JP3970122B2 - ヒータに接触する金属製回転体を有する像加熱装置及びこの回転体及びこの回転体の製造方法 - Google Patents

ヒータに接触する金属製回転体を有する像加熱装置及びこの回転体及びこの回転体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3970122B2
JP3970122B2 JP2002221109A JP2002221109A JP3970122B2 JP 3970122 B2 JP3970122 B2 JP 3970122B2 JP 2002221109 A JP2002221109 A JP 2002221109A JP 2002221109 A JP2002221109 A JP 2002221109A JP 3970122 B2 JP3970122 B2 JP 3970122B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotating body
stainless steel
heater
metal tube
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002221109A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003156954A (ja
Inventor
洋 片岡
英治 植川
昭人 金森
悟 伊澤
伸治 橋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2002221109A priority Critical patent/JP3970122B2/ja
Priority to US10/212,797 priority patent/US6794611B2/en
Priority to CNB021285179A priority patent/CN100454171C/zh
Publication of JP2003156954A publication Critical patent/JP2003156954A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3970122B2 publication Critical patent/JP3970122B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2053Structural details of heat elements, e.g. structure of roller or belt, eddy current, induction heating

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真式や静電記録式等の記録方式を用いた複写機やプリンタ等の画像形成装置の定着器として用いれば好適な像加熱装置及びこの装置に用いられる回転体及び回転体の製造方法関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、加熱定着装置としては、熱ローラ方式やフィルム加熱方式の装置が広く用いられている。特にスタンバイ時に加熱定着装置に電力を供給せず、消費電力を極力低く抑えた方法、詳しくはヒータ部と加圧ローラの間にフィルムを介して記録材上のトナー像を定着するフィルム加熱方式による加熱定着方法が特開昭63−313182号公報、特開平2−157878号公報、特開平4−44075号公報、特開平4−204980号公報等に提案されている。
【0003】
フィルム加熱方式の加熱定着装置の構成としては、フィルムの搬送に専用の搬送用ローラと従動ローラを用いてテンションを加えながら加圧ローラとの間でフィルムを搬送する方法と、円筒形フィルムを加圧ローラからの搬送力で駆動させる方法があり、前者はフィルムの搬送性能を高く保持できる利点を有し、後者は構成の簡略化に伴なう低コストの定着装置を実現できる利点がある。
【0004】
具体例として、図2に、後者の加圧ローラ駆動方式のフィルム加熱方式の定着装置の一例の概略の横断面模式図を示す。図3は要部の拡大断面模式図を示す。
【0005】
すなわち、ヒータホルダー(支持体)12に固定支持させた加熱部材(加熱体、以下ヒータと記す)11と、該ヒータ11に耐熱性の薄肉フィルム(以下、定着フィルムと記す)13を挟んで所定のニップ幅のニップ部(定着ニップ部)Nを形成させて圧接させた弾性加圧ローラ20を有する。
【0006】
ヒータ11は通電により所定の温度に加熱・温調される。
【0007】
定着フィルム13は加熱定着用回転体であって、加圧ローラ20からの回転駆動力により、定着ニップ部Nにおいてヒータ11面に密着・摺動しつつ矢印の方向に搬送移動される、円筒状の薄肉部材である。
【0008】
ヒータ11を所定の温度に加熱・温調させ、定着フィルム13を矢印の方向に搬送移動させた状態において、定着ニップ部Nの定着フィルム13と加圧ローラ20との間に被加熱材としての未定着トナー像tを形成担持させた記録材Pを導入すると、記録材Pは定着フィルム13の面に密着して該定着フィルム13と一緒に定着ニップ部Nに挟持搬送される。
【0009】
この定着ニップ部Nにおいて、記録材P上の未定着トナー像は、ヒータ11により加熱された定着フィルム13を介して加熱されることで、記録材P上に永久画像として加熱定着されことになる。
【0010】
定着ニップ部Nを通過した記録材Pは定着フィルム13の面から剥離して搬送される。
【0011】
加熱部材としてのヒータ11には一般にセラミックヒータが使用される。図3・図4を用いて詳細に説明する。
【0012】
例えば、アルミナ等の電気絶縁性・良熱伝導性・低熱容量のセラミック基板11aの面(定着フィルム13と対面する側の面)に基板長手(図面に垂直の方向)に沿って銀パラジューム(Ag/Pb)・TaN等の通電発熱抵抗層11bをスクリーン印刷等で形成具備させ、さらに該発熱抵抗層形成面を薄肉ガラス保護層11cで覆ってなるものである。このセラミックヒータ11は通電発熱抵抗層11bに通電がなされることにより該通電発熱抵抗層11bが発熱してセラミック基板11aとガラス保護層11cから成るヒータ全体が急速昇温する。このヒータ11の昇温がヒータ背面に配置された温度検知手段14により検知されて不図示の通電制御部へフィードバックされる。通電制御部は温度検知手段14で検知されるヒータ温度が所定のほぼ一定温度(定着温度)に維持されるように通電発熱抵抗層11bに対する通電を制御する。すなわちヒータ11は所定の定着温度に加熱・温調されることになる。
【0013】
加熱定着用回転体である定着フィルム13は、定着ニップ部Nにおいてヒータ11からの熱を効率よく、被加熱材である記録材Pに与えるため、厚みは20〜70μmとかなり薄くしている。この定着フィルム13はフィルム基層、プライマー層、離型性層の3層構成で構成されており、フィルム基層側がヒータ11側であり、離型性層側が加圧ローラ20側である。フィルム基層はヒータ11のガラス保護層11cより絶縁性の高いポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等であり、耐熱性、高弾性を有している。また、フィルム基層により定着フィルム全体の引裂強度等の機械的強度を保っている。プライマー層は厚み2〜6μm程度の薄い層で形成されている。離型性層は定着フィルムに対するトナーオフセット防止層であり、PFA、PTFE、FEP等のフッ素樹脂を厚み10μm程度に被覆して形成してある。
【0014】
また、ヒータホルダー12は、例えば耐熱性プラスチック性部材から形成され、ヒータを保持するとともに定着フィルムの搬送ガイドも兼ねている。
【0015】
このような定着用の薄いフィルムを用いたフィルム加熱方式の加熱装置においては、加熱部材としてのセラミックヒータ11の高い剛性のために弾性層22を有している加圧ローラ20は、ヒータ11の扁平下面にならって圧接されることで所定幅の定着ニップ部Nが形成され、定着ニップ部Nのみを加熱することでクイックスタートの加熱定着を実現している。
【0016】
以上の構成において、ヒータ11の通電発熱抵抗層11bと加圧ローラ20との配置関係を図4を用いて説明する。図4おいてヒータ11の通電発熱抵抗層11bの長手方向の幅Wは、定着フィルム13を介して当接される加圧ローラ20の弾性層22の幅Dに比べ若干狭い幅で形成されている。これは、通電発熱抵抗層11bが加圧ローラ20よりはみ出ることによって、ヒータ11が局所的に昇温し、その熱応力により破損するのを防止するためである。
【0017】
また、通電発熱抵抗層11bはトナー像tが形成担持された記録材Pの搬送領域より十分広い幅で形成されている。これにより、端部温度だれ(ヒータ端部の通電用電気接点及びコネクタ等への熱のリークによるもの)の影響をなくすことができ、これにより記録材全面にわたって良好な定着性が得られる。更に、通紙域端部の通電発熱抵抗層の幅を絞り、端部の発熱量を上げ、端部の定着性を補う場合もある。
【0018】
これによりヒータ11の通電発熱抵抗層11bに通電することで発した熱は、定着フィルム13と加圧ローラ20の間を搬送された記録材Pに効率よく与えられ、記録材P上のトナー像tを溶融し、固着するために作用する。
【0019】
また、Sは記録材搬送基準であり、本例の場合は画像形成装置本体の記録材搬送領域の長手方向中央に基準を設けた中央基準の装置である。
【0020】
さらに、図4に示したようにヒータ背面には、サーミスタ等の温度検知素子14と、暴走時にヒータ11の通電発熱抵抗層11bへの通電をシャットダウンするための温度ヒューズ、あるいはサーモスイッチ等のサーモプロテクター15が当接してあり、これらは画像形成装置が搬送可能な最小幅の記録材の搬送域内に配置されている。
【0021】
ここで温度検知素子14については、画像形成装置本体が搬送可能な最小幅の記録材が搬送された場合であっても、記録材上のトナー像を定着不良、高温オフセット等の問題を起こさずに適度な定着温度で加熱定着するために、記録材最小搬送域内に設けられている。
【0022】
一方、サーモプロテクター15についても、最小幅の記録材が搬送された場合に非搬送領域において、搬送領域よりも熱抵抗が小さい非搬送領域で過加熱されることにより、通常の搬送時であってもサーモプロテクター15が誤動作して通電をシャットアウトする等の問題を引き起こさないために、記録材最小搬送域内に設けられている。
【0023】
また、サーモプロテクター15をヒータ背面に当接することにより、通電発熱抵抗層11bで発生した熱量がサーモプロテクター15に奪われて、記録材に十分な熱量が与えられなくなり、サーモプロテクター当接位置において定着不良を起こすことがある。これを防ぐために通電発熱抵抗層11のサーモプロテクター当接対応位置aにおいて、図4のようにヒータ11の通電発熱抵抗層11bの一部の幅を若干狭めて、該当接位置aの抵抗値を他の部分より大きくすることで発熱量を確保している。これにより記録材への給熱量を長手方向に渡って一定とし、定着むらのない良好な加熱定着を実現している。
【0024】
ここで、温度検知素子14も同様にヒータ背面に当接させているため、同様に通電発熱抵抗層11bによって発した熱が温度検知素子14に奪われることが懸念されるが、チップサーミスタ等熱容量の小さい温度検知素子を用いることにより、ヒータから奪われる熱量を小さく抑えることができる。このためサーモプロテクター15と同様の上記対策を取らなくても、長手方向において記録材の定着均一性を損ねることなく均一な定着が可能となる。
【0025】
以上、説明してきたフィルム加熱方式の加熱定着装置は、加熱効率の高さやクイックスタートが可能であるため待機中の予備加熱が不要になることから省電力化の達成が図れること、待機時間の解消などによるユーザーへのメリットがあること、などの多くの利点を有しており、特に円筒形フィルム13を加圧ローラ20の搬送力で駆動させる方式は低コストを実現できることから、小型低速機から導入が始まり、今後は、大型高速機への導入が期待されるようになっている。
【0026】
この高速化を達成するには、定着ニップ部Nを通過する時間が短くなった記録材Pにおいても定着に充分な熱エネルギーを供給しなければならないことになる。これを実現する手段としては、定着温度を更に高温に設定する、加圧ローラ20と定着フィルム13間の加圧力を増して加熱領域である定着ニップ巾を拡げる、またはヒータ基板11aや定着フィルム13の材質をより熱伝導性に優れるものに変更することで熱の供給量を増す、などが考えられる。
【0027】
しかし、このような改良を実施することは、加熱定着用回転体である定着フィルム13への負荷が大きくなり定着フィルム13の劣化を促進させることになってしまい、耐久寿命が短くなってしまう欠点がある。
【0028】
例えば、定着フィルム基層の熱伝導性を改善するために、BN(窒化ホウ素)やAlN(窒化アルミ)等の高熱伝導性のフィラーの添加量を増して熱伝導性の向上を図ると、PI(ポリイミド)などの樹脂本来の柔軟性や強度が損なわれることになり、定着フィルム13の磨耗や劣化を速めることにことになる。
【0029】
そこで、新たに考案されているのが、加熱定着用回転体である定着フィルム13の基層として樹脂よりも熱伝導性に優れる金属を用いることである。
【0030】
加熱定着用回転体としての金属スリーブは、その材料の持つ熱伝導性により、定着温度を高温に設定したり、定着ニップ巾を大きくするために加圧力を大きくせずとも、定着に十分な熱エネルギーを記録材に伝達することが可能であり、より高速対応性に優れるフィルム加熱定着装置を達成することが可能となる。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、金属の基層が中央部の外径と両端部の外径が同等寸法のストレート形状であると次のような品質問題が発生してしまうことがわかった。
【0032】
金属管のストレート形状に起因する品質問題としては、金属管の中央部と両端部の外径が同等寸法であるため、定着ニップ部Nを通過する際の記録材Pの搬送速度が、記録材搬送方向の中心位置と両端部位置で同等となることがあり、これが原因で記録材にシワや光沢ムラが発生してしまう。
【0033】
本発明は上述の課題に鑑みて成されたものであり、その目的は消費電力が小さく且つ高速加熱に対応できる像加熱装置及びこの装置に用いることができる回転体を提供することにある。
【0034】
本発明の他の目的は、記録材の皺の発生を抑えられる像加熱装置及びこの装置に用いることができる回転体を提供することにある。
【0035】
本発明の更に他の目的は、歩留まりの高い可撓性の金属製回転体製造方法を提供することにある。
【0036】
本発明の更なる目的は添付図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
【0037】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とするヒータに接触する金属製回転体を有する像加熱装置及びこの回転体及びこの回転体の製造方法である。
【0038】
(1)ヒータと、前記ヒータと接触しつつ回転する可撓性を有する回転体と、前記回転体を挟み前記ヒータと協同してニップ部を形成するバックアップ部材と、を有し、前記ニップ部で画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置において、
前記回転体は内径及び外径共に中空管形状の管中央部から長手方向端部に向かうに連れて径が大きくなる逆クラウン形状の可撓性を有するステンレス製基層と、前記回転体の表面に設けられたフッ素樹脂層と、を有することを特徴とする像加熱装置。
【0040】
(2)前記回転体の略中央部の外径と略端部の外径の差は50〜150μmであることを特徴とする(1)に記載の像加熱装置。
【0041】
(3)前記回転体の基層の厚みは30〜200μmであることを特徴とする(1)に記載の像加熱装置。
【0043】
(4)前記バックアップ部材はローラ形状であり、前記回転体は前記バックアップ部材から動力を受けて回転することを特徴とする(1)に記載の像加熱装置。
【0045】
(5)ヒータと、前記ヒータと接触しつつ回転する可撓性を有するステンレス製回転体と、前記回転体を挟み前記ヒータと協同してニップ部を形成するバックアップ部材と、を有し、前記ニップ部で画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置、に用いられるステンレス製回転体であって、内径及び外径共に中空管形状の管中央部から長手方向端部に向かうに連れて径が大きくなる逆クラウン形状の可撓性を有するステンレス製基層と、前記回転体の表面に設けられたフッ素樹脂層と、を有することを特徴とする像加熱装置に用いられるステンレス製回転体。
【0047】
(6)前記回転体の略中央部の外径と略端部の外径の差は50〜150μmであることを特徴とする(5)に記載の像加熱装置に用いられるステンレス製回転体。
【0048】
(7)前記回転体の基層の厚みは30〜200μmであることを特徴とする(5)に記載の像加熱装置に用いられるステンレス製回転体。
【0055】
(8)ヒータと、前記ヒータと接触しつつ回転する可撓性を有するステンレス製回転体と、前記回転体を挟み前記ヒータと協同してニップ部を形成するバックアップ部材と、を有し、前記ニップ部で画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置に用いられる可撓性を有するステンレス製回転体の製造方法であって、
深絞り加工されたステンレス製金属管をしごき加工して金属管を薄肉化すると共に、しごき加工時にステンレス製金属管に加える圧力をステンレス製金属管の長手方向中央よりも端部を大きくすることにより内径及び外径共に中空管形状の管中央部から長手方向両端部に向かうに連れて径が大きくなる可撓性を有する逆クラウン形状のステンレス製金属管を形成するステップ、
逆クラウン形状にしごき加工されたステンレス製金属管の表面にフッ素樹脂層を焼成するステップ、
を有することを特徴とするステンレス製回転体の製造方法。
【0057】
(9)ヒータと、前記ヒータと接触しつつ回転する可撓性を有するステンレス製回転体と、前記回転体を挟み前記ヒータと協同してニップ部を形成するバックアップ部材と、を有し、前記ニップ部で画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置、に用いられる可撓性を有するステンレス製回転体の製造方法であって、
深絞り加工されたステンレス製金属管をしごき加工しステンレス製金属管を薄肉化するステップ、
しごき加工されたステンレス製金属管を焼き鈍し処理するステップ、
焼き鈍し処理されたステンレス製金属管の表面にフッ素樹脂層を焼成するステップ、
フッ素樹脂層が形成されたステンレス製金属管の内面からステンレス製金属管を外側に押し広げるように圧力を掛けてステンレス製金属管をバルジ加工して内径及び外径共に中空管形状の管中央部から長手方向両端部に向かうに連れて径が大きくなる可撓性を有する逆クラウン形状のステンレス製金属管を形成するステップ、
を有することを特徴とするステンレス製回転体の製造方法。
【0060】
像加熱装置の加熱用回転体の基層として樹脂よりも熱伝導性に優れる金属を用いることで十分な熱エネルギーを記録材に伝達することが可能であり、より高速オンデマンドの装置を達成することが可能となる。この場合、回転体は、長手方向両端部に向うに連れて外形が大きくなる逆クラウン形状を有するものとすることで、ニップ間での記録材搬送速度が記録材中央部よりも両端部の方が速くなり、記録材両端部が張る状態になり、記録材の紙シワや光沢ムラの発生を防止でき、記録材の安定した搬送性を達成できる。
【0061】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる像加熱用回転体とそれを用いた加熱定着装置を備えた画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。なお、次に説明する実施例では、画像形成装置の全体、及び、機能についての詳しい説明は省略し、本発明の特徴部分について説明する。また、前出の部材と同一の機能を有する部材には同一番号を付し、説明を省略する。
【0062】
(第1の実施例)
(A)画像形成装置例
以下に、本発明に係る実施例を示す。まず図5は画像形成装置一例の概略構成図である。
【0063】
2は感光ドラムであり、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基盤上に形成されている。
【0064】
感光ドラム2は矢印の方向に回転駆動され、まず、その表面は帯電装置としての帯電ローラ3によって一様帯電される。
【0065】
次に、レーザスキャナ8により、画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザビームLによる走査露光が施され、静電潜像が形成される。
【0066】
この静電潜像は、現像装置4で現像、可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
【0067】
可視化されたトナー像は、感光ドラム2と転写装置としての転写ローラ5との当接部である転写ニップ部において、該転写ニップ部に所定のタイミングで搬送された転写材(記録材:recording material)P上に感光ドラム2上から転写される。
【0068】
転写材Pはカセット72から給紙ローラ対73によってピックアップされ、給紙搬送路74を経て、紙先端部を検知するレジストローラ対75に送られ、感光ドラム2上の可視像とタイミングを一致させた後、転写ニップ部に搬送されることになる。このとき転写材は感光ドラムと転写ローラに一定の加圧力で挟持搬送される。
【0069】
転写ニップ部においてトナー像が転写された転写材は定着装置7へと搬送され、永久画像として定着され、排紙ローラ対71を経て、排紙トレイ70に排出されることになる。
【0070】
一方、感光ドラム2上に残存する転写残りの残留トナーは、クリーニング部材6により感光ドラム表面より除去される。
【0071】
感光ドラム2、帯電ローラ3、現像装置4、クリーニング部材6を含むクリーニング装置は、1つのユニットにして画像形成装置本体に対して着脱交換自在のプロセスカートリッジ1にしてある。
【0072】
(B)加熱定着装置7
次に本発明の第1の実施例にて用いたフィルム加熱方式の加熱定着装置の構成を、先に説明した図2〜4と、図6にそって説明する。
【0073】
加熱定着装置7は基本的には互いに圧接して定着ニップ部Nを形成する定着部材10と加圧部材(バックアップ部材:back-up member)20とよりなる。
【0074】
1)定着部材10
定着部材10は以下の部材から構成される。
【0075】
13は加熱定着用回転体としての熱容量の小さな定着フィルムであり、クイックスタートを可能にするために総厚200μm以下の厚みで耐熱性、高熱伝導性を有するSUS:Steel Use Stainlessの略(ステンレス)、Mg(マグネシウム)、Al(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Zn(亜鉛)、Ti(チタン)等の純金属あるいは合金を基材とする定着フィルム(以下、金属スリーブと記す)である。
【0076】
また、金属スリーブ13の基層は、加熱定着工程を耐久寿命にわたって充分な強度を有する耐久性を得るには30〜200μmの範囲の厚みが最適である。
【0077】
さらにオフセット防止や記録材の分離性を確保するために表層にはPFA、PTFE、FEP等の離型性の良好な耐熱樹脂を混合ないし単独でコーティング、または、被覆したものである。
【0078】
本実施例で用いた加熱定着用回転体としての金属スリーブ13は極短時間での定着可能温度までの昇温を可能にするために、基層の厚みを「SUS304」材の膜厚35μmとし、外径はφ30.1mmとしている。また、このSUS製の基層の上には、カーボン等の導電材を適量分散した導電性プライマー層を、膜厚5μmで塗布している。そして、導電性プライマー層の上には、トナーや紙粉の付着防止や金属スリーブ13からの記録材の分離性を確保するために、離型性に優れ耐熱性が高いフッ素樹脂としてPTFEとPFAの混合液をディッピング塗布法にて、10μmの膜厚で塗布、焼成することで離型層とし、これらの基層、プライマー層、離型層で、φ30.1mmの金属スリーブ13が形成されている。
【0079】
本発明の特徴である逆クラウン形状(スリーブ端部に向って徐々に外径が大きくなる領域を有する形状)を有する金属スリーブ13の詳細な説明は後述することにする。
【0080】
金属スリーブ13のプライマー層の長手方向の一部は周方向で露出しており、ここにオフセット、尾引き、防止の目的で、金属スリーブ表面がプラスの電位にならないように、整流素子としてのダイオード28(図2)をプライマー側がアノードとして本体GNDとの間に設置し、記録材P上の未定着トナーtが定着フィルム13に転移するのを防止している。
【0081】
また、11は定着フィルムの内部に設置された加熱用ヒータであり、これにより記録材P上の未定着トナー像tを溶融、定着させる定着ニップ部Nの加熱を行う。その加熱用ヒータ11には、前述した図3・図4のように、アルミナ(Al)等の高絶縁性を有するセラミックス基板11aの表面の長手方向に沿って、銀パラジウム(Ag/Pd)の通電発熱抵抗層11bをスクリーン印刷等により形成している。通電発熱抵抗層11bは10μm程度の厚みで、巾4mm程度の、細帯形状である。
【0082】
セラミックス基板11aの背面には通電発熱抵抗層11bの発熱に応じて昇温したセラミック基板11aの温度を検知するための温度検知手段としてのサーミスタ14を、記録材通紙域のほぼ中央部に配設している。このサーミスタ14からの信号に応じて、通電発熱抵抗層11bの長手方向端部にある銀と白銀の合金(Ag/Pt)で形成された電極部16・16から、通電発熱抵抗層11bの端部に形成された導通部を介して通電発熱抵抗層11bに印加する電圧を適切に制御することで、定着ニップ部N内でのヒータ11の温度を所定の温調温度に略一定に保ち、記録材P上の未定着トナー像tを定着するのに必要な加熱を行う。
【0083】
通電発熱抵抗層11bへの通電制御方法としては、交流電圧の波数によって投入電力を制御する波数制御方式や交流電圧のゼロクロスからの所定の遅延時間後に次のゼロクロスまで通電する位相制御方式等が適用される。
【0084】
また、加熱用ヒータ11の定着ニップ部N側の表面には、金属スリーブ13との摺擦に耐えることが可能な薄層のガラスコートからなる保護層11cを設けている。12は加熱用ヒータを保持し、定着ニップ部Nの反対方向側への放熱を防ぐための断熱ステイホルダーであり、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等により形成されており、金属スリーブ13が余裕をもってルーズに外嵌され、矢印の方向に回転自在に配置されている。本実施例では液晶ポリマー製の断熱ステイホルダーとしている。
【0085】
また、金属スリーブ13は内部の加熱用ヒータ11および断熱ステイホルダー12に摺擦しながら回転するため、加熱用ヒータ11、及び、断熱ステイホルダー12と金属スリーブ13の間の摩擦抵抗を小さく抑える必要がある。このため加熱用ヒータ11、及び、断熱ステイホルダー12の表面に耐熱性グリースを潤滑剤として少量塗布してある。これにより金属スリーブ13はスムースに回転することが可能となる。
【0086】
また、加熱定着用回転体である金属スリーブ13の長手位置を規制する部材としてフランジ17(図6)が設けられている。このフランジ17に用いられる部材としては、耐熱性に優れ、比較的熱伝導性が良くなく、滑り性にも優れる材料として、PPS、液晶ポリマー、PET、PI、PA、等のガラス繊維含有の樹脂が用いられている。
【0087】
2)加圧部材20
一方、20は加圧部材としての加圧ローラであり、芯金21の外側にシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムあるいはシリコンゴムを発泡して形成された弾性層22からなり、この上にPFA、PTFE、FEP、等の離型層23を形成してあってもよい。
【0088】
図6のように、加圧ローラ20は芯金21の両端部を夫々軸受を介して装置の奥側と手前側の側板18・18間に回転自在に保持させて配設してあり、この加圧ローラ20の上側に定着部材(定着部材アセンブリ)10を配置し、加圧手段としての加圧バネ25・25により加圧ローラ20に総圧98Nで押圧して、定着フィルム13との間に定着ニップ部Nを、約6mmの巾で形成している。
【0089】
本実施例で用いている加圧ローラ20は次のような構成となっている。
【0090】
芯金21としてφ15ミリメートルのアルミニウム芯金の上に、弾性層22にとして耐熱性のある絶縁性シリコンスポンジゴムを肉厚5mmで形成し、更に離型層23には導電材としてカーボンを重量比で十数%分散させたフッ素樹脂として、チューブ厚50μmのPFAチューブを用いて、硬度がAsker−C硬度で約54°(9.8N加重)の加圧ローラとしている。
【0091】
この加圧ローラ20にも、オフセット防止の目的で、定着フィルム13との間に電位差を設けるために、加圧芯金21と本体GNDの間に、加圧芯金21側をカソード、本体GND側がアノードとなるようにダイオード28(図2)を設置することで、加圧ローラ表面をプラスの電位とし、オフセット防止の電位差が定着フィルム13との間に形成されるような構成としている。
【0092】
また、不図示の回転駆動伝達系からの回転駆動力は、加圧ローラ駆動ギア26(図6)に加えられて、加圧ローラ20は図2において矢印の反時計方向に回転駆動される。これにより定着部材10側の加熱定着用回転体である金属スリーブ13はステイホルダー12の外側を従動回転することになる。
【0093】
以上、述べてきた加熱定着装置7の構成で、画像形成部にてトナー像tを形成された記録材Pは定着入り口ガイド27(図2)に案内されて、上記の金属スリーブ13と加圧ローラ20の間に形成される定着ニップ部Nに搬送され、加熱・加圧されることで、記録材P上の未定着トナー像tを永久画像として記録材に固着させている。
【0094】
排紙センサ76(図5)は定着ニップ部Nに記録材Pが存在するかを判断するセンサであり、加熱用ヒータ11の通電発熱抵抗層11bへの通電制御などに用いられる信号を出力するものである。61(図5)は定着排紙ローラである。
【0095】
(C)金属スリーブ13の基層
次に、加熱定着用回転体である金属スリーブ13の基層(本実施例の材質はSUS(ステンレス))(ベース金属管)に関して詳細に説明する。
【0096】
本実施例で、金属スリーブ13の基層となる円筒状の管の主な製法を、図7〜図9を用いながら説明する。
【0097】
まず、図7において、100はステンレスの基材であり、350μm程度の金属平板(プランク)である。101は一般的な深絞り製法における円形内型(ポンチ)、102は円筒容器状の外型(ダイス)であり、金属材料の表面に超硬メッキなどを施した金型である。
【0098】
図7において、金属平板100を内型101と外型102の間に挟み、矢印の方向に内型を外型の方向へ押し込む。また、金属平板100と外型102の間には粘性の高い潤滑油、あるいは黒鉛、二硫化モリブデン等の固定潤滑材を介在させ、絞り性を良くしてある。
【0099】
以上の工程を通常は2〜4回程度、異なる金型で深絞り加工することにより、図8に示すようなカップ状のSUS製円筒部材104(第1段階の金属管)を製造する。
【0100】
次に、SUS製円筒状部材104が所定の厚みに形成されるようにしごき加工を施す。しごき加工としては、圧延加工、引き抜き加工、絞り加工等、どのような加工を途中に経緯してもよいが、最終加工としては、以下に示すような加工方法によりSUS製円筒状部材外周面の周方向に所定以下の凹凸(1〜3μm程度)を有する加工を施す。
【0101】
例えば、図9の(a)および(b)に示すような加工方法がある。図9の(a)は一般的な絞りスピニング加工であり、固定台106cに取り付けられた軸106bに回転自在に取り付けられた押し当てローラ106aを金属製内型105と所定の距離だけ常に離間した状態で金属製内型方向へ押し付けられるようになっている。
【0102】
金属製内型105に上記カップ状に深絞り加工を施したSUS製円筒部材104をはめ込み、押え部材107によってSUS製円筒部材104のカップ形状底部が金属製金型105に密着状態となって固定される。
【0103】
この状態で金属製内型105、SUS製円筒部材104、押え部材107を図の矢印の方向に回転させながら、紙面右方へ徐々に送り込む。端部からは金属製内型105と所定距離を保って回転自在のローラ106aが押し当てられる。これにより、SUS製円筒部材104の端部から徐々にしごき加工により薄肉化され、最終的には図9の(c)に示すように、本実施例における金属スリーブ13の基層の元となる金属管である、所定厚みにまで加工されたカップ状の金属管109がしごき加工により形成される。
【0104】
しごき加工されたカップ状の金属管109には、周方向にスピニング加工時のローラ押し当ての凹凸痕109aが残る。最終的には、カップ状の金属管109のカップ底部を切り落とすことにより、本実施例の金属スリーブ13の金属管109(第2段階の金属管)を得る。
【0105】
また、図9の(b)に示すように、押し当てローラの代わりに段階的に内径が小さく成型された連続ダイス108a、108b、108cの内側に金属製内型105と押え部材107により固定された第1段階の金属管104を回転させながら送り込むしごき加工により薄肉化しながら周方向の凹凸形状を付与させる方式であっても良い。
【0106】
その他、へら絞り加工等、金属製円筒部材の周方向に所定量以下の凹凸を形成できる方法であれば、どのようなしごき加工の加工方法であっても構わない。
【0107】
次に、このようにして成型した第2段階の金属管109に逆クラウン形状
を付与する方法について説明する。
【0108】
本実施例では第2段階の金属管を塑性加工して金属スリーブの基層(第3段階の金属管)を形成する。
【0109】
本実施例で用いた塑性加工法としては、液圧によるバルジ加工法を用いた。液圧バルジ加工は、加工したい金属管の内部に加工液を導入して、加工液に圧力を加える(以下、内圧と称する)ことにより金属管を任意の形状に成型する加工法である。
【0110】
図10に示すように、第2段階の金属管109の外周面には中央部の内径より上下端部の内径が大きい金型110が設置され、内周面にはオイル111が満たされ金属管109に内圧を加えるPFAチューブ112が設けられている。金属管109に逆クラウン形状を施す金型110の中央部の内径は、塑性加工前の金属管109の外径に略同等である。また、金属管109に施す逆クラウン量は金型上下端部の径を調整することで任意に設定でき、設計の自由度を大きくできるメリットがある。
【0111】
PFAチューブ112に満たされているオイル111には、ピストン113によって所定の圧力が加えられ、その内圧によって、PFAチューブ112は外側に押し拡がろうとし、その内圧によって金属管109も外側に押し拡げられることになる。しかし、金属管109の外側は金型110によって規制されるため、金属管109の中央部に対して両端部は所望の逆クラウン量の分だけ外側に押し広げられることで、金属管109に逆クラウン形状が付与されることになる。
【0112】
また、本実施例で用いた液圧バルジ加工では、ピストン113を押圧するエアー圧は3kg/cmとし、ピストンによって増圧された圧力はPFAチューブ112に内圧として60kg/cmが加わっている。図中のオイルシール114は、ピストン113によって加えられる圧力によって、内部に満たされたオイル111が漏れないようにするシール部材である。
【0113】
本実施例では、この液圧バルジ加工によって所望とする100μmの逆クラウン量を約2秒の短時間で得ている。また、液圧バルジ加工では、金型と保持部材の精度によって、安定した逆クラウン量が得られることになり、本実施形態では逆クラウン量の公差は±20μm程度に収まっている。
【0114】
本実施例では、内部にオイル111を満たしたPFAチューブ112からの内圧によって逆クラウン量を得る塑性加工を施したが、この塑性加工は液圧バルジに限るものではなく、例として、オイルを満たしたPFAチューブの代わりにシリコンゴムなどの弾性体を金属管109の内部に設置し、その弾性体に圧力を加えることで、弾性体を変形させ、その変形によって生じる内圧によって、金属管109を金型の形状に沿わせるゴムバルジ加工法など、他の塑性加工法にても所望とする逆クラウン量を金属管109に付与できるものであれば構わない。
【0115】
次に、塑性加工にて逆クラウン形状を付与した第3段階の金属管109の外周面に、主な工程としては最終工程となる、離型層としてのフッ素樹脂層を形成する方法について簡単に説明する。
【0116】
まず、接着層となるフッ素樹脂用プライマーに導電付与部材としてカーボンブラックを適量分散したフッ素樹脂用プライマー液槽に第3段階の金属管のディッピング法にて浸漬し、約5μmの膜厚をコーティングする。その後、190〜230℃に設定された恒温槽にて15〜45分間の乾燥させ、常温にて冷却を行う。
【0117】
次いで、離型層のフッ素樹脂として、PTFE樹脂とPFA樹脂の混合フッ素樹脂ディスパージョンを用いた。このフッ素樹脂ディスパージョンに導電性付与材としてカーボンブラックを適量付与した液槽に、先工程にて導電性プライマーをコーティング乾燥した金属管を浸漬させディッピング法にて、膜厚約10μmのコーティングを施し、焼成炉にて約250〜280℃にて10〜15分、約300〜330℃にて20〜30分、約370〜400℃にて10〜15分の段階的焼成を行い、離型層(スリーブの表面層)のフッ素樹脂を形成した。
【0118】
このようにして得た加熱定着用回転体としての、金属管を基層とする金属スリーブ13の総膜厚は、約50μmであり、その表面粗度として十点平均粗さ(ten point height of irregularities):Rzは、約0.8〜1.55程度で形成された。
【0119】
以上のように、しごき加工により可撓性を有する第2段階の金属管109を形成した後、中央部の外径より両端部の外径が大きい逆クラウン形状となるように塑性加工を施し、更に表層の離型層としてフッ素樹脂層を焼成形成する工程順番で得た、加熱定着用回転体としての金属スリーブ13の利点を説明する。
【0120】
金属スリーブ13の基材である金属管109をしごき加工によって形成した後、次に最表層の離型層としてフッ素樹脂層を焼成形成し、最後に塑性加工にて逆クラウンを付与しようとする(すなわち、塑性加工工程と離型層形成行程が本実施例と逆)と、次のような不具合が生じる。
【0121】
それは、金属の特性として、表層のフッ素樹脂層を焼成する際の、約250〜280℃にて10〜15分、約300〜330℃にて20〜30分、約370〜400℃にて10〜15分の段階的焼成にて加えられる熱履歴によって、金属が熱硬化を起こしてしまい、所望の逆クラウン量が得られなくなることが判明した。
【0122】
SUSの金属管に応力を加えた場合の歪みを測定すると、図11に示すような、応力と歪みの関係(以下、S−S特性と称す)が得られる。この図中において、弾性領域として示した部分は、SUSの金属管に応力を加えても、その材料の持つ弾性によって、歪みが発生しない領域である。
【0123】
すなわち、本実施例で用いた塑性加工としての液圧バルジ加工を行っても、SUSの金属管の弾性により、加圧が解放されると逆クラウン量が保持できなくなってしまう領域である。対して、塑性領域として示した部分は、SUSの金属管に応力を加えていくと塑性変形が起こり、その応力を開放しても歪みが残留歪みとして残る領域であり、この残留歪みが逆クラウン量として保持されることになる。
【0124】
次に図1に、SUSの金属管と、フッ素樹脂を焼成する際の熱を加えたSUSの金属管のS−S特性を示す。図に示したように、SUSの金属管は応力に対する残留歪みが生じる塑性領域として歪み約1.3%以上(応力:約1.55GPa)の領域があるのが分かるが、熱履歴を受けたSUSの金属管は明確な弾性領域から塑性領域への遷移領域がなくなっているのが分かる。すなわち、この熱履歴を受けたSUSの金属管では所望とする逆クラウン量が得られないことになる。また、引っ張り強さが約0.25GPa以上高くなっており、塑性加工にて逆クラウンを付与しようとしてSUSの金属管により高い応力を加えると、破断が発生してしまった。このような現象は他の金属でも生じる。
【0125】
このような不具合があるので本実施例では、所望の逆クラウン量を得るために、上述してきたように、第2段階の金属管を形成した後、塑性加工にて逆クラウン形状を付与し(第3段階の金属管)、次にフッ素樹脂層の焼成を行う、工程順番とした。
【0126】
次に、上述してきた塑性加工にて得られる逆クラウン量に関して説明する。本実施例で用いた第2段階の金属管の外径はφ30.1mmに対して、液圧バルジ加工にて用いた金型の内径を、下記の表1のようにすることで、SUSスリーブに変形量を加えることができ、それによって所望の逆クラウン量が得られる。
【0127】
【表1】
Figure 0003970122
【0128】
上記のように、液圧バルジ加工にて用いる、金型の内径を選択することで、歪残留歪み量が決定され、その残留歪み量が変形量としてSUSの金属管に残り、逆クラウン形状が得られることになる。
【0129】
例えば、金型の中央部はSUSの金属管の外形φ30.1mmに対して、金型内への挿入などを考慮し内径φ30.2mmを選択することになり、金型両端部の内径をφ30.4mmとすれば、得られる逆クラウン量は75.3−0=75.3μm程度となる。
【0130】
このように所望の逆クラウン量が得られるように金型中央部と両端部の内径を選択すれば、任意に逆クラウン量を付与することが可能となる。
【0131】
次に、上述してきたような工程順番で得た、逆クラウン形状が付与されたSUSの金属管を基層とする金属スリーブ13を加熱定着装置の加熱定着用回転体として用いた場合のメリットを、表2を参照しながら説明していく。
【0132】
評価方法として、坪量65g/mのA4紙を、湿度80%の高湿環境下に放置して紙シワや光沢ムラの発生し易い記録材を用意する。この記録材を用いて、紙シワの評価は3%の印字率で500枚連続プリントして行った。光沢ムラの評価は印字率30%のハーフトーン画像を50枚連続プリントして行った。また、逆クラウン量(回転体中央部と端部付近の外径の差)は、0μm(ストレート形状)、25μm、35μm、50μm、100μmの5水準で確認した。
【0133】
【表2】
Figure 0003970122
【0134】
上記の表2の結果のように、紙シワの発生は50μm以上の逆クラウン量、光沢ムラは35μm以上の逆クラウン量がSUSの金属管にあれば、定着ニップ部Nにおいて記録材Pの搬送方向と直交する端部が外側に引っ張られることで、記録材Pの搬送が安定し、紙シワや光沢ムラとして発生する品質問題を防止できることになる。すなわち、SUSの金属管に50μm以上の逆クラウン量を付与すれば、記録材Pの搬送性に起因する品質問題を生じさせない。
【0135】
次に、SUSの金属管の逆クラウン量上限値の見極めに関して説明する。上限値を決定するポイント、▲1▼.金属スリーブ13のSUSの金属管とヒータ11のなすヒータニップの不均一化、▲2▼.塑性加工による限界、の2点がある。
【0136】
まず、▲1▼.金属スリーブ13のSUSの金属管とヒータ11のなすヒータニップの不均一化による弊害として、定着性への影響を説明する。記録材P上の未定着トナーtを定着する定着ニップ部Nは、金属スリーブ13と加圧ローラ20の圧接面として形成されるが、これと同様に重要となるのがSUSの金属管の内周面において、加熱源であるヒータ11となすヒータニップ部である。このヒータニップ巾が小さかったり、不均一だったりすると、加熱源であるヒータからの熱エネルギーが、記録材に効率よく伝達できなくなり、定着不良を引き起こすことになる。
【0137】
これは、SUSの金属管はその肉厚が薄くフレキシブル性に優れているとはいえ、金属の特性としての剛性もあるため、SUSの金属管の逆クラウン量が大きすぎると、そのヒータニップ巾が、中央部は細く、両端部は太い不均一な形状となり、定着性が損なわれることになる。
【0138】
また、本実施例で用いている画像形成装置の説明の箇所でも述べたが、加熱源であるヒータ11の温度をモニタし温調制御にフィードバックするサーミスタ14は、ヒータ長手方向の中央部に設けられているため、ヒータニップの中央部が細くなることで、熱エネルギーの主な伝達先である記録材Pや加圧ローラ20に奪われる熱量が少なくなり、サーミスタ当接部の温度は定着温度を維持し易くなり、ヒータ11への単位時間相当の通電割合を減らしても温調温度を維持できることになる。対して、ヒータ長手方向両端部のヒータニップが太くなることで、記録材Pや加圧ローラ20に奪われる熱量が多くなり、定着性を満足する温度が維持できなくなり、記録材端部の定着性が損なわれることになる。
【0139】
以上、説明してきた記録材端部の定着性と逆クラウン量の評価結果を、表3に示す。評価に用いた逆クラウン量は75μm、100μm、125μm、150μm、170μmの5水準である。また、ヒータニップ巾は、ヒータ摺動ガラス面11c上のグリスに形成される、グリスの付着状態から測定したものである。
【0140】
【表3】
Figure 0003970122
【0141】
上記の表3の結果のように、端部定着性を満足するには、金属スリーブ13の、または金属スリーブ13のSUSの金属管の逆クラウン量を約150μm以下とすれば、端部定着性を満足することができることが分かる。
【0142】
次に、▲2▼.塑性加工による限界について説明する。
【0143】
上述したように、SUSの金属管に逆クラウンを付与する塑性加工は、SUSの金属管のS−S特性の塑性領域で行うが、塑性領域においても加工のために加える応力(=内圧)がある範囲を超えると金属破壊として破断が発生することになり、塑性加工法による限界点が存在する。
【0144】
本実施例で用いた、肉厚35μm、外形φ30.1mmの第2段階の金属管を、液圧バルジ加工法による塑性加工を行った場合、逆クラウン量が約180μmを超えると、SUSの金属管の両端部に破断が発生してしまった。
【0145】
以上、説明してきたように、SUSの金属管の逆クラウン量は、紙シワや光沢ムラの発生を防止する点から50μm以上、定着性と塑性加工の点から150μm以下の範囲とすることが、SUSの金属管を基層とする金属スリーブ13を加熱定着装置の加熱定着用回転体として使用する場合は望ましい。
【0146】
また、別の観点としてSUSの金属管を基層とする金属スリーブ13の安定した回転を保証するためにも、SUSの金属管は適正な逆クラウン量が必要となる。
【0147】
SUSの金属管内周面はヒータ部材と摺擦している。この摺擦している面を多くすることで金属スリーブ13の回転挙動の安定性は向上することになる。
【0148】
しかし、本実施例の画像形成装置の箇所でも述べたが、金属スリーブ13は加圧ローラ20からの従動回転によって回転する構成であり、その回転を補助する目的でその内周面にはグリスを塗布している。このグリスにはSUSの金属管やヒータ、ヒータホルダーの摺擦磨耗を防止する効果もある。
【0149】
このような理由から、SUSの金属管内周面の接触面を増やすことは、SUSの金属管内周面の磨耗を大きくすることになり、その磨耗により発生する金属粉によって、更にSUSの金属管内面の磨耗が促進されてしまうことにつながるため、あまり好ましくない。
【0150】
そこで、図12に示すように、金属スリーブ13の内周面は、定着ニップ部N、及び、定着ニップ上下流近傍でのみ、ヒータ11やヒータ保持部材であるヒータホルダー12と接触する構成をとることで、摺擦抵抗を減らし、摺擦磨耗が発生し難い構成をとっている。
【0151】
このように金属スリーブ13の内周面に摺擦抵抗が加わる箇所を少なくする構成とした場合、SUSの金属管の逆クラウン量が大きすぎると、長手におけるヒータ11やヒータホルダー12との接触状態のバランスがくずれ、金属スリーブ13のスムースな従動回転を妨げる要因になりうる。
【0152】
そして、その結果として、定着ニップ部Nにおいて記録材Pの直進安定性が損なわれ、定着ニップ部Nにて記録材Pが斜行してしまい、その状態において金属スリーブ13のSUSの金属管の逆クラウン形状による記録材Pの端部への引っ張り作用により、記録材Pには左右不均一な搬送力が加えられることとなり、紙シワが発生したり、光沢ムラが発生したりすることになる。
【0153】
上述した、SUSの金属管の逆クラウン量によるヒータニップ巾と定着性の評価を行った際に、紙シワと光沢ムラに関して確認した結果を、表4として記す。評価の条件は、逆クラウン量の下限を決定する際に評価したものと同じである。
【0154】
【表4】
Figure 0003970122
【0155】
評価の結果は表4に示したように、紙シワの発生はなかったが、光沢ムラが逆クラウン量を170μmとした場合には発生してしまった。
【0156】
以上のことからSUSの金属管の逆クラウン量上限値は150μm程度となる。
【0157】
以上、説明してきたように、しごき加工により金属管(本実施例ではSUSの金属管)を形成した後、中央部の外径より両端部の外径が大きくなるような塑性加工を施すことで逆クラウン形状とし、次に金属管の表層に離型層としてのフッ素樹脂層を焼成形成することで、所望の逆クラウン量を有する金属管を歩留まり良く製造できる。また、このような金属スリーブを用いることにより、記録材の搬送性能及び加熱性能が優れた加熱定着装置を構築することが可能となる。
【0158】
(第2の実施例)
本発明の第2の実施例について説明する。
【0159】
第2の実施例は、逆クラウン形状を有した金属管を基層とし、その外周面に離型層としてフッ素樹脂層を焼成形成してある、加熱定着用回転体としての金属スリーブ13を得る工程に関して、先に述べた第1の実施例と異なる工程順番を経るものであり、その点についてのみ説明を行い、逆クラウン形状を有した加熱定着用回転体を加熱定着装置で用いた場合の利点に関しては、先に述べた第1の実施例と同様の内容であるので、この点に関する説明は省略する。
【0160】
また、先に述べた、従来の技術や第1の実施例と、相違ない箇所に関しては記述・説明を省略する。
【0161】
本実施例でも金属管の材料としては、SUSを用いた。このSUSの金属管(第2段階まで)の製法に関しては、先に述べた第1の実施例と同様の手法で達成するものであるので、省略する。
【0162】
次に、本実施例では、深絞り成型及びしごき加工を経て得られた第2段階の金属管の残留応力を除去する目的で、しごき加工後の最初の主工程として焼鈍処理(やきなまし処理:annealing)を行った。広く一般的に知られているように、金属材料にしごき加工として、押出し加工や引き抜き加工やしぼり加工、圧延加工などを行うと、その加工の際に加えられた応力の一部が金属内部の結晶構造の不均一性や結晶構造の変化として残ってしまうのが残留応力であり、その残留応力を除去するために、しごき加工を行った金属部材に熱を加え、結晶構造の均一化や結晶構造の微細化を図るのが焼鈍処理である。
【0163】
本実施例で用いた金属材料であるSUS材は、約800〜1100℃にて焼鈍処理を行うのが適切であり、今回は恒温炉にて約1000℃、約60分間の焼鈍処理を施し、SUSの金属管内の残留応力を除去した。
【0164】
次に、焼きなまし処理を施した第2段階のSUSの金属管の表層に離型層としてのフッ素樹脂層の焼成形成を行った。フッ素樹脂層の焼成形成については、先に述べた第1の実施例と同様の内容であるので説明は省略する。
【0165】
次の工程としては、SUSの金属管に逆クラウン形状を付与する塑性加工を施した。この塑性加工に関しても、第1の実施例と同様の内容であるので説明は省略する。
【0166】
先に述べた第1の実施例では、SUSの金属管に逆クラウン形状を付与する前に、表層のフッ素樹脂層の焼成形成を行うと、焼成の際に加える熱履歴によって金属の熱硬化が生じてしまい、所望とする逆クラウン量が得られなくなると説明したが、本実施例ではフッ素樹脂層の焼成形成を先に行い、その後に逆クラウン形状を付与する塑性加工を行っている点について説明する。
【0167】
本実施例では深絞り加工及びしごき加工を経てSUSの金属管を形成した後、焼鈍処理を行うことでSUSの金属管に残っている残留応力を除去しているため、フッ素樹脂層の焼成形成の際に加える焼成熱では熱履歴としての熱硬化は起らない。そのため、先にフッ素樹脂の焼成形成を行い、その後塑性加工を行っても、所望とする逆クラウン量を付与することが可能となる。
【0168】
図13に、焼鈍処理を行ったSUSの金属管に焼成温度を加えた場合のS−S特性と、処理を行っていないSUS管のS−S特性を示す。図にあるように、2種類のSUSの金属管のS−S特性は同等な塑性加工領域のある曲線形状を示しており、第2の実施例で説明したように、焼鈍処理を施したSUSの金属管であれば、先にフッ素樹脂層の焼成形成を行い、その後に、逆クラウン形状を付与する塑性加工を施しても、所望とする逆クラウン量が得られることになる。
【0169】
以上、説明してきたように、可撓性を有する金属管(本実施例ではSUS管)を形成した後、金属管に残っている残留応力を焼きなまし処理により除去し、次の工程として金属管の表層に離型層としてのフッ素樹脂層を焼成形成し、最後の主工程として中央部の外径より両端部の外径が大きくなるような塑性加工を施し逆クラウン形状を得る工程順番とすることで、所望とする逆クラウン量を安定して金属管に付与することが可能となり、安定して所望の逆クラウン量を有する加熱定着装置で用いる加熱定着用回転体である金属スリーブ13が得られる。
【0170】
尚、本実施例の塑性加工は離型層を形成した後に行うので、離型層を傷つけないために、金属管の内部から圧力をかけるバルジ加工が好ましい。
【0171】
そして、この加熱定着用回転体を用いた加熱定着装置においては、安定した記録材の搬送性、端部定着性の悪化防止、などを達成することが可能となり、画像品質を損なわない加熱定着装置を構築することが可能となる。
【0172】
(第3の実施例)
本発明の第3の実施例について図14を用いて説明する。
【0173】
第3の実施例は、逆クラウン形状を有した金属管を得る手段として、先に述べた第1、第2の実施例のように深絞り加工及びしごき加工により第2段階の金属管を得た後、逆クラウン形状を付与するための塑性加工を施すのではなく、しごき加工時に、逆クラウン形状をも付与してしまう工程としたものである。本説明では、この点についてのみ説明を行い、逆クラウン形状を有した加熱用回転体を加熱定着装置で用いた場合の利点に関しては、先に述べた第1、第2の実施例と同様の内容であるので、この点に関する説明は省略する。
【0174】
また、先に述べた、従来の技術や第1の実施例と、相違ない箇所に関しては記述・説明を省略する。
【0175】
本実施例でも金属管の材料としては、SUSを用いた。
【0176】
まず、先の第1の実施例で述べたように、SUSスリーブの基材としては、図7で説明したように深絞り加工により、図8に示したカップ状の金属円筒部材(第1段階)を製造する。
【0177】
次に、第1の実施例と同様に、金属製円筒状部材が所望の厚みに形成されるようにしごき加工を施す。本実施例で用いたしごき加工としては、第1の実施例でも図9−(a)にて説明した絞りスピニング加工法を用いた。
【0178】
カップ状の金属円筒部材から薄肉の金属管に至る工程である絞りスピニング加工工程にて、金属の管に逆クラウン形状も同時に付与してしまう工程としている。
【0179】
薄肉の金属管は、複数段階の絞りスピニング加工工程にて得られるものである。即ち、350μm程度の厚みを有した金属カップ状部材から、薄肉管として35μm程度の厚みに至るには、一度の絞り加工では、金属が破れる、亀裂が生じる、厚みのむらが生じる、などが発生するため、複数段階のしごき加工を経ることで、所望の薄肉金属管を得ている。複数段階としては、3〜5段階の絞り加工工程を設けるのが好ましい。本実施例では4段階の絞りスピニング加工工程を設けた。
【0180】
次に、絞りスピニング加工法にて、金属製の管に逆クラウンを付与する手法について、図14を用いて説明する。
【0181】
図14の(a)に示したように固定台106cに加える圧力を、金属管(カップ形状)104の長手中央よりも、長手端部を大きくすることで、金属製の管は押し広げられることになり、長手中央よりも端部が広がった(外径が大きい)薄肉の金属管が得られることになる。このように絞りスピニング加工の1工程内での押し当てローラ106aに加える圧力を金属スリーブ長手方向で異なるように制御することで、長手中央よりも端部の外径が大きい逆クラウン形状を有した金属製の管が得られることになる。
【0182】
また、別なしごき加工法として、先の第1の実施例で図9の(b)で説明した連続ダイスによるしごき加工法にても、同様の手法にてしごき加工工程にて逆クラウン形状を薄肉の金属管に付与することが可能である(図14の(b))。
【0183】
しごき加工工程にて、金属管に逆クラウン形状を付与する手法として、金属管をしごく金属製の部材に加える圧力を制御する手法以外の手段としては、図14の(a)、(b)に示した金属製内型105を回転させながら送り込む速度を制御する手法、なども有効的である。即ち、金属管104の長手端部は送り込む速度を遅く制御し、しごきを強くすることで金属管を押し広げる(外径を大きく)ように成型し、逆に長手方向の中央では送り込む速度を通常の状態で制御することで、長手の両端部に向かうにつれ外径の大きくなる金属製の薄肉管を得る、しごき加工とするものである。
【0184】
また、上述した、押し当てローラ106aに加える圧力の制御、金属製内型の送り込む速度の制御、を組みあわせて用いることでも、しごき加工と同一工程にて、薄肉の金属管に逆クラウン形状を付与することは実現できる。また、他のしごき加工にてもしごき加工と同一工程にて、薄肉の金属管に逆クラウン形状を付与できるものであれば、手法は制限されるものではない。
【0185】
本実施例では、上記した押し当て部材106cに加える圧力を制御するしごき加工を、離型層形成前の最終工程に採用することで、約100μm程度の逆クラウン形状を付与している。尚、逆クラウン形状の付与は複数回のしごき加工で行っても構わないものである。
【0186】
本実施例で説明したしごき加工工程にて薄肉の金属管の形成と同時に、逆クラウン形状を付与する加工手法を用いた金属管は、金属管の長手両端部を押し広げることで逆クラウン形状を付与しているため、長手中央の厚みに比較して長手両端部の厚みは薄く形成されてしまうことになるが、その割合は、金属管の厚みである約35μmに比較して、かなり小さいものである。
【0187】
説明してきた手法にて得られた金属管の厚みを中央と両端部で比較したところ、1μm以下であり、逆クラウン形状を有した金属製の薄肉管としての使用上、全く問題のない厚みの差である。
【0188】
以上のようにして得られた、逆クラウン形状を付与した金属管の外周面には、主な工程としては最終工程となる、離型層としてのフッ素樹脂層を形成することになるが、この工程は、先に述べた第1の実施例と同様であるため、説明は省略する。
【0189】
以上、説明してきたように、薄肉の金属管を形成するしごき加工工程にて、逆クラウン形状を付与する加工を同時に施してSUSスリーブを得る工程とすることで、加工工程が少なくコスト面でのメリットがあり、工程数が少ないことによる品質面での安定性を達成できた加熱回転体が得られる。そして、この加熱回転体を用いた加熱定着装置においては、先に述べた第1、第2の実施例と同様に、安定した記録材の搬送性、端部定着性の悪化防止、などを達成することが可能とぶり、画像品質を損なわない加熱定着装置を構築することが可能となる。
【0190】
(その他)
1)加熱定着用回転体である金属スリーブ13である金属管の材質は実施例のSUSに限られないことは勿論である。
【0191】
2)加熱定着装置は、オイル系定着であってもオイルレス系であっても同様に効果がある。
【0192】
3)加熱部材(ヒータ)は電磁誘導発熱性部材であってもよい。
【0193】
4)本発明の加熱定着装置には、記録材上の画像を仮定着処理する像加熱装置、つや等の画像表面性を改質する像加熱装置等も含むものである。
【0194】
本発明は上述の実施例にとらわれるものではなく技術思想内の変形を含むものである。
【0195】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、像加熱装置の加熱用回転体の基層として樹脂よりも熱伝導性に優れる金属を用いることで十分な熱エネルギーを記録材に伝達することが可能であり、より高速オンデマンドの装置を達成することが可能となる。この場合、回転体は、長手方向両端部に向うに連れて外形が大きくなる逆クラウン形状を有するものとすることで、ニップ間での記録材搬送速度が記録材中央部よりも両端部の方が速くなり、記録材両端部が張る状態になり、記録材の紙シワや光沢ムラの発生を防止でき、記録材の安定した搬送性を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱履歴のあるステンレス管と熱履歴のないステンレス管の(歪み−応力)特性を示した図である。
【図2】本発明の金属製回転体を適用できる像加熱装置の概略断面図である。
【図3】図2の像加熱装置のニップ部付近の拡大断面図である。
【図4】図2の像加熱装置のヒータの構成を示した図である。
【図5】図2の像加熱装置を適用したプリンタの概略断面図である。
【図6】図2の像加熱装置の長手方向を示した図である。
【図7】本発明の実施例で用いた深絞り加工を示した図である。
【図8】図7の深絞り加工により得られたカップ形状の金属部材を示した斜視図である。
【図9】(a)は本発明のしごき加工として用いたスピニング加工を示した断面図である。(b)は連続ダイスを用い久しごき加工を示した断面図である。(c)はしごき加工により得られた金属管を示した斜視図である。
【図10】塑性加工として液圧を用いたバルジ加工を示した断面図である。
【図11】ステンレス管の(歪み−応力)特性を示した図である。
【図12】第1実施例の像加熱装置のニップ部付近の拡大断面図である。
【図13】焼き鈍し処理を施したステンレス管と焼き鈍し処理を施していないステンレス管の(歪み−応力)特性を示した図である。
【図14】(a)、(b)、(c)は第3の実施例で用いたしごき加工を説明するための図である。
【符号の説明】
1・・・・プロセスカートリッジ
2・・・・感光ドラム
3・・・・帯電ローラ
4・・・・現像装置
5・・・・転写ローラ
6・・・・クリーニング部材
7・・・・定着装置
10・・・・定着部材
11・・・・ヒータ(加熱部材)
11a・・・・セラミック基板
11b・・・・通電発熱抵抗層
11c・・・・薄肉ガラス保護層
12・・・・ヒータホルダー
13・・・・定着フィルム(SUS金属スリーブ)
14・・・・温度検知素子(サーミスタ)
15・・・・サーモプロテクター
17・・・・フランジ(定着フィルム支持部材)
20・・・・加圧部材(加圧ローラ)
21・・・・加圧ローラ芯金
22・・・・加圧ローラ弾性層
23・・・・加圧ローラ離型層
25・・・・加圧バネ
26・・・・加圧ローラ駆動ギア
27・・・・定着入り口ガイド
28・・・・ダイオード
N・・・・定着ニップ
L・・・・レーザビーム
P・・・・記録材
t・・・・未定着トナー像
S・・・・記録材搬送基準
100・・・・金属平板(プランク)
101・・・・円形内型(ポンチ)
102・・・・円筒容器状外型(ダイス)
104・・・・金属製円筒製部材
105・・・・金属製内型(しごき加工用)
106−a・・・・押し当てローラ
106−b・・・・軸
106−c・・・・固定台
107・・・・押え部材
108−a、−b、−c・・・・連続ダイス
109・・・・SUS金属製円筒状素管
110・・・・金型(液圧バルジ加工用、塑性加工用)
111・・・・オイル
112・・・・PFAチューブ(液圧バルジ加工用、塑性加工用)
113・・・・ピストン(液圧バルジ加工用、塑性加工用)
114・・・・オイルシール(液圧バルジ加工用、塑性加工用)

Claims (9)

  1. ヒータと、前記ヒータと接触しつつ回転する可撓性を有する回転体と、前記回転体を挟み前記ヒータと協同してニップ部を形成するバックアップ部材と、を有し、前記ニップ部で画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置において、
    前記回転体は内径及び外径共に中空管形状の管中央部から長手方向端部に向かうに連れて径が大きくなる逆クラウン形状の可撓性を有するステンレス製基層と、前記回転体の表面に設けられたフッ素樹脂層と、を有することを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記回転体の略中央部の外径と略端部の外径の差は50〜150μmであることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 前記回転体の基層の厚みは30〜200μmであることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  4. 前記バックアップ部材はローラ形状であり、前記回転体は前記バックアップ部材から動力を受けて回転することを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  5. ヒータと、前記ヒータと接触しつつ回転する可撓性を有するステンレス製回転体と、前記回転体を挟み前記ヒータと協同してニップ部を形成するバックアップ部材と、を有し、前記ニップ部で画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置、に用いられるステンレス製回転体であって、内径及び外径共に中空管形状の管中央部から長手方向端部に向かうに連れて径が大きくなる逆クラウン形状の可撓性を有するステンレス製基層と、前記回転体の表面に設けられたフッ素樹脂層と、を有することを特徴とする像加熱装置に用いられるステンレス製回転体。
  6. 前記回転体の略中央部の外径と略端部の外径の差は50〜150μmであることを特徴とする請求項5に記載の像加熱装置に用いられるステンレス製回転体。
  7. 前記回転体の基層の厚みは30〜200μmであることを特徴とする請求項5に記載の像加熱装置に用いられるステンレス製回転体。
  8. ヒータと、前記ヒータと接触しつつ回転する可撓性を有するステンレス製回転体と、前記回転体を挟み前記ヒータと協同してニップ部を形成するバックアップ部材と、を有し、前記ニップ部で画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置に用いられる可撓性を有するステンレス製回転体の製造方法であって、
    深絞り加工されたステンレス製金属管をしごき加工して金属管を薄肉化すると共に、しごき加工時にステンレス製金属管に加える圧力をステンレス製金属管の長手方向中央よりも端部を大きくすることにより内径及び外径共に中空管形状の管中央部から長手方向両端部に向かうに連れて径が大きくなる可撓性を有する逆クラウン形状のステンレス製金属管を形成するステップ、
    逆クラウン形状にしごき加工されたステンレス製金属管の表面にフッ素樹脂層を焼成するステップ、
    を有することを特徴とするステンレス製回転体の製造方法。
  9. ヒータと、前記ヒータと接触しつつ回転する可撓性を有するステンレス製回転体と、前記回転体を挟み前記ヒータと協同してニップ部を形成するバックアップ部材と、を有し、前記ニップ部で画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置、に用いられる可撓性を有するステンレス製回転体の製造方法であって、
    深絞り加工されたステンレス製金属管をしごき加工しステンレス製金属管を薄肉化するステップ、
    しごき加工されたステンレス製金属管を焼き鈍し処理するステップ、
    焼き鈍し処理されたステンレス製金属管の表面にフッ素樹脂層を焼成するステップ、
    フッ素樹脂層が形成されたステンレス製金属管の内面からステンレス製金属管を外側に押し広げるように圧力を掛けてステンレス製金属管をバルジ加工して内径及び外径共に中空管形状の管中央部から長手方向両端部に向かうに連れて径が大きくなる可撓性を有する逆クラウン形状のステンレス製金属管を形成するステップ、
    を有することを特徴とするステンレス製回転体の製造方法。
JP2002221109A 2001-08-10 2002-07-30 ヒータに接触する金属製回転体を有する像加熱装置及びこの回転体及びこの回転体の製造方法 Expired - Fee Related JP3970122B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002221109A JP3970122B2 (ja) 2001-08-10 2002-07-30 ヒータに接触する金属製回転体を有する像加熱装置及びこの回転体及びこの回転体の製造方法
US10/212,797 US6794611B2 (en) 2001-08-10 2002-08-07 Image heating apparatus having rotary metal member in contact with heater, such rotary member and producing method therefor
CNB021285179A CN100454171C (zh) 2001-08-10 2002-08-09 抵接加热器的金属回转体、其制法、有回转体的图像加热装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001244287 2001-08-10
JP2001-244287 2001-08-10
JP2002221109A JP3970122B2 (ja) 2001-08-10 2002-07-30 ヒータに接触する金属製回転体を有する像加熱装置及びこの回転体及びこの回転体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003156954A JP2003156954A (ja) 2003-05-30
JP3970122B2 true JP3970122B2 (ja) 2007-09-05

Family

ID=26620403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002221109A Expired - Fee Related JP3970122B2 (ja) 2001-08-10 2002-07-30 ヒータに接触する金属製回転体を有する像加熱装置及びこの回転体及びこの回転体の製造方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US6794611B2 (ja)
JP (1) JP3970122B2 (ja)
CN (1) CN100454171C (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011013221A1 (ja) 2009-07-29 2011-02-03 キヤノン株式会社 定着ベルトおよび定着装置
JP2012037879A (ja) * 2010-07-16 2012-02-23 Canon Inc ステンレス製のシームレスベルトおよびその製造方法、定着ベルト及び熱定着装置

Families Citing this family (37)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4054599B2 (ja) * 2002-04-25 2008-02-27 キヤノン株式会社 像加熱装置
JP3977200B2 (ja) 2002-08-23 2007-09-19 キヤノン株式会社 像加熱装置
JP3990957B2 (ja) 2002-08-28 2007-10-17 キヤノン株式会社 加熱定着装置
JP2004144833A (ja) * 2002-10-22 2004-05-20 Canon Inc 加熱装置
JP4095406B2 (ja) * 2002-11-06 2008-06-04 キヤノン株式会社 加熱定着装置
JP2004170950A (ja) * 2002-11-06 2004-06-17 Canon Inc 像加熱装置
JP4235493B2 (ja) * 2003-06-16 2009-03-11 キヤノン株式会社 定着装置
JP2005032455A (ja) * 2003-07-07 2005-02-03 Canon Inc 加熱装置及び画像形成装置
JP4222909B2 (ja) * 2003-09-03 2009-02-12 日東電工株式会社 複合管状体
JP2005166299A (ja) * 2003-11-28 2005-06-23 Canon Inc 加熱装置および画像形成装置
CN1933738B (zh) * 2004-01-20 2010-06-23 伯康营养科学(Mb)公司 新型卡诺拉分离蛋白
JP4599176B2 (ja) 2004-01-23 2010-12-15 キヤノン株式会社 像加熱装置及びこの装置に用いられるヒータ
JP4630673B2 (ja) * 2004-02-03 2011-02-09 キヤノン株式会社 定着装置
JP4298542B2 (ja) 2004-02-20 2009-07-22 キヤノン株式会社 像加熱装置
JP4262119B2 (ja) 2004-02-27 2009-05-13 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP2005316443A (ja) 2004-03-30 2005-11-10 Canon Inc 像加熱装置及びこの装置に用いられる搬送ローラ
JP2006023377A (ja) * 2004-07-06 2006-01-26 Canon Inc 画像形成装置
JP2006084821A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Canon Inc 加熱定着装置
JP4640775B2 (ja) * 2004-11-25 2011-03-02 キヤノンファインテック株式会社 加熱定着装置および画像形成装置
US20090028617A1 (en) * 2005-03-15 2009-01-29 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Fixing apparatus, heating roller, and image forming device
JP4804024B2 (ja) 2005-04-14 2011-10-26 キヤノン株式会社 像加熱装置及び画像形成装置
JP4498369B2 (ja) * 2006-02-14 2010-07-07 キヤノン株式会社 像加熱装置及びこの像加熱装置に用いられる可撓性スリーブ
KR101390181B1 (ko) * 2007-05-07 2014-05-02 삼성전자주식회사 정착장치 및 이를 포함하는 화상형성장치와 그의정착온도제어방법
CN201130302Y (zh) * 2007-10-30 2008-10-08 彭杨海 有金属片式加热器的定影器
JP5366427B2 (ja) * 2008-04-09 2013-12-11 キヤノン株式会社 フィルム、及びそのフィルムを備える像加熱装置
JP4777479B2 (ja) * 2010-01-05 2011-09-21 キヤノン株式会社 定着部材、定着部材の製造方法、および定着装置
JP2011253072A (ja) * 2010-06-02 2011-12-15 Canon Inc 像加熱装置及び画像形成装置
JP2014032370A (ja) * 2012-08-06 2014-02-20 Canon Inc 定着器およびそれを備えた画像形成装置
GB2533195B (en) 2012-12-28 2017-06-28 Canon Kk Fixing device
KR101899857B1 (ko) 2014-01-06 2018-09-19 에이치피프린팅코리아 주식회사 벨트타입 정착장치 및 이를 구비한 화상형성장치
JP6614816B2 (ja) * 2015-06-15 2019-12-04 キヤノン株式会社 像加熱装置
US20170060058A1 (en) 2015-08-31 2017-03-02 K.K. Endo Seisakusho Fixing device using stainless steel material
JP6632291B2 (ja) * 2015-09-25 2020-01-22 キヤノン株式会社 画像加熱装置
JP2017138568A (ja) * 2016-02-02 2017-08-10 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置及び画像形成装置
US10838332B2 (en) * 2016-07-21 2020-11-17 Canon Kabushiki Kaisha Image heating device
US10191422B2 (en) * 2016-08-29 2019-01-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Heater and image forming apparatus
JP7013433B2 (ja) * 2019-11-06 2022-01-31 キヤノン株式会社 像加熱装置

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US999038A (en) * 1910-10-05 1911-07-25 Jacob L Kleinman Sewing-machine.
JP2516886B2 (ja) 1987-06-16 1996-07-24 キヤノン株式会社 像加熱装置
EP0295901B1 (en) 1987-06-16 1995-12-20 Canon Kabushiki Kaisha An image fixing apparatus
JP2646444B2 (ja) 1988-12-12 1997-08-27 キヤノン株式会社 画像加熱定着装置
US4970219A (en) 1989-06-28 1990-11-13 Hoechst-Roussel Pharmaceuticals Inc. Heteroarylamino- and heteroaryloxypyridinamine compounds which have useful utility in treating skin disorders
JP2821226B2 (ja) 1990-03-13 1998-11-05 キヤノン株式会社 加熱装置
JP2884714B2 (ja) 1990-06-11 1999-04-19 キヤノン株式会社 像加熱装置
EP0461595B1 (en) 1990-06-11 1996-03-13 Canon Kabushiki Kaisha Heating apparatus using endless film
US5148226A (en) * 1990-06-11 1992-09-15 Canon Kabushiki Kaisha Heating apparatus using endless film
JPH04166967A (ja) * 1990-10-31 1992-06-12 Hitachi Ltd 熱定着装置
US5210579A (en) 1990-11-30 1993-05-11 Canon Kabushiki Kaisha Image fixing apparatus having a parting resin layer for reducing frictional resistance of the film through which the image is heated
JP2900604B2 (ja) 1990-11-30 1999-06-02 キヤノン株式会社 像加熱装置
JPH04343381A (ja) * 1991-05-21 1992-11-30 Canon Inc 定着装置
US5450181A (en) 1993-05-11 1995-09-12 Canon Kabushiki Kaisha Fixing device
JPH0756456A (ja) * 1993-08-16 1995-03-03 Sanyo Electric Co Ltd 定着装置
US5722026A (en) 1995-08-31 1998-02-24 Canon Kabushiki Kaisha Pressing rotator and heating-fixing apparatus using the same
JP3210223B2 (ja) 1995-10-19 2001-09-17 キヤノン株式会社 像加熱装置
JPH10186920A (ja) 1996-12-24 1998-07-14 Canon Inc 定着装置
JP3372811B2 (ja) 1997-02-03 2003-02-04 キヤノン株式会社 加熱定着装置
JPH10319754A (ja) * 1997-05-22 1998-12-04 Minolta Co Ltd 定着装置
JPH11102133A (ja) 1997-09-26 1999-04-13 Canon Inc 加熱装置及び画像形成装置及び回転フィルム体の製造方法
KR100335429B1 (ko) * 1998-09-19 2002-08-21 삼성전자 주식회사 전자사진방식프린터의전사유닛
JP4478342B2 (ja) 2000-01-25 2010-06-09 キヤノン株式会社 定着装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011013221A1 (ja) 2009-07-29 2011-02-03 キヤノン株式会社 定着ベルトおよび定着装置
US9034474B2 (en) 2009-07-29 2015-05-19 Canon Kabushiki Kaisha Fixing belt and fixing device
JP2012037879A (ja) * 2010-07-16 2012-02-23 Canon Inc ステンレス製のシームレスベルトおよびその製造方法、定着ベルト及び熱定着装置
US9377723B2 (en) 2010-07-16 2016-06-28 Canon Kabushiki Kaisha Stainless-steel seamless belt and manufacturing method therefor, fixing belt and heat fixing apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
CN1402093A (zh) 2003-03-12
CN100454171C (zh) 2009-01-21
US6794611B2 (en) 2004-09-21
US20030038125A1 (en) 2003-02-27
JP2003156954A (ja) 2003-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3970122B2 (ja) ヒータに接触する金属製回転体を有する像加熱装置及びこの回転体及びこの回転体の製造方法
JP4933002B2 (ja) 加熱定着装置および加熱用金属製スリーブ
JP5464902B2 (ja) 定着装置
JP2002323821A (ja) 像加熱装置
JP2011186397A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2002246151A (ja) 加熱装置および画像形成装置
JP2004170950A (ja) 像加熱装置
JP2003233260A (ja) 定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置
JP6632291B2 (ja) 画像加熱装置
JP6766237B2 (ja) 画像加熱装置
JPH09126225A (ja) 加圧用回転体及びそれを有する加熱定着装置
JP2011053411A (ja) 加熱定着装置
JP2004279857A (ja) 加熱定着装置および画像形成装置
JP2007178828A (ja) 画像加熱装置
JP4459555B2 (ja) 定着用ローラ
JP4459554B2 (ja) 定着用ローラ
JP4065495B2 (ja) 加熱定着装置
JP4293423B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2003057978A (ja) 加熱定着装置
JP5312620B2 (ja) 加熱定着装置およびこの装置のスリーブに使用される金属製の基材
JP4387657B2 (ja) 加熱定着装置
JP4266613B2 (ja) 定着装置
US20130251424A1 (en) Fixing apparatus and image forming apparatus including the fixing apparatus
JP2004157371A (ja) 加熱装置
JPH1152770A (ja) 定着器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050711

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060627

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070220

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070423

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070522

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070605

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3970122

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110615

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120615

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120615

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130615

Year of fee payment: 6

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees