためには、記録材Pの先端が定着ニップに突入する時には、−500Vのバイアスが定着フィルムに印加されていることが望ましい。このため、定着バイアスの切り替えの際に発生する立ち上がりにかかる時間を考慮して、マイナスバイアスに切り替える設定とする必要がある。
なお、定着バイアスの立ち上がりにかかる時間は、高圧回路の時定数、定着フィルムおよび加圧ローラのチャージアップ度合い、周辺環境の水分率(温湿度)などの影響を受ける。一方、静電オフセットを抑制するためには、紙間でプラスバイアスを印加する時間はなるべく長い方が望ましい。
その理由は、上述のように加圧ローラ26表面のマイナス電荷をキャンセルするために、なるべく多くのプラス電荷を付与したいためである。上記尾引きと静電オフセットを抑制する条件を考慮して、記録材Pがニップに突入する所定時間前にマイナスバイアスに切り替えるという制御を行っていた。(以降、tを切り替え時間と称する)そして、従来技術では、紙間長さdに寄らず一定の切り替え時間tを設定していた。
しかし、近年の高速化の流れに伴い、紙間時間dを短くする必要に迫られている。そして、紙間時間dが上記tに比べ十分に大きくない場合、前記静電オフセットと、記録材P先端部における尾引きの問題を両立できないという課題があった。具体的には、紙間が短い場合の連続通紙時に静電オフセットが、紙間が長い場合に先端部尾引きが発生するという問題があった。
そこで、本発明では、バイアス印加装置50は、記録材Pがニップ部Nを通過するニップ通過時には、定着フィルム25にトナーと同極性のバイアスを印加し、記録材Pが前記ニップ部Nを通過していない紙間のニップ非通過時には、定着フィルム25にトナーと逆極性のバイアスを印加する。すなわち、先行の記録材Pがニップ部Nを通過した後、後続の記録材Pがニップ部Nに突入するまでの紙間時間内で、定着フィルム25にトナーと逆極性のバイアスを印加する。
そして、紙間時間内で、トナーと同極性のバイアスに切り替えてから、記録材Pがニッ
プ部Nに突入するまでの時間を切り替え時間tとしたとき、紙間時間の長さに対応する異なる切り替え時間の対応関係を予め記憶しておく。この記憶された紙間時間と切り替え時間の対応関係に基づいて、実際の記録材Pの紙間時間に応じて切り替え時間を変更し、バイアス印加装置50の切り替えタイミングを制御するようになっている。
この紙間時間の長さに対応する異なる切り替え時間は、次のような時間である。
すなわち、記録材Pのニップ通過時に、トナーと同極性のバイアスを印加した際の定着フィルム表面電位をV0とする。また、記録材Pの紙間時間内(ニップ非通過時)の定着フィルム25の表面電位のうち、トナーと逆極性側に最も大きな値となる表面電位をvとする。このとき、定着フィルム25の表面電位が、|v−V0|の大きさに応じて、vからV0に到達するまでに必要な時間であり、先端尾引きが生じない時間である。
ここで、図4、図5及び図6を用い、比較例1および比較例2の定着バイアス制御について説明を行う。そして、比較例1の定着バイアス制御は切り替え時間tが長く(t1=90msec)、比較例2は切り替え時間tが短い(t2=50msec)場合の制御の例である。
図4は、比較例1の定着バイアス制御に対して、紙間時間dが長い(dl=160msec)場合と、紙間時間dが短い(ds=100msec)場合の定着フィルム表面電位の時間変化を表したグラフである。
また、図5は比較例2の定着バイアス制御に対して、紙間時間dが長い(dl=160msec)場合と紙間時間dが短い(ds=100msec)場合の定着フィルム表面電位の時間変化を表したグラフである。
また、図6は、比較例1および比較例2の画像形成装置において、紙間時間をds=100msecと短く設定し、連続プリントを300枚行った場合における、加圧ローラ表面電位とプリント枚数の関係を表したグラフである。
比較例1
まず、比較例1について説明する。
比較例1では、紙間時間がdl=160msecの場合、切り替え時間t=90msecに設定するため、図4(1)に示す定着フィルム表面電位のプロファイルとなる。すなわち、比較例1では、タイミング「a−t1」において、定着バイアスを正から負に切り替える。その結果、記録材Pの先端がニップ部Nに突入するタイミング「a」において、定着フィルム表面が−500Vに立ち上がっているため、先端部尾引きは発生しない。
一方、比較例1では、紙間時間がds=100msecの場合においても、切り替え時間t=90msecに設定するため、図4(2)に示す定着フィルム表面電位のプロファイルとなる。すなわち、比較例1では同様にタイミング「a−t1」において、定着バイアスを正から負に切り替えることになるため、紙間において正バイアスを掛ける時間が短く十分なプラス電荷を付与することができない。その結果、加圧ローラ表面が記録材Pより受ける負の電荷によるチャージアップを防ぐことができない。
図6に、比較例1の画像形成装置にて、紙間時間がds=100msecにて連続プリントを行った場合の、プリント枚数と加圧ローラ表面電位の関係を示す。
通紙開始時には、チャージアップしていなかった加圧ローラ表面電位が、連続100枚程度通紙した頃には−500Vに達し、連続250枚後には−650Vとなる。その結果、定着フィルム表面電位(−500V)よりも負に大きな電位となり、記録材P上の未定着トナーと定着フィルムに引き寄せる方向に電界が発生してしまうため、オフセットが発生してしまう。
比較例2
次に、比較例2について説明する。比較例2では、紙間時間がds=100msecの場合、切り替え時間t=50msecに設定するため、図5(2)に示す定着フィルム表
面電位のプロファイルとなる。
すなわち、比較例2ではタイミング「a−t2」において、定着バイアスを正から負に切り替える。その結果、紙間での正バイアスが制御電位である+800Vまで上がらず+600Vであり、切り替え時間tをt2=50msecと短くしても、後続の記録材Pの先端では−500Vに到達するため先端部の尾引きは発生しない。
また、図6に、比較例2において、連続プリントした場合の加圧ローラ表面電位とプリント枚数の関係を示す。比較例2においては、紙間時間がds=100msecと短い場合においても、紙間において十分な正電荷が加圧ローラ表面に付与されるため、連続250枚プリントを行った場合においても加圧ローラ表面電位が−300Vまでしか到達しない。その結果、オフセットは発生しない。
一方、比較例2において、紙間時間がdl=160msecの場合、切り替え時間t=50msecに設定するため、図5(1)に示す定着フィルム表面電位のプロファイルとなる。この場合、紙間での正バイアスが+800Vまで到達しているため、切り替え時間tをt2と短くした場合、後続の記録材Pの先端部(図中Dの領域)にて−500Vに到達しない。その結果、後続の記録材Pの先端部にて尾引きが発生してしまうという問題があった。
(実施例1の定着バイアス制御)
本実施例1では、紙間時間dと適切な切り替え時間tとの関係を予め求めて制御テーブルに記憶しておき、この制御テーブルに記憶された紙間時間dと切り替え時間tとの関係に基づいて、実際の紙間時間dから対応する切り替え時間を導出し、前記バイアス印加装置50による切り替えタイミングを設定する。紙間時間dが大きいほど、切り替え時間tが大きくなるよう設定される。
表1は、実施例1における定着バイアスの切り替え時間tを決定するための制御テーブルである。実施例1では、紙間時間dを送り出しローラ11の給紙動作の間隔より推測する。実施例1では、これをすべてのページプリントに対して行う。
Figure 2017090841
実施例1の画像形成装置において、紙間時間dをdl=160msec、およびds=100msecに設定した場合の定着フィルムの表面電位と切り替え時間の関係を図7(1)、図7(2)に示す。
また、図7(3)は従来例1および2の画像形成装置において、紙間時間をds=100msecと短く設定し、連続プリントを300枚行った場合における、加圧ローラ表面電位とプリント枚数の関係を表したグラフである。
なお、実施例1においてはdl=160msecとds=100msecの2種類の紙間時間でプリント動作を行う。前者は、坪量の大きな紙種や表面の粗い紙種であっても定着性能を満足できるように、定着性を重視したモード、後者はプリント速度を重視したモードである。
ここで、実施例1においては、紙間時間dより紙間での定着フィルム表面電位の正バイアス方向の最大値vを予測することができる。紙間時間dが長い場合vは正方向に大きくなり、dが短い場合vは正方向に小さくなる。たとえば、紙間時間d=dl=160msecの場合、v=v=+800Vまで到達する一方、紙間時間d=ds=100msecの場合、v=v=+600Vまでしか到達しない。
次に、実施例1の定着フィルムのバイアス制御について説明を行う。
実施例1においては、紙間時間がdl=160msecと長い場合、表1に示すテーブルに従い、t=t1=90msecに設定する。その時の定着フィルム表面電位と時間の関係を図7(1)に示す。
この場合、図7(1)のグラフより、紙間にて定着フィルム25の表面電位が正バイアス方向に最大でv=+800Vまで到達する。このとき後続の記録材Pに対してバイアス切り替え時間をt≧90msecに設定する必要があるが、この実施例1では90msecに設定している。この結果、後続の記録材Pの先端部にて、定着フィルム表面電位が所望の電位(−500V)に到達しているため、先端部尾引きは発生しない。
また、紙間時間がds=100msecと短い場合、表1に示す制御テーブルに従い、切り替え時間tをt2=50msecに設定する。その時の定着フィルム25の表面電位と時間の関係を図7(2)に示し、連続プリントを250枚行った際の加圧ローラ26の表面電位とプリント枚数の関係を図7(3)に示している。
図7(2)のグラフより、紙間にて定着フィルム25の表面電位が正バイアス方向に最大でv=+600Vまでしか到達しない。このため、後続の記録材Pに対するバイアスの切り替え時間を、t=50msecと短い値に設定しても、後続の記録材P先端にて、定着フィルム25の表面電位が所望の電位(V0=−500V)に到達し、先端尾引きは発生しない。
また、実施例1においては、紙間時間がds=100msecと短い場合においても、図7(2)に示すように、紙間において十分な正電荷が加圧ローラ26の表面に付与される。その結果、図7(3)に示すように、連続250枚プリントを行った場合においても、加圧ローラ26の表面電位が−300Vまでしか到達せず、オフセットは発生しない。
以上のように、実施例1の定着バイアスの切り替え時間tの制御テーブルを用いれば、様々な紙間時間dにおいて、最適な切り替え時間tを設定することができるため、静電オフセットと先端部尾引きの発生を抑えることができる。
(実施例1と比較例の実験結果)
実施例1の画像形成装置の作用効果を説明するために、比較例の画像形成装置との比較実験を行った。
実施例1の画像形成装置は、定着バイアスの切り替え時間tを表1に示すテーブルに従い決定する。一方、比較例1、2の画像形成装置は、切り替え時間tを紙間時間dによらず固定値とし、それぞれ比較例1は50msec、比較例2は90msecとした。その他の構成は実施例1と同一であるので説明を省略する。
まず、本実験の条件について説明する。
本実験で用いた画像形成装置の記録材の搬送速度は350mm/secである。紙間時間dは、送り出しローラ11の動作間隔を調整し、100msecと160msecの両方で通紙を行った。
定着装置は、定着フィルム25を加圧ローラ26に186.2N(19kgf)で加圧しており、そのニップ幅は9mmである。試験を行った環境は気温23℃、湿度50%であり、評価紙は、キヤノン株式会社のCS−680、(A4サイズ、68g/cm)を用いた。この条件で、各画像形成装置において、片面連続通紙モードで500枚通紙し、静電オフセットおよび先端部の尾引のレベルを評価した。
表2に、実施例1と比較例1、2における先端部尾引きと静電オフセットのレベルを示す。表中の○は先端部尾引き、静電オフセットが発生せず良好であったことを表している。表中の×は、先端部尾引き、全面オフセットが悪いレベルで発生しており実用上問題があることを示している。
Figure 2017090841
表2の結果によれば、実施例1の画像形成装置では、紙間時間が100msec、160msecの何れの場合においても先端部尾引きおよび静電オフセットが発生せず良好な画像が得られた。その理由は、紙間時間dが変わった場合においても、最適な切り替え時間tを設定することができるためである。
一方、比較例1、2の画像形成装置では、問題が発生した。比較例1では、紙間時間dが160msecの場合に先端部尾引きが発生し、比較例2では、紙間時間が100msecの場合に静電オフセットが発生した。
以上のように、実施例1の画像形成装置を用いれば、比較例1、2には無い作用効果、すなわち先端部尾引きおよび静電オフセットの無い良好な画像を得られることが分かる。
なお、実施例1では、加圧ローラ26は芯軸部を介して接地する構成としたが、バイアスを印加する構成としても同様の作用効果を得ることができる。この場合、加圧ローラ26には、トナーと逆極性のバイアスを通紙中、および紙間で印加することが望ましい。
また、実施例1では、紙間での定着フィルムの電位を紙間長さより推測する構成としたが、定着フィルムの表面電位を直接測定する手段を用いることもできる。この場合、より精度の高い制御が可能になる。
さらに、実施例1では、バイアスを切り替えるバイアス制御部54として、リレー等を用いるケースについて説明したが、ツェナーダイオード等を用いた切り替え手段とすることも可能である。この場合、リレー方式より電圧変化の時定数が大きくなる傾向があるため、本実施例1による作用効果が大きくなる。
また、実施例1では、紙間時間dを送り出しローラ11の動作間隔より推測したが、センサ等を用いて直接検知することも可能である。その場合、トップセンサ9の検知結果を用いることで、紙間時間dを判断する方法が効果的である。
[実施例2]
次に、本願発明の実施例2について説明する。
実施例2と実施例1の違いは、定着バイアスの印加タイミング制御に関する項目のみであり、その他の構成は実施例1と同一であり、同一の構成については、説明を省略するものとする。
実施例2は、多段カセットを使用し複数のカセットを織り交ぜて記録材を給紙するような画像形成装置に適した構成である。この場合、給紙から定着ニップまでの搬送路が給紙口により異なり、給紙タイミングを用いて紙間を予測するよりも、実測した方が定着バイ
アスの印加タイミング制御を簡便にすることができる。
したがって、実施例2の定着バイアスの印加タイミング制御について、実施例1と異なる点は、紙間時間dを、記録材Pの先端を検出する検出手段としてのトップセンサ9の検知結果から推測している点である。実際の検出結果に対応して制御テーブルについても変更されている。
実施例2の制御テーブルを表3に示す。
実施例2では、トップセンサ9で先行紙後端から後続紙先端を検知するまでの時間を紙間時間dと定義している。そして、得られた紙間時間dをもとに、表3に従い、実施例2における定着バイアスの切り替え時間tを決定する。実施例2では、これをすべてのページプリントに対して行う。
Figure 2017090841
このように、実施例2の画像形成装置を用いれば、紙間時間dに対して、最適な切り替え時間tを設定することができるため、先端尾引きおよび静電オフセットの発生を抑制し、良質な画像を得ることができる。
[実施例3]
次に、本発明の実施例3について説明する。
実施例3と実施例1の違いは、周囲環境の水分量を検出する検出手段として環境湿度を検知する湿度センサThを設けた点と、定着バイアスの印加タイミング制御の制御テーブルを変更した点のみであり、その他の構成は実施例1と同一なので、同一の構成については、説明を省略する。
実施例3では、周囲の環境湿度を検出する湿度センサThを有しており、この湿度センサThの検出結果に応じて、切り替え時間を修正するようになっている。具体的には、定着バイアスの制御テーブルを変更している。
このように変更する理由は、定着フィルム25の表面電位の応答性が、周囲の環境の水分量の影響を受けるからである。より水分率が低い、すなわち低湿環境ほど応答性は低くなり、高湿環境ほど応答性は高くなる。
表4に、本実施例3の定着バイアスの制御テーブルを示している。
本実施例3では、紙間時間dと切り替え時間tとの関係を記憶した制御テーブルを複数種類設けている。具体的には、「環境湿度A:25%未満」、「環境湿度B:25%以上60%未満」、「環境湿度C:60%以上」の複数種類3つに分けている。そして、湿度センサThの検出結果に基づいて、制御に使用する制御テーブルを変更する。
Figure 2017090841
このように、実施例3の画像形成装置を用いれば、環境湿度に応じて、最適な切り替え時間tを設定することができるため、先端尾引きおよび静電オフセットの発生を抑制し、良質な画像を得ることができる。
なお、実施例3では、周辺の水分率を検出する手段として環境湿度を用いたが、水分率を直接検出する手段を用いることも可能である。また、一般的に使用されるオフィス等の環境においては、周囲環境温度と周囲の水分率の間には相関があるため、周囲環境温度を検出する検出手段としての温度センサの検知結果から周囲の水分率を推測して制御に反映させることも可能である。
100C 定着装置
20 セラミックヒータ(加熱体)
25 定着フィルム
26 加圧ローラ(加圧部材)
50 バイアス印加装置(バイアス印加手段)
N ニップ部
P 記録材
T トナー画像
Th 湿度センサ(検出手段)
d 紙間時間
t 切り替え時間
v 定着フィルムの表面電位の最大値(ニップ非通過時)
V0 定着フィルムの表面電位(ニップ通過時)

Claims (11)

  1. 加熱体により加熱される筒状の定着フィルムと、該定着フィルムに接触してニップ部を形成する加圧部材と、を有し、前記ニップ部で未定着のトナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱しトナー像を記録材に定着する構成で、
    前記定着フィルムに前記トナーと同極性のバイアス、前記定着フィルム又は前記加圧部材にトナーと逆極性のバイアスを印加するバイアス印加手段を有し、
    該バイアス印加手段は、記録材が前記ニップ部を通過するニップ通過時には、前記定着フィルムにトナーと同極性のバイアスを印加し、先行の記録材が前記ニップ部を通過した後、後続の記録材がニップ部に突入するまでの紙間時間内で、前記定着フィルムに前記トナーと逆極性のバイアスを印加する定着装置において、
    前記紙間時間内で、トナーと同極性のバイアスに切り替えてから、記録材がニップ部に突入するまでの時間を切り替え時間としたとき、
    前記紙間時間の長さに対応する異なる切り替え時間を予め記憶しておき、
    記憶された紙間時間と切り替え時間の対応関係に基づいて、実際の記録材の紙間時間に応じて切り替え時間を変更し、前記バイアス印加手段の切り替えタイミングを制御することを特徴とする定着装置。
  2. 紙間時間が大きいほど、切り替え時間が大きくなるよう設定することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記紙間時間の長さに対応して予め記憶されている切り替え時間は、
    前記記録材のニップ通過時にトナーと同極性のバイアスを印加した際の定着フィルム表面電位をV0とし、前記記録材のニップ非通過時の定着フィルムの表面電位のうちトナーと逆極性側に最も大きな値となる表面電位をvとした時に、定着フィルムの表面電位が、|v−V0|の大きさに応じて、vからV0に到達するまでに必要な時間である請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. |v−V0|の値が大きいほど、切り替え時間を大きく設定することを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 記録材の先端位置を検出する検出手段を有し、該検出手段による検出結果から、紙間時間を求める請求項3又は4に記載の定着装置。
  6. 前記定着フィルムの厚さ方向の電気抵抗値は、前記加圧部材の厚さ方向の電気抵抗値より小さく、前記記録材のニップ非通過時においては、前記定着フィルムを介して、加圧部材の表面にトナーと逆極性の電荷を与えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 周囲環境の水分量を検出する検出手段を有し、
    該検出手段の検出結果に応じて、前記切り替え時間を修正する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記紙間時間と切り替え時間との対応関係を記憶した制御テーブルを周囲環境の水分量に応じて複数種類設け、前記検出手段の検出結果に基づいて制御テーブルを変更する請求項7に記載の定着装置。
  9. 検出手段は周囲環境の湿度を検出する湿度センサである請求項7に記載の定着装置。
  10. 検出手段は、周囲環境の水分率と相関がある周囲環境の温度を検出する温度センサであ
    る請求項7に記載の定着装置。
  11. 記録材に未定着のトナー像を形成する画像形成部と、該画像形成部にて形成された記録材の未定着のトナー像を定着するための定着装置と、を備えた画像形成装置であって、
    前記定着装置は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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