JP2008040082A - 像加熱装置 - Google Patents

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Koji Uchiyama
康治 内山
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Abstract

【課題】 記録材端部の定着性能を満足するためにヒータの端部の発熱量を多くした時に、熱ストレスによるヒータ割れを防止することができる像加熱装置を提供すること。
【解決手段】 長手方向の端部が最も発熱量が多くなるような加熱ヒータにおいて、該長手方向端部での加熱ヒータ基板上に印刷される通電発熱体の位置を、記録材搬送方向に対して基板端部に配置する。
【選択図】 図4

Description

本発明は複写機やプリンタ等の画像形成装置に搭載される定着装置、画像の表面性を改質する装置、等の像加熱装置に関するものである。
従来、例えば、複写機、レーザープリンタ等の画像形成装置においては、電子写真プロセス・静電記録プロセス・磁気記録プロセスなどの適宜の画像形成プロセス手段部で記録材(転写材シート・エレクトロファックスシート・静電記録紙・OHPシート・印刷用紙・フォーマット紙など)に転写方式あるいは直接方式にて形成担持させた画像情報の未定着画像(トナー画像)を該記録材面に永久固着画像として加熱定着させる定着装置として熱ローラ方式の加熱装置が広く用いられていた。
近時は、クイックスタートや省エネルギーの観点からフィルム加熱方式の加熱装置が実用化されている。このフィルム加熱方式の加熱装置としては、例えば特許文献1〜4に提案されている。
この種のフィルム加熱方式の加熱装置としては、図3に示すように、例えば、加熱体として一般にセラミックヒータ(以下、ヒータあるいは加熱体とも称する)20を内包したフィルム(回転体)15、このフィルム15に圧接された別の回転体としての加圧ローラ16を不図示の支持部材に支持させ、両回転体15,16を不図示の加圧手段によって加圧させて圧接ニップ部Nを形成させている。そして、ヒータ20は、耐熱性の基板20a上に厚膜印刷によって発熱体としての抵抗体パターン20bを形成し、加圧ニップ部Nに対応するヒータ摺動部面には、ガラスコート層20cなど、耐圧性・耐熱性・低摩擦性の摺動部材を配設してある。
フィルム加熱方式の加熱定着装置では、スタンバイ中のヒータへの通電を必要とせず、画像形成装置がプリント信号を受信してから、ヒータへの通電を行っても記録材が加熱定着装置に到達するまでに加熱可能な状態にすることが可能である。よって省エネの観点からフィルム加熱方式の加熱定着装置はエネルギを無駄にしない、優れた加熱定着装置となる。
特開昭63−313182号公報 特開平2−157878号公報 特開平4−44075号公報 特開平4−204980号公報
しかし、定着フィルムを用いた加熱定着装置ではクイックスタート性を満足するために、出来る限り熱容量を抑えた構成となっている。このため、長手方向への熱伝導性が悪く、不均一な温度分布を維持し易い。よって、フィルム加熱方式の加熱定着装置では、以下の課題がある。
加熱定着装置が十分に室温状態に近い状態からプリント動作が開始された場合、装置全体が冷えた状態にあるため、加熱用のヒータの通電発熱抵抗層への通電によって発熱した熱は、定着ニップ部を加熱するが、同時に長手方向端部へ放熱してしまう。このため、初期温度分布としては、長手位置の中央付近では、均一な温度分布が保たれているにもかかわらず、端部では熱の逃げによって温度が低くなる現象が起こる。
このため、幅広の記録材上の未定着トナー像を加熱定着する場合、記録材端部の定着性能が中央部付近の定着性能に対して劣ってしまう等の課題がある。
これを回避するために、ヒータの発熱領域を記録材が搬送される幅より広げたり、端部の通電発熱抵抗層の抵抗を高く設定することで、端部をより発熱させることで対処する方法があるが、発熱領域を広げた場合、装置全体の大きさが大きくなる等の問題がある。さらに、発熱領域を広げた場合、フィルム加熱方式の加熱定着装置は、長手方向への熱伝導性が悪いため、連続で記録材が搬送した時に、記録材が搬送されない端部領域の温度が異常に高くなる問題もある。また、この異常高温は単位時間あたりに搬送される記録材の枚数が増える程悪化するため、発熱領域を広げる方法は好ましくない。
次に、端部をより発熱させる方法を用いた場合は、ヒータの長手方向での発熱量が不均一になるため、ヒータ基板に熱ストレスが発生しやすくなり、ヒータ温度を制御する回路の故障等で暴走した時、ヒータが割れやすくなってしまう。
例えば、不特定位置でヒータが破損し、ACライン・DCラインがリークすると、特に加熱装置を画像定着層として使用した画像形成装置では、リークの影響が通信用のコネクタを通して通紙先のコンピュータに伝わり、コンピュータの誤作動などの原因となる可能性がある。
本発明は、上述の課題に鑑み成されたものであり、その目的は記録材端部の定着性能を満足するためにヒータの端部の発熱量を多くした時に、熱ストレスによるヒータ割れを防止することができる像加熱装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、複数枚の記録材を連続して加熱する際の初期枚数における端部熱量不足を補える像加熱装置を提供することにある。
1.被加熱材の搬送方向に直交する方向を長手とする基板と、前記基板の一面側に基板長手方向に沿って形成された通電発熱体を有する像加熱体で、前記通電発熱体は基板長手方向で温度勾配ができるような発熱分布を有する像加熱体において、基板長手方向で最も発熱量が多い領域で、被加熱材の搬送方向に対して、上流の基板端面から基板中央までの距離をDとする。また、被加熱材の搬送方向に対して、最も上流に位置する通電発熱体の中央から基板中央までの距離をDとしたとき、D、Dの関係が以下の式を満足することを特徴とする。
Figure 2008040082
2.被加熱材の搬送方向に直交する方向を長手とする基板と、前記基板の一面側に基板長手方向に沿って形成された通電発熱体を有する像加熱体で、前記通電発熱体は基板長手方向で温度勾配ができるような発熱分布を有する像加熱体において、基板長手方向で最も発熱量が多い領域で、被加熱材の搬送方向に対して、下流の基板端面から基板中央までの距離をDとする。また、被加熱材の搬送方向に対して、最も下流に位置する通電発熱体の中央から基板中央までの距離をDとしたとき、D、Dの関係が以下の式を満足することを特徴とする。
Figure 2008040082
3.前記発熱量が最も多い領域での通電発熱体の形状が、被加熱材の搬送方向に対して前記基板の中央を中心線として対称であることを特徴とする。
4.前記基板長手方向で最も発熱量が多い領域が、基板の端部であることを特徴とする。
5.前記基板長手方向で温度勾配ができるような発熱分布を有する加熱体において、発熱量が連続的に変化することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、十分に室温状態に近い状態からにプリント動作を行った場合、定着ニップ部の長手方向端部へ放熱による記録材の定着不良を防止するために、加熱ヒータの端部の発熱量を多くする。しかし、端部の発熱量を多くすると、加熱ヒータの長手方向での温度分布に勾配ができ、また、発熱量の最も多い領域では、熱ストレスが最も発生するので、暴走時にヒータ割れが発生しやすくなるという問題がある。そこで、加熱ヒータの長手方向で最も発熱する領域において、加熱ヒータ基板上に印刷される通電発熱体の位置を基板端部に配置することで、加熱ヒータ基板の記録材搬送方向での温度分布を均一にすることができ、熱ストレス軽減されるので、暴走時のヒータ割れを防止することができる。
(実施例1)
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
(1)画像形成装置例
図2は、本発明に係る画像形成装置の一例としてのレーザープリンタの概略構成を示す縦断面図である。
このレーザープリンタは、像担持体としてドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という)1を備えている。その感光ドラム1は、装置本体に回転自在に支持されており、駆動手段(不図示)によって矢印方向に所定のプロセススピードで回転駆動される。
感光ドラム1の周囲には、その回転方向に沿ってほぼ順に、帯電ローラ(帯電装置)2、露光手段3、現像装置4、転写ローラ(転写装置)5、クリーニング装置6が配設されている。
また、装置本体の下部には、紙等のシート状の記録材Pを収納した給紙カセット7が配置されており、記録材Pの搬送経路に沿って上流側から順に、搬送ローラ8、トップセンサー9、本発明に係る加熱装置である定着装置10が配置されている。
次に、上述構成の画像形成装置の動作を説明する。駆動手段(不図示)によって矢印方向に回転駆動された感光ドラム1は、帯電ローラ2によって所定の極性、所定の電位に一様に帯電される。帯電後の感光ドラム1は、その表面に対しレーザー光学系等の露光手段3によって画像情報に基づいた画像露光がなされ、露光部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。
静電潜像は、現像装置4によって現像される。現像装置4は、現像ローラ4aを有しており、この現像ローラ4aに現像バイアスを印加し、感光ドラム1上の静電潜像にトナーを付着させることで、トナー像としての現像(顕像化)を行う。
トナー像は、転写ローラ5によって紙等の記録材Pに転写される。記録材Pは、給紙カセット7に収納されており、搬送ローラ8によって搬送され、トップセンサー9を介して、感光ドラム1と転写ローラ5との間の転写ニップ部に搬送される。このとき記録材Pは、トップセンサー9によって先端が検知され、感光ドラム1上のトナー像と同期がとられる。転写ローラ5には、転写バイアスが印加され、これにより感光ドラム1上のトナー像が記録材P上の所定の位置に転写される。
転写によって表面に未定着トナー像を担持した記録材Pは、定着装置10に搬送され、ここで未定着トナー像が加熱・加圧されて記録材P表面に定着される。なお、定着装置10については後に詳述する。
一方、トナー像転写後の感光ドラム1は、記録材Pに転写されないで表面に残ったトナー(以下「転写残トナー」という)がクリーニング装置6のクリーニングブレードによって除去され、次の画像形成に備える。以上の動作を繰り返すことで、次々と画像形成を行うことができる。
(2)定着装置
本実施形態例における加熱装置としての定着装置10は、加熱部材として定着フィルム(定着ベルト)を用いた、加圧ローラ駆動方式によるフィルム加熱方式の画像加熱定着装置である。
図3は定着装置10の一例を示す構成模型図であり、記録材の搬送(通紙)方向に沿った縦断面図である。
定着装置10は、トナーを加熱する加熱体としてのセラミックヒータ20と、このヒータ20を内包する定着フィルム(定着回転体)15、定着フィルム15に当接された別の定着回転体としての加圧ローラ16とを主要構成部材として構成されている。
ヒータ20は、窒化アルミ等の耐熱性の基板20a上に例えば厚膜印刷によって通電発熱体20bを形成し、その表面を厚膜印刷にてガラス層20cで被覆したものであり、詳細は後述する。
定着フィルム15は、ポリイミド等の耐熱樹脂を円筒状に形成したものであり、上述のヒータ20及びヒータホルダ12を包んでいる。その定着フィルム15は、後述の加圧ローラ16によってヒータ20に押し付けられており、これにより定着フィルム15の裏面がヒータ20の下面に当接・摺動されるようになっている。定着フィルム15は、加圧ローラ16の矢印方向(図では反時計方向)の回転により記録材搬送されるのに伴って矢印方向(図では時計方向)に回転されるように構成されている。
定着フィルム15の左右の両端部は、ヒータホルダ12のガイド部(不図示)によって規制されており、ヒータ20の長手方向にはずれないようになっている。
また、定着フィルム15の内面には、ヒータ20やヒータホルダ12間の摺動抵抗を低減させるためにグリースが塗布されている。
加圧ローラ16は、金属製の芯金16aの外周面に、シリコーンゴム等の弾性16bを有し、表層はフッ素樹脂等の離型層16cを設けたものであり、離型層16cの外周面により下方から定着フィルム15をヒータ20に押し付けて、定着フィルム15との間に定着ニップ部Nを構成している。
温度制御手段は、ヒータ20の裏面に取り付けられた温度検知素子(サーミスタ)11と、この温度検知素子11が検出する温度に基づいて温度を制御する回路(不図示)を用いて行う。
上述のように、定着装置10は、加圧ローラ16の矢印方向の回転により記録材を定着ニップ部Nにて挟持搬送し、ヒータ20によって記録材上のトナーを加熱する。この際、加圧ローラ16の回転を制御することにより、記録材の送りを適宜に制御することができ、また、温度制御手段によってヒータ20の温度を適宜に制御することができるものである。
図1は本実施例の定着装置におけるヒータ20の概略構成図であり、本実施例の加熱用ヒータ20は裏面加熱型の構造である。すなわち、20aはアルミナ・AlN(窒化アルミ)等のセラミック材料より形成される高熱伝導性基板であり、加圧ローラ16との間で形成される定着ニップ部Nの幅より幅が広く形成してある。
また、高熱伝導基板20aの定着ニップ部Nと反対側に、長手方向に沿って、例えばAg/Pd(銀パラジウム)、Ni/Cr、RuO2、Ta2N、TaSiO2等の導電剤とガラス、ポリイミド等のマトリックス成分からなる通電発熱体20bをスクリーン印刷、蒸着、スパッタリング、メッキ、金属箔等により、厚み10μm程度、幅1〜5mm程度の線状もしくは細帯状で弓状に塗工して形成する。
また通電発熱体20bの上には、耐熱性のポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、ガラス等の絶縁性保護層20cを形成してある。
また、定着ニップ部N側の定着フィルム15と摺擦する部分には、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(エチレン テトラフルオロエチレン共重合体)、CTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)等のフッ素樹脂層を単独ないし、混合して被覆するか、あるいはグラファイト、二硫化モリブデン等からなる乾性被膜潤滑剤、ガラス、DLC(ダイアモンドライクカーボン)等を薄く塗布あるいは蒸着することによって形成された摺動層を設けてあっても良い。これにより、定着フィルム15と加熱用ヒータ20は低摩擦係数で滑らかに摺動することが可能になる。
あるいは、高熱伝導基板20aの定着フィルム15と摺動する面の表面粗さを所定以下に抑え、潤滑性グリース等により摺動性を確保し、熱抵抗を小さく抑えることで熱効率を向上させる構成であっても良い。
以上により形成した加熱用ヒータ20の反ニップ面側、すなわち通電発熱体20bが形成された側をヒータホルダ12に接着もしくは不図示の保持部材で圧接させる。
また上記加熱用ヒータ20の通電発熱体20b側には通電発熱体20bの発熱に応じて昇温した加熱用ヒータ20の温度を検知するためのサーミスタ等の温度検知素子11が加熱用ヒータに所定の加圧力で圧接するよう配設されている。
この温度検知素子11の信号に応じて、長手方向端部にある後述する電極部20d・20eから通電発熱体20bに印加される電圧のデューティー比や波数等を適切に制御することで、定着ニップ部N内での温調温度を略一定に保ち、記録材上のトナー像を定着するのに必要な加熱を行う。
すなわち、温度検知素子11の検知温度が目標温度を維持するように発熱体20bへの通電を制御している。
図1において、高熱伝導基板20aの上に形成される通電発熱体20bは長さL1で形成され、通電発熱体20bは電極部20d、20eより不図示の電源より給電されることで発熱する。
また、通電発熱体20bは、長手方向で不均一な抵抗値分布を持っており、端部の単位長さあたりの抵抗値を中央部に比べて高くなるように形成してある。
すなわち、図1の通電発熱体20bは長さL1の両端部L2の長さにおいて、同一ペーストの通電発熱体20bの幅を絞ることによって長さL2だけ中央付近に比べて単位長さあたりの抵抗値を高く設定してある。
また、図1において、記録材Pの最大搬送幅Mに対して通電発熱体20bは若干長くなるように形成してある。
以上の構成で、加圧ローラ16の駆動を停止した状態で、加熱用ヒータ20へ一定電力の通電加熱を行い、加熱ヒータ20の基板20aが熱応力により割れるまでの時間を測定した(暴走試験)。また、通電発熱体の端部形状を変えた時、ヒータが割れるまでの時間を比較するために、図4に示すD、D、D、Dの長さをそれぞれ表1に示す長さに設定した。このとき、通電発熱体20bの中央部の幅は7mmで、端部の幅はそれぞれ1mmとした。尚、投入電力は1500W一定であり、発熱量は実施例1、比較例1、2全て同じである。
Figure 2008040082
表2は、上記通電発熱体に一定電力を投入してから、ヒータ基板が割れるまでの時間を測定した結果である。実施例1が8.5秒と割れまでの時間が最も長くなっており、基板に対する熱ストレスが小さいことがわかる。また、図5は、上記暴走試験時の図4に示す通電発熱体の破線Aに沿った(記録材搬送方向)温度分布であり、図5(a)は実施例1、(b)は比較例1、(c)は比較例2の発熱体構成での温度分布を示す。この温度分布を見ると、実施例1は、発熱体から基板端までの距離が短いので、最も温度が高い位置と低い位置との差が少なくなっている。したがって、基板20aの記録材搬送方向での、温度差が少ないので熱応力が小さくなり、基板が割れるまでの時間が長くなった。それに対して、比較例1では、発熱体が基板中央に寄っているため、基板端までの距離が長くなってしまい基板端部の温度が低くなってしまう。したがって、記録材搬送方向での温度差が大きくなるので熱応力が大きくなり、基板が割れるまでの時間が6.0秒と早くなってしまう。また、比較例3では、発熱体がさらに基板の中央に位置しているので、基板端との距離が長くなり、基板端の温度が低くなり温度差がさらに大きくなってしまった。このため、熱応力も大きくなってしまうので、割れまで時間が5.0秒と短くなってしまう。
Figure 2008040082
また、実施例1、比較例1、2共に割れが発生した場所は、通電発熱体の端部の発熱量が大きくなっている部分であった。
また、実施例1のヒータを用いて、ヒータ中央部のヒータホルダー側へ270℃で動作するサーモスイッチを当接し、このサーモスイッチが動作するまでの時間を測定した。上記暴走実験条件で一定電力を投入したところ、サーモスイッチが6.0秒で動作し、ヒータへの通電を遮断することができ、ヒータ割れは発生しなかった。
これに対して、比較例2のヒータはサーモスイッチが動作する前にヒータ割れが発生し、ヒータへの通電が遮断されてしまった。また、比較例1のヒータを用いて上記暴走実験を繰り返した場合、ヒータ割れが発生する時と発生しない時があり、ヒータ割れを完全に防止することはできなかった。
よって、D、D、D、Dの関係が下式(1)、(2)を同時に満たしているときは、上記暴走試験においてヒータが割れる前にサーモスイッチが確実に動作するので、ヒータへの通電を安全に遮断することができる。
Figure 2008040082
以上説明したように、加熱ヒータの最も発熱量が多い領域において、基板内の温度分布が均一になるように通電発熱体を配置することで、熱ストレスを軽減し基板が割れるまでの時間を長くすることができる。また、加熱定着装置の動作時に温度検知素子や温度検知回路が故障し、加熱ヒータへ最大の電力が投入され続けた場合は、加熱ヒータに取り付けられた温度ヒューズやサーモスイッチ等のサーモプロテクターが、加熱ヒータの異常高温を検知して加熱ヒータへの通電を遮断する構成となっている。したがって、加熱ヒータの暴走時に基板が割れるまでの時間が長いと、基板が割れる前にサーモプロテクターが異常高温を検知し、加熱ヒータへの通電を遮断できるので、割れを防止することができる。
(実施例2)
以下に実施例2について説明する。装置全体の構成は前記実施例1で示した図2と同様であり、加熱定着装置の構成も前記実施例1で示した図3と同様であるため再度の説明は省略する。
印刷の校正用にフルブリード紙が使われる。フルブリード紙は一般的には、坪量64g〜80gの比較的表面が平滑な普通紙である。本実施例では、このフルブリード紙に対応する装置の構成を示す。表面性が粗い紙は、定着部材から受け取る熱量が少ないため、定着性が悪くなる傾向にある。よって、記録材端部の定着性を満足させるためには、端部の温度をより高く設定する必要がある。しかし、本実施例では最大搬送幅の紙種は表面が平滑なフルブリード紙であるので、加熱ヒータ端部の温度はラフ紙を想定した時よりも、低く設定することができる。
本実施例の加熱ヒータは、長手方向に対して発熱量が少ない中央部から発熱量が多くなる端部にかけて発熱量を徐々に変化させることで、加熱ヒータ基板への熱応力をさらに少なくすること特徴とする。
本実施例の加熱ヒータ20においては、図6に示すように長さがL1の通電発熱体が2本あり、上流発熱体20fと下流発熱体20gの発熱量は同じである。また、発熱体の両端部(長さL2)は発熱量を多くしているが、発熱量は連続的に変化させている。さらに、最も発熱量の多い端部において、記録材搬送方向での加熱ヒータの温度分布がほぼ均一になるように、発熱体を配置している。
加熱ヒータ端部において、発熱量を連続的に変化させることによって、実施例1のような階段状に変化させた場合よりも、端部での発熱量は少なくなってしまうが、加熱ヒータ長手方向での熱応力を小さくすることができるので、ヒータ割れに対しては有利となる。
図6に示す加熱ヒータを用いて、加圧ローラの駆動を停止した状態で、加熱用ヒータへ一定電力の通電加熱を行い、加熱ヒータの基板が熱応力により割れるまでの時間を測定したところ、割れまでの時間が10秒となった。したがって、実施例1の割れまでの時間8.5秒よりも長くなり、ヒータ割れのマージンを広くすることができる。
以上説明したように、最大搬送幅の記録材を限定することで、加熱ヒータ端部の発熱量の増加量を少なくすることができるので、長手方向で加熱ヒータ基板への熱応力が少なくなるように通電発熱体のパターンを形成することできる。
また、本実施例では中央基準通紙の場合について説明しているが、片側基準の場合においても本実施例と同様な構成とすることで同様の効果が得られる。
(実施例3)
以下に実施例3について説明する。装置全体の構成は前記実施例1で示した図2と同様であり、加熱定着装置の構成も前記実施例1で示した図3と同様であるため再度の説明は省略する。
上記実施例1、2のように記録材搬送方向に直交する方向(長手方向)で、端部の発熱量を多くすることで、加熱定着装置が室温状態に近い状態からプリント動作が開始された時の記録材端部の定着性を満足させている。しかし、通紙域最大の記録材よりも幅の狭い記録材を連続でプリントした場合、記録材が搬送される領域と搬送されていない領域では、昇温の度合いが異なる。すなわち、記録材が搬送される領域では通電発熱体で発した熱は記録材上のトナーを溶融、定着するために消費されるが、記録材が搬送されない領域では、ダイレクトに加圧ローラを加熱し、通電発熱体で発した熱は記録材によって消費されないため徐々に熱量が蓄積し、中央付近は連続通紙初期と同様にほぼ一定の温度分布であるにもかかわらず、端部においては、異常に昇温した状態となってしまう。
本実施例は、上記連続通紙時の記録材非通紙領域の異常昇温と、通紙初期の記録材端部の定着性を同時に満足させることを特徴とする。
本実施例の加熱ヒータ30を図7に示す。長さがL1の通電発熱体30b、30dと長さがL3の通電発熱体30cの3本の発熱体が形成され、通電発熱体30bと30dは、電極部30e、30fより、また通電発熱体30cは電極部30g、30hより不図示の電源より給電されることで発熱する。また、長さL1は最大記録材幅よりも若干長くなるように設定されている。
また、通電発熱体30b、30dは、長手方向で不均一な抵抗値分布を持っており、端部の単位長さあたりの抵抗値を中央部に比べて高くなるように形成してある。
すなわち、図7の通電発熱体30b、30dは長さL1の両端部L2の長さにおいて、同一ペーストの通電発熱体30b、30dの幅を絞ることによって長さL2だけ中央付近に比べて単位長さあたりの抵抗値を高く設定してある。
次に、上記加熱ヒータ30を用いて記録材を連続通紙した時の動作について説明する。加熱定着装置の立ち上げ時及び通紙初期は、通電発熱体30b、30c、30dへはそれぞれ同じ割合で通電を行う。したがって、加熱ヒータ30の記録材搬送方向と直交する方向(長手方向)での発熱量としては、端部の方が多くなり記録材端部の定着性と満足することができる。次に、記録材は連続で通紙されると、加熱ヒータ30の記録材が搬送されない端部領域では、通電発熱体で発した熱は記録材によって消費されないため徐々に熱量が蓄積するので、通紙枚数毎、または所定時間毎に通電発熱体30b、30dへの通電比率を徐々に下げていく。したがって、端部の発熱量が多い通電発熱体30b、30dの通電比率が下がることによって、加熱ヒータ30の長手方向での端部の異常昇温が抑えられる。
以上説明したように本実施例では、長手方向で発熱量の異なる複数の通電発熱体を用い、記録材の通紙枚数毎、または所定時間毎にそれぞれの通電発熱体への通電比率を変えることで、加熱定着装置が室温状態に近い状態からプリント動作が開始された時の記録材端部の定着性を満足させ、また連続通紙時の記録材が非通紙領域の異常昇温を防止することができる。
本発明の実施例1に係る加熱ヒータの構成図 本発明に係る画像形成装置の構成図 本発明に係る加熱定着装置の構成図 本発明の実施例1に係る加熱ヒータの構成図 本発明の実施例1に係るヒータ基板温度分布図 本発明の実施例2に係る加熱ヒータの構成図 本発明の実施例3に係る加熱ヒータの構成図
符号の説明
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 露光手段
4 現像装置
5 転写ローラ
6 クリーニング装置
7 給紙カセット
8 搬送ローラ
9 トップセンサー
10 定着装置
11 温度検知素子
12 ヒータホルダー
15 定着フィルム
16 加圧ローラ
20 加熱ヒータ

Claims (5)

  1. 被加熱材の搬送方向に直交する方向を長手とする基板と、前記基板の一面側に基板長手方向に沿って形成された通電発熱体を有する像加熱体で、前記通電発熱体は基板長手方向で温度勾配ができるような発熱分布を有する像加熱体において、
    基板長手方向で最も発熱量が多い領域で複数の通電発熱体を有し、被加熱材の搬送方向に対して、上流の基板端面から基板中央までの距離をD、下流の基板端面から基板中央までの距離をDとする。また、被加熱材の搬送方向に対して、最も上流に位置する通電発熱体の中央から基板中央までの距離をD、最も下流に位置する通電発熱体の中央から基板中央までに距離をDとするとき、D、D、D、Dの関係が以下の2式を同時に満足することを特徴とする像加熱体。
    Figure 2008040082
  2. 前記発熱量が最も多い領域での通電発熱体の形状が、被加熱材の搬送方向の上流と下流に対する前記基板の中央を中心線として対称であることを特徴とする請求項1に記載の像加熱体。
  3. 前記基板長手方向で最も発熱量が多い領域が、基板の端部であることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の像加熱体。
  4. 前記基板長手方向で温度勾配ができるような発熱分布を有する加熱体において、発熱量が連続的に変化することを特徴とする請求項1から請求項3に記載の像加熱体。
  5. 記録材に画像を形成担持させる作像手段と、前期記録材上の画像を加熱する像加熱手段とを有する画像形成装置において、前記像加熱手段が請求項1から請求項4のいずれかに記載の加熱体であることを特徴とする画像形成装置。
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JP2015176085A (ja) * 2014-03-17 2015-10-05 キヤノン株式会社 定着装置
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