JPH10284218A - 加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

加熱装置及び画像形成装置

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JPH10284218A
JPH10284218A JP10520997A JP10520997A JPH10284218A JP H10284218 A JPH10284218 A JP H10284218A JP 10520997 A JP10520997 A JP 10520997A JP 10520997 A JP10520997 A JP 10520997A JP H10284218 A JPH10284218 A JP H10284218A
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JP
Japan
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heating
film
support member
heat
fixing
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JP10520997A
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English (en)
Inventor
Yorihito Naitou
順仁 内藤
Satoru Izawa
悟 伊澤
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムを使用したタイプの加熱装置におい
て、フィルムの良好な搬送性を維持しつつ被加熱材の搬
送方向と直交する方向にわたり均一な加熱処理を行なう
ことや、長寿命化を図った装置を提供すること。 【解決手段】 被加熱材を、加熱部材と加圧部材とを互
いに圧接してなる加熱ニップ部を通過させることにより
加熱する加熱装置において、上記加熱部材が加熱用ヒー
タと、フィルムと、該フィルムを回転可能に支持する支
持部材で構成されており、上記支持部材には加熱用ヒー
タを支持した部分に対しフィルム回転方向の上流側及び
下流側にフィルムの回転を案内するガイド部を有し、該
ガイド部のフィルムに対する最近接部の形状を該上流側
と下流側とで異ならせたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱用ヒータとフ
ィルムとそれを支える支持部材等で構成された加熱部材
と加圧部材とを互いに圧接して加熱ニップ部を形成し、
被加熱材を該ニップ部に導入し、通過させることにより
加熱する加熱装置、及び該加熱装置を電子写真方式・静
電記録方式等の作像プロセスにおける像加熱手段として
備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式を用いたプリンタ
ー、複写機、ファクシミリなどの装置における記録材上
の未定着画像を定着する方式としては熱効率、安全性が
良好な接触加熱型の定着装置(加熱装置)が広く知られ
ている。特に近年では省エネルギー推進の観点から、熱
伝達効率が高く、装置の立ち上がりも早い方式として、
熱容量の小さな定着フィルムを介して加熱するフィルム
加熱方式の定着装置が注目されており、特開昭63−3
13182号公報、特開平2−157878、4−44
075〜44083、4−204980〜204984
号公報などに提案されている。
【0003】フィルム加熱方式の定着器としては、定着
フィルムを加熱用ヒータや搬送用ローラ等の複数部材間
に懸回張設し、該フィルムを挟んで加熱用ヒータに対し
て加圧ローラを圧接して圧接ニップ部(定着ニップ部)
を形成し、搬送用ローラの回転により定着フィルムを搬
送し、加圧ローラを従動させる構成のものと、加圧用ヒ
ータを支持した支持部材に円筒形状の定着フィルムを遊
嵌し、該フィルムを挟んで加熱用ヒータに対し加圧ロー
ラを圧接してニップ部を形成し、駆動ローラ兼用の該加
圧ローラを回転駆動させて定着フィルムを搬送する構成
のもの等があり、前者は定着フィルムの搬送性を高くで
きる利点を有し、後者は構成を簡略化して低コストの定
着器を実現できる利点がある。
【0004】具体例として後者の加圧ローラ駆動型フィ
ルム加熱方式の加熱装置(定着器)の断面構成を図8に
示す。同図において、11’は円筒状の定着フィルム、
H’は低熱容量の加熱用ヒータ(セラミックヒータ)、
12’は該ヒータH’を固定支持すると共に該フィルム
11’を回転自在に支持する断熱支持部材である。1
0’は該フィルム11’を挟み加熱用ヒータH’と圧接
して圧接ニップ部(定着ニップ部)を形成する加圧ロー
ラであり、不図示の駆動手段に回転駆動されて該定着フ
ィルム11’を断熱支持部材12’に沿って回転搬送す
る。
【0005】而して、記録材8’上に形成された未定着
トナー画像Taは、定着ニップ部に導入されて、耐熱性
ゴムからなる加圧ローラ10’により定着フィルム11
と密着させられ、該定着フィルム11’と共に定着ニッ
プ部内を搬送される際、該定着フィルム11’を介して
加熱用ヒータH’(サーミスタ13’、ヒータ基板1
4’、発熱体15’の構成)上にある発熱体15’によ
り加熱され、永久画像Tb’として定着されてゆく。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の所謂テンション
レス方式の画像形成装置において、断熱支持部材12’
の形状は図9のような形状をしている。
【0007】該断熱支持部材12’は通紙方向と直交す
る方向に長手の部材であり、下面には該長手方向に沿っ
て加熱用ヒータを保持する溝を有し、正面及び背面には
定着フィルム11’が滑らかに回転駆動されるよう該フ
ィルム11’をガイドするガイド部G’を設けている。
【0008】該ガイド部G’はフィルム回転方向と平行
なリブ30と該リブ30間をつなぐリブ間ガイド31等
よりなり、該リブ30の外周部分のみがフィルム11’
と接触するように構成したことで該支持部材12’とフ
ィルム11’との摺動抵抗を減らしている。
【0009】しかしながら、上記断熱支持部材12’を
使用したタイプの定着装置において、定着フィルム1
1’は定着ニップ部で加熱されて昇温し、該ニップ部通
過後断熱支持部材12’のリブ30との接触で局所的に
冷やされ、その状態で再度ニップ部に導入されて加熱用
ヒータH’により加熱されるのだが、やはり局所的に冷
やされた部分は温度が上がりきらず他の箇所との温度差
ができてしまう。このため、画像形成の上で定着不良が
生じ、その箇所のトナーが剥がれやすくなることがあっ
た。また、温調制御の上で断熱支持部材12’のリブ3
0と定着フィルム11’との接触点を基準に温調を行お
うとすると、断熱支持部材12’のリブ30と当たって
いない定着フィルム11’面が非常に高温になり、今度
はこの高温になった定着フィルム11’によるホットオ
フセットが生じてしまい、双方を共に良好に調節するこ
とは非常に難しい。
【0010】また、熱を奪われた定着フィルム11’を
ニップ部に通すので、一定温度で冷やされている定着フ
ィルム11’とは異なり加熱用ヒータ側も冷やされ、温
調時の電力が余計にかかってしまう。
【0011】さらに、従来の断熱支持部材12’のリブ
形状は定着フィルム11’の回転に沿うような形で形成
され、ただ定着フィルム11’の形状を保つだけの目的
であった。しかしこれでは断熱支持部材12’と定着フ
ィルム11’間にある両者の潤滑性を保つための耐熱性
グリースが定着フィルム11’の外に徐々に流れ出て、
定着フィルム11’の搬送不良の原因になることがあ
る。
【0012】したがって本発明の目的は、フィルムを使
用したタイプの加熱装置において、フィルムの良好な搬
送性を維持しつつ被加熱材の搬送方向と直交する方向に
わたり均一な加熱処理を行なうことや、長寿命化を図っ
た装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
〔1〕:被加熱材を、加熱部材と加圧部材とを互いに圧
接してなる加熱ニップ部を通過させることにより加熱す
る加熱装置において、上記加熱部材が加熱用ヒータと、
フィルムと、該フィルムを回転可能に支持する支持部材
で構成されており、上記支持部材には加熱用ヒータを支
持した部分に対しフィルム回転方向の上流側及び下流側
にフィルムの回転を案内するガイド部を有し、該ガイド
部のフィルムに対する最近接部の形状を該上流側と下流
側とで異ならせたことを特徴とする加熱装置。
【0014】〔2〕:ガイド部にフィルム回転方向と平
行なリブを設け、上記上流側のガイド部には該リブと共
に平坦な面を形成することを特徴とする前記〔1〕記載
の加熱装置。
【0015】〔3〕:上記リブが、支持部材の長手方向
に対して傾斜を持つことを特徴とする前記〔1〕記載の
加熱装置。
【0016】〔4〕:上記上流側ガイド部のリブが上記
支持部材の長手方向中央部を向くような傾斜を持つこと
を特徴とする前記〔1〕記載の加熱装置。
【0017】〔5〕:上記ガイド部において、下流側の
リブと上記フィルムとの間に支持部材の両端部から中央
部にかけて該支持部材長手方向に対し傾いた筋状の突起
を設けることを特徴とする前記〔1〕乃至〔4〕の何れ
か1項に記載の加熱装置。
【0018】〔6〕:上記ガイド部において、下流側の
リブの間に支持部材長手方向に対し傾いた溝を設けるこ
とを特徴とする前記〔1〕乃至〔4〕の何れか1項に記
載の加熱装置。
【0019】〔7〕:被加熱材として未定着画像を担持
した記録材を加熱し、該画像を該記録材上に加熱定着さ
せることを特徴とする〔1〕乃至〔6〕の何れか1項に
記載の加熱装置。
【0020】〔8〕:記録材上に顕画剤像を形成する像
形成手段と、該顕画剤像を加熱処理する像加熱手段とを
有する画像形成装置において、該像加熱手段として前記
〔1〕乃至〔6〕の何れか1項に記載の加熱装置を備え
たことを特徴とする画像形成装置。
【0021】〈作用〉 .フィルムが断熱支持部材のリブと接触することによ
ってフィルム面上の温度が不均一になるのを抑え、記録
材上に塗布された未定着トナーを均一に温調する事がで
き、定着不良の起こりにくい永久画像を得ることができ
る。
【0022】.断熱支持部材長手方向に対し傾いた筋
状の突起もしくは溝を設けたことにより断熱支持部材と
フィルム間の断熱性グリースを断熱支持部材中央方向へ
寄せ、より長時間保持できるようにして耐熱性グリース
の浸み出しから生じる搬送不良や搬送不良から生じる画
像不良を防ぎ、より長い時間、最良の画像を維持し続け
ることを可能とした。
【0023】
【発明の実施の形態】
〈実施形態例1〉 1.画像形成装置の全体構成 図1は、本発明に係る画像形成装置の構成図である。
【0024】同図において、1は感光ドラムであり、O
PC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材
料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基板上
に形成されている。感光ドラム1は矢印の方向に回転駆
動され、まず、その表面は帯電装置としての帯電ローラ
2によって一様帯電される。次に、画像情報に応じてO
N/OFF制御されたレーザビーム3による走査露光が
施され、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像
装置4で現像、可視化される。現像方法としては、ジャ
ンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが
用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用
いられることが多い。
【0025】可視化されたトナー像は、転写装置として
の転写ローラ5により、所定のタイミングで搬送された
記録材8上に感光ドラム1上より転写される。このとき
記録材8は感光ドラム1と転写ローラ5に一定の加圧力
で挟持搬送される。このトナー像Taが転写された記録
材8は定着装置6へと搬送され、永久画像Tbとして定
着される。一方、感光ドラム1上に残存する転写残りの
残留トナーはクリーニング装置7により感光ドラム1表
面より除去される。
【0026】2.加熱定着装置6 a)全体構成 図2に加熱定着装置6の概略構成を示す。同図におい
て、9は記録材8上に担持された未定着像Taを加熱し
溶融させる定着部材、10は該定着部材9に対して圧接
し圧接ニップ部(定着ニップ部)Nを形成し、該ニップ
部Nに導入された記録材8を加圧する加圧ローラであ
る。
【0027】加圧ローラ10は、芯金16や、その外側
にシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムあるいはシリ
コンゴムを発泡して形成された弾性層17等からなって
いる。該加圧ローラ10の最外周にはPFA、PTF
E、FEP等の離型性層18を形成してもよい。
【0028】また、定着部材9は以下の部材11,1
2,13,14,15等から構成される。11は熱容量
の小さな定着フィルムであり、耐熱性、熱可塑性を有す
るポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、
PPS、PFA、PTFE、FEP等の定着フィルムで
ある。さらにオフセット防止や記録材の分離性を確保す
るために表層にはPFA、PTFE、FEP等の離型性
の良好な耐熱樹脂を混合ないし単独で被覆したものであ
る。
【0029】また、Hは定着フィルム11の内側に具備
され、記録材上のトナー像を溶融・定着させるニップ部
Nの加熱を行う加熱用ヒータであり、平板状のヒータ基
板14や、該基板14上に形成された通電により発熱す
る発熱体15、そして該発熱体15の形成面と反対側の
面に取り付けられたサーミスタ13等で構成される。
【0030】12は断熱支持部材であり、下面に加熱用
ヒータH(構成13,14,15)を固定支持すると共
に定着フィルム11を回転可能に支持している。該断熱
支持部材12は次項で詳述するように、外嵌された定着
フィルム11が矢印a方向に余裕を持って回れるような
形状と大きさを持っている。
【0031】定着フィルム11は内側の加熱用ヒータH
および断熱支持部材12に摺擦しながら回転するため、
加熱用ヒータHおよび断熱支持部材12と定着フィルム
11の間の摩擦抵抗を小さく抑える必要がある。このた
め加熱用ヒータHおよび断熱支持部材12の表面に耐熱
性グリースなどの潤滑剤を少量介在させてある。これに
より定着フィルム11はスムーズに回転することが可能
である。
【0032】而して前述の如く像形成手段により記録材
8上に形成された未定着画像(トナー像)Taは、加圧
ローラ10と定着フィルム11との間のニップ部Nの間
を通過することにより、熱と圧縮力により溶融され、該
記録材8上に定着されられる。
【0033】この記録材8の搬送の際、原車となるの
は、加圧ローラ駆動型定着フィルム方式の定着装置で
は、加圧ローラ10のみであり、定着フィルム11自体
は、従動する形をとり、記録材8と共に移動する。この
定着フィルム11の駆動に関して重要な役割を果たすの
が耐熱性グリースと、断熱支持部材12である。耐熱性
グリースは定着フィルム・断熱支持部材間の潤滑のため
に使われ、断熱支持部材12は定着フィルム11自体の
熱を逃がさない用途と定着フィルム11自体の形状を守
る役目がある。
【0034】b)断熱支持部材12 図3に本形態例に係る加熱定着装置6の断熱支持部材1
2の模式斜視図、図4(a)は該断熱支持部材12を正
面から見た図、図4(b)はその背面図である。
【0035】断熱支持部材12は、加熱用ヒータHの基
板14を支持する基板支持部19と、定着フィルム11
の回転を案内するガイド部G等からなり、該支持部19
に支持した加熱用ヒータHからニップ部Nと反対の方向
へ放熱するのを抑えるを防ぐと共に、ガイド部Gと接触
したフィルム11から熱を奪わないように液晶ポリマ
ー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等の断熱性の材
料によって形成されている。
【0036】該基板支持部19は断熱支持部材下面にそ
の長手方向(フィルム回転方向と直交する方向)に沿っ
て溝状に設けられており、ヒータHを図5に示したよう
に発熱面を下に向け接着により固定支持している。図5
において、ヒータHは基板支持部19における斜線部領
域27で接触している。また、29が加熱用ヒータ固定
のために設けた接着ポイントである。
【0037】ガイド部Gは、定着フィルム11の形状を
保持するためのリブ20や該リブ20間を繋ぎ所要の剛
性を得るようにしたリブ間ガイド21等からなってい
る。
【0038】該ガイド部Gにあるリブ20は定着フィル
ム11の円形形状を保つために該フィルム11と近接す
る面を滑らかな曲線形状とし、またリブ20による定着
フィルム11の放熱を抑えるために該リブ20の本数が
限られ、更に最近接面積を小さくとるような形状が採用
されている。
【0039】このようにリブ20は、定着フィルム11
との最近接面積を小さくして定着フィルム11上の熱が
不均一になるのを抑えた形状ではあるが、これだけでは
前述従来例の如くリブ20と接する部分のフィルム温度
が僅かながら低下し、定着不良(リブ跡)が生じること
がある。
【0040】そこで本例では断熱支持部材12のリブ2
0とリブ間ガイド21の一部の面を長手方向に連続して
フラットにし、該長手方向にわたり均一に定着フィルム
11と接するようにして定着フィルム面上の温度差を小
さくしている。
【0041】しかし、該断熱支持部材12において上下
流ガイド部の最近接面を共にフラットにすると、定着フ
ィルム11の搬送能力が著しく低下してしまうことが実
験によって分かった。
【0042】このことより、定着フィルム11がニップ
部Nに入る直前に接触する上流側のガイド部Gでは最近
接面積が大きく取れるように長手方向に連続してフラッ
トにし、下流側のガイド部Gでは最近接面積を小さく取
れるように、リブ間ガイド21に対し、リブ20が出張
った構成とする。
【0043】これにより、定着フィルム11の回転を妨
げることなく定着フィルム面上の温度差を小さくするこ
とができ、定着不良を防止できた。
【0044】〈実施形態例2〉本形態例では前記形態例
1と比べてリブの形状を適切に設定し、更にリブ跡を生
じにくくした点が異なり、その他の構成は略同じである
ので同一の要素には同符番を付して再度の説明を省略し
た。
【0045】前記形態例1によれば、断熱支持部材12
にある上流側のガイド部材であるリブ20の最近接面積
を小さくし、該支持部材長手方向にわたり均一にフィル
ムと接することでリブ跡が残る定着不良は大分改善する
ことができた。
【0046】しかし、最近接面積を小さくしても定着フ
ィルム11はリブ20に当たってしまう。それ故、リブ
20の形状自体を変更することにした。
【0047】比較例として、断熱支持部材上流側にリブ
20という突起を設けるのではなく最近接面積を大きく
取るために、全てを壁状にしてしまうことにした。しか
し、この全てを壁にするという工夫は、確かに定着フィ
ルム上の温度が不均一になるのを防ぐが、最近接面積が
大きすぎて、定着フィルムの回転を妨げてしまうことが
分かった。
【0048】また、その反対の比較例として、上流側の
リブ20を一切なくし、その後には何も施さず最近接面
積を最も小さく取った場合、今度は定着フィルム11を
支えることができなくなり定着フィルム11が捩れてし
まう結果になった。
【0049】そこで本形態例ではこれらの結果を踏まえ
てリブ20の形状を適切に設定した。
【0050】図6に本形態例の係わる加熱定着装置6の
断熱支持部材12を正面から見た図を示す。上流側にリ
ブ20を置いても局所的に熱を奪わないような工夫とし
て、上流側のリブ20を斜めに配置し、定着フィルム1
1の幅方向(回転方向と直交する方向)にわたって均等
にリブ20が当たるようにした。
【0051】このとき、該リブ20は、一方向のみを向
く形状としても良いが、この場合定着フィルム11がそ
のリブ20の向く方向へ寄ってしまうことが予想され
る。さらにあまり寝かしすぎたリブ20だと前述のよう
な壁と同じになってしまう。
【0052】そこで本例では上流側のリブ20の支持部
材長手方向に対する角度θを45度とし、かつ、上流側
のリブ20が断熱支持部材12の中央を向くようにし
た。
【0053】而して本例装置と前記従来例及び形態例の
装置とにおいて定着性を比較し、その結果を下記の表1
に示した。
【0054】
【表1】 × 不良 *1 微かに落ちる △ 許容範囲 *2 だいぶ分からない程度 ○ 良好 この結果より、本形態例によれば定着フィルム面上の熱
の分布をより均一にする効果が高く、形態例1よりも更
に良好に定着不良を防止しつつ、フィルムが片側に寄る
のを防ぐなど、安定した回転を得ることができた。
【0055】なお、リブ20の角度θは45度に限らず
20度〜80度の範囲であれば同様の効果が得られる。
またリブ20の向きは、フィルム回転方向上流側から同
下流側にかけ、外側(両端部側)に向けたものであって
も良い。
【0056】〈実施形態例3〉前記形態例1で耐熱性グ
リースが定着フィルム11と断熱支持部材12間の滑ら
かな回転を助けていると述べた。しかし、プリント枚数
がかさむと徐々に定着フィルム11と断熱支持部材12
内の耐熱性グリースが定着フィルム11の端から浸みだ
してしまう。
【0057】例えば定着装置を通常の温調よりも高温域
で、しかも連続的にプリントする過酷試験を行なった場
合に、その耐熱性グリースの浸み出しが原因で定着フィ
ルム11がスムーズに回転できなくなり、記録材の搬送
能力の低下が起きてしまうことがあった。
【0058】そこで本形態例では、ガイド部の形状を適
切に設定し、フィルム端部から耐熱性グリースが浸み出
すのを抑え、更なる高耐久化を図った。なお、その他の
構成は形態例1と略同じであるので同一の要素に同符番
を付して再度の説明を省略した。
【0059】図7(a)は本形態例に係る加熱定着装置
6の断熱支持部材12を背面から見た図である。
【0060】断熱支持部材12におけるガイド部Gにお
いて、下流側のリブ20上に支持部材両端部のリブ根本
23から、支持部材中央部のリブ先端24まで、筋状の
突起(耐熱性グリースガイド)26aを設けることによ
り、従来、定着フィルム回転中に定着フィルム中央から
定着フィルム端部へ徐々に流れていた耐熱性グリースを
中央に戻し、該グリースが定着フィルム端部から浸み出
すのを抑え定着フィルム11と断熱支持部材12間の耐
熱性グリース保持力をあげ、装置の寿命を延ばした。
【0061】ここで、断熱支持部材の中央部にあるリブ
20cまで耐熱性グリースガイド26aを持ってこなか
ったのは、耐熱性グリースが断熱支持部材中央まで該耐
熱性グリースガイド26aに沿って流れてきたとき、逆
に耐熱性グリースガイド26aがダムのような働きを持
ってしまい、定着フィルム11に耐熱性グリースが乗ら
ず、耐熱性グリースガイド26aに溜まりすぎて耐熱性
グリースが断熱支持部材と定着フィルムの間に行き渡ら
ず、定着フィルム11の滑らかな回転を妨げてしまう。
このことを防ぐため、断熱支持部材中央部にあるリブ2
0cの付近をフリーにすることにより耐熱性グリースが
中央部の耐熱性グリースガイド26aの切れ目から、断
熱支持部材12と定着フィルム12の間に広がり、回転
をスムーズにし、耐熱性グリースが定着フィルム11の
外に浸みでることを解消した。
【0062】而して本例装置と前記形態例の装置とにお
いて定着性を比較し、その結果を下記の表2に示した。
【0063】表2は、定着ユニット(図1の6)を、プ
リンタ本体から外し、加熱ヒータHに電流を流し、加熱
ヒータHの温度を200度になるよう温調する。そし
て、現在の中・高速機程度の1分間に16枚プリントで
きる速さになるよう、加圧ローラ10の回転数を調節
し、24時間止めることなく通電を続け回転させる過酷
テストの結果である。
【0064】
【表2】 このように本形態例によれば断熱支持部材12を用いた
定着ユニットよりもさらに寿命の長くすることができ
た。
【0065】また、図6(b)は図6(a)の耐熱性グ
リースガイド26aとしての突部の代わりに断熱支持部
材12のリブ20とリブ20の間に溝26bを掘ること
により、上記の筋状の突起26aと同じ役目を果たす。
しかし、実際は、図6(a)に比べると定着フィルム1
1に直接触れるわけではないので耐熱性グリースを断熱
性支持部材中央部に集めるという効果は小さい。しか
し、構造的に加工しやすく、出っ張りも少ないことより
耐久性に優れている。
【0066】なお、前記形態例2のように上流側のリブ
20を中央向きに設けた装置においては、耐熱性グリス
が支持部材両端部に向かって流れる傾向があるので、本
形態例を適用することで特に効果的に高耐久化を図るこ
とができる。
【0067】〈その他〉本発明の加熱装置は実施形態例
の加熱定着装置としてばかりでなく、画像を担持した被
記録材を加熱して表面性(つや等)を改質する装置、仮
定着する装置、乾燥処理や熱ラミネート処理する装置等
の加熱装置として広く使用できる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フィルムを使用したタイプの加熱装置において、フィル
ムの良好な搬送性を維持しつつ被加熱材の搬送方向と直
交する方向にわたり均一な加熱処理を行なうことや、長
寿命化を図った装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる画像形成装置の構成図
【図2】 本発明に係わる加熱定着装置の概略構成図
【図3】 実施形態例1の断熱支持部材の外観斜視図
【図4】 実施形態例1の断熱支持部材の正面図と背面
【図5】 実施形態例1の加熱用ヒータ取り付け部分の
説明図
【図6】 実施形態例2の断熱支持部材の正面図
【図7】 実施形態例3の断熱支持部材の正面図
【図8】 従来の加熱定着装置の概略構成図
【図9】 従来の断熱支持部材の正面図
【符号の説明】 8 記録材 9 定着部材 10 加圧ローラ 11 定着フィルム 12 断熱支持部材 20 リブ 21 リブ間ガイド H 加熱用ヒータ G ガイド部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱材を、加熱部材と加圧部材とを互
    いに圧接してなる加熱ニップ部を通過させることにより
    加熱する加熱装置において、 上記加熱部材が加熱用ヒータと、フィルムと、該フィル
    ムを回転可能に支持する支持部材で構成されており、上
    記支持部材には加熱用ヒータを支持した部分に対しフィ
    ルム回転方向の上流側及び下流側にフィルムの回転を案
    内するガイド部を有し、該ガイド部のフィルムに対する
    最近接部の形状を該上流側と下流側とで異ならせたこと
    を特徴とする加熱装置。
  2. 【請求項2】 ガイド部にフィルム回転方向と平行なリ
    ブを設け、上記上流側のガイド部には該リブと共に平坦
    な面を形成することを特徴とする前記請求項1記載の加
    熱装置。
  3. 【請求項3】 上記リブが、支持部材の長手方向に対し
    て傾斜を持つことを特徴とする前記請求項1記載の加熱
    装置。
  4. 【請求項4】 上記上流側ガイド部のリブが上記支持部
    材の長手方向中央部を向くような傾斜を持つことを特徴
    とする前記請求項1記載の加熱装置。
  5. 【請求項5】 上記ガイド部において、下流側のリブと
    上記フィルムとの間に支持部材の両端部から中央部にか
    けて該支持部材長手方向に対し傾いた筋状の突起を設け
    ることを特徴とする前記請求項1乃至4の何れか1項に
    記載の加熱装置。
  6. 【請求項6】 上記ガイド部において、下流側のリブの
    間に支持部材長手方向に対し傾いた溝を設けることを特
    徴とする前記請求項1乃至4の何れか1項に記載の加熱
    装置。
  7. 【請求項7】 被加熱材として未定着画像を担持した記
    録材を加熱し、該画像を該記録材上に加熱定着させるこ
    とを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の加
    熱装置。
  8. 【請求項8】 記録材上に顕画剤像を形成する像形成手
    段と、該顕画剤像を加熱処理する像加熱手段とを有する
    画像形成装置において、 該像加熱手段として前記請求項1乃至6の何れか1項に
    記載の加熱装置を備えたことを特徴とする画像形成装
    置。
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