JPH11231695A - 加熱装置および画像形成装置 - Google Patents

加熱装置および画像形成装置

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JPH11231695A
JPH11231695A JP4456098A JP4456098A JPH11231695A JP H11231695 A JPH11231695 A JP H11231695A JP 4456098 A JP4456098 A JP 4456098A JP 4456098 A JP4456098 A JP 4456098A JP H11231695 A JPH11231695 A JP H11231695A
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JP
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film
heating
heated
nip
heating device
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JP4456098A
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Atsushi Iwasaki
岩崎  敦志
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルム加熱方式の加熱装置におけるフィル
ムのねじれ力を緩和し、且つ被加熱材先端をニップ部へ
円滑に進入させ、さらには被加熱材をコシ付けしながら
挟持搬送させること。 【解決手段】 加熱体1と、該加熱体と摺動するフィル
ム3と、該フィルムを介して加熱体とニップ部Nを形成
する加圧体4と、を有し、ニップ部のフィルムと加圧体
の間で被加熱材Pを挟持搬送しフィルムを介した加熱体
からの熱により被加熱材を加熱する加熱装置において、
加熱体を支持しフィルムをガイドするフィルム支持手段
2を備え、該フィルム支持手段の長手中央部のニップ部
上流面にニップ面に垂直な方向の突状部Cを形成し、装
置への被加熱材の通紙を中央基準としたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加熱装置および画像
形成装置に関する。
【0002】より詳しくは、フィルム加熱方式(オンデ
マンド方式)の加熱装置、該加熱装置を画像加熱定着装
置として備えた複写機・レーザービームプリンタ等の画
像形成装置に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、複写機やプリンタ等の画像形成装
置において、電子写真法・静電記録法等の適宜の作像手
法にて被記録材上に形成担持させた未定着トナー画像を
被記録材に加熱定着させる加熱装置である画像加熱定着
装置としては熱ローラ方式の装置が汎用されてきた。
【0004】この熱ローラ方式の加熱装置は、ハロゲン
ヒータ等の内蔵熱源により所定の定着温度に加熱・温調
させた加熱ローラ(定着ローラ)と、これに圧接させた
弾性加圧ローラを基本構成とし、このローラ対間の圧接
ニップ部(定着ニップ部)に被加熱材である被記録材を
導入して挟持搬送させることで、加熱ローラの熱で被記
録材面の未定着トナー画像を加熱定着させるものであ
る。
【0005】加熱ローラは被記録材表面に接触する剛体
の円筒状ローラであり、外表面は離型性のよい材料の被
覆層で構成され、内側に配置されたハロゲンヒータによ
ってトナーを加熱する。加圧ローラは被記録材裏面に接
触する弾性ローラであり、芯金上にシリコンゴム等の弾
性層を設けて構成され、トナー層に適度な加圧をおこな
う。
【0006】しかし、この熱ローラ方式の加熱装置は、
加熱ローラの熱容量が大きいので、電源を投入してから
加熱ローラが所定の温度に立ち上がるまでにかなりの待
ち時間を要する、その温度立ち上げ後も、画像形成装置
からいつでもすぐに画像出力がなされるようにするため
には装置待機中も加熱ローラの熱源に通電して加熱ロー
ラの温度を常時高温に維持する制御をしておかなければ
ならず、そのために消費エネルギーが大きい、また装置
待機中も機内に熱を放出するため機内昇温を生じさせ
る、等の問題があった。
【0007】そこで最近では、オンデマンド方式の加熱
装置としてフィルム加熱方式の加熱装置が提案され、画
像加熱定着装置として実用化もされている(特開昭63
−313182号公報、特開平1−263679号公
報、同2−157878号公報、同4−44075〜4
4083号公報、同4−204980〜204984号
公報等)。
【0008】このフィルム加熱方式の加熱装置は、熱ロ
ーラ方式の加熱装置のエネルギーロスの多い欠点を解消
して、クイックスタート、省電力を可能にしたものであ
り、前記のように、加熱体と、該加熱体と摺動するフィ
ルムと、該フィルムを介して加熱体とニップ部を形成す
る加圧体と、を有し、ニップ部のフィルムと加圧体の間
で被加熱材を挟持搬送しフィルムを介した加熱体からの
熱により前記被加熱材を加熱する構成を基本的構成とす
るものであり、画像形成装置において未定着トナー画像
を該画像を担持させた紙等の被記録材面に永久固着画像
として熱定着処理する定着装置として活用できる。ま
た、画像を担持させた被記録材を加熱して艶などの表面
性を改質する装置、仮定着処理する装置、その他、シー
ト状の被加熱材を加熱処理する加熱装置として広く使用
できる。
【0009】このようなフィルム加熱方式の加熱装置
は、熱ローラ方式等の加熱装置とは異なり、昇温が速く
温度応答性が良い低熱容量のセラミックヒータ等の加熱
体やポリイミド等の耐熱性で薄膜のフィルムを用いるこ
とができるために短時間に加熱体・フィルムの温度が上
昇するので、待機中に加熱体の通電予熱を行なう必要が
なくて通紙時以外は加熱装置への通電をオフすることが
でき、被加熱材をすぐに通紙しても該被加熱材が加熱ニ
ップ部に到達するまでに加熱体を所定温度まで十分に昇
温させて、かつきめ細かな温度制御が可能であるので、
省電力化やウエイトタイムの短縮化(クックスタート
性、オンデマンド)が可能となる、画像形成装置等の本
機の機内昇温を低めることができる等の利点を有し、効
果的なものである。
【0010】また、フィルム加熱方式の加熱装置とし
て、電磁誘導発熱性のフィルムと、該フィルムが摺動し
該フィルムをガイドするフィルム支持手段と、前記フィ
ルムを介して前記フィルム支持手段とニップ部を形成す
る加圧体と、前記フィルムに対する磁場発生手段と、を
有し、前記ニップ部の前記フィルムと前記加圧体の間で
被加熱材を挟持搬送し前記フィルムの電磁誘導発熱によ
り前記被加熱材を加熱する加熱装置もある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フィル
ム加熱方式の加熱装置においては、加圧ローラの構成材
料として用いられるシリコンゴム等の弾性層材料の熱容
量も小さいので、連続加熱(連続通紙)すると、該加圧
ローラの軸方向(以下、長手方向と称する)の端部側は
中央部と比較して放熱量が大きく、それゆえ該加圧ロー
ラの長手方向の温度分布は中央部が端部よりも高くな
る。
【0012】したがって、ゴム材料の熱膨張度は中央部
が端部に比べて大きくなるので、常温において長手で一
定であった加圧ローラ外径は連続加熱により中央部が端
部よりも大きくなり、該加圧ローラは太鼓胴形状に近く
なる。
【0013】太鼓胴形状に近い加圧ローラを駆動させる
と、例えば通紙基準が中央にあったときの端部の周速よ
りも中央部の周速が大きくなり、ニップ部において当接
しているフィルムは端部と中央部との間でねじれ力が働
く。
【0014】この状態で被加熱材としての被記録材が定
着ニップ部に進入すると、加圧ローラ側から被記録材へ
の熱の移動による加圧ローラの熱収縮、および上記フィ
ルムのねじれ力との相互作用によって、被記録材に対し
て内向きの力が発生する。
【0015】またフィルムはねじれ力と同時にたるみが
生じるため、被記録材先端がニップ部に進入するときの
タイミングが通紙中央部と通紙端部とでずれてしまうこ
とがあった。
【0016】以上の理由により、被記録材、特に坪量
(g/m2 )が小さな薄い被記録材は、被記録材自身の
コシが弱いために挟持搬送中にシワが発生するという問
題があった。
【0017】そこで、本発明は、上記のような従来の課
題を解決するためになされたもので、フィルム加熱方式
の加熱装置におけるフィルムのねじれ力を緩和し、且つ
被加熱材先端をニップ部へ円滑に進入させ、さらには被
加熱材をコシ付けしながら挟持搬送させることが可能な
加熱装置、及びこれを備えた画像形成装置を提供するこ
とを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする加熱装置及び画像形成装置である。
【0019】(1)加熱体と、該加熱体と摺動するフィ
ルムと、該フィルムを介して前記加熱体とニップ部を形
成する加圧体と、を有し、前記ニップ部の前記フィルム
と前記加圧体の間で被加熱材を挟持搬送し前記フィルム
を介した前記加熱体からの熱により前記被加熱材を加熱
する加熱装置において、前記加熱体を支持し前記フィル
ムをガイドするフィルム支持手段を備え、該フィルム支
持手段の長手中央部の前記ニップ部上流面にニップ面に
垂直な方向の突状部を形成し、装置への被加熱材の通紙
を中央基準としたことを特徴とする加熱装置。
【0020】(2)電磁誘導発熱性のフィルムと、該フ
ィルムが摺動し該フィルムをガイドするフィルム支持手
段と、前記フィルムを介して前記フィルム支持手段とニ
ップ部を形成する加圧体と、前記フィルムに対する磁場
発生手段と、を有し、前記ニップ部の前記フィルムと前
記加圧体の間で被加熱材を挟持搬送し前記フィルムの電
磁誘導発熱により前記被加熱材を加熱する加熱装置にお
いて、前記フィルム支持手段の長手中央部の前記ニップ
部上流面にニップ面に垂直な方向の突状部を形成し、装
置への被加熱材の通紙を中央基準としたことを特徴とす
る加熱装置。
【0021】(3)前記突状部の長さが、前記加圧体に
よる前記フィルムの加圧長さの70%以内であることを
特徴とする(1)または(2)に記載の加熱装置。
【0022】(4)前記フィルム支持手段のニップ部上
流面の端部から中央部の前記突状部までになだらかな連
続壁面を形成したことを特徴とする(1)または(2)
に記載の加熱装置。
【0023】(5)加熱体と、該加熱体と摺動するフィ
ルムと、該フィルムを介して前記加熱体とニップ部を形
成する加圧体と、を有し、前記ニップ部の前記フィルム
と前記加圧体の間で被加熱材を挟持搬送し前記フィルム
を介した前記加熱体からの熱により前記被加熱材を加熱
する加熱装置において、前記加熱体を支持し前記フィル
ムをガイドするフィルム支持手段を備え、装置への被加
熱材の通紙を端部基準とし、前記フィルム支持手段の前
記ニップ部上流面で、該フィルム支持手段の長手方向の
反通紙基準側に片寄らせた位置にニップ面に垂直な方向
の突状部を形成したことを特徴とする加熱装置。
【0024】(6)電磁誘導発熱性のフィルムと、該フ
ィルムが摺動し該フィルムをガイドするフィルム支持手
段と、前記フィルムを介して前記フィルム支持手段とニ
ップ部を形成する加圧体と、前記フィルムに対する磁場
発生手段と、を有し、前記ニップ部の前記フィルムと前
記加圧体の間で被加熱材を挟持搬送し前記フィルムの電
磁誘導発熱により前記被加熱材を加熱する加熱装置にお
いて、装置への被加熱材の通紙を端部基準とし、前記フ
ィルム支持手段の前記ニップ部上流面で、該フィルム支
持手段の長手方向の反通紙基準側に片寄らせた位置にニ
ップ面に垂直な方向の突状部を形成したことを特徴とす
る加熱装置。
【0025】(7)加熱体が、基板に通電により発熱す
る抵抗発熱体を設けた部材、あるいは電磁誘導発熱性の
部材であることを特徴とする(1)、(3)、(4)、
(5)のいずれか1つに記載の加熱装置。
【0026】(8)被記録材上に画像を形成担持させる
画像形成手段と、被記録材上の画像を加熱定着させる手
段を有する画像形成装置であり、被記録材上の画像を加
熱定着させる手段として(1)ないし(7)のいずれか
1つに記載の加熱装置を備えたことを特徴とする画像形
成装置。
【0027】〈作 用〉 a)装置への被加熱材の通紙を中央基準とした場合に、
フィルム支持手段の長手中央部のニップ部上流面にニッ
プ面に垂直な方向の突状部を形成することで、連続通紙
時の連続加熱のために加圧体としての加圧ローラがその
外径がローラ長手中央部がローラ端部よりも大きくなり
太鼓胴形状に近くなっても、上記の突状部があるため
に、ニップ部上流面側において、通紙中のフィルムのフ
ィルム幅方向中央部と端部のフィルム断面形状を酷似さ
せることができる。
【0028】したがって、フィルムのねじれ力は生じに
くくなる。また突状部に対応する長手中央において通紙
される被加熱材自身にコシ付けがなされ、搬送方向に対
する被加熱材の強度が増すために、シワが発生しにくく
なる。
【0029】即ち、上記突状部を設けたことによって、
フィルム加熱方式の加熱装置におけるフィルムのねじれ
力を緩和し、且つ被加熱材先端をニップ部へ円滑に進入
させ、さらには被加熱材をコシ付けしながら挟持搬送さ
せることが可能で、坪量の小さな被加熱材で主に発生し
ていたシワを防止することができる。
【0030】また、全加圧長さに対する突状部の相対長
さと突状高さ、およびその配置場所を適宜にすることに
よって、突状部の最適な構成を見出すことができる。
【0031】突状部の形状を、なだらかな連続壁面形状
にし、突状部上に搬送方向に一致する溝を設けることに
よって、フィルム破損や長手の加熱ムラ(定着ムラ)等
の弊害を防止することが可能である。
【0032】b)通紙基準が端部のときには、連続通紙
時は非通紙部で被加熱材に熱が奪われず、その分加圧体
としての加圧ローラの温度を上昇させるため、加圧ロー
ラの温度分布の中心が反基準側に片寄り、加熱装置の周
速が最も速い部分が反基準側となる。
【0033】そこで、装置への被加熱材の通紙を端部基
準とした場合には、フィルム支持手段のニップ部上流面
で、フィルム支持手段の長手方向の反通紙基準側に片寄
らせた位置にニップ面に垂直な方向の突状部を形成する
ことで、フィルムのたるみを長手方向でキャンセルさせ
て、上記a)の場合と同様のシワ防止効果が得られる。
【0034】
【発明の実施の形態】〈実施例1〉(図1〜図6) 図1は本発明に従う加熱装置の一例の横断面模型図、図
2は正面模型図、図3の(a)は加熱体の一部切欠きの
表面側模型図、(b)は裏面側模型図である。
【0035】本実施例の加熱装置は、加熱体として所謂
セラミックヒータを用いた、フィルム加熱方式、加圧ロ
ーラ駆動式の画像加熱定着装置である。
【0036】(1)装置の全体的な概略構成 図1・図2において、10は加熱装置(画像加熱定着装
置)の総括符号、1は加熱体としての横長のセラミック
ヒータ、2は横断面略半円弧状樋型の、加熱体支持部材
(加熱体ホルダ)を兼ねるフィルム支持部材(フィルム
ガイド、ステー)、3は円筒状の耐熱性フィルム(定着
フィルム)、4は加圧体としての弾性加圧ローラであ
る。
【0037】フィルム支持部材2は、耐熱性、電気絶縁
性で、高い加重に耐えられる剛性材料、例えばPPS
(ポリフェニレンサルファイド)、PAI(ポリアミド
イミド)、PI(ポリイミド)、PEEK(ポリエーテ
ルエーテルケトン)等で構成され、加熱体1はこのフィ
ルム支持部材2の下面の略中央部に長手に沿って設けた
溝部2a内に嵌入して保持させてある。
【0038】加熱体1については後記(2)項で詳述す
る。
【0039】Cはフィルム支持部材2に具備させた突状
部である。フィルム支持部材2とこの突状部Cについて
は後記(3)項で詳述する。
【0040】円筒状のフィルム3は上記の加熱体1を含
むフィルム支持部材2に外嵌させてある。この円筒状フ
ィルム3の内周長は加熱体1を含むフィルム支持部材2
の外周長より例えば3mm程度大きくしてあり、該円筒
状フィルム3はフィルム支持部材2に対し周長が余裕を
持って緩やかに(ルーズに)外嵌している。
【0041】フィルム3は、伝熱性を高めて、熱容量を
小さくして、クイックスタート性を向上させるために、
フィルム膜厚は100μm以下、好ましくは10〜50
μm程度の耐熱性のあるPTFE、PFA、FEP等の
単層フィルム、あるいはポリイミド、ポリアミドイミ
ド、PEEK、PES、PPS等のベースフィルムの外
周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングし
た複合層フィルムを使用できる。
【0042】弾性加圧ローラ4は、芯金4aと、該芯金
に同心一体に設けた、シリコンゴム等の離型性の良い弾
性・耐熱性材料のローラ層4bからなり、芯金4aの両
端部をそれぞれ加熱装置の手前側と奥側のシャーシ側板
5・5間に軸受6・6を介して回転自由に支持させてあ
る。
【0043】そして加熱体1を下面側に保持させ、円筒
状フィルム3を外嵌させ、両端部にフィルム端部規制用
のフランジ部材7・7を装着したフィルム支持部材2を
加圧ローラ4の上側に加熱体1の部分を加圧ローラ4の
上面に対向させて位置させ、フィルム支持部材2の両端
部の外方突出腕部2b・2bを加圧バネ等の加圧手段8
・8で押し下げ加圧して、加圧ローラ4の上面に対して
所定の押圧力をもって圧接させた状態に保持させる。
【0044】これにより加熱体1の下面と加圧ローラ4
の上面との間にフィルム3を挟んで所定幅の圧接ニップ
部(定着ニップ部)Nが形成される。
【0045】加圧ローラ4は駆動手段Mにより図1にお
いて矢印の時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ
4の回転駆動による該ローラ4の外面とフィルム3の外
面との、ニップ部Nにおける圧接摩擦力で円筒状フィル
ム3に回転力が作用して、該フィルム3がその内面がニ
ップ部Nにおいて加熱体1の下面に密着して摺動しなが
ら矢印の反時計方向Aに加圧ローラ4の回転周速度に略
対応した周速度をもってフィルム支持部材2の外回りを
回転状態になる(加圧ローラ駆動方式)。
【0046】フィルム支持部材2は加熱体1を保持する
とともにフィルム3の回転時の搬送安定性を図るフィル
ムガイドの役目をしている。回転フィルム3のフィルム
支持部材2の長手に沿う寄り移動はフィルム端部がフラ
ンジ部材7の内面に受け止められて規制される。
【0047】また、ニップ部Nにおいてフィルム3の内
面と加熱体1の表面との摺動抵抗を低減するために両者
の間に耐熱性グリース等の潤滑剤を少量介在させること
もできる。
【0048】而して、加圧ローラ4が回転駆動され、そ
れに伴って円筒状フィルム3がフィルム支持部材2の外
回りを回転し、加熱体1に通電がなされて該加熱体1の
発熱でニップ部Nの温度が所定に立ち上って温調された
状態において、ニップ部Nに未定着トナー画像Tを担持
した被加熱材としての紙等の被記録材Pがいわゆる中央
基準で通紙導入され、ニップ部Nにおいて被記録材Pの
トナー像担持面側がフィルム3の外面に密着してフィル
ム3と一緒にニップ部Nを挟持搬送されていく。9は被
記録材Pをニップ部Nに導入案内するガイド部材であ
る。
【0049】この挟持搬送過程において、加熱体1の熱
がフィルム3を介して被記録材Pに付与され、被記録材
P上の未定着トナー画像Tが加熱加圧定着される。
【0050】被記録材Pはニップ部Nを通過するとフィ
ルム3の外面から曲率分離して搬送される。
【0051】(2)加熱体1(図3) 加熱体1の構成を主として図3に基づいて説明する。加
熱体としてのセラミックヒータ1は全体に低熱容量で昇
温の速いものであり、本例のものは、アルミナ(Al2
3 )・窒化アルミニウム(AlN)・炭化ケイ素(S
iC)等のセラミック材を使用した、横長の加熱体基板
11、この基板11の表面側に基板長手に沿って具備さ
せた折り返しパターン(往路と復路)の並行2条の第1
と第2の抵抗発熱体12a・12b、この抵抗発熱体1
2a・12bを具備させた基板表面側を被覆させた表面
保護層13、基板11の裏面側に配設した温度検知素子
(温度制御素子)14等よりなる。
【0052】加熱体基板11は、ニップ部Nにおけるフ
ィルム搬送方向Aに対して直交する方向(フィルム幅方
向)を長手とする横長・薄肉のものであり、例えば、長
さ240〜270mm、幅7〜10mm、厚さ0.7〜
1mmのセラミック材基板である。
【0053】第1と第2の抵抗発熱体12a・12bは
それぞれ、抵抗材料ペースト、例えば銀パラジウム(A
g/Pd)ペーストを厚み10〜15μm・幅1〜3m
mの並行2条の細帯状パターンにスクリーン印刷により
塗工し、焼成して形成したものである。
【0054】15・16はそれぞれ基板表面の長手一端
部側に並設した第1と第2の電極パターンである。第1
の電極パターン15と第1の抵抗発熱体12aの一端部
は導体パターン17で導通させてあり、第2の電極パタ
ーン16と第2の抵抗発熱体12bの一端部は導体パタ
ーン18で導通させてある。また、第1と第2の抵抗発
熱体12aと12bの他端部相互は導体パターン19で
導通させてある。
【0055】これにより、第1の電極パターン15→導
体パターン17→第1の抵抗発熱体12a→導体パター
ン19→第2の抵抗発熱体12b→導体パターン18→
第2の電極パターン16の直列電路(ACライン)が構
成される。
【0056】また、20・21はそれぞれ基板表面の長
手他端部側に並設した第3と第4の電極パターンであ
る。この第3と第4の電極パターン20・21はそれぞ
れスルーホール20a・21aを介して基板裏面側に基
板長手の略中央部に至らせて形成した並行2条の導体パ
ターン22・23と導通させてある。またこの並行2条
の導体パターン22・23の先端部間には温度検知素子
としてのサーミスタ14を具備させてある。
【0057】これにより、第3の電極パターン20→ス
ルーホール20a→導体パターン22→サーミスタ14
→導体パターン23→スルーホール21a→第4の電極
パターン21の直列電路(DCライン)が構成される。
【0058】サーミスタ14は、本実施例では、コバル
ト、マンガン、ニッケル、ルテニウムといったものの合
金や酸化物、白金あるいはチタン酸バリウム等のセラミ
ックといったものの粒子をガラスペースト材と混合し、
基板裏面上にスクリーン印刷して形成した薄層タイプの
ものとした。チップ型サーミスタにすることもできる。
【0059】上記の第1〜第4の電極パターン15・1
6・20・21、導体パターン17・18・19・22
・23は、銀(Ag)ペーストを基板の表面側と裏面側
の所定の位置に所定のパターンでスクリーン印刷により
塗工し、焼成することで形成してある。
【0060】表面保護層13は、例えば、厚さ10μm
程度の耐熱性ガラス層などであり、図3の(a)のよう
に、基板表面側を第1〜第4の電極パターン15・16
・20・21部分を除いて被覆してある。この表面保護
層13はガラスペーストを基板表面側に所定のパターン
でスクリーン印刷により塗工し、焼成することで形成し
てある。
【0061】而して、ACラインの第1と第2の電極パ
ターン15・16を有する加熱体一端部にはAC用コネ
クタ(不図示)が嵌着されて、商用電源25・トライア
ック26等からなる給電回路からACラインの第1と第
2の電極パターン15・16間に給電されることで、第
1と第2の抵抗発熱体12aと12bが発熱して加熱体
1の所定の有効長さ領域が迅速に昇温する。
【0062】またDCラインの第3と第4の電極パター
ン20・21を有する加熱体他端部にはDC用コネクタ
(不図示)が嵌着されて、DCラインの第3と第4の電
極パターン20・21と制御系のA/Dコンバータ27
とが接続され、加熱体の温度情報としてのサーミスタ電
圧が取り出されてA/Dコンバータ27へ入力され、デ
ジタルデータとしてCPU28へ取り込まれる。
【0063】CPU28はその入力デジタルデータを基
に加熱体温度を所定の一定温度に制御すべくトライアッ
ク26を制御する。即ちACラインへの給電を制御す
る。
【0064】より具体的に、加熱体1の温度制御は、被
記録材の通紙域に設けられたサーミスタ等の温度検知素
子14の出力をA/Dコンバータ27でA/D変換し、
CPU28に取り込み、その情報を基にトライアック2
6により、加熱体1の抵抗発熱体12a・12bに通電
するAC電圧を位相、波数制御等して、抵抗発熱体への
通電電力を制御することで行っている。
【0065】加熱体1の温度制御は、抵抗発熱体に対す
る印加電圧または電流をコントロールするか、通電時間
をコントロールする方法が採られている。通電時間をコ
ントロールする方法には、電源波形の半波ごとに、通電
する、通電しない、を制御するゼロクロス波数制御、電
源波形の半波ごとに通電する位相角を制御する位相制御
等がある。
【0066】(3)フィルム支持部材2と突状部C フィルム支持部材2とこれに具備させた突状部Cについ
て図4・図5・図6で説明する。
【0067】図4の(a)は、本実施例におけるフィル
ム支持部材2の、ニップ部上流方向からみた正面図であ
る。(b)と(c)はそれぞれ(a)のb−b線とc−
c線に沿う断面図である。
【0068】2cはフィルム支持部材2の外面にフィル
ム支持部材の長手に沿って間隔を開けて並設した弧状の
フィルム内面ガイドリブである。フィルム支持部材2の
外側を回転するフィルム3の内面はこのガイドリブ2c
と接触することでフィルム支持部材2の外面との接触面
積が減らされてフィルム3の回転抵抗が軽減される。
【0069】本実施例における加熱装置の通紙基準は中
央基準であり、図2の(a)〜(c)に示すように、フ
ィルム支持部材2の長手中央部のニップ部上流面にニッ
プ面に垂直な方向即ちフィルム面に向かう突状部Cを形
成してある。この突状部Cはフィルム支持部材2の長手
中央部のニップ部上流側のみに配置されており、突状の
向きは下方向、つまり被記録材P側に向かっている。こ
の突状部Cはフィルム支持部材2と一体に成形して具備
させてもよいし、後付けして具備させてもよい。
【0070】図5の(a)と(b)はそれぞれ、被記録
材Pの先端がニップ部Nに進入する瞬間時の、装置の長
手中央部断面と長手端部断面である。連続通紙時におい
ては、加圧ローラ4の長手形状は太鼓胴形状に近くなる
ため、該ローラの長手中央部の周速は端部に比較して大
きい。したがって、図5の(b)のように、フィルムの
たるみaはニップ部Nの上流側端部に生じやすい。しか
るに、突状部Cがニップ部上流の通紙中央(フィルム支
持部材長手中央部)に位置するために、中央部のフィル
ム断面形状(図5の(a))を端部のフィルムたるみ形
状(図5の(b))に近づけることができ、長手中央部
と長手端部とのフィルムたるみの差はキャンセルされ
る。
【0071】したがって、中央部と端部とにおける被記
録材先端のニップ部Nに進入するタイミングを一致させ
ることが可能となる。
【0072】図6の(a)と(b)はそれぞれ、被記録
材Pがニップ部Nに進入した後の、装置の長手中央部断
面と長手端部断面である。連続通紙中は、加圧ローラ4
の形状は太鼓胴形状に近く、該ローラの長手中央部の周
速は端部よりも大きいが、フィルム支持部材の長手中央
部に突状部Cがあるために、通紙中の中央部と端部のフ
ィルム断面形状を酷似させることができる。したがっ
て、フィルム3のねじれ力は生じにくくなる。
【0073】また、被記録材Pをニップ部Nに導入案内
するガイド部材9、突状部C、ニップ部Nのそれぞれの
相対位置と相対角度を適宜にすることによって、ニップ
部Nを挟持搬送中の被記録材Pは図6の(a)のような
カーブを描きながらニップ部Nを通過する。このような
カーブを描くことによって長手中央部において被記録材
P自身にコシ付けがなされ、搬送方向に対する被記録材
Pの強度が増すために、シワが発生しにくくなる。
【0074】表1は、本実施例の加熱装置10を画像加
熱定着装置として用いた画像形成装置において、坪量6
0g/m2 を有する薄紙を被記録材Pとして、その両面
印字時のシワ発生率を突状部Cの長手方向長さLC 別に
計測したものである。
【0075】表1に示す突状部Cの長手方向長さは、全
加圧長さLall を1とした場合の突状部Cの相対長さで
ある。
【0076】
【表1】 表1によると、まず突状部Cの有無で発生率に大きな差
があることがわかる。ただし、突状部Cの相対長さが
0.7を越えた場合にはシワの発生がみられる。これ
は、突状部Cによる被記録材Pのコシ付け効果はあるも
のの、通紙中央部と端部とのフィルムたるみの差がキャ
ンセルできず、フィルムのねじれ力が存在してしまうた
めに生じるシワであるため、全加圧長さに対する突状部
Cの相対長さは長すぎてもいけない。
【0077】表2は、同じく本実施例の加熱装置10を
画像加熱定着装置として用いた画像形成装置において、
坪量60g/m2 を有する薄紙を被記録材Pとして、そ
の両面印字時のシワ発生率を突状部Cのニップ面に垂直
な方向の厚さLct別に計測したものである(LC /L
all は1に設定)。
【0078】
【表2】 表2によると、突状部Cの厚さLctの値が大きいほどシ
ワに対して大きな効果が得られることがわかる。
【0079】ただし、厚すぎた場合には、被記録材Pが
ニップ部Nにうまく侵入しなかったり、突状部Cにフィ
ルム3が強く当接しすぎることに起因する画像上の不具
合が生じたりするため、適宜な厚さが必要である。
【0080】以上、本実施例のように、通紙基準が中央
である加熱装置に対して、該加熱装置中のフィルム支持
部材2の長手中央部のニップ部上流側の位置に、ニップ
面に垂直な方向に突出した突状部Cを設けることによっ
て、フィルム加熱方式の加熱装置におけるフィルムのね
じれ力を緩和し、且つ被記録材先端をニップ部へ円滑に
進入させ、さらには被記録材をコシ付けしながら挟持搬
送させることができる。また、全加圧長さLall に対す
る突状部Cの相対長さLC /Lall と、突状部高さ
ct、およびその配置場所を適宜にすることによって、
突状部Cの最適な構成を見出すことができる。
【0081】〈実施例2〉(図7) 本実施例は、フィルム支持部材2に具備させる突状部C
形状について、図7に示したように、長手中央部から端
部にいたるまでに、なだらかに変化する連続壁面を有し
ながら、該突状部上に搬送方向に一致する溝bを設けた
形態にしたものである。その他の装置構成は実施例1と
同様であるから再度の説明は省略する。
【0082】図7は、本実施例に基づくフィルム支持部
材2をニップ部上流方向からみた正面図である。突状部
Cの形成によって、シワ防止の効果が大きくなることは
実施例1で述べた通りであるが、突状部Cが厚すぎたり
尖った部分が存在すると、フィルム支持部材2に外嵌す
るフィルム3に強く当接しすぎ、フィルム3の破損、あ
るいは長手での定着ムラ等の新たな問題が発生する。
【0083】本実施例のように、突状部Cの形状を、な
だらかな連続壁面で形成し、フィルム支持部材2へ奪わ
れる熱を軽減するために突状部C上に搬送方向に一致す
る溝bを設けることによって、シワ防止に関しては実施
例1と同様の効果をもち、且つ上記弊害の発生を防止す
ることが可能な加熱装置を提供できる。
【0084】〈実施例3〉(図8) 本実施例は、装置への被記録材Pの通紙が端部基準であ
り、それに伴って、図8のように、フィルム支持部材2
に具備させる突状部Cの位置をフィルム支持部材2の長
手中央部よりも反通紙基準側にしたものである。
【0085】図8は、本実施例に基づくフィルム支持部
材2をニップ部上流方向からみた正面であり、通紙基準
側とは逆側に実施例1と同様の形状を有する突状部Cが
形成されている。
【0086】これは、通紙基準が端部のときには、連続
通紙時は非通紙部で被記録材Pに熱が奪われず、その分
加圧ローラ4の温度を上昇させるため、加圧ローラ4の
温度分布の中心が反基準側に片寄る。加熱装置の周速が
最も速い部分が反基準側となるので、フィルム3のたる
みを長手方向でキャンセルさせるためには突状部Cの配
置位置を反基準側へずらす必要がある。
【0087】本実施例のように、通紙基準が端部の場合
は、ニップ部上流面に下向きの厚みで配置する突状部C
の位置を反通紙基準側にずらすことにより、実施例1と
同様のシワ防止効果等が得られる。
【0088】〈実施例4〉(図9) 図9の(a)・(b)・(c)はそれぞれフィルム加熱
方式の加熱装置の他の構成形態例を示したものである。
【0089】(a)のものは、加熱体1と駆動ローラ3
1と従動ローラ(テンションローラ)32との3部材間
にエンドレスベルト状の耐熱性フィルム3を懸回張設し
て駆動ローラ31によりフィルム3を回転駆動する構成
のものである。Mは駆動ローラ31の駆動手段である。
加圧ローラ4はフィルム3の回転移動に伴い従動回転す
る。
【0090】(b)のものは、加熱体1と駆動ローラ3
1の2部材間にエンドレスベルト状の耐熱性フィルム3
を懸回張設して駆動ローラ31により回転駆動する構成
のものである。加圧ローラ4はフィルム3の回転移動に
伴い従動回転する。
【0091】(c)のものは、耐熱性フィルム3として
ロール巻きにした長尺の有端フィルムを用い、これに繰
り出し軸33側から加熱体1を経由させて巻き取り軸3
4側へ所定の速度で走行させる構成にしたものである。
Mは巻き取り軸34の駆動手段である。
【0092】上記のような装置構成形態の加熱装置にも
本発明に従ってフィルム支持部材2に突状部Cを具備さ
せることで、実施例1〜3と同様のシワ防止効果等が得
られる。
【0093】〈実施例5〉(図10・図11) 加熱体1はセラミックヒータに限らず、例えば図10の
例のように、電磁誘導発熱する磁性金属帯板1Aにし
て、これに励磁コイル35とコア36からなる磁界発生
手段から発生させた交番磁界を作用させることで加熱体
としての該磁性金属帯板1Aにうず電流を発生させてジ
ュール発熱させる電磁誘導式のものとすることもでき
る。
【0094】また、図11のように、フィルム自体を電
磁誘導発熱性の材料で構成する、あるいは電磁誘導発熱
性の材料層を含む積層フィルムにして、該フィルム3A
を支持部材2に支持させて移動させ、ニップ部Nにおい
て励磁コイル35とコア36からなる磁界発生手段から
発生させた交番磁界を作用させてフィルム3A自体を電
磁誘導発熱させる構成の装置とすることもできる。
【0095】上記のような装置構成形態の加熱装置にも
本発明に従ってフィルム支持部材2に突状部Cを具備さ
せることで、実施例1〜3と同様のシワ防止効果等が得
られる。
【0096】〈実施例6〉(図12) 図12は、例えば実施例1の加熱装置10を画像加熱定
着装置として具備させた画像形成装置の一例の概略構成
図である。
【0097】本実施例の画像形成装置は転写式電子写真
プロセス利用のレーザービームプリンタであり、両面印
字(両面プリント)機能を有する。
【0098】61は像担持体としての回転ドラム型の電
子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)であり、矢印
の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもっ
て回転駆動される。
【0099】感光ドラム61はその回転過程において1
次帯電器62による所定の極性・電位VD (暗部電位)
の一様帯電処理を受け、その帯電処理面にレーザースキ
ャナ63による目的の画像情報に対応したレーザービー
ム走査露光Lを受ける。これにより回転感光ドラム61
面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0100】レーザースキャナ63は不図示のホストコ
ンピュータ等の外部装置から送られた目的の画像情報信
号(時系列電気デジタル画素信号)に対応して強度変調
したレーザー光を出力し、このレーザー光で回転感光ド
ラム61の一様帯電処理面を走査露光(ラスタ走査)L
する。レーザー光の強度及び照射スポット径はプリンタ
の解像度及び所望の画像濃度によって適正に設定されて
いる。
【0101】回転感光ドラム61の一様帯電処理面のレ
ーザー光で照射された部分は電位減衰して明部電位VL
になり、そうでない部分は1次帯電器62で帯電された
暗部電位VD に保持されることによって静電潜像の形成
がなされる。
【0102】回転感光ドラム61面に形成された静電潜
像は現像器64によって順次現像される。64aは現像
スリーブであり、この現像スリーブ上にトナー層が形成
されスリーブの回転にともない感光ドラム61に対向
し、現像スリーブ64aに印加されている電圧Vdcと感
光ドラム61の表面電位が形成する電界により明部電位
L の部分だけ選択的にトナーが移行して静電潜像がト
ナー現像される(反転現像)。
【0103】回転感光ドラム61面に形成されたトナー
画像は、感光ドラム61と転写ローラー65との圧接ニ
ップ部である転写部位において、該転写部位に対して所
定の制御タイミングにて給送された被記録材(転写材)
Pに対して順次に転写される。
【0104】67はプリンタに装着した給紙カセットで
あり、被記録材Pを積載収納させてある。この給紙カセ
ット67内の被記録材Pが給紙ローラ68と分離爪部材
により1枚分離給送され、シートパス70、レジストロ
ーラ対71の経路で転写部位へ所定の制御タイミングに
て給送される。
【0105】転写部位にてトナー画像の転写を受けた被
記録材Pは回転感光ドラム61面から順次に分離され、
画像加熱定着装置10へ導入されてトナー画像の定着処
理を受け、片面印字モードの場合はシートパス72を通
って排紙トレイ73に送り出される。
【0106】一方、被記録材分離後の回転感光ドラム6
1面はクリーニング装置66により転写残りトナー等の
付着残留物の除去を受けて清掃され、繰り返して作像に
供される。
【0107】両面印字モードの場合は、定着装置10を
出た第1面印字済みの被記録材Pは、シートパス74、
正逆回転ローラ対75を含むスイッチバックパス76、
シートパス77、レジストローラ対71の経路を通って
反転されて再び転写部位に搬送導入されることで第2面
側へのトナー画像転写を受け、定着装置10、シートパ
ス72を通って排紙トレイ73に送り出される。
【0108】〈その他〉 a)加熱体1のACライン構成・DCライン構成は実施
例の形態に限られるものではない。
【0109】b)加熱体1の過熱保護手段として安全素
子、例えば温度ヒューズやサーモスイッチを加熱体1の
ACラインに対する給電路に直列に介入させ、これを加
熱体に当接させてあるいは近接させて配設してもよい。
【0110】c)加熱体基板11の抵抗発熱体12a・
12bを形成した面側とは反対面側をフィルムとの摺動
面とする構成にすることもできる。
【0111】d)加圧体はローラでなくともよい。例え
ばベルト部材にすることもできる。
【0112】e)本発明において、加熱装置には、実施
例の加熱定着装置だけに限られず、画像を担持した被記
録材を加熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置、
仮定着する像加熱装置、その他、被加熱材の加熱乾燥装
置、加熱ラミネート装置など、広く被加熱材を加熱処理
する手段・装置が含まれる。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、フ
ィルム加熱方式の加熱装置におけるフィルムのねじれ力
を緩和し、且つ被加熱材先端をニップ部へ円滑に進入さ
せ、さらには被加熱材をコシ付けしながら挟持搬送させ
ることが可能で、坪量の小さな被加熱材で主に発生して
いたシワを防止することができる加熱装置、及びこれを
備えた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における加熱装置の要部の横断面模型
【図2】加熱装置の要部の正面模型図
【図3】(a)は加熱体(セラミックヒータ)の表面側
の一部切欠き平面模型図、(b)は裏面側の平面模型図
【図4】(a)はフィルム支持部材の正面模型図、
(b)と(c)はそれぞれ(a)におけるb−b線断面
図とc−c線断面図
【図5】突状部の作用説明図(その1)
【図6】突状部の作用説明図(その2)
【図7】実施例2の加熱装置におけるフィルム支持部材
の正面模型図
【図8】実施例3の加熱装置におけるフィルム支持部材
の正面模型図
【図9】(a)・(b)・(c)はそれぞれフィルム加
熱方式の加熱装置の他の構成形態例の概略図
【図10】電磁誘導加熱方式の加熱装置の要部の横断面
模型図(その1)
【図11】電磁誘導加熱方式の加熱装置の要部の横断面
模型図(その2)
【図12】画像形成装置例の概略構成図
【符号の説明】
1 加熱体(セラミックヒータ) 1A 加熱体(電磁誘導発熱性部材、磁性金属帯板) 2 フィルム支持部材 C 突状部 3 フィルム 3A 電磁誘導発熱性フィルム 4 加圧ローラ P 被記録材(被加熱材)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱体と、該加熱体と摺動するフィルム
    と、該フィルムを介して前記加熱体とニップ部を形成す
    る加圧体と、を有し、前記ニップ部の前記フィルムと前
    記加圧体の間で被加熱材を挟持搬送し前記フィルムを介
    した前記加熱体からの熱により前記被加熱材を加熱する
    加熱装置において、 前記加熱体を支持し前記フィルムをガイドするフィルム
    支持手段を備え、該フィルム支持手段の長手中央部の前
    記ニップ部上流面にニップ面に垂直な方向の突状部を形
    成し、装置への被加熱材の通紙を中央基準としたことを
    特徴とする加熱装置。
  2. 【請求項2】 電磁誘導発熱性のフィルムと、該フィル
    ムが摺動し該フィルムをガイドするフィルム支持手段
    と、前記フィルムを介して前記フィルム支持手段とニッ
    プ部を形成する加圧体と、前記フィルムに対する磁場発
    生手段と、を有し、前記ニップ部の前記フィルムと前記
    加圧体の間で被加熱材を挟持搬送し前記フィルムの電磁
    誘導発熱により前記被加熱材を加熱する加熱装置におい
    て、 前記フィルム支持手段の長手中央部の前記ニップ部上流
    面にニップ面に垂直な方向の突状部を形成し、装置への
    被加熱材の通紙を中央基準としたことを特徴とする加熱
    装置。
  3. 【請求項3】 前記突状部の長さが、前記加圧体による
    前記フィルムの加圧長さの70%以内であることを特徴
    とする請求項1または2に記載の加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記フィルム支持手段のニップ部上流面
    の端部から中央部の前記突状部までになだらかな連続壁
    面を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載
    の加熱装置。
  5. 【請求項5】 加熱体と、該加熱体と摺動するフィルム
    と、該フィルムを介して前記加熱体とニップ部を形成す
    る加圧体と、を有し、前記ニップ部の前記フィルムと前
    記加圧体の間で被加熱材を挟持搬送し前記フィルムを介
    した前記加熱体からの熱により前記被加熱材を加熱する
    加熱装置において、 前記加熱体を支持し前記フィルムをガイドするフィルム
    支持手段を備え、装置への被加熱材の通紙を端部基準と
    し、前記フィルム支持手段の前記ニップ部上流面で、該
    フィルム支持手段の長手方向の反通紙基準側に片寄らせ
    た位置にニップ面に垂直な方向の突状部を形成したこと
    を特徴とする加熱装置。
  6. 【請求項6】 電磁誘導発熱性のフィルムと、該フィル
    ムが摺動し該フィルムをガイドするフィルム支持手段
    と、前記フィルムを介して前記フィルム支持手段とニッ
    プ部を形成する加圧体と、前記フィルムに対する磁場発
    生手段と、を有し、前記ニップ部の前記フィルムと前記
    加圧体の間で被加熱材を挟持搬送し前記フィルムの電磁
    誘導発熱により前記被加熱材を加熱する加熱装置におい
    て、 装置への被加熱材の通紙を端部基準とし、前記フィルム
    支持手段の前記ニップ部上流面で、該フィルム支持手段
    の長手方向の反通紙基準側に片寄らせた位置にニップ面
    に垂直な方向の突状部を形成したことを特徴とする加熱
    装置。
  7. 【請求項7】 加熱体が、基板に通電により発熱する抵
    抗発熱体を設けた部材、あるいは電磁誘導発熱性の部材
    であることを特徴とする請求項1、3、4、5のいずれ
    か1つに記載の加熱装置。
  8. 【請求項8】 被記録材上に画像を形成担持させる画像
    形成手段と、被記録材上の画像を加熱定着させる手段を
    有する画像形成装置であり、被記録材上の画像を加熱定
    着させる手段として請求項1ないし7のいずれか1つに
    記載の加熱装置を備えたことを特徴とする画像形成装
    置。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001185328A (ja) * 1999-12-27 2001-07-06 Canon Inc 加熱装置及び画像形成装置
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