JP5721460B2 - 画像加熱装置およびこれに用いられるローラ - Google Patents

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Description

本発明は、複写機やLBP等、電子写真方式・静電記録方式等の作像プロセスを採用した画像形成装置に使用される画像加熱装置およびこれに用いられるローラに関する。画像加熱装置としては、記録材上に形成した未定着トナー画像を固着画像として加熱定着する定着装置や、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢度を増大させる光沢度増大装置等を挙げることができる。
電子写真方式の複写機や電子写真プリンター等の画像形成装置には、記録材上に形成されたトナー像を加熱定着する画像加熱装置としての加熱定着装置が搭載されている。従来、加熱定着装置には、所定の温度に維持された加熱ローラーと、弾性層を有して前記加熱ローラーに圧接する加圧ローラとによって、記録材を挟持搬送しつつ加熱する熱ローラー方式が多用されている。近年、加熱定着装置の省電力化を実現できる加熱方式として、フィルム加熱方式が提案されている。
フィルム加熱方式とは、加熱体の熱を定着フィルムを介在して記録材へ付与することで記録材面に形成担持されている未定着画像を記録材面に加熱定着させる構成の画像加熱定着方式である。そして、加熱体と、加熱体の支持体と、加熱体に対向圧接しつつ搬送される定着部材である耐熱性の定着フィルムと、定着フィルムを介在して記録材を加熱体に密着させる加圧ローラを有する。この加熱装置の加熱体は、一般的にセラミックス基板上に抵抗発熱体を形成したセラミックヒーターを通電により発熱させる構成であり、記録材を加熱する。
加熱体の温度は、加熱体に当接あるいは接着されたサーミスター等の検温素子で検知され、その検知温度を基に記録材が所定の温度になるように制御される。このようなフィルム加熱方式の加熱定着装置は低熱容量の加熱体及び定着部材を用いることができる。よって、従来の熱ローラ方式の加熱定着装置に比べ、加熱体を素早く昇温できる。即ち、定着部材が通電による加熱開始から画像加熱に適する温度となって、記録材の1枚目が定着ニップ部に挿入されるまでの時間(以下、立上げ時間と表記する)の短縮化や省電力化を可能にする。
一方で、近年さらなる立上げ時間の短縮化と省電力化を追求する為、加圧ローラの弾性層を低熱伝導化、低熱容量化した構成が考案されている(特許文献1)。この構成では、加圧ローラの表面から内部への熱拡散を妨げることができる為、加熱体の素早い昇温に加えて、加圧ローラ表面も素早く昇温できるので、さらなる立上げ時間の短縮化が可能となる。
また、長手方向に高い熱伝導率の表面側弾性層を備え、更に表面側弾性層の下側に、表面側弾性層よりも低い熱伝導率の第2の弾性層を設けた加圧ローラが知られる(特許文献2)。
特開2002−148988号公報 特開2009−031772号公報
しかしながら、上記のように加熱定着装置の加圧ローラの弾性層を低熱伝導化、及び低熱容量化した場合、加圧ローラ内部への熱拡散は妨げられる。よって、加熱体長手幅に比べて長手幅が狭い記録材(以下、小サイズ紙と表記する)を連続通紙させて加熱定着すると、定着フィルムと加圧ローラの圧接で形成される定着ニップ部の長手方向において、以下の問題が生ずる。即ち、小サイズ紙の通過しない領域(以下、非通紙領域と表記する)が過度に昇温する現象(以下、非通紙部昇温と表記する)が発生する。
直前の小サイズ紙の連続通紙により非通紙部昇温した状態で、小サイズ紙よりも幅が広い記録材をプリントすると、その記録材において直前の連続通紙による非通紙部昇温した領域と対応する定着フィルム及び加圧ローラの領域が必要以上に加熱される。そのため、ホットオフセット等による画像上の不良が発生する場合がある。特に、加熱体として低熱容量のセラミックヒーターを用いたフィルム加熱タイプの場合、加熱体及び定着部材の熱容量が従来の熱ローラ方式に比べて小さいので、定着部材及び加圧ローラの非通紙部昇温も大きくなる。
その為、予め設定された時間で、段階的に加熱体の設定温度を下げるモード、又は小サイズ紙を連続通紙させる給紙の間隔を長くし、紙間距離を広げるモード(以下、スループットダウン制御と表記する。)に移行しなければ非通紙部昇温を抑制できない。よって、小サイズ紙では、1分間の通紙枚数を大幅に減らす必要があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、暖まり易くて冷め易く、かつ冷めても冷め過ぎない画像加熱装置およびこれに用いられるローラを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像加熱装置は、加熱部材と、前記加熱部材と共にニップ部を形成するローラと、を備え、前記ニップ部で画像を担持した記録材を搬しながら前記画像を加熱する画像加熱装置において、前記ローラは、少なくとも、芯金と、第1の弾性層と、前記第1の弾性層と前記芯金との間に設けられた第2の弾性層と、を有し、前記第1の弾性層は発泡性のゴムまたは内部に気体を含む充填材を混入したゴムで形成され、前記第2の弾性層は熱伝導性フィラーを含有したソリッドゴムで形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係るローラは、記録材に形成された画像を加熱する画像加熱装置で用いるローラにおいて、前記ローラは、少なくとも、芯金と、第1の弾性層と、前記第1の弾性層と前記芯金との間に設けられた第2の弾性層と、を有し、前記第1の弾性層は発泡性のゴムまたは内部に気体を含む充填材を混入したゴムで形成され、前記第2の弾性層は熱伝導性フィラーを含有したソリッドゴムで形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、画像加熱に際し、立上げ時間を短縮化すると共に、非通紙部昇温を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る画像加熱装置の概略構成図である。 本発明の実施形態に係る画像加熱装置を搭載した画像形成装置であるレーザープリンターの要部を示す概略構成図である。 (a)は本発明の実施形態に係る画像加熱装置における加熱体を含む構成図、(b)は加熱体の摺動面側および通電制御を行う回路の説明図、(c)は加熱体の摺動面と反対側の説明図である。 本発明の実施形態に係る加圧ローラの異なる時刻における厚さ方向の熱拡散の説明図である。 (a)は立上げ時における実施例1、比較例1、比較例2に係る加圧ローラの厚さ方向の温度断面図、(b)は所定時間経過後における実施例1、比較例1、比較例2に係る加圧ローラの厚さ方向の温度断面図である。 実施例1、比較例1、比較例2に係る加圧ローラの通紙部・非通紙部の温度を示す図である。 実施例1、比較例1、比較例2に係る加圧ローラの非通紙部温度の時間推移図である。 (a)は本発明の第2の実施形態に関し、立上げ時における実施例2を実施例1、比較例1と比較した加圧ローラの厚さ方向の温度断面図、(b)は所定時間経過後における実施例2を実施例1、比較例1と比較した加圧ローラの厚さ方向の温度断面図である。 従来例に係る加圧ローラの概略断面図である。
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
以下、図面を参照し本発明の第1の実施形態を説明する。図2は本実施形態に従う画像形成装置例の概略構成図である。本実施形態の画像形成装置は、転写式電子写真方式のレーザープリンターである。1は像担持体としての電子写真感光体ドラムであり、矢示の時計方向に所定の周速度(以下、プロセススピードと表記する)をもって回転駆動される。
2は接触帯電ローラー等の帯電手段であり、この帯電手段により感光体ドラム1が所定の極性及び電位に一様に帯電処理される。
3は画像露光手段としてのレーザービームスキャナであり、不図示のイメージスキャナやコンピューター等の外部機器から入力する目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応してオンオフ変調したレーザー光Lを出力する。そして、レーザー光Lでドラム1の帯電処理面を走査露光する。この走査露光によりドラム1の露光明部の電荷が除電されてドラム1に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
4は現像装置であり、現像スリーブ4aからドラム1に現像剤(トナー)が供給されてドラム1の静電潜像が可転写像であるトナー像として順次現像される。レーザープリンターの場合、一般的に、静電潜像の露光明部にトナーを付着させて現像する反転現像方式が用いられる。
5は給紙カセットであり、記録材Pを積載収納させてある。所定のタイミングで給紙ローラー6が駆動されて給紙カセット5内の記録材Pが一枚ずつ分離給紙される。そして、レジストローラー7、シートパス8aを通って、ドラム1と転写部材としての転写ローラー9との当接ニップ部である転写部位Tに上述した記録材給紙搬送手段により所定のタイミングで導入される。すなわち、ドラム1上のトナー像の先端部が転写部位Tに到達するのに合わせて、記録材Pの先端部が転写部位Tに到達するようにレジストローラー7で記録材Pの搬送が制御される。
転写部位Tに導入された記録材Pはこの転写部位Tを挟持搬送され、その間、転写ローラー9には不図示の転写バイアス印加電源から所定電圧値に制御された転写電圧が印加される。転写ローラー9にはトナーと逆極性の転写バイアスが印加されることで転写部位Tにおいてドラム1上のトナー像が記録材Pの表面に静電的に転写される。転写部位Tにおいてトナー像の転写を受けた記録材Pは、ドラム1から分離してシートパス8bを通って加熱定着装置11へ搬送導入され、未定着画像の加熱及び加圧定着処理を受ける。本実施形態における加熱定着装置11の詳細な構成については後述する。
一方、記録材Pに対してトナー像を転写した後、ドラム1はクリーニング装置10で転写残トナーや紙粉等の除去を受けて清浄面化され、繰り返して作像に供される。また加熱定着装置11を通った記録材Pは、シートパス8c側に進路案内されて排紙口13から排紙トレイ14上に排出される。
(画像加熱装置)
次に、本実施形態に係わる画像加熱装置としての加熱定着装置11について説明する。図1は本実施形態における、フィルム加熱方式の加熱定着装置の概略構成図である。この装置はテンションレスタイプのフィルム加熱方式の加熱定着装置である。加熱定着装置11は、定着フィルムとして無端(エンドレス)ベルト状もしくは円筒状のものを用い、該フィルムの周長の少なくとも一部は常にテンションレス(テンションが加わらない状態)とし、フィルムは加圧体の回転駆動力で回転駆動する。
21はステーであり、加熱体保持部材兼フィルムガイド部材としての耐熱性・剛性部材である。23は加熱体としてのセラミックヒーターであり、上記のステー21の下面にステー長手に沿って配設して保持させてある。22はエンドレス(円筒状)の定着フィルムであり、加熱体23を含むフィルムガイド部材であるステー21に外嵌させてある。このエンドレスの定着フィルム22の内周長を、加熱体23を含むステー21の外周長よりも例えば3mm程度大きくすることで、定着フィルム22は周長に余裕を持って外嵌している。
ステー21はポリイミド(以下PIと表記する)、ポリイミドアミド(以下PAIと表記する)、ポリエーテルエーテルケトン(以下PEEKと表記する)、プリフェニレンサルファイド(以下PPSと表記する)を用いる。あるいは、液晶ポリマー(以下LCPと表記する)等の高耐熱性樹脂や、これらの樹脂とセラミックス、金属、ガラス等との複合材料等で構成できる。本実施形態ではLCPを用いる。
フィルム22は熱容量を小さくして立上げ時間を短縮化させる為に、フィルム膜厚は100μm以下、好ましくは20μm以上50μm以下の耐熱性のあるポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEと表記する)を用いる。または、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下PFAと表記する)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下FEPと表記する)等の単層フィルムを使用できる。或いはPI、PAI、PEEK、PES、PPS等のフィルムの外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングティングした複合層フィルムを使用できる。本実施形態では膜厚60μmのPIフィルムの外周表面にPFA12μmをコーティングし、フィルム22の外径は24mmとした。
(加圧ローラ)
加圧ローラ240は加熱体23との間にフィルム22を介在して圧接される領域(以下、定着ニップ部Nと表記する)を形成し、かつフィルム22を回転駆動させるフィルム外面接触駆動する機能を有する。この加圧ローラ240は、鉄やアルミニウム等を主成分とする円柱状もしくはパイプ状の金属層である芯金241の外周面に、弾性層242を2〜4mmの厚みで形成し、その外周面にPFAやPTFE等の離型層243を形成している。加圧ローラ240は、不図示の駆動系により矢印bの方向に所定の周速度で回転駆動される。
この加圧ローラ240の回転駆動により、定着ニップ部Nにおける加圧ローラ240とフィルム22の外面との摩擦力でフィルム22に回転力が作用する。そして、フィルム22はその内面側が定着ニップ部Nにおいて加熱体23の表面に密着して摺動しながらステー21の外回りを加圧ローラ240の回転周速度とほぼ同じ周速度で従動回転する。
図3(a)では加熱体23のフィルム22と摺動する側の面(以下、フィルム摺動面と表記する)及び、フィルム摺動面と反対側の面(以下、非フィルム摺動面と表記する)の位置関係を表してある。また図3(b)では加熱体23のフィルム摺動面及び加熱体23へ通電制御を行う回路図を表し、図3(c)では本実施形態における加熱体23の非フィルム摺動面を表す。この加熱体23は、記録材Pの搬送方向aに対して直角方向を長手とする細長の耐熱性且つ絶縁性且つ高熱伝導性の基板27で構成される。
フィルム摺動面側において、基板27は、長手に沿って抵抗発熱体26が形成具備される。具体的には、抵抗発熱体26を形成した加熱体表面を保護させた耐熱性のオーバーコート層28と、前記抵抗発熱体26の長手端部の通電用電極29及び30等から構成される全体に低熱容量の加熱体である。基板27は、例えば、アルミナや窒化アルミニウム等のセラミックス材料が用いられる。本実施形態では幅10.7mm、長さ376.3mm、厚さ1mmのアルミナ基板を使用している。本実施形態の抵抗発熱体26は、銀パラジウムとガラス粉末と有機結着剤を混練して調合したペーストをスクリーン印刷により、加熱体基板27上に線帯状に形成して得たものである。
抵抗発熱体の材料としては、銀パラジウム以外にRuO、TaN等の電気抵抗材料を用いても良い。通電用電極29及び30は、本実施形態において銀パラジウムのスクリーン印刷パターンを用いた。オーバーコート層28は本実施形態のおいて、60μmの耐熱性ガラス層を用いた。
非フィルム摺動面側において、検温素子250及び251は加熱体23の温度を検知するために設けられる。本実施形態では、検温素子250及び251として加熱体23から分離した外部当接型のサーミスターを用いている。ここで呼ぶ外部当接型のサーミスター構成とは、例えば高耐熱性のLCP等からなる支持部材上に断熱層を設け、その上にチップサーミスターの素子を固定し、素子を非フィルム摺動面側に向けて所定の加圧力により加熱体裏面に当接する構成のことである。本実施形態では、断熱層としてセラミックスペーパーを積層したものを用いた。
検温素子250は、いかなるサイズの記録材が通紙されても常に通紙領域となる位置に配置され、制御系であるCPU31に通じている。この検温素子250をメインサーミスターと呼ぶ。一方、検温素子251は、B5サイズ(幅182mm)よりも幅が狭い記録材が通紙された時に、非通紙領域となる位置に配置され、CPU31に通じている。この検温素子251をサブサーミスターと呼ぶ。この加熱体23は、オーバーコート層28を形成具備されるフィルム摺動面側を下向きに露呈させて、ステー21の下面側に保持させて固定配設してある。
以上の構成をとることにより、加熱体及び定着部材を熱ローラー方式に比べて低熱容量にすることがでる。よって立上げ時間の短縮化が可能となる。加熱体23は、抵抗発熱体の長手端部の通電用電極29及び30に対して、電源33から通電することにより抵抗発熱体26が長手全長にわたって発熱し昇温する。その昇温が検温素子250で検知され、検温素子250の出力をA/D変換しCPU31に取り込み、その情報に基づいてトライアック32により抵抗発熱体26に通電する電力を位相制御あるいは波数制御等により制御して、加熱体23の温度制御がなされる。
すなわち、検温素子250の検知温度が所定の設定温度より低いと加熱体23が昇温するように、設定温度より高いと降温するように通電を制御することで、加熱体23は定着時、一定温度に保たれる。なお、本実施形態では波数制御により出力を0〜100%まで6.67%刻みの16段階で変化させている。出力100%は加熱体23に全通電したときの出力を示す。一方で検温素子251は非通紙部昇温のような加熱体23の異常昇温のみを検知し、段階的に設定温度が切り替えられる。
加熱体23の温度が加熱開始から所定の立ち上がり時間で立ち上がり、フィルム22が画像加熱に適する温度となる。そして、加圧ローラ240の回転によるフィルム22の回転周速度が定常化した状態において、定着ニップ部Nに画像定着すべき記録材Pが転写部位Tより導入される。そして、記録材Pがフィルム22と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されることにより加熱体23の熱がフィルム22を介して記録材Pに付与され画像担持面の未定着画像が固着画像へと加熱定着される。定着ニップ部Nを通った記録材Pはフィルム22の面から分離されて搬送される。
(加圧ローラの厚さ方向の詳細構成)
図1の下側に、本実施形態で用いた加圧ローラ240の構成の概略断面図を示す。表面から順次、第1の層である離型層243、定着ニップ部Nに対向する側に位置する第2の層であり第1の弾性層である断熱層242a、定着ニップ部Nの側とは反対側に位置する第3の層であり第2の弾性層である蓄熱層242b、芯金241で構成される。尚、第2の層と第3の層を合わせて弾性層242が形成される。加圧ローラ240の長手方向の長さは318.9mmであり、外径はφ30mm、芯金241はアルミニウムを円柱状に成形したものでφ21.9mmとした。また、第2の層242aの厚みはd=1mm、第3の層242bの厚みはd=3mm、第1の層243は厚み30μmとした。
まず、第2の層であり第1の弾性層である断熱層242a、シリコーンゴム中にφ80〜φ200μm程度の中空樹脂玉(以後、樹脂マイクロバルーンと記す)を配合して成形したものである。密度はρ2=6.10×10-7kg/mm3、厚み方向の熱伝導率はλ 2 =1.71×10-4W/mm・℃、単位重量当たりの熱容量はCp=1.415×103J/kg・℃であり、第2の層厚み1mm当たりの総熱容量はC2=2.50×101J/℃である。ここで、密度ρは島津製作所製のアキュピック1340を用いて測定し、単位重量当たりの熱容量Cpはパーキンエルマー社製のDSC8000を用いて測定した。
又、厚み方向の熱伝導率λは、アルバック理工社製のフーリエ変換型温度波熱拡散率測定装置で測定される熱拡散率αと、Cp、ρからλ=α×Cp×ρで算出した。後述の物性値はすべて同様の測定方法であり、以下説明は省略する。
次に、第3の層であり第2の弾性層である蓄熱層242b、シリコーンゴム中にアルミナや酸化亜鉛等の熱伝導フィラーを配合した耐熱性弾性体を用いたソリッドゴムで成形されている。蓄熱層242bの密度はρ3=1.22×10-6kg/mm3、厚み方向の熱伝導率はλ 3 =3.50×10-4W/mm・℃である。また、ソリッドゴムの単位重量当たりの熱容量はCp=1.33×103J/kg・℃であり、厚み3mm当たりの総熱容量はC3=1.21×102J/℃である。
次に、243の離型層は、PFAチューブで被覆させたもので、密度はρ=2.17×10−6kg/mm、厚み方向の熱伝導率はλ1=1.45×10−4W/mm・℃であり、単位重量当たりの熱容量は、Cp=9.60×10J /kg・℃である。また、離型層243の厚み30μm当たりの総熱容量はC1=1.87 J/℃である。本実施形態において、各層の厚み方向の熱伝導率はλ<λ且つλ<λの関係を満たしている。
一方、図9に本発明の範囲外である比較例1及び比較例2で用いた従来の加圧ローラ240の構成の概略断面図を示す。比較例1は、加圧ローラ240の外径と芯金241の外径と第1の層243の離型層は実施例1と同様の構成とし、第2の層である弾性層242を厚み4mmの樹脂マイクロバルーンとし、第3の層を省いた構成とする。比較例2は、弾性層242を厚み4mmのソリッドゴムとし、その他の構成は比較例1と同様とする。表1に実施例1と比較例1、比較例2の構成を比較した表を示す。
(厚み方向の熱拡散の時定数)
本実施形態の加圧ローラ構成について詳細に説明する。まず始めに第2の層単独での厚み方向の熱拡散の時定数τ[s]の定義を説明する。一般に時定数とは、システムが最終値の約63.2%に達するまでの時間をいうが、熱回路における時定数τは、τ=R’×C’で定義される。ここで、面積S[mm]、厚みd[mm]の弾性体の厚み方向の熱抵抗R’[℃/W]及び熱容量C’[J/℃]は以下の式で表される。
ここでρ[kg/mm]は体積密度、Cp[J/kg・℃]は単位重量当たりの熱容量である。したがって、時定数τ[s]は以下の式で表される。
この時定数τ[s]は、その層に蓄えられる熱量が最終的に蓄えられる熱量の1/e(約63.2%)に到達するまでの時間として定義される。図4に加圧ローラ表面をx=0とし、x=0に熱が供給され始める時間をt=0とした場合の、厚さ方向をx方向とした場合の温度分布を模式的に示す。ここでは説明を簡単にする為、第1の層である離型層243の影響を無視したモデルで考える。[1]時刻t<τでは供給される熱は第2の層から第3の層まで熱拡散しない。よって供給される熱量は第2の層の熱容量に蓄えられ、第2の層が昇温する。
その後、[2]時刻t>τでは、第3の層まで熱拡散が及ぶ。この第2の層242aは断熱層である為、加熱体23から供給される熱量は第2の層に蓄熱され、急速に昇温できる。定着部材が通電による加熱開始から画像加熱に適する温度となって、記録材の1枚目が定着ニップ部に挿入されるまでの時間(立上げ時間t1)を比較例1と同等とする為には、立上げ時間までの間は、第3の層まで熱拡散していない条件が必要となる。表2に、立上げ時間tと第2の層における厚み方向の熱拡散の時定数τを、本実施形態、比較例1、比較例2で比較した実験結果を示す。
実験条件は、加熱定着装置11を室温環境に十分馴染ませた後、加熱体23に最大電力で1300W投入し、検温素子250で215℃に保たれるように電力を制御し、プロセススピードは186.4mm/sとした。本実施例では比較例1と同様にt≦τ
の関係を満足している。よってt1τで規定する事が立上げ時間を比較例1と同等とする為の必要条件になる。一方で比較例2においてもt1≦τの条件は満たされるが、立上げ時間がt=5.6sであり、比較例1に比べて立上げ時間が長くなる。
その第1の理由は、比較例2では第2の層の厚み方向の熱伝導率λが比較例1に比べて大きい為、加圧ローラ240内部への熱拡散が速くなることで、表面の昇温が抑制された為である。第2の理由は、断熱層242aの単位体積当たりの熱容量(8.66×10−4[J/℃・mm])が小さい為である。
本実施例では、断熱層242aが素早く昇温し、立上げ時間が短縮化できる。第2の層242aを、この様な小さい熱容量にする為には、発泡性のゴム、又は内部に気体を含む充填材を混入した断熱性のゴムとすることが好ましい。よって立上げ時間を短縮化する為には、第2の層は発泡性のゴム、又は内部に気体を含む充填材を混入した断熱性のゴムであり且つ、t≦τとすることが好ましい。
ここで、第1の層である離型層243を無視して良い理由を説明する。本実施例における厚み30μmでの厚み方向の時定数はτ=0.013sである。これは第2の層単独での厚み方向の時定数τ=5.1sに比べて極めて小さい。よって、加圧ローラ表面に供給される熱が第3の層に及ぶまでの時間は、第1の層を無視した場合と同等になる。
第1の層の厚みdは、厚くすると加圧ローラ240の硬度が高くなり、定着ニップ部Nを広く取れなくなる。そのため、100μm以下、好ましくは10μm以上50μm以下である。その範囲では、τはτに比べて極めて小さい。よって今後、離型層243の影響は無視して考える。
その後、t>τ2で第3の層(第2の弾性層)242bまで熱拡散するが、第3の層では厚み方向の熱伝導率がλ2<λ3 (ここで、λ 2 は第2の層(第1の弾性層)の熱伝導率、λ 3 は第3の層(第2の弾性層)の熱伝導率)の関係を満たす為、第3の層は第2の層に比べて加圧ローラ240の内部への熱拡散がより大きくなる。よって、第2の層の急速な昇温は第3の層の熱伝導率λ3によって抑制される為、実施例1が比較例1に比べて非通紙部昇温に有利となる。一方、比較例2は、第2の層の厚み方向の熱伝導率λ2が実施例1に比べて大きい為、比較例2が実施例1に比べて非通紙部昇温に有利となる。
(時定数τの妥当性)
次に、τが上述の[1]、[2]の閾値として妥当であるか、陰解法を用いた伝熱計算で検証を行った。尚、本実施形態では、加圧ローラ240の外径に比べて第2の層242aの厚みが薄い為、1次元の近似計算で検証を行った。計算は以下の熱拡散方程式に従った。
幅1mm、厚さ4mmの長方形の弾性層に厚さ方向をx方向とした場合に、x=0から単位時間当たり熱量dq/dt=0.015W/mmを一定で与えた場合(第2種の境界条件)の厚さ方向の温度分布を比較した。ここでλは熱伝導、Tは温度、xは座標である。本計算では、幅方向は断熱条件とし、x=4mmにおいて25℃で一定に保たれる境界条件とした。物性値に関しては、まず、本実施形態に対応した計算では0≦x≦1では242aと同物性値を与え、1mm≦x≦4mmでは242bと同物性値を与える。
次に、比較例1、比較例2に対応した計算では0mm≦x≦4mmに242と同物性値を与えた。ここで固定された熱量の値(dq/dt=0.015W/mm)は実験条件で与えた電力(1300W)を加熱体基板の面積(10.7mm×376.3mm)で割った値の約1/10とした。図5(a)は立上げ時間である、t=2.5s(<τ=5.1s)における加圧ローラ厚み方向の温度プロファイルを示している。t<τでは、実施例1の加圧ローラ表面温度は94℃であって、比較例1と同等であり比較例2の63℃よりも高いことがわかる。
一方、図5(b)は、t=6.5sにおける加圧ローラ厚み方向の温度プロファイルである。ここで、t=6.5sはτ=5.1s以降の任意の時間を選択した。加圧ローラの表面温度を比較すると、時刻t>τにおいて、本実施例(129℃)は、比較例1(137℃)に比べて小さくなる。これは、第3の層へ熱が拡散し、第2の層の温度上昇が緩和したからである。以上の様に、時定数τは、第2の層全域に熱拡散し、第3の層へ熱拡散が開始する時間を特徴付ける指標であることがわかる。
(非通紙部温度の比較)
次に、本実施例、比較例1、比較例2において、実際に通紙して非通紙領域の加圧ローラ表面温度をNEC Avio赤外線テクノロジー社製TH9100MR/WRを用いて測定比較した。実験条件は、加熱体23に最大電力で1300W投入し、検温素子250で215℃に保たれるように電力制御し、プロセススピードは186.4mm/sとした。
通紙条件として、記録材Pは、ゼロックス社製Business4200(坪量75g/m)、LTRサイズ(216mm×279mm)を用い、通紙方向はLTRの縦(279mm)が通紙方向と平行とした(以下、縦方向と記す)。また、スループット20ppmの出力で20枚通紙した。図6に、20枚通紙直後における、長手方向をz軸方向とした加圧ローラ表面温度分布を示す。温度分布は加圧ローラ中心に関して略対称となる為、z=0を加圧ローラ長手方向の中心とし、0mm≦z≦160mmの領域のみを示す。
LTRサイズの通紙領域に対応する0mm≦z≦108mmの領域に比べ、z≧108mmの非通紙領域の方が昇温している。又、非通紙領域では比較例1が最も温度が高く、実施例1、比較例2の順に昇温が抑制されている。
上記関係となる理由は、比較例1において、加圧ローラの第2の層242が断熱層で且つ時定数が大きい為、内部への熱拡散が遅くなることによる。又、実施例1に関しては第2の層での熱拡散は遅くなるが、第2の層のτが比較例1のτに比べて小さい為、熱伝導率の大きい第3の層へ速く到達できる為である。比較例2が最も抑制される理由は、第2の層が断熱層でない為、加圧ローラ内部へ素早く熱拡散するからである。
次に、図7に加熱体の通電開始から記録材Pを20枚通紙するまでの時間で、加圧ローラ表面の非通紙領域の温度を測定比較した。ここでは、図6において最も高温となったz=130.5mmでの温度を比較した。立ち上がりの挙動は、比較例1、実施例1で略同じであるが、時間経過と共に非通紙部昇温は、比較例1が217℃、実施例1が198℃、比較例2が179℃の順に抑制され、特に実施例1は比較例2に漸近する傾向になる。このグラフからも、実施例1は立上がりが比較例1と同等であり、非通紙昇温は比較例1よりも抑制できる構成であることがわかる。
次に以下のような構成において、立上げ時間tと非通紙部昇温を比較した。ここで、
実験例A、B、Cは本発明の範囲内であり、より好ましい形態である本実施例との比較を行うための形態である。
(実験例A)
第1の層である離型層243、芯金241は実施形態1と共通で、第2の層である断熱層242aの厚み0.5mm、第3の層である蓄熱層242bの厚み2.5mmの構成とする。
(実験例B)
第1の層である離型層243、芯金241は実施形態1と共通で、第2の層である断熱層242aの厚み2mm、第3の層である蓄熱層242bの厚み2mmの構成とする。
(実験例C)
第1の層である離型層243、芯金241は実施形態1と共通で、第2の層である断熱層242aの厚み3mm、第3の層である蓄熱層242bの厚み1mmの構成とする。
表3にそれぞれの構成と物性値を比較した表を示す。
上記構成において、それぞれ立上げ時間tと第2の層の厚み方向の熱拡散の時定数τを比較した結果を表4に示す。
まず実験例Aにおいては、立上げ時間tが実施例1に比べて長くなる。その原因は、第2の層242aの厚みを実施例1に比べて薄くすることで、t=tになる以前に熱が第2の層から第3の層へ拡散し、その後第3の層のλがλ>λであることにより、第2の層の温度上昇が緩和された為である。次に実験例B、実験例Cにおいては、t

τの関係が満たされる為、実施例1と同等の立上げ時間となるが、非通紙部昇温に関しては、実験例Bが実験例Cに比べて抑制される。その原因は、実験例Bが実験例Cに比べて第2の層の時定数τが小さいことにより、第3の層まで速く熱拡散した為である。
(スループットダウン)
本実施形態では、加熱体基板27の長手幅376.3mmに対して、LTRサイズの幅(216mm)が小さい為、検温素子251の検知温度に応じて段階的にスループットダウン制御が行われる。そして、紙間距離を広げることで非通紙部昇温に起因するホットオフセットを抑制する。即ち、サブサーミスターの検知温度の設定温度は加熱体23の通電開始から順次T、T…(T<T<…)と増加し、それぞれの設定温度に達するまでの1分間当たりのスループット[ppm]はP、P…P(P>P>…>P)と順次減少する。このスループットの順次減少の制御は、制御系であるCPU31(図3(b))が行う。
サブサーミスターの検知温度の第1の設定温度はT=220℃であり、それまでの間、第1のスループットはP=20ppmに保たれる。この時の紙間距離は280mmである。その後サブサーミスターがT=220℃を超えると、第2の検知温度の設定温度はT=235℃に設定され、紙間距離は467mmに広げられ、第2のスループットP=15ppmに低下する。ここで、第1の検知温度の設定温度がT=220℃を超えるのは3枚目通紙後であり、加熱体23への通電開始から11.5s後となる。
表5に第1のスループットP及び第2のスループットP、第2のスループットPへ移行する時間t及びτを実験比較した結果を示す。実験条件は、加熱定着装置11を室温環境に十分馴染ませた後、室温状態で加熱体23に最大電力で1300W投入し、検温素子250で215℃に保たれるように電力を制御し、プロセススピードを186.4mm/sとして連続プリントを行った。又、通紙条件として、記録材Pは、ゼロックス社製Business4200を用い、縦方向に通紙した条件でのスループットを実験比較している。
表5から、第2の層(第1の弾性層)の熱拡散の時定数τは実施例1が最も短く、実験例B、実験例Cは実施例1より長いが、比較例1より短いことが分かる。即ち、非通紙部昇温は実施例1、実験例B、実験例C、比較例1の順に抑制され、スループットダウンもこの順で抑制される。
ただし、実験例B、Cや比較例1のように、第2の層(第1の弾性層)の厚みdが厚い構成ならば、第2の層(第1の弾性層)の全域に熱拡散するよりも早く、第2のスループットへ移行しなければ非通紙部昇温は抑制できない。即ち、t<τを満たす時間でPからPへ移行しなければならない。一方、実施例1のように第2の層の厚みdが薄い構成ならば、厚み方向に素早く熱拡散するので、第2の層全域に熱拡散した後にPからPへ移行することで非通紙部昇温を抑制できる。又、断熱層である第2の層を薄くするほど、その熱容量の影響を小さくできる為、Pを最大化できる。
よって、非通紙部昇温に起因するスループットダウンを最小化する為にはτ<tを満たすことが望ましい。また表5の構成の中で、比較例2のスループットPが最も大きい。その原因は第2の層が断熱層でないことにより、加圧ローラ表面の昇温が抑制された為である。しかしながら、比較例2では立上げ時間を短縮化できない。
以上のように、実施例1では、第2の層が断熱層であって、λ1<λ3且つλ2<λ3 且つt≦τ≦tを満たすことにより、立上げ時間を短縮化するだけでなく、非通紙部昇温に起因するスループットダウンも最も抑制することができる。
《第2の実施形態》
以下、本発明に係る第2の実施形態について実施例2を説明する。加熱定着装置までの画像形成プロセスは実施例1と同様である為、説明は省略する。加圧ローラ240は、第2の層である242a(第1の弾性層)を厚みを1mmの樹脂マイクロバルーンを配合して成形した断熱層とする。一方第3の層である242b(第2の弾性層)を厚みを3mmの熱伝導フィラーとカーボンナノファイバーが分散されている蓄熱層とする。242aの断熱層の熱伝導率と熱容量は実施例1と同様である。242bの高熱伝導層は厚み方向での熱伝導率λ3=5.0×10−4W/mm・℃であり、総熱容量はC3=1.15×10J/℃の構成である。
また、243の離型層は実施例1と同様である。本実施形態において、各層の厚み方向の熱伝導率はλ<λ且つλ<λの関係を満たしている。表6に構成を比較した表を示す。
表6の構成の中で、立上げ時間に関しては実施例2、実施例1、比較例1が共に同等であり、非通紙部昇温の抑制は実施例2が最も効果が大きい。
上記関係となる理由について以下説明する。図8(a)に、実施例2と実施例1、比較例1に対応する、t=2.5s<τでの1次元伝熱計算による温度分布を示す。計算条件は実施例1の計算と同じである。実施例2、実施例1共に時定数τ=5.6sである。一方、比較例1の立上げ時間はt=2.5sである為、t≦τの関係が満たされている。よって、立上げ時間までの間、熱が第2の層から第3の層まで熱拡散していない為、実施例2は比較例1や実施例1と同等の立上げ時間となる。
一方、図8(b)に、実施例2と実施例1、比較例1に対応する、t=6.5s>τでの1次元伝熱計算による温度分布を示す。非通紙部昇温に関しては、t>τで実施例2が実施例1よりも有利になる。その理由は、実施例2の熱伝導率λが実施例1に比べて大きいからである。第3の層の熱拡散を大きくすることにより、第2の層を昇温させた熱が第3の層へ拡散し、第2の層の昇温を実施例1よりも素早く緩和させたからである。したがって、スループットダウンも実施例1に比べて有利となる。実際にt=11.5sでありτ<tの関係は満たされている。
(変形例)
上述した実施形態では、加熱部材を回転可能な無端ベルトとしたが、本発明はこれに限らず回転可能な画像加熱ローラとしても良い。また、無端ベルトに関して無端ベルトの内側に設けられるヒータによって加熱されるとしたが、本発明はこれに限らず、無端ベルトは通電により自己発熱されるものであっても良い。また、無端ベルトは無端ベルトの外側に設けられる励磁コイルによって電磁的に発熱されるものであっても良い。
上述した実施形態では、加圧部材が回転可能部材であるとしたが、本発明はこれに限らずパッド型の非回転部材(加圧パッド)であっても良い。
なお、上述した実施形態、変形例の各技術事項を本発明の範囲内で適宜組合せて使用することも勿論可能である。
1・・感光ドラム、2・・帯電ローラ、3・・レーザービームスキャナ、4・・現像装置、5・・給紙カセット、9・・転写ローラ、10・・クリーニング装置、11・・加熱定着装置、13・・排紙口、14・・排紙トレイ、21・・ステー、22・・定着フィルム、23・・加熱体、240・・加圧ローラ、241・・芯金、242・・弾性層、242a・・断熱層、242b・・蓄熱層、243・・離型層、250、251・・検温素子、26・・抵抗発熱体、27・・加熱体基板、28・・オーバーコート層、29、30・・通電用電極、31・・CPU、33・・AC電源、34・・入口ガイド、N・・定着ニップ部、P・・記録材、T・・転写部位、a・・記録材搬送方向、b・・加圧ローラ回転方向

Claims (8)

  1. 加熱部材と、
    前記加熱部材と共にニップ部を形成するローラと、
    を備え、前記ニップ部で画像を担持した記録材を搬しながら前記画像を加熱する画像加熱装置において、
    前記ローラは、少なくとも、芯金と、第1の弾性層と、前記第1の弾性層と前記芯金との間に設けられた第2の弾性層と、を有し、
    前記第1の弾性層は発泡性のゴムまたは内部に気体を含む充填材を混入したゴムで形成され、前記第2の弾性層は熱伝導性フィラーを含有したソリッドゴムで形成されていることを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記第1の弾性層の厚み方向の熱伝導率をλ1、前記第2の弾性層の厚み方向の熱伝導率をλ2とするとき、λ1<λ2の関係を有することを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 前記熱伝導性フィラーは、アルミナもしくは酸化亜鉛であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像加熱装置。
  4. 前記加熱部材は筒状のベルトであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  5. 前記ベルトは前記ベルトの内側に設けられたヒータによって加熱されることを特徴とする請求項に記載の画像加熱装置。
  6. 前記ヒータは前記ベルトの内面に接触し、前記ローラと共に前記ニップ部を形成することを特徴とする請求項に記載の画像加熱装置。
  7. 記録材に形成された画像を加熱する画像加熱装置で用いるローラにおいて、
    前記ローラは、少なくとも、芯金と、第1の弾性層と、前記第1の弾性層と前記芯金との間に設けられた第2の弾性層と、を有し、
    前記第1の弾性層は発泡性のゴムまたは内部に気体を含む充填材を混入したゴムで形成され、前記第2の弾性層は熱伝導性フィラーを含有したソリッドゴムで形成されていることを特徴とするローラ。
  8. 前記熱伝導性フィラーは、アルミナもしくは酸化亜鉛であることを特徴とする請求項7に記載のローラ
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