JP6661340B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は定着装置に関し、レーザプリンタ、LEDプリンタ等のプリンタ、デジタル複写機等の電子写真方式、静電記録方式を用いた画像形成装置に好適なものである。
近年、画像形成装置において、未定着トナー像を記録材に定着する定着方式としてフィルム加熱方式を用いた定着装置が実用化されている。このフィルム加熱方式の定着装置においては、セラミックヒータ及びフィルムに低熱容量の部材を用いることでオンデマンドタイプの装置を構成することができ、画像形成実行時のみセラミックヒータに通電することで所定の定着温度が得られる。
そのため、フィルム加熱方式は、画像形成装置の電源オンから画像形成実行可能状態までの待ち時間が短く(クイックスタート性)、スタンバイ時の消費電力も大幅に小さい(省電力)等の利点があり、エネルギーを無駄にしない優れた加熱方式となっている。
このようなフィルム加熱方式の定着装置においては、記録材を定着領域で定着する場合、フィルム(加熱回転体)の通紙域表面は略均一な温度分布となる。しかしながら、装置に通紙可能な最大幅を有する大サイズ記録材よりも小さい小サイズ記録材を連続的に通紙して定着を実行させた場合、加熱回転体の非通紙域(記録材搬送領域外)の表面の温度が過度に上昇するおそれがある。
これは、小サイズ記録材を連続的に通紙すると、定着ニップ部の記録材の通過しない非通紙域では、記録材による奪熱が無い分だけ部分的に蓄熱されるためである。この現象は、定着装置の端部昇温あるいは非通紙部昇温と称され、この端部昇温が高温となると、ホットオフセットの発生や装置構成部品の熱劣化につながる。
そこで、定着フィルムガイド部材を兼ねるヒータ支持部材である断熱支持部材と、ヒータとの接着面の間に、高熱伝導部材としての金属板を全域に介在させ、小サイズシートを通紙した場合でも長手方向の温度差を小さくすることが知られる(特許文献1)。即ち、セラミックヒータの基板面にアルミニウム、グラファイトシートなどの熱伝導部材を接触させる定着器構成が提案されている。これにより、非通紙領域に蓄熱された熱を長手方向へ緩和させることが可能となるため、ホットオフセットの発生や装置構成部品の熱劣化を抑制することができる。
特開平11−84919号公報
しかしながら、上記のフィルム加熱方式の定着装置は、ヒータからフィルムと加圧ローラを介して装置のフレームグラウンド(以下FG)に接地されている場合、ヒータ基板に配置された熱伝導部材とサーミスタが接触している構成において以下の課題がある。即ち、定着装置におけるヒータに接続された電源ラインからFGの間に、雷などによるサージ電圧が印加されると、熱伝導部材が高い電位を持つようになるため、熱伝導部材から二次側回路であるサーミスタに対して放電が発生する場合がある。
この課題を解決するために、サーミスタが熱伝導部材に接触しない定着装置構成が考えられるが、熱伝導部材がサーミスタに接触していない場合、サーミスタは非通紙領域に蓄熱された熱量を熱伝導部材経由で検知することができない。そのため、非通紙部の温度に応じて、ヒータへ通電する電力を絞ることができなくなるため、十分な非通紙部昇温の抑制ができない。
本発明の目的は、非通紙部昇温の抑制が十分にできるとともに、サージ電圧が印加された場合でも熱伝導部材に接触するサーミスタへの放電が抑制される定着装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る定着装置は、筒状のフィルムと、基板と、前記基板に設けられる発熱抵抗体と、を備え、前記フィルムを加熱するために電源ラインで電源に接続されるヒータと、前記基板に接触し、記録材搬送方向に直交する第1の方向にびた熱伝導部材と、前記熱伝導部材と前記ヒータを保持する保持部材と、前記保持部材に保持されて前記熱伝導部材に接触するサーミスタと、前記フィルムを介して前記ヒータに対向し、前記ヒータと共にニップ部を形成する対向部材と、を有し、未定着トナー像が形成された記録材を前記ニップ部で挟持搬送する定着装置であって、前記熱伝導部材の前記第1の方向における前記サーミスタが含まれる領域を第1領域とし、前記第1の方向および前記記録材搬送方向に直交する第2の方向から眺めるとき、少なくとも前記第1領域において、前記熱伝導部材の前記記録材搬送方向における長さは、前記サーミスタの前記記録材搬送方向における長さより短く、前記第2の方向から眺めるとき、前記第1の方向における前記サーミスタが含まれない第2領域における前記熱伝導部材の前記記録材搬送方向における長さは、前記第1領域における前記熱伝導部材の前記記録材搬送方向における長さより長いことを特徴とする。
本発明によれば非通紙部昇温の抑制が十分にできるとともに、サージ電圧が印加された場合でも熱伝導部材に接触するサーミスタへの放電が抑制される。
本発明の実施形態に係る定着装置を搭載した画像形成装置の概略図である。 本実施形態に係る定着装置の概略図である。 本実施形態に係る定着装置におけるサーミスタの概略図である。 本実施形態に係る定着装置における熱伝導部材とサーミスタの配置図である。 比較例における熱伝導部材とサーミスタの配置図である。 本実施形態に係る定着装置におけるサーミスタへの放電経路を示した図である。 本実施形態に係る定着装置における非通紙部昇温の実験結果を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。但し、以下の実施形態に記載される構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜変更されるべきものである。
(画像形成装置)
図1は、本発明の実施形態に係る定着装置を搭載した画像形成装置の一例の構成概略図である。本例の画像形成装置は、転写式電子写真プロセス利用のレーザービームプリンターである。1は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)であり、矢印aの時計方向に所定の周波数(プロセススピード)にて回転駆動される。
感光ドラム1は、OPC・アモルファスSi等の感光材料層を、アルミニウムやニッケルなどのシリンダ(ドラム)状の導電性基体の外周面に形成した構成から成る。感光ドラム1は、その回転過程で帯電手段としての帯電ローラ2により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。その後、回転感光ドラム1の一様帯電面に対して、レーザービームスキャナ3より、画像情報に応じたレーザービームによる走査露光Lがなされることにより、回転感光ドラム面に目的の画像情報の静電潜像が形成される。
その形成潜像が現像装置4でトナーTにより現像されて、可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像との組み合わせで用いられることが多い。
一方、給紙ローラ8の駆動により給紙カセット9内に収容されている記録材Pが一枚ずつ繰り出されて、ガイド・レジストローラを有するシートパスを通って感光ドラム1と転写ローラ5の圧接部である転写ニップ部に所定の制御タイミングにて給送される。そして、転写バイアス印加電源によって転写ローラ5に正極性の転写バイアスが印加され、感光ドラム1面側の負極性のトナー像が記録材(シート)Pとしての記録紙の面上に順次転写されていく。
転写ニップ部を出た記録材は、回転している感光ドラム1の面から順次に分離、搬送され、定着装置6に導入されてトナー画像の熱定着処理を受ける。定着装置6については、後に詳述する。定着装置6を出た記録材Pは、搬送ローラ・ガイド・排紙ローラを有するシートパスを通って、排紙トレイにプリントアウトされる。
また、記録材分離後の感光ドラム面は、クリーニング装置7により転写残トナー等の付着汚染物の除去処理を受けて清浄面化され、繰り返し作像に供される。
なお、本実施形態では、感光ドラム1はOPCドラム、現像方法はジャンピング現像法である。
(定着装置)
図2(a)は本実施形態に係る定着装置6の概略構成を示す断面図、図2(b)は定着装置6におけるヒータ断面図、図2(c)は定着装置6の分解斜視図である。この定着装置6は、基本的には定着アセンブリ10(ヒータ11を含む)と、加圧ローラ20(ヒータ11に対向しヒータ11と共に定着ニップ部(ニップ部)Nを形成する対向部材)よりなるフィルム加熱方式の定着装置である。未定着トナー像が形成された記録材は、このニップ部Nで挟持搬送されて、トナー画像の熱定着処理を受ける。
定着アセンブリ10は、筒状の定着フィルム(フィルム)13と、ヒータ11と、ヒータ11を保持する断熱ホルダー12と、加圧バネ15より加圧力を受けて断熱ホルダー12を加圧ローラ20に抗して押圧する金属ステー14と、から主に構成される。そして、ヒータ11は、断熱ホルダー12に保持され、主に絶縁性セラミック基板11a、発熱抵抗体としての通電発熱抵抗層11b、保護層11cから構成される。
本実施形態の特徴である熱伝導部材100とサーミスタとしてのサーミスタ50の関係については、後に詳述する。
1)定着フィルム13
定着フィルム13は、クイックスタートを可能にするために総厚200μm以下の厚みの耐熱性フィルムである。定着フィルム13は、ポリイミド、ポリイミドアミド、PEEK、PES、PPS等の基層フィルム表面上に、PTFE,PFA、FEPなどのフッ素樹脂からなる離型性層をコーティングまたはチューブで形成した複合層フィルムで構成されている。なお、本実施形態では、表層(離型性層)が厚み10μmのPFA、プライマ層が厚み5μm、基層が厚み60μmのポリイミド、とからなる総厚75μm、外径φ24mmのものを採用している。
2)ヒータ11
図2(a)に示すように、ヒータ11は定着フィルム13の内面に接触することによりニップ部Nの加熱を行う。そして、図2(b)で、アルミナや窒化アルミニウム等の絶縁性セラミック基板11aの表面に、記録材搬送方向と直交する長手方向(第1の方向)に沿って、通電発熱抵抗層11bが厚み約10μm、幅約1〜5mm程度でスクリーン印刷等により形成されている。ここで、通電発熱抵抗層11bは、Ag/Pd(銀パラジウム)、RuO、TaN等で形成されている。
なお、ヒータ11は、定着フィルム13と接する面に、熱効率を損なわない範囲で通電発熱抵抗層11bを保護する保護層11cを設ける。保護層11cの厚みは十分薄く、表面性を良好にする程度が望ましく、一般的には30〜200μm程度のガラスコートが用いられる。
本実施形態のヒータ11は、絶縁性セラミック基板11aの材質をアルミナ、長手方向(第1の方向)の長さを270mm、記録材搬送方向の長さを7.0mm、厚さを1.0mmとした。また、通電発熱抵抗層11bの材質をAg/Pd(銀パラジウム)、通電発熱抵抗層11bの長手方向(第1の方向、X方向)の長さを218mm(X方向で記録紙中心からの長さ109mm)とした。また、保護層11cのガラスコートの厚さを60μmとした。
3)加圧ローラ20
ヒータ11に対向しヒータ11と共にニップ部Nを形成する対向部材としての加圧ローラ20は、内部にSUS、SUM、Al等の金属製芯金21を備えた弾性ローラである。金属製芯金21の外側には、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムで形成した弾性ソリッドゴム層、あるいはより断熱効果を持たせるためにシリコーンゴムを発泡して形成した弾性スポンジゴム層を備える。或いは、金属製芯金21の外側にシリコーンゴム層内に中空のフィラー(マイクロバルーン等)を分散させ、硬化物内に気体部分を持たせて断熱効果を高めた弾性気泡ゴム層等の弾性層22を備える。
なお、この上にPFA、PTFE等の離型層を形成してあってもよい。
本実施形態では、金属製芯金21としてAl(アルミニウム)、弾性層22(図2(a))としてシリコーンゴム、離型層としてPFA、とから成る外径φ20mmの加圧ローラとした。なお、金属製芯金21は、不図示の高抵抗を介してFG(装置のフレームグラウンド)に電気的に接地されている。
4)サーミスタ50
図2(c)、図3に示すサーミスタとしてのサーミスタ50は、ヒータ11への接触状態を安定させ筐体を形成するセラミックペーパー52を介して、サーミスタ素子51を配している。そして、絶縁物としてのポリイミドテープ53でサーミスタ素子51を被覆している。なお、図3でX方向は長手方向(第1の方向)、Y方向は記録材搬送方向である。
サーミスタ素子51はφ0.15mmのジュメット線54につながっており、検出した温度を電気信号として不図示のCPUへ伝達する。このようなサーミスタ50は、ヒータ11を保持する保持部材である断熱ホルダー12に設けられ、断熱ホルダー12に設けられた貫通穴を介して、所定の圧力で以下に述べる熱伝導部材100に接触配置される。
5)熱伝導部材100
図2(c)、図4に示す熱伝導部材100は、ヒータ基板である絶縁性セラミック基板11aに貼り付けられ、ヒータ11と断熱ホルダー12との間に挟まるようにして、ヒータ11と共に断熱ホルダー12に保持されるものである。そして、この熱伝導部材100は、絶縁性セラミック基板11aよりも熱伝導率の良い(高い)材質の部材である。
例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、黒鉛をシート状に加工したグラファイトシート等である。熱伝導部材100の熱伝導率は、0℃において200W/(m・K)以上であることが望ましい。なお、アルミナ(酸化アルミニウム)の熱伝導率は約20W/(m・K)、純粋な窒化アルミニウムでも熱伝導率は200W/(m・K)である。
熱伝導部材100の長手方向(第1の方向、X方向)の長さは、ヒータ11の通電発熱抵抗層11bの長手方向(第1の方向、X方向)の長さ程度が好ましい。また、熱伝導部材100の記録材搬送方向(Y方向)の長さ(幅)は、定着ニップ部Nの記録材搬送方向(Y方向)の長さ(幅)よりも大きいことが好ましい。
(定着装置6の駆動および制御方法)
定着アセンブリ10は、以下のような構成により加圧ローラ20の弾性に抗して押圧され、所定の定着ニップ部Nを形成する。即ち、図2(c)に示すように、金属ステー14は、その長手方向(第1の方向、X方向)の両端が断熱ホルダー12から突き出ていて、両端部にあるバネ受け部14aがバネ受け部材を介して加圧バネ15によって加圧される。その荷重(加圧力)は、ステー足部14bを介して断熱ホルダー12の長手方向(第1の方向、X方向)に渡って均一に伝達される。
定着ニップ部Nでは、この加圧力によって定着フィルム13がヒータ11と加圧ローラ20の間に挟まれることで撓み、ヒータ11の加熱面に密着した状態になる。
加圧ローラ20は、不図示のモータにより芯金21の端部に設けられた不図示の駆動ギアを介して、図2(a)の矢印方向に回転する駆動力を得る。この加圧ローラ20の回転駆動に伴って、定着フィルム13は加圧ローラ20との摩擦力により従動回転する。定着フィルム13とヒータ11との間には、フッ素系やシリコーン系の耐熱性グリース等の潤滑材を介在させることにより、摩擦抵抗を低く抑え、滑らかに定着フィルム13が回転可能となる。
また、ヒータ11の温度制御は、熱伝導部材100の背面に設けたサーミスタ50の信号に応じて、CPUが通電発熱抵抗層11bに印加する電圧のデューティー比や波数等を決定し適切に制御することで、定着ニップ部N内の温度を所定の定着設定温度に保つ。そして、未定着トナー画像を保持した記録材Pは、所定のタイミングで定着ニップ部N内に搬送され、加熱定着が行われる。定着ニップ部Nより排出された記録材Pは、不図示の排紙ガイドに案内されて排出される。
(温度検知手段としてのサーミスタに対する熱伝導部材の形状)
長手方向(第1の方向、X方向)におけるサーミスタ50が含まれる領域を第1領域とし、第1の方向(X方向)および記録材搬送方向(Y方向)に直交する第2の方向から眺めるとき、本実施形態では少なくとも第1領域において、以下のような構成を採る。即ち、熱伝導部材の記録材搬送方向(Y方向)における長さ(幅)は、サーミスタの記録材搬送方向(Y方向)における長さ(幅)より短い。そして、第1領域の第1の方向(X方向)における長さは、サーミスタ50のX方向における長さより長い。
また、第2の方向から眺めるとき、X方向におけるサーミスタ50が含まれない第2領域(本実施形態では第1領域の両側にある)における熱伝導部材100のY方向における長さは、第1領域における熱伝導部材100のY方向における長さより長い。
また、サーミスタ50のY方向における中心位置は、第1領域における熱伝導部材100のY方向における中心位置と一致する。また、サーミスタ50のX方向における中心位置は、第1領域における熱伝導部材100のX方向における中心位置と一致する。
以下、図4、図6(b)を用いて、本実施形態の構成をより具体的に説明をする。X方向において熱伝導部材100がサーミスタ50と接触する箇所を含む第1領域における、熱伝導部材100のY方向の長さ(幅)Laは、サーミスタ50のY方向の長さ(幅)Lyより短い。そして、この第1領域のX方向の長さLcはサーミスタ50のX方向の長さLxより長い。このようなサーミスタ50に対する熱伝導部材100の形状により、サーミスタ50の四隅位置から熱伝導部材100に対しY方向及びX方向で夫々所定の間隔Ld及びLeを設けている。
具体的には、本実施形態で使用したサーミスタ50の大きさはLx=8mm、Ly=5mmである。そして、第1領域の熱伝導部材100はY方向の長さLaが3mm、X方向の長さLcが10mmである。また、熱伝導部材100のX方向で第1領域以外の箇所となる第2領域に関しては、Y方向の長さLbがヒータ11のY方向の長さと同じ7.0mmである。このようにして、Ld=1mm、Le=1mmとした。
(本実施形態の作用効果)
以下に、本実施形態の作用効果であるサージ電圧印加に伴うサーミスタへの放電抑制と、非通紙部昇温抑制効果に関し、図5(a)及び図5(b)に示す比較例を2つ挙げ、実験例を踏まえて説明する。
比較例1の構成は、図5(a)に示すように、熱伝導部材100のサーミスタ50と接触する箇所を含む第1領域のY方向の長さLaを第2領域のY方向の長さLbと同じ7.0mmとしている。
また、比較例2の構成は、図5(b)に示すように、サーミスタ50と熱伝導部材100が接触しておらず(第1領域を無くした状態)、熱伝導部材100がサーミスタ50の端部からX方向に所定の間隔Le=1mm離れている。
1)第1の作用効果(雷サージ試験で確認)
以下、本実施形態の第1の作用効果であるサージ電圧印加に伴うサーミスタリークの抑制を先ず説明し、次にサージ電圧を印加した場合における熱伝導部材100からサーミスタ50へのリーク経路について説明する。
図6(a)で、サーミスタ素子51に被覆されたポリイミドテープ53が断熱ホルダー12に設けられた貫通穴より幅が大きい構成では、サーミスタ素子51の四隅が絶縁物で被覆される構成となっているものの、端部の折り目位置ではわずかに空隙Aが存在する。即ち、本実施形態では、サーミスタ素子51を被覆するポリイミドテープ53が、サーミスタ素子51を保持する筐体の端部の折り目位置で空隙Aを備える。
従って、リーク経路は、図6(b)に示すように、熱伝導部材100からサーミスタ50内のジュメット線54へ空隙Aを経由する沿面放電経路となる。
そして、このリーク経路は、熱伝導部材100からサーミスタ50の空隙Aまでの経路と、空隙Aからジュメット線54(装置のフレームグラウンド(FG)へ接続されている)へ沿面放電する経路Xbを合わせたものとなる。ここで、熱伝導部材100からサーミスタ50の空隙Aまでの経路は、第1領域内の熱伝導部材100端部からY方向へのリーク経路Xa1と、第1領域と第2領域境界部からX方向へのリーク経路Xa2とが存在する。
熱伝導部材100とサーミスタ50との間で放電を開始する電圧は、熱伝導部材100とサーミスタ50内のジュメット線54の沿面距離Xに応じて変化し、その沿面距離が長いほど放電開始電圧は高くなる。目安としては、沿面距離Xが1mm長くなる毎に放電電圧が1kV大きくなる。本実施形態では、図6(b)に示す熱伝導部材100と空隙Aまでの沿面距離Xa1及びXa2を広げることにより、熱伝導部材100とサーミスタ50内のジュメット線間のリークマージンを増加させることができた。
国際規格(IEC61000−4−5)の試験では、電源ラインと装置のフレームグラウンド(FG)の間に印加されるサージ電圧は4kVの高電圧である。そのため、本実施形態と比較例の構成において、それぞれ電源ラインとFGの間に4kVの電圧を印加して、熱伝導部材100からサーミスタ50への放電の有無を確認した。
すると、本実施形態の構成では、熱伝導部材100と空隙Aまでの沿面距離Xa1及びXa2を十分広げていたため、熱伝導部材100からサーミスタ50への放電は発生しなかった。
一方、比較例1の構成では、熱伝導部材100からサーミスタ50の空隙Aまでの経路Xaは実質0となるため、電源ラインとFGの間に印加されるサージ電圧を4kV印加したところ、熱伝導部材100からサーミスタ50へ放電が発生した。
また、比較例2の構成では、熱伝導部材100とサーミスタ50は接触していないため、第1領域内の熱伝導部材100端部からY方向へのリーク経路Xa1(図6(b))は存在しない。そのため、熱伝導部材100の端部からX方向へのリーク経路の沿面距離Xa2(図6(b))を考慮するのみで、熱伝導部材100とサーミスタ50の間の放電を抑制できる。
2)第2の作用効果(非通紙部昇温試験で確認)
次に、本実施形態の第2の作用効果である非通紙部昇温抑制効果に関して説明する。温度15℃で湿度10%の環境下、定着器(定着装置)を十分に冷却した状態で、以下の測定をした。即ち、A4坪量128g/m^2のカラーレーザNPI上質厚紙(商品名)を最大スループットにて連続200枚プリントした場合の加圧ローラ温度、及び連続200枚通紙中での最後の50枚の投入電力を測定した。
本来、カラーレーザNPI上質厚紙のような坪量の大きい紙はスループットを下げて通紙することが正しい動作であるが、本実験では意図的に最大スループットでプリントしている。これは、ユーザーが紙の坪量情報を間違えて入力した際、非通紙部昇温が最も厳しくなる仕様外の動作を想定した条件であり、そのようなプリント条件においても加圧ローラ20が破損しないことが性能として要求されるからである。
ここで、サーミスタ50位置に熱伝導部材100を配置することによる非通紙部昇温抑制効果の作用について説明する。本実施形態及び比較例1のように、サーミスタ50位置に熱伝導部材100を配置した構成において、本試験のように非通紙部が過剰に温められる場合、非通紙部に蓄えられた熱は熱伝導部材100を介してサーミスタ50へ熱が伝達する。そのため、通紙部に対応したサーミスタ50は非通紙部の熱の影響を受けて、実際の温度よりも高く温度を検知するため、ヒータ11に投入する電力が比較例2の構成よりも抑制されることで、加圧ローラ20の非通紙部の温度上昇が抑制される。
図7(a)は上記の条件における本実施形態と比較例1、2の通紙枚数とヒータ11への投入電力の推移、図7(b)は通紙枚数と非通紙部の加圧ローラ20の温度の推移を示したものである。比較例2の構成では、最後の50枚通紙時には、ヒータ11へ電力が平均590W投入されていたため、加圧ローラ20の最大温度が240℃となり、加圧ローラ20の使用限度温度である230℃を上回っていた。
一方、本実施形態の構成及び比較例1の構成では、最後の50枚通紙時には、ヒータ11へ電力が平均560W投入されており、比較例2と比べて30W投入電力が抑制されていた。そのため、加圧ローラ20の最大温度は220℃となり、加圧ローラ20の使用限度温度230℃を下回っていた。
なお、用紙の坪量に最適化された仕様通りのモードでプリントを行う際、過剰な非通紙部昇温は発生しないようになっている。そのため、サーミスタ50位置に熱伝導部材100が有る場合にプリント時のヒータ11への投入電力は、熱伝導部材100が無い場合のプリント時のヒータ11への投入電力と変わらない。よって、熱伝導部材100が有る場合でも、熱伝導部材100が無い場合と同じレベルの定着性が得られる。
ここで、表1に、本実施形態(本実施例)と比較例1、2における雷サージ試験と非通紙部昇温測定の結果を示す。
表1に示すように、本実施形態(本実施例)によれば、熱伝導部材100とサーミスタ50の間の放電抑制と、非通紙部昇温の抑制の両立を図ることができる。
(変形例)
上述した実施形態では、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の範囲内で種々の変形が可能である。
(変形例1)
上述した実施形態では、対向部材としての加圧用回転体が定着回転体を加圧する場合を示した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、加圧体としてでなく対向体としての回転体が定着回転体としての定着ベルトとしてのフィルムから加圧される場合にも同様に適用できる。そして、対向部材は、回転可能な無端ベルトとしても良い。
(変形例2)
上述した実施形態では、記録材として記録紙を説明したが、本発明における記録材は紙に限定されるものではない。一般に、記録材とは、画像形成装置によってトナー像が形成されるシート状の部材であり、例えば、定型或いは不定型の普通紙、厚紙、薄紙、封筒、葉書、シール、樹脂シート、OHPシート、光沢紙等が含まれる。なお、上述した実施形態では、便宜上、記録材(シート)Pの扱いを通紙、排紙、給紙、非通紙部などの用語を用いて説明したが、これによって本発明における記録材が紙に限定されるものではない。
(変形例3)
上述した実施形態では、未定着トナー像をシートに定着する定着装置を例に説明したが、本発明は、これに限らず、画像の光沢を向上させるべく、シートに仮定着されたトナー像を加熱加圧する装置(この場合も定着装置と呼ぶ)にも同様に適用可能である。
11・・ヒータ、11a・・ヒータ基板(基板)、11b・・通電発熱抵抗層、12・・断熱ホルダー、13・・定着フィルム、20・・加圧ローラ、50・・サーミスタ、100・・熱伝導部材

Claims (9)

  1. 筒状のフィルムと、
    板と、前記基板に設けられる発熱抵抗体と、を備え、前記フィルムを加熱するために電源ラインで電源に接続されるヒータと、
    前記基板に接触し、記録材搬送方向に直交する第1の方向にびた熱伝導部材と、
    前記熱伝導部材と前記ヒータを保持する保持部材と、
    前記保持部材に保持されて前記熱伝導部材に接触するサーミスタと、
    前記フィルムを介して前記ヒータに対向し、前記ヒータと共にニップ部を形成する対向部材と、
    を有し、未定着トナー像が形成された記録材を前記ニップ部で挟持搬送する定着装置であって、
    前記熱伝導部材の前記第1の方向における前記サーミスタが含まれる領域を第1領域とし、前記第1の方向および前記記録材搬送方向に直交する第2の方向から眺めるとき、
    少なくとも前記第1領域において、前記熱伝導部材の前記記録材搬送方向における長さは、前記サーミスタの前記記録材搬送方向における長さより短く、
    前記第2の方向から眺めるとき、前記第1の方向における前記サーミスタが含まれない第2領域における前記熱伝導部材の前記記録材搬送方向における長さは、前記第1領域における前記熱伝導部材の前記記録材搬送方向における長さより長いことを特徴とする定着装置。
  2. 前記第1領域の前記第1の方向における長さは、前記サーミスタの前記第1の方向における長さより長いことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記第2領域は、前記第1の方向において前記第1領域の両側にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記サーミスタの前記記録材搬送方向における中心位置は、前記第1領域における前記熱伝導部材の前記記録材搬送方向における中心位置と一致することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 前記サーミスタの前記第1の方向における中心位置は、前記第1領域における前記熱伝導部材の前記第1の方向における中心位置と一致することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記サーミスタを被覆する絶縁物を有し、前記絶縁物が前記サーミスタを保持する筐体の端部の折り目位置で空隙を備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 前記熱伝導部材は、前記基板よりも熱伝導率が高いことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記熱伝導部材は、前記基板に貼り付けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. 前記対向部材は加圧ローラであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の定着装置。
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