JP2009053507A5 - - Google Patents

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定着装置
本発明は、例えば、電子写真方式・静電記録方式等の作像プロセスを採用した画像形成装置における定着装置に関する。特に、作像プロセス部で記録材(転写材、印字用紙、感光紙、静電記録紙等)に転写方式あるいは直接方式で形成担持させた画像情報の未定着トナー画像を固着像として熱定着処理する定着装置に関する。
従来、電子写真方式、静電記録方式等を採用する画像形成装置に具備される定着装置として、いわゆる熱ローラ方式の定着装置が広く用いられていた。最近では、フィルム加熱方式の定着装置が広く用いられている。フィルム加熱方式の定着装置は、加熱効率の高さや立ち上がりの速さにより、従来の熱ローラ方式の定着装置に比べて多くの利点を有している。
フィルム加熱方式の定着として、定着フィルム内面に導通部材を接触させることでGND(グランド)に接地させる方法がある(例えば、特許文献1参照)。この導通部材は弾性を有するSUSなどの板バネの先端にカーボンチップなどの接触部材を配置させたもので、これをフィルム内面に弾性的に接触させ、GNDに接地させることで、フィルム表面電位を制御している。
特開2005−166299号公報
しかしながら、この給電方法の加熱装置をより高速化・高寿命化させて使用すると、定着フィルム内面が加熱ヒータと摺動して削られる。これにより、フィルム内面が粗れ、導通部材とフィルム内面が削りあい、フィルムの回転軌跡が不安定化してくる。これらの原因によって、導通部材とフィルム内面の接触状態が不安定になる。これにより、定着フィルム表面電位を十分に制御できない可能性がある。また導通部材とフィルム内面が接触不良になると、ノイズが発生しやすくなる。すると、このノイズが画像形成装置の本体制御系に到達する。これにより、画像形成装置の誤動作や停止といった問題が発生するおそれがある。
このため、高速化・高寿命化された、導電性の基層からなる定着フィルムを用いた加熱装置において、定着フィルム内面と導通部材の安定した接触状態を保持し、定着フィルムの表面電位を安定して制御させることが望まれていた。
本発明の目的は、高寿命化による長期使用においても、画像品質を安定して良好に保つように定着動作の制御をすることである。
前記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、
加熱体と、前記加熱体を保持する加熱体保持部材と、前記加熱体と摺動し内面が導電性であるエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトを介して前記加熱体に対して加圧されることで定着ニップ部を形成する加圧部材と、を有し、
前記定着ニップ部でトナー像を担持した記録材を加熱定着する定着装置において、
前記加熱体保持部材は、前記エンドレスベルトの回転軌跡を規制するための接触面を有し、
前記接触面に前記エンドレスベルトとの電気的接点を有することを特徴とする。
本発明は、上述のような構成を有するので、高寿命化による長期使用においても、画像品質を安定して良好に保つように定着動作の制御をすることができる。
〔第1実施形態〕
以下に、本発明に係る第1実施形態を示す。
(画像形成装置)
まず、定着装置を有する画像形成装置について説明する。図1は第1実施形態に係る画像形成装置の概略断面図である。図1に示すように、画像形成装置は給送トレイ81、シート積載台82、給送ローラ83からなるシート給送装置を備える。
シート給送装置において、給送トレイ81内のシート積載台82に積載された記録材Pは、給送ローラ83により最上位の記録材から一枚ずつピックアップされる。その後、記録材Pは、搬送ローラ84、搬送コロ85によって、レジストローラ86とレジストコロ87からなるレジスト部に搬送され、搬送方向を揃えられる。その後、画像形成部へと給送される。
画像形成部は、像担持体としての感光体ドラム88と、感光体ドラムを帯電させる帯電器、感光体ドラム上の静電潜像をトナーで現像する現像器、感光体ドラム上の残留トナーを除去して収容するクリーナー等のプロセス手段を有する。これらのプロセス手段は、トナーカートリッジ89としてユニット化して構成される。
レーザスキャナユニット90は、多面体ミラー91、多面体ミラー回転用モータ、レーザユニット等がユニット化されて構成されている。
レーザスキャナユニット90から画像情報に基づくレーザ光Lが照射される。すると、感光体ドラム上88には画像情報に基づいた静電潜像が電子写真方式で形成される。この静電潜像は現像手段により現像剤としてのトナーにより現像される。この現像されたトナー像は、転写ローラ92により感光体ドラム88上から搬送される記録材Pに転写される。
トナー像の転写を終えた記録材Pは、加熱部材30、定着フィルム(エンドレスベルト)40と加圧ローラ20からなる定着装置に搬送される。定着装置においては、転写されたトナー像が加熱定着される。
その後記録材Pは、中間排出ローラ93、排出ローラ94等からなる排出ユニットにより排出トレイ95上に排出される。
また、画像形成装置本体の側面には、機内の画像形成部、電装基板等の昇温箇所を冷却するための冷却ファン96が取り付けられている。これにより、適宜ファンを回転することで外気を機内に取り込み、機内を冷却する。また、冷却ファン96の近傍には、サーミスタ等の温度検知手段97が取り付けられている。これにより、冷却ファン96によって機外の空気を取り込んだ際に、画像形成装置が設置されている環境の温度を検知し、その検知結果に基づいて定着装置の温度制御シーケンスにフィードバックする。
(定着装置)
次に、記録材上の未定着トナー画像を永久画像として記録材上に加熱定着する定着装置の構成を説明する。図2は定着装置の概略断面図であり、(a)が定着装置の全体概略断面図で、(b)が定着フィルムの拡大断面図である。
本実施形態における定着装置は、円筒状の薄肉金属の基層上に弾性層が形成された定着フィルム40を用いたフィルム加熱方式の定着装置であり、図2(a)に第1実施形態に係わる概略断面図を示す。
記録材Pは前述したように感光体ドラム・転写ローラなどからなる画像形成部にてトナー画像を現像・転写されたあと、加熱定着部へと送られ、記録材Pの先端は定着フィルム40と加圧ローラ20とで形成される定着ニップ部Fへと導かれる。定着ニップ部Fで加熱定着が行われ、上述の排出ユニットへと搬送される。
定着装置は、円筒状の定着フィルム40、加圧部材としての加圧ローラ20、を有する。また、加熱部材30を構成する加熱ヒータ(加熱体)31、金属製の横断面下向U字型の加圧ステー35、横断面略半円弧状樋型の耐熱性・剛性を有するヒータホルダー(加熱体保持部材)32を有する。
(定着フィルム40)
定着フィルム40は、図2(b)に示すように、離型層41、弾性層42、基層43から構成される。定着フィルム40は、加熱ヒータ基盤31と摺動する内面が導電性である。
基層43は、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等の耐熱性樹脂にカーボンなどの導電フィラーを混入し導電化し、薄肉の可撓性を有するエンドレスベルトを形成している。ここで、基層としてより熱伝導率の高いSUS、Ni等の薄肉金属を用いる方が好ましい。
弾性層42は、基層43上にシリコーンゴムなどで形成される。弾性層42があることにより、記録材上のトナーを包み込むことによって、均一に熱を与えることができる。このため、ハーフトーン画像などでのガサツキを抑え、均一で十分な定着性を得るために必要である。弾性層42の厚みは、厚いほど記録材上のトナーを包み込んで均一に定着させることができる(包み込み効果)。しかし、厚すぎると熱容量が大きくなりすぎて定着フィルム40の立ち上がりが遅くなってしまい、フィルム加熱方式特有のオンデマンド性が低下してしまう。そのため、弾性層42の厚みとしては30μm以上500μm以下、好ましくは100μm以上300μm以下がよい。また、弾性層42の熱伝導度としては高いほど好ましいく、0.2W/m・K以上、特に0.8W/m・K以上であることが好ましい。かかる熱伝導度を達成するようにZnO,AlN等の熱伝導性フィラーをシリコーンゴムに混入し、調整することが好ましい。
離型層41は、弾性層42の上に構成される。離型層41は、パープルアロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン樹脂(FEP)等のフッ素樹脂で形成する。この離型層41は、チューブを被覆させたものでも表面を塗料でコートしたものであってもよい。離型層41はチューブを被覆させたものの方が耐久性に優れる。
定着フィルム40において、定着フィルム40の外径は熱容量が抑えられるため、小さい方が好ましい。しかしながら、外径を小さくしすぎると定着ニップ部Fが細くなってしまうために極度に小さくすることはできない。弾性層42の厚みに関しても、上述したように薄すぎれば包み込み効果が低下し、厚すぎると熱容量が増え、立ち上がりが遅くなってしまうので適度な厚みが必要である。
従って、本実施形態における定着フィルム40は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させ、さらに機械的強度を満足するようポリイミド、SUS等の基材43の肉厚を、100μm以下、好ましくは70μm以下20μm以上としている。そして基材43の内径は16〜30mmとしている。
弾性層42の肉厚は、包み込み効果を考慮し30〜500μm、好ましくは50〜300μmとすることが好ましい。離型層41としては、フッ素樹脂層を1μm〜50μm程度の厚みで形成することが好ましい。
(加圧ローラ20)
図2(a)に示すように、加圧ローラ20は、内面側から、芯軸部23、弾性層22、離型層21を重ねることで構成される。
芯軸部23は、アルミ、鉄製にて形成される。あるいは芯軸部23に高強度、低熱容量で断熱効果の高いセラミック多孔質体を用いても良い。
弾性層22は、芯軸部23の外部に形成される。
弾性層22としては、例えば、シリコーンゴムで形成された弾性層22(ソリッドゴム層)が挙げられる。また、断熱効果をもたせるため、シリコーンゴムを発泡して形成された弾性層22(スポンジ層)としてもよい。また、より断熱効果を持たせるため、シリコーンゴム層内に中空フィラーを形成してもよい。更に、吸水性ポリマーおよび水を添加することで形成された多孔質を有する弾性層22(気泡ゴム層)としてもよい。
ここで、加圧ローラ20の熱容量が大きく、また熱伝導率が少しでも大きいと、定着フィルム表面から熱を吸収しやすくなる。すると、定着フィルム表面温度が上昇しにくくなる。このため、できるだけ低熱容量で熱伝導率が低く断熱効果の高い材質の方が、定着フィルム表面温度の立ち上がり時間に有利である。
しかし、カラー画像形成装置や高速機に用いる場合では、加圧ローラ20からの熱の供給がグロスや定着性の向上に必要である。このため、加圧ローラ20の熱容量・熱伝導率はある程度高いほうが好ましく、用いる画像形成装置のスピードなどを考慮して加圧ローラ20の熱容量・熱伝導率を決める必要がある。
ここで、上記シリコーンゴムのソリッドゴムは熱伝導率が0.25〜0.29W/m・K、スポンジゴム・気泡ゴムは0.11〜0.16W/m/Kであり、スポンジゴム・気泡ゴムは、ソリッドゴムの約半分の値を示す。また、熱容量に関連する比重は、ソリッドゴムが各1.05〜1.30であり、スポンジゴム・気泡ゴムが約0.75〜0.85である。
本実施形態では高速の画像形成装置で使用するために、適正な定着ニップ部Fの幅が形成でき、かつ熱容量をある程度確保する必要がある。このことから、肉厚が3mmのソリッドゴムを用いて弾性層22を形成し、外径がφ30mmの加圧ローラ20を使用した。
離型層21は、弾性層22の上に形成される。離型層21は、パープルアロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン樹脂(FEP)等のフッ素樹脂で形成される。離型層21はチューブを被覆させたものでも表面を塗料でコートしたものであってもよいが、チューブの方が耐久性に優れ、好ましい。
(加熱部材30)
本実施形態に使用される加熱部材30は、定着フィルム40の内面に摺動しながら急速加熱する板状発熱体である。加熱部材30は、加熱ヒータ基板31、ヒータホルダー32、温度検知素子33、温度検知手段34、加圧ステー35を有する。
加熱ヒータ基盤31は、アルミナや窒化アルミ等の絶縁性のセラミックス基板やポリイミド、PPS、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂基板より形成される。表面に長手方向に沿って、例えばAg/Pd(銀パラジウム)、RuO、TaN等の通電発熱抵抗層をスクリーン印刷等により、厚み10μm程度、幅1〜5mm程度の線状もしくは細帯状に塗工して形成される。加熱ヒータ基盤31の加圧ローラ側(表面側)には、熱効率を損なわない範囲で加熱ヒータ基盤の通電発熱抵抗層を保護する保護摺動層を設けてあっても良い。ただし、保護摺動層の厚みは十分薄く、表面性を良好にする程度が好ましい。
その例としては、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン樹脂(FEP)、エチレンテトラフルオロエチレン樹脂(ETFE)、がある。また、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(CTEF)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)等のフッ素樹脂層を単独ないしは混合して被覆するものがある。また、グラファイト、ダイアモンド・ライク・カーボン(DLC)、二硫化モリブデン等からなる乾性被膜潤滑剤、ガラスコート等の保護摺動層が考えられる。また、加熱ヒータ基盤31として熱伝導性の良好な窒化アルミ等を使用する場合には、通電発熱抵抗層は加熱ヒータ基盤31に対して加圧ローラ20と反対側(裏面側)に形成してあっても良い。
ヒータホルダー32は、加熱ヒータ基盤31を保持する。液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等の耐熱性樹脂により形成され、熱伝導率が低いほど定着フィルム内面の加熱に際する熱効率が高くなる。よって樹脂層の中に中空のフィラー、例えばガラスバルーン、シリカバルーン等を内包してあっても良い。
ヒータホルダー32の形状を図3を用いて説明する。図3は加熱部材の拡大断面図である。
図3に示すように、ヒータホルダー32には加熱ヒータ基盤31の上下流に、それぞれ、上流アゴ321及び下流アゴ322(突出形状部)が設けてある。上流アゴ321及び下流アゴ322は、加熱ヒータ基盤31の記録材搬送方向上下流側において、加熱ヒータ基盤31を挟持するように突出する。上下流のアゴ321、322は、保持している加熱ヒータ基盤31の表面よりも加圧ローラ20側へ突き出す形状で、定着ニップ部Fの上下流における定着フィルム40の回転軌跡を、接触しながら規制する。ここで、ヒータホルダー32において、定着フィルム40と接触する面を接触面という。
このように、シート搬送方向において、定着ニップ部Fの上下流で突出させる形状のアゴ321、322を形成することで、定着フィルム内面が加熱ヒータ基盤31のエッジで削られることを防止する。また、加熱ヒータ基盤31表面に塗布された摺動グリスが、定着フィルム40内面の定着ニップ部F内に維持される。このように、上下流のアゴ321、322があることによって、グリスの循環が防止される。
温度検知手段34は、加熱ヒータ基盤裏面温度を検知するためのサーミスタ等であり、加熱ヒータ基盤31裏面に配設される。温度検知手段34は、不図示の通電制御回路により、温度検知素子33で検知される加熱ヒータ基盤31裏面温度が一定になるようにする。具体的には、加熱ヒータ基盤31の通電発熱抵抗層に印加される電圧のデューティー比や波数などを適切に制御する。また、温度検知手段34は、加熱ヒータ基盤31裏面に限らず、SUSなどの板バネでなどフィルム内面に弾性的に当接させてもよい。
温度検知素子33は、加熱ヒータ基盤31の裏面に配設される、サーモスイッチ、温度ヒューズ等である。サーモプロテクタ等の温度検知手段34は、不図示の通電回路により通電発熱抵抗層と直列接続されている。これにより、加熱ヒータ基盤が温度検知素子33の故障等により暴走状態になったときに、加熱ヒータ基盤31の異常昇温を温度検知手段34が検出し、通電発熱抵抗層への通電をシャットダウンする構成である。
加圧ステー35は、ヒータホルダー32の内側に挿通され、金属製の横断面下向U字型の形状である。
以上の部材からフィルムユニットは、定着フィルム40をヒータホルダー32にルーズに外嵌させて構成される。このフィルムユニットを、ヒータ表面が加圧ローラ20側に向くようにして加圧ローラ20に平行に配置する。そして、加圧ステー35の両端部を不図示の加圧手段によって加圧ローラ20の軸線方向に付勢する。
これにより、加熱ヒータ基盤31の表面を、定着フィルム40を介して加圧ローラ20に圧接させ、その加圧力により定着フィルム40と加圧ローラ20の間に加熱定着に必要な所定幅の定着ニップ部Fを形成する。
加圧ローラ20の芯軸部23は、長手方向両端において、不図示のベアリング等によって回転自在に保持されている。また、加圧ローラ20の長手方向一端の芯軸部先端には、駆動ギアが配置されている。この構成によって、不図示の駆動伝達機構からの駆動が、加圧ローラ20を回転駆動する。そして加熱部材30により、加圧ローラ20と圧接状態にある定着フィルム40は、加圧ローラ20に従動して回転する。
以上により、定着フィルム40を加熱源としての加熱部材30より加熱した状態で、定着フィルム40と加圧ローラ20の間で形成される定着ニップ部Fに、記録材Pが導入される。記録材Pには未定着トナー画像が形成されており、当該未定着トナー画像は、定着ニップ部F内で与えられる圧力及び熱によって、トナー画像を記録材Pに固着状態とする。
(導通部材50)
電気的接点としての導通部材50の位置等について説明する。図4は第1実施形態における加熱部材30の説明図である。
図4に示すように、導通部材50は、記録材Pの搬送方向の中央基準にあたるヒータホルダー32の上流アゴ321の長手方向中央部に配置される。導通部材50は、SUS板と接点部材を有する。加圧ステー35に電気的に導通させて固定される。
ヒータホルダー32のアゴ321、322は、定着フィルム40の回転軌跡を接触して規制する形状となっている。このため、ヒータホルダー32の上流アゴ321に配置された導通部材50は、常に定着フィルム内面と安定して摺擦する。これにより、定着フィルム40は金属ステー35と電気的に導通状態にある。
加圧ステー35は、トナーと同極性であるマイナスのバイアスを印可する高圧電源に接続されている。このため、定着フィルム40の表面電位が、マイナスに制御される。定着フィルム40の表面がマイナスに帯電されることで、定着装置に突入する定着前の記録材P上のトナーが、定着フィルム40へ転移するのが静電的に防がれる。このため、トナーが定着フィルム40にオフセットされることを防止することでき、グロスムラや画像不良等の発生を防止することができる。
また、加圧ステー35はダイオードを介して接地させ、定着フィルム40の内面を電気的に接地させる。これにより、フィルム表面が帯電することを防止することができ、定着前の記録材P上のトナー像に、静電的な影響を与えることを防止することもできる。尚、高速の定着速度においては、定着フィルム40の表面をトナーと同極性の電位に制御することで、より安定した画像を得ることができる。
このように、本実施形態においては、ヒータホルダー32の上流アゴ321に、フィルム内面へバイアスを印可する導通部材50を配置する。ヒータホルダー32は、定着フィルム40に対して接触することで、強制的に定着フィルム40の回転軌跡を規制している。このため、ヒータホルダー32に配設される導通部材50は、回転するフィルム40へ安定して接触されることとなる。また導通部材50とフィルム内面の接点不良を抑制することで、接点不良に起因する本体制御系に対する悪影響を発生させない。
また、前述のように表面にゴム層(弾性層)42を持ち、表面側からの導通を取りにくい金属の定着フィルム40においても、本実施形態の導通部材50の構成によれば、導通を確実に取ることが可能となる。また、金属製の加圧ステー35を電路の一部として利用することで、新たな配線を必要としない。このため、定着フィルム40の小径化が可能となる。
〔実施例〕
上記のことを確認するために、本実施形態の定着装置における実施例を説明する。図5は第1実施形態に係る実施例の結果を示す図表である。図7は実施例と対比する比較例の構造(従来例)を説明した図である。
本実施例においては、40万枚の連続画像形成を行い、その時の定着画像に尾引き、オフセットなどの画像不良、電気的接点不良に起因する本体信号系への悪影響、等の不良があるか否かを確認した。画像レベルと本体信号系への悪影響の結果を図5に示す。
本実施例において、試験環境は23℃、50%RHの常温常湿環境である。記録材は普通紙としてXEROX4024(LTRサイズ、坪量75g/m)の紙を用い、40万枚の連続通紙を行った。
図5において、符号の意味は次のとおりである。画像レベルとしては、○:画像不良が無く良好。△:画像不良があるが、許容レベルで実用可能。×:画像不良があり、実用不可能。の3段階で示す。
また、本体信号系への悪影響としては、無:本体信号系に一切の悪影響が無い。有:本体信号系に悪影響があり、本体が誤動作した。の2段階で示す。
図5に示すように、本実施形態では、初期から20万枚目までは画像不良が無く、良好であった。30万枚あたりから若干の尾引きとオフセットが発生したが、連続通紙40万枚に至るまで、画像レベルは許容内であった。これに対して比較例では、初期から5万枚までは画像のレベルは良好であったが、10万枚目では尾引きとオフセットが若干発生し、30万枚目では多くの画像不良が発生してしまい、実用不可能になってしまった。
画像不良が発生する原因の一つとしては、導通部材50と定着フィルム内面の接触状態が不安定になっていることが考えられる。もう一つの原因としては、フィルムの劣化が挙げられる。これは、耐久が進むにつれて定着フィルム40表面の離型層41が、記録材や加圧ローラ20などとの摩擦により削れ、表面性が悪化してしまうことで、離型性が悪化することでオフセットなどの画像不良が発生してしまうことによる。
また、本体信号系への悪影響に関してみると、本実施例では40万枚の連続通紙を通じて一切の問題が発生しなかった。これに対して比較例では、30万枚あたりから画像形成装置が誤動作してしまう問題が発生し始めた。
これらの結果について、図5、図7を用いて詳しく説明する。
まず、比較例の導通部材50の構成は、図7に示すように、弾性を有するSUS板51の先端に接点部材52としてカーボンチップを配置した。導通部材50を弾性的にフィルム内面に摺動させる。
通紙初期において、フィルム40内面には削れが無く、またフィルム自体が安定して回転した。このため、接点部材52は安定的にフィルム内面に当接することができ、フィルム表面電位が安定することで尾引きやオフセットの発生を抑えることができた。しかし連続通紙が進むにつれて、フィルム内面が傷ついたりフィルムの回転が不安定化したりする。このため、導通部材とフィルム内面との接触状態が不安定になる。この結果、フィルム表面電位を制御しきれず、尾引き、オフセットが発生してしまった。また導通部材50とフィルム内面が接触不良になると、ノイズが発生しやすくなる。そして、このノイズが画像形成装置の本体制御系に到達することで、画像形成装置の誤動作や停止といった問題が発生してしまった。
これに対して、本実施形態の実施例においては、フィルム40の回転軌跡を接触して強制的に規制しているヒータホルダー32の上流アゴ321に、フィルム40内面へバイアスを印可する導通部材50を配置している。このため、40万枚の連続通紙を行うことで、フィルム40内面が削れ、フィルム40の回転が不安定になったとしても、フィルム40内面は常に導通部材50が配置された上流アゴ321と接触していることになる。このため、フィルム40内面に導通部材50が安定して接触させることができ、フィルム40表面電位を制御することができた。そのため40万枚の連続通紙を行っても、許容範囲の尾引き、オフセットレベルであった。また、導通部材50とフィルム内面の接点不良に起因する本体制御系への悪影響は一切発生しなかった。
以上説明したように、本実施形態においては、フィルム40の回転軌跡を規制しているヒータホルダー32の上流アゴ321に、内面が導電性のフィルム40内面へのバイアスを印可する導通部材50を配置する。
このため、長期の耐久により、フィルムの回転が不安定になることや、フィルム内面が削れて粗れるようなことがあったとしても、フィルム40内面は常に導通部材50が配置された上流アゴ321と接触している。このため、フィルム40内面に導通部材50を安定して接触させることができ、フィルム40表面電位を安定して制御することができる。これにより、長期の寿命に至るまで、定着画像のオフセット、尾引き、加圧ローラ汚れによる画像品質の低下を防ぐことが可能となる。
また導通部材50とフィルム40内面との安定した接触が保持される。このため、接触不良によるノイズが発生することも無く、このノイズに起因する本体制御系への誤動作などの悪影響も発生することは無い。
〔第2実施形態〕
図6を用いて第2実施形態を説明する。図6は第2実施形態に係る加熱部材30の説明図である。
前記第1実施形態の定着装置をモノクロの画像形成装置や低速のカラー画像形成装置で用いている場合には、何ら問題なく良好な画像を得ることができる。しかし、より高速なカラー画像形成装置で用いる場合、定着フィルム40表面のほんのわずかな温度差が定着を不均一にしてしまい、光沢ムラを発生させるおそれがある。
前記第1実施形態では、ヒータホルダーの上流アゴ321の導電部材50は、画像印字範囲内に配置されている。ここで、導通部材50と周囲のヒータホルダー32の熱伝導率及び熱容量が異なるため、定着フィルム表面温度にムラが発生してしまい、記録材上の画像に光沢ムラとして導電部材50の跡が見えてしまう可能性がある。
本実施形態の定着装置においては、用いる画像形成装置はA4機である。このため、通紙(記録材の搬送)ができる最大幅は、LTRサイズである。これを考慮し、導通部材50の配置する場所を、ヒータホルダーの上流アゴ321の長手方向において、定着フィルム40の両端より内側でLTRサイズよりも外側の非通紙領域に配置した。
図6に示すように、本実施形態においては、加熱ヒータ基盤31の長手方向において、画像形成領域の外側で且つ定着フィルム40の端部よりも内側のヒータホルダー32の接触面に、導通部材50を配設した。これにより、熱分布に敏感な高速のカラー画像形成装置に本実施形態の定着装置を用いても、光沢ムラなどの画像不良を発生させること無く、良好な定着画像を得ることが可能となる。
〔他の実施形態〕
前述の実施形態においては、導通部材50をヒータホルダー32の上流アゴ321の片側に1つのみ配置したが、これに限るものではない。例えば、反対側に導通部材50をもう1つ配置することで、より導通部材50と定着フィルム内面との接触を安定させることが可能となる。
また、前述の実施形態において、寸法を具体的に例示して挙げたが、これに限るものではない。
第1実施形態に係る画像形成装置の概略断面図。 第1実施形態に係る定着装置の概略断面図。 第1実施形態に係る加熱部材の拡大断面図。 第1実施形態に係る加熱部材の説明図。 第1実施形態に係る実施例の結果を示す図表。 第2実施形態に係る加熱部材の説明図。 実施例と対比するための比較例(従来例)の構造を説明した図。
F…定着ニップ部、L…レーザ光、P…記録材、20…加圧ローラ、21…離型層、22…弾性層、23…芯軸部、30…加熱部材、31…加熱ヒータ基盤、32…ヒータホルダー、33…温度検知素子、34…温度検知手段、35…加圧ステー、40…定着フィルム、41…離型層、42…弾性層、43…基層、50…導通部材、81…給送トレイ、82…シート積載台、83…給送ローラ、84…搬送ローラ、85…搬送コロ、86…レジストローラ、87…レジストコロ、88…感光体ドラム、89…トナーカートリッジ、90…レーザスキャナユニット、91…多面体ミラー、92…転写ローラ、93…中間排出ローラ、94…排出ローラ、95…排出トレイ、96…冷却ファン、97…温度検知手段、321…上流アゴ、322…下流アゴ
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