JP5289001B2 - 像加熱装置及び加圧回転体 - Google Patents

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Description

本発明は、発熱部材を有する加熱用回転体と加圧回転体とによって形成されるニップ部において記録材上の画像を加熱する像加熱装置、及び加圧回転体に関する。
従来、安全性に優れた熱ローラ方式、または省エネルギータイプのフィルム加熱方式を採用し、記録材上の画像を加熱する像加熱装置が知られている。例えば電子写真方式の複写機、プリンタ等の画像形成装置の多くには、未定着のトナー像を記録材上に加熱定着させる加熱定着手段として、このような像加熱装置が備えられている。
熱ローラ方式を採用する像加熱装置には、加熱用回転体として内部にハロゲンヒータ等の発熱部材を有する定着ローラが用いられている。一方、フィルム加熱方式を採用する像加熱装置には、加熱用回転体として耐熱性を有するエンドレス状の可撓性スリーブ(以下、定着フィルムと称する)が用いられている(特許文献1)。さらにこれらの像加熱装置には、加熱用回転体に圧接して加熱ニップ部を形成する加圧回転体(以下、加圧ローラと称する)が備えられている。
また、定着ローラ及び定着フィルムは、内部に駆動ローラを設ける方法、または加圧ローラの回転駆動に従動させる方法によって回転駆動する構成であるが、近年では部品数が少なく低コストな構成である、加圧ローラに従動回転させる方法が多く用いられている。
かかる構成によると、まず加熱ニップ部に記録材を通紙し、加熱用回転体と加圧回転体とによって該記録材を挟持搬送することで、記録材上の画像に対して加熱用回転体側から熱を付与することが可能である。図7に従来の像加熱装置(フィルム加熱方式)の概略構成を示す。
像加熱装置210は、内側に金属ステー50を取り付けた上フレーム60を有し、金属ステー50はガイド部材を兼ねるフィルムガイド20を支持し、フィルムガイド20の下端に発熱部材であるヒータ10が保持されている。
加熱用回転体としての定着フィルム30は、その内周面においてヒータ10と摺動しつつ、フィルムガイド20に回転方向を規制されて回転可能に構成されている。また、下フレーム80内には加圧回転体としての加圧ローラ40が配置されており、加圧ローラ40の芯金40cが下フレーム80に支持されている。
そして金属ステー50に取り付けた不図示の加圧手段でフィルムガイド20を押さえ込むことにより、ヒータ10と加圧ローラ40とを定着フィルム30を介して総圧4〜30kgf程度に圧接させている。これにより、定着フィルム30と加圧ローラ40との間に加熱ニップ部を形成している。
この構成によると、加圧ローラ40が回転することで、定着フィルム30は加熱ニップ部に作用する摩擦力により加圧ローラ40からの駆動力を受けてフィルムガイド20に沿って回転することができる。
また、トナー像9を担持した記録材Pは、入り口ガイド7aに沿って加熱ニップ部に入り、加圧ローラ40と定着フィルム30とによって挟持搬送される。そしてヒータ10により定着フィルム30を介して加熱され、加熱ニップ部の圧接力により加圧され、トナー
像が加熱されながら加熱ニップ部を通過して、排紙ガイド7bに沿って排出される。
次に従来の加圧ローラ40及び定着フィルム30の構成についてより詳しく説明する。加圧ローラ40は、芯金40cの外周に耐熱性ゴムからなる弾性層40bが形成され、さらにその外周には離型層40aが形成されている。
定着フィルム30は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等の耐熱性樹脂、あるいはSUS、Al、Ni等の耐熱性と高熱伝導性を有する純金属あるいは合金からなる基層30cを有している。
さらにその外周に抵抗値が10Ω以下に調整された導電プライマー層30bが形成され、その外周にはPTFE、PFA、FEP等のフッ素樹脂からなる離型層30aがコーティングまたはチューブで形成されている。このように、従来の定着フィルム30は、膜厚が100μm以下の複合層フィルムである場合が多い。
図8に、上記で説明した従来の加圧ローラ40と定着フィルム30によって形成された加熱ニップ部の概略構成を示す。図8に示すように、定着フィルム30の回転軸方向の一方の端部には、導電プライマー層30b、あるいは基層30cが良導電性の金属からなる場合は基層30cを露出させた領域(不図示)が設けられている。
一方、加圧ローラ40には、定着フィルム30の外部に露出したプライマー層30bあるいは基層30cに圧接する端部位置に、抵抗値を10Ω以下に調整された導電ゴムリング40dが芯金40cに嵌め込まれている。
このように、加圧ローラ40側の導電ゴムリング40dと定着フィルム30側の導電プライマー層30b(または基層30c)を圧接させることで、プライマー層30bまたは基層30cを、芯金40cに接続した抵抗40eにより抵抗接地することができる。これにより、定着フィルム30表面の電位を安定させ、画像を記録材上に加熱定着させる際における記録材上のトナー像への静電的な影響を小さくしている。
さらに近年では、図7に示した像加熱装置210の高速化及び高寿命化を達成するために次のような改良も行なわれている。
例えば、定着速度の高速化に伴い定着温度を上げると、長期間の使用を通して定着フィルム30や加圧ローラ40等の部材がダメージを受け、これらの表面の離型性が劣化してオフセットが発生しやすくなる。さらに定着時にトナーが記録材の搬送方向の後方に飛び散って定着される尾引きという現象があるが、定着温度を上げると定着時に発生する水蒸気量が増えるので、この尾引きが発生しやすくなる。
これらのオフセットや尾引きが発生しやすい条件下では、定着フィルム30や加圧ローラ40等にトナーによる汚れも蓄積しやすくなり、定着時に記録材のトナー汚れを生じやすくなってしまう。
そのため、定着フィルム30の表面電位を制御して、定着フィルム30にトナーが付着することを防ぐ工夫が重要になってくる。例えば、加圧ローラ40の芯金40cから導電ゴムリング40dを通して、定着フィルム30の表面をトナーと同極性の電位に帯電することにより、オフセット、尾引き等を低減して、定着画像の品質を改善することができる。
しかし、この方法では、定着フィルム30の表面電位をある程度制御できるものの、加
圧ローラ40の表面電位を制御することは困難である。加圧ローラ40表面は、離型性の良好なフッ素樹脂のコート層やチューブで覆われており、紙やフィルム等の記録材との摩擦により、表面がマイナスに帯電しやすくなっている。
このため、トナーの帯電極性が加圧ローラ40表面と同じマイナスであると、記録材上のトナー像が加熱ニップ部に入る直前で、トナーが加圧ローラ40と電気的に反発して、定着フィルム30側に転移する力が働き、オフセットが生じやすくなる。
そこで、図9に示すような構成が提案されている。すなわち、加圧ローラ40の表面電位を加圧ローラ40の弾性層40bの抵抗値が10Ω程度になるように導電化し、芯金40cをダイオード400を介して接地、あるいは高圧電源(不図示)から直接給電させる。これにより、加圧ローラ40の表面電位を所定極性に制御することが可能になる。
また、一方の定着フィルム30の表面電位は、露出した導電プライマー層30bあるいは基層30cに導電ブラシ等の給電部材300を接触させて、高圧電源Eからの直接給電、あるいはダイオード(不図示)を介して接地させることにより制御可能である。すなわち、この構成によると定着フィルム30表面と加圧ローラ40表面間に所望の電位差を形成させることが可能になる(特許文献2)。
特開平2−157878号公報 特開2002−132072号公報
しかしながら、近年、複写機やプリンタ等の画像形成装置に対してさらなる高速化が求められており、それにより像加熱装置に対してもより一層の改良が求められている。
例えば図9で説明した定着フィルム30と加圧ローラ40の各々の表面電位を制御して両者の表面間に電位差を形成させる方式の場合、プリント速度のさらなる高速化により、加圧ローラ40表面の電位はマイナス側に帯電してしまうことがある。
特に低温低湿環境等で高抵抗の記録材に対して連続プリントすると、初期はプラス電位に制御されていた加圧ローラ40表面が、徐々にマイナス側に帯電していく。そして、最終的にはマイナス電位に制御されていた定着フィルム30の表面に対し、加圧ローラ40の表面電位が電位的に逆転してしまうことがある。
このような電位の逆転現象が発生してしまうと、記録材上に形成されているトナー像と加圧ローラ40とが電気的に反発してしまうため、トナー像が定着フィルム30側に転移してしまうオフセットが発生しやすくなる。
この解決策としては、加圧ローラ40の表面電位をより確実に制御すべく、加圧ローラ40を構成する弾性層40bや離型層40aを導電化することが効果的な手法として考えられる。しかしながら、特に離型層40aを導電化した場合は、次のような問題を生じる。
図9のように定着フィルム30と加圧ローラ40の全長を略同等とすると、図10に示すように、幅Xの領域に定着フィルム30と加圧ローラ40間の電気的な導通経路が形成されてしまうため、定着フィルム30と加圧ローラ40間は同一電位となってしまう。同一電位では両者の表面間に電位差が形成されないため、記録材上へのトナー像の保持力は小さく、オフセットの改善は充分ではない。
一方、定着フィルム30と加圧ローラ40間の電気的な導通経路を遮断するために、図11に示すように、幅Yのギャップを設けことで、定着フィルム30と加圧ローラ40間に所望の電位差を形成することができる。よって記録材上にトナー像を保持する力が発生するためにオフセットは改善する。
しかしながら、電気的な導通経路を遮断するために定着フィルム30の全長を長くしているため、記録材Pの左端からのはみ出し量(記録材Pの非搬送領域)が幅W2となり、上述した図10の幅W1よりも長くなる。
すなわち、像加熱装置が大型化し、画像形成装置全体の寸法も大きくなるため、コストアップと同時に設置面積増大といった製品スペックにまで影響を与えてしまう。
さらに、加圧ローラ40に圧接しない定着フィルム30の表面領域が増加するため、フィルムガイド20に対する定着フィルム30の回転が不安定になりやすい。
よって、プリント耐久を行なうことで、定着フィルム30に対してどちらか一方向への寄り力が発生したり、定着フィルム30とヒータ10間に介在しているグリスが劣化したりする可能性がある。また、定着フィルム30の寄りやグリスの劣化は、定着フィルム30の駆動トルクのアップや端部破損といった品質問題につながる可能性もある。
そこで本発明は、大型化することなく、かつ高速に記録材上の画像を加熱可能であり、プリント耐久を通じて加熱用回転体の回転を安定化させることができる像加熱装置、及び加圧回転体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明にあっては、
導電層と、前記導電層の外側に形成された表層と、を有し、未定着トナー像と接触する第1の回転体と、
前記第1の回転体と接触してニップ部を形成する第2の回転体と、
トナーの帯電極性と同極性のバイアス電圧を前記導電層に付与するためのバイアス電圧付与手段と、
を備え、
前記第1の回転体は、前記第1の回転体の母線方向の一部に前記導電層を周方向に亘って露出させた露出部を有し、
前記バイアス電圧付与手段は、前記露出部に接触し、
前記ニップ部で前記未定着トナー像を担持した記録材を搬送しながら前記未定着トナー像を加熱する像加熱装置において、
前記第2の回転体の表面は、前記第2の回転体の母線方向において、第1の領域と第2の領域とを有し、前記第1の領域は前記第2の領域よりも電気抵抗値が高く、前記露出部は前記第2の回転体に対して前記第1の領域のみで接触することを特徴とする。
本発明によれば、大型化することなく、かつ高速に記録材上の画像を加熱可能であり、プリント耐久を通じて加熱用回転体の回転を安定化させることができる像加熱装置、及び加圧回転体を提供することが可能になる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施の形態に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[第1の実施の形態]
図1〜図4を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る像加熱装置及び加圧回転体について説明する。
(画像形成装置の概略構成)
本実施の形態に係る像加熱装置を加熱定着手段として用いた画像形成装置の概略構成について説明する。この画像形成装置の概略構成を図3に示す。なお、図3は、本実施の形態における画像形成装置の一例として、レーザープリンタの概略構成を示す縦断面図である。
図3に示されるように画像形成装置本体は、像担持体として回転ドラム型の電子写真感光体、すなわち感光ドラム11を備えている。そしてこの感光ドラム11は、OPC、アモルファスシリコン等の感光材料をアルミニウムやニッケル等のシリンダ状の基体上に塗布して形成されており、矢印の時計方向に所定の周速度で回転駆動される。感光ドラム11はその回転過程で、表面を帯電ローラ12により所定の極性・電位に一様に帯電される。
感光ドラム11の表面が帯電されると、露光装置としてのレーザースキャナ13が目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応してON/OFF制御されたレーザービーム13aを出力し、回転する感光ドラム11の表面をレーザ光によって走査露光する。これにより、感光ドラム11の表面には走査露光のパターンに対応した静電潜像が形成される。その後、感光ドラム11上の静電潜像は現像装置14によって現像され、トナー像として可視化される。
感光ドラム11上のトナー像は、感光ドラム11と転写ローラ15とで形成された転写ニップ部Tにおいて、給紙カセット17から転写ニップ部Tに所定のタイミングで給紙された記録材Pに、転写ローラ15の作用により転写される。
記録材Pは、給紙カセット17に複数積載収容されており、収容された記録材Pは給紙ローラ18と不図示の分離部材との作用により1枚ずつ分離して給送され、シートパス19を通ってレジストローラ20まで搬送される。その後、感光ドラム11上のトナー像が転写ニップ部Tに到達するタイミングと同期をとって、レジストローラ20により転写ニップ部Tに供給される。
転写ニップ部Tでトナー像の転写を受けた記録材Pは、本実施の形態に係る像加熱装置としての加熱定着装置21に搬送され、そこで記録材P上のトナー像が加熱定着され、シ
ートパス22を通って装置本体上面の排出部23に排出される。一方、トナー像の転写を終了した感光ドラム1の表面に残留した転写残りトナーは、クリーニング装置16により除去される。なお、除去されたトナーはその後繰り返して作像に供される。
なお、本実施の形態における画像形成装置は、LTR縦通紙で55ppm(プロセススピード311mm/秒)の性能を有している。本実施の形態に係る加熱定着装置21は、このような高速プリントが可能なプリンタに搭載することができる。
(像加熱装置の構成)
本実施の形態に係る像加熱装置としての加熱定着装置21の構成について説明する。加熱定着装置21は、加熱用回転体として、可撓性を有するエンドレス状の定着フィルム3を使用するフィルム加熱方式であり、かつ加圧ローラ駆動方式の像加熱装置である。
基本構成は例えば図7に示した従来の加熱定着装置21と同様であるが、本実施の形態では図1及び図2に示すように、加圧ローラ4表面の離型層に4f部(第1の表面)と4a部(第2の表面)を設けている点が従来と異なる点である。以下、本実施の形態に係る像加熱装置を構成する各部材ごとに説明を行う。
(発熱部材の説明)
発熱部材としてのヒータ1は、セラミック基板上に発熱ペーストを印刷した発熱体と、発熱体の保護と絶縁性を確保するためのガラスコーティング層と、を順次形成したものであり、ヒータ1上の発熱体へ電力制御されたAC電流を流すことにより発熱する。
セラミック基板の材質としては窒化アルミニウムや酸化アルミニウム等を使用しており、セラミック基板の裏には不図示の温調用のサーミスタ(温度検知素子)を当接させてある。ヒータ1は、記録材Pの搬送方向に直角な左右方向に長く、記録材Pの幅よりも長く形成されている。
またヒータ1は、加熱定着装置21に取り付けられたフィルムガイド2によって、定着フィルム3の内部に支持されている。フィルムガイド2は、耐熱樹脂によって半円弧状に形成された部材であり、後述の定着フィルム3の回転をガイドするガイド部材としても作用する。
本実施の形態では、基材として高い絶縁性を有する窒化アルミニウムに、発熱体として銀−パラジウム合金をスクリーン印刷し、絶縁保護層としてガラスコーティングを施したヒータ1を使用した。
(加熱用回転体の説明)
加熱用回転体としての定着フィルム3は、可撓性を有するエンドレス状のフィルム部材であり、前述のヒータ1及びフィルムガイド2に対して遊嵌されている。定着フィルム3の内周面は、後述する加圧ローラ4によってヒータ1に押し付けられており、これにより定着フィルム3の内周面がヒータ1の下面と直接摺動するようになっている。
定着フィルム3は、加圧ローラ4の回転により記録材Pが矢印の方向に搬送されるのに伴って、加圧ローラ4と従動回転するように構成されている。なお、定着フィルム3の左右の(回転軸方向の)両端部は、フィルムガイド2と嵌合する不図示のフランジ部材によって規制されており、ヒータ1の長手方向に定着フィルム3がズレないようになっている。また、定着フィルム3の内周面には、ヒータ1やフィルムガイド2との間の摺動抵抗を低減するためにグリスが塗布してある。
定着フィルム3には、SUS、Al、Ni、Cu、Zn等の耐熱性と高熱伝導性を有する純金属や合金、あるいはポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES等の耐熱性樹脂からなる円筒状素管(基層)3cが形成されている。その外側には、プライマー層3bが形成されており、さらにその外側にはPTFE、PFA、FEP等のフッ素樹脂からなる離型層3a(表層)が形成されている。なお、プライマー層3bを設けない構成であってもよく、すなわち基層3c及びプライマー層3bのどちらの層も、加熱用回転体の導電層として設定することができる。
また定着フィルム3は、回転軸方向の少なくとも一方の端部(図2の非通紙域W3の端部)において、基層3cが良導電性の金属等からなる場合は基層3c、あるいは導電性を付与したプライマー層3bが周方向にわたって露出している(図2)。
そして、このように導電層(基層3cもしくはプライマー層3b)が露出した表面に対しては、導電ブラシ等の給電部材30が接触可能である。一方、少なくとも定着フィルム3の表面の通紙域Wpは、離型層3a(表層)で被覆されるように構成されている。
本実施の形態では、基層3c(導電層)をSUSの膜厚35μmで形成し、離型層(表層)3aには絶縁性のフッ素樹脂(絶縁部材)の膜厚15μmを使用し、給電部材30と接触させるために非通紙域W3に良導電性の基層3cを露出させている。
(加圧回転体の説明)
加圧回転体としての加圧ローラ4は、金属製の芯金4cの外周に、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性ゴムからなる弾性層4bを挟んで、PFA、PTFE、FEP等のフッ素樹脂からなる離型層4a、4fを設けた回転体である。
ここで、第1の表面とは離型層4fであり、第1の表面以外の第2の表面とは離型層4aをさす。そして不図示の加圧機構により、離型層4a、4fの外周によって定着フィルム3を下方からヒータ1に押し付けて、定着フィルム3との間に加熱ニップ部を形成している。
この加熱ニップ部における、加圧ローラ4の回転方向の幅(ニップ幅)は、記録材P上のトナーを好適に加熱、加圧することができる程度に設定されている。そして、定着フィルム3と加熱ニップ部を形成している加圧ローラ4表面の記録材Pの搬送方向に直角な左右方向の寸法は、ヒータ1表面と加圧ローラ4表面が直接対向しないように、定着フィルム3と略同等か若干小さくなるように設定されている。
また、加圧ローラ4の表面電位を制御させるため、図2に示すように加圧ローラ4の芯金4cをダイオード(給電部材)45を介して接地させている。すなわち、本実施の形態における芯金4cは、給電部材に接続可能に構成されている。
図1に示すように、本実施の形態に係る加圧ローラ4の離型層には、4a部(第2の表面)と4f部(第1の表面)がある。そして、少なくとも通紙域Wpは4a部、前述した定着フィルム3の基層3cの露出部には4f部のみが圧接するように設けられている。かつ、抵抗値は4a部よりも4f部の方が高くなるように設定されている。
さらに、弾性層4bには、離型層4aの表面電位を所定極性に制御できるようにカーボンブラック等の導電性部材が混入されて導電性が付与されている。これにより、少なくとも加圧ローラ4の通紙域Wpにおける表面電位を所定極性に制御しやすくしている。
本実施の形態では、芯金4cにはアルミ材、弾性層4bには抵抗値が10Ω程度の導
電性を付与したシリコーンゴムのソリッド、離型層4aには、4f部が絶縁性であるのに対し抵抗値が10Ω程度の導電性が付与されたフッ素樹脂を使用している。
なお、4a部、4f部といった抵抗の異なる離型層の形成方法としては、例えば、最初に加圧ローラ4表面の弾性層4b上に導電性を付与されたPFAチューブを被覆して4a部を形成する。その後、チューブの上から絶縁のPFAをコーティングして4f部を形成しても良いし、弾性層4b上に直接2種類のPFAをコーティングして、4a部と4f部を形成しても良い。
(定着フィルム3と加圧ローラ4間の電位差の形成)
定着フィルム3に対しては、バイアス電源Eから不図示の安全回路、そして導電ブラシ等の給電部材30を介して、定着フィルム3表面に一部露出している基層3cと接触させてトナーと同極性のバイアスを定着フィルム3に印加している(図2)。
なお、定着バイアスの印加は、少なくとも記録材Pが定着フィルム3と接触している間は行われる。一方、加圧ローラ4に対しては、芯金4cをダイオード45を介して接地させているため、常に加圧ローラ4がトナーと逆極性を保持するように制御されている。
また、定着フィルム3の周方向にわたって露出している良導電性の基層(導電層)3cは、少なくとも加圧ローラ4表面の抵抗値が10Ω程度の導電性を付与された離型層4a部(第2の表面)と圧接しないように構成されている。
このように、定着フィルム3と加圧ローラ4間の電気的な導通経路を遮断させているため、定着フィルム3の基層3cに印加された電圧が加圧ローラ4側にリークすることを抑制している。また、加圧ローラ4の芯金4cにダイオード保持された電圧が定着フィルム3側にリークすることを抑制している。
これらの構成を有することで、定着フィルム3に印加されたトナーと同極性の電圧と、加圧ローラ4にダイオード保持されたトナーと逆極性の電圧との間に所定の電位差が生じさせることができる。よって、記録材Pが加熱ニップ部付近にいる間は記録材P上のトナーを記録材Pに静電的に押し付ける力が形成され、記録材P上のトナーが定着フィルム3へ転移するのを静電的に防止することができる。
(従来例との比較実験)
上述したような本実施の形態に係る(図1及び図2)の加圧ローラ4を使用した場合と、従来例1〜従来例3に係る加圧ローラを使用した場合における比較実験について以下説明する。
なお、従来例1は図9に示すように、表面全域が絶縁性の加圧ローラ40を使用した場合であり、従来例2は図10に示すように、表面全域の抵抗値が10Ω程度の導電性を示す加圧ローラ40を使用する場合である。また、従来例3は図11に示すように、加圧ローラ40には従来例2と同等のものを用いて、定着フィルム3は露出した導電プライマー層3bあるいは基層3cが加圧ローラ40表面に圧接しないよう全長を長くしたものを使用した場合である。
また、プリント速度の異なる本体(35PPM/55PPM)での比較も実施した。以下、(オフセット評価について)、(耐久経時での定着フィルムの駆動トルク評価について)、(画像形成装置の設置面積比較について)を説明する。
(オフセット評価について)
15℃/10%RHの環境下で、表面性の粗いラフ紙であるFox River Bond #24(Fox River Paper社製)紙を用いて、文字パターンを500枚連続プリントして、文字欠け等のオフセットの発生レベルを比較した。発生レベルとしては、○はOKレベル、△は実用上問題の無いレベル、×はNGレベル、のようにランク付けを行なった。
(耐久経時での定着フィルムの駆動トルク評価について)
常温常湿環境下で、Xerox 4200 #20(Xerox社製)紙を用いて、プリント耐久を行ない、定着フィルムの駆動トルクとして、定着器の駆動トルクを耐久前と300k枚耐久後に測定を行ない、耐久前後でのトルク推移を比較した。トルク推移としては、○は+10%以内、△は+10%〜+30%、×は+30%以上、のようにランク付けを行なった。
(画像形成装置の設置面積比較について)
各々の加圧ローラを使用した場合の画像形成装置の設置面積が、本実施の形態と比較して変更の必要性があるか確認を行なった。設置面積としては、○は本実施の形態と略同等、×は本実施の形態よりも拡大、のようにランク付けを行なった。これらの比較結果を表1に示す。
Figure 0005289001
この結果より、本実施の形態に係る加圧ローラ4は、従来例1、2、3と比べて、プリント速度が高速化しても、オフセットレベルは良く、プリント耐久時の定着フィルムのトルク上昇も小さく、画像形成装置本体の設置面積も小さくできることが確認できた。
比較例1の加圧ローラは、表面が全域絶縁性のため、低温低湿環境等で高抵抗紙を連続プリントすることにより、初期はプラス電位に制御されていた加圧ローラ表面が、徐々にマイナス側に帯電していく。そして、最終的にはマイナス電位に制御されていた定着フィルム表面に対し、電位的に逆転してしまうため、オフセットが発生してしまった。この傾向は高速化で顕著なため、55ppmの方がレベルが悪かった。
従来例2の加圧ローラは、表面の抵抗値が全域10Ω程度と導電性のため、連続プリントによるチャージアップは改善するが、定着フィルムと全長が略同等のため、定着フィルムと加圧ローラ間に電気的な導通経路が形成されてしまう。そのため、定着フィルムと加圧ローラ間は同一電位となり、電位差が形成されないためオフセットが発生してしまった。
従来例3の加圧ローラは、定着フィルムの全長を長くして、定着フィルムと加圧ローラ間に電位差を形成させているため、オフセットレベルは良い。しかし、加圧ローラと対向しない定着フィルムの表面領域が増加するため、フィルムガイドに対する定着フィルムの回転が不安定になる。
この傾向は高速化で顕著なため、55ppmのプリント耐久では定着フィルムとヒータ間に介在しているグリスが劣化し、定着フィルムの駆動トルクが上昇してしまった。なお、駆動トルクの上昇は、定着フィルムの端部破損といった品質問題にもつながる可能性がある。さらに、定着フィルムの全長が長くなるため、加熱定着器、そして画像形成装置全体の寸法も大きくなるため、設置面積が他の構成よりも大きくなってしまった。
一方、本実施の形態の加圧ローラ4は、少なくとも通紙域となる第2の表面には、抵抗値が10Ω程度の導電性を付与し、そして非通紙域の定着フィルム側の給電部(導電層が露出している部分)に圧接する第1の表面には絶縁性を付与させている。よって、定着フィルムと略同等の全長で、定着フィルムとの電位差の形成、及び連続プリントによるチャージアップ防止が実現できる。
そのため、従来例と比べて画像形成装置本体の寸法を大きくすること無く、プリント速度の高速化、定着画像品質の改善、プリント耐久を通じた定着フィルムの回転の安定化を実現することが可能になる。
なお、本実施の形態における加圧ローラ4の表面電位は、図2に示すように、一例として芯金4cをダイオード45を介して接地させていることで制御を行う構成である。しかし、図4に示すようにバイアス電源Erから不図示の安全回路、そしてカーボンチップ等の給電部材31を介して、加圧ローラ4の芯金4cにトナーと逆極性のバイアスを印加して制御を行なっても良い。この加圧ローラ4へのバイアスの印加は、定着フィルムへのバイアスと同様に、少なくとも記録材Pが加圧ローラ4と接触している間に行われていれば良い。
また、本実施の形態における定着フィルム3の表面電位は、基層3cの露出部をダイオード45を介して接地させることで、トナーと同極性に保持するような制御を行なっても良い。
また、ここでは本実施の形態における加圧ローラ4表面の離型層(第1の表面)4f、及び定着フィルム3表面の離型層(表層)3aを絶縁部材で形成した場合について説明を行なった。しかし、少なくとも加熱ニップ部に記録材Pがある状態で定着フィルム3と加圧ローラ4間に電位差を形成できるような抵抗を有していれば、絶縁部材を用いなくともよい。
[第2の実施の形態]
図5を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る像加熱装置及び加圧回転体について説明する。なお、上記第1の実施の形態と同一機能を有する部分、例えば定着フィルム3や定着フィルム3への定着バイアス印加方式等は同一符号を使用し説明を援用する。
図5で示した加圧ローラ4は、金属製の芯金4cの外周に弾性層4bを設け、弾性層の4bの回転軸方向の一部の領域の外周に離型層4aを設けた回転体である。すなわち、本実施の形態における加圧ローラ4の表面は、弾性層4bである領域と離型層4aである領域とが隣り合って形成されており、弾性層4bによって形成される表面が第1の表面であり、離型層4aによって形成される表面が第2の表面である。
そして、少なくとも定着フィルム3表面の非通紙域W4に設けられた基層(導電層)3cの露出部には、加圧ローラ4の弾性層4bの領域(第1の表面)、通紙域Wpには加圧ローラ4の離型層4a(第2の表面)が圧接するように設けられている。かつ、それぞれの抵抗値は離型層4aよりも弾性層4bの方が高くなるように設定されている。
本実施の形態では、芯金4cはアルミ品、弾性層4bは絶縁性シリコーンゴムのソリッド品、離型層4aは抵抗値が10Ω程度の電気的な導電性が付与されたフッ素樹脂品を使用している。
すなわち、第1の表面は絶縁部材からなる弾性層4bによって形成されているため、加圧ローラ4表面の電位は、第1の実施の形態(図2)のように、芯金4cをダイオード45を介して接地させる方式では制御できない。
そのため、離型層4aに導電性を付与することで加圧ローラ4表面の局所的なチャージアップの緩和し、加圧ローラ4表面の電位を安定化させるような制御を行なっている。
また、定着フィルム3表面と加圧ローラ4表面はお互いが対向して加熱ニップ部を形成している。しかし、定着フィルム3表面の端部に露出している良導電性の基層3cは、少なくとも加圧ローラ4表面の抵抗値が10Ω程度の導電性を付与された離型層4aに圧接しないように構成されている。
このように、定着フィルム3と加圧ローラ4間の電気的な導通経路を遮断させているため、定着フィルム3の基層3cに印加された電圧が加圧ローラ4側にリークすることを抑制している。
これらの構成を有することで、トナーと同極性の電圧を印加された定着フィルム3表面と、チャージアップが抑制された加圧ローラ4表面との間に、電位差を生じさせることが可能になる。よって、記録材Pが加熱ニップ部にいる間は記録材P上のトナーを記録材Pに静電的に押し付ける力が形成され、記録材P上のトナーが定着フィルム3へ転移するのを静電的に防止することができる。
このように、本実施の形態に係る加圧ローラを使用しても、定着フィルムと略同等の全長で、定着フィルムとの電位差の形成、及び連続プリントによるチャージアップ防止が実現できる。そのため、画像形成装置本体の寸法を大きくすること無く、プリント速度の高速化、定着画像品質の改善、プリント耐久を通じた定着フィルムの回転の安定化を実現することが可能になる。
なお、本実施の形態における定着フィルム3の表面電位は、基層3cの露出部をダイオードを介して接地させることで、トナーと同極性に保持するような制御を行なっても良い。
また、ここでは本実施の形態における加圧ローラ4の弾性層4b、及び定着フィルム3表面の離型層3aを絶縁部材によって形成した場合について説明を行なった。しかし、少なくとも加熱ニップ部に記録材Pがある状態で定着フィルム3と加圧ローラ4間に電位差を形成できるような抵抗を有していれば、絶縁部材を用いなくてもよい。
また、本実施の形態における定着フィルム3の端部に露出した基層3c部が圧接する加圧ローラ4の弾性層(第1の表面)は、離型層4aの内側にある弾性層4b部と一体的に構成されている必要は無い。例えば、絶縁性のゴムリングを芯金4cに嵌め込み、定着フィルム3の基層3c部に加圧当接させても良い。
[第3の実施の形態]
図6を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る像加熱装置及び加圧回転体について説明する。なお、上記第1、第2の実施の形態と同一機能を有する部分、例えば定着フィ
ルム3や定着フィルム3への定着バイアス印加方式等は同一符号を使用し説明を援用する。
図6に示した加圧ローラ4は、金属製の芯金4cの外周面に、弾性層4b部(第2の表面)及び4g部(第1の表面)を設けた回転体である。そして、少なくとも定着フィルム3の表面の非通紙域W5に設けられた基層3cの露出部には加圧ローラ4の弾性層4g部のみが、通紙域Wpには加圧ローラ4の弾性層4b部が圧接するように設けられている。
さらに、抵抗値は弾性層4b部よりも弾性層4g部の方が高くなるように設定されている。また、加圧ローラ4の表面電位を制御させるため、第1の実施の形態(図2)のように、加圧ローラの芯金4cをダイオード45を介して接地している。
本実施の形態では、一例として、芯金4cはアルミ品、弾性層4b部は抵抗値が10Ω程度の導電性を付与されたシリコーンゴムのソリッド品、弾性層4g部は絶縁性シリコーンゴムのソリッド品を使用している。
なお、4b、4gといった抵抗値の異なる弾性層の形成方法としては、例えば、芯金4c上にまず導電性弾性層4b部を注型により形成後、絶縁性弾性層4g部を注型により形成してもよい。または、芯金4c上に導電性弾性層4b部を注型により形成後、絶縁性のゴムリングを芯金4cに嵌め込むことにより絶縁性弾性層4g部として形成してもよい。
ここで、定着フィルム3表面と加圧ローラ4表面はお互いが対向して加熱ニップ部を形成している。しかし、定着フィルム3表面の一部に露出している良導電性の基層3cは、少なくとも加圧ローラ4表面の抵抗値が10Ω程度の導電性を付与された弾性層4b部に圧接しないように構成されている。
このように、定着フィルム3と加圧ローラ4間の電気的な導通経路を遮断させているため、定着フィルム3の基層3cに印加された電圧が加圧ローラ4側にリークすることを抑制している。そして、加圧ローラ4の芯金4cにダイオード保持された電圧が定着フィルム3側にリークすることを抑制している。
これらの構成を有することで、トナーと同極性の電圧を印加された定着フィルム3表面と、ダイオードによりトナーと逆極性に保持された加圧ローラ4表面との間に、電位差を生じさせることができる。
よって、記録材Pが加熱ニップ部付近にいる間は記録材P上のトナーを記録材Pに静電的に押し付ける力が形成され、記録材P上のトナーが定着フィルム3へ転移するのを静電的に防止することができる。
このように、本実施の形態に係る加圧ローラによれば、定着フィルムと略同等の全長で、定着フィルムとの電位差の形成、及び連続プリントによるチャージアップ防止が実現できる。
そのため、画像形成装置本体の寸法を大きくすること無く、プリント速度の高速化、定着画像品質の改善、プリント耐久を通じた定着フィルムの回転の安定化を実現することが可能になる。
なお、本実施の形態における加圧ローラ4の表面電位は、バイアス電源から加圧ローラ4の芯金4cにトナーと逆極性のバイアスを印加して制御を行なっても良い。この加圧ローラ4へのバイアスの印加は、定着フィルムへのバイアスと同様に、少なくとも記録材P
が加圧ローラ4と接触している間に行われていれば良い。
また、本実施の形態における定着フィルム3の表面電位は、基層3cの露出部をダイオードを介して接地させることで、トナーと同極性に保持するような制御を行なっても良い。
また、本実施の形態では、加圧ローラ4の弾性層4g部、及び定着フィルム3表面の離型層3aに絶縁部材を用いた場合について説明を行なった。しかし、少なくとも加熱ニップ部に記録材Pがある状態で定着フィルム3と加圧ローラ4間に電位差を形成できるような抵抗を有していれば、絶縁部材を用いなくても構わない。
[その他の実施の形態]
第1〜第3の実施の形態で説明した像加熱装置は、加圧ローラ駆動方式であるが、エンドレス状の定着フィルムの内周面に駆動ローラを設け、定着フィルムにテンションを加えながら駆動する方式の装置であってもよい。また、定着フィルムをロール巻きの有端ウエブ状にし、これを走行駆動させる方式の装置であってもよい。
また、本発明に係る像加熱装置はフィルム加熱方式に限られるものではなく、熱ローラ方式など、加熱用回転体と加圧部材とのニップ部で画像を担持した記録材を挟持搬送させて記録材上の画像を加熱する像加熱装置であればよい。
また、発熱部材はセラミックヒータに限られるものではなく、例えば鉄板等の電磁誘導発熱性部材を用いることも可能である。
また、発熱部材として鉄板等の電磁誘導発熱性部材を用い、これを加熱ニップ部の位置に配設して、これに交番磁束発生手段としての電磁コイルと磁性コアにより発生させた高周波磁界を作用させることで発熱させる装置構成にすることもできる。
また、移動部材としてのフィルム自体を電磁誘導発熱性部材にして交番磁束発生手段で発熱させる装置構成にすることもできる。
定着フィルム3の表面に露出させた導電層(芯金3cまたはプライマー層3b)は、定着フィルム3の回転軸方向の一方の端部に露出するものとして説明したが、回転軸方向の両方の端部においてこれらの導電層が露出している構成であってもよい。その場合でも、露出した導電層に対しては、加圧ローラ4の端部であって抵抗値の大きな第1の表面のみを圧接させればよい。
本発明の像加熱装置は、未定着画像を記録材上に永久画像として加熱定着させる加熱定着手段としてだけではなく、未定着画像を記録材上に仮定着させる加熱装置、画像を担持した記録材を再加熱して、つや等の画像表面性を改質する加熱装置なども包含される。
画像形成装置の作像方式は電子写真方式に限られず、静電記録方式、磁気記録方式等であってもよいし、また転写方式でも直接方式でもよい。
第1の実施の形態に係る加圧ローラの概略構成図。 第1の実施の形態に係る加圧ローラと定着フィルムによって形成された加熱ニップ部の概略構成図。 第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成図。 第1の実施の形態に係る加圧ローラと定着フィルムによって形成された加熱ニップ部の概略構成図。 第2の実施の形態に係る加圧ローラと定着フィルムによって形成された加熱ニップ部の概略構成図。 第3の実施の形態に係る加圧ローラと定着フィルムによって形成された加熱ニップ部の概略構成図。 従来の像加熱装置(フィルム加熱方式)の概略構成図。 従来の加圧ローラと定着フィルムによって形成された加熱ニップ部の概略構成図。 従来の加圧ローラと定着フィルムによって形成された加熱ニップ部の概略構成図。 従来の加圧ローラと定着フィルムによって形成された加熱ニップ部の概略構成図。 従来の加圧ローラと定着フィルムによって形成された加熱ニップ部の概略構成図。
符号の説明
3 定着フィルム
3a 定着フィルムの表層
3b 定着フィルムのプライマー層
3c 定着フィルムの基層
4 加圧ローラ
4a 加圧ローラの離型層(第2の表面)
4b 加圧ローラの弾性層
4c 加圧ローラの芯金
4f 加圧ローラの離型層(第1の表面)
21 加熱定着装置

Claims (8)

  1. 導電層と、前記導電層の外側に形成された表層と、を有し、未定着トナー像と接触する第1の回転体と、
    前記第1の回転体と接触してニップ部を形成する第2の回転体と、
    トナーの帯電極性と同極性のバイアス電圧を前記導電層に付与するためのバイアス電圧付与手段と、
    を備え、
    前記第1の回転体は、前記第1の回転体の母線方向の一部に前記導電層を周方向に亘って露出させた露出部を有し、
    前記バイアス電圧付与手段は、前記露出部に接触し、
    前記ニップ部で前記未定着トナー像を担持した記録材を搬送しながら前記未定着トナー像を加熱する像加熱装置において、
    前記第2の回転体の表面は、前記第2の回転体の母線方向において、第1の領域と第2の領域とを有し、前記第1の領域は前記第2の領域よりも電気抵抗値が高く、前記露出部は前記第2の回転体に対して前記第1の領域のみで接触することを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記露出部は、前記第1の回転体の母線方向において、前記第1の回転体の端部に設けられ、前記第2の領域は記録材が通過する領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 前記第2の回転体は、芯金と、前記芯金の外側に形成された弾性層と、前記弾性層の外側に形成された表層と、を有し、
    前記第2の回転体の前記表層が前記第1の領域と前記第2の領域とを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の像加熱装置。
  4. 前記第2の回転体は、芯金と、前記芯金の外側に形成された弾性層と、前記弾性層の外側に形成された表層と、を有し、
    前記第2の回転体は前記第2の回転体の母線方向の一部に前記弾性層を周方向に亘って露出させた露出部を有し、前記第1の領域は前記第2の回転体の前記露出部の表面にあり
    、前記第2の領域は前記第2の回転体の前記表層の表面にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の像加熱装置。
  5. 前記第2の回転体は、前記第2の回転体の母線方向で、
    芯金と、前記芯金の外側に形成された弾性層と、前記弾性層の外側に形成された表層と、を有する部分と、
    前記芯金の外側に最外層として絶縁性層を形成した部分と、を有し、
    前記第1の領域は前記絶縁性層の表面にあり、前記第2の領域は前記第2の回転体の前記表層の表面にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の像加熱装置。
  6. 前記芯金は、前記第2の回転体にトナーと逆極性の電荷が保持されるようにダイオードを介して電気的に接地されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  7. 前記第1の回転体は筒状のフィルムであり、前記第2の回転体は加圧ローラであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  8. 前記フィルムの内面に接触するヒータを有し、前記ヒータは前記フィルムを介して前記加圧ローラと共に前記ニップ部を形成することを特徴とする請求項に記載の像加熱装置。
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