JP5737998B2 - 像加熱装置 - Google Patents

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本発明は、複写機やLBP等、電子写真方式・静電記録方式等の作像プロセスを採用した画像形成装置に使用される像加熱装置に関する。像加熱装置としては、記録材上に形成した未定着トナー画像を固着画像として加熱定着する定着装置や、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢度を増大させる光沢度増大装置等を挙げることができる。
従来、電子写真プリンターの画像形成装置を例にして説明する。電子写真による画像形成動作は、感光層を有する感光体表面を均一に帯電し、ホストコンピュータから送られた画像信号に従って感光体を露光することで潜像を形成する。更に、これを現像剤(トナー)で可視化像として記録材に転写する。そして記録材のトナー像を加熱溶融して定着するが、像加熱手段として図8に示されるベルト発熱方式のものが特許文献1、2に提案されている。
ここで、特許文献1の像加熱装置を図8(a)に、特許文献2の像加熱装置を図8(b)に示す。この特許文献1、2に示されるベルト発熱方式は、導電性フィラーを含有する有機高分子材料からなる発熱部としてのベルトヒータ40を備え、更にこのベルトヒータ40を張架する張架ローラを備える。具体的には、図8(a)では張架ローラ42を通電ロール41の他に備え、また図8(b)でも張架ローラ52を駆動ローラ53の他に備える。
図8(b)では、更にベルトヒータ40に通電する通電ローラ44、45、検温素子25も備える。またベルトヒータ40への給電部材としては、張架ローラと相俟って回転電極が用いられている。なお図8(b)で、Tは記録材Sのトナー像を示し、加圧ローラ23との間で形成されるニップ部に挟持搬送されて加熱定着される。
特開平06−202513号公報 特開平10−142972号公報
しかしながら、図8(a)、図8(b)の像加熱装置は、張架ローラと相俟って回転電極を前提とするものであり、張架ローラが必要なために熱容量が大きくなっていた。即ち、移動回転するベルトヒータ40の支持体としての金属製の通電ローラ41、及び通電ローラ41以外の少なくとも1本の回転体である張架ローラ42、または、駆動ローラ53、及び電極ローラ44、45などを内包する必要があった。このため、ベルトヒータ40の直径は大きくなり、ベルトヒータ40の熱容量は大きくなってしまう。
また、内包接触する少なくとも2本の回転体(通電ローラ41、張架ローラ42、駆動ローラ53や電極ローラ44、45)の熱容量もある。特に通電ローラ41や電極44、45などは電気導電性の観点から金属を用いる必要があり、熱容量を小さく抑えることが困難である。これにより、像加熱装置の立ち上げに要する電力や定着実行中に必要とする電力の増加を招いてしまう。また、電源オフの状態やスタンバイ状態から定着実行可能状態に移行するのに要する時間も長くなってしまう。
そこで、本発明では、回転電極の替わりに非回転の摺動電極を用い、張架ローラ等を用いずに、熱容量の低減を図り、立ち上げ時間の短縮、消費電力の低減を行うことができる像加熱装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る像加熱装置導電層を有すスリーブと、前記スリーブの内周面に接触するニップ部形成部材と、前記ニップ部形成部材と共に前記スリーブを挟んでニップ部を形成するローラと、前記スリーブの母線方向において前記スリーブの両側の端部に各々設けられ、前記スリーブの前記端部の前記内周面のうち前記ニップ部を除いた領域に対向する第1の面を有する規制部材と、を有し、トナー像が形成された記録材を前記ニップ部で搬送しつつ前記トナー像を加熱する像加熱装置において前記規制部材は、前記スリーブが前記母線方向に移動したときに前記スリーブの前記母線方向の端面に接触する第2の面を有し、前記規制部材の前記第1の面に給電部材が設けられ、前記スリーブの前記母線方向における一方の端部側にある前記給電部材は、前記スリーブの他方の端部側の前記端面が前記第2の面に接触する状態において前記導電層と接触するように設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、像加熱部の熱容量の低減を図ることができ、像加熱における立ち上げ時間の短縮、更には消費電力の低減が可能となる。
(a)は本発明の実施形態に係わる像加熱装置の搬送方向に垂直な方向の概略構成図、(b)は給電部を示す図である。 (a)は像加熱装置の搬送方向の概略構成図、(b)は組立の簡易説明図である。画像形成装置の概略構成図 (a)乃至(f)は給電部材により給電される支持部材の概略構成図である。 画像形成装置の搬送方向の概略断面図である。 (a)は発熱定着スリーブの周方向の断面構成図、(b)は搬送方向に垂直な方向の断面構成図である。 (a)は比較例1の概略構成図、(b)は比較例2の概略構成図である。 (a)乃至(i)は給電部材により給電される第2の実施形態に係る支持部材の概略構成図である。 (a)、(b)は夫々第1、第2の従来技術の像加熱装置の概略構成図である。
本発明の実施形態を説明するに先立って画像形成装置、及び、像加熱装置などの概略構成を説明する。
(画像形成装置)
図4は、本発明の実施形態に係る像加熱装置7を定着手段として備えた画像形成装置100の一例の概略構成を示す搬送方向の装置断面図である。この画像形成装置100は、電子写真方式を用いてブラックのトナー像を記録材Sに形成するモノクロ画像形成装置である。即ち、パソコン・イメージリーダ・相手方ファクシミリ装置等の外部ホスト装置400から画像形成装置100の制御回路部(制御手段:CPU)200に入力する電気的な画像信号に基づいてシート状の記録材Sに画像形成を実行する。
制御回路部200は外部ホスト装置400や操作部300との間で各種の電気的情報の授受をすると共に、画像形成装置100の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。従って、以下の説明する画像形成装置100の画像形成動作は制御回路部200によって動作制御されるものである。
電子写真画像形成部は像担持体である回転ドラム型の電子写真感光ドラム(以下、ドラムと記す)1を有しており、以下のプロセス手段により現像剤としてのトナーの像を形成する。電子写真画像形成部は、感光ドラム1、帯電ローラ2、現像手段3、クリーニング手段4、及び、トナーは、ひとつの枠体にまとめて画像形成装置本体に対して着脱可能なオールインワンカートリッジ(プロセスカートリッジ)となっている。画像露光手段6はレーザースキャナユニットを用いている。
本実施形態の画像形成装置100の動作速度(以下、プロセススピードとする)は112mm/secであり、A4サイズの紙を縦方向に約18枚/分で画像形成することができる。感光ドラム1上に電子写真プロセスにて現像されたトナー像は、記録材S上に転写手段としての転写ローラ5にて転写される。
また、記録材Sの供給部となる記録材カセット50に格納された記録材Sは、所定の制御タイミングで給送ローラ対51により順次給送され、レジストローラ対52により所定の制御タイミングにて感光ドラム1と転写ローラ5で形成される転写ニップに搬送される。トナー像が転写された記録材Sは、感光ドラム1から分離され、定着手段としての像加熱装置7へ導入され、定着処理を経て、画像形成装置100の外へ定着排紙ローラ18を介して排出される。
(像加熱装置)
図1、図2は本実施形態における定着手段である像加熱装置7の構成説明図である。図1(a)は装置7の主要部の搬送方向に垂直な方向の概略図であり、図2(a)は装置7の主要部の搬送方向の断面概略図である。像加熱装置7は、定着部材として図5に後述する通電発熱抵抗層21aを備え、定着部材(フィルムまたはスリーブ)自身が発熱する方式の装置である。発熱定着スリーブ21は、非回転の摺動部材としてのヒータホルダ24との間、フランジ27(L、R)との間で摺動して回転されるようになっている。
発熱定着スリーブ21は、ヒータホルダ24に内周面が接触し、加圧ローラ23に外周面が接触する回転可能な可撓性を有する発熱用回転体である。加圧ローラ23は、ヒータホルダ24との間に発熱定着スリーブ21を挟んで圧接し、発熱定着スリーブ21との間に、記録材搬送方向において所定幅の定着ニップ部Nを形成する。そして、記録材をニップ部Nで挟持搬送しつつ発熱定着スリーブ21からの熱と加圧することで、未定着トナー像を記録材Sに固着画像として定着するプロセスを担っている。
本実施形態では、発熱定着スリーブ21は支持部材であるヒータホルダ24とフランジ27を介して加圧バネ28により総圧で約118N(約12Kgf)の力で加圧ローラ23に加圧されている。本実施形態の像加熱装置7においては、加圧ローラ23が加圧ローラ駆動ギア29により図4中の矢印の反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ23の回転により、発熱定着スリーブ21は従動回転する構成である。
ここで、発熱定着スリーブ21の内周面には、図2(a)に示すように記録材Sの通紙域温度を検知する温度検知手段としてのサーミスタ25が内接しており、発熱定着スリーブ21の温度を制御している。また発熱定着スリーブ21の内周面には異常対応素子26も設置されている。異常対応素子26としては温度ヒューズやサーモスイッチ等のサーモプロテクター26を用いている。サーモプロテクター26は発熱定着スリーブ21の通電回路に直列に挿入されている。異常対応素子26を設置するのは、発熱源である発熱定着スリーブ21が制御不可能となり異常昇温した場合に発熱定着スリーブ21への通電をオフとし異常時の対応を行うものである。
定着入り口ガイド30は、転写ニップから分離搬送された記録材Sが、定着ニップ部Nに確実に搬送される役割を、定着排紙ローラ18(図4)は画像定着が成された記録材Sを像加熱装置7から排出する役割を果たしている。
図2(b)に組立の簡易説明をもって装置の具体的構成を示す。ヒータホルダ24側の外向き水平張り出しラグ部77・78は夫々フランジ27L・27Rの差し込み用穴部に十分に嵌入していて左右の各フランジ27L・27Rをしっかりと支持している。
軸71の左右端部側に予め左右の軸受部材69を嵌着した加圧ローラ23を左右側壁板62・63の縦方向切欠き長穴66・67に上端開放部から嵌係合させて加圧ローラ23を左右側壁板62・63間に入れ込む。そして、左右の軸受部材68・69が長穴66・67の下端部に受け止められる位置まで下ろす(落し込み式)。
次いで、ヒータホルダ24、左右のフランジ27L・27Rを図のような関係に予め組み立てた中間組立て体を、長穴66・67に上端開放部から嵌係合させて左右側壁板62・63間に入れ込む。そして、先に組み込んである加圧ローラ23の上面に当って受け止められるまで下ろす(落し込み式)。
更に、左右側壁板62・63の外側に長穴66・67を通して突出している、左右の各フランジ部材27L・27Rのラグ部の上に夫々コイルばね78L・78Rをラグ部上面に設けた支え凸起で位置決めさせて縦向きにセットする。そして、上カバーにより各コイルばね28L・28Rを押し縮めながら、左右の側壁板62・63の上端部間の所定の位置まで嵌め入れてねじで左右の側壁板62・63間に固定する。
(発熱定着スリーブ)
ここで、本実施形態で用いている発熱定着スリーブ21の構成を図5(a)に周方向断面図、(b)に長手断面図を示す。21aは発熱定着スリーブ21の基材となる通電発熱抵抗層であり、耐熱性樹脂であるポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を主剤としている。あるいは、ポリエチレンサルファイド(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などを主剤としている。
そして、導電性を付与するためのカーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンマイクロコイル等のカーボンナノ材料や金属微粒子または金属酸化物微粒子が分散されている。例えば、一般家庭用や事務所などの商用交流電源である電源コンセントから得られる交流電圧を印加することで発熱する抵抗値となるよう、これらの導電性付与材料の配合量が調整されている。
また、これらのカーボンナノ材料や金属微粒子または金属酸化物微粒子は、導電性付与に加えて、熱伝導性の向上や機械強度の維持などの役割も担っている。配合量としては30〜60(重量%)程度が、発熱定着スリーブ21の基材としての強度維持の観点から好ましい。
また、商用交流電源を用いて画像形成装置100を動作させる場合、電源容量や印刷速度、像加熱装置7の立上げ速度等を考慮すると、通電発熱抵抗層21aに投入する電力は100〜1200(W)程度が望ましい。また、通電発熱抵抗層21aの両端2点間の抵抗値は12〜100(Ω)程度となる。
また、発熱定着スリーブ21の基材としての通電発熱抵抗層21aの厚みは、前記抵抗値と発熱定着スリーブ21の基材としての強度を考慮すると、40〜80(um)程度が好ましい。
発熱定着スリーブ21の離型層21cは、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の耐熱性フッ素樹脂から形成される。あるいは、EPA(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)等の耐熱性フッ素樹脂から形成される。そして、通電発熱抵抗層21aとはプライマー層21bを介して堅固に接着されている。また、離型層21cには、抵抗値制御手段としてカーボンやイオン導電性の電気抵抗制御物質(有機リン酸、5酸化アンチモン、酸化チタン)などを、離型性を損なわない範囲で分散させてもよい。
本実施形態で用いた発熱定着スリーブ21の仕様は、PIにカーボンナノファイバーを18(重量%)分散し、略Φ18(mm)の外径で厚みは60umとしたものを通電発熱抵抗層21aとした。そして、その上に離型層21cとしてPFAを15(um)でコーティングしたものとした。この通電発熱抵抗層21aの両端部の内面間の抵抗値が16Ωとなるよう、カーボンファイバーの分散量を決めている。
なお、加圧ローラ23はΦ13(mm)のアルミニウムを芯金し、弾性層としてシリコンゴムを3.5(mm)の厚みで形成し、表層には離型層として厚さ30(um)のPFAチューブを被覆した。これにより、加圧力118N(約12kgf)で加圧し、約6mmの定着ニップを得た。
(発熱定着スリーブへの給電)
続いて、図1(b)および図3にて発熱定着スリーブ21へ交流電圧を給電する電極としての給電部SaまたはSbに関して説明する。本実施形態では、図5で示した発熱定着スリーブ21の両端部の内面に露出している通電発熱抵抗層21aと、図3(a)に示す発熱定着スリーブ21の支持部材であるフランジ27Lの摺擦面27L1全面に、給電電極としてSUS薄板27L2を設ける。そして、このSUS薄板27L2にACケーブル28を介して交流電圧を印加することで、発熱定着スリーブ21の通電発熱抵抗層21aへの給電を実現している。
図3(b)に給電電極としてのSUS薄板27L2を網掛けとして示した。また、図3(c)に発熱定着スリーブ21の蛇行を規制する面(発熱定着スリーブ21が母線方向に移動したときに発熱定着スリーブ21の母線方向の端面に接触)を備えたフランジ27Lの断面図を示した。図3(d)、(e)は定着入口ガイド30側からみて、それぞれ左側のフランジ27L、右側のフランジ27Rを示している。また、矢印は、発熱定着スリーブ21の回転方向を示しており、図中それぞれ反時計回り、時計回りである。図3(c)に示したように、SUS薄板27L2は発熱定着スリーブ21の両端部の内周面、または、端面と摺擦するように断面でL字型とし、摺擦面27L1のほぼ全域に設けることで発熱定着スリーブ21との確実な摺擦による給電を実現している。
以上、27Lについてのみ説明してきたが、27Rについても同様である。即ち、SUS薄板27R2を設けることで、図3(f)に示したように、各フランジ27L、27Rに設けられたSUS薄板27L2、27R2間に交流電圧を印加し、発熱定着スリーブ21に電流が流れ、発熱する。
このような構成において、SUS薄板27L2を電極として通電発熱抵抗層21aに通電がなされ、発熱定着スリーブ21は所定の制御温度へと迅速に昇温する。サーミスタ25を含む制御系により、発熱定着スリーブ21が所定の制御温度(=定着温度)に維持されるように通電が制御される。そして、発熱定着スリーブ21が定着温度に維持された状態において、転写部から未定着トナー像が形成担持された記録材Sが定着ニップNに搬送され、定着ニップNにて熱と圧力により固着画像として定着されることになる。
(本実施形態の比較例に対する効果)
比較例で用いた像加熱装置を図6(a)、(b)に示した。(a)に示した比較例1は、大径の発熱定着ベルト40を駆動ローラ43及び張架ローラ42にて張架し、加圧ローラ23と成す定着ニップNの前後にて給電ローラ44、45にて給電する方式の像加熱装置である。即ち、特許文献2として紹介したものである。大径の発熱定着ベルトとして、PIにカーボンナノファイバーを18(重量%)分散させ、給電ローラ44、45間での抵抗値を16(Ω)とした。そして、略Φ38.6(mm)の外径で厚さを50(um)で形成し、離型層はPFAを15(um)厚さでコーティングした。
加圧ローラ23は第1の実施形態と同様の構成のΦ20(mm)のものを用いて、78.4N(約8kgf)で加圧し、約8(mm)の定着ニップを得ている。図6(b)に示した比較例2は、キヤノン株式会社のLBPの像加熱装置として広く上市されているフィルム加熱方式を用いた。フィルム加熱方式の像加熱装置では、定着フィルム31を挟んで加圧ローラ23と対応する位置にセラミック基板に通電発熱抵抗層を形成したセラミックヒータ32を通電制御することでフィルム加熱することが知られる。
比較に用いた定着フィルム31は、PIを基材とした略Φ18(mm)の外径で厚さを60(um)とし、離型層としてPFAを15(um)厚さでコーティングしたものである。加熱源であるセラミックヒータ32はアルミナ基板のセラミックに銀パラジューム(Ag/Pb)等を主剤とする通電発熱抵抗層を長手に渡って形成し抵抗値を15(Ω)としたものである。加圧ローラ23は同様構成のΦ20(mm)のものを用いて、118N(約12kgf)で加圧し、約6(mm)の定着ニップを得ている。
第1の実施形態の効果の検証として、像加熱装置の立ち上がりに要する時間(秒)、その間に要した積算消費電力量(mWh)を確認した。立ち上がりは、室温状態にある像加熱装置の加熱源(本実施形態は発熱定着スリーブ21、比較例1はベルトヒータ40、比較例3はセラミックヒータ32)に通電を開始し、サーミスタ25が定着実行可能な180℃を検知するまでとした。投入電力は600(W)の出力となるよう、入力電圧を固定した。例えば、本実施形態の場合は
として比較を行った。表1に各像加熱装置7における検証結果を掲載する。
比較例1は、比較例2や本実施形態に比べて、ベルトヒータ40が大径、且つ、内包接触する回転部材(42〜45)があることで定着部材全体としての熱容量が大きくなっている。それに加えて、ベルトヒータ40の反加圧ローラ23側に放熱する区間があることで、立ち上げ要する時間や電力量が増えてしまった。比較例2と本実施形態では比較例2はセラミックヒータ32と定着フィルム31として別部材であるため、その間に熱抵抗が生じている。加えて、定着部材21の基材層自身が発熱する本実施形態に対して、定着フィルム31の内周面から加熱することで、定着フィルム基層における熱抵抗が存在している。これらの熱抵抗によって、比較例2は本実施形態に比較して立ち上げ要する時間や電力量が増えてしまった。
以上説明したように、本実施形態では、発熱定着部材、及び、内包する部材の熱容量を小さくした発熱定着スリーブ21を用いた像加熱装置7を具現化することが可能となり、立ち上がりに要する電力量を抑えられる像加熱装置を提供できる。
(第2の実施形態)
続いて、本発明の第2の実施形態について図7にて説明する。本実施形態では、高寿命の像加熱装置を実現するために、第1の実施形態を更に改善したものである。発熱定着スリーブ21とフランジ27L、27Rの摺擦面27L1、27R1は、その全域において摺擦しているように思えるが、実際にはそうならない。即ち、図7の断面図(a)、(b)において、発熱定着スリーブ21は加圧ローラ23からの回転駆動力によって従動回転するため、発熱定着スリーブ21は定着ニップNの入り口側(=上流側)では引っ張られる。一方、定着ニップNの出口側(下流側)では弛むことになる。
図7(a)〜(h)に示した摺擦面27L1、27R1と発熱定着スリーブ21内周面との摺擦の状態を定性化するために、摺擦面27L1、27R1を4分割し、それぞれの各部位を油性マジックで塗りつぶしたうえで、像加熱装置7に組み込んだ。そして、記録材Sを通紙した後、発熱定着スリーブ21を外して、摺擦面27L1、27R1を塗りつぶした油性マジックの残り具合によって摺擦度合いを確認した。
4分割し塗りつぶした部位は、図7(a)、(b)に定着ニップNの上流直前の部位、図7(c)、(d)その直前の部位、図7(e)、(f)には更にその直前の部位、図7(g)、(h)は定着ニップNの下流直後の部位として示した。図中、摺擦面27−2の波線部が、それぞれ油性マジックで塗りつぶした部位である。確認結果を表2に示した。結果は、油性マジックが残らない状態(即ち、強い摺擦である)を「○」、油性マジックが残ってしまう状態(即ち、摺擦が弱い)を「×」、この間の状態を「△」として示した。
表2に示した通り、定着ニップNの上流直前の発熱定着スリーブ21が張っている状態にある図7(a)、(b)の部位が強く摺擦していた。反対に定着ニップNの下流直後の発熱定着スリーブ21が弛んでいる状態にある図7(g)、(h)の部位では摺擦が弱いことが分かった。これらの間の部位においても、それぞれ定着ニップNより回転上流側にある図7(c)、(d)の部位の方が摺擦していることが確認できた。
本実施形態では以下に述べる理由で、図7(i)に示したように定着ニップNの上流直前の摺擦面図7(a)、(b)にのみSUS薄板27L2を設けた。電流は抵抗値が小さい経路を選択して流れる性質から、上述したように発熱定着スリーブ21と給電用SUS薄板27L2が強く摺擦することで接触抵抗が小さな部位から、安定した給電がなされる。一方、摺擦が不安定であり接触抵抗も大きく不安定な部位からは安定した給電が成されないことになる。
第1の実施形態では、SUS薄板27L2をフランジ摺擦面27L1の全域に設けたが、本実施形態では摺擦が弱く不安定な部位にはSUS薄板27L2を設けず、耐熱性樹脂の摺擦面27L1とする。これにより、本実施形態の目的の達成に加えて、R形状面に設けるSUS薄板を減らすことになり低コスト化も実現できた。摺擦が不安定な部位は、発熱定着スリーブ21とSUS薄板27L2間にて、接触・離間を繰り返している状態であり、発熱定着スリーブ21は絶えずSUS薄板27L2に叩かれていることになる。
この状態での使用を長時間継続することで、発熱定着スリーブ21端部は摩耗による強度不足を招き、最終的には発熱定着スリーブ21端部の破損や座屈などを発生させてしまう。これらの問題はフィルム式の像加熱装置においては致命的であり、回避することが望まれる。
本実施形態においては、発熱定着スリーブ21とSUS薄板27L2を常に安定した接触状態とすることで発熱定着スリーブ2端部の摩耗をなくし、端部強度を維持することで、端部破損や端部座屈を抑制し、結果、像加熱装置として長寿命化を実現したものである。
本実施形態では、図7(a)、(b)で示した部位にのみSUS薄板27L2を設けたが、像加熱装置の構成、例えば、発熱定着フィルム外径、加圧力、発熱定着フィルムとフランジの嵌合度合い、などを考慮し、図7(c)、(d)など他の部位に設けても良い。
(変形例)
以上、摺動部に設けられる給電部材として、スリーブの母線方向端部の内面または端面、若しくは内面および端面に接触して支持するスリーブ規制部材の支持部に給電部材を設けることを述べた。しかし、本発明はこれに限らず、摺動部材としてのヒータホルダ24に給電部材を設けても良い。即ち、例えばニップ部においてヒータホルダ24の長手方向(記録材搬送方向と直交する方向)の複数箇所に電極としての給電部材を設けても良い。この場合、SUS等で形成される電極部が埋め込まれた領域の表面が隣接する周辺領域の表面と凹凸の少ないなだらかな摺動面を形成するようにされていれば良い。
21・・熱定着スリーブ、21a・・電発熱抵抗層、21b・・ライマー層、21c・・離型層、23・・加圧ローラ、24・・ヒータホルダ、25・・サーミスタ、26・・サーモプロテクター、27・・フランジ、27L1・・摺擦面、27L2‥‥SUS薄板(電極)、28・・通電AC線、29・・加圧ローラ駆動ギア、30・・定着入口ガイド、N・・定着ニップ、S・・記録材、T・・トナー像、Sa、Sb・・給電部

Claims (2)

  1. 導電層を有すスリーブと、
    前記スリーブの内周面に接触するニップ部形成部材と、
    前記ニップ部形成部材と共に前記スリーブを挟んでニップ部を形成するローラと、
    前記スリーブの母線方向において前記スリーブの両側の端部に各々設けられ、前記スリーブの前記端部の前記内周面のうち前記ニップ部を除いた領域に対向する第1の面を有する規制部材と、
    を有し、トナー像が形成された記録材を前記ニップ部で搬送しつつ前記トナー像を加熱する像加熱装置において
    前記規制部材は、前記スリーブが前記母線方向に移動したときに前記スリーブの前記母線方向の端面に接触する第2の面を有し、
    前記規制部材の前記第1の面に給電部材が設けられ
    前記スリーブの前記母線方向における一方の端部側にある前記給電部材は、前記スリーブの他方の端部側の前記端面が前記第2の面に接触する状態において前記導電層と接触するように設けられていることを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記給電部材は、少なくとも前記1の面のうち前記スリーブの回転方向における前記ニップ部よりも上流側の領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
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