JP6866089B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置に関し、電子写真複写機、電子写真プリンタ等の画像形成装置に好適なものである。
電子写真式の複写機やプリンタに搭載される定着装置として、フィルム加熱方式のものが知られている。このタイプの定着装置は、セラミックス製の基板上に抵抗発熱体を有する加熱体としてのヒータと、ヒータと接触しつつ移動する定着フィルムと、定着フィルムを介してヒータと定着ニップ部(ニップ部)を形成する加圧ローラなどを有している。未定着トナー像を担持する記録材は定着装置のニップ部で挟持搬送されつつ加熱され、これにより記録材上のトナー画像は記録材に定着される。
このようなヒータは、過度の昇温をすると、熱応力やヒータを支持するヒータ保持部材(ヒータホルダ)の溶融などによる機械的応力により、抵抗発熱体を備える基板(ヒータ基板)が割れることで、ヒータとしての通電使用が不能になる。
ここで、定着装置では、電源回路に用いられるトライアックやリレーなどによりヒータへの通電を制御しヒータ温度を適正に保つ。そして、トライアッックやリレーなどが故障した場合であっても、ヒータの温度を検知し、ヒータ基板が割れる前にヒータへの通電を遮断する手段として、温度ヒューズやサーモスイッチ等が備えられている。このため、電源回路故障時におけるヒータ割れを回避するため、ヒータ基板は温度ヒューズやサーモスイッチ等の通電遮断部材が動作するまでの時間よりも長い時間、熱応力や機械的応力に抗することが求められる。
ところで、通電遮断部材は、動作速度が安定するようヒータに対する距離が固定されるよう配置されるのが望ましいため、通電遮断部材はヒータに接触加圧して使用される例がある。この通電遮断部材をヒータに接触加圧する定着装置においては、通電遮断部材が配置されていない箇所よりも熱容量が大きくなり、ヒータ温度の不均一が生じる。ヒータ温度の不均一は、記録材上のトナー画像の定着ムラあるいは光沢ムラを引き起こすため、ヒータへの通電開始から記録材が定着装置のニップ部に到達するまでの時間を、ヒータ温度が均一になるまで充分確保する必要があった。
ここで、通電により発熱する抵抗発熱体が設けられる基板に通電遮断部材が接触する部分で割れが生じ易いことを前提に、ヒータと通電遮断部材の間にスペーサ部材を設けることが開示されている(特許文献1)。
特開2016−29512号公報
ここで、特許文献1は、更なる改善点として以下に起因する基板の割れを抑制することが望まれている。特に、記録材搬送方向に第1及び第2の抵抗発熱体を備える基板の通電遮断に伴う割れ(加熱体割れ)を抑制することが望まれている。
抵抗発熱体を備える基板において、通電遮断部材の配置箇所では、スペーサ部材により基板と通電遮断部材の空隙が設けられるため、ヒータ保持部材に接触している他の箇所に比べ、放熱が少なく熱応力が大きくなり易い。また、通電遮断部材がスペーサ部材を介して基板に押圧されているため、基板を圧迫する機械的応力も発生することから、基板に対するストレスはさらに大きくなる。
更に、近年、電子写真式の複写機やプリンタでは、FPOT(First Page Out Time、最初の一ページ目を出力するまでの時間)短縮や、PPM(Pages Per Minute、一分あたり出力枚数)アップの要求が強い。その要求に応じたスペックを満たすためには、通電により発熱する抵抗発熱体に従来よりも大電力を投入する必要がある。こうした状況において、少しでも通電遮断に伴う基板の割れ(加熱体割れ)を抑制することが望まれている。
本発明の目的は、記録材搬送方向に第1及び第2の抵抗発熱体を備える基板の通電遮断に伴う割れ(加熱体割れ)を抑制できる定着装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る定着装置は、加熱された筒状の回転体と、前記回転体の外周面に接触する対向体と、の間に加圧されたニップ部を形成し、未定着トナー画像を担持した記録材を前記ニップ部において挟持搬送する定着装置であって、前記回転体の内周面に接触しており前記回転体を加熱する加熱体であって前記回転体の母線方向に細長い基板と、前記板に設けられ前記基板の長手方向に細長い第1及び第2の抵抗発熱体であって、前記長手方向に対して直交する方向である記録材搬送方向に並設されている第1及び第2の抵抗発熱体と、を備える加熱体と、前記回転体の内部空間に配置されており、前記加熱体を前記長手方向に亘って保持する支持部材と、内部に電気的接点を有する通電遮断部材であって、前記支持部材に設けられた穴に挿入されており、前記加熱体からの熱を受けて所定温度以上になると前記電気接点がオープンとなり、前記第1及び第2の抵抗発熱体への通電を遮断する通電遮断部材と、前記支持部材の前記通電遮断部材が挿入されている前記穴に挿入され且つ前記通電遮断部材と前記加熱体との間に配置されているスペーサ部材であって、前記通電遮断部材を保持すると共に前記加熱体に接触する樹脂製のスペーサ部材と、を有し、前記定着装置を前記長手方向に見た時、前記スペーサ部材には、前記加熱体に接触する第1のリブ及び前記第1のリブよりも前記記録材搬送方向の下流側に設けられた第2のリブが設けられており、前記記録材搬送方向における前記第1のリブの前記加熱体との接触部分の中心位置及び前記記録材搬送方向における前記第2のリブの前記加熱体との接触部分の中心位置が前記第1及び第2の抵抗発熱体の前記記録材搬送方向における夫々の中心位置の間の領域に位置していることを特徴とする。
本発明によれば、記録材搬送方向に第1及び第2の抵抗発熱体を備える基板の通電遮断に伴う割れ(加熱体割れ)を抑制できる。
本発明の実施形態に係る定着装置を搭載した画像形成装置の一例の概略構成を表わす横断面図である。 第1の実施形態に係る定着装置Cの概略構成を表わす横断面図である。 第1の実施形態に係る定着装置Cにおけるヒータ203の説明図で、(a)はヒータ203の定着フィルム摺動面側からの概略構成図、(b)は(a)のb−b線矢視断面図、(c)は(a)のc−c線矢視断面図である。 第1の実施形態に係る定着フィルム内部に配置される部材の斜視図である。 (a)は第1の実施形態に係るサーモスイッチ206の配置箇所での定着装置Cの断面図、(b)はサーモスイッチスペーサ210の斜視図である。 (a)は第1の実施形態に係るヒータ203の昇温時における短手温度分布、(b)は温度勾配の算出結果である。 第1の実施形態に係るヒータ203に電力を印加する電源回路PSの説明図である。 (a)は比較例に係るサーモスイッチ206の配置箇所での定着装置の断面図、(b)はサーモスイッチスペーサ210の斜視図である。 第1の実施形態の変形例に係るサーモスイッチ206の配置箇所での定着装置の断面図である。 第2の実施形態に係る定着フィルム内部に配置される部材の斜視図である。 第2の実施形態に係るサーモスイッチ206の配置箇所での定着装置の断面図である。 (a)は第2の実施形態に係るヒータ203の昇温時における短手温度分布、(b)は温度勾配の算出結果である。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
図1は、本発明の実施形態に係る定着装置を搭載した画像形成装置の一例の概略構成模式図である。この画像形成装置は、電子写真プロセスを利用したレーザービームプリンタであり、記録材搬送方向と直交する方向(長手方向)において記録材の中央を記録材搬送路の中央基準に合致させて記録材の搬送を行うようになっている。
本実施形態に示す画像形成装置は、記録材(記録紙)Pに未定着トナー画像(画像)を形成する画像形成部Aと、記録材に形成された未定着トナー画像を記録材に定着する定着部(以下、定着装置(加熱装置)と記す)Cなどを有している。
画像形成部Aにおいて、7はプロセスカートリッジである。プロセスカートリッジ7は、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)1と、帯電ローラ(帯電手段)2と、現像装置(現像手段)4と、クリーニングブレード(クリーニング手段)6を一体的にカートリッジ化したものである。そしてこのプロセスカートリッジ7は、画像形成装置の筐体を構成する画像形成装置本体Bに取り外し可能に装着されている。
本実施形態に示す画像形成装置は、ホストコンピュータやネットワーク上の端末機等の外部装置から出力されるプリント指令に応じて感光ドラム1が矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)にて回転するようになっている。この回転過程で感光ドラム1の外周面(表面)が帯電ローラ2により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。
感光ドラム1表面の一様帯電面は、レーザスキャナユニット(露光手段)3から出力される、外部装置からの画像情報に応じて変調制御(ON/OFF制御)されたレーザビームLによって走査露光がなされる。これにより、感光ドラム1表面に目的の画像情報に応じた静電潜像が形成される。
この静電潜像は、現像装置4の現像ローラ4aによってトナー(現像剤)を用いて現像され、トナー画像として可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像との組み合わせで用いられることが多い。
一方、給送ローラ9の回転により給紙カセット13内に積載収納されている記録材Pが1枚ずつ繰り出され第1のシートパス11を通じてレジストローラ対10に搬送される。この記録材Pは、レジストローラ対10により第2のシートパス12を通じて感光ドラム1表面と転写ローラ5の外周面(表面)とで形成された転写ニップ部Tnに所定の搬送タイミングにて送り出される。
そして、この記録材Pは、転写ニップ部Tnで感光ドラム1表面と転写ローラ5表面とで挟持されその状態に搬送(挟持搬送)される。この搬送過程において、転写ローラ5にトナーと逆極性の転写バイアスが印加される。これによって、感光ドラム1表面のトナー画像が転写ニップ部Tnで記録材P上に静電的に転写され、これにより記録材Pは未定着のトナー画像を担持する。
未定着トナー画像を担持した記録材Pは感光ドラム1表面から分離して転写ニップ部Tnから排出され、第3のシートパス14を通じて定着装置Cの加圧された定着ニップ部Nに導入される。そして、この記録材Pが定着ニップ部Nを通過することによって、未定着トナー画像は記録材Pに定着される。定着装置Cを出た記録材Pは第4のシートパス15を通じて排出ローラ対8に搬送される。排出ローラ対8は、その記録材Pを搬送して排出トレイ16上に排出する。
記録材Pを分離後の感光ドラム1表面は、クリーニングブレード6によって転写残りトナー等が除去されて清浄面化され、感光ドラム1は次の画像形成に供される。
(定着装置)
以下の説明において、定着装置及びこの定着装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向をいう。また、短手方向とは、記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向をいう。そして、長手幅とは長手方向の寸法をいい、短手幅とは短手方向の寸法をいう。
図2は、本実施形態に係る定着装置Cの概略構成を表わす横断面模式図である。この定着装置Cはフィルム加熱方式の定着装置である。図2で、212は導入ガイドである。
本実施形態に示す定着装置Cは、回転体としての可撓性を有する耐熱性の筒状の無端ベルトである定着フィルム(加熱部材)201と、対向体としての加圧ローラ(加圧部材)202との間で加圧された定着ニップ部(ニップ部)を形成する。そして、定着装置Cは、更に加熱体たるセラミックヒータ(以下、ヒータ)203、ヒータホルダ(支持部材)204と、金属ステー(剛性部材)211などを有する。定着フィルム201と、加圧ローラ202と、ヒータ203と、ヒータホルダ204と、金属ステー211は、何れも長手方向に長い部材である。
ヒータホルダ204は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、LCP(液晶ポリマー)等の耐熱性の高い樹脂材料により横断面略半円弧状樋型に形成されている。このヒータホルダ204は、ヒータホルダ204の短手方向下面中央に長手方向に沿って形成された溝204aでヒータ203を支持している。また、このヒータホルダ204は、ヒータホルダ204の短手方向両側の外側弧状ガイド面204bで定着フィルム202を適切な形状を保ちつつ回転するようにガイドするようになっている。
金属ステー211は、剛性を有する所定の金属材料などによってヒータホルダ204の短手幅よりも幅の狭い横断面略逆U字形状に形成してある。この金属ステー211は、金属ステー211の短手方向の中心をヒータホルダ204の短手方向の中心に合致させた状態にヒータホルダ204の短手方向上面に配設されている。
ヒータ203を支持し、かつ剛性ステー211を配設したヒータホルダ204の外周には定着フィルム201がルーズに外嵌されている。定着フィルム201としては、薄いポリイミドやPEEK等の樹脂材料、又はSUS、ニッケル等の金属材料よりなる筒状の基層(不図示)の外周面上に、フッ素樹脂等の離型性に優れた表面層(離型層)を設けたものを用いている。
定着フィルム201の熱容量は、従来の熱ローラ方式の定着装置に用いられる定着ローラと比較して非常に小さい。そのため、ヒータ203に電力を供給することで、ごく短時間のうちに後述する定着ニップ部Nを昇温させることが可能となる。このことにより、ウェイトタイムなしに、定着装置Cを立ち上げ、必要な時に素早く定着画像を得ることが可能となる。
加圧ローラ202は、鉄やアルミニウム等からなる芯金202aを有している。そしてこの芯金202aの長手方向両端部の軸部(不図示)間の外周面上にシリコーンゴム、シリコーンスポンジ等よりなる弾性層202bが形成され、更にこの弾性層202bの外周面上にフッ素樹脂等よりなる離型層202cが形成されている。
加圧ローラ202は、加圧ローラ202の芯金202aの長手方向両端部の軸部が定着装置Cの装置フレーム(不図示)の長手方向両側の側板に軸受を介して回転可能に支持されている。この加圧ローラ202の上方には、加圧ローラ202の外周面(表面)と定着フィルム201の外周面(表面)が対向するようにヒータホルダ204が配置されている。そして、このヒータホルダ204は、ヒータホルダ204の長手方向両端部が定着装置Cの上記装置フレームの長手方向両側の側板に加圧ローラ202の径方向に移動可能に支持されている。
ヒータホルダ204の短手方向上面に配設された金属ステー211の長手方向両端部は、加圧ばねなどの加圧部材(不図示)により所定の加圧力で定着フィルム201の母線方向と直交する垂直方向に加圧されている。この金属ステー211はヒータホルダ204およびヒータ203を介して定着フィルム201表面を加圧ローラ202表面に加圧する。これにより、加圧ローラ202の弾性層202bを潰し、加圧ローラ202表面と定着フィルム201表面とでトナー画像の定着に必要な所定の短手幅の定着ニップ部(ニップ部)Nを形成している。
(ヒータ)
次に、図3を参照して、加熱体としてのヒータ203について説明する。図3は、本実施形態に係る定着装置Cにおけるヒータ203の説明図であって、(a)はヒータ203の定着フィルム摺動面側からの概略構成図、(b)は(a)のb−b線矢視断面図、(c)は(a)のc−c線矢視断面図である。
図3の(a)、(b)、(c)に示されるように、ヒータ203は、アルミナや窒化アルミ等のセラミック製の細長いヒータ基板203aを有している。ヒータ基板203aとして厚さ1mm、短手方向の長さ5.8mmのアルミナ基板(熱伝導率20W/mK)を用いている。
そして、ヒータ基板203aの定着フィルム201の内周面(内面)と対向する表面には、ヒータ基板203aの長手方向に沿って銀・パラジウム合金等により細線状に、第1及び第2の抵抗発熱体203f及び203gがスクリーン印刷等で形成されている。記録材搬送方向(短手方向)に並設された抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203gの短手方向の幅は、それぞれ0.9mmである。
ヒータ基板203aの表面の長手方向一端側には、抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203gに個別に電気的に接続された2つの給電電極203cが銀等によりスクリーン印刷等によって形成してある。また、ヒータ基板203aの表面の長手方向他端側には、抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203gに電気的に接続された導電部203dが銀等によりスクリーン印刷等によって形成してある。
上記のように、電流経路を導電部203dにて折り返し、抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203gへの給電部たる給電電極203cを長手方向片側に配置する。これにより、ヒータ203への給電部材(不図示)を長手方向片側に集約でき、定着装置Cの小サイズ化が可能となる。
ヒータ203の通電時の熱応力を緩和するためには、抵抗発熱体203fはヒータ基板203aの短手方向の上流端に近く、抵抗発熱体203fより下流に配置される抵抗発熱体203gはヒータ基板203aの下流端に近く配置するのが望ましい。これは、放熱が大きいヒータ基板203aの両端部と、熱源を近づけることで、ヒータ基板両端部近傍の熱勾配を小さくするためである。抵抗発熱体203fの短手方向の中心H1とヒータ基板203a上流端の距離が1.15mm、抵抗発熱体203gの短手方向の中心H2とヒータ基板203a下流端の距離が1.15mmとなるよう配置した。
本実施形態においては、ヒータ基板203aの表面の長手方向一端側にAgペーストを塗布・焼成して2つの給電電極203cを形成し、長手方向他端側にAgペーストを塗布・焼成して導電部203dを形成している。抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203gは導電部203dと直列に接続されている。直列に接続された2本の抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203gの総抵抗を測定したところ、19Ωであった。
更に、ヒータ基板203aの表面には、抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203gと、2つの給電電極203cの一部と、導電部203dを覆うようにガラスコート(保護層)203eが形成してある。このガラスコート203eは、抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203g、2つの給電電極203cの一部と導電部203dを定着フィルム201内面と電気絶縁すると共に、ヒータ基板203a表面と定着フィルム201内面との摺動性を確保している。
次に、図4を参照して、温度検知部材たるサーミスタ205の保持構成について説明する。図4は、本実施形態に係る定着フィルム内部に配置される部材の斜視図で、図2とは上下方向を逆にして表わしている。ある。サーミスタ205は、ヒータホルダ204に設けられたヒータ基板203aの厚み方向に貫通する穴204c1に収納されている。このサーミスタ205は、穴204c1に設けられた係止部(不図示)などにより、ヒータ基板203aの定着フィルム201に接触する接触面(表面、第1の面)とは反対側の面(裏面、第2の面)に接触するように支持されている。
サーミスタ205は、サーミスタ205の外側カバーを構成する筐体上に、ヒータ203への接触状態を安定させるためのセラミックペーパ等を介して、サーミスタ素子を配置してなるものである。サーミスタ素子は、ジュメット線等により、後述する電源回路PSの二次回路に接続されている。サーミスタ素子上には、さらにポリイミドテープ等の絶縁物で被覆されている。そしてこの絶縁物をヒータ基板203aの裏面に接触させている。このサーミスタ205は、記録材Pが必ず通過するヒータ203の長手方向の中央部近傍に配設されている。
(通電遮断部材とスペーサ部材の保持構成)
図4および図5を参照して、通電遮断部材たるサーモスイッチ206および、スペーサ部材たるサーモスイッチスペーサ(以下、スペーサ)210の保持構成について説明する。図5は、本実施形態に係るサーモスイッチ206配置箇所の定着装置Cの断面図および、スペーサ210の斜視図である。
スペーサ210は、ヒータホルダ204に設けられた穴204c2(図4)の内部に収納される。このスペーサ210を介して、サーモスイッチ206がヒータ基板203aの裏面と加圧接触するように支持されている。この加圧力は、サーモスイッチ206を保持するサーモスイッチホルダ220(図4、図5)と金属ステー211(図4)との間に配置されたバネ221(図4、図5)により付与される。
図5(a)に示されるように、サーモスイッチ206は、サーモスイッチ206の外装カバーを構成する筐体206aと、感熱部206bと、リード線接続部(不図示)などを有している。感熱部206bの内部には、バイメタル(不図示)が配置され、感熱部206bが所定温度以上の温度を検知すると、バイメタルが反転し、バイメタル上のピン(不図示)を押し上げる。このピンで筐体206aの内部に設けられている接点(不図示)を切り離すことにより、一次電流の遮断を行う。
本実施形態ではサーモスイッチ206を一次電流回路に接続する構成を示すものの、サーモスイッチ206を二次電流回路に接続し、二次電流の遮断によりリレー回路等を介してヒータ203への通電を制御する構成でも目的とする機能が得られる。
サーモスイッチ206はその熱容量が大きいため、ヒータ基板203aの裏面の他の部材(ヒータホルダ204、サーミスタ205)が配置される箇所よりも、ヒータ203の熱が表面に接する定着フィルム201に伝わり難い。そのため、記録材P上のトナー像Tの定着ムラや光沢ムラが生じ易い。
そこで、本実施形態の定着装置Cでは、樹脂材料からなるスペーサ210をヒータ203とサーモスイッチ206の間に挟持し、感熱部206bとヒータ基板203aの裏面を非接触状態にする。ヒータ203からサーモスイッチ206への伝熱を抑制しつつ、ヒータ203とサーモスイッチ206との距離(間隔)を固定(一定化)することで、記録材P上のトナー像Tの定着ムラや光沢ムラを解消しつつ、サーモスイッチ206を安定して動作できる。
図5(a)および(b)に示すように、本実施形態で用いるスペーサ210は、以下を有する。すなわち、ヒータ基板203aとサーモスイッチ206に挟持される第1の支持部たるリブ210aと第2の支持部たる210b、およびサーモスイッチ206との短手方向の位置を規制するリブ210cおよび210dを有する。リブ210aおよび210bは、熱容量を抑えるべく短手方向幅が小さい方が好ましい。本実施形態のリブ210aおより210bの短手方向幅はそれぞれ0.7mmとした。
また、ヒータ203の通常使用時(ヒータ203の温調制御時)にサーモスイッチの感熱部206bとヒータ基板203aとの間に充分な空隙を設けるよう、リブ210aおよび210bの厚みは0.5mmとした。スペーサ210は、ヒータ203の通常温度に耐え得る耐熱性を有し、かつヒータホルダ204同等以下の熱容量であることが好ましい。本実施形態では、スペーサ210の材料としてLCP(液晶ポリマー)を採用した。
(スペーサ210の配置)
次に、図6を参照して、スペーサ210としてのリブ210aとリブ210bの配置について説明する。図6(a)は、電源回路故障(電源故障)によるヒータ203の昇温を想定し、145Vを7秒間印加した際における、ヒータ基板203aの短手温度分布である。
図6(b)は(a)に示す温度分布より、短手方向の温度勾配を求めたものである。図6(a)に示すとおり、ヒータ203の昇温時の短手温度分布は、抵抗発熱体203fの中心であるH1より上流に第1の極大点、ヒータ基板203aの中心C近傍に極小点、抵抗発熱体203gの中心であるH2より下流に第2の極大点を有する。
このとき、H1およびH2からCかけての温度勾配により、ヒータ基板203aに熱応力が生じる。図6(b)に示すとおり、ヒータ基板203aの温度勾配の極大箇所、即ちヒータ基板203aの熱応力極大箇所はH1とCの間、およびH2とC間となり、またC近傍に熱応力の極小箇所が生じる。
ヒータ203の昇温時、上記熱応力極大箇所で最もヒータ基板203aが割れ易いため、当該箇所における加圧ローラ202による機械的応力の付与を回避することが望ましい。このため、本実施形態では、サーモスイッチ206とヒータ203との間であって、抵抗発熱体203f、203gの記録材搬送方向における夫々の中心位置の間の領域にリブ210a、210bの記録材搬送方向における夫々の中心位置が設けられる。より具体的には、本実施形態では、図6(a)および(b)に網掛けで示す、中央より上流0.5mmから1.2mmの領域にリブ210aを、中央より下流0.5mmから1.2mmの領域にリブ210bを配置されている。
このリブ210aおよび210bの配置により、ヒータ203を、加圧ローラ202の押圧に対向して上記熱応力極大箇所で加圧保持し、機械的応力を緩和している。また、熱応力が小さいヒータ基板203aの上流端、ヒータ基板203aの中心C、下流端は、サーモスイッチスペーサ210を接触させないことで、リブ210a部および210b部の面圧が最大となるよう構成されている。
(定着装置Cの動作)
次に、図2を参照して、定着装置Cの動作を説明する。プリント指令に応じて不図示の駆動制御部が駆動モータ(不図示)を回転駆動する。この駆動モータの出力軸の回転は、加圧ローラ202の軸芯202aの長手方向端部に設けられている駆動ギア(不図示)に伝達され、これにより加圧ローラ202は図2の矢印方向へ所定の周速度(プロセススピード)で回転する。
そして、加圧ローラ202の回転は、定着ニップ部Nにおいて加圧ローラ202表面と定着フィルム201表面との摩擦力によって、定着フィルム201の表面に伝わる。これにより、定着フィルム201は、定着フィルム201の内面がヒータ203のガラスコート203eとヒータホルダ204の短手方向下面の両端面に接触しながら加圧ローラ202の回転に追従して矢印方向へ回転(移動)する。
次に、図7を参照して、ヒータ203の温調制御について説明する。図7は、ヒータ203に電力を印加する電源回路PSの説明図である。図7において、100はCPUとROMやRAMなどのメモリからなる温調制御部、101はトライアック(給電制御回路)、102は商用交流電源(AC電源)である。
電源回路PSは、AC電源102と、サーモスイッチ206と、トライアック101と、一方の給電電極203cと、抵抗発熱体203f、導電部203dと、他方の抵抗発熱体203gと、他方の給電電極203cなどを直列に接続した一次回路を有する。この一次回路には、図示していないがトライアック101をオン/オフするリレーなどが接続されている。
また、電源回路PSは、温調制御部100と、一方のサーミスタ接点205sと、サーミスタ205と、他方のサーミスタ接点205sなどを直列に接続した二次回路を有している。温調制御部100は、サーミスタ205が検知するヒータ203の温度情報に基づきトライアック101を駆動制御し、ヒータ203の温度を所定の定着温度(目標温度)に維持するよう抵抗発熱体203f、203gに対する電力供給を制御している。
制御部100による抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203gへの電力供給制御としては、電源波形の半波毎に通電の実行と停止を制御するゼロクロス波数制御や、電源波形の半波毎に通電する位相角を制御する位相制御等の多段階電力制御方法を用いる。
ここで、外部装置よりプリント指令が出力されると、温調制御部100がトライアック101をオンする。これにより、AC電源102から給電端子203cを介してヒータ203の抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203gに通電する。すると、抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203gが急速に昇温し、ヒータ203は定着フィルム201を定着フィルム201の内面側から加熱する。
そして、ヒータ203の温度は、サーミスタ205によって検知される。温調制御部100は、サーミスタ205からの温度情報を取り込み、この温度情報に基づいてヒータ203の温度を所定の定着温度(目標温度)に維持するようにトライアック101を制御する。
そして、加圧ローラ202を回転し、かつヒータ203の温度を所定の定着温度に維持した状態で、トナー画像(画像)Tを担持する記録材Pが、トナー画像担持面を上向きにして導入ガイド212(図2)を介して定着ニップ部Nに通紙(導入)される。
この記録材Pは、定着ニップ部Nで定着フィルム201の表面と加圧ローラ202の表面とで挟持搬送される。この搬送過程において、定着フィルム201から熱を受けてトナー画像Tが溶融し、定着ニップ部Nの圧力を受けることによってトナー画像Tが記録材上に定着される。そして、トナー画像Tが定着された記録材Pは、定着フィルム201の表面から分離しながら定着ニップ部Nより排出される。
(定着装置Cのヒータ割れマージン試験)
ここで、本実施形態の定着装置Cが、電源回路故障(電源故障)に至った場合にどのような挙動を示すか、実験を行った。電源回路故障時に、ヒータ203に最も大きな熱応力がかかるのは、画像形成装置に投入される最大電力が連続して定着装置Cに投入された場合である。
そこで、電源回路PSの一次回路におけるトライアックショート、リレーショートの二重故障を想定し、145Vの電圧が直接ヒータ203に投入されるよう、トライアック101及びリレーをショートさせた一次回路を作製し、不図示のコンセントにつなぐ。このとき、ヒータ203の抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203gの抵抗値が19Ωであるので、ヒータ203には、1107Wの電力が投入されることとなる。そして、この一次回路を直接、画像形成装置の定着装置Cのヒータ203に接続して、電源接続からどれくらいの時間でヒータ割れが発生するかを測定する。
さらに、サーモスイッチ206を一次回路から切り離し、別途低圧電源を用意してサーモスイッチ206に数Vの電圧を印加し、サーモスイッチ206に流れる電流をモニタする。サーモスイッチ206が切れると、低圧電源からの電流が遮断される。このため、一次電流投入と、サーモスイッチ206への低圧電源からの通電を同時に行い、サーモスイッチ206に流れる電流が遮断されるまでの時間を測定することによって、サーモスイッチ206が切れるまでの時間も別途測定することができる。
このことにより、実際の使用時に電源回路の故障によりヒータ203が昇温した際に、ヒータ基板203aに割れが生じる前にサーモスイッチ206が確実に切れるか、を検証することができる(以下、ヒータ割れマージン試験とする)。
本実施形態の効果を検証するため、比較例として本実施形態とはリブ210aおよびリブ210bの配置が異なるサーモスイッチスペーサ210を要した定着装置を用いたヒータ割れマージン試験も行った。図8(a)は比較例のおける定着装置の断面図、および図8(b)はサーモスイッチスペーサ210の斜視図である。
図8に示す比較例の定着装置は、スペーサ210のサーモスイッチ206との接触部であるリブ210aがH1より短手方向上流、リブ210bがH2より短手方向下流に配置されている。この比較例の定着装置は、上記の点を除いて本実施形態の定着装置Cと同じ構成である。
上記方法により、本実施形態の定着装置Cを用いてヒータ割れマージン試験を行った結果、サーモスイッチ206は7.5秒で切れたのに対して、ヒータ203が割れるまでには、12.2秒を要した。このことから、サーモスイッチ206動作からヒータ割れまでには、4.7秒のマージンがあることが分かる。
ここで、本実施形態の定着装置Cでは、最終的にヒータ基板203aが割れた箇所は、サーモスイッチ206から長手方向に離れたサーミスタ205に対応する位置であった。そして、ヒータ基板203aの生じた亀裂の角度は、ヒータ基板203aの短手方向に対してほぼ平行であった。
これは、最もヒータ割れの発生し易いサーモスイッチ206の配設箇所のヒータ割れが防止された結果、次にヒータ203の割れが生じ易い箇所として、サーミスタ205が接触している部分が、熱応力、機械的応力等によって、割れたためと考えられる。また、ヒータ基板203aに生じた亀裂の角度から、ヒータ割れはヒータ基板203aの長手方向を屈曲させるストレスが支配的であったと考えられる。
一方、比較例の定着装置を用い、本実施形態の定着装置Cと同様のヒータ割れマージン試験を実施した。すると、サーモスイッチ206が切れるまでの時間は、本実施形態の定着装置Cと同様7.5秒であったのに対し、ヒータ割れまでの時間は10.4秒と短縮した。また、ヒータ基板203aの割れが生じた箇所は、サーモスイッチ206の配置箇所であり、ヒータ基板203aの生じた亀裂の角度は、ヒータ基板203aの短手方向に対して約60°であった。
これは、サーモスイッチ206の配置箇所において、ヒータ基板203aの温度の不均一による熱応力に加え、加圧ローラ202による機械的応力がかかったために、サーモスイッチ206の配置箇所でヒータ基板が割れ易くなったことによると考えられる。また、ヒータ基板203aに生じた亀裂の角度から、ヒータ基板203aの割れはヒータ基板203aの短手方向を屈曲させるストレスが支配的であったためと考えられる。
本実施形態の定着装置Cは、ヒータ基板203aの裏面に設けられたスペーサ210が、最も熱応力が大きくなる箇所で、加圧ローラ202の押圧に対向するようにした。このため、ヒータ基板203aを短手方向に屈曲させるストレスを最小限に止め、ヒータ基板203aの割れに対する延命効果を得ることできた。
一方、比較例の定着装置においては、サーモスイッチ206の配置箇所におけるヒータ基板203aの熱応力が最も高くなる箇所において、加圧ローラ202による機械応力を受けたため、ヒータ基板203aを短手方向に屈曲させるストレスが大きくなった。このため、本実施形態よりも早くヒータ基板203aの抗折強度に達したものと考えられる。
以上説明したように、本実施形態の定着装置は、ヒータ基板203aの短手方向における、熱応力の極大箇所たる、ヒータ基板203aの中心C近傍を除くH1とH2の間の領域にスペーサ210を設ける。これにより、ヒータ基板203aにかかる最大応力を低減することができる。それによって、電源回路故障時のヒータ割れまでの時間を延長することができ、ヒータ割れが発生する以前に、充分なマージンをもってサーモスイッチ206を動作させることができる。よって、電源回路故障時のヒータ基板203aの割れ(加熱体割れ)を抑えることができる。
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態では、ヒータ基板203aの定着フィルム201の内周面と対向する表面(第1の面)に抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203gを形成する例を示した。これに対し、抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203gをヒータ基板203aの裏面(第2の面)に形成した構成においても、本実施形態の作用効果が得られる。
図9に、その変形例を示す。図9に示す変形例における抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203gは、ガラスコート(保護層)203eを介してスペーサ210(リブ210a、210b)と接触する。抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203gの短手方向の位置は、本実施形態と同様であり、ヒータ基板203aのH1とCの間、およびH2とC間である。これにより、第1の実施形態と同様に、熱応力の極大箇所における機械的応力を緩和することができる。
《第2の実施形態》
図10および図11を参照して、本発明の第2の実施形態に係る定着装置を説明する。図10は本実施形態に係る定着フィルム内部に配置される部材の斜視図、図11は本実施形態に係るサーモスイッチ206の配置箇所での定着装置の断面図である。本実施形態における定着装置は、ヒータ基板203aの裏面に伝熱部材としてアルミニウム板208を配設することで、ヒータ基板203bに生じる温度勾配を低減し、電源回路故障時にヒータ割れに至るまでの時間の延長効果を更に得るようにしたものである。他の点は、第1の実施形態と同様である。
図10に示すように、アルミニウム板208は、ヒータホルダ204に設けられた穴204c3に折り曲げ部208aを挿入することで、ヒータホルダ204に保持される。サーミスタ205の配置箇所においては、穴204c1に収納されたサーミスタ205とヒータ基板203aに挟持される。サーモスイッチ206の配置箇所においては、穴204c2内に収納されたサーモスイッチホルダ210とヒータ基板203aに挟持される。
図11に示すように、本実施形態におけるアルミニウム板208は、短手方向において、抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203gとオーバーラップする(重なる)よう配置されている。これは、アルミニウム基板208を介して、抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203g近傍の熱を短手方向のヒータ基板203aの中心C近傍に伝えることで、ヒータ基板203aの短手温度勾配による熱応力を緩和することを目的としている。
また、本実施形態では、抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203gからの熱の放熱を抑制すべく、抵抗発熱体203fより上流および抵抗発熱体203gより下流は、アルミニウム基板208を配置しない構成とした。すなわち、アルミニウム基板208は、短手方向(記録材搬送方向)において、上流端が抵抗発熱体203fの上流端より下流に、下流端が抵抗発熱体203gの下流端より上流に位置する。
具体的には、本実施形態におけるアルミニウム板208について、短手方向の幅を3.6mmとし、その上流端位置はヒータ基板203aの上流端より1.1mmの位置、下流端位置はヒータ基板203aの下流端より1.1mmの位置とした。また、アルミニウム板208の厚みは、0.3mmのものを用いた。
そして、アルミニウム板208の熱伝導率は約240W/mKである。従って、アルミニウム板208の熱伝導率は基板(アルミナ基板)203aよりも大きい(237W/mK>20W/mK)。本実施形態の効果を得る他の手段として、アルミニウム板208の代わりに銅板(約400W/mK)を使用すること、Ag(約420W/mK)のペーストをヒータ基板203aの裏面に焼成することも有効である。
次に、図12を参照して、アルミニウム板208による作用を説明する。図12(a)は、電源回路故障時におけるヒータ203の昇温を想定し、145Vを7秒間印加した際における、ヒータ基板203aの短手温度分布である。図12(b)は図12(a)に示す温度分布より、短手方向の温度勾配を求めたものである。図12(b)では、本実施形態の短手温度分布および温度勾配を実線、そして第1の実施形態の短手温度分布および温度勾配を点線で示している。
図12(a)に示すとおり、本実施形態のヒータ基板203aの短手方向における抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203g近傍にある温度分布の極大値は、第1の実施形態の極大値より低減していることが分かる。一方、本実施形態のヒータ基板203aの短手方向におけるヒータ基板203aの中心C近傍にある温度分布の極小値は、第1の実施形態の極小値より増大していることが分かる。
これは、アルミニウム板を抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203gにオーバーラップして配置したことにより、抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203g近傍の熱がヒータ基板203aの中心Cに向かって伝熱されたことを示している。
図12(b)に示すとおり、上記作用によって、ヒータ基板203aの短手方向の温度勾配の極大値は第1の実施形態より低減し、熱応力が緩和されたことが分かる。また、温度勾配の極大箇所、即ちヒータ基板203aの熱応力極大箇所は、H1とCの間、およびH2とC間であるため、第1の実施形態と同様、スペース部材であるリブ210aおよびリブ210bによる機械的応力を緩和する効果が得られる。
また、本実施形態の定着装置を用いて、第1の実施形態で示したヒータ割れマージン試験を行ったところ、サーモスイッチ206が切れるまでの時間が7.7秒、これに対しヒータ基板203aが割れるまでの時間が14.4秒であった。このことから、サーモスイッチ206の動作からヒータ基板203aの割れまでには、6.7秒のマージンがあり、第1の実施形態からマージンが拡大したことが分かる。
本実施形態では、アルミニウム板208を配置するため、ヒータ基板203aから直接スペーサ210および空隙部に熱を伝えられない。しかし、上述したとおりアルミニウム板208を抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203gにオーバーラップして配置することにより、抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203gの熱をアルミニウム板208に効率的に伝えることができる。このため、第1の実施形態より大きく遅れることなくサーモスイッチ206を動作させている。
そして、アルミニウム板208の均熱作用により、ヒータ基板203aにかかる熱応力を緩和することができた。かつ、第1の実施形態と同様にリブ210aおよび210bによる機械応力の緩和効果により、ヒータ基板203aの割れに対する延命効果が得ることができた。
以上説明したように、本実施形態の定着装置は、ヒータ基板203aの短手方向における、熱応力の極大箇所たる、C近傍を除くH1とH2の間の領域にてスペーサ210を設ける。そして、ヒータ基板203aの裏面にアルミニウム板208を抵抗発熱体203fおよび抵抗発熱体203gにオーバーラップして配置することにより、サーモスイッチ206を動作させつつ、ヒータ基板203aにかかる最大応力を低減することができる。
それによって、電源回路故障時のヒータ基板203aの割れまでの時間を延長することができ、ヒータ基板203aの割れが発生する以前に、充分なマージンをもってサーモスイッチ206を動作させることができる。よって、電源回路故障時のヒータ基板203aの割れ(加熱体割れ)を有効に抑制することができる。
(変形例)
上述した実施形態では、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の範囲内で種々の変形が可能である。
(変形例1)
上述した実施形態では、図5、図9、図11において上方から下方に見たとき、スペーサ部材であるリブ210a、210bが抵抗発熱体203f、203gとそれぞれ重なる領域を備えるものであった。しかし、本発明はこれに限られず、図5、図9、図11において上方から下方に見たとき、スペーサ部材であるリブ210a、210bが抵抗発熱体203f、203gとそれぞれ重なる領域を備えない場合にも本発明は同様に適用できる。
(変形例2)
上述した実施形態では、記録材として記録紙を説明したが、本発明における記録材は紙に限定されるものではない。一般に、記録材とは、画像形成装置によってトナー像が形成されるシート状の部材であり、例えば、定型或いは不定型の普通紙、厚紙、薄紙、封筒、葉書、シール、樹脂シート、OHPシート、光沢紙等が含まれる。なお、上述した実施形態では、便宜上、記録材Pの扱いを給紙、通紙の用語を用いて説明したが、これによって本発明における記録材が紙に限定されるものではない。
(変形例3)
上述した実施形態では、加圧体として加圧ローラを示したが、本発明はこれに限られず、加圧体として固定された平板状の加圧パッドに適用可能である。
(変形例4)
上述した実施形態では、未定着トナー像をシートに定着する定着装置を例に説明したが、本発明は、これに限らず、画像の光沢を向上させるべく、シートに仮定着されたトナー像を加熱加圧する装置(この場合も定着装置と呼ぶ)にも同様に適用可能である。
201・・定着フィルム、202・・加圧ローラ、203・・ヒータ(加熱体)、203a・・ヒータ基板(基板)、203f・・抵抗発熱体(第1の抵抗発熱体)、203g・・抵抗発熱体(第2の抵抗発熱体)、206・・サーモスイッチ、210:サーモスイッチスペーサ(スペーサ)、210a、210b・・リブ

Claims (8)

  1. 加熱された筒状の回転体と、前記回転体の外周面に接触する対向体と、の間に加圧されたニップ部を形成し、未定着トナー画像を担持した記録材を前記ニップ部において挟持搬送する定着装置であって、
    前記回転体の内周面に接触しており前記回転体を加熱する加熱体であって前記回転体の母線方向に細長い基板と、前記板に設けられ前記基板の長手方向に細長い第1及び第2の抵抗発熱体であって、前記長手方向に対して直交する方向である記録材搬送方向に並設されている第1及び第2の抵抗発熱体と、を備える加熱体と、
    前記回転体の内部空間に配置されており、前記加熱体を前記長手方向に亘って保持する支持部材と、
    内部に電気的接点を有する通電遮断部材であって、前記支持部材に設けられた穴に挿入されており、前記加熱体からの熱を受けて所定温度以上になると前記電気的接点がオープンとなり、前記第1及び第2の抵抗発熱体への通電を遮断する通電遮断部材と、
    前記支持部材の前記通電遮断部材が挿入されている前記穴に挿入され且つ前記通電遮断部材と前記加熱体との間に配置されているスペーサ部材であって、前記通電遮断部材を保持すると共に前記加熱体に接触する樹脂製のスペーサ部材と、
    を有し、
    前記定着装置を前記長手方向に見た時、前記スペーサ部材には、前記加熱体に接触する第1のリブ及び前記第1のリブよりも前記記録材搬送方向の下流側に設けられた第2のリブが設けられており、前記記録材搬送方向における前記第1のリブの前記加熱体との接触部分の中心位置及び前記記録材搬送方向における前記第2のリブの前記加熱体との接触部分の中心位置が前記第1及び第2の抵抗発熱体の前記記録材搬送方向における夫々の中心位置の間の領域に位置していることを特徴とする定着装置。
  2. 前記第1及び第2のリブの前記接触部分の中心位置は、前記基板における温度勾配の極大箇所に対応した前記記録材搬送方向の夫々の位置であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記基板における温度勾配の極大箇所は、前記第1及び第2の抵抗発熱体の前記記録材搬送方向における夫々の中心位置と前記記録材搬送方向における前記基板の中心との間の部分であることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記加熱体と前記第1及び第2のリブとの間に前記基板よりも熱伝導率が大きな伝熱部材を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 前記第1の抵抗発熱体は、前記記録材搬送方向において前記第2の抵抗発熱体より上流に設けられ、
    前記伝熱部材は、前記記録材搬送方向において、上流端が前記第1の抵抗発熱体の下流端より上流に、下流端が前記第2の抵抗発熱体の上流端より下流に位置することを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記第1の抵抗発熱体は、前記記録材搬送方向において前記第2の抵抗発熱体より上流に設けられ、
    前記伝熱部材は、前記記録材搬送方向において、上流端が前記第1の抵抗発熱体が設けられる領域に、下流端が前記第2の抵抗発熱体が設けられる領域に位置することを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  7. 前記伝熱部材は、前記記録材搬送方向において、上流端が前記第1の抵抗発熱体の上流端より下流に、下流端が前記第2の抵抗発熱体の下流端より上流に位置することを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
  8. 前記回転体は無端ベルトで形成され、前記対向体は加圧ローラであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の定着装置。
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