JPH08129313A - 加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

加熱装置及び画像形成装置

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JPH08129313A
JPH08129313A JP29211794A JP29211794A JPH08129313A JP H08129313 A JPH08129313 A JP H08129313A JP 29211794 A JP29211794 A JP 29211794A JP 29211794 A JP29211794 A JP 29211794A JP H08129313 A JPH08129313 A JP H08129313A
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heating
fixing roller
image
fixing
roller
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JP29211794A
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English (en)
Inventor
Satoru Izawa
悟 伊澤
Koichi Tanigawa
耕一 谷川
Masahiro Goto
正弘 後藤
Toshio Miyamoto
敏男 宮本
Tatsuichi Tsukida
辰一 月田
Hiroko Ogama
裕子 大釜
Yozo Hotta
陽三 堀田
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被加熱材Pを加熱用回転体10とこれに圧接
させた加圧部材20とがなすニップ部Nを通過させるこ
とにより加熱する加熱装置6として、ウォームアップ時
間の短縮が可能である、加熱用回転体の表面温度変動の
リップルを小さくできる、ニップ部長手方向各部の圧接
力を均一化できる、被加熱材のカールの発生を防止でき
る、高速化に適する等の利点を有する装置を提供する。 【構成】 加熱用回転体10を外部より加熱する加熱手
段15を具備し、該加熱用回転体10は内部に弾性体層
12を含み、その外部に厚さ10〜150μmの金属ス
リーブ13を設けたこと、加熱用回転体と加圧部材との
なすニップ部を略平坦にすべく、加圧部材の表面硬度を
加熱用回転体の表面硬度に比べ実質同等かもしくは高め
に設定したこと、加熱手段が、輻射加熱手段、もしくは
接触による直接加熱手段、もしくは交流磁場形成による
誘導加熱手段であること等。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被加熱材を加熱用回転
体とこれに圧接させた加圧部材とがなすニップ部を通過
させることにより加熱する加熱装置に関する。
【0002】また該加熱装置を画像加熱定着装置として
使用した画像形成装置に関する。
【0003】
【従来の技術】例えば、複写機・プリンタ・ファクシミ
リ等の画像形成装置において、電子写真方式・静電記録
方式・磁気記録方式等の適宜の作像プロセス機構により
被記録材(転写材・感光紙・静電記録紙・印刷紙等)に
転写方式(間接方式)或いは直接方式で目的の画像情報
に対応させて形成担持させた未定着トナー像を被記録材
面に加熱定着させるための加熱装置としての画像加熱定
着装置は熱ローラ方式の装置が広く用いられている。
【0004】図13にその熱ローラ方式の画像加熱定着
装置の概略構成を示した。
【0005】80は加熱用回転体としての定着ローラで
ある。該定着ローラ80のアルミニウム製の中空芯金8
2の内部には加熱手段としてのハロゲンランプ81を配
設させてあり、このハロゲンランプ81に対して不図示
の電源から通電して発熱させて、定着ローラ80を、中
空芯金82の内部から、被加熱材としての被記録材P
(以下、転写材と記す)上のトナー画像のトナーを融解
させるのに十分な温度に加熱する。
【0006】また転写材P上のトナーをオフセットする
ことなく、転写材上に定着するために、該定着ローラ8
0の中空芯金82の外側には離型性に優れた性能を示す
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオ
ロアルコキシテトラフルオロエチレン共重合体(PF
A)などの離型性層83が形成されている。
【0007】また定着ローラ80の表面にはサーミスタ
84が接触しており、定着ローラ表面の温度を検知し、
適度な温度で転写材上のトナー像を加熱するようにハロ
ゲンランプ81への給電をon/off制御する。
【0008】90は上記定着ローラ80に対する加圧部
材としての加圧ローラであり、定着ローラ80に対して
略並行に配列され、ローラ長手両端部において不図示の
加圧バネにより付勢されて定着ローラ80に対して圧接
した状態に保持されている。
【0009】この加圧ローラ90は、芯金91の外部に
シリコンゴムを形成した弾性層あるいはシリコンゴムを
発泡して成るスポンジ弾性層92、さらにその外層に定
着ローラ80と同様のPTFEあるいはPFAの離型性
層93を形成して成る。
【0010】よってこの加圧ローラ90の弾性により定
着ローラ80と加圧ローラ90の両ローラ間の圧接ニッ
プ部Nに十分なニップ幅を形成することができる。
【0011】回転させた定着ローラ80と加圧ローラ9
0のニップ部Nに未定着トナー像を担持させた転写材P
を画像面を定着ローラ80側にして導入して挟持搬送さ
せることで、定着ローラ80の熱によりトナー像が転写
材P面に永久画像として加熱定着される。
【0012】定着ローラ80の中空芯金82は、熱容量
をできるだけ小さく抑え、かつより高い熱伝導性を有し
ながらも機械的強度を満足させるために、20〜30m
mの外径で、肉厚1.5〜3mmを必要としていた。
【0013】さらに最外層を成す離型性層83は熱伝導
性が小さいため厚く形成することができず、通常30〜
50μの厚みで形成されていた。
【0014】また加圧ローラ90は、転写材Pの搬送中
にトナーが融解するのに十分なニップ幅を得るために3
5〜55°(ASKER−C、500g荷重時)程度の
ローラ表面硬度が必要となっていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例のような熱ローラ方式加熱装置としてのの画像加熱
定着装置の場合、定着ローラ80の中空芯金82の肉厚
をできるだけ小さくすることにより熱伝導性を高めるこ
とができる反面、熱容量が小さくなるために転写材Pを
通紙した場合には、転写材Pへの放熱により定着ローラ
80の表面の温度変動(リップル)が大きくなり、よっ
て転写材P上のトナー像の定着性にムラが生じてしまう
等の問題がある。さらに中空芯金82を肉厚1mm以下
の薄い金属にすることは、機械的強度および製造上の制
限から困難となっている。
【0016】このため定着ローラ80および加圧ローラ
90を使用した熱ローラ方式の画像加熱定着装置におい
ては、昨今求められているウォームアップ時間短縮の実
現が容易に達成されていない。
【0017】よって、画像形成装置が動作していない状
態であつても、定着ローラ80の表面をある程度加熱状
態にしておく必要があり、消費電力が多大となってい
た。
【0018】また、定着ローラ80が剛体であり、加圧
ローラ90の弾性のみによってニップ部Nを形成するた
め、定着ローラ80の形状に沿って転写材Pが搬送され
る。これにより転写材Pには加熱状態で屈曲するような
外圧がかかることになるため、定着装置から排出される
転写材Pにはニップ部Nの曲率形状に沿った湾曲のカー
ルが生じる。特に程度が悪いときには定着ローラ80か
らの分離性能にも悪影響を与える等の問題がある。
【0019】さらに封筒を通紙した場合においては、封
筒の湾曲もしくは変形によりシワが生じ、印刷した宛名
がシワにより分断され、極端な場合には解読不可能にな
る等の問題がある。これは近年の装置の小型化に伴って
定着ローラ80の外径が小さくなるほど顕在化する問題
である。
【0020】さらに、加圧ローラ90の長手方向両端部
の加圧手段で定着ローラ80側に加圧ローラ90を圧接
する場合には、小径の加圧ローラ90は軸の撓みにより
長手方向中央部に比べ、両端部に向かうにつれ加圧力が
増大する。このためニップ部Nの幅はニップ部長手方向
で異なり、ニップ部長手方向の中央部に比べ両端部へ向
かうにつれ大きくなる。これによりニップ部Nに挟持搬
送される転写材Pに及ぶ加圧状態が中央と両端部で異な
り、転写材端部は過剰に加圧されるため繊維が伸び波打
ちが発生する。
【0021】またクイックスタート性のある加熱装置と
してフィルム加熱方式の加熱装置もしくは画像加熱定着
装置が提案され、実用化されている(特開昭63−31
3182号公報・特開平1−263679号公報・特開
平1−157878号公報・特開平4−44075〜4
4083号公報・特開平4−204980〜20498
4号公報等)。
【0022】このフィルム加熱方式の装置は固定支持さ
れたヒータ部(加熱体、セラミックヒータ)と、該ヒー
タ部に対向圧接しつつ搬送される耐熱性フィルム(定着
フィルム)と、該フィルムを介して被加熱材(被記録
材)をヒータ部に密着させる加圧ローラを有し、ヒータ
部と加圧ローラとの圧接ニップにおいてヒータ部の熱を
フィルムを介して被加熱材へ付与する方式の装置であ
る。
【0023】この装置は、ヒータとして低熱容量のもの
を用いることができ、ヒータ部で直接ニップ部のフィル
ム内面を加熱するため、熱伝導性はフィルムの厚みを薄
くすることでより高めることができ、ウォームアップの
短縮化が図れる。さらに本体装置としての画像形成装置
等が動作していないときには、自動的に主電源をoff
状態にすることが可能となり、消費電力の大幅な軽減が
可能となる。
【0024】しかし、フィルムの厚みを極度に薄くする
と、加圧ローラ長手方向における加圧状態や温度分布の
偏りによりフィルムに寄りが生じ、最悪の場合、フィル
ムの挫屈による破損が発生する等、耐久性に劣るという
問題がある。このためフィルムの厚みはある程度厚く形
成する必要があるけれども、それに伴って熱伝導性が抑
えられることから、画像加熱定着装置にあっては転写材
上のトナー像を十分に定着するためには、ニップ幅を広
くするか、低速にする等の処理をすることになるが、そ
れは画像形成装置の高速化には不向きな方法となってし
まう。
【0025】本発明は、熱ローラ方式の画像加熱定着装
置等のように、被加熱材を加熱用回転体とこれに圧接さ
せた加圧部材とがなすニップ部を通過させることにより
加熱する加熱装置について、上述のような問題点を解消
し、従ってウォームアップ時間の短縮が可能である、加
熱用回転体の表面温度変動のリップルを小さくできる、
ニップ部長手方向各部の圧接力を均一化できる、被加熱
材のカールの発生を防止できる、高速化に適する等の利
点を有する加熱装置もしくは画像加熱定着装置、該装置
を画像加熱定着手段として使用した画像形成装置を提供
することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする、加熱装置及び画像形成装置である。
【0027】(1)被加熱材を加熱用回転体とこれに圧
接させた加圧部材とがなすニップ部を通過させることに
より加熱する加熱装置において、上記加熱用回転体を外
部より加熱する加熱手段を具備し、該加熱用回転体は内
部に弾性体層を含み、その外部に厚さ10〜150μm
の金属スリーブを設けたことを特徴とする加熱装置。
【0028】(2)金属スリーブの長手方向端部に中空
部を設け、中空部内側に温度検出手段を設けたことを特
徴とする(1)に記載の加熱装置。
【0029】(3)加熱用回転体と加圧部材とのなすニ
ップ部を略平坦にすべく、加圧部材の表面硬度を加熱用
回転体の表面硬度に比べ実質同等かもしくは高めに設定
したことを特徴とする(1)に記載の加熱装置。
【0030】(4)加熱用回転体と加圧部材とがなすニ
ップ部を略平坦にすべく、加圧部材を平坦な板状に形成
し、加熱用回転体が該加圧部材に摺擦することを特徴と
する(1)ないし(3)の何れかに記載の加熱装置。
【0031】(5)加熱用回転体と加圧部材とがなすニ
ップ部下面に加熱手段を設けるか、もしくは加圧部材が
加熱手段を兼ねることを特徴とする(1)ないし(4)
の何れかに記載の加熱装置。
【0032】(6)加熱手段が、輻射加熱手段、もしく
は接触による直接加熱手段、もしくは交流磁場形成によ
る誘導加熱手段であることを特徴とする(1)ないし
(5)の何れかに記載の加熱装置。
【0033】(7)被加熱材が未定着画像を担持した被
記録材であり、被記録材を加熱用回転体と加圧部材との
なすニップ部に導入通過させることにより未定着画像を
被記録材面に加熱定着させる画像加熱定着装置であるこ
とを特徴とする(1)ないし(6)の何れかに記載の加
熱装置。
【0034】(8)前記(1)ないし(6)の何れかの
加熱装置を、未定着画像を担持した被記録材を加熱して
画像定着させる画像加熱定着手段としていることを特徴
とする画像形成装置。
【0035】
【作用】即ち本発明は、定着ローラ等の加熱用回転体
を、内部に断熱性の高い弾性層を具備させ、その弾性層
の外側に高い熱伝導性をもつ薄層の金属スリーブを形成
して、急激な加熱を可能にする適度な熱容量の部材とし
て構成する。
【0036】この加熱用回転体の外部加熱手段としては
ニップ部近傍、あるいはニップ部を外部から輻射加熱、
加熱部材の接触による直接加熱、あるいは交流磁場形成
による誘導加熱等の方法を採用することができる。
【0037】以上の構成により、加熱用回転体の表面は
薄い金属スリーブで形成されているため熱容量が小さ
く、熱伝導性が高いために急激に温められ、ウォームア
ップ時間の短縮が可能となる。
【0038】また転写材等の被加熱材を搬送した場合で
あっても、薄層の金属スリーブが適度の熱容量を有して
いることや、熱伝導良好なため加熱源からの熱がすぐ伝
熱し応答性が良いことから、加熱用回転体表面の急激な
温度低下は生じない。
【0039】さらに加熱用回転体の薄層金属スリーブは
適度な剛性を有しており、芯金の上に固定された弾性層
上に固定しているため、フィルムの様な寄り等の問題も
なく、耐久性に優れている。
【0040】その上、加熱用回転体内部の弾性と加圧ロ
ーラ等の加圧部材の弾性によりニップ幅も自由度の高い
選択をすることが出来、よって画像形成装置等の本体装
置の高速化にも適している。
【0041】また加圧部材として比較的小径の加圧ロー
ラを使用し、その長手方向両端部において加熱用回転体
側へ加圧した場合であっても、従来の問題であった加圧
ローラの軸の撓みは加熱用回転体内部の弾性により緩和
され、よって長手方向でニップ幅が均一に保たれるた
め、転写材等の被加熱材に及ぶ負荷が均一になり、波打
ち等の不具合を解消できる。
【0042】その上、加熱用回転体表面の薄層金属スリ
ーブの適度な剛性により、周方向の加圧幅より広い範囲
に渡ってフラットなニップ部を長手方向に均一に形成し
ようとする働きがある。よって加熱用回転体の表面硬度
に比べ加圧部材の表面硬度を同等か、高く設定すること
により、被加熱材の通紙方向にフラットなニップ部で転
写材等の被加熱材の加熱をするため、被加熱材が加熱用
回転体の曲率湾曲に沿ってできるカールの発生も防ぐこ
とできる。さらに加熱用回転体に被加熱材が巻付き気味
になることもなく、良好な被加熱材の分離性能が実現で
きる。また以上の構成により封筒を通紙した場合であっ
ても、封筒に湾曲に従う負荷を及ぼすことがないため、
封筒のシワの発生も防止することができる。これは加圧
部材として加圧ローラを用いる変りにフラットな加圧板
を用いても代用することができる。
【0043】
【実施例】
〈実施例1〉(図1〜図4) (1)画像形成装置例 図1は画像形成装置の一例の概略構成図である。本例の
画像形成装置は転写式電子写真プロセス利用のレーザビ
ームプリンタもしくは複写機である。
【0044】1は電子写真感光ドラムであり、OPC、
アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料がア
ルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基盤上に形成
されている。
【0045】感光ドラム1は矢印の方向に回転駆動さ
れ、まず、その表面は帯電装置としての帯電ローラ2に
よって一様帯電される。
【0046】次に不図示の画像露光手段により、画像情
報に応じてON/OFF制御されたレーザビーム3によ
る走査露光、或いは原稿画像のスリット投影露光が施さ
れ、静電潜像が形成される。
【0047】この静電潜像は現像装置4で現像・可視化
される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成
分現像法、FEED現像法などが用いられ、レーザビー
ムプリンタではイメージ露光と反転現象とを組み合わせ
て用いられることが多い。
【0048】可視化されたトナー像は、転写装置として
の転写ローラ5により、不図示の給紙部から所定のタイ
ミングで搬送された転写材P上に感光ドラム1上より転
写される。このとき転写材Pは感光ドラム1と転写ロー
ラ5に一定の加圧力で挟持搬送される。
【0049】このトナー像が転写された転写材Pは定着
装置6へと搬送され、永久画像として定着される。
【0050】一方、感光ドラム1上に残存する転写残り
の残留トナーは、クリーニング装置7により感光ドラム
1表面より除去される。
【0051】(2)定着装置6 図2に本発明に従う加熱装置としての画像加熱定着装置
の概略構成を示した。
【0052】10は加熱用回転体としての定着ローラ、
20は加圧部材としての加圧ローラである。
【0053】定着ローラ10は、鉄の金属製駆動軸11
の長手方向端部にある不図示の駆動ギアを介して不図示
の駆動系により矢印の方向に回転駆動される。
【0054】一方、加圧ローラ20は鉄の芯金21の長
手方向両端部にある不図示の軸受を介して不図示の加圧
バネにより定着ローラ10側へ圧接された状態で定着ロ
ーラ10の回転に従動して矢印の方向に回転する。Nは
この両ローラ10・20の圧接ニップ部である。
【0055】定着ローラ10は、芯金11の外側にシリ
コンゴムあるいはシリコンゴムを発泡して形成された弾
性層12と、高い熱伝導を有する鉄・SUS・ニッケル
等からなる10〜100μmの薄層金属スリーブ13
と、PTFEあるいはPFA等の離型性層14を順次形
成して成る。
【0056】一方、加圧ローラ20は芯金21の外側に
定着ローラ10と同様の弾性層22、PTFEあるいは
PFA等の離型性層23を順次形成して成る。
【0057】15は定着ローラ10の表面を外部より加
熱する外部加熱手段としてのハロゲンヒータであり、こ
のハロゲンヒータ15は定着ローラ10と加圧ローラ2
0との圧接ニップ部Nの転写材入口近傍において定着ロ
ーラ10に対向させて配設してあり、このハロゲンヒー
タ15の輻射熱により定着ローラ10の表面が加熱され
る。
【0058】ここでハロゲンヒータ15による定着ロー
ラ10の輻射加熱を効率的に行うために、ハロゲンヒー
タ15を中にして定着ローラ10と反対側には反射率の
高い湾曲した反射板16が配置されており、ハロゲンヒ
ータ15からの輻射熱を発散させずに定着ローラ10側
へ反射させている。
【0059】また、定着ローラ10の離型性層14ある
いはこの離型性層14を金属スリーブ13上に接着させ
るための接着層(不図示)には熱吸収を良くするため、
カーボンブラック等の耐熱黒色顔料を混ぜてる。
【0060】定着ローラ10に対しては、該定着ローラ
の表面温度を検知するためのサーミスタ17が当接され
ており、これにより検知された定着ローラ10の表面温
度情報は、A/D変換器(不図示)を介してCPU(不
図示)へと送られ、これに基づきCPU(不図示)は、
ACドライバ(不図示)を介してハロゲンヒータ15の
ON/OFFを制御することにより、定着ローラ10の
表面温度を所定値に制御する。
【0061】定着ローラ10の他の外部加熱方法として
は、図3のように加熱用コイル30を用いた誘導加熱等
がある。これは上記薄層金属スリーブ13として鉄・ニ
ッケル・コバルト等の強磁性体を使用した場合に特に有
効である。加熱用コイル30は定着ローラ10の表面よ
り一定間隔を隔てて配設されている。
【0062】図4はこの加熱用コイル30の一端部側の
拡大斜視図である。該加熱用コイル30は定着ローラ1
0の長さ寸法に略対応した横長部材であり、定着ローラ
10に対して略並行に配列させてある。31はフェライ
ト等の強磁性体よりなる横長コアであり、一般にスイッ
チング電源用として用いられている代表的な形状として
I型・E型・U型等がある。本実施例ではE型のコアを
用いているが、他の形状のコアとすることもできる。こ
のコア31には導線32が巻かれており、長手方向端部
より不図示の電源に寄り通電される。
【0063】以上の構成により、定着ローラ10の薄層
金属スリーブ13は、加熱用コイル30の導線32に高
周波の交流を通電することで、定着ローラ10の薄層金
属スリーブ13内に渦電流が発生し、そのジュール熱で
誘導加熱される。この場合も、定着ローラ10の表面温
度がサーミスタ17で検知され、その検知情報により、
定着ローラ10の表面が所定の定着温度になるように加
熱用コイル30への通電が制御される。この加熱方法は
エネルギー効率の高い加熱が可能となり、効率的な定着
方法と成る。
【0064】本実施例1では、定着ローラ10の構成
が、内部に弾性体12、外部に薄層金属スリーブ13を
形成しており、熱容量が小さく熱伝導性に優れた金属ス
リーブ13は外部からの加熱手段15・30によって急
激に加熱することができる。
【0065】特に、金属スリーブ13の厚みは定着ロー
ラ表面温度のウォームアップ時間と大きな関係があり、
薄くするほど加熱時間が少なくて済む。ただし極端に薄
くなると機械的強度が劣り、加圧ローラ20との圧接、
あよび非通紙部昇温等の温度分布により耐久性に芳しく
ない等の問題がある。また転写材Pの通紙による定着ロ
ーラ表面からの放熱のため定着性が悪化する危険があ
る。しかし機械的強度を満足するためにスリーブ13の
厚みをあまり厚くすると、ウォームアップ時間が多くか
かり、さらに金属スリーブ13の剛性が強くなり、定着
ローラ内部の弾性体層12による加圧ローラ芯金21の
撓みを緩和する効果が薄れてしまうためニップ部Nのニ
ップ幅の均一性が得られなくなる。
【0066】以上のことを確かめるために、定着ローラ
10について、鉄製の芯金11の外径を9mm、シリコ
ンゴムを発泡させたスポンジ弾性層12の肉厚を8mm
とし、その外周には金属スリーブ13として厚さ5〜2
00μmのSUS製スリーブを被せた。SUS製スリー
ブ13の外周には離型層14として30μmのPFAが
粉体塗装でコーティングしてある。離型層14としての
PFAをコーティングする際に、金属スリーブ13上に
カーボンブラックを混入した接着層を形成させており、
定着ローラ10の外観上の色は効率的に熱吸収を行うよ
うに黒色となっている。
【0067】加圧ローラ20は、外径11mmの鉄製芯
金21の外周に上記定着ローラ10と同様の弾性体層2
2を肉厚7mmで形成してある。さらに外周には上記定
着ローラ10と同様に離型性層23として30μmのP
FAチューブが被せてある。なお、加圧ローラの表面硬
度は50°(ASKER−C、500g荷重時)とし
た。
【0068】定着ローラ10の外部加熱手段は図2のよ
うにハロゲンランプ15(500W)である。
【0069】以上の構成で、定着ローラ10の薄層金属
スリーブ13の厚みを変化させた時のウォームアップ時
間の比較と定着性の評価、圧接ニップ部長手方向におけ
るニップの均一性(ニップ幅の均一性)、および耐久に
よる金属スリーブ13の破損等の比較評価を行った。た
だしウォームアップ時間(W.T)の比較は、画像形成
装置の電源を投入してから定着ローラ表面が転写材のト
ナー像を定着するのに十分な温度(160°C)に達す
るまでの時間である。
【0070】評価結果を表1に示す。表中、○は問題無
いレベル、△は許容限界レベル、×は劣悪を示す(これ
は後記の表2・表3においても同様である)。
【0071】
【表1】 表1の結果より、金属スリーブ13の厚みを薄くするに
したがいウォームアップ時間が短縮できることがわか
る。実際的に画像形成装置の電源を投入してから1枚目
の転写材が画像加熱定着装置まで搬送されるのに十数秒
から数十秒かかるので、金属スリーブ13の厚みは17
0μm以下であれば問題無い(15秒以下のウォームア
ップ時間が実用上望ましい)。
【0072】しかし金属スリーブ13の厚みが150μ
mを越えると、剛性が強く、定着ローラ10内部に弾性
体層12を設けた場合であっても、弾性による加圧ロー
ラ芯金21の撓みを緩和する効果が得られず、従来例と
同様に圧接ニップ部Nは長手方向の端部に向かうにつれ
ニップ幅が大きくなってしまう。このために転写材端部
には極度に加圧力が加わるため、波打ち等の不具合が生
じてしまう。
【0073】一方、極度に薄い金属スリーブ13は製作
上も困難であり、5μmの厚みの金属スリーブ13では
耐久によりすぐに破けてしまった。さらに熱容量の小さ
い金属スリーブから転写材への放熱が大きくなり、その
結果、連続して転写材を搬送したときには、金属スリー
ブ13への加熱作用が放熱に追い付かなくなり転写材の
定着不良を起こしてしまう。
【0074】よって、薄層金属スリーブ13の厚みは最
低10μm、好ましくは15μm以上は必要である。
【0075】以上のことから定着ローラ10の薄層金属
スリーブ13は15〜150μmの厚みで形成すること
が望ましい。
【0076】本実施例1では、内部に断熱効果の高い弾
性体層12を形成し、その外側に15〜150μmの金
属スリーブ13を形成した定着ローラ10の表面を外部
の加熱手段15・30により定着可能な温度に加熱する
ことによって、ウォームアップ時間を短縮することがで
きる。よって画像形成装置が動作していない状態におい
ては従来例のごとく定着ローラ表面を加熱する必要がな
く、消費電力を大幅に削減できる。
【0077】また、定着ローラ内部の弾性により小径の
加圧ローラ20の芯金21が撓むことによる圧接ニップ
部Nの不均一性を解消でき、圧接ニップ部長手方向のニ
ップ幅を均一化することで転写材に同様の負荷を与える
ため波打ち等の転写材の不具合を防止できる。
【0078】さらに定着ローラ10にも弾性を持たせて
あることから、ニップ幅を広く設定することが容易にな
り、画像形成装置の高速化をも可能とする画像加熱定着
装置となる。
【0079】〈実施例2〉(図5) 図5は第2の実施例としての画像加熱定着装置の概略構
成図である。
【0080】装置全体の構成は前記実施例1で示した図
1と同様であり、画像加熱定着装置内の定着ローラ10
の構成も前記実施例1で示した図2と同様であるため説
明を省く。
【0081】本実施例は、定着ローラ表面を加熱するた
めの外部加熱手段40を直接に定着ローラ10に接触さ
せている。
【0082】その外部加熱手段40は、細長いセラミツ
ク等の絶縁基板41の表面にその長手に沿って銀・パラ
ジウム合金粉末等のペーストを線状もしくは帯状に塗布
焼成して低熱容量の通電発熱抵抗体43を形成した加熱
ヒータ(セラミックヒータ)であり、熱伝導性や熱応答
性に優れ、定着ローラ表面を急激に加熱することができ
る。またこの加熱ヒータ40表面にはPTFE・PFA
等の耐熱性・離型性のよい部材42がコーティングされ
ており、定着ローラ10との摺擦にも耐久できる構成と
なっている。
【0083】加熱ヒータ40を、その背面を不図示の加
圧部材により押圧することで定着ローラ10に対して適
度な加圧力で加圧接触させてある。
【0084】以上本実施例では定着ローラ表面の適切な
位置を直接加熱することができるため、エネルギー効率
の良い加熱定着が実現できる。
【0085】〈実施例3〉(図6) 本実施例では、定着ローラ10の外部加熱手段として交
流磁場形成による誘導加熱を利用しており、転写材上の
トナー像を定着するニップ部Nの下方に該加熱手段を配
設してある。その構成を図6に示す。なお、装置全体の
構成は前記実施例1で示した図1と同様であり、加熱定
着装置内の定着ローラ10の構成は前記実施例1で示し
た図2と同様であるため説明を省く。
【0086】本実施例においては、定着ローラ10の薄
層金属スリーブ13は鉄・コバルト・ニッケル等の強磁
性体を用いた方がよい。
【0087】図6において、30は前記実施例1で示し
たものと同様であり、フェライト等の磁性体コアに導線
が巻かれた加熱コイルである。これと定着ローラ10の
間には、熱可塑性があり、耐熱性に優れたポリイミド・
芳香族ポリアミド・ポリベンゾイミダゾール等の円筒状
のフィルム50がある。
【0088】このフィルム50は加熱用コイル30と定
着ローラ10の間にバネ等の加圧手段(不図示)により
一定の加圧力で挟持され、定着ローラ10の回転に従動
して回転する。この時、加熱用コイル30とフィルム5
0は摺動するため、耐摩耗性・離型性に優れたフッ素系
樹脂をフィルム50の内面にコーティングしてあっても
よい。またオフセット防止や転写材との離型性を保つた
めに、フィルム50の外側に同様にフッ素系樹脂をコー
ティングしてあってもよい。また加熱用コイル30の定
着ローラ10側に耐摩耗性・離型性に優れたフッ素系樹
脂部材が被せてあっても同様に耐久性に優れた構成とな
る。
【0089】加熱用コイル30の構成は前記実施例1で
示した図4と同様であり、フェライト等の強磁性体より
なるコアに導線が巻かれており、長手方向端部より不図
示の電源により通電される。
【0090】以上の構成により、定着ローラ10の薄層
金属スリーブ13は、加熱用コイル30の導線に高周波
の交流を通電することで、ニップ部Nの下方から定着ロ
ーラ10の薄層金属スリーブ13に交流磁場を作用させ
て薄層金属スリーブ13内に渦電流を発生させ、そのジ
ュール熱で薄層金属スリーブ13を誘導加熱する。これ
によりニップ部Nにおける定着ローラ表面を急激に加熱
して搬送された転写材上のトナー像を熱融解し定着す
る。
【0091】以上本実施例では、エネルギー効率の良い
誘導加熱によってニップ部Nを直接加熱するために、定
着ローラ表面を転写材上のトナー像が融解可能な温度ま
で急激に加熱することができ、効率的な定着が可能とな
る。
【0092】さらに交流磁場発生による誘導加熱である
ため、転写材が搬送されている間も安定した加熱を行う
ことができる。
【0093】また定着ローラ内部は適度に弾性を有して
おり、定着ローラ10と加熱コイル30の間には変形自
在のフィルム50を用いているために、ニップ部Nの幅
は加熱コイル30のコアの幅を選択することで容易に変
更することができる。
【0094】〈実施例4〉(図7〜図9) 本実施例において、装置全体の構成は前記実施例1で示
した図1と同様であり、加熱定着装置6における定着ロ
ーラの層構成は前記実施例1の図2と同様であるので説
明を省く。
【0095】本実施例では定着ローラ表面の温度検知を
するためのサーミスタの位置が異なる。本実施例の定着
ローラ構成の長手方向断面図を図7に示す。図7におい
て前記実施例1の図2に示したものと同様の番号の部材
は同一のものを示す。
【0096】61は不図示の駆動系より定着ローラ10
へ回転駆動を伝える歯車であり、芯金11を介して定着
ローラ10を回転駆動する。62はサーミスタであり、
定着ローラ10の薄層金属スリーブ13の内部に接触し
ており、定着ローラ10の回転により摺擦しながらニッ
プ部Nにおける薄層金属スリーブ13内部の温度を検知
する。30および50は前記実施例3で示した加熱用コ
イルと耐熱フィルムであり、ニップ部Nの下方から誘導
加熱により定着ローラ10の薄層金属スリーブ13を定
着可能な温度まで加熱する。
【0097】ただし本実施例における加熱手段および加
圧手段は前記実施例1および同2で示した全ての方法を
採用することができる。
【0098】Lは画像形成装置の搬送可能な転写材の最
高幅であり、転写材の搬送端a−bの距離である。図に
示すように転写材の搬送位置の一部に相当する定着ロー
ラ内部には弾性体層12がなく、該当位置にサーミスタ
62が配設してある。
【0099】サーミスタ62の位置の違いによる温度分
布の影響をみるために、転写材を通紙した状態で転写材
搬送端aからサーミスタ62の中心までの距離lを振っ
て定着ローラ表面長手方向の温度分布を測定した。lの
値は転写材搬送端aよりサーミスタ62の中心が定着ロ
ーラ中央寄りにあるときを正、反対側にあるときを負と
した。またサーミスタの幅s=5mmであり、温度検知
素子はサーミスタ中央にある。
【0100】測定結果を図8に示す。図8において、横
軸は転写材搬送端aからの距離、縦軸は測定温度を示
す。図よりサーミスタ62の中央部(温度検知素子)が
転写材搬送間a−b内にあるときにはほとんどフラット
な温度分布をしているが、a−b間の外にあるときには
転写材搬送域の温度分布が低くなっていることがわか
る。これはサーミスタ62の温度検出素子の位置が転写
材通紙域にある場合には、定着ローラ10から転写材P
への放熱がa−b間の他の位置と同様に起こるが、通紙
域外にあるときには、転写材Pへの放熱がないためにサ
ーミスタ62の温度検知素子がある位置の温度が通紙域
の温度に比べて高くなっていることによる。
【0101】このことから上記構成の画像加熱定着装置
においては、サーミスタ62の温度検知素子の位置を少
なくとも転写材搬送域、好ましくは搬送端aより1mm
以上長手方向の中心寄りに配設されていることが望まし
い。
【0102】また本実施例による定着ローラ表面の温度
調整と前記実施例1における温度調整の差をみるため
に、転写材を通紙した状態における定着ローラの表面温
度を比較した。
【0103】比較結果を図9に示す。図において横軸は
測定時間、縦軸は同一点における定着ローラ表面の測定
温度を示す。実線が従来法と同様にニップ部以外の定着
ローラ外面にサーミスタを当接した場合であり、1点鎖
線が本実施例の測定結果である。
【0104】図よりサーミスタ17が定着ローラ10の
外側にある前記実施例1(図2)の場合に比べて、本実
施例の構成による方法の方が定着ローラ表面の温度変動
(リップル)が小さく抑えられることがわかる。
【0105】以上本実施例では、画像加熱定着装置にお
ける転写材を加熱するニップ位置の正確な温度を検知す
ることができ、PFA等の熱伝導性の悪い部材を介して
いないために定着ローラ表面の温度変動(リップル)を
小さく抑える温度制御が可能になる。このため転写材上
のトナー像の定着性を均一にすることができる。
【0106】また、サーミスタ63が定着ローラ10の
金属スリーブ13の内面に接触しているために、このサ
ーミスタ63に転写材Pから定着ローラ10にオフセッ
トしたトナーが付着したり、定着ローラ表面を傷つける
等の問題がない。
【0107】なお、定着装置の異常加熱を防止する安全
装置であるサ−モスイッチ(不図示)を本実施例のサー
ミスタ63と同様に薄層金属スリーブ13の内面に接触
させることにより、該安全装置で定着ローラ表面を傷つ
ける等の弊害がなくなることはいうまでもない。
【0108】〈実施例5〉(図10) 本実施例において、装置全体の構成は前記実施例1で示
した図1と同様であり、画像加熱定着装置6における定
着ローラ10および加圧ローラ20の構成は実施例1の
図2と同様であるので説明を省く。
【0109】本実施例では、離型性層23を被覆した状
態での加圧ローラ20をAsker−Cにより測定した
表面硬度を、薄層金属スリーブ13上に離型性層14を
被覆した定着ローラ10をAsker−Cにより測定し
た表面硬度と同等か、高く設定することにより、図10
に示すごとくニップ部Nをフラットに形成する。
【0110】実施例1で既に述べたように、定着ローラ
10の薄層金属スリーブ13は適度な剛性を持ってお
り、定着ローラ内部には弾性体層12を有していること
から定着ローラ10の周方向の一部に加圧部材が加圧さ
れた場合、フラットになろうとする性質がある。このた
め加圧ローラ20の表面硬度を適度に高く設定すること
により、転写材Pに屈曲を生じさせるような負荷を生じ
させないようなフラットなニップ部Nを形成することが
できる。
【0111】このことを確かめるために、加圧ローラ2
0の表面硬度を定着ローラ10の表面硬度に対して振っ
て実験を行った。
【0112】使用した定着ローラ10の薄層金属スリー
ブ13は厚みが30および40μmであり、表面硬度が
50°および55°である。一方、加圧ローラ20の表
面硬度を定着ローラ10に対して−20〜30°の範囲
で振って、転写材Pのカール量および定着性を評価した
(硬度は全てAsker−C、500g荷重時)。評価
結果を表2と表3に示す。
【0113】
【表2】
【0114】
【表3】 以上の結果より、加圧ローラ20の表面硬度は、定着ロ
ーラ10の表面硬度に比べて5°低いか、好ましくは同
等以上にすることにより、ニップ部Nがフラットに形成
でき、転写材Pのカールが少ない搬送が可能になる。
【0115】また、加圧ローラ20の表面硬度を極度に
大きくすると、ニップ幅が小さくなり、転写材の定着性
が悪化する。このため加圧ローラ20の表面硬度を定着
ローラ10の表面硬度より高く、かつ定着ローラ10と
加圧ローラ20の表面硬度の差を25°以下、好ましく
は20°以下に設定することが望ましい。
【0116】以上本実施例によれば、前記実施例1にお
ける構成で、定着ローラ10の表面硬度に比べて加圧ロ
ーラ20の表面硬度を同等以上20°以下に設定するこ
とにより、転写材の定着性を確保しつつ、定着ローラ1
0の薄層金属スリーブ13の適度な剛性によりフラット
なニップ部Nが形成できる。このため転写材Pに屈曲す
るような負荷を与えることなく定着することが可能とな
り、カールの発生防止に効果を示し、さらに封筒の様に
シワの発生が起こり易い転写材に対してもシワの発生を
防止することができる。
【0117】〈実施例6〉(図11) 本実施例において、装置全体の構成は前記実施例1で示
した図1と同様であり、画像加熱定着装置6における定
着ローラ10の構成は実施例1の図2ど同様であるので
説明を省く。定着ローラ10の外部加熱手段としては前
記実施例1及び2の方法を採用することができる。
【0118】本実施例では、加圧ローラ20の代わりの
加圧部材として、図11に示すような加圧板70を用い
る。
【0119】加圧板70はアルミ・鉄等の金属製の加圧
基板71と、その表面に形成した離型性に優れたPFA
等の離型性層72からなり、この加圧板70をその背面
を不図示の加圧手段で定着ローラ10側へ押圧すること
で定着ローラ10に対して加圧接触させてあり、定着ロ
ーラ10はこの加圧板表面の離型性層72の面を摺動し
て回転する。
【0120】加圧板70の幅は最低ニップ部Nの幅以上
であれば特に幅に制限はないが、あまり大きくすると定
着ローラ10から熱を奪ってしまうので、ニップ幅を多
少越えるくらいがよい。
【0121】以上の構成により、加圧ローラを使用した
場合に比べコスト的に有利であり、硬度等を管理する必
要もなく、装置の小型化も可能となる。
【0122】また定着ローラ10と加圧板70とで形成
されたニップ部Nは図に示したようにフラットとなり、
ここに転写材Pが搬送されるため、転写材には屈曲する
ような負荷が生じることがない。よってカール、シワ等
の不具合を発生させずに転写材上のトナー像を定着する
ことができる。
【0123】〈実施例7〉(図12) 本実施例において、装置全体の構成は前記実施例1で示
した図1と同様であり、画像加熱定着装置6における定
着ローラ10の構成は実施例1の図2と同様であるので
説明を省く。定着ローラ10の加熱手段としては、前記
実施例1、2および3の方法を採用することができる。
【0124】本実施例では、前記実施例6に示したごと
く加圧ローラの代わりに加圧板70を使用する。ただし
本実施例では加圧基板71としてポリフェニレンサルフ
ァイト(PPS)、ポリブチレンテレフタラート(PB
T)、あるいはポリエチレンテレフタラート(PET)
等との耐熱樹脂を用いている。
【0125】そして定着ローラ10と摺擦する面には上
記実施例6と同様に離型性・耐熱性に優れたPTFE・
PFA等のフッ素樹脂系からなる離型性層72が形成さ
れている。
【0126】以上の構成により、加圧基板71として金
属類を使用したときに比べて熱伝導性が低い材料を用い
ているために断熱効果があり、定着ローラ10と加圧板
70により形成されるニップ部Nにおいて転写材を搬送
する際に転写材に奪われる熱量を抑えることができる。
これにより転写材を連続して通紙した場合であっても、
良好な定着性が確保できる。
【0127】さらに本実施例では、加圧基板71に非導
電性部材を用いているために、図12に示すように上記
実施例3と同様の誘導加熱によるニップ部Nの直接加熱
が可能となる。加熱コイル30の形状は実施例1の図4
と同様のものを採用することができる。
【0128】以上の各実施例1〜7の加熱装置は画像加
熱定着装置であるが、本発明の加熱装置はこれに限ら
ず、画像を担持した被記録材を加熱して表面性(つや
等)を改質する装置、仮定着処理する装置、その他、シ
ート状の被加熱材を加熱処理する装置として広く利用で
きるものである。
【0129】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、被加熱材
を加熱用回転体とこれに圧接させた加圧部材とがなすニ
ップ部を通過させることにより加熱する加熱装置につい
て、前述従来装置の問題点を解消して、ウォームアップ
時間の短縮が可能である、加熱用回転体の表面温度変動
のリップるを小さくできる、ニップ部長手方向各部の圧
接力を均一化できる、被加熱材のカールの発生を防止で
きる、高速化に適する等の利点を有する加熱装置もしく
は画像加熱定着装置、該装置を画像加熱定着手段として
使用した画像形成装置を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における画像形成装置の一例の概略構
成図
【図2】定着装置の概略の側面図
【図3】外部加熱手段を加熱コイルとした定着装置の概
略の側面図
【図4】加熱コイルの一端部側の拡大斜視図
【図5】実施例2の定着装置の概略の側面図
【図6】実施例3の定着装置の概略の側面図
【図7】実施例4の定着装置の概略の縦断正面図
【図8】温度分布測定グラフ
【図9】温度変動測定グラフ
【図10】実施例5の定着装置の概略の側面図
【図11】実施例6の定着装置の概略の側面図
【図12】実施例7の定着装置の概略の側面図
【図13】従来例装置としての熱ローラ方式の定着装置
の概略の側面図
【符号の説明】
1 感光ドラム 5 転写ローラ 6 加熱定着装置 10 定着ローラ 11 芯金 12 弾性層 13 薄層金属スリーブ 14 離形層 15 ハロゲンヒータ(外部加熱手段) 17・62 サーミスタ 20 加圧ローラ 21 芯金 22 弾性層 23 離形層 30 加熱コイル(外部加熱手段) 40 加圧板 N ニップ部 P 転写材(被加熱材)
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05B 3/10 B 0380−3K (72)発明者 宮本 敏男 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 月田 辰一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大釜 裕子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 堀田 陽三 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱材を加熱用回転体とこれに圧接さ
    せた加圧部材とがなすニップ部を通過させることにより
    加熱する加熱装置において、 上記加熱用回転体を外部より加熱する加熱手段を具備
    し、該加熱用回転体は内部に弾性体層を含み、その外部
    に厚さ10〜150μmの金属スリーブを設けたことを
    特徴とする加熱装置。
  2. 【請求項2】 金属スリーブの長手方向端部に中空部を
    設け、中空部内側に温度検出手段を設けたことを特徴と
    する請求項1に記載の加熱装置。
  3. 【請求項3】 加熱用回転体と加圧部材とのなすニップ
    部を略平坦にすべく、加圧部材の表面硬度を加熱用回転
    体の表面硬度に比べ実質同等かもしくは高めに設定した
    ことを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  4. 【請求項4】 加熱用回転体と加圧部材とがなすニップ
    部を略平坦にすべく、加圧部材を平坦な板状に形成し、
    加熱用回転体が該加圧部材に摺擦することを特徴とする
    請求項1ないし請求項3の何れかに記載の加熱装置。
  5. 【請求項5】 加熱用回転体と加圧部材とがなすニップ
    部下面に加熱手段を設けるか、もしくは加圧部材が加熱
    手段を兼ねることを特徴とする請求項1ないし請求項4
    の何れかに記載の加熱装置。
  6. 【請求項6】 加熱手段が、輻射加熱手段、もしくは接
    触による直接加熱手段、もしくは交流磁場形成による誘
    導加熱手段であることを特徴とする請求項1ないし請求
    項5の何れかに記載の加熱装置。
  7. 【請求項7】 被加熱材が未定着画像を担持した被記録
    材であり、被記録材を加熱用回転体と加圧部材とのなす
    ニップ部に導入通過させることにより未定着画像を被記
    録材面に加熱定着させる画像加熱定着装置であることを
    特徴とする請求項1ないし請求項6の何れかに記載の加
    熱装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項6の何れかの加熱
    装置を、未定着画像を担持した被記録材を加熱して画像
    定着させる画像加熱定着手段としていることを特徴とす
    る画像形成装置。
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