JP4266613B2 - 定着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、定着フィルムと、前記定着フィルムの内面に接触するヒータと、前記定着フィルムを介して前記ヒータと共に定着ニップ部を形成しており前記定着フィルム表面との摩擦により前記定着フィルムを駆動する加圧ローラと、を有し、前記定着ニップ部でトナー像を担持する記録材を挟持搬送しつつトナー像を定着処理する定着装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
例えば、電子写真方式・静電記録方式等の画像形成装置において、作像プロセス部で記録材(転写材・印字用紙・感光紙・静電記録紙等)に転写方式あるいは直接方式で形成担持された目的の画像情報の未定着トナー像を固着像として熱定着処理する加熱装置としての定着装置には、未定着トナー像を担持した記録材を、互いに圧接して回転する、加熱部材としての熱ローラ(定着ローラ)と、加圧部材としての弾性加圧ローラとで形成されるニップ部を通過させることにより記録材上に固着画像として定着させる、いわゆるローラ加熱方式の装置が広く用いられている。
【0004】
近年では、クイックスタートや省エネルギの観点からフィルム加熱方式の装置が実用化されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0005】
フィルム加熱方式の定着装置の構成としては、フィルムの搬送に専用の搬送用ローラと従動ローラを用いてテンションを加えながら加圧ローラとの間でフィルムを搬送する方法と、円筒形フィルムを加圧ローラからの搬送力で駆動させる方法があり、前者はフィルムの搬送性能を高く保持できる利点を有し、後者は構成の簡略化に伴なう低コストの定着装置を実現できる利点がある。
【0006】
具体例として、後者の加圧ローラ駆動方式(テンションレスタイプ)のフィルム加熱方式の定着装置の概略構成図を図8に示す。
【0007】
10は加熱部材としてのフィルムアセンブリ、20は加圧回転体としての弾性加圧ローラであり、この加熱部材10と加圧回転体20との圧接により加熱ニップ部である定着ニップ部Nを形成させている。
【0008】
加熱部材としてのフィルムアセンブリ10は、加熱体(熱源)としての例えばセラミックヒータ11と、このヒータを下面に固定支持させたヒータホルダー(支持体)12と、ヒータホルダー12にルーズに外嵌させた定着フィルムとしての円筒状の耐熱性薄肉フィルム13等からなる。
【0009】
加圧回転体としての弾性加圧ローラ20は、一般的には、ステンレス鋼やアルミニウムで製作される芯金21の上に、弾性層としてのゴム層22を設ける。ゴム層としては耐熱性に優れるシリコンゴムを用いることが多い。弾性層の上には表層として優れた離型性を有する、フッ素樹階層やフッ素ゴムラテックス層を設けることで離型層23を形成している。
【0010】
加圧ローラ20は芯金21の両端部を軸受を介して回転自由に支持させて配設され、フィルムアセンブリ10は加圧ローラ20の上側にヒータ11側を下向きにして加圧ローラ20に並行に配列し、ヒータホルダー12を不図示の付勢部材で加圧ローラ20に対して弾性層22の弾性に抗して所定の押圧力で加圧状態にすることで、ヒータ21の下面をフィルム13を介して加圧ローラ20の上面に圧接させて所定幅の定着ニップ部Nを形成させている。
【0011】
加圧ローラ20は、不図示の駆動手段により所定の周速度で回転駆動される。この加圧ローラ20の回転駆動による該加圧ローラ20の外面とフィルム13との、定着ニップ部Nにおける圧接摩擦力により円筒状のフィルム13に回転力が作用して、該フィルム13が、その内面側がヒータ11の下向き面に密着して摺動しながらヒータホルダー12の外側を従動回転する。ヒータホルダー12はこのときの定着フィルム13の回転搬送ガイド部材も兼ねている。
【0012】
加圧ローラ20が回転駆動され、それに伴って円筒状のフィルム13が従動回転状態になり、またヒータ11に通電がなされ、該ヒータ11が昇温して所定の温度に立ち上がり温調された状態において、定着ニップ部Nの定着フィルム13と加圧ローラ20との間に未定着トナー像tを担持した記録材Pが定着入り口ガイド27で案内されて導入され、定着ニップ部Nにおいて記録材Pのトナー像担持面側がフィルム13の外面に密着してフィルム13と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程において、ヒータ11の熱がフィルム13を介して記録材Pに付与され、記録材P上の未定着トナー像tが記録材P上に加熱・加圧されて溶融定着される。定着ニップ部Nを通過した記録材Pはフィルム13から曲率分離される。
【0013】
上記したフィルム加熱方式の加熱定着装置においては、加熱体であるヒータにフィルムを介して圧接する加圧ローラからの回転駆動により、フィルムを従動回転、並びに、記録材を搬送させるため、加圧ローラの径が加熱体からの熱で熱膨張して変化すると、該加圧ローラによって搬送される記録材の搬送速度が変化することになる。
【0014】
これは、加圧ローラの熱膨張による径の変化に伴って、記録材搬送速度が枚数を追うごとに変化する以外に、長手方向に関してもゴム表面部に温度ムラが生じ、外径が中央と端部で違ってくることに起因して、記録材の搬送速度が中央と端部で異なってくる。
【0015】
つまり、加圧ローラの外径は連続通紙を行うに従い、中央部の方が熱がこもり易く、端部は外気への放熱、加圧ローラを回転駆動するギアヘの伝熱などにより、中央部に比較して端部の外径が大きい、所謂クラウン形状となるためである。このような状態で記録材としての紙を搬送すると、中央部の方が紙送りスピードが速いため、紙中央部方向に力が働き、紙中央部に搬送方向にならって紙シワが発生することになる。
【0016】
この紙シワは、記録材の剛性が弱くなる薄紙ほど顕著に発生してしまうのが一般的である。同様の理由で、高湿環境下に放置されることで記録材に含まれる水分量が多くなることでも記録材の剛性が低下することになり、紙シワの発生が顕著となってしまう。
【0017】
また、昨今、環境保護の観点から記録材としての紙の使用量の削減が望まれていること、両面プリントを自動的に行える自動両面装置の普及、などにより両面プリントを行う機会が増えている実情がある。両面プリントでは、1面目が定着ニップを通過すると、記録材に熱が加わるため水分は蒸発するが、その際に記録材が変形(所謂カール)してしまうため、2面目を通紙する際にも紙シワが発生しやすくなる。
【0018】
そこで、この紙シワの発生を防止するために、従来は、加圧ローラの外径形状を、中央部よりも両端部の外径が大きい、所謂逆クラウン形状とすることで、連続通紙を行ない熱膨張に伴う外径変化が発生しても、両端部の外径が中央部よりも大きいか若しくは同等となる加圧ローラの外径形状とすることで、紙送りスピードとしては中央部より両端部の方が速いか若しくは同等とすることで、定着ニップを挟持搬送されている記録材に対して、両端部に向けて引っ張る力が働くことで、紙シワの発生を防止するのが一般的に用いられる手段である。
【0019】
この逆クラウン形状の加圧ローラとして、紙シワを防止する手段は、フィルム方式の加熱定着装置に限らず、熱ローラ方式の加熱定着装置においても効果がある。
【0020】
また同様の効果を得る別の手段としては、加圧回転体の芯金形状を、芯金中央部から端部に向かってテーパ状に小径化する形状した加圧回転体とすることで、紙シワの発生を防止するものである(例えば、特許文献5参照)。このような加圧ローラを用いれば、加圧ローラを逆クラウン形状としなくとも、弾性層であるゴム層のゴム肉厚が中央と端部で異なることで、同様の効果が見出せ、紙シワの発生しない加圧ローラが提供される。
【特許文献1】
特開昭63−313182号公報
【特許文献2】
特開平2−157878号公報
【特許文献3】
特開平4−44075号公報
【特許文献4】
特開平4−204980号公報
【特許文献5】
特開平09−152803号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したテーパ状の芯金を用いた加圧ローラを用いた場合、次のような問題の発生が判明した。この問題の発生は、更なる高速化を図ったフィルム加熱方式の加熱定着装置を有した画像形成装置を開発する過程で顕著に発生することが分かった。
【0022】
従来例で説明したテーパ状芯金を用いた加圧ローラは、加圧ローラの両端に向かって芯金径を小径化しているため、弾性層であるシリコンゴム層の厚みは端部に向かって厚くなる。そのため、弾性層の肉厚が薄い中央に比べて、肉厚が厚くなる端部は加圧ローラの硬度が小さくなる。硬度の差分は、弾性層に用いるシリコンゴムなどの材料、芯金のテーパ量、などによって左右されるが、中央に比べて端部の硬度は数度小さいものとなる。
【0023】
テーパ状芯金の加圧ローラを用いても定着ニップの均一化は図れるが、中央と端部の加圧硬度差により、定着ニップ内の単位あたりの面圧は中央と端部で異なってしまう。即ち、硬度の高い(硬い)の中央は面圧が大きくなり、硬度が低い(柔らかい)の端部は面圧が小さくなる。
【0024】
フィルム加熱方式の加熱定着装置は、加圧ローラからの従動回転で定着フィルムを回転駆動し、加圧ローラからの付与される搬送力により記録材を搬送している。即ち、定着ニップ内の面圧が異なると、定着フィルムの回転や記録材の搬送に影響を与えることになり、この面圧に起因する弊害としは、面圧が小さい場合に、定着フィルムの従動回転がスムースに行えなくなる、記録材を安定して搬送出来なくなる、などを引き起こすことになる。
【0025】
定着フィルムをスムースに従動回転させられなくなると、記録材の搬送スピードと定着フィルムの回転速度が略同速度でなくなり、記録材上の未定着トナー像が定着フィルムに擦れることで発生してしまう画像欠損として問題となる。
【0026】
また、記録材を安定して搬送出来なくなると、定着ニップ部に記録材が滞留するジャムとして画像形成装置を停止させてしまい、この記録材を取り除くなどの作業をユーザに強いることになりユーザビリティを大きく損なう。この定着に滞留するジャムは、高湿環境下に放置された記録材や高印字率の画像をプリントする場合に顕著に発生することが判明している。これは、以下の理由によるものである。
【0027】
定着ニップに搬送された記録材は定着ニップ内で、主に加熱部材からの熱エネルギーと加圧ローラからの物理的な押圧により、未定着トナー像は記録材に定着される。この時、定着部材からの熱エネルギーによって、記録材中に含まれる水分も瞬時に気化し蒸発することになる。この記録材から発生する水蒸気は加圧ローラと記録材の間の摩擦抵抗を小さくしてしまい、記録材に伝えられる搬送力が小さくなり、記録材を搬送出来なくなり、最終的には定着ニップに滞留してジャムとなる。そのため、高湿環境下に長時間放置された記録材は、より多くの水分を含むため、発生する水蒸気が多くなり、より悪化してしまう。
【0028】
また、高印字率の画像をプリントした場合は、記録材から発生する水蒸気の逃げ道が、印字面側の高印字のトナー像によって妨げられるため、水蒸気は加圧ローラ側からのみ逃げることになり、前記したように加圧ローラから記録材に伝える搬送力が小さくなり、記録材を搬送出来なくなり、最終的には定着ニップ部に滞留してジャムになる。そのため、高印字率の画像をプリントした場合は、より悪化することになる。
【0029】
以上、説明してきたように、定着ニップ部に記録材が滞留してジャムとなる要因は、テーパ状の芯金の加圧ローラを用いた場合、定着ニップ端部の面圧が小さくなり、記録材の安定した搬送や定着フィルムのスムースな従動回転が行えなくなることで発生することがある。
【0030】
次に、紙シワの対策として加圧ローラ外径形状を逆クラウン形状としていることに起因する課題を説明する。
【0031】
紙シワの対策として、加圧ローラ中央よりも端部の外径が太くなるようにすることで、定着ニップを搬送される記録材を外側に引っ張るような力が働くようにしている。ゆえに、定着ニップ巾は、中央は細く、端部は太くなる傾向がある。
【0032】
そのため、ニップ巾が細い中央部は、加圧ローラが定着フィルムを介して加熱部材であるヒータから奪う熱量が小さくなる。逆に、ニップ巾が太くなる端部は、加圧ローラが定着フィルムを介して加熱部材であるヒータから奪う熱量が大きくなる。即ち、加熱部材であるヒータから考えると、中央は昇温し易くなり、端部は昇温し難くなる。
【0033】
加熱源であるヒータの温度を検知し、その検知温度によってヒータヘの通電を制御し、ヒータ温度をコントロールするための温度検知素子であるサーミスタは、ヒータ長手方向の中央に設けられているため、上記したようにサーミスタが設置されている中央はヒータが昇温し易くなるため、定着実行のために必要となる温度を一定に維持するためにヒータに投入する電力量は、小さくてすむことになる。
【0034】
しかし、一方で、ヒータからの発熱分布は、長手で均一であるため、ニップ巾が太く加圧ローラに奪われる熱量が大きくなる端部では、定着に必要となる熱量を下回ってしまうことになる。その結果、未定着トナー像が十分に定着されない定着不良が発生することになる。
【0035】
逆に、これを見越して、ヒータヘの供給電力量を多くすることで、定着性を満足することは可能であるが、その反面、定着ニップ中央では、定着に必要以上の熱量を供給することになり、電子写真では広く知られる高温オフセットが発生することになる。
【0036】
また、このような問題を回避する手段として、ヒータの抵抗値分布を長手で変えることで、発熱分布を長手で変えることも考えられるが、通紙される記録材の巾は様々なものがあるため、この手段での上記した問題の解決は、その実現上不可能である。
【0037】
以上、説明してきたように、紙シワの対策として、加圧ローラ中央よりも端部の外径が太くなる逆クラウン形状の加圧ローラとすることは、定着ニップの極端な不均一を招き、中央は細く、端部は太くなってしまい、定着ニップ長手での熱量の不均一性を招き、定着不良や高温オフセットの発生を引き起こすことがある。
【0038】
この問題に関しても、熱容量の小さな部材から構成されるフィルム加熱定着装置で、更なる高速化を図る上で、その熱量のコントロールがよりシビアとなるため、顕在化してきたものである。
【0039】
そこで本発明は、芯金上に弾性層としてのゴム層が形成された加圧ローラを用いたフィルム加熱方式の定着装置について、記録材の搬送安定性を確保しつつ記録材の皺を抑えることができるものを提供することを目的とする。
【0040】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、定着フィルムと、前記定着フィルムの内面に接触するヒータと、前記定着フィルムを介して前記ヒータと共に定着ニップ部を形成しており前記定着フィルム表面との摩擦により前記定着フィルムを駆動する加圧ローラと、を有し、前記定着ニップ部でトナー像を担持する記録材を挟持搬送しつつトナー像を定着処理する定着装置において、前記加圧ローラの芯金形状を、芯金長手方向の中央部と両端部には均等外径であるストレート部を有し、中央部と両端部の間は、谷状形状となるように中央のストレート端からローラ端部に向かってテーパ状に小径化し、再度、両端のストレート部にかけて前記小径化しているテーパ状の部分よりも大きな角度でテーパ状に大径化する形状とすることで、芯金を覆うゴム層の厚みが、中央部と両端部は薄く、その間は中央から端部にかけて厚みを増し、再度、両端部にかけて薄くなっており且つ前記小径化しているテーパ状の部分のローラ軸方向の長さが前記テーパ状に大径化している部分の長さよりも長くなっていることを特徴とする定着装置、である。
【0042】
【発明の実施の形態】
<第1の実施例>
(1)画像形成装置例
図3は本実施例における画像形成装置の構成略図である。本例の画像形成装置は電子写真プロセス利用のレーザプリンタであり、プロセスカートリッジ着脱式で、記録材の装置内搬送は中央基準搬送、最大通紙幅LTRサイズ(通紙方向幅216mm)、1分間あたり32枚の出力が可能である。
【0043】
2は感光ドラムであり、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基盤上に形成されている。
【0044】
感光ドラム2は矢印の方向に回転駆動され、まず、その表面は帯電装置としての帯電ローラ3によって一様帯電される。
【0045】
次に、その回転感光ドラム2の一様帯電面に対してレーザスキャナユニット80によりレーザビーム走査露光Lが施されて画像情報の静電潜像が形成される。感光ドラム2に対するレーザビーム走査露光Lは画像情報に応じて点灯制御されたレーザビームがレーザスキャナユニット80内で回転するポリゴンミラーにより反射されてなされる。
【0046】
この静電潜像は現像装置4で現像、可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
【0047】
可視化されたトナー像は、転写装置としての転写ローラ5により、給紙機構部から所定のタイミングで搬送された記録材(転写材)P上に感光ドラム2上より転写される。
【0048】
記録材Pは給紙機構部の選択された上段または下段のカセット72から給紙ローラ対73によってピックアップされ、給紙搬送路74を経て、紙先端部を検知するレジストローラ対75に送られ、感光ドラム2上の可視像であるトナー像とタイミングを一致させた後、感光ドラム2と転写ローラ5との当接部である転写ニップに搬送されることになる。このとき記録材Pは感光ドラム2と転写ローラ5に一定の加圧力で挟持搬送される。
【0049】
転写ニップでトナー像が転写された記録材Pは感光ドラム2の面から分離されて定着装置7へと搬送され、永久画像として定着され、定着排紙センサ76、定着排紙ローラ61、排紙ローラ対71を経て、排紙トレイ70に排出されることになる。
【0050】
一方、感光ドラム2上に残存する転写残りの残留トナーは、クリーニング部材6により感光ドラム表面より除去され、感光ドラム2は繰返して作像に供される。
【0051】
本例のプリンタは、上記の感光ドラム2、帯電ローラ3、現像装置4、クリーニング装置6の4つのプロセス機器を一括してプリンタ本体に対して着脱交換自在のプロセスカートリッジ1としてある。
【0052】
(2)加熱定着装置7
図4は本実施例における加熱定着装置7の横断面模型図、図5は加熱定着装置7の一部切欠き正面模型図(ヒータホルダー12と定着フィルム13とを切欠いてある)、図6は定着ニップ部分の拡大横断面模型図、図7は加熱用ヒータの構成模型図である。
【0053】
本実施例における加熱定着装置7も前述した図8の加熱定着装置と同様に、加熱部材としてのフィルムアセンブリ10と、加圧部材としての弾性加圧ローラ20からなる、加圧ローラ駆動方式(テンションレスタイプ)のフィルム加熱方式の定着装置である。
【0054】
1)加熱用ヒータ11
定着フィルムの内部に設置された加熱用ヒータ11は記録材上の未定着トナー像を溶融、定着させる定着ニップ部Nの加熱を行う。その加熱用ヒータには、アルミナ(Al2O3)の高絶縁性を有するセラミックス基板の表面の長手方向に沿って、銀パラジウム(Ag/Pd)の通電発熱抵抗層をスクリーン印刷等により、10μm程度の厚みで、巾4mm程度の、細帯状に塗工して形成した通電加熱用部材である。
【0055】
セラミックス基板の背面には通電発熱抵抗層の発熱に応じて昇温したセラミック基板の温度を検知するための温度検知手段としてのサーミスタ14を、記録材通紙域のほぼ中央部に配設している。このサーミスタからの信号に応じて、通電発熱抵抗層の長手方向端部にある銀と白銀の合金(Ag/Pt)で形成された電極部から、通電発熱抵抗層の端部に形成された導通部を介して通電発熱抵抗層に印加する電圧を適切に制御することで、定着ニップ内でのヒータの温度を所定の温調温度に略一定に保ち、記録材上の未定着トナー像を定着するのに必要な加熱を行う。
【0056】
通電発熱抵抗層への通電制御方法としては、交流電圧の波数によって投入電力を制御する波数制御方式や交流電圧のゼロクロスからの所定の遅延時間後に次のゼロクロスまで通電する位相制御方式等が適用される。
【0057】
また、加熱用ヒータの定着ニップ側の表面には、定着フィルムとの摺擦に耐えることが可能な薄層のガラスコートからなる保護層を設けている。
【0058】
加熱部材としてのヒータには一般にセラミックヒータが使用される。具体的に本実施例におけるヒータ11は図6・図7の構造のものである。
【0059】
例えば、アルミナ等の電気絶縁性・良熱伝導性・低熱容量のセラミック基板11aの面(定着フィルム13と対面する側の面)に基板長手(図面に垂直の方向)に沿って銀パラジューム(Ag/Pb)・Ta2N等の通電発熱抵抗層11bをスクリーン印刷等で形成具備させ、さらに該発熱抵抗層形成面を薄肉ガラス保護層11cで覆ってなるものである。このセラミックヒータ11は通電発熱抵抗層11bに電極部17を介して通電がなされることにより該通電発熱抵抗層11bが発熱してセラミック基板11aとガラス保護層11cから成るヒータ全体が急速昇温する。このヒータ11の昇温がヒータ背面に配置された温度検知手段14により検知されて電極部17を介して不図示の通電制御部ヘフィードバックされる。通電制御部は温度検知手段14で検知されるヒータ温度が所定のほぼ一定温度(定着温度)に維持されるように通電発熱抵抗層11bに対する通電を制御する。すなわちヒータは所定の定着温度に加熱・温調されることになる。
【0060】
以上の構成において、ヒータ11の通電発熱抵抗層11bと加圧ローラ20との配置関係を図7を用いて説明する。図7おいてヒータ11の通電発熱抵抗層11bの長手方向の幅Wは、定着フィルム13を介して当接される加圧ローラ20の弾性層22の幅Dに比べ若干狭い幅で形成されている。これは、通電発熱抵抗層11bが加圧ローラ20よりはみ出ることによって、ヒータ11が局所的に昇温し、その熱応力により破損するのを防止するためである。また、通電発熱抵抗層11bはトナー像が形成担持された記録材Pの搬送領域より十分広い幅で形成されている。これにより、端部温度だれ(ヒータ端部の通電用電気接点及びコネクタ等への熱のリークによるもの)の影響をなくすことができ、これにより記録材全面にわたって良好な定着性が得られる。更に、通紙城端部の通電発熱抵抗層の幅を絞り、端部の発熱量を上げ、端部の定着性を補う場合もある。
【0061】
これによりヒータの通電発熱抵抗層に通電することで発した熱は、定着フィルムと加圧ローラの間を搬送された記録材に効率よく与えられ、記録材上のトナー像tを溶融し、固着するために作用する。
【0062】
また、Sは記録材搬送基準であり、この場合は画像形成装置本体の記録材搬送領域の長手方向中央に基準を設けた中央基準の装置である。
【0063】
さらに図7に示したようにヒータ背面には、サーミスタ等の温度検知素子14と、暴走時にヒータの通電発熱抵抗層への通電をシャットダウンするための温度ヒューズ、あるいはサーモスイッチ等のサーモプロテクター15が当接してあり、これらは画像形成装置が搬送可能な最小幅の記録材の搬送域内に配置されている。
【0064】
ここで温度検知素子14については、画像形成装置本体が搬送可能な最小幅の記録材が搬送された場合であっても、記録材上のトナー像を定着不良、高温オフセット等の問題を起こさずに適度な定着温度で加熱定着するために、記録材最小搬送域内に設けられることになり、通常は、長手中央部、若しくは、その近傍に設けるのが一般的となっている。
【0065】
一方サーモプロテクター15についても、最小幅の記録材が搬送された場合に非搬送領域において、搬送領域よりも熱抵抗が小さい非搬送領域で過加熱されることにより、通常の搬送時であってもサーモプロテクターが誤動作して通電をシャットアウトする等の問題を引き起こさないために、温度検知素子と同様に長手中央部やその近傍に設けられることになる。
【0066】
また、サーモプロテクターをヒータ背面に当接することにより、通電発熱抵抗層で発生した熱量がサーモプロテクターに奪われて、記録材に十分な熱量が与えられなくなり、サーモプロテクター当接位置において定着不良を起こすことがある。これを防ぐために通電発熱抵抗層のサーモプロテクター当接対応位置において、図7のようにヒータの通電発熱抵抗層の一部の幅を若干狭めて、該当接位置の抵抗値を他の部分より大きくすることで発熱量を確保している。
【0067】
これにより記録材への給熱量を長手方向に渡って一定とし、定着むらのない良好な加熱定着を実現している。ここで温度検知素子も同様にヒータ背面に当接させているため、同様に通電発熱抵抗層によって発した熱が温度検知素子に奪われることが懸念されるが、チップサーミスタ等熱容量の小さい温度検知素子を用いることにより、ヒータから奪われる熱量を小さく抑えることができる。
【0068】
このためサーモプロテクターと同様の上記対策を取らなくても、長手方向において記録材の定着均一性を損ねることなく均一な定着が可能となる。
【0069】
2)ヒータホルダー12
加熱用ヒータ11を保持し、定着ニップの反対方向側への放熱を防ぐためのヒータホルダー(断熱ステイホルダー)12は、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等により形成されており、定着フィルム13が余裕をもってルーズに外嵌され、矢印の方向に回転自在に配置されている。本実施例では液晶ポリマー製のヒータホルダーとしている。
【0070】
3)定着フィルム13
定着フィルム13は熱容量の小さなフィルムであり、クイックスタートを可能にするために100μm以下の厚みで耐熱性、熱可塑性を有するポリイミド、ポリアミドイミド、PEEKポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、パーフルオロアルコキシ・フッ素樹脂(PFA)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、等のフィルムである。
【0071】
また、長寿命の加熱定着装置を構成するために十分な強度を持ち、耐久性に優れたフィルムとして、20μm以上の厚みが必要である。よって定着フィルムの厚みとしては20μm以上100μm以下が最適である。
【0072】
さらにオフセット防止や記録材の分離性を確保するために表層にはPFA、PTFE、FEP等の離型性の良好な耐熱樹脂を混合ないし単独でコーティング、または、被覆したものである。
【0073】
本実施例で用いた定着フィルム13は極短時間での定着可能温度までの昇温を可能にするために60μmの総厚と、基層としては、耐熱性、熱可塑性を有するポリイミドの樹脂ローラであり、熱ストレス、機械的ストレスに耐え、長寿命の加熱定着装置とするために充分な強度を持たせる目的で基層の膜厚は45μmとし、外径はφ25mmとしている。また、基層の上には、カーボン等の導電材を適量分散した導電性プライマー層を、膜厚5μmで塗布している。そして、導電性プライマー層の上には、トナーや紙粉の付着防止や定着フィルムからの記録材の分離性を確保するために、離型性に優れ耐熱性が高いフッ素樹脂としてPFAをディッピング塗布法にて、10μmの膜厚で塗布することで、離型層とし、これらの基層、プライマー層、離型層で、φ25mmの定着フィルムが形成されている。
【0074】
プライマー層の長手方向の一部は周方向で露出しており、ここにオフセット、尾引き、防止の目的で、定着フィルム表面がプラスの電位にならないように、整流素子としてのダイオード28(図4)をプライマー側がアノードとして本体GNDとの間に設置し、記録材上の未定着トナーが定着フィルムに転移するのを防止している。
【0075】
また、定着フィルムは内部の加熱用ヒータおよび断熱ステイホルダーに摺擦しながら回転するため、加熱用ヒータ、及び、断熱ステイホルダーと定着フィルムの間の摩擦抵抗を小さく抑える必要がある。このため加熱用ヒータ、及び、断熱ステイホルダーの表面に耐熱性グリースを潤滑剤として少量塗布してある。これにより定着フィルムはスムースに回転することが可能となる。
【0076】
4)フランジ16
図5において、15はフランジであり、定着フィルム13の長手位置を規制する部材である。このフランジ15に用いられる部材としては、耐熱性に優れ、比較的熱伝導性が良くなく、滑り性にも優れる材料として、PPS、液晶ポリマー、PET、PI、PA、等のガラス繊維含有の樹脂が用いられている。
【0077】
5)加圧ローラ20
一方、加圧ローラ20は、芯金21の外側にシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムあるいはシリコンゴムを発泡して形成された弾性層22からなり、この上にPFA、PTFE、FEP、等の離型層23を形成している。加圧ローラは加圧手段としての加圧バネ25により、定着フィルムに総圧122Nで押圧され、定着フィルムとの間に約7mm巾の定着ニップNを形成している。
【0078】
この加圧ローラ20にも、オフセット防止の目的で、定着フィルムとの間に電位差を設けるために、加圧芯金と本体GNDの間に、加圧芯金側をカソード、本体GND側がアノードとなるようにダイオード28(図4)が設置することで、加圧ローラ表面をプラスの電位とし、オフセット防止の電位差が定着フィルムとの間に形成されるような構成としている。
【0079】
また、不図示の回転駆動伝達系からの回転駆動力は、加圧ローラ駆動ギア26に加えられ矢印の方向に回転駆動される。これにより上記した、定着フィルムはヒータホルダー12の外側を従動回転することになる。
【0080】
画像形成部にてトナー像を形成された記録材Pは定着入りロガイド27に案内されて、上記の定着フィルムと加圧ローラから形成される定着ニップに搬送され、加熱・加圧されることで、記録材上の未定着トナー像tを永久画像として記録材に固着させている。排紙センサ76は定着ニップに記録材が存在するかを判断するセンサであり、発熱体への通電制御、記録材の定着ニップヘの滞留の検知などに用いられる信号を出力するものである。
【0081】
次に、本発明の特徴である、加圧回転体としての加圧ローラ20の構成に関して詳細に説明する。
【0082】
概略構成としては、アルミニウムを芯金21として、その上に弾性層22にとして耐熱性のある絶縁性シリコンスポンジゴムを形成し、更に離型層23にはピュアなフッ素樹脂を肉厚50μmのチューブとして成型することで得られるPFAチューブを被覆している。
【0083】
本発明の特徴である芯金の形状であるが、図1に示すように、中央部に最大外径として略φ22mmで均等外径であるストレート部を50mm巾で有している。また、芯金両端部にも最大外径として略φ22mmで均等外径であるストレート部を、両端に各々20mm巾で有している。芯金最小外径となる略φ19.5mmが、芯金両端部から40mmの位置になるように、芯金に切削加工を施している。中央のストレート部の端から最小外径部にかけてテーパ状に小径化し、最小外径部から両端のストレート端に向けてテーパ状に大径化している。
【0084】
このような芯金の上に、弾性材として耐熱性に優れるシリコンゴムを成型する。ゴム層の肉厚は、最大外径部である芯金中央部と両端部において4.0mmとなるように成型している。よって、芯金最小外径部では、ゴム肉厚は略5.3mmの肉厚となっている。
【0085】
さらに、弾性層の上には表層となる離型層が形成されている。本実施例では、離型層として、ピュアなPFAからなる略50μmの厚みをもったPFAチューブを被覆し、常温時の外径が略φ30mmの加圧ローラとして構成されている。
【0086】
本実施例で用いた加圧ローラの硬度は、弾性層であるゴム肉厚が長手で異なるため、ゴム肉厚が薄い中央と両端部(芯金径が最大外径)では硬度が高く(硬い)、ゴム肉厚が厚い中央部から両端部にかけての部分(芯金径が最大外径でない部分)では硬度が低く(柔らかい)なっている。ゴム製品などの硬度を測定する手段として一般的なAsker−C硬度計を用いて、荷重9.8Nで測定すると、ゴム肉厚が薄い中央と両端部では約54°であり、ゴム肉厚が最も厚い部分(芯金径の最小外径部)では約50°、中央と端部の間(芯金がテーパ状の部分)では約50〜54°の硬度となっている。
【0087】
このような芯金を用いた加圧ローラとすることで、従来の加圧ローラにはない、次のようなメリットが見出せた。
【0088】
加圧ローラ両端部に芯金ストレート部を設けたことで、加圧ローラ両端の硬度は中央のそれと同等とでき、定着ニップ内における面圧を大きく維持することが出来る。その結果、加圧ローラからの従動回転で駆動する定着フィルムをスムースに加圧ローラと略等速度で回転駆動できることになり、定着フィルムが回転し難くなることに起因して発生する、定着フィルムと未定着トナー像が擦れる画像擦れを防止することが達成できる。
【0089】
また、定着ニップ内に存在する記録材から発生する水蒸気に起因して、加圧ローラから記録材に伝えられる搬送力が低下してしまい、定着ニップ内に記録材が滞留してしまうジャムの発生も、面圧が大きい加圧ローラ端部から記録材に伝えられる搬送力に加えて、定着フィルム側からも補助的に記録材に搬送力が付与されることで、定着ニップに記録材が滞留するジャムの発生を防止することが達成できる。
【0090】
また、加圧ローラの芯金両端部にストレート部分を設けることで、定着ニップ端部の面圧を大きく保持することで、従来の技術で説明した加圧ローラのように定着ニップの長手での不均一を改善することが出来、定着性不良と高温オフセットの発生に対するマージンを大きくすることが可能となり、これらの問題の発生も防止することが達成できた。
【0091】
以下に、本実施例での発明の効果を、検討結果に基づいて説明する。比較例として、
比較例1:特開平09−152803で提案された加圧ローラ
比較例2:均等外径のストレート芯金を用いた逆クラウン形状の加圧ローラを用いた。
【0092】
その概略図を、図2に示す。比較した画像問題の発生として、
▲1▼.高湿環境下に放置された記録材、サイズ:A4、坪量:65g/m2を用いて紙シワの発生
▲2▼.高湿環境下に放置された記録材、サイズ:A4、坪量:65g/m2を用いて定着ニップ部で、定着フィルムとの擦れの発生、
▲3▼.定着滞留ジャムの発生の検証サイズ:LTR、坪量:105/m2を用いて定着性、高温オフセットの確認
を実施した。表1にその結果を示す。
【0093】
【表1】
【0094】
以上のように、
▲1▼.本発明の実施例でも、従来の技術と同様に紙シワの発生を防止することに加えて、以下の発明の効果が実証された。
【0095】
▲2▼.定着ニップ端部の面圧を大きく保てることで、定着フィルムのスムースな従動回転と記録材の安定した搬送性を確保でき、画像擦れや定着滞留ジャムの発生がすることがなくなった。
【0096】
▲3▼.定着ニップ端部の面圧を大きく保てることで、定着ニップの不均一性の改善が図れ、定着性不良と高温オフセットの発生を防止することが容易に達成出来るようになった。
【0097】
また、本実施例で用いた芯金は、中央と両端でのストレート部の外径は同等なφ22mmとしたが、画像形成装置や加熱定着装置の特性に合せて、任意に外径を設定することで、次のようなメリットが見出せる。
【0098】
中央より端部ストレート部の外径を大きくすることで、定着ニップ端部の面圧を更に大きくすることが可能となるので、定着フィルムの従動回転性の向上、記録材への搬送力を増やすことが可能となるので、より定着ニップ内の搬送性が向上することを達成できる。
【0099】
逆に、中央ストレート部の外径を端部より大きくすることで、定着ニップの均一化をより図れることになり、サーミスタによる温調制御や安全素子であるサーモプロテクターの動作性の向上を達成することが出来る。
【0100】
<第2の実施例>
本発明の第2の実施例について説明する。第2の実施例は、加圧ローラを成型する時に用いる金型内径を、ストレート形状ではなくクラウン形状とすることで、成型される加圧ローラ外径形状を積極的に逆クラウン形状とするものである。本実施例では、その点についてのみ説明を行うものとする。
【0101】
また、先に述べた、従来の技術や第1の実施例と、相違ない箇所に関しては記述・説明を省略する。
【0102】
本実施例では、加圧ローラを成型する際に用いる金型の内径形状を均等内径であるストレート金型から、内径がクラウン形状であるクラウン金型を用いて、加圧ローラを成型した点が、先に述べた第1の実施例からの変更点である。逆クラウンの量としては、加圧ローラ中央と端部の外径差分として、約250μmを付与した。また、この加圧ローラに用いた芯金は、先に述べた第1の実施例で用いたものと同様の芯金である。
【0103】
本実施例で用いた逆クラウン形状の加圧ローラとすることで、従来の加圧ローラにはないメリットや、先に述べた第1の実施例の更なる改善が見出せた。
【0104】
加圧ローラ外径に逆クラウン形状を付与したことで、連続通紙などにより昇温した場合の逆クラウン量は、より大きくなることで、定着ニップに存在する記録材の外側に向かって引っ張る力がより大きくなるため、より紙シワの発生に対するマージンが大きくなる。マージンの効果としては、紙シワそのものには至らないが、紙シワの発生の前兆として、記録材中央の搬送方向にならって、画像が極軽微に乱れる現象の発生の防止が新たに見出せた。これは、薄紙、例えば、高湿環境下に放置された、薄紙、特に坪量60g/m2以下の紙などを用いて、両面プリントなどを行った場合に確認できる場合がある。
【0105】
また、本実施例の加圧ローラでも芯金の両端部にストレート部を設けることで、加圧ローラ成型時にクラウン状の金型を用い加圧ローラとして逆クラウン形状の加圧ローラとしても定着ニップ端の腹圧を大きく保つことが出来た。その効果として、従来の技術の項で説明した加圧ローラのように定着ニップ長手での不均一性が発生することはなく、定着性不良と高温オフセットの発生に対するマージンを大きくすることが可能となり、これらの問題の発生を防止することが可能となっている。
【0106】
以下に、本実施例での発明の効果を、検討結果に基づいて説明する。比較例として、
比較例1:特開平09−152803で提案された芯金を用いた逆クラウン形状の加圧ローラを用いた。
【0107】
比較した画像問題の発生として、
▲1▼.高湿環境下に放置された記録材、サイズ:LTR、坪量:60g/m2を用いて紙シワの前兆である画像乱れ、
▲2▼.サイズ:LTR、坪量:105g/m2を用いて定着性、高温オフセットの確認、
を実施した。表2として、その結果を示す。
【0108】
【表2】
【0109】
以上の結果のように、本発明の実施例では、多くの場合には画像欠陥として認識できないような、極軽微な問題の発生である、紙シワの前兆となる画像乱れの発生も防止することが可能となった。また、比較例1で用いたテーパ芯金の加圧ローラでは逆クラウン金型を用いると、定着ニップの不均一差を助長してしまい、定着性不良や高温オフセットを両立させることが難しくなってしまい、マージンのある設計を達成出来なかったが、本実施例で提案する加圧ローラでは、クラウン形状の金型を用いて加圧ローラを成型しても、定着ニップ端の面圧を大きく保てることで、定着ニップの不均一性の改善が図れ、定着性不良と高温オフセットの発生をともに防止できる。
【0110】
このように従来の技術でフィルム加熱定着装置を用いる場合、改善を図れなかった問題を解決することが可能となる加圧回転体を構成することが可能となり、そしてそれを有した加熱定着装置とすることで画像品質を損なわない加熱定着装置を提案することができた。
【0111】
<その他>
1)加熱体としては実施例のセラミックヒータに限られるものではなく、たとえば、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータや、電磁誘導発熱部材などを用いることもできる。またセラミックの絶縁基板の代わりに金属板の表面を絶縁処理したものを用いることもできる。
【0115】
2)画像形成装置の像担持体は電子写真感光ドラムに限られず、静電記録誘電体や、中間転写ドラムやベルト等の中間転写体であってもよい。画像形成装置は転写方式に限られず、記録材として感光紙や静電記録紙等を用いた直接方式の装置であってもよい。
【0116】
本発明の様々な例と実施例が示され説明されたが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は本明細書内の特定の説明と図に限定されるのではなく、本願特許請求の範囲に全て述べられた様々の修正と変更に及ぶことが理解されるであろう。
【0126】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、加圧ローラ両端部に設けたストレート部により記録材の搬送安定性を確保しつつ、小径化しているテーパ状の部分のローラ軸方向の長さがテーパ状に大径化している部分の長さよりも長くなっているので、記録材の皺を抑える効果がある領域も充分に確保できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例の加圧回転体(加圧ローラ)の構成模型図
【図2】 比較例1と比較例2における加圧回転体(加圧ローラ)の構成模型図
【図3】 画像形成装置例の構成略図
【図4】 加熱定着装置の横断面模型図
【図5】 加熱定着装置の一部切欠き正面模型図
【図6】 定着ニップ部分の拡大横断面模型図
【図7】 加熱用ヒータの構成模型図
【図8】 加圧ローラ駆動方式のフィルム加熱方式の定着装置の概略構成図
【符号の説明】
1・・プロセスカートリッジ、2・・感光ドラム、3・・帯電ローラ、4・・現像装置、5・・転写ローラ、6・・クリーニング部材、7・・定着装置、10・・加熱部材(フィルムアセンブリ)、11・・ヒータ(加熱体)、11a・・セラミック基板、11b・・通電発熱抵抗層、11c・・薄肉ガラス保護層、12・・ヒータホルダー、13・・定着フィルム、14・・温度検知素子(サーミスタ)、15・・サーモプロテクター、16・・フランジ(定着フィルム支持部材)、20・・加圧ローラ、21・・加圧ローラ芯金、22・・加圧ローラ弾性層、23・・加圧ローラ離型層、25・・加圧バネ、26・・加圧ローラ駆動ギア、27・・定着入口ガイド、28・・ダイオード、N・・定着ニップ、L・・レーザビーム、P・・記録材、t・・未定着トナー像、S・・記録材搬送基準
Claims (1)
- 定着フィルムと、前記定着フィルムの内面に接触するヒータと、前記定着フィルムを介して前記ヒータと共に定着ニップ部を形成しており前記定着フィルム表面との摩擦により前記定着フィルムを駆動する加圧ローラと、を有し、前記定着ニップ部でトナー像を担持する記録材を挟持搬送しつつトナー像を定着処理する定着装置において、
前記加圧ローラの芯金形状を、芯金長手方向の中央部と両端部には均等外径であるストレート部を有し、中央部と両端部の間は、谷状形状となるように中央のストレート端からローラ端部に向かってテーパ状に小径化し、再度、両端のストレート部にかけて前記小径化しているテーパ状の部分よりも大きな角度でテーパ状に大径化する形状とすることで、芯金を覆うゴム層の厚みが、中央部と両端部は薄く、その間は中央から端部にかけて厚みを増し、再度、両端部にかけて薄くなっており且つ前記小径化しているテーパ状の部分のローラ軸方向の長さが前記テーパ状に大径化している部分の長さよりも長くなっていることを特徴とする定着装置。
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