JP2008268728A - 加熱定着装置 - Google Patents

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昭人 金森
Masahiko Suzumi
雅彦 鈴見
Koji Nihonyanagi
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Abstract

【課題】 ソフトオンデマンド定着器において、オフセット等により定着ローラに付着したトナーの定着ローラとヒータ間への蓄積を防止し、ブロッブス等のトナー汚れ画像を防止する。
【解決手段】 ソフトオンデマンド定着器において、定着ローラと接触し加熱するヒータに、オフセットトナーが固着し蓄積しないように、定着ローラとヒータの加熱ニップの外側にも発熱体を設ける。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば、電子写真方式・静電記録方式等の作像プロセスを採用した画像形成装置において、作像プロセス部で記録材(転写材・印字用紙・感光紙・静電記録紙等)に転写方式あるいは直接方式で形成担持させた目的の画像情報の未定着トナー像を固着像として熱定着処理する加熱定着装置に関するものである。
従来、電子写真方式、静電記録方式等を採用する画像形成装置に具備される定着装置においては、未定着トナー像を担持した記録材を、互いに圧接して回転する定着ローラと加圧ローラとで形成されるニップ部を通過させることにより記録材上に永久画像として定着させる、いわゆる熱ローラ方式の加熱定着装置が広く用いられている。図5にその熱ローラ方式の加熱定着装置の概略構成を示す。
定着ローラ60は、アルミニウムやステンレス製の中空芯金61の中にハロゲンランプ等の加熱体62を設け、外表面にはトナーのオフセットを防止するためのフッ素樹脂等の離形性層63を備えたものである。また、加圧ローラ50は、芯金51の外部にシリコーンゴム等を形成した弾性層あるいはシリコーンゴム等を発泡してなるスポンジ弾性層52を形成し、さらにその外層には定着ローラ60と同様のフッ素樹脂等の離型性層53が形成されている。また、高速機あるいはカラートナーを用いた画像形成装置の場合、トナーの定着性を十分に満足させるために、後述する図6に示すような、中空芯金61の外表面にシリコーンゴム等の厚み2mm程度の弾性層を設けることにより、軟らかくなった定着ローラ表面でトナーを包み込むことで、記録材およびトナーへの熱の伝播効率を向上させている。
しかしながら、近年の環境問題の一つとして消費電力の低減が強く望まれる一方で、市場のニーズからは高画質および高速での画像出力が望まれている。そこで、このような消費電力の低減と高速・高画質の要求に応えるために、上記の熱ローラ方式の加熱定着装置に対して種々の改善が試みられている。
一つは、定着ローラ60の昇温時間を短縮し消費電力を小さくする目的で、図6に示すように加熱体62を定着ローラ60や加圧ローラ50の外表面に配置させ、外表面のみを加熱することで、低消費電力で熱効率のよい加熱定着装置の1例が特開平10-301417号公報・特開平11-073050号公報等に提案されている。このような定着ローラ60の外表面に配置させる加熱体62は、定着ローラ60に対して接触状態にあるものと、非接触状態にあるものに大別されるが、接触式の方が熱の伝播効率が高い。また、加熱体62は中空芯金65内にハロゲンランプ66が備えてあるタイプや、あるいは中空芯金65の内面にポリイミド等の有機樹脂やガラス等の絶縁層を介して発熱抵抗層を備えたヒートローラタイプのものがある。
一方で、特にスタンバイ時に加熱定着装置に電力を供給せず、消費電力を極力低く抑えた方法、詳しくはヒータ部と加圧ローラの間に熱容量の小さい薄肉のフィルムを介して記録材上のトナー像を定着するフィルム加熱方式による加熱定着方法の一例が、特開昭63-313182号公報・特開平2-157878号公報・特開平4-44075号公報・特開平4-204980公報等に提案されている。図7にフィルム加熱方式の1例の概略構成を示す。
すなわち図7において、アルミナや窒化アルミ等のセラミック板上に発熱抵抗層が形成された加熱ヒータ71がステイホルダー(支持体)72に固定され、そのヒータ71に密着したポリイミド等の耐熱性の薄肉フィルム(以下、定着フィルムとする)73と、そのフィルムを挟んで圧接させた加圧ローラ50を有する。定着フィルム73は加圧ローラ50の回転力により、定着ニップ部においてヒータ71面に密着・摺動しつつ矢印の方向に搬送移動される。ヒータ71の温度は、ヒータ背面に設置された温度検知手段74により検知し不図示の通電制御部へフィードバックされ、ヒータ温度が一定温度(定着温度)になるように加熱・温調される。このようなフィルム加熱方式の定着装置を用いたプリンター、複写機等の各種画像形成装置は、加熱効率の高さや立ち上りの速さにより、待機中の予備加熱の不要化や、ウエイトタイムの短縮化など従来の熱ローラ等を用いて加熱定着させる方式に比べて多くの利点を有している。
特開平10-301417号公報 特開平11-073050号公報 特開昭63-313182号公報 特開平2-157878号公報 特開平4-44075号公報 特開平4-204980号公報
しかしながら、前述した従来例の方式には、次のような問題がある。
まず、熱ローラ方式では、熱容量の大きな定着ローラを用いるため、クイックスタートが不可能である。また、高速化及び高画質化対応のために、定着ローラ表層にシリコーンゴム等の弾性層を設けた場合、熱容量が増すのに加えて、定着ローラ内部から弾性層表面を暖めなければならない為、ウェイトタイムが延びてしまうという問題がある。
また、フィルム加熱方式では、熱容量の小さい薄肉フィルムを用い、定着ニップを集中的に加熱するためクイックスタートは可能であるが、薄肉フィルムを加圧ローラにより従動回転させているため、フィルム速度が加圧ローラの回転速度に対して遅れ、画像を劣化させてしまうという問題がある。
図7に示した加熱体を定着ローラや加圧ローラの外表面に配置させ、外表面のみ加熱する加熱定着方式は、熱容量の大きい定着ローラの内面まで温める必要が無く表面のみ昇温すれば良いため、所定温度までの加熱時間の短縮や消費電力の低減は可能となるが、上記フィルム加熱方式に比べると、加熱体自体の昇温に時間がかかるため、その効果は圧倒的に劣ってしまう。
そこで、クイックスタートが可能で高速化・高画質化にも対応可能な定着器方式の1つとして図8に示すような方式が有効であり、提案されている。この方式は、定着ローラ10としてシリコーンゴム等を用いた弾性ローラを用い、弾性層12の包み込み効果により紙への熱伝達効率を向上させると同時に画像劣化を低減させている。また、定着ローラ10表面を従来フィルム加熱方式で用いられているセラミックヒータ21を用いて直接加熱したり、加圧部材として薄肉フィルム33と断熱バックアップ部材31、32を用いることで、熱効率を向上させ、クイックスタートを可能にしている。
ところが、上記構成の加熱定着装置にも次のような問題がある。上記構成の加熱定着装置は、定着ローラ10表面にセラミックヒータ21を直接当接し、加熱しているため、定着ニップMで定着ローラ10に付着したオフセットトナーが加熱ヒータ21と定着ローラ10の加熱ニップ近傍に蓄積され、紙上に吐き出してしまうのである。
本発明は上記課題を解決するものであり、その目的とするところは、クイックスタート・高速化・高画質化対応が可能であり、ブロッブス等のトナー汚れ画像の発生しない加熱定着装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、
本発明は、弾性層を有する定着ローラと、該定着ローラ外表面に低熱容量の加熱ヒータを接触、摺擦させて加熱ニップ部を形成する加熱部材と、上記定着ローラに圧接して定着ニップ部を形成する加圧部材と、を有し、上記定着ニップ部に未定着トナー画像が形成された記録材を挟時搬送させることで加熱定着させる加熱定着装置において、上記加熱ヒータは、基板上に通電回路として独立した発熱パターンが複数存在するよう形成されるとともに、少なくとも一つの発熱パターンが前記定着ローラとの加熱ニップ部の外側に設けられていることを特徴とするものである。
また本発明は、上記加熱ニップ部外に設けられた発熱パターンは、上記定着ローラの回転方向に対して加熱ニップ部の下流側のニップ外に設けられたことを特徴とする。
また本発明は、弾性層を有する定着ローラと、該定着ローラ外表面に低熱容量の加熱ヒータを接触、摺擦させて加熱ニップ部を形成する加熱部材と、上記定着ローラに圧接して定着ニップ部を形成する加圧部材と、を有し、上記定着ニップ部に未定着トナー画像が形成された記録材を挟時搬送させることで加熱定着させる加熱定着装置において、上記加熱ニップ部の温度分布が、上記定着ローラの回転方向に対して加熱ニップ部の上流側に比べて下流側が高くなるように構成されたことを特徴とするものである。
以上説明してきたように、本発明によれば、オフセットトナーが固着し蓄積する加熱ヒータにおける加熱ニップ下流側のニップ外を、加熱ニップ内と同等以上に温調させることにより、クイックスタート・高速化・高画質化対応が可能となるとともに、ブロッブス等のトナー汚れの無い良好な画像を得ることができるのである。
次に本発明の好適な実施例の説明として、まず実施例1について説明し、次に実施例2について説明する。
(電子写真画像形成装置)
図1は,本発明に係る画像形成装置の構成図である。
図1において、1は感光ドラムであり、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基盤上に形成されている。感光ドラム1は矢印の方向に回転駆動され、まず、その表面は帯電装置としての帯電ローラ2によって一様帯電される。次に、画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザビーム3による走査露光が施され、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置4で現像、可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
可視化されたトナー像は、転写装置としての転写ローラ5により、所定のタイミングで搬送された記録材P上に感光ドラム1上より転写される。ここで感光ドラム1上のトナー像の画像形成位置と記録材の先端の書き出し位置が合致するように8のセンサにて記録材の先端を検知し、タイミングを合わせている。所定のタイミングで搬送された記録材Pは感光ドラム1と転写ローラ5に一定の加圧力で挟持搬送される。このトナー像が転写された記録材Pは定着装置6へと搬送され、永久画像として定着される。一方、感光ドラム1上に残存する転写残りの残留トナーは、クリーニング装置7により感光ドラム1表面より除去される。
(加熱定着装置)
図2に、本発明に係る加熱定着装置6の構成を示す。
(1)定着ローラ10
定着ローラ10は、以下の部材から構成される。
アルミあるいは鉄製の芯金11の外側に、シリコーンゴムで形成された弾性層(ソリッドゴム層)、あるいはより断熱効果を持たせるためにシリコーンゴムを発泡して形成された弾性層(スポンジゴム層)、あるいはシリコーンゴム層内に何らかの方法で気泡を分散させ、断熱作用を高めた弾性層(気泡ゴム層)12から成る。しかしながら、定着ローラ10の熱容量が大きく、また熱伝導率が少しでも大きいと、外表面から受ける熱を吸収しやすく、表面温度が上昇しにくくなる。そのため、できるだけ低熱容量で熱伝導率が低く、断熱効果の高い材質の方が、定着ローラ表面温度の立ち上り時間に有利である。ここで、上記シリコーンゴムのソリッドゴムは熱伝導率が0.25〜0.29 W/m・K、スポンジゴム・気泡ゴムは0.11〜0.16 W/m・Kであり、スポンジゴム・気泡ゴムはソリッドゴムの約半分の値を示す。また、熱容量に関係する比重はソリッドゴムが約1.05〜1.30、スポンジゴム・気泡ゴムが約0.75〜0.85である。したがって、弾性層の好ましい形態としては、熱伝導率が約0.15W/m・K以下で、比重が0.85以下の断熱効果の高いスポンジゴム層や気泡ゴム層の方が好ましい。また、定着ローラ10の外径は小さい方が熱容量を抑えられるが、小さすぎると加熱ニップが稼ぎにくくなるので適度な径が必要である。弾性層の肉厚に関しても、薄すぎれば金属製の芯金に熱が逃げるので適度な厚みが必要である。
以上を考慮して本実施例では、適正な加熱ニップNを形成でき、且つ熱容量を抑えるために、肉厚が4mmの気泡ゴムを用いて弾性層を形成し、外径がφ20mmの定着ローラを使用した。また、芯金11は図7の従来例に記載しているような中空芯金でも良い。上記に述べた弾性層の上にはパーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン樹脂(FEP)等のフッ素樹脂離型層13を形成する。離型層13はチューブを被覆させたものでも表面を塗料でコートしたものであってもどちらでも良い。
また定着ローラ10表面の温度を検知するためのサーミスタや赤外温度素子等の温度検知手段23は、定着ニップM下流側に定着ローラ10表面と接触または非接触に配置され、後述する加熱部材20の加熱用ヒータ21への通電発熱抵抗層への通電を制御することで、定着ローラ10表面の温度を一定に保つことができる。
(2)加熱部材20
加熱部材20は、以下の部材から構成される。
21は加熱用ヒータであり、定着ローラ10の表面を加熱する。加熱用ヒータ21はアルミナや窒化アルミ等の絶縁性のセラミックス基板や、ポリイミドやPPS、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂基板の表面に長手方向に沿って、例えばAg/Pd(銀パラジウム)、RuO2、Ta2N等の通電発熱抵抗層25をスクリーン印刷等により、厚み10μm程度、幅1〜5mm程度の線状もしくは細帯状に塗工して形成した通電加熱用部材である。
加熱用ヒータ21の定着ローラ10側の表面には、熱効率を損なわない範囲で加熱用ヒータ21の通電発熱抵抗層25を保護し、かつ摺擦により定着ローラ10の離型層が摩耗しないように保護摺動層26を設けても良い。その例としては、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン樹脂(FEP)、エチレンテトラフルオロエチレン樹脂(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(CTEF)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)等のフッ素樹脂層を単独ないしは混合して被覆するか、あるいはグラファイト、ダイアモンド・ライク・カーボン(DLC)、二硫化モリブデン等からなる乾性被膜潤滑剤、ガラスコート等の保護層が考えられる。なお加熱用ヒータの基板として熱伝導性の良好な窒化アルミ等を使用する場合には、通電発熱抵抗層は基板に対して定着ローラと反対側に形成してあってもよい。
加熱用ヒータ21の定着ローラ10と反対側には、通電発熱抵抗層25の発熱に応じて昇温したセラミック基板の温度を検知するためのサーミスタ等の温度検知手段24が、加熱用ヒータの温度制御や異常昇温を監視するために配置されている。温度制御に使用する場合は、上記定着ローラ10表面の温度検知手段23と、加熱用ヒータの温度検知手段24の信号に応じて、長手方向端部にある不図示の電極部から通電発熱抵抗層25に印加される電圧のデューティー比や波数等を適切に制御することで、加熱用ヒータ21を発熱させ、定着ローラ10の表面を加熱・温調する。各温度検知部材から不図示の温度制御部へのDC通電は、不図示のDC通電部およびDC電極部を介して不図示のコネクターにより達成している。
22は加熱用ヒータ21を保持する断熱ステイホルダーである。不図示の加圧手段によって定着ローラ10に対して加圧され、その加圧力により加熱用ヒータ21と定着ローラ10の間に加熱ニップNを形成している。断熱ステイホルダー22は、加熱ニップNと反対方向への放熱を防ぐ役割を持ち、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等により形成されている。
ここで加熱用ヒータ21の通電発熱抵抗層25は、通電回路として独立した発熱パターンが複数存在し、少なくとも一つの発熱パターン25aが定着ローラ10との加熱ニップN部の外側、具体的には定着ローラの回転方向に対して加熱ニップN部の下流側のニップ外に設けられている。またニップ外に設けられた発熱パターン25aは、専用の温度検知手段(不図示)を設けて温調を行なった方が好ましいが、前述した温度検知手段24を兼用して温調を行なっても構わない。
(3)加圧部材30
加圧部材30は、以下の部材から構成される。
33は摺動フィルムであり、耐熱性、熱可塑性を有するポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS、PFA、PTFE、FEP等を基層とした樹脂製のフィルムである。フィルム厚みは、強度等を考慮し、20μm以上150μm未満が適当な範囲である。また、定着ローラ10上に付着したオフセットトナーが蓄積しないように、表層にはPFA、PTFE、FEP、シリコーン樹脂等の離型性の良好な耐熱樹脂を混合ないし単独で被覆してある。
31は摺動フィルムの内部に具備された摺動板であり、32は摺動板31を保持している断熱ステイホルダーである。断熱ステイホルダー32は不図示の加圧手段によって定着ローラに対して加圧され、摺動板31と定着ローラ10との間に摺動フィルム33を介して定着に必要なニップMを形成している。断熱ステイホルダー32は加熱部材のステイホルダー22と同様に断熱性、耐熱性を有する樹脂として、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等により形成されている。また、摺動板31は、摺動フィルム33との摩擦が小さく且つ断熱性を有する材料として、ステイホルダー32と同様の液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等により形成し、その表面に摩擦抵抗を低減する摺動層をコーティングするのが望ましい。その例としては、加熱ヒータ21の表面に設ける摺動層と同様であるので説明は省く。摺動板31と断熱ステイホルダー32を別部材として扱っているが、それらを一体成型により形成し摺動部分に上記の摺動層をコーティングしても良く、よりコストダウンを測ることが可能である。
また、摺動フィルム33と摺動板31の間には、摩擦抵抗を小さく抑えるためにグリース等の潤滑剤を少量介在させている。
このような構成において、定着ローラ10は長手方向端部から芯金11を介して不図示の回転駆動源により、矢印の方向に回転駆動される。これにより上記摺動フィルム33はステイホルダー32の外側を図の矢印方向に従動回転するのである。
以上が本実施例の加熱定着装置の構成である。
そして、記録材Pは不図示の供給手段によって適宜供給され、耐熱性の定着入口ガイド15に沿って定着ローラ10と加圧部材30によって形成される定着ニップM内に搬送される。その後定着ニップより排出された記録材Pは耐熱性の定着排紙ガイド16に案内されて排紙ローラ17および排紙コロ18に挟持搬送され不図示の排出トレイ上に排出される。
以上の構成により、プロセススピード266mm/s(45ppm@LTR縦送り)という高速で、フィルム加熱方式に匹敵するクイックスタートとソフトローラと同等以上の高画質を実現することができる。
(オフセットトナーの蓄積の防止)
前述したように、図8に示す従来例の加熱定着装置で繰り返し加熱定着を行なうと、加熱用ヒータ21の定着ローラ10当接部(加熱ニップN)付近にオフセットトナーが付着・蓄積し、許容量を超えると加熱用ヒータ21から定着ローラ10を介して紙上へブロッブス(点状のトナー汚れ)として吐き出される。これはトナー像を紙上に加熱定着する際に、静電的又は熱的に僅かに定着ローラ10上にオフセットしたトナーがプリントを繰り返すことによって蓄積されて発生する現象である。
ここでオフセットトナーが蓄積するのは、定着ローラ10の回転方向に対して加熱ニップN部の下流側のニップ外における加熱用ヒータ21表面部である。これは定着ローラ10上にオフセットしたトナーは、一度加熱ニップN部の上流側に加熱用ヒータ21との摺擦により掻きとられて溜まるが、上流側は定着ローラ10の加熱ニップN側への回転駆動力と加熱用ヒータ21による加熱により、トナーは溶融しやすく移動可能なため、一度溜まっても加熱ニップNを通過して下流側に移動してしまう。一方、下流側は定着ローラ10の加熱ニップNから遠ざける方向への回転駆動力とともに、加熱用ヒータ21は加熱ニップN外には発熱パターンが無くニップ外では加熱できないため、トナーは加熱ニップNの下流側のニップ外における加熱用ヒータ21表面部に固着し蓄積するのである。
そこで本実施例では、加熱ニップNを通過した溶融トナーがニップ外で冷えて固着し蓄積しないようニップ外を加熱するため、加熱用ヒータ21に加熱ニップNの下流側のニップ外に発熱パターン25aを設けている。なお、加熱用ヒータ21の加熱ニップN内に位置する発熱パターン25bは、定着ローラ10側に熱が奪われていくため必要通電量は多いが、一方ニップ外に位置する発熱パターン25aは、覆うものは無く断熱されているため必要通電量は少ない。そのため、これら発熱パターンの通電回路は各々独立させている。またニップ外の発熱パターン25aの温調温度としては、加熱ニップN内に位置する発熱パターン25bの温調温度と同等かそれ以上が好ましい。それは加熱ニップN内を通過した溶融トナーを、ニップ外に出た瞬間に冷やさずに定着ローラ10に付着させたまま搬送して、記録材Pもしくは加圧部材30に吐き出させるためである。これにより、オフセットトナーは記録材Pに吐き出すことになるが、従来例で発生するようなブロッブスとは異なり、非常に僅かな量のトナーを徐々に吐き出しているため、ユーザーにとって気になるレベルではない。
(従来例との比較実験)
本実施例のように、加熱ニップNの下流側のニップ外にも発熱パターンを設けた加熱用ヒータを用いた場合と、従来例(図8)のように加熱ニップN内に位置する発熱パターンのみの加熱ヒータを用いた場合とについて、通紙耐久時における紙上へのブロッブスの発生レベルについて比較実験を行なったので、その結果を表1に示す。
本実験は、23℃/60%RHの環境下でXEROX4024 75g/m2のLTR紙に約4%の印字率パターンを2枚/10分のプリントモードで通紙を行ない、その時に発生した紙上へのブロッブスの発生レベルを確認した。表中の○はOKレベル、△は実用上問題の無いレベル、×はNGレベルを示す。
Figure 2008268728
以上のように、加熱用ヒータにおける加熱ニップの下流側のニップ外への発熱パターンの設置により、オフセットトナーの加熱ニップ近傍への蓄積を防止でき、トナー汚れが定着ローラに巻き込まれて紙上に吐き出されることがなくなるため、ブロッブスのない良好な画像を得ることができるのである。
次に実施例2として、オフセットトナーの蓄積の防止策の他例を図3に示す。なお、前述した実施例1と同一機能を有する部分は同一符号を使用し説明を援用する。
本実施例では、実施例1と同様に、加熱ニップNを通過した溶融トナーがニップ外で冷えて固着し蓄積しないようニップ外を加熱するため、図4のように、加熱ニップN内の温度分布を定着ローラの回転方向に対して上流側に比べて下流側が高くなるように構成している。
具体的には、図3に示すように、加熱用ヒータ20の加熱ニップN内に設けられた複数の発熱パターンが通電回路として共通の場合は、上流側の発熱パターン25dに比べて下流側の発熱パターン25cの幅を細くすることで、下流側の発熱量を大きくすることができる。また、加熱用ヒータの加熱ニップN内に設けられた複数の発熱パターンが通電回路として各々独立している場合は、発熱パターンへの通電比率を上流側に比べて下流側を大きくさせることで、下流側の発熱量を大きくしても良い。加熱ニップN内の温度分布を上流側に比べて下流側が高くなるように構成されていれば、上記に示した以外の手法を採用しても構わない。
また実施例1と同様に、加熱ニップN内を通過した溶融トナーを、ニップ外に出た瞬間に冷やさずに定着ローラに付着させたまま搬送できるように、加熱用ヒータにおける加熱ニップNの下流側のニップ外における温調温度が、加熱ニップN内と同等かそれ以上が好ましい。
(従来例との比較実験)
本実施例のように、加熱ニップN内の温度分布を定着ローラの回転方向に対して上流側に比べて下流側が高くなるように構成した場合と、従来例として加熱ニップN内の温度分布を一定に構成した場合とについて、通紙耐久時における紙上へのブロッブスの発生レベルについて比較実験を行なったので、その結果を表2に示す。
本実験は、23℃/60%RHの環境下でXEROX4024 75g/m2のLTR紙に約4%の印字率パターンを2枚/10分のプリントモードで通紙を行ない、その時に発生した紙上へのブロッブスの発生レベルを確認した。表中の○はOKレベル、△は実用上問題の無いレベル、×はNGレベルを示す。
Figure 2008268728
以上のように、加熱用ヒータにおける加熱ニップN内の温度分布を、定着ローラの回転方向に対して上流側に比べて下流側が高くなるように構成することにより、実施例1と同様に、オフセットトナーの加熱ニップ近傍への蓄積を防止でき、トナー汚れが定着ローラに巻き込まれて紙上に吐き出されることがなくなるため、ブロッブスのない良好な画像を得ることができるのである。
本発明に係わる画像形成装置の構成図 実施例1の加熱定着装置図 実施例2の加熱定着装置図 実施例2における加熱ニップ内の温度分布 従来の熱ローラ方式による加熱定着装置の構成を示す模式図 従来の熱ローラを外部より加熱する方式による加熱定着装置の構成を示す模式図 従来のフィルム加熱方式による加熱定着装置の構成を示す模式図 従来の外部加熱ヒーターの一例の構成を示す模試図
符号の説明
1 像担持体(感光ドラム)
2 帯電ローラ
3 レーザービーム
4 現像装置
5 転写ローラ
6 定着装置
7 クリーニング装置
8 トップセンサ
9 排紙センサ
10 定着ローラ
11 芯金
12 弾性層
13 離型性層
15 定着入り口ガイド
16 定着排紙ガイド
17 排紙ローラ
18 排紙コロ
20 加熱部材
21 加熱用ヒータ
22 断熱ステイホルダー
23 温度検知手段(定着ローラ用)
24 温度検知手段(加熱用ヒータ用)
25 通電発熱抵抗層(発熱パターン)
26 保護層
30 加圧部材
31 摺動板
32 断熱ステイホルダー
33 摺動フィルム
41 トナー汚れ
42 トナー汚れ回収トレイ
43 リンク
44 プーリー
P 記録材
M 定着ニップ
N 加熱ニップ

Claims (3)

  1. 弾性層を有する定着ローラと、
    該定着ローラ外表面に低熱容量の加熱ヒータを接触、摺擦させて加熱ニップ部を形成する加熱部材と、
    上記定着ローラに圧接して定着ニップ部を形成する加圧部材と、
    を有し、上記定着ニップ部に未定着トナー画像が形成された記録材を挟時搬送させることで加熱定着させる加熱定着装置において、
    上記加熱ヒータは、基板上に通電回路として独立した発熱パターンが複数存在するよう形成されるとともに、少なくとも一つの発熱パターンが前記定着ローラとの加熱ニップ部の外側に設けられていることを特徴とする加熱定着装置。
  2. 上記加熱ニップ部外に設けられた発熱パターンは、上記定着ローラの回転方向に対して加熱ニップ部の下流側のニップ外に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の加熱定着装置。
  3. 弾性層を有する定着ローラと、
    該定着ローラ外表面に低熱容量の加熱ヒータを接触、摺擦させて加熱ニップ部を形成する加熱部材と、
    上記定着ローラに圧接して定着ニップ部を形成する加圧部材と、
    を有し、上記定着ニップ部に未定着トナー画像が形成された記録材を挟時搬送させることで加熱定着させる加熱定着装置において、
    上記加熱ニップ部の温度分布が、上記定着ローラの回転方向に対して加熱ニップ部の上流側に比べて下流側が高くなるように構成されたことを特徴とする加熱定着装置。
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