JP2008151859A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 温度制御回路故障時の迅速な温度異常検知と通常プリント時の通電遮断の防止を完全に両立させることは、弊害なくしては困難であった。
【解決手段】 定着部材の回転駆動時と回転停止時において、ヒータの位置を変えることにより、暴走時のヒータ割れ防止およびオーバーシュート時・ラフモードプリント時のサーモスイッチ位置の過昇温を防止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真プロセスを用いる複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置とこれに備えられる定着装置に関するものである。
従来、レーザビームプリンタ、等の画像形成装置においては、レーザ光等によって描かれた潜像を現像せしめる現像装置と、現像されたトナー像を記録材に転写せしめる転写手段と、転写されたトナー像を記録材上に定着せしめる定着器とを備えたものが主流となっている。
図9は、その代表例としての従来のレーザビームプリンタである。以下、図9のレーザビームプリンタの構成部品を説明する。プリンタ本体(画像形成装置本体)内には、レーザスキャナ10、感光ドラム11と、一次帯電器12と現像ローラ13を含む印字プロセスユニット15、転写ローラ16、定着器60、搬送ローラ対18、給紙カセット20と給紙ローラ21等が設置されている。
給紙カセット20内に積載収納されたシート状の記録材Pは、反時計方向に回転する給紙ローラ21により給送され、搬送板金22に導かれて搬送ローラ対18のニップ部へ送られる。
次いで、記録材Pは搬送ローラ対18によって感光ドラム11転写ローラ16の間に送られる。感光ドラム11は時計方向に回転しており、一次帯電器12で均一に帯電されている。そして、その外周面には、レーザスキャナ10のレーザ光Lにより静電潜像が順次形成され、続いてその静電潜像が現像ローラ13で現像され、トナー像が形成される。感光ドラム11と転写ローラ16との間に送られた記録材Pには、感光ドラム11上のトナー像が転写ローラ16より順次転写される。
このようにしてトナー像が転写された記録材Pは定着器60へ送られ、ここで加熱、加圧されてトナー像が記録材Pに定着する。
この後、記録材Pは定着排紙搬送ローラ対61により排紙ローラ71へ送られ、次いで排紙ローラ71によりプリンタ本体上面の排紙トレイ70上に排紙される。
そして、この従来のレーザビームプリンタでは、プロセスカートリッジ(印字プロセスユニット)15、定着器60等のユニットは、消耗部品であり、その製品のライフの中に数回の交換が必要である。
上述した定着装置としては、熱ローラ方式や特許文献1に開示のフィルム加熱方式の装置が広く用いられている。
特開平4-204980号公報
上述のような熱ローラ方式やフィルム加熱方式の定着装置においては、CPUの暴走、加熱体への通電電力を制御するトライアックのショートなど、温度制御回路の故障により、ヒータが異常加熱状態になった際の安全装置として、ヒータ付近にサーモスイッチ、温度ヒューズなどの高温を検出してヒータに対する通電を遮断する温度検知素子を設けている。
この温度検知素子は、通常、ヒータの発熱温度がピークとなる箇所の近くにヒータと接触もしくは一定のギャップを保って設置される。ヒータから温度検知素子に熱が伝わるのは時間がかかるため、いちはやく高温を検知できる箇所に設置していなければ、通電が停止した時にはヒータがかなり高温になり、定着部材や加圧部材の一部が溶融したり、ヒータ自体が破壊してしまうためである。
しかしながら、以下のように、温度制御回路の故障時以外でも温度検知素子の設置箇所が高温になる場合がある。
・オーバーシュート時
通常、プリント開始前に定着部材や加圧部材表面を所定の温度にするために、定着器の前回転を行う。この前回転は、複数枚のプリントを行っても定着性が低下しないように、定着部材および加圧部材にプリント直前に予め熱を付与しておくことが目的であり、前回転時のターゲット温度はプリント時の温調温度よりも高めの設定となっている。しかし、実際には、制御温度には数℃の幅があり、ターゲット温度よりも高くなった後に、加熱体への通電を抑えてターゲット温度に近づけている。この一時的に温度がターゲット温度よりも上昇することをオーバーシュートと呼び、特に、定着装置が冷えた状態から加熱体の発熱により急激に加熱された場合や、加熱体の発熱抵抗が大きい場合に、オーバーシュートは大きくなる。
・厚紙モード時
ユーザーがモードを選択することにより、記録材の搬送スピードや定着温度などのプロセス条件を一部変更することができる画像形成装置の場合、例えば、画像形成装置本体のオペレータ操作パネルに特殊モード設定を行うスイッチが設けられ、厚紙や表面性が粗い記録材をプリントするときには、記録材の搬送スピードが遅くなり定着温度が高くなる厚紙モードに設定するようにユーザーに推奨している。この特殊モードを有する画像形成装置に備えられた定着装置においては、厚紙モードで使用した場合、通常(ノーマルモード)の記録材のプリント時よりも定着温度が高くなるため、温度検知素子設置箇所も当然、ノーマルモードプリント時よりも温度が上昇することになる。
このような場合、温度検知素子を加熱体の発熱ピーク位置に設置していると、通常のプリント動作であっても、温度検知素子位置が高温になり、通電が遮断される場合がある。これを防ぐためには、(1)温度検知素子設置箇所をヒータの発熱ピーク位置からずらす、もしくは、(2)定着装置前回転時の温度や厚紙モード時の温調温度を低下させなければならない。
しかしながら、(1)の場合は、温度制御回路故障時の温度異常検知が遅れる、(2)の場合は、定着性の悪化を招くなどの弊害があるため、現状では、温度制御回路故障時の迅速な温度異常検知と通常プリント時の通電遮断の防止を完全に両立させることは、上記の弊害なくしては困難であった。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、未定着トナー像が形成された記録材を、定着部材と加圧部材により互いに圧接してなる定着ニップ間を通過させることにより、前記未定着トナー像を記録材上に永久定着させる定着装置で、前記定着部材と前記加圧部材の少なくとも一方の内部にヒータなどの加熱体が設置されており、前記加熱体の近傍に温度異常を検知する温度検知素子を設置した画像形成装置において、前記定着部材および前記加圧部材の回転停止時と回転駆動時とで、前記加熱体のポジションが異なることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、耐熱性フィルムと加熱体およびこれらを保持する加熱体支持部材と前記耐熱性フィルムを介して前記加熱体と圧接しニップ部を形成する加圧部材とを有する定着装置において、前記加熱体が前記加熱体支持部材によって保持される複数のポジションを持つことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記加熱体は、セラミックで構成された基板と、該基板の少なくとも一方の面に設けられた抵抗発熱体と複数本の導電パターンを有し、記録材搬送方向の上流側の前記抵抗発熱体の発熱比は、記録材搬送方向の下流側のそれよりも大きいことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2〜3記載の発明において、前記耐熱性フィルムが前記加熱体と摺動回転していない時は、前記加熱体は、前記耐熱性フィルムが回転駆動している時よりも、記録材の搬送方向の上流側に位置することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記加熱体と前記加熱体支持部材の隙間にバネやスポンジなどの弾性力を有する弾性部材を設置しており、前記加熱体は、前記弾性部材の押圧力により、記録材の搬送方向の上流側に移動することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項2〜5記載の発明において、前記耐熱性フィルムは、記録材の搬送方向と逆方向に回転駆動を行った後に停止することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項2〜6記載の発明において、前記耐熱性フィルムの回転駆動停止時には、前記加熱体と前記加圧部材の加圧力が前記耐熱性フィルムの回転駆動時よりも小さくなることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記耐熱性フィルムの回転駆動停止時には、前記加熱体と前記加圧部材とを離間することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記加熱体として、ハロゲンヒータなどのガス封入式のガラスヒータを備えていることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項項1〜4又は9記載の発明において、前記加熱体の端部に設けられた加熱体支持部材がカムにより移動することで、前記加熱体のポジションを変更することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項1〜10記載の定着装置を設けて画像形成装置を構成したことを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、定着部材および加圧部材の回転駆動停止時には、温度検知素子位置がヒータ発熱のピーク位置にくるようにヒータを移動させることにより、温度制御回路故障時の異常温度を迅速に検知することができ、ヒータ割れを未然に防止することができる。
また、定着部材および加圧部材の回転駆動時には、温度検知素子位置がヒータ発熱のピーク位置からずれるようにヒータを移動させることにより、オーバーシュート時、厚紙モードプリント時などの通常時の温度検知素子の通電切れを防止することができる。
(実施の形態1)
以下、図面を参照し本発明の実施の形態1を説明する。
図1において、加熱体支持部材32に支持させた加熱体31と、耐熱性の薄肉フィルム(以下、定着フィルムと記す)33に対向して、未定着トナー像の定着に必要な所定の定着ニップ幅を形成するために弾性層を有した加圧ローラ40を圧接させる。加熱体は通電により所定の温度に加熱され、定着に必要な発熱を行うように所定温度に温調される。加熱体を所定の温度に加熱、温調させ、定着フィルムを矢印の方向に回転移動させた状態において、定着ニップ部の定着フィルムと加圧ローラとの間に、未定着トナー像Tが形成された記録材Pが、定着入口ガイド44に案内されて定着ニップに搬入され、記録材上の未定着トナー像Tは、加熱・溶融され、永久画像として定着される。そして、定着ニップ部を通過した記録材は定着フィルムの面から剥離して、排紙トレイに排出される。
このような定着フィルムを用いたフィルム加熱方式の定着装置においては、加熱体の高い剛性によって、弾性層を有する加圧ローラに圧接された加熱体下面で所定幅の定着ニップ部が形成され、その定着ニップ部のみを加熱することで短時間で定着温度までの昇温を可能とするクイックスタートの定着装置を実現している。
定着フィルム33は加圧ローラ40からの回転駆動力により従動回転を行い、定着ニップ部Nにおいて加熱体面に密着・摺動しつつ、矢印の方向に搬送移動されるエンドレスベルト状の部材である。定着フィルムは、定着ニップ部において加熱体からの発熱を効率よく記録材に伝熱するために、20〜70μmの厚さが適している。この定着フィルムは、フィルム基層、プライマ層、離型層の3層で構成されており、フィルム基層側が加熱体に接する面側であり、離型層が記録材と接する面側である。フィルム基層は絶縁性の高いポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等の樹脂で形成され、耐熱性、高弾性を有している。また、フィルム基層により定着フィルム全体の引裂強度等の機械的強度を保っている。プライマ層は2〜6μm程度の厚みで塗布されている。離型層は定着フィルムに、トナーがオフセットすることを防止する目的で、離型性に優れるPFA、PTFE、FEP等のフッ素樹脂を10μm程度塗布したり、膜厚20〜70μmのチューブにして被覆形成している。
加熱体支持部材32は、耐熱性プラスチック製部材より形成され、加熱体を保持するとともに、定着フィルムの搬送ガイドも兼ねている。
加圧ローラ40はアルミ、鉄等の金属製芯金41の上に、弾性層としてのシリコンソリッドゴム、シリコンスポンジゴム等の絶縁性、若しくは、導電材を分散した導電性を有する弾性層42を形成し、その上に離型層43としてフッ素樹脂層が形成されている。この加圧ローラは、不図示の加圧バネによって所定の加圧力で、定着部材と密着加圧されている。
加熱体としてのヒータ31は、図2に示すようなセラミックヒータを使用した。図2(a)はヒータ31の平面図、同図(b)はヒータ31の裏面図、同図(c)はヒータ31の断面図である。図2において、131は幅6.7mm、長さ270mmのヒータ基板であり、このヒータ基板131はアルミナ、窒化アルミニウム等の良熱伝導性を有するセラミックで構成され、その表面は定着フィルム33と接し、裏面は加熱体支持部材32によって支持される。そして、記録材Pはヒータ基板131の長手方向と交差する方向に搬送される。
又、130、134、135は導電電極であり、これらはAg、Pd等が分散されたペースト状の導電材をヒータ基板131にスクリーン印刷し、焼成工程を経ることによって形成される。132は幅1.5mm、長さ220mm、厚み10μmの抵抗発熱体であり、この抵抗発熱体132は平行に2本配置され、両者は電気的に直列に接続され、その総抵抗値は25Ωに設定されている。この2本の発熱体のうちで、上流側の発熱体の発熱比は、下流側のそれよりも高く設定されている。これは、定着フィルム回転時に、熱が下流側に流れるため、ニップ上流側を発熱のピーク位置とすることで、定着フィルム回転時のニップ内部の発熱分布を均一にすることができるためである。この抵抗発熱体132はAg、Pd等の導電材とガラス等の非導電物質が分散されたペースト状の電気抵抗体をヒータ基板131にスクリーン印刷し、焼成工程を経ることによって形成される。
133はガラスコート層であり、抵抗発熱体132と導電電極130の一部を覆っている。導電電極130は不図示のコネクタとの接点となるAC電極であって、これには商用電源電圧が印加される。又、134はDC電極であり、これにはスルーホールと称される不図示の貫通孔が形成されており、このDC電極134はヒータ基板131の裏面の電極135と貫通している。そして、電極135はサーミスタ34に接続されている。
上記サーミスタ34はヒータ温度検知素子であり、不図示のCPUが該サーミスタ34の抵抗値を測定することによってヒータ31の温度が検知され、ヒータ31の温度が一定になるようAC電極130に供給する電力が波数制御又は位相制御によって制御される。なお、サーミスタ34は通紙可能で最も幅の狭い記録材の通紙域内に配置されている。
また、図1の35はヒータ31の長手方向中心位置に設置されたサーモスイッチである。このサーモスイッチ35は、ヒータ31裏面に約3Nの押圧力で接しており、サーモスイッチ位置の温度が230℃に達した場合には、ヒータ31は異常温度であるとみなして、バイメタルの動作によりヒータ31への通電を遮断するようになっている。
本実施例においては、ヒータ31が図3に示した(a)および(b)の2つのポジションを持っている。定着フィルム33が回転駆動を行っていないときには、(a)のようにヒータ31は両端部に設置された板バネ36によって矢印の方向に押圧されて、加熱体支持部材32の上流側に突き当たった位置で固定される。このとき、板バネ36の押圧力は、定着フィルム33内面とヒータ31の静止摩擦力よりも大きくなっている。本実施例では、定着フィルムと加圧ローラの加圧力は約120Nであり、加熱体支持部材とヒータの8mmの隙間において、板バネは約5Nの押圧力で、ヒータを上流側に突き当てるように設定している。また、定着フィルムが回転駆動を行うときには、定着フィルムとヒータ表面は摺擦して、(b)のようにヒータは矢印の方向に板バネを押し返して、加熱体支持部材の下流側へ移動する。このとき、定着フィルム内面とヒータの動摩擦力は、板バネの押圧力よりも大きくなっている。
すなわち、定着フィルム回転停止時には、ヒータは(a)の位置に固定され、図中に発熱分布を示したように、発熱のピーク位置である上流側の抵抗発熱体の真上にサーモスイッチが存在する。これにより、定着フィルム回転停止時に、温度制御回路の故障が発生した場合、サーモスイッチ位置が最初に最も温度が高くなり、異常温度を迅速に検知して、暴走時のヒータ割れを防止することが可能となる。一方、定着フィルム回転駆動時には、ヒータは(b)の位置に固定され、図中に発熱分布を示したように、サーモスイッチは、ヒータ発熱のピーク位置から若干ずれることなる。すなわち、プリント時には、サーモスイッチの温度検知を鈍らせることにより、オーバーシュートや厚紙モード時のサーモスイッチ切れを防止することができる。
本実施例において、サーモスイッチのキャップの温度を測定した結果を図4に示す。従来構成、すなわち、ヒータを図3(a)の位置に固定した場合においては、205℃で温調を行う厚紙モードの連続プリントを実施したところ、100枚通紙したところで、サーモスイッチのキャップの温度が230℃に到達し、サーモスイッチ切れが発生した。本発明の構成、すなわち、プリント時にヒータが図3(b)の位置に移動する場合においては、205℃で温調を行う厚紙モードの連続プリントを行ったところ、100枚通紙でもサーモスイッチのキャップの温度は210℃にしかならず、150枚通紙時に215℃に達するものの、その後、250枚通紙しても215℃を越えることはなかった。
また、サーモスイッチが動作しないようにしているわけではないので、暴走時の異常温度も検知することができる。このとき、サーモスイッチ位置が発熱のピーク位置からずれている分、異常温度検知に要する時間は長くなるが、定着フィルム回転時に暴走が発生した場合は、加圧ローラにも熱が奪われており、ヒータの局部的に熱が集中することがないため、定着フィルム回転停止時ほどすぐにはヒータ割れは発生しない。したがって、サーモスイッチが異常温度を検知してから切れるまでの時間が定着フィルム回転停止時より長くなっても、ヒータ割れは未然に防止することが可能である。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2を図5に基づいて説明する。図5に本実施形態であるフィルム加熱方式の定着装置の断面図を示す。本実施の形態において、実施の形態1と同様である箇所は説明を省略する。
本実施例においては、ヒータ31が図6に示した(a)および(b)の2つのポジションを持っている。定着フィルム33が回転駆動を行っていないときには、(a)のようにヒータ31は長手全域に設置されたスポンジ37によって矢印の方向に押圧されて、加熱体支持部材32の上流側に突き当たった位置で固定される。このとき、スポンジ37の押圧力は、定着フィルム33内面とヒータ31の静止摩擦力よりも大きくなっている。また、定着フィルムが回転駆動を行うときには、定着フィルムとヒータ表面は摺擦して、(b)のようにヒータは矢印の方向にスポンジを押し返して、加熱体支持部材の下流側へ移動する。このとき、定着フィルム内面とヒータの動摩擦力は、スポンジの押圧力よりも大きくなっている。
すなわち、定着フィルム回転停止時には、ヒータは(a)の位置に固定され、図中に発熱分布を示したように、発熱のピーク位置である上流側の抵抗発熱体の真上にサーモスイッチが存在する。これにより、定着フィルム回転停止時に、温度制御回路の故障が発生した場合、サーモスイッチ位置が最初に最も温度が高くなり、異常温度を迅速に検知して、暴走時のヒータ割れを防止することが可能となる。一方、定着フィルム回転駆動時には、ヒータは(b)の位置に固定され、図中に発熱分布を示したように、サーモスイッチは、ヒータ発熱のピーク位置から若干ずれることなる。すなわち、プリント時には、サーモスイッチの温度検知を鈍らせることにより、オーバーシュートや厚紙モード時のサーモスイッチ切れを防止することができる。
本実施例において、サーモスイッチのキャップの温度を測定した結果を以下に示す。従来構成、すなわち、ヒータを図6(a)の位置に固定した場合においては、205℃で温調を行う厚紙モードの連続プリントを実施したところ、100枚通紙したところで、サーモスイッチのキャップの温度が230℃に到達し、サーモスイッチ切れが発生した。本発明の構成、すなわち、プリント時にヒータが図6(b)の位置に移動する場合においては、205℃で温調を行う厚紙モードの連続プリントを行ったところ、100枚通紙でもサーモスイッチのキャップの温度は210℃にしかならず、150枚通紙時に215℃に達するものの、その後、250枚通紙しても215℃を越えることはなかった。
実施の形態1および2においては、ヒータを押す弾性部材の1例として、板バネやスポンジを用いたが、加熱体支持部材とヒータの隙間が狭い場合には、板バネやスポンジの寸法は小さくなり、押圧力は弱くなる。また、定着部材と加圧ローラの加圧力が大きい場合には、定着フィルムの回転停止時に、定着フィルムとヒータの静止摩擦力が大きくなる。このような時には、弾性部材の押圧力を定着フィルムとヒータの静止摩擦力よりも大きくすることが困難であり、ヒータが移動しないことがある。上記の場合には、定着フィルムの回転を停止する直前に、記録材の搬送方向と逆方向に回転を行うことにより、ヒータを上流側へ容易に移動させることができる。また、定着フィルムの回転停止時に定着部材と加圧ローラの加圧バネによる加圧力を小さくすることによっても同様の効果が得られる。このとき、定着フィルムと加圧ローラを完全に離間させれば、確実にヒータは上流側へ移動する。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3を図7に基づいて説明する。図7に本実施形態である定着装置の断面図を示す。この定着装置は、熱ローラ方式の定着装置であり、定着ヒータ53は、ハロゲンガスを封入したガラスヒータである。このハロゲンヒータは、120V入力時に800Wの定格出力がでるものを使用し、ヒータ配光は両端部100%に対して中央部350%であり、中央部の配光分布が大きくなっており、中央通紙基準に対して対称な配光分布になっている。本実施例における定着ローラ50はアルミニウムや鉄等を芯金51とする直径50mmのローラである。厚さ2.5mmの芯金上は、PFA、PTFE等の離型性樹脂層52を被覆したハードローラとなっている。定着ローラ50の温度は、定着ローラ50の中央部に当接されるサーミスタ54によって、定着ローラ50の表面温度として検出され、温度制御回路によって定着ヒータ53を断続的に作動させることで、上記表面温度は所定の温度に制御される。また、55は定着ローラと1.0mmのギャップを保って設置されたサーモスイッチであり、定着ローラの異常温度を検知した場合、バイメタルの動作により定着ヒータへの通電を遮断するようになっている。56は定着分離爪であり、所定の押圧力で定着ローラに当接している。定着分離爪56は、種々の記録材サイズに対応できるように長手方向に複数個設けられており、記録材が定着ローラに巻き付くのを防止する役割を果たしている。
一方、40は上記定着ローラ50に圧接回転する加圧ローラである。加圧ローラ40は厚さ4.5mmのアルミニウムや鉄等の金属芯金41上に肉厚4.5mmのシリコンゴムやシリコンスポンジ等の弾性層42、表層にPFAの離型層43を有し、直径40mm、製品硬度60°のものを用いており、500Nの加圧力をかけることで定着ローラとの間に約7.0mmのニップNをつくることができる。
この一対のローラによって、定着が完了した転写材は、定着排紙搬送ローラ対61により、搬送される。なお、プロセススピードは240mm/secであり、この構成においてA4横送りで50枚/分のプリントが可能である。
本定着装置の温度制御について詳細に説明する。電源が投入されると、定着ヒータ53が点灯して、定着ローラ50の表面温度は上昇していく。サーミスタ54位置の温度が160℃になると前多回転が開始される。サーミスタ位置の温度が180℃になると前多回転が終了して、プリントレディ状態となる。この後、プリントリクエストがなければスタンバイ制御、プリントリクエストがあれば前回転の後にプリント温調となる。スタンバイ制御は、定着ローラ温度を180℃に保つように定着ヒータの点灯、消灯を繰り返す。前回転は、サーミスタ位置の温度が195℃になるまで、数秒間の定着器の空回転を行う。プリント中のプリント温調においては、サーミスタ位置の温度が190℃となるように制御される。そして、いずれの場合も、サーモスイッチ55位置の温度が200℃に達した場合には、異常温度であるとみなして、直ちに定着ヒータへの通電が遮断されるようになっている。
本実施例においては、定着ヒータ53が図8に示した(a)および(b)の2つのポジションを持っている。80は、両端部で定着ヒータを保持する定着ヒータ支持部材であり、同じく両端部に設置された定着ヒータバネ81およびバネ押さえ82により、矢印方向に押圧されている。定着ローラが回転駆動を行っていないときには、カム83が(a)の位置にあり、定着ヒータ支持部材80は、カムによってサーモスイッチ55側へ押し上げられた位置で固定される。定着ローラが回転駆動を行うときには、カムが(a)の位置からカム駆動軸84を支点にして90°回転して(b)の位置となり、定着ヒータ支持部材は、サーモスイッチ位置から遠ざかり、定着ローラの中心位置でカムに突き当たることになる。
すなわち、定着ローラ回転停止時には、定着ヒータは(a)の位置に固定され、定着ローラ内部で定着ローラ外部のサーモスイッチ設置箇所に近い位置となる。これにより、定着ローラ回転停止時に、温度制御回路の故障が発生した場合、サーモスイッチ付近の定着ローラ表層が最初に最も温度が高くなり、異常温度を迅速に検知することが可能となる。一方、定着ローラ回転駆動時には、定着ヒータは(b)の位置に固定され、定着ローラ中心の位置となる。すなわち、プリント時には、定着ヒータは定着ローラの中心位置に固定されており、定着ローラ内部を均一に加熱するため、オーバーシュート時や厚紙モード時のサーモスイッチ切れが発生しない。
以上、実施の形態1〜3においては、異常温度を検知する温度検知素子として、サーモスイッチを用いた場合について説明してきたが、温度ヒューズを用いた場合でも同様に本発明を適用することができる。
本発明の実施の形態1に係る定着装置の断面図。 本発明の実施の形態1に係る加熱体の平面図と裏面図と断面図。 本発明の実施の形態1に係る加熱体の位置を示す定着装置の部分断面図。 本発明の実施の形態1に係る温度検知素子設置箇所の温度変化。 本発明の実施の形態2に係る定着装置の断面図。 本発明の実施の形態2に係る加熱体の位置を示す定着装置の部分断面図。 本発明の実施の形態3に係る定着装置の断面図。 本発明の実施の形態3に係る加熱体の位置を示す定着装置の部分断面図。 従来の画像形成装置の断面図。
符号の説明
10 レーザスキャナ
11 感光ドラム
12 一次帯電器
13 現像ローラ
15 印字プロセスユニット(プロセスカートリッジ)
16 転写ローラ
18 搬送ローラ対
20 給紙カセット
21 給紙ローラ
22 搬送板金
31 加熱体
32 加熱体支持部材
33 定着フィルム
34 サーミスタ
35 サーモスイッチ
36 板バネ
37 スポンジ
40 加圧ローラ
41 加圧芯金
42 弾性層
43 離型層
44 定着入口ガイド
50 定着ローラ
51 定着芯金
52 離型層
53 定着ヒータ
54 サーミスタ
55 サーモスイッチ
56 定着分離爪
60 定着器
61 定着排紙搬送ローラ対
70 排紙トレイ
71 排紙ローラ
80 定着ヒータ支持部材
81 定着ヒータバネ
82 バネ押さえ
83 カム
84 カム駆動軸
130 AC電極
131 基板
132 抵抗発熱体
133 ガラスコート層
134 DC電極
135 電極
L レーザ光
N 定着ニップ部
P 記録材
T 未定着トナー像

Claims (11)

  1. 未定着トナー像が形成された記録材を、定着部材と加圧部材により互いに圧接してなる定着ニップ間を通過させることにより、前記未定着トナー像を記録材上に永久定着させる定着装置で、
    前記定着部材と前記加圧部材の少なくとも一方の内部に加熱体が設置されており、前記加熱体の近傍に温度異常を検知する温度検知素子を設置した定着装置において、
    前記定着部材および前記加圧部材の回転停止時と回転駆動時とで、前記加熱体のポジションが異なることを特徴とする定着装置。
  2. 耐熱性フィルムと加熱体およびこれらを保持する加熱体支持部材と前記耐熱性フィルムを介して前記加熱体と圧接しニップ部を形成する加圧部材とを有する定着装置において、
    前記加熱体が前記加熱体支持部材によって保持される複数のポジションを持つことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記加熱体は、セラミックで構成された基板と、該基板の少なくとも一方の面に設けられた抵抗発熱体と複数本の導電パターンを有し、記録材搬送方向の上流側の前記抵抗発熱体の発熱比は、記録材搬送方向の下流側のそれよりも大きいことを特徴とする請求項2記載の定着装置。
  4. 前記耐熱性フィルムが前記加熱体と摺動回転していない時は、前記加熱体は、前記耐熱性フィルムが回転駆動している時よりも、記録材の搬送方向の上流側に位置することを特徴とする請求項2〜3記載の定着装置。
  5. 前記加熱体と前記加熱体支持部材の隙間に弾性力を有する弾性部材を設置しており、前記加熱体は、前記弾性部材の押圧力により、記録材の搬送方向の上流側に移動することを特徴とする請求項4記載の定着装置。
  6. 前記耐熱性フィルムは、記録材の搬送方向と逆方向に回転駆動を行った後に停止することを特徴とする請求項2〜5記載の定着装置。
  7. 前記耐熱性フィルムの回転駆動停止時には、前記加熱体と前記加圧部材の加圧力が前記耐熱性フィルムの回転駆動時よりも小さくなることを特徴とする請求項2〜6記載の定着装置。
  8. 前記耐熱性フィルムの回転駆動停止時には、前記加熱体と前記加圧部材とを離間することを特徴とする請求項7記載の定着装置。
  9. 前記加熱体として、ガス封入式のガラスヒータを備えていることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  10. 前記加熱体の端部に設けられた加熱体支持部材がカムにより移動することで、前記加熱体のポジションを変更することを特徴とする請求項1〜4又は9記載の定着装置。
  11. 請求項1〜10記載の定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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