JP2003316180A - 像加熱装置 - Google Patents
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Abstract
部材35と、該ガイド部材を内包し、かつ加熱部材と内
接する可撓性の回転体31と、該回転体を両端で支持
し、かつガイド部材と嵌合するフランジ部材36と、か
らなる加熱アセンブリ30と、該加熱アセンブリ30に
おける回転体31に圧接し、回転駆動を加える加圧部材
32と、を有し、加熱アセンブリ30と加圧部材32の
圧接ニップ部Nに、画像Tを担持した記録材Pを通過さ
せて加熱する像加熱装置において、プリント速度の高速
化に際し、定着性の維持とともにホットオフセットの無
い良好な画像を得られるようにする。 【解決手段】回転体31の圧接ニップN近傍における回
転軌跡を、圧接ニップNの記録材搬送方向の上流側は回
転体31の略半径とする形状36cにするのに対し、下
流側は下流方向に突っ張るよう部分的に規制部材36d
を設ける。
Description
式プリンタ、複写機、及び静電記録装置等の画像形成装
置において記録材上に形成担持させた未定着トナー画像
を永久画像として加熱定着させる加熱定着装置等として
用いるに好適な像加熱装置に関する。
等の多くは、加熱定着手段として熱効率、安全性の良好
な接触加熱型の熱ローラ定着方式や、省エネルギータイ
プのフィルム加熱方式を採用している。
にハロゲンヒータを内包する加熱用回転体としての加熱
ローラ(以下、定着ローラ)と、これに圧接させた加圧
用回転体としての弾性加圧ローラ(以下、加圧ローラ)
を基本構成とする。この一対のローラを回転させ、この
一対のローラの圧接ニップ部である定着ニップ部に、未
定着画像(トナー画像)を形成担持した被加熱材として
の記録材(転写材シート・静電記録材・エレクトロファ
ックス紙・印字用紙等)を導入し、挟持搬送すること
で、定着ローラからの熱と定着ニップ部の加圧力によ
り、トナー画像を記録材面に永久固着画像として熱圧定
着させるものである。
は、例えば特開昭63−313182号公報、特開平2
−157878、4−44075〜44083、4−2
04980〜204984号公報等に提案されているよ
うに、固定配置したセラミックヒータ等の加熱部材(以
下、加熱体)に、加熱用回転体である耐熱性フィルム
(以下、定着フィルム)を回転加圧部材(以下、加圧ロ
ーラ)で密着させ、そして摺動回動させて、定着フィル
ムを挟んで加熱体と加圧ローラとで形成される圧接ニッ
プ部である定着ニップ部に、トナー画像を担持形成した
記録材を導入し、定着フィルムと一緒に搬送させて、定
着フィルムを介して付与される加熱体からの熱と定着ニ
ップ部の加圧力によってトナー画像を記録材面に永久固
着画像として熱圧定着させるものである。
体としてセラミックヒータ等の低熱容量線状加熱体を、
定着フィルムとして薄膜の低熱容量のものを用いること
ができるため、省電力化、ウェイトタイム短縮化(クイ
ックスタート)が可能である。また、フィルム加熱方式
の加熱定着装置は、定着フィルム駆動方法として定着フ
ィルム内面に駆動ローラを設ける方法、また加圧ローラ
を駆動ローラとして用い加圧ローラとの摩擦力で定着フ
ィルムを駆動する方法が知られているが、近年では部品
点数が少なく低コストな構成である加圧ローラ駆動方式
が多く用いられている。
方式の加熱定着装置の一例の概略構成模型図である。
しての弾性加圧ローラであり、上下に並行に配置して圧
接させて定着ニップ部Nを形成させてある。
体)としてのヒータ33と、該ヒータを支持するガイド
部材としてのフィルムガイド35と、該フィルムガイド
を内包し、かつ前記ヒータ35と内接する可撓性の回転
体としての円筒状の定着フィルム31と、該定着フィル
ム31を両端で支持し、かつ前記フィルムガイド35と
嵌合するフランジ部材36等から成る組立体である。
る方向を長手とする横長・薄肉で、全体に低熱容量の所
謂セラミックヒータであり、給電を受けて発熱する。
樋型で、記録材Pの搬送方向に直交する方向を長手とす
る横長部材であり、例えばフェノール系の熱硬化性樹脂
製である。このフィルムガイド35の下面の略中央部に
長手に沿って形成具備させたヒータ嵌め込み溝部内に上
記のヒータ33を嵌め込んで固定支持させてある。
33を取り付けたフィルムガイド35に対してルーズに
外嵌させてある。
ム31の端面部を受け止めて定着フィルムの軸線方向へ
の移動を規制する鍔座部36aと、円筒状の定着フィル
ム31の端部内側に嵌入して定着フィルム端部を支持す
るほぼ円弧形状の定着フィルム摺動部36bを有してい
て、フィルムガイド35の両端部に嵌合させて装着され
る。
に回転自由に軸受支持させてあり、この加圧ローラ32
の上に、上記の加熱アセンブリ30をヒータ33側を下
向きにして並行に配置し、不図示の加圧手段により加熱
アセンブリ30と加圧ローラ32とを加圧ローラの弾性
に抗して押圧することでヒータ33と加圧ローラ32を
定着フィルム31を挟んで圧接させて加圧ローラ32の
弾性変形により所定幅の圧接ニップ部である定着ニップ
部Nを形成させている。
矢印の反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ3
2の回転駆動により、定着ニップ部Nにおいて加圧ロー
ラ32と定着フィルム31の外面との摩擦力で定着フィ
ルム31に回転力が作用し、定着フィルム31の内周面
が定着ニップ部Nにおいてヒータ33の下面に密着して
摺動しながら矢印の時計方向に加圧ローラ32の周速度
にほぼ対応した周速度をもってフィルムガイド35の外
回りを回転する(加圧ローラ駆動方式)。
の移動はフランジ部材36の鍔座部36aで規制され、
また定着フィルム31の端部内側はフランジ部材36の
定着フィルム摺動部36bで支持されて回転ガイドされ
る。
ム31の回転駆動がなされ、かつヒータ33が通電によ
り所定の温度に昇温している状態において、不図示の作
像部側から未定着トナー画像Tを形成担持させた記録材
Pが定着ニップ部Nの定着フィルム31と加圧ローラ3
2との間に導入されると、記録材Pが定着フィルム31
の外面に密着して定着フィルム31と一緒の重なり状態
で定着ニップ部Nを通過していく。
ヒータ33の熱エネルギーが定着フィルム31を介して
記録材Pに付与されて記録材P上の未定着トナー画像T
が加熱溶融定着処理される。記録材Pは定着ニップ部N
を通過して定着フィルム31の面から分離ポイントAに
おいて分離されて排出されていく。
加熱方式の加熱定着装置を用いた電子写真式プリンタ等
の画像形成装置は、近年画質の向上とともに、プリント
速度の高速化が求められている。高速化により、定着ニ
ップ部Nの滞留時間が短縮されても従来と同等の記録材
Pへのトナー画像Tの定着性を維持させるため、定着温
度アップ、定着ニップNの拡大、ヒータ基板や定着フィ
ルム31の材質の熱伝導性アップ等の改良とともに、ト
ナーの低融点化が必要である。
プ拡大等の単位時間当たりにおける記録材Pへの熱エネ
ルギー供給量の増加と、トナーの例えば低分子量成分の
増加等による低融点化の組合せは、定着性の向上には大
きな効果が得られるが、一方で定着ニップN内の温度が
高く、記録材Pと定着フィルムNとの分離ポイントAに
おけるトナー温度も高くしてしまう。これにより、定着
フィルム31と記録材Pの分離ポイントAにおけるトナ
ーTの凝集力が、トナーTと定着フィルム31の粘着力
より低くなり、記録材Pと分離した後の定着フィルム3
1の表面にトナーが残存してしまう、いわゆるホットオ
フセットT′が発生しやすくなるのである。
熱装置における上記課題を解決するものであり、その目
的とするところは、プリント速度の高速化に際し、定着
性の維持とともにホットオフセットの無い良好な画像を
得られる像加熱装置を提供することにある。
徴とする像加熱装置である。
ガイド部材と、該ガイド部材を内包し、かつ前記加熱部
材と内接する可撓性の回転体と、該回転体を両端で支持
し、かつ前記ガイド部材と嵌合するフランジ部材と、か
らなる加熱アセンブリと、該加熱アセンブリにおける回
転体に圧接し、回転駆動を加える加圧部材と、を有し、
前記加熱アセンブリと前記加圧部材の圧接ニップ部に、
画像を担持した記録材を通過させて加熱する像加熱装置
において、回転体の圧接ニップ近傍における回転軌跡
を、圧接ニップの記録材搬送方向の上流側は回転体の略
半径とするのに対し、下流側は下流方向に突っ張るよう
部分的に規制部材を設けることを特徴とする像加熱装
置。
送方向下流側における回転軌跡を、加熱部材よりも記録
材搬送方向下流側においてフランジ部材に設けた突起部
にて、回転体の両端部のみを下流方向に突っ張ることを
特徴とする(1)に記載の像加熱装置。
送方向下流側における回転軌跡を、加熱部材よりも記録
材搬送方向下流側においてガイド部材に設けたくし歯状
の突起部にて、回転体の中央付近を部分的に下流方向に
突っ張ることを特徴とする(1)に記載の像加熱装置。
中、回転体にバイアスを印加する手段を有することを特
徴とする(2)又は(3)に記載の像加熱装置。
の下流側に、除電手段を有することを特徴とする(4)
に記載の像加熱装置。
ける回転体の回転軌跡を、圧接ニップ上流側は回転体の
略半径とするのに対し、下流側は下流方向に部分的に突
っ張るよう規制することにより、回転体と記録材との分
離ポイントを、より圧接ニップから離せるとともに、分
離ポイントにおける回転体と、加熱部材を支持し熱容量
の大きいガイド部材とを接触しにくくすることができる
ため、分離ポイントにおける画像温度は低下し、ホット
オフセットの発生を抑制することができる。
具備させた画像形成装置の一例の概略構成模型図であ
る。本例の画像形成装置1は、電子写真プロセス利用の
レーザービームプリンタである。
PC、アモルファスシリコン等の感光材料をアルミニウ
ムやニッケル等のシリンダ状の基板上に形成して構成さ
れている。この感光ドラム11は矢印の時計方向に所定
の周速度にて回転駆動される。
面が帯電装置としての帯電ローラ12によって所定の極
性・電位に一様に帯電される。次に、露光手段であるレ
ーザースキャナ13から出力される、画像情報に応じて
ON/OFF制御されたレーザービームLによる走査露
光を受ける。これにより、感光ドラム11上に走査露光
した画像情報に対応した静電潜像が形成される。この静
電潜像は現像装置14でトナー像として現像可視化され
る。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現
像法等が用いられ、イメージ露光と反転現像との組み合
わせで用いられることが多い。本例のプリンタは、感光
ドラム11面をマイナスの所定の電位に一様帯電し、そ
の帯電面にレーザースキャナ13でイメージ露光して静
電潜像を形成し、その静電潜像を現像装置14により反
転現像している。
ーラ22によって一枚分離給送されレジストローラ23
に送られる。記録材Pはレジストローラ23によって、
感光ドラム11の表面に形成されたトナー像と同期を取
り、感光ドラム11と転写ローラ15とで形成される転
写ニップ部に供給される。転写ニップ部において、感光
ドラム11上のトナー像は不図示の電源から転写ローラ
15に印加された転写バイアスの作用で記録材Pに転写
される。
11の表面から分離され、トナー像を保持した記録材P
はシートパス24を通って加熱定着装置3へ搬送され、
加熱定着装置3のニップ部で加熱・加圧されてトナー像
が記録材P上に定着され永久画像となり、シートパス2
5を通って機外の排紙トレイ26上へ排出される。
感光ドラム11上に残留する転写残留トナーは、クリー
ニング装置16により感光ドラム11の表面より除去さ
れ、感光ドラム11は繰り返して作像に供される。
模型図である。本実施例の加熱定着装置3は前述した図
9の従来例の加熱定着装置と同様に、円筒状の定着フィ
ルムを用いた、加圧ローラ駆動方式・フィルム加熱方式
の加熱定着装置である。図9の加熱定着装置と共通する
構成部材・部分には共通の符号を付して再度の説明を省
略する。
部に嵌合させて取り付けたフランジ部材36の外観斜視
図、図4の(a)はフランジ部材36に内面側の平面
図、(b)は側面図である。図5は定着フィルム31の
層構成模型図である。
熱ペーストを印刷した発熱体、発熱体の保護と絶縁性を
確保するためのガラスコーティング層を順次形成したも
のであり、ヒータ33上の発熱体へ電力制御されたAC
電流を流すことにより発熱される。セラミック基板の材
質としてはチッ化アルミニウムや酸化アルミニウム等を
使用している。セラミック基板の裏には温調用のサーミ
スタ(不図示)を当接させてある。
を支持し、ヒータ33の近傍の横断面形状は後述する定
着フィルム31の略同一半径を有する半円弧状となって
いる。
31は、可撓性を有し、フィルムガイド35を周長に余
裕を持たせた形(テンションが加わらない状態)で内包
し、フィルムガイド35と嵌合するフランジ36で両端
を摺擦回動可能に支持されている。
成模型図のように、ポリイミド、ポリアミドイミド、P
EEK、PES等の低熱容量の耐熱性樹脂フィルム(ベ
ースフィルム)31aの表面に、導電性プライマー層3
1bを介して、PTFE、PFA、FEP等にカーボン
ブラック等の導電性部材を混入させた離型層31cをコ
ーティングした複合層フィルムである。離型層31cは
様々な画像不良を引き起こさないよう最適な抵抗値に設
計されている。また定着フィルム31は、チャージアッ
プ防止のため接地させたり、後述する定着バイアスを印
加させるため、図5の(b)のように、定着フィルム表
面の一部に導電性プライマー層31cを露出させ、導電
ブラシ等の給電手段41と接触させている。
金属製素管の表面に、プライマー層を介して、前記離型
層をコーティングした金属スリーブでも良い。この場
合、定着フィルムの接地やバイアス印加のため、金属製
素管が金属スリーブ表面に一部露出している。
タ面側は、定着フィルム31と略同一半径を有する円弧
状となっている。
に、シリコンゴム等の耐熱性ゴムの弾性層、あるいは発
泡スポンジ弾性層を挟んで、PFA、PTFE、FEP
等のフッ素樹脂から成る絶縁性の離型層から構成される
回転体である。弾性層は絶縁性の離型層表面のチャージ
アップを抑制するため、カーボンブラック等の導電性部
材を混入させて導電化し、芯金を接地させた方が好まし
い。
アセンブリ30に圧接され、不図示の駆動系により回転
駆動し、記録材Pと定着フィルム31は上記加圧ローラ
32によって従動回転して搬送される構成となってい
る。未定着のトナー像Tを担持した記録材Pは、加熱定
着装置3の加熱アセンブリ30と加圧ローラ32により
形成された圧接ニップ(定着ニップ)部N内で加熱・加
圧され、記録材P上にトナー像Tは定着し、定着後の記
録材Pは機外へ排出される。
33のガラスコーティング層と、定着フィルム31の裏
面(内周面)、すなわち記録材Pのトナー像Tと接する
側とは反対側の面との間に潤滑剤を介在させて、定着ニ
ップ部N内における定着フィルム31とヒータ33間の
摺動トルクを低く安定化し、定着フィルム31と記録材
P間のスリップを防止している。なお潤滑剤としては、
フッ素系グリス(例えば、HP-300 GREASE(ダウコーニ
ング社)や、DEMNUM GREASE L-65(ダイキン工業社))
等の耐熱品を使用している。
段41を用いて、定着フィルム31表面に一部露出して
いる導電性プライマー層31b(図5)と接触させて、
トナーTと同極性の定着バイアスを定着フィルム31に
印加する。定着バイアスの印加は、少なくとも記録材P
が定着フィルム31と接触している間は行われる。
を、定着ニップ部Nよりも記録材搬送方向上流側は定着
フィルム31の略半径とするのに対し、定着ニップ部N
よりも記録材搬送方向下流側は下流方向に突っ張るよう
規制させるため、図2・図4に示すように、フランジ部
材36の定着フィルム摺動部36bの形状を、定着ニッ
プ近傍の記録材搬送方向上流側はフィルムガイド35と
同様に定着フィルム31の略半径とする形状36cにす
るのに対し、定着ニップ近傍の記録材搬送方向下流側は
フィルムガイド35との嵌合部付近に定着フィルム31
を下流方向に突っ張らせる突起36dを設けている。
下流側における定着フィルム31と記録材Pの分離ポイ
ントAを、定着ニップ部N、及びヒータ33を支持する
フィルムガイド35から、図2に示す距離α、遠ざける
とともに、フランジ部材36にて定着フィルム31の両
端部のみを記録材搬送方向下流方向に突っ張らして、ニ
ップ下流側で定着フィルム31とフィルムガイド35を
接触しにくくし、熱源のヒータ33を支持する熱容量の
大きいフィルムガイド35から定着フィルム31への伝
熱量を減少させることができる。
れたトナーTを分離ポイントAに達するまで放熱させら
れるため、分離ポイントAにおけるトナーT温度を下げ
ることができる。よって、定着フィルム31と記録材P
の分離時におけるトナーTの凝集力を、トナーTと定着
フィルム31の粘着力よりも高くすることができ、記録
材Pと分離した後の定着フィルム31表面へのトナーT
の残存、すなわちホットオフセットを抑制できるのであ
る。
2により定着フィルム31が従動回転しているため、定
着フィルム31は定着ニップ側に常に引っ張られてい
る。そこで、定着フィルム31のスムースな回転のため
に、定着ニップ上流側における定着フィルム31の回転
軌跡は、フィルムガイド35と同様に定着フィルム31
の略半径としている。
るため、上記定着バイアス印加手段41・42により、
少なくとも記録材Pが定着フィルム31と接触している
間、トナーTと同極性の定着バイアスを定着フィルム3
1に印加し、トナーTを静電的に記録材Pに押さえつけ
て定着フィルム31への残存を抑制することが好まし
い。このバイアス印加による静電的なホットオフセット
の抑制も、本実施例による定着フィルム31と記録材P
の分離ポイントAにおけるトナーT温度の低減化によ
り、定着フィルム31との界面におけるトナーTの凝集
力も向上しているため、相乗的な効果を得ることができ
るのである。
従来例(図8)の加熱定着装置ように定着フィルム31
の定着ニップ近傍における回転軌跡を、ニップの上下流
側共にフィルムガイド35と同様に定着フィルム31の
略半径とした場合とについて、定着バイアスの有無によ
るホットオフセット評価を、異なるプリント速度(20
/30/40PPM)で実施したので、その結果を表1
に示す。表中の○はOKレベル、△は実用上問題の無い
レベル、×はNGレベルを示す。
時間以上放置された普通紙に、先端100mmは文字、
後端はベタ白とするパターンを印字し、ベタ白部への文
字パターンのオフセット状態を観察して評価を行なっ
た。
上昇し、定着フィルム31と記録材Pの分離ポイントA
におけるトナーTの温度が高くなるため、本実施例は従
来例に比べて、ホットオフセットマージンが広く、より
高速化が可能な装置であることが確認できた。
向下流側における定着フィルム31の回転軌跡を、下流
方向に部分的に突っ張るよう規制させることにより、定
着フィルム31と記録材Pの分離時のトナーT温度が低
下しトナーT凝集力が増加するため、ホットオフセット
の抑制が可能となったのである。
の比較実験 次に、異なる定着バイアス印加方式(図6)を採用した
場合について述べる。なおこのバイアス印加方式は、プ
リント速度の高速化により、後方トナー飛び散り現象の
抑制が必要な場合に採用する。
部Nを通過した記録材Pの印字面の裏面と接触する位置
に、接地された導電ローラ等の除電手段43を設ける。
除電手段43の形態としては、導電性を有していればブ
ラシやガイド等の形態でも構わない。
録材Pが定着フィルム31と接触している間、トナーT
(ここではマイナス極性トナーを使用する)と同極性の
マイナスバイアスを定着フィルム31に所定量印加する
ことで、記録材Pの抵抗を介して除電手段43の接地部
から印加したマイナスバイアスと逆極性のプラス電荷を
記録材Pの印字面の裏面に誘起させ、誘起したプラス電
荷で逆極性であるトナーTを記録材Pに引き付け固定し
ている。
合に、本実施例で説明した定着フィルム31の回転軌跡
を採用したの場合と、上述の従来例(図9)の回転軌跡
を採用した場合とについて、定着バイアス印加量の大小
によるホットオフセットと後方トナー飛び散り現象の比
較評価を、40PPMのプリント速度で実施したので、
その結果を表2に示す。表中の○はOKレベル、△は実
用上問題の無いレベル、×はNGレベルを示す。
%RHの環境下で24時間以上放置された普通紙に、先
端100mmは文字、後端はベタ白とするパターンを印
字し、ベタ白部への文字パターンのオフセット状態を観
察し、後方トナー飛び散り現象は、23℃/60%RH
の環境下で24時間以上放置された普通紙に、紙の搬送
方向と直交する向きに線を並べたパターンを印字し、後
方へのトナーの飛び散り状態を観察して評価を行なっ
た。
て、定着バイアスの増大してもホットオフセットは問題
無く、高速化により後方トナー飛び散り現象の抑制のた
め高バイアスの印加が必要な場合でも、ホットオフセッ
トと後方トナー飛び散り現象を両立させることができ、
より高速化が可能な装置であることが確認できた。
例と従来例でのホットオフセット状況の差異について説
明する。
面の裏面にトナーと逆極性のプラス電荷を誘起させるた
めに、プラス電流を記録材P中に流しており、その電流
は定着フィルム31と記録材Pの分離ポイントA付近
で、記録材Pから定着フィルム31側に流れていく。そ
のため、分離ポイントA付近において、マイナス電荷の
弱いトナーはこのプラス電流によって反転し、マイナス
バイアスの印加されている定着フィルム31側に付着し
やすい状態にある。
フィルム31と記録材Pの分離時のトナー温度が高くト
ナーの凝集力が低い場合は、反転したトナーは定着フィ
ルム31側に付着するとともに、定着バイアスの増大に
よりさらに付着量は増加してしまう。
1と記録材Pの分離時のトナー温度が低くトナーの凝集
力が高い場合は、一部のトナーが反転してもトナー同士
の凝集力が強いため、定着フィルム31側への付着を抑
制することができるのである。
ィルム31の定着ニップ近傍における回転軌跡の規制方
法の他例を図7に示す。なお、前述した実施例1と同一
機能を有する部分は同一符号を使用し説明を援用する。
の規制 本実施例では、定着フィルム31の定着ニップ近傍にお
ける回転軌跡を、定着ニップ部Nよりも記録材搬送方向
上流側は定着フィルム31の略半径とするのに対し、定
着ニップ部Nよりも記録材搬送方向下流側は下流方向に
部分的に突っ張るよう規制させるため、図8に示すよう
に、フィルムガイド35の定着フィルム摺動部の形状
を、定着ニップ近傍の記録材搬送方向上流側は定着フィ
ルム31の略半径とする形状35aにするのに対し、定
着ニップ近傍の記録材搬送方向下流側は定着フィルム3
1を下流方向に部分的に突っ張らせるくし歯状の突起3
5b(図8、図3)を設けている。
着フィルム31と記録材Pの分離ポイントAを、定着ニ
ップ、及びヒータ33を支持するフィルムガイド35の
枠体から、図7に示す距離α、遠ざけることができ、そ
して分離時のトナーTの温度を下げることが可能なた
め、実施例1と同様にホットオフセットを抑制すること
ができる。この時、熱源であるヒータ33を支持する熱
容量の大きいフィルムガイド35から、分離ポイントA
における定着フィルム31への伝熱を極力少なくするた
め、上記くし歯状突起35bは、図3に示すように、フ
ィルムガイド35の長手方向に部分的に設けた方が好ま
しい。
ィルム31の回転軌跡を、実施例1におけるフランジ部
材36による定着フィルム31の両端部のみを規制する
方式から、フィルムガイド35による定着フィルム31
の長手全域を規制する方式に変更することにより、定着
ニップ下流側における定着フィルム31の回転軌跡を安
定化させることができる。これにより、高温、高湿環境
下で長期放置され腰の弱くなった薄い記録材Pを使用し
ても、紙しわ等の定着ニップ下流側における定着フィル
ム31のたるみといった回転軌跡の不安定さを原因とす
る弊害も、抑制することが可能となる。
摺動部36bの形状は、定着ニップの上下流共に定着フ
ィルム31の略半径としても構わないが、定着フィルム
31の回転軌跡の安定化のため、下流側は実施例1と同
様の定着フィルム31を下流方向に突っ張らせる突起3
6dを設けた方が好ましい。さらに、定着フィルム31
の回転軌跡をフィルムガイド35で規制させるため、フ
ランジ部材36の突起36dの高さは、フィルムガイド
35のくし歯状突起35bよりも若干低めに設定した方
が好ましい。
制のため、実施例1と同様に、少なくとも記録材Pが定
着フィルム31と接触している間、トナーTと同極性の
定着バイアスを定着フィルム31に印加しても構わな
い。
め、実施例1の図6と同様に、記録材の印字面の裏面に
トナーと逆極性のプラス電荷を誘起させるような定着バ
イアス構成を採用しても良い。
て、フィルムガイド35の定着フィルム摺動部の形状
を、定着ニップ近傍の記録材搬送方向上流側は定着フィ
ルムの略半径とするのに対し、下流側は定着フィルム全
体を下流方向に突っ張らせるようフィルムガイドの長手
方向全域にわたって凸形状とした場合とについて、定着
バイアスの有無によるホットオフセット評価を、異なる
プリント速度(20/30/40PPM)で実施したの
で、その結果を表3に示す。表中の○はOKレベル、△
は実用上問題の無いレベル、×はNGレベルを示す。
時間以上放置された普通紙に、先端100mmは文字、
後端はベタ白とするパターンを印字し、ベタ白部への文
字パターンのオフセット状態を観察して評価を行なっ
た。
て、フィルムガイドにおける定着ニップ近傍の記録材搬
送方向下流側にくし歯状突起35b(図7、図8、図
3)を設け、定着フィルム31を下流方向に部分的に突
っ張らせたため、フィルムガイド35から分離ポイント
Aにおける定着フィルム31への伝熱を極力少なくで
き、実施例1と同様に、ホットオフセットマージンが広
く、より高速化が可能な装置であることが確認できた。
用いた場合と、実施例1(図2)とについて、高温/高
湿(例えば30℃/80%RH)の環境下で24時間以
上放置された、厚紙/普通紙/薄紙(例えば105g/
80g/60g紙)の紙三種類に、紙の搬送方向と直交
する向きに線を並べたパターンを印字し、紙のシワ状態
や画像(横線パターン)の乱れを観察して評価を行なっ
た。その結果を表4に示す。表中の○は問題無し、△は
画像乱れの発生(紙シワは無し)、×は紙シワの発生を
示す。なお、プリント速度は30PPMとした。
/高湿環境に放置することで腰も弱くなるため、本実施
例は実施例1に比べて、紙シワに対するマージンが広
く、定着ニップ下流側における定着フィルム31の回転
軌跡の安定化が、紙シワに対して効果があることが確認
できた。
フィルム31の回転軌跡を、実施例1のフランジ部材3
6による定着フィルム31の両端部のみを規制する方式
から、本実施例の中央へのたるみ等が無いようフィルム
ガイド35にて定着フィルム31長手全域を規制する方
式への変更にて、安定化させることにより、紙シワの最
も発生しやすい高温/高湿環境の薄紙の放置紙を使用し
ても、紙シワの発生を抑制できることが可能となったの
である。
られるものではなく、たとえば鉄板等の電磁誘導発熱部
材等にすることも出来る。
おける加圧ローラ32以外に、回動ベルト等の形態でも
構わない。
に限られず、仮定着する像加熱装置、画像を担持した記
録材を再加熱してつや等の画像表面性を改質する像加熱
装置等としても使用できる。
ィルム加熱方式のように、加熱部材と、該加熱部材を支
持するガイド部材と、該ガイド部材を内包し、かつ前記
加熱部材と内接する可撓性の回転体と、該回転体を両端
で支持し、かつ前記ガイド部材と嵌合するフランジ部材
と、からなる加熱アセンブリと、該加熱アセンブリにお
ける回転体に圧接し、回転駆動を加える加圧部材と、を
有し、前記加熱アセンブリと前記加圧部材の圧接ニップ
部に、画像を担持した記録材を通過させて加熱する像加
熱装置において、回転体の圧接ニップ近傍における回転
軌跡を、圧接ニップの記録材搬送方向の上流側は回転体
の略半径とするのに対し、下流側は下流方向に突っ張る
よう部分的に規制部材を設けることにより、回転体と記
録材との分離ポイントを、圧接ニップ、及び加熱部材を
支持するガイド部材から遠ざけられるため、分離ポイン
トにおける画像温度を下げることができる。よって、回
転体と記録材の分離時におけるトナーの凝集力が上昇
し、ホットオフセットに対するマージンが広がるため、
プリント速度を高速化しても良好な画像を得ることがで
きるのである。
型図である。
フランジ部材の外観斜視図である。
面図と側面図である。
図とプライマー層露出部の模型図である。
る。
面模型図である。
である。
Claims (5)
- 【請求項1】加熱部材と、該加熱部材を支持するガイド
部材と、該ガイド部材を内包し、かつ前記加熱部材と内
接する可撓性の回転体と、該回転体を両端で支持し、か
つ前記ガイド部材と嵌合するフランジ部材と、からなる
加熱アセンブリと、 該加熱アセンブリにおける回転体に圧接し、回転駆動を
加える加圧部材と、 を有し、前記加熱アセンブリと前記加圧部材の圧接ニッ
プ部に、画像を担持した記録材を通過させて加熱する像
加熱装置において、 回転体の圧接ニップ近傍における回転軌跡を、圧接ニッ
プの記録材搬送方向の上流側は回転体の略半径とするの
に対し、下流側は下流方向に突っ張るよう部分的に規制
部材を設けることを特徴とする像加熱装置。 - 【請求項2】回転体の圧接ニップ近傍の記録材搬送方向
下流側における回転軌跡を、加熱部材よりも記録材搬送
方向下流側においてフランジ部材に設けた突起部にて、
回転体の両端部のみを下流方向に突っ張ることを特徴と
する請求項1に記載の像加熱装置。 - 【請求項3】回転体の圧接ニップ近傍の記録材搬送方向
下流側における回転軌跡を、加熱部材よりも記録材搬送
方向下流側においてガイド部材に設けたくし歯状の突起
部にて、回転体の中央付近を部分的に下流方向に突っ張
ることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。 - 【請求項4】少なくとも記録材が回転体と接触中、回転
体にバイアスを印加する手段を有することを特徴とする
請求項2又は3に記載の像加熱装置。 - 【請求項5】前記圧接ニップ部の記録材搬送方向の下流
側に、除電手段を有することを特徴とする請求項4に記
載の像加熱装置。
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