JP7277230B2 - 像加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式を利用した複写機、プリンタ等の画像形成装置に搭載する定着装置、記録材上の定着済みトナー画像を再度加熱することによりトナー画像の光沢度を向上させる光沢付与装置等の像加熱装置に関する。また、この像加熱装置の制御に用いられる加熱制御方法に関する。
像加熱装置として、筒状のフィルム(エンドレスベルトとも呼ばれる)と、フィルム内面に接触するヒータと、フィルムに加圧接触してニップ部を形成する加圧ローラと、を有する装置がある。フィルムは、回転する加圧ローラによって回転駆動力を与えられるが、フィルムの回転性を保持するために、ヒータとフィルムとの間の摺動摩擦力を低減させる必要がある。そこで、ヒータのフィルムとの接触面には潤滑剤となるグリスを塗布することが一般的である。この像加熱装置は熱容量が小さいためクイックスタート性や省電力性に優れるという特徴を持つ。しかしながら近年、これまで以上の省電力化が求められており、これに対応するため、記録材上に形成された画像部を選択的に加熱する方法(特許文献1)が提案されている。この方法では、記録材の搬送方向に直交する方向(以下、長手方向という)において、複数に分割された加熱領域を設定し、それぞれの加熱領域を加熱する発熱体が長手方向に複数設けられている。そして、各加熱領域に形成される画像の画像情報に基づき、対応する発熱体により画像部が選択的に加熱される。また、画像情報に応じて加熱条件を調整し、省電力化を図る方法(特許文献2)も提案されている。
特開2014-153507号公報 特開2007-271870号公報
特許文献1や特許文献2に記載の方法を用いるとき、非画像部に対応する発熱体の温調温度を低く設定するほど、高い省電力効果を得ることができる。
ところで、一般的に、フィルムとの接触面に塗布されるグリスの粘度には温度依存性がある。温度が高いほど、グリスの粘度は低下し、フィルムとの摺動摩擦力を低減させるよう働く。したがって、非画像部に対応する発熱体の温度が低いとき、非画像部に対応する領域に塗布されているグリスの粘度は、非画像部に対応する発熱体の温度が高いときよりも大きくなる。そのとき、非画像部に対応する領域ではフィルムとの摺動摩擦力は大きくなるため、フィルム全体の回転トルクとしても大きくなる。つまり、発熱体の目標温度を低く設定するほど、フィルムの回転トルクは大きくなり、フィルムの回転不良を発生させる可能性がある。そのため、特許文献1や特許文献2に記載の方法を用いるときには、発熱体の目標温度はフィルムの回転不良を発生させない温度に設定される。
本発明の目的は、上記のような画像部を選択的に加熱する像加熱装置において、より省電力性に優れた像加熱装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の像加熱装置は、
内面に潤滑剤が塗布されている筒状のフィルムと、
前記フィルムの内部空間に配置されているヒータであって、記録材の搬送方向と直交する方向である前記ヒータの長手方向に並ぶ複数の発熱体を有するヒータと、
前記フィルムの外面に接触しており、前記ヒータと共に前記フィルムを挟み込み、前記フィルムとの間に記録材を挟持搬送するニップ部を形成するローラと、
前記複数の発熱体へ供給する電力を個々に制御可能な制御部と、
を備え、
前記ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ、記録材に形成された画像を前記ヒータの熱によって加熱する像加熱装置において、
前記制御部は、
前記ニップ部で記録材を加熱する期間中、記録材上の画像がない領域も加熱するように前記複数の発熱体に電力を供給し、
前記ヒータの長手方向における前記画像がない領域の長さが長いほど、記録材が前記ニップ部を通過する時の前記画像がない領域に対応する前記発熱体の目標温度を高い温度に設定することを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の像加熱装置は、
内面に潤滑剤が塗布されている筒状のフィルムと、
前記フィルムの内部空間に配置されているヒータであって、記録材の搬送方向と直交する方向である前記ヒータの長手方向に並ぶ複数の発熱体を有するヒータと、
前記フィルムの外面に接触しており、前記ヒータと共に前記フィルムを挟み込み、前記フィルムとの間に記録材を挟持搬送するニップ部を形成するローラと、
前記複数の発熱体へ供給する電力を個々に制御可能な制御部と、
を備え、
前記ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ、記録材に形成された画像を前記ヒータの熱に
よって加熱する像加熱装置において、
前記制御部は、
記録材を加熱する期間中、記録材が通過しない領域も加熱するように前記複数の発熱体に電力を供給し、
前記ヒータの長手方向における前記記録材が通過しない領域の長さが長いほど、記録材が前記ニップ部を通過する時の前記記録材が通過しない領域に対応する前記発熱体の目標温度を高い温度に設定することを特徴とする。
本発明によれば、上記のような画像部を選択的に加熱する像加熱装置において、より省電力性に優れた像加熱装置を提供することができる。
本発明の実施例に係る画像形成装置の概略断面図 実施例1の像加熱装置の概略断面図 実施例1のヒータの構成図 実施例1のヒータの制御回路図 実施例1の加熱領域A1~A7を示す図 実施例1の画像P1と非画像加熱部PPを示す図 実施例1の目標温度決定シーケンスを示すフローチャート 実施例1の非画像加熱部の長さと目標温度の関係図 目標温度と定着フィルムの回転トルクの関係を示す図 隣接加熱部PPBと非隣接加熱部PPUを示す図 実施例2の記録材Pと非通紙加熱部ANを示す図 実施例2の目標温度決定シーケンスを示すフローチャート 実施例3の記録材Pと画像P1と非通紙加熱部ANを示す図 実施例3の目標温度決定シーケンスを示すフローチャート
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
[実施例1]
1.画像形成装置の構成
図1は、本発明の実施例に係る画像形成装置の概略断面図である。本発明が適用可能な画像形成装置としては、電子写真方式や静電記録方式を利用した複写機、プリンタなどが挙げられ、ここでは電子写真方式を利用して記録材P上に画像を形成するレーザプリンタに適用した場合について説明する。
画像形成装置100は、ビデオコントローラ120と制御部113を備える。ビデオコントローラ120は、記録材に形成される画像の情報を取得する取得部として、パーソナルコンピュータ等の外部装置から送信される画像情報及びプリント指示を受信して処理するものである。制御部113は、ビデオコントローラ120と接続されており、ビデオコントローラ120からの指示に応じて画像形成装置100を構成する各部を制御するものである。ビデオコントローラ120が外部装置からプリント指示をうけると、以下の動作で画像形成が実行される。
プリント信号が発生すると、画像情報に応じて変調されたレーザ光をスキャナユニット21が出射し、帯電ローラ16によって所定の極性に帯電された感光ドラム19表面を走査する。これにより感光ドラム19には静電潜像が形成される。この静電潜像に対して現像ローラ17からトナーが供給されることで、感光ドラム19上の静電潜像は、トナー画像(トナー像)として現像される。一方、給紙カセット11に積載された記録材(記録紙)Pはピックアップローラ12によって一枚ずつ給紙され、搬送ローラ対13によってレジストローラ対14に向けて搬送される。さらに、記録材Pは、感光ドラム19上のトナー画像が感光ドラム19と転写ローラ20で形成される転写位置に到達するタイミングに合わせて、レジストローラ対14から転写位置へ搬送される。記録材Pが転写位置を通過する過程で感光ドラム19上のトナー画像は記録材Pに転写される。その後、記録材Pは定着部(像加熱部)としての定着装置200で加熱され、トナー画像が記録材Pに加熱定着される。定着済みのトナー画像を担持する記録材Pは、搬送ローラ対26、27によって画像形成装置100上部のトレイに排出される。ドラムクリーナ18は感光ドラム19に残存するトナーを清掃する。記録材Pのサイズに応じて幅調整可能な一対の記録材規制板を有する給紙トレイ28(手差しトレイ)は、定型サイズ以外のサイズの記録材Pにも対応するために設けられている。ピックアップローラ29は、給紙トレイ28から記録材Pを給紙する。画像形成装置本体100は、定着装置200等を駆動するモータ30を有する。商用の交流電源401に接続されたヒータ駆動手段、通電制御部としての制御回路400は、定着装置200へ電力供給を行う。上述した、感光ドラム19、帯電ローラ16、スキャナユニット21、現像ローラ17、転写ローラ20が、記録材Pに未定着画像を形成する画像形成部を構成している。また、本実施例では、感光ドラム19、帯電ローラ16、現像ローラ17を含む現像ユニット、ドラムクリーナ18を含むクリーニングユニットが、プロセスカートリッジ15として画像形成装置100の装置本体に対して着脱可能に構成されている。
本実施例の画像形成装置100は、記録材の搬送方向と直交する長手方向における最大通紙幅が216mmであり、記録材の搬送速度は300mm/secである。
2.像加熱装置の構成
図2は、本実施例の像加熱装置としての定着装置200の概略断面図である。定着装置200は、エンドレスベルトとしての定着フィルム202と、定着フィルム202の内面に接触するヒータ300と、定着フィルム202の外面に接触しヒータ300と共に定着ニップ部Nを形成する加圧ローラ208と、金属ステー204と、を有する。
定着フィルム202は、筒状に形成された複層耐熱フィルムであり、ポリイミド等の耐熱樹脂、またはステンレス等の金属を基層としている。また、定着フィルム202の表面には、トナーの付着防止や記録材Pとの分離性を確保するため、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等の離型性にすぐれた耐熱樹脂を被覆して離型層を形成してある。さらに、画質向上のため、上記基層と離型層の間にシリコーンゴム等の耐熱ゴムを弾性層として形成してもよい。
加圧ローラ208は、鉄やアルミニウム等の材質の芯金209と、シリコーンゴム等の材質の弾性層210を有する。
ヒータ300は、耐熱樹脂製のヒータ保持部材201に保持されており、定着ニップ部N内に設けられた加熱領域A~A(詳細は後述する)を加熱することで、定着フィルム202を加熱する。ヒータ保持部材201は定着フィルム202の回転を案内するガイド機能も有している。ヒータ300には、定着ニップ部Nの反対側に電極Eが設けられており、電気接点Cより電極Eに給電を行っている。金属ステー204は、不図示の加圧力を受けて、ヒータ保持部材201を加圧ローラ208向けて押圧する。また、ヒータ300の異常発熱により作動してヒータ300に供給する電力を遮断するサーモスイッチや温度ヒューズ等の安全素子212が、ヒータ300に対してヒータ保持部材201を介して配置されている。
加圧ローラ208は、図1に示したモータ30から動力を受けて矢印R1方向に回転する。加圧ローラ208が回転することによって、定着フィルム202が従動して矢印R2方向に回転する。定着ニップ部Nにおいて記録材Pを挟持搬送しつつ定着フィルム202の熱を与えることで、記録材P上の未定着トナー画像は定着処理される。また、定着フィルム202の摺動性を確保し安定した従動回転状態を得るために、ヒータ300と定着フィルム202の間には、潤滑剤として、グリスGを介在させている。本実施例では、グリスGとして、東レ・ダウコーニング社製HP300を使用し、ヒータ300における定着フィルム202内面との接触面に塗布している。
3.ヒータの構成
図3を用いて、本実施例に係るヒータ300の構成を説明する。図3(A)はヒータ300の断面図、図3(B)はヒータ300の各層の平面図、図3(C)はヒータ300への電気接点Cの接続方法を説明する図である。
図3(B)には、本実施例の画像形成装置100における記録材Pの搬送基準位置Xを示してある。本実施例における搬送基準は中央基準となっており、記録材Pはその搬送方向に直交する方向における中心線が搬送基準位置Xを沿うように搬送される。また、図3(A)は、搬送基準位置Xにおけるヒータ300の断面図となっている。
ヒータ300は、セラミックス製の基板305と、基板305上に設けられた裏面層1と、裏面層1を覆う裏面層2と、基板305上の裏面層1とは反対側の面に設けられた摺動面層1と、摺動面層1を覆う摺動面層2と、より構成される。
裏面層1は、ヒータ300の長手方向に沿って設けられている導電体301(301a、301b)を有する。導電体301は、導電体301aと導電体301bに分離されており、導電体301bは、導電体301aに対して記録材Pの搬送方向の下流側に配置さ
れている。また、裏面層1は、導電体301a、301bに平行して設けられた導電体303(303-1~303-7)を有する。導電体303は、導電体301aと導電体301bの間にヒータ300の長手方向に沿って設けられている。
さらに、裏面層1は、通電により発熱する発熱抵抗体である、発熱体302a(302a-1~302a-7)と発熱体302b(302b-1~302b-7)を有する。発熱体302aは、導電体301aと導電体303の間に設けられており、導電体301aと導電体303を介して電力を供給することにより発熱する。発熱体302bは、導電体301bと導電体303の間に設けられており、導電体301bと導電体303を介して電力を供給することにより発熱する。
導電体301と導電体303と発熱体302aと発熱体302bとから構成される発熱部位は、ヒータ300の長手方向に対し7つの発熱ブロック(HB1~HB7)に分割されている。すなわち、発熱体302aは、ヒータ300の長手方向に対し、発熱体302a-1~302a-7の7つの領域に分割されている。また、発熱体302bは、ヒータ300の長手方向に対し、発熱体302b-1~302b-7の7つの領域に分割されている。さらに、導電体303は、発熱体302a、302bの分割位置に合わせて、導電体303-1~303-7の7つの領域に分割されている。7つの発熱ブロック(HB1~HB7)は、各ブロックにおける発熱抵抗体へ供給する電力が個別に制御されることで、それぞれの発熱量が個別に制御される。これにより、定着ニップ部Nにおいて長手方向に複数分割して形成される加熱領域A~Aが個別に加熱される。
本実施例の発熱範囲は、発熱ブロックHB1の図中左端から発熱ブロックHB7の図中右端までの範囲であり、その全長は219.8mmである。また、各発熱ブロックの長手方向長さは、すべて同じ31.4mmとしているが、長さを異ならせても構わない。
また、裏面層1は、電極E(E1~E7、およびE8-1、E8-2)を有する。電極E1~E7は、それぞれ導電体303-1~303-7の領域内に設けられており、導電体303-1~303-7を介して発熱ブロックHB1~HB7それぞれに電力供給するための電極である。電極E8-1、E8-2は、ヒータ300の長手方向端部に導電体301に接続するよう設けられており、導電体301を介して発熱ブロックHB1~HB7に電力供給するための電極である。本実施例ではヒータ300の長手方向両端に電極E8-1、E8-2を設けているが、例えば、電極E8-1のみを片側に設ける構成でも構わない。また、導電体301a、301bに対し共通の電極で電力供給を行っているが、導電体301aと導電体301bそれぞれに個別の電極を設け、それぞれ電力供給を行っても構わない。
裏面層2は、絶縁性を有する表面保護層307より構成(本実施例ではガラス)されており、導電体301、導電体303、発熱体302a、302bを覆っている。また、表面保護層307は、電極Eの箇所を除いて形成されており、電極Eに対して、ヒータの裏面層2側から電気接点Cを接続可能な構成となっている。
摺動面層1は、基板305において裏面層1が設けられる面とは反対側の面に設けられており、各発熱ブロックHB1~HB7の温度を検知する検知手段としてサーミスタTH(TH1-1~TH1-4、およびTH2-5~TH2-7)を有している。サーミスタTHは、PTC特性、若しくはNTC特性を有した材料から成り、その抵抗値を検出することにより、全ての発熱ブロックの温度を検知できる。
また、摺動面層1は、サーミスタTHに通電しその抵抗値を検出するため、導電体ET(ET1-1~ET1-4、およびET2-5~ET2-7)と導電体EG(EG1、E
G2)とを有している。導電体ET-1~ET-4は、それぞれサーミスタTH1-1~TH1-4に接続されている。導電体ET2-5~ET2-7は、それぞれサーミスタTH2-5~TH2-7に接続されている。導電体EG1は、4つのサーミスタTH1-1~TH1-4に接続され、共通の導電経路を形成している。導電体EG2は、3つのサーミスタTH2-5~TH2-7に接続され、共通の導電経路を形成している。導電体ETおよび導電体EGは、それぞれヒータ300の長手に沿って長手端部まで形成され、ヒータ長手端部において不図示の電気接点を介して制御回路400と接続されている。
摺動面層2は、摺動性と絶縁性を有する表面保護層308より構成(本実施例ではガラス)されており、サーミスタTH、導電体ET、導電体EGを覆うとともに、定着フィルム202内面との摺動性を確保している。また、表面保護層308は、導電体ETおよび導電体EGに対して電気接点を設けるために、ヒータ300の長手両端部を除いて形成されている。
続いて、各電極Eへの電気接点Cの接続方法を説明する。図3(C)は、各電極Eへ電気接点Cを接続した様子をヒータ保持部材201側から見た平面図である。ヒータ保持部材201には、電極E(E1~E7、およびE8-1、E8-2)に対応する位置に貫通孔が設けられている。各貫通孔位置において、電気接点C(C1~C7、およびC8-1、C8-2)が、電極E(E1~E7、およびE8-1、E8-2)に対して、バネによる付勢や溶接などの手法によって電気的に接続されている。電気接点Cは、金属ステー204とヒータ保持部材201の間に設けられた不図示の導電材料を介して、後述するヒータ300の制御回路400と接続されている。
4.ヒータ制御回路の構成
図4は、実施例1のヒータ300の制御回路400の回路図を示す。画像形成装置100には、商用の交流電源401が接続されている。ヒータ300の電力制御は、トライアック411~トライアック417の通電/遮断により行われる。トライアック411~417は、それぞれ、CPU420からのFUSER1~FUSER7信号に従って動作する。トライアック411~417の駆動回路は省略して示してある。ヒータ300の制御回路400は、7つのトライアック411~417によって、7つの発熱ブロックHB1~HB7を個々に独立制御可能な回路構成となっている。ゼロクロス検知部421は、交流電源401のゼロクロスを検知する回路であり、CPU420にZEROX信号を出力している。ZEROX信号は、トライアック411~417の位相制御や波数制御のタイミングの検出等に用いている。
ヒータ300の温度検知方法について説明する。ヒータ300の温度検知は、サーミスタTH(TH1-1~TH1-4、TH2-5~TH2-7)によって行われる。サ-ミスタTH1-1~TH1-4と抵抗451~454との分圧がTh1-1~Th1-4信号としてCPU420で検知されており、CPU420にてTh1-1~Th1-4信号を温度に変換している。同様に、サ-ミスタTH2-5~TH2-7と抵抗465~467との分圧が、Th2-5~Th2-7信号としてCPU420で検知されており、CPU420にてTh2-5~Th2-7信号を温度に変換している。
CPU420の内部処理では、後述する各発熱ブロックの目標温度(制御目標温度)と、サーミスタの検知温度に基づき、例えばPI制御(比例積分制御)により、供給するべき電力を算出している。さらに、供給する電力を、電力に対応した位相角(位相制御)や、波数(波数制御)の制御レベルに換算し、その制御条件によりトライアック411~417を制御している。CPU420は、本発明における制御部、取得部として、ヒータ300の温調制御にかかわる各種演算や通電制御等を実行する。
リレー430、リレー440は、故障などによりヒータ300が過昇温した場合、ヒータ300への電力遮断手段として用いている。
リレー430、リレー440の回路動作を説明する。RLON信号がHigh状態になると、トランジスタ433がON状態になり、電源電圧Vccからリレー430の2次側コイルに通電され、リレー430の1次側接点はON状態になる。RLON信号がLow状態になると、トランジスタ433がOFF状態になり、電源電圧Vccからリレー430の2次側コイルに流れる電流は遮断され、リレー430の1次側接点はOFF状態になる。同様に、RLON信号がHigh状態になると、トランジスタ443がON状態になり、電源電圧Vccからリレー440の2次側コイルに通電され、リレー440の1次側接点はON状態になる。RLON信号がLow状態になると、トランジスタ443がOFF状態になり、電源電圧Vccからリレー440の2次側コイルに流れる電流は遮断され、リレー440の1次側接点はOFF状態になる。なお、抵抗434、抵抗444は電流制限抵抗である。
リレー430、リレー440を用いた安全回路の動作について説明する。サーミスタTH1-1~TH1-4による検知温度の何れか1つが、それぞれ設定された所定値を超えた場合、比較部431はラッチ部432を動作させ、ラッチ部432はRLOFF1信号をLow状態でラッチする。RLOFF1信号がLow状態になると、CPU420がRLON信号をHigh状態にしても、トランジスタ433がOFF状態で保たれるため、リレー430はOFF状態(安全な状態)で保つことができる。尚、ラッチ部432は非ラッチ状態において、RLOFF1信号をオープン状態の出力にしている。同様に、サーミスタTH2-5~TH2-7による検知温度の何れか1つが、それぞれ設定された所定値を超えた場合、比較部441はラッチ部442を動作させ、ラッチ部442はRLOFF2信号をLow状態でラッチする。RLOFF2信号がLow状態になると、CPU420がRLON信号をHigh状態にしても、トランジスタ443がOFF状態で保たれるため、リレー440はOFF状態(安全な状態)で保つことができる。同様に、ラッチ部442は非ラッチ状態において、RLOFF2信号をオープン状態の出力にしている。
5.画像情報に応じたヒータ制御方法
本実施例の画像形成装置では、ホストコンピュータ等の外部装置(不図示)から送信される画像データ(画像情報)、及び記録材Pをプリントする際の加熱モードに応じて、ヒータ300の7つの発熱ブロックHB1~HB7への電力供給を制御する。
図5は、本実施例における、長手方向に分割された7つの加熱領域A~Aを示す図であり、LETTERサイズ紙の大きさと対比して表示している。加熱領域A~Aは、発熱ブロックHB1~HB7に対応しており、例えば、発熱ブロックHB1により加熱領域Aが加熱され、発熱ブロックHB7により加熱領域Aが加熱される構成となっている。本実施例において加熱領域A~Aの全長は219.8mmであり、各加熱領域はこれを均等に7分割したものである(L=31.4mm)。
図6を用い、画像に対する画像加熱部PR、非画像加熱部PP、及び非画像加熱部PPの長手方向の合計長さLpについて説明する。
図6(a)は画像P1が加熱領域A~Aに形成される場合の、画像P1に対する画像加熱部PR、非画像加熱部PP、及び非画像加熱部PPの長手方向の合計長さLpを示す図である。図6(b)は画像P1が加熱領域AとAに分かれて形成される場合の、画像加熱部PR、非画像加熱部PP、及び非画像加熱部PPの長手方向の合計長さLpを示す図である。
ここでは、記録材P(網掛け部)はLTRサイズの紙の場合を図示している。画像加熱部PRとは、各加熱領域において画像データがある部分を加熱する区間、すなわち、各加熱領域のうち記録材Pに形成された画像が通過する加熱領域であり、図中の画像P1(グ
レートーン部)に対して重複している太枠で示す。また、加熱領域において画像加熱部PRを除いた区間、すなわち、各加熱領域のうち記録材Pに形成された画像が通過しない加熱領域を、非画像加熱部PPとし、破線の太枠で示す。図6(a)において、画像P1は、加熱領域A~Aに形成されており、加熱領域A~Aは、全域が画像加熱部PRとなる。加熱領域A~A、及びA~Aは、搬送方向の全域にわたって画像が形成されていないため、全域が非画像加熱部PPとなる。加熱領域A、A、A、Aの幅を夫々Lp1、Lp2、Lp6、Lp7とすると、Lp=Lp1+Lp2+Lp6+Lp7である。
一方、図6(b)において、画像P1は加熱領域AとAに形成されており、加熱領域AとAが画像加熱部PRとなる。加熱領域Aの幅をLp4とすると、Lp=Lp1+Lp2+Lp4+Lp6+Lp7である。
本実施例におけるヒータ制御の流れについて説明する。
まず、ビデオコントローラ120は、ホストコンピュータから受け取った画像情報から、画像加熱部PRと非画像加熱部PPの範囲を算出し、決定する。制御部113は、画像加熱部PRが定着ニップ部Nを通過したときに、未定着トナー像が記録材P上に定着するように各発熱ブロックの温度を制御する。この画像加熱部の制御目標温度Tは、本実施例では、普通紙モード時は180℃に設定されている。また、非画像加熱部PPが定着ニップ部Nを通過するときの非画像加熱部PPに対応する各発熱ブロックの制御目標温度(非画像加熱部の制御目標温度)は、目標温度Tより低い温度である目標温度Tpに設定される。すなわち、ニップ部で記録材Pを加熱する期間中において、記録材上の画像がない領域も加熱される。そして、目標温度Tpは、定着ニップ部を通過している非画像加熱部PPのヒータ長手方向の合計長さLpに応じて設定される。
図7に目標温度Tpの決定シーケンスを示す。
図8は、非画像加熱部PPの合計長さLpと目標温度Tpの関係を示した模式図である。横軸は非画像加熱部PPの合計長さLp、縦軸は目標温度Tpである。合計長さLpが157mmより大きいとき、目標温度Tpを最も高い温度であるTに設定する(S101、S104-1)。合計長さLpが94.2mmより大きく、157mm以下のとき、目標温度TpをTより低い温度であるTに設定する(S102、S104-2)。合計長さLpが31.4mmより大きく、94.2mm以下のとき、目標温度TpをTより低い温度であるTに設定する(S103、S104-3)。合計長さLpが31.4mm以下のとき、目標温度Tpを最も低い温度であるTに設定する(S104-4)。上記のように、合計長さLpが短いほど、目標温度Tpは小さくなるように設定される。目標温度Tpとして設定されるT~Tは後述の条件を満たす値であり、本実施例ではTは140℃、Tは135℃、Tは127℃、Tは107℃に設定している。
定着フィルムの回転トルクがMsより大きくなると、定着フィルムの回転不良による記録材の搬送不良が発生する。目標温度Tpとして設定されるT~Tは、定着フィルムの回転トルクがMs以下になるという条件を満たす温度とした。定着フィルムの回転トルクは、定着フィルムと、フィルムガイドやヒータと、の摩擦力を表している。そして、その摩擦力の中でも、定着ニップ部に対応する位置での定着フィルムとヒータとの間の摩擦力が最も支配的であり、定着フィルムの回転トルクは、定着ニップ部における定着フィルムとヒータとの間の摩擦力と比例する。
定着ニップ部における定着フィルムとヒータの摩擦力は、定着フィルムとヒータの間に介在するグリスの粘度に依存する。グリスの粘度が大きいほど、定着フィルムとヒータとの単位面積当たりの摺動摩擦力が大きくなるため、定着ニップ部における定着フィルムとヒータの摩擦力は大きくなる。
また、グリスの粘度はグリスの温度に依存する。グリスの温度が低いほど、グリスの粘度は大きくなる。ヒータ長手方向の、ある位置におけるグリスの温度は、その位置に対応する発熱ブロックの温度に依存する。その位置での発熱ブロックが加熱する領域を非画像加熱部PPが通過する場合、その発熱ブロックは目標温度Tよりも低い目標温度Tpで温調される。そのため、非画像加熱部PPが通過する場合のほうが、画像加熱部PRが通過する場合よりも、グリスの粘度は大きくなる。よって、非画像加熱部PPが通過する場合のほうが、画像加熱部PRが通過する場合よりも、定着ニップ部における定着フィルムとヒータの摩擦力は大きく、定着フィルムの回転トルクは大きくなる。
図9は、本実施例における、長さLpが異なる4つのケースにおける、目標温度Tpと定着フィルムの回転トルクの関係を示す模式図である。図9に示すように、加熱領域全域が非画像加熱部PPであるとき、つまりLp=219.8mmとなるときに、定着フィルムの回転トルクをMs以下にするためには、目標温度Tpは140℃以上を設定する必要がある。そこで、本実施例では、長さLpが157mmより大きいときの、非画像加熱部PPに対応する発熱ブロックの目標温度である温度Tとして、140℃を設定している。
非画像加熱部PPが減少すると、減少した分は画像加熱部PRに置き換わる。置き換わった領域では、目標温度Tpより高い目標温度Tで温調されるため、その領域のグリスの粘度は低下し、定着フィルムとヒータの摩擦力は小さくなる。定着フィルムとヒータの摩擦力は小さくなる分、目標温度Tpをある程度下げて、非画像加熱部PPに対応する領域のグリスの粘度を大きくしても、定着フィルムの回転トルクをMs以下に保つことができる。すなわち、複数の加熱領域のなかで画像加熱部PRが占める割合が大きくなるほど、非画像加熱部PPに対応する発熱ブロックの目標温度Tpを低い温度に設定しても、定着フィルムの回転トルクが所定の大きさを超えないように構成することができる。
図9に示すように、本実施例では、長さLpが157mm以下になるまで減少すると、目標温度Tpを135℃まで下げても、定着フィルムの回転トルクをMs以下であり、定着フィルムの回転不良は発生しない。よって、長さLpが157mm以下での目標温度である温度Tとして135℃を設定している。
同様に、長さLpが94.2mm以下の時の温度Tとして127℃を設定している。また、長さLpが31.4mm以下の時の温度Tとして107℃を設定している。
6.本実施例における作用効果
非画像加熱部PPの合計長さLANによらず、目標温度Tpを140℃という固定の値に設定する比較例1と、本実施例とを比較する。
表1に本実施例と比較例1の目標温度Tpを比較する表を示す。
(表1)
Figure 0007277230000001
表1に示すように、Lp≦157mmとなる条件では、比較例1に対し、本実施例は目標温度Tpを下げることができる。ヒータの発熱ブロックの温調温度が下げられることで、ヒータの発熱ブロックに供給する電力を抑えられるため、省電力化できる。
本実施例において、4つの非画像部領域PPの合計長さLpの範囲に対応する非画像加熱温度Tpの関係で説明を行なったが、この条件に限定するものではなく、定着フィルムの回転不良の発生条件を考慮して任意に設定可能である。
本実施例では、各加熱領域A~Aのヒータ長手方向の長さ(幅)は同じ大であるが、加熱領域毎に幅が異なる装置で本実施例のような目標温度の設定を行ってもよい。
本実施例は、非画像加熱部PPに対応する全ての発熱ブロックの目標温度Tpを同じ温度に設定している。しかしながら、非画像加熱部PPに対応する複数の発熱ブロック間で、異なる目標温度に設定してもよい。例えば、ヒータ長手方向における画像加熱部PRの端部は、隣に非画像加熱部PPが存在するので温度低下し易い。従って、隣に非画像加熱部PPが存在する画像加熱部PRに形成される画像は定着不良になる可能性が有る。そこで、非画像加熱部PPの中でも、画像加熱部PRに隣り合う非画像加熱部PPの目標温度Tpを、トナー画像の定着性を補助するために、他の非画像加熱部PPより高い温度に設定することが考えられる。すなわち、非画像加熱部PPのうち、画像加熱部PRと隣接する第1の非画像加熱部PPの目標温度を第1の目標温度に設定し、画像加熱部PRと隣接しない第2の非画像加熱部PPの目標温度を、第1の目標温度よりも低い第2の目標温度に設定する。このような場合、非画像加熱部PPに対応する複数の発熱ブロック全ての目標温度を、本実施例に倣って、非画像加熱部PPの長さLpに応じて設定する。更に、画像加熱部PRの隣に位置する非画像加熱部PPの目標温度のみ、その他の非画像加熱部PPの目標温度よりも所定値高く補正するというような設定方法を採用すればよい。こうすることで、定着フィルムの回転トルクをMs以下に抑えつつ、省電力化とトナー画像の良好な定着性を達成できる。
また、非画像加熱部PPに対応する発熱ブロックの目標温度の平均値を目標温度Tpとして扱ってもよい。ここで用いる非画像加熱部PPに対応する発熱ブロックの目標温度の平均値について、下記で詳細に説明する。
非画像加熱部PPの中でも、画像加熱部PRに隣り合う加熱領域を、隣り合う加熱領域以外の非画像加熱部より高い温度で制御する例を説明する。非画像加熱部PPの中でも、画像加熱部PPに隣り合う加熱領域を隣接加熱部PPBとし、隣接加熱部PPB以外の非画像加熱部である加熱領域、すなわち、画像加熱部PPに隣り合わない加熱領域を非隣接加熱部PPUとする。
図10は、記録材P上に形成される画像P1、及び画像P1に対する画像加熱部PR、隣接加熱部PPB、非隣接加熱部PPUを示す図である。隣接加熱部PPBの合計長さをLpb(=Lp2+Lp6)、非隣接加熱部PPUの合計長さをLpu(=Lp1+Lp7)と示す。非画像加熱部PPの合計長さLpはLpb+Lpuとなる。図10において、隣接加熱部PPBに対応する発熱ブロックはA、Aであり、発熱ブロックA、Aは目標温度Tpbで制御する。非隣接加熱部PPUに対応する発熱ブロックはA、Aであり、発熱ブロックA、Aは、目標温度Tpbより低い目標温度Tpuで制御する。
非画像加熱部PPに対応する発熱ブロックの目標温度の平均値Tavは、隣接加熱部PPB、非隣接加熱部PPUそれぞれの発熱ブロックの目標温度と合計長さの積の和を、隣接加熱部PPBと非隣接加熱部PPUの合計長さの和で割ったものである。すなわち、平均値Tavは以下の式で表すことができる。
Tav=(Lpb・Tpb+Lpu・Tpu)/(Lpb+Lpu)
このように算出される非画像加熱部PPに対応する発熱ブロックの目標温度の平均値Tavが合計長さLpに応じて変わるように、目標温度Tpu及び目標温度Tpbを設定する。こうすることで、定着フィルムの回転トルクをMs以下に抑えつつ、省電力化とトナー画像の良好な定着性を達成できる。
[実施例2]
続いて、本発明の実施例2について説明する。実施例2の画像形成装置および像加熱装置の基本的な構成および動作は、実施例1のものと同じである。従って、実施例1と同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
実施例2では、実施例1とは異なり、画像情報ではなく紙サイズ情報に応じたヒータ制御を行うことを特徴とする。以下では、本実施例のヒータ制御方法について説明する。
本実施例の画像形成装置では、外部装置から送信される紙サイズ情報に応じて、ヒータ300の7つの発熱ブロックHB1~HB7への電力供給を制御する。
図11は、本実施例において記録材P、及び記録材Pに対する通紙加熱部APを示す図である。ここでは、記録材PはA5サイズの紙の場合を図示している。通紙加熱部APは、各加熱領域において記録材Pを加熱する区間、すなわち、複数の加熱領域のうち記録材が通過する加熱領域であり、図中の記録材P(網掛け部)に対して重複している太枠で示す。また、加熱領域において通紙加熱部APを除いた区間、すなわち、複数の加熱領域のうち記録材が通過しない加熱領域を非通紙加熱部ANとし、破線の太枠で示す。記録材Pは、加熱領域A~Aを通過し、加熱領域A~Aは、全域が通紙加熱部APとなる。加熱領域A、Aは、ヒータ長手方向における全域にわたって記録材Pが通紙されないため、全域が非通紙加熱部ANとなる。
ビデオコントローラ120は、ホストコンピュータから受け取った紙サイズ情報から、通紙加熱部APと非通紙加熱部ANの範囲を算出し、決定する。制御部113は、通紙加熱部APが定着ニップ部Nを通過したときに、未定着トナー像が記録材P上に定着するように各発熱ブロックの温度を制御する。この通紙加熱部の目標温度TAPは、本実施例では、普通紙モード時は180℃に設定されている。また、非通紙加熱部ANの目標温度TANは、目標温度TAPより低い温度に設定されている。そして、目標温度TANは、非通紙加熱部ANの合計長さLAN(=Lp1+Lp7)に応じて設定される。
図12に本実施例の目標温度TANの決定シーケンスを示す。
合計長さLANが157mmより大きいとき、目標温度TANを130℃に設定する(S201、S204-1)。合計長さLANが94.2mmより大きく、157mm以下のとき、目標温度TANを125℃に設定する(S202、S204-2)。合計長さLANが31.4mmより大きく、94.2mm以下のとき、目標温度TANを117℃に設定する(S203、S204-3)。合計長さLANが31.4mm以下のとき、目標温度TANを97℃に設定する(S204-4)。
なお、実施例2の目標温度TANは、実施例1の目標温度Tpよりも下げることができる。
非通紙加熱部ANに対応する位置では記録材Pが存在しないため、記録材Pによる吸熱が行われない。そのため、非通紙加熱部ANに対応する発熱ブロックを、通紙位置にある非画像加熱部PPに対応する発熱ブロックよりも低い温度に設定しても、非通紙加熱部AN位置におけるグリスの温度を、非画像加熱部PP位置におけるグリスの温度と同等にで
きる。
非通紙加熱部ANの合計長さLANによらず、目標温度TANを130℃という固定の値に設定する比較例2と、本実施例とを比較する。表2に本実施例と比較例2の非通紙加熱温度TANの目標温度を比較する表を示す。
(表2)
Figure 0007277230000002
表2に示すように、LAN≦157mmとなる条件では、比較例2に対し、本実施例は目標温度TANを下げることができ、省電力化できる。
[実施例3]
続いて、本発明の実施例3について説明する。実施例3の画像形成装置および像加熱装置の基本的な構成および動作は、実施例1のものと同じである。実施例1と同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
実施例3では、画像情報と紙サイズ情報の両方に応じたヒータ制御を行うことを特徴とする。以下では、本実施例のヒータ制御方法について説明する。
本実施例の画像形成装置では、外部装置から送信される画像情報と紙サイズ情報に応じて、ヒータ300の7つの発熱ブロックHB1~HB7への電力供給を制御する。
図13は、本実施例において記録材P、画像P1、及び記録材Pに対する通紙非画像加熱部APPと画像P1に対する画像加熱部PRを示す図である。ここでは、記録材PはA5サイズの紙の場合を図示している。画像P1は加熱領域A、Aに跨って形成されている。画像加熱部PRを、図中の画像P1(グレートーン部)に対して重複している太枠で示す。本実施例における通紙非画像加熱部APPは、各加熱領域において記録材Pを加熱する区間であるが、画像データが形成されない部分を加熱する区間である。すなわち、通紙非画像加熱部APPは、複数の加熱領域のうち記録材は通過するが記録材に形成された画像が通過しない加熱領域である。通紙非画像加熱部APPを、図中の記録材P(網掛け部)のみが重複している太枠で示す。また、加熱領域において各加熱領域において記録材Pを加熱しない区間を非通紙加熱部ANとし、破線の太枠で示す。本実施例において、非画像加熱部PPは、非通紙加熱部ANと通紙非画像加熱部APPとを合わせた区間となる。加熱領域A、Aは、全域にわたって記録材Pが通紙されないため、全域が非通紙加熱部ANとなる。加熱領域A、A、Aは、全域にわたって記録材Pが通紙されるため、全域が通紙非画像加熱部APPとなる。加熱領域A、Aは、全域が画像加熱部PRとなる。
本実施例において、画像加熱部PRの目標温度Tは、普通紙モード時は180℃に設定されている。
本実施例において、非画像加熱部PPの目標温度は、通紙非画像加熱部APPの目標温度TAPと、非通紙加熱部ANの目標温度TANと、に分けられる。目標温度TAPと目
標温度TANは、定着ニップ部を通過している非画像加熱部PPの合計長さLpに応じて設定される。
図14に本実施例の目標温度TAP及びTANの決定シーケンスを示す。非画像加熱部PPの合計長さLpに応じて、目標温度TAPと目標温度TANは以下のように設定される。合計長さLpが157mmより大きいとき、目標温度TAPを140℃、目標温度TANを130℃に設定する(S301、S304-1)。合計長さLpが94.2mmより大きく、157mm以下のとき、目標温度TAPを135℃、目標温度TANを125℃に設定する(S302、S304-2)。合計長さLpが31.4mmより大きく、94.2mm以下のとき、目標温度TAPを127℃、目標温度TANを117℃に設定する(S303、S304-3)。合計長さLpが31.4mm以下のとき、目標温度TAPを107℃、目標温度TANを97℃に設定する(S304-4)。
非画像加熱部PPの合計長さLpによらず、目標温度TAPを140℃、目標温度TANを130℃に設定する比較例3と、本実施例とを比較する。表3に本実施例と比較例3の各目標温度TAP、TANを比較する表を示す。
(表3)
Figure 0007277230000003
表3に示すように、Lp≦157mmとなる条件では、比較例3に対し、目標温度TAPと温度TANを下げることができ、省電力化できる。
上記各実施例は、それぞれの構成を可能な限り互いに組み合わせることができる。
200…像加熱装置、300…ヒータ、400…ヒータ制御回路、A1~A7…加熱領域、P…記録材、P1…画像、PR…画像加熱部、PP…非画像加熱部、T0…画像加熱温度、Tp…非画像加熱温度

Claims (6)

  1. 内面に潤滑剤が塗布されている筒状のフィルムと、
    前記フィルムの内部空間に配置されているヒータであって、記録材の搬送方向と直交する方向である前記ヒータの長手方向に並ぶ複数の発熱体を有するヒータと、
    前記フィルムの外面に接触しており、前記ヒータと共に前記フィルムを挟み込み、前記フィルムとの間に記録材を挟持搬送するニップ部を形成するローラと、
    前記複数の発熱体へ供給する電力を個々に制御可能な制御部と、
    を備え、
    前記ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ、記録材に形成された画像を前記ヒータの熱によって加熱する像加熱装置において、
    前記制御部は、
    前記ニップ部で記録材を加熱する期間中、記録材上の画像がない領域も加熱するように前記複数の発熱体に電力を供給し、
    前記ヒータの長手方向における前記画像がない領域の長さが長いほど、記録材が前記ニップ部を通過する時の前記画像がない領域に対応する前記発熱体の目標温度を高い温度に設定することを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記制御部は、前記長手方向における前記画像がない領域のうち、前記画像がある領域の隣の領域の前記目標温度は前記画像がある領域から離れた領域の前記目標温度よりも高く設定することを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 前記制御部は、前記画像がある領域から離れた領域の前記目標温度を、前記画像がない領域の長さが短いほど低い温度に設定することを特徴とする請求項に記載の像加熱装置。
  4. 前記制御部は、複数の前記画像がない領域の前記目標温度の平均の温度を、前記画像がない領域の長さが短いほど低い温度に設定することを特徴とする請求項に記載の像加熱装置。
  5. 前記制御部は、前記ヒータの長手方向における画像がある領域の割合が大きくなるほど
    、前記画像がない領域に対応する前記発熱体の前記目標温度を低い温度に設定することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  6. 内面に潤滑剤が塗布されている筒状のフィルムと、
    前記フィルムの内部空間に配置されているヒータであって、記録材の搬送方向と直交する方向である前記ヒータの長手方向に並ぶ複数の発熱体を有するヒータと、
    前記フィルムの外面に接触しており、前記ヒータと共に前記フィルムを挟み込み、前記フィルムとの間に記録材を挟持搬送するニップ部を形成するローラと、
    前記複数の発熱体へ供給する電力を個々に制御可能な制御部と、
    を備え、
    前記ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ、記録材に形成された画像を前記ヒータの熱によって加熱する像加熱装置において、
    前記制御部は、
    記録材を加熱する期間中、記録材が通過しない領域も加熱するように前記複数の発熱体に電力を供給し、
    前記ヒータの長手方向における前記記録材が通過しない領域の長さが長いほど、記録材が前記ニップ部を通過する時の前記記録材が通過しない領域に対応する前記発熱体の目標温度を高い温度に設定することを特徴とする像加熱装置。
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