JP7106333B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
画像情報に基づいて記録材にトナー像を形成する画像形成部と、
基板と、前記基板上に設けられた発熱体と、を有するヒータを有し、前記ヒータの熱を利用して記録材に形成されたトナー像を加熱する像加熱部と、
前記ヒータの温度を検知する温度検知部と、
前記温度検知部が検知する温度に基づいて、前記発熱体の通電を制御する通電制御部と、
前記画像情報から、記録材上におけるトナーに関する情報を取得する取得部と、
を備える画像形成装置において、
前記画像形成部が複数の記録材に連続的にトナー像を形成する場合において、
前記取得部は、前記画像情報から、前記複数の記録材における、記録材の所定の領域においてトナーが載せられる部分である画像部が前記所定の領域に占める割合である被覆率及び記録材の前記所定の領域の前記画像部における単位面積当たりのトナーの載り量の平均値である平均印字率を取得し、
前記通電制御部は、前記複数の記録材ごとに、前記所定の領域における基準の目標温度を前記複数の記録材における前記被覆率の履歴を反映した補正量で補正した温度を制御目標温度として、前記発熱体の通電を制御し、
前記補正量は、前記複数の記録材のうち加熱が終了した記録材における前記被覆率及び前記平均印字率に基づいて設定される温度補正量の積算量と、加熱が行われる記録材における前記温度補正量と、の和であることを特徴とする。
1.定着装置を備えた画像形成装置の概略説明
図1は、本発明の実施例に係るタンデム方式(4ドラム系)のカラー画像形成装置10の構成図である。なお、本発明は、レーザープリンタ、LEDプリンタ等のプリンタ、デジタル複写機等の加熱定着装置を用いた種々の画像形成装置に適用可能である。本実施例の画像形成装置10は、複数の画像形成部として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色の画像(トナー画像)を形成するための4つの画像形成部を有する。本実施例の画像形成装置10は、画像情報に従って、記録材Pにフルカラー画像を形成可能である。
いて述べたが、その他の方式の画像形成装置にも転用することができる。例えば、記録材搬送ベルトを備え、各感光ドラム22に現像されたトナー像を記録材搬送ベルト(無端状ベルト)により搬送されてくる転写材(記録材)に直接転写する方式を採用した画像形成装置にも転用することができる。
図2は、本実施例に係る画像形成装置10の像加熱部としての定着装置Aの概略構成を示す模式的断面図(加圧ローラの軸方向に見た断面図)である。本実施例において、定着装置Aは、セラミックヒータ加熱方式の定着装置である。
定着装置Aは、加熱部材としての定着ヒータ16と、可撓性を有する筒状のフィルムである定着スリーブ1と、を備えた加熱ユニットと、加圧ローラ8とを備えている。加熱ユニットは、主として、定着スリーブ1、定着ヒータ16、定着ヒータ16を保持しかつ定着スリーブ1をガイドするヒータ保持部材201、および加圧用ステイ5等から構成される。定着スリーブ1を介して定着ヒータ16と加圧ローラ20が所定の加圧力で圧接されることで定着ニップ部Nが形成されている。定着ニップ部Nに未定着トナー画像Tを担持した記録材Pを通紙しつつ、定着ヒータ16の熱を利用して加熱することにより、トナー画像Tが記録材Pに定着される。
図4に、定着ヒータ16の模式的断面図を示し、図5に、定着ヒータ16の表面側(発熱体が設けられた側)の構成を模式的に示す。
定着ヒータ16は、以下〔1〕~〔5〕を備える。
〔1〕記録材Pの搬送方向すなわち通紙方向と直交する方向を長手方向とする横長のセラミック基板である窒化アルミ基板41(図4)。
〔2〕〔1〕の窒化アルミ基板41の表面側に長手方向に沿ってスクリーン印刷により線状あるいは帯状に塗工した、厚み10μm程度、幅1mm程度の抵抗発熱体層42。抵抗発熱体層42は、銀パラジウム(Ag/Pd)合金を含んだ導電ペーストを窒化アルミ基板41上に印刷したものである。
〔3〕〔2〕の抵抗発熱体層42に対する給電パターンとして、窒化アルミ基板41の表面側に銀ペーストのスクリーン印刷等によりパターン形成した、電極部44(図5)。
〔4〕抵抗発熱体層42の保護と絶縁性を確保するための、厚み30μm程度の薄肉のガラスコート45(図4)。
〔5〕窒化アルミ基板41と定着スリーブ1の接触面に設けたポリイミドからなる摺動層46。
尚、後述する電力を測定するため、電極部44に給電する不図示のケーブルには横河メータ&インスツルメンツ社製の電力計WT310を中継して接続する。
画像形成装置10は、プリントJobを受け取りプリントが開始されると、取得部としてのビデオコントローラ121(図1)において、次の記録材上のトナー量情報を受け取る。トナー量情報は、(1)最大印字率、(2)平均印字率、(3)被覆率、の少なくとも3つの画像情報を含む。図6に示す、記録材の画像領域A1~A7のそれぞれにおける(1)~(3)の情報が、ビデオコントローラ121へ送信される。図6では、画像領域A1~A7をA4サイズ紙の紙幅と対比して表している。画像領域A1~A7の幅は、ヒータ発熱体(発熱範囲)の全長220mmを7分割したものである(L=31.4mm)。また、搬送方向の長さは、A4サイズ紙を通紙する場合、A4サイズ紙の搬送方向の長さ(297mm)である。すなわち、所定の領域としての画像領域A1~A7は、定着ヒ
ータ16の加熱領域を記録材の搬送方向と直交する方向に分割した分割領域にそれぞれ対応する記録材の領域であり、各領域ごとにトナー量情報が取得され、後述する制御に利用される。
以下、(1)~(3)の詳細を説明する。
記録材上のトナーの最大濃度に対応する。トナーの濃度は、記録材上の単位面積当たりのトナー載り量と定義し、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)のそれぞれの最大濃度、すなわち、トナー載り量の最大値は100%である。最大濃度100%でトナーは約0.45mg/cm2載っている。
記録材上のトナーの印字部、すなわち、記録材においてトナーが載せられる部分である画像部における濃度を平均化した平均値に対応する。
例えば、図7の画像の場合、領域A6における平均印字率は、(a),(b),(c)印字部の面積をそれぞれsa,sb,scとし、各トナーの濃度をDa,Db,Dcとして、以下の式で表される。
記録材の各画像領域A1~A7の面積に対する、トナー印字面積の割合、すなわち、各画像領域A1~A7のそれぞれにおける、トナーが載せられる画像部が占める割合に対応する。
例えば、図7の画像の場合、A6の面積をs6とした場合、A6の被覆率Sは、以下の式である。
ここで、s6=297×31.4=9326mm2である。
(実験例1)
図8のフローチャートを用いて、室温状態(23℃)からA4紙Oce redlabel 80g紙をプロセス速度300mm/sec、60ppmで連続110枚通紙するときの制御について説明する。
0%の画像はイエロー100%とマゼンタ100%の混色である。その後、n=101枚目以降の定着装置Aが十分暖まった後、最大印字率=平均印字率200%であって、被覆率は5,10,30,60,90%の5水準に変化させたときのA6における表面温度を測定した。図8のフローチャートと図9に従い、n=1~n=110までの温調温度は240℃で一定である。
n=100枚目までは、実験例1と同様であって、n=101~110枚目までA6における平均印字率が150%で、被覆率は5,10,30,60,90%の5水準で、室温状態からそれぞれA6における表面温度測定を行った。図10に実験例2の各被覆率の水準を振った温度変化量の結果を示している。実験例1と同様に被覆率の違いによってn=100枚目以降の温度変化量が変わってくる。
n=100枚目までは、実験例1と同様であって、n=101~110枚目までA6における平均印字率が100%で、被覆率は5,10,30,60,90%の5水準で、室温状態からそれぞれA6における表面温度測定を行った。図10に実験例3の各被覆率の水準を振った温度変化量の結果を示している。実験例1、2と同様に被覆率の違いによってn=100枚目以降の温度変化量が変わってくる。
比較例1は、実験例1~3と同様に、室温状態(23℃)からA4紙Oce redlabel 80g紙をプロセス速度300mm/sec、60ppmで連続110枚通紙し、図8のフローチャートに従って温調制御した場合である。定着スリーブ表面温度は、領域A2と領域A6の2か所に熱電対を配置して測定した。以下、図12を用いて、n=1~110枚目までのトナー量情報の条件を説明する。n=100枚目までは、図13に示す、左右がほぼ対称なパターンを連続通紙した。具体的なトナー量情報は、A2において被覆率s=42%、最大印字率=200%、平均印字率=190%であり、A6において被覆率s=41%、最大印字率=200%、平均印字率=189%である。次に、n=
101~110枚目において、図15に示す左右非対称な画像パターンを連続通紙させた。
一方、本発明の実施例1は、比較例1の図12と通紙及び画像パターンは同じ条件で、図17のフローチャートに沿って連続通紙、すなわち、複数の記録材に連続的に画像形成を行った場合である。図17のフローチャートについて詳しく説明する。先ず、印刷jobを開始後、(231)においてA1~A7の各領域でトナー量情報を受信する。次に、(232)において図9に示すトナー量情報の最大印字率に応じた目標温度テーブルを参照し、A1~A7の各領域の基準となる温度を算出する。
比較例2は、図8のフローチャートに従って温調制御した場合であり、n=1~n=100までの通紙条件は比較例1と同じである。定着スリーブ表面温度は、A2とA6領域の2か所に熱電対を配置させて測定した。以下、図20を用いて、n=1~110枚目までのトナー量情報の条件を説明する。n=100枚目までのトナー量情報は、実施例1と同様である。n=101~110枚目において、図21の(a)(b)に示すような印字率が高いパターンが局所的に含まれた画像を連続通紙させる。具体的には、A2及びA6において、被覆率s=5%、最大印字率=200%、平均印字率=195%である。従って、図9に従い、n=1~n=110までの温調温度は240℃である。尚、A2とA6以外のその他のトナー量情報も図20に示す。図22に定着スリーブの表面温度、電力、グロス値を測定した結果と、温調温度の関係を示している。図21のA2及びA6領域の定着スリーブ表面温度は、n=101枚目以降次第に高くなるため、熱供給が過剰になり、以下に述べる実施例2に比べて消費電力が高くなってしまう。
本発明の実施例2は、比較例2と通紙条件及び画像パターンは同じであり、図17のフローチャートに沿って温調制御した場合である。実施例1と同様に、図18で示す1枚毎の被覆率Sに応じた補正テーブルを参照し、図14の補正の下限値に到達するまで温度補正させる。
比較例3は、比較例2と通紙条件は同じであり、図8のフローチャートに従って温調制御する。n=100枚目までのトナー量情報は実施例2と同様である。図24でn=101~110枚目のトナー量情報について説明する。A6における被覆率s=82の画像は実施例1と同じ図15の画像であり、A6における被覆率s=50%の画像は図25の画像であり、A6における被覆率s=30%の画像は、図26の画像である。図25及び図26の画像は、A6を除く領域のトナー量情報はすべて同じであり、A6の被覆率sと平均印字率のみそれぞれで異なる。
後述する実施例3に対して、n=107枚目以降で消費電力が大きい。
本発明の実施例3では、比較例3と通紙条件及び画像パターンは同じであり、図17のフローチャートに沿って温調制御する。実施例1と同様に、図18で示す1枚毎の被覆率Sに応じた補正テーブルを参照し、補正の上下限値に到達するまで温度補正させる。図17のフローチャート(235)において、A1~A7の領域の中でA6領域の設定温度が最も高い為、A6領域の温度が制御温度として採用される。
実験例3の定着スリーブ表面温度以上では、グロス値は飽和しており、実施例3と比較
例3のグロスはほぼ同じである。対して、A6領域のn=107枚目以降の温度上昇が抑えられることで消費電力が削減できる。
本発明の実施例4は、上記実施例1~3とはヒータの構成が異なり、基板上に長手方向に複数個の発熱体が並べられたヒータ構成を有し、かつ長手方向に分割された加熱領域を個別に温調制御可能なサーミスタ構成を有している。実施例4におけるヒータ以外の構成は、上記実施例1~3と同様であり、説明は省略する。
図28を用いて、本実施例に係るヒータ300の構成を説明する。図28(A)は、ヒータ300の模式的断面図、図28(B)は、ヒータ300の各層の模式的平面図、図28(C)は、ヒータ300への電気接点Cの接続方法を説明する図である。
また、裏面層1は、導電体301a、301bに平行して設けられた導電体303(303-1~303-7)を有する。導電体303は、導電体301aと導電体301bの間にヒータ300の長手方向に沿って設けられている。
更に、裏面層1は、発熱体302a(302a-1~302a-7)と発熱体302b(302b-1~302b-7)を有する。発熱体302aは、導電体301aと導電体303の間に設けられており、導電体301aと導電体303を介して電力を供給することにより発熱する。発熱体302bは、導電体301bと導電体303の間に設けられており、導電体301bと導電体303を介して電力を供給することにより発熱する。
E1~E7は、それぞれ導電体303-1~303-7の領域内に設けられており、導電体303-1~303-7を介して発熱ブロックHB1~HB7それぞれに電力供給するための電極である。電極E8-1、E8-2は、ヒータ300の長手方向端部に導電体301に接続するよう設けられており、導電体301を介して発熱ブロックHB1~HB7に電力供給するための電極である。本実施例ではヒータ300の長手方向両端に電極E8-1、E8-2を設けているが、例えば、電極E8-1のみを片側に設ける構成でも構わない。また、導電体301a、301bに対し共通の電極で電力供給を行っているが、導電体301aと導電体301bそれぞれに個別の電極を設け、それぞれ電力供給を行っても構わない。
temperature coefficient)特性、若しくはNTC特性(本実施例ではNTC特性)を有した材料から成り、その抵抗値を検出することにより、全ての発熱ブロックの温度を検知できる。
図29に示すように、本実施例における加熱領域B1~B7は、図6で示す画像領域を
示すA1~A7と対応させている。加熱領域B1~B7は、定着ニップ部N内の、発熱ブロックHB1~HB7に対応した位置に設けられており、発熱ブロックHBi(i=1~7)の発熱により、加熱領域Bi(i=1~7)がそれぞれ加熱される。加熱領域B1~B7の全長は220mmであり、各領域はこれを均等に7分割したものである(L=31.4mm)。
また、上記実施例における図9、図10、図14、図18等に示した設定値はあくまで一例である。すなわち、上記実験例において連続通紙履歴(100枚目まで)の基準となる最大印字率(200%)や被覆率(42%)の設定値が変われば、図14に示す補正量の上限値の範囲や、図18に示す温度補正量の設定も変わることは言うまでもない。
Claims (6)
- 画像情報に基づいて記録材にトナー像を形成する画像形成部と、
基板と、前記基板上に設けられた発熱体と、を有するヒータを有し、前記ヒータの熱を利用して記録材に形成されたトナー像を加熱する像加熱部と、
前記ヒータの温度を検知する温度検知部と、
前記温度検知部が検知する温度に基づいて、前記発熱体の通電を制御する通電制御部と、
前記画像情報から、記録材上におけるトナーに関する情報を取得する取得部と、
を備える画像形成装置において、
前記画像形成部が複数の記録材に連続的にトナー像を形成する場合において、
前記取得部は、前記画像情報から、前記複数の記録材における、記録材の所定の領域においてトナーが載せられる部分である画像部が前記所定の領域に占める割合である被覆率及び記録材の前記所定の領域の前記画像部における単位面積当たりのトナーの載り量の平均値である平均印字率を取得し、
前記通電制御部は、前記複数の記録材ごとに、前記所定の領域における基準の目標温度を前記複数の記録材における前記被覆率の履歴を反映した補正量で補正した温度を制御目標温度として、前記発熱体の通電を制御し、
前記補正量は、前記複数の記録材のうち加熱が終了した記録材における前記被覆率及び前記平均印字率に基づいて設定される温度補正量の積算量と、加熱が行われる記録材における前記温度補正量と、の和であることを特徴とする画像形成装置。 - 前記補正量は、前記和が、前記加熱が行われる記録材の前記被覆率及び前記平均印字率に基づいて設定される上限値及び下限値で規定される補正量の範囲から外れる場合、前記範囲に収まるように調整されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記取得部は、前記画像情報から、記録材の前記所定の領域における単位面積当たりのトナーの載り量の最大値である最大印字率を取得し、
前記基準の目標温度は、加熱が行われる記録材の前記最大印字率に基づいて設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記所定の領域は、前記ヒータの加熱領域を記録材の搬送方向と直交する方向に複数に分割した領域の一つに対応する記録材の領域であり、
前記通電制御部は、前記複数の記録材ごとに、前記加熱領域に対応する全ての前記所定の領域のなかで最も高い補正後の制御目標温度に基づいて、前記発熱体の通電を制御することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記像加熱部は、複数の前記発熱体が前記基板上を前記基板の長手方向に並ぶように設けられており、前記長手方向に分割された複数の加熱領域を有し、
前記所定の領域は、前記複数の加熱領域の一つに対応する記録材の領域であり、
前記通電制御部は、前記複数の記録材ごとに、前記複数の加熱領域に対応する複数の前記所定の領域のそれぞれにおいて個別に前記基準の目標温度を前記補正量で補正した温度を制御目標温度とし、前記複数の加熱領域ごとに前記発熱体の通電を制御することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 内面が前記ヒータに接触しつつ回転する筒状のフィルムを有し、記録材上の画像は前記フィルムを介して加熱されることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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