JPH09126225A - 加圧用回転体及びそれを有する加熱定着装置 - Google Patents

加圧用回転体及びそれを有する加熱定着装置

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JPH09126225A
JPH09126225A JP23024196A JP23024196A JPH09126225A JP H09126225 A JPH09126225 A JP H09126225A JP 23024196 A JP23024196 A JP 23024196A JP 23024196 A JP23024196 A JP 23024196A JP H09126225 A JPH09126225 A JP H09126225A
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JP
Japan
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friction coefficient
layer
fixing device
fluororesin
tube
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JP23024196A
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English (en)
Inventor
Masahiro Goto
正弘 後藤
Toshio Miyamoto
敏男 宮本
Satoru Izawa
悟 伊澤
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加圧用回転体を長期間表面汚れなく安定した
離型性、耐久使用性を確保し、ニップ部に挟持させた部
材とのスリップがなく良好な部材搬送性を有し、熱膨張
が抑制され部材搬送速度の安定した、高速化の対応可能
な加熱定着装置の提供。 【解決手段】 被記録材上に転写されたトナー像を加熱
用回転体及び加圧用回転体により形成されるニップ部内
を通過させ永久定着する加熱定着装置の加圧用回転体の
芯金上に弾性層を形成し、該弾性層の表層にフッ素樹脂
中にフッ素樹脂よりも高摩擦係数の樹脂又はゴム材を混
合したチューブ層を形成し、該チューブ層を粗面化処理
した加圧用回転体並びに該回転体を具備する加熱定着装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真記録装置等
に用いられる加熱定着装置およびそれに用いる加熱用回
転体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の複写機、プリンタ
ー等の多くは定着手段として熱効率、安全性の良好な接
触加熱型の熱ローラ定着方式や、省エネルギータイプの
フィルム加熱方式を採用している。
【0003】熱ローラ定着方式の加熱定着装置は、加熱
用回転体としての加熱ローラ(定着ローラ)と、これら
圧接させた加圧用回転体としての弾性加圧ローラを基本
構成とし、この一対のローラを回転させて該ローラ対の
圧接ニップ部(定着ニップ部)に未定着画像(トナー画
像)を形成担持させた被加熱材としての被記録材(転写
材シート・静電記録紙・エレクトロファックス紙・印字
用紙等)を導入して圧接ニップ部を挟持搬送通過させる
ことにより、加熱ローラからの熱と圧接ニップ部の加圧
力によって未定着画像を被記録材面に永久固着画像とし
て熱圧定着させるものである。
【0004】また、フィルム加熱方式の定着装置は、例
えば特開昭63−313182号公報、特開平2−15
7878号公報、同4−44075〜44083、同4
−204980〜204984各号公報に開示されてお
り、発熱体に加熱用回転体である耐熱性フィルム(定着
フィルム)を加圧用回転体(弾性ローラ)で密着させて
摺動搬送させ、該耐熱性定着フィルムを挟持して加熱体
と加圧部材とで形成される圧接ニップ部に未定着画像を
担持した被記録材を導入して耐熱フィルムと一緒に搬送
させて、耐熱性フィルムを介して付与される加熱体から
の熱と圧接ニップ部の加圧力によって未定着画像を被記
録材上に永久画像として定着させる装置である。
【0005】フィルム加熱式の加熱装置は、加熱体とし
て低熱容量線状加熱体を、フィルムとして薄膜の低熱容
量のものを用いることができるので、省電力化・ウエイ
トタイム短縮化(クイックスタート性向上)が可能であ
る。
【0006】またこの種の定着方式においては、定着フ
ィルムの駆動方式にフィルム内周面に駆動ローラを設
け、フィルムにテンションを加えながら駆動する方式、
フィルムをフィルムガイドにルーズに嵌合させ、加圧用
回転体を駆動することにより、フィルムを加圧用回転体
に対し従動回転させる方式が知られているが、近年では
部品点数が少なくて済むことから、後者の加圧用回転体
駆動方式が採用されることが多い。
【0007】また、近年上記加圧ローラ駆動型のフィル
ム方式の加熱定着装置に限らず、熱ローラ定着装置、あ
るいは定着フィルム駆動型の加熱定着装置において、高
速化の要望が強く、同時に画像形成装置の小型化が要求
されている。
【0008】このような装置において前記の要求を満た
すためには、比較的低圧力で、小径の定着ローラ、加圧
ローラを使用せざるを得ず、画像形成装置の被記録材搬
送速度が速い場合、被記録材に十分な熱量を供給するた
めには定着ローラ、又は定着フィルムと加圧ローラの圧
接ニップ幅を低圧力で大きくする必要がある。
【0009】このために加圧ローラのローラ硬度を極端
に低下させた加圧ローラの開発が試みられている。
【0010】上記加熱定着装置において、特にフィルム
をフィルムガイドにルーズに勘合させ、加圧ローラを駆
動することにより、フィルムを加圧ローラに対し従動回
転させる方式においては、加圧ローラの駆動搬送力が不
十分な場合、フィルムと加圧ローラ間に被記録材が通過
するときに加圧ローラと被記録材間でスリップが発生
し、被記録材の搬送が良好に行われない場合があり、特
にこの現象は加圧ローラ表層を離型性及び耐久性に優れ
たPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアル
キルビニルエーテル共重合体)チューブで形成した場合
に発生し易く、更に両画像形成装置の画像形成速度(加
圧ローラ周速に近似)が速いほど発生し易い。
【0011】このため加熱ローラ定着方式、あるいは定
着フィルム駆動タイプのフィルム定着方式では広く用い
られている上記PFAチューブ加圧ローラが、加圧ロー
ラ駆動方式の加熱定着装置ではあまり使用されず、加圧
ローラとしては、単に芯金の上にシリコーンゴム層を設
けたもの、あるいは上記シリコーンゴム層上にフッ素樹
脂混入フッ素ゴムラテックスをコーティングしたものが
用いられているが、いずれも表層にPFAチューブを設
けた加圧ローラに比べ、耐久性に劣ると云う欠点を有し
ている。また、フッ素樹脂混入フッ素ゴムラテックスの
コーティングでは、コーティング層の表面側にフッ素樹
脂が偏在し、加圧ローラの駆動搬送力が十分でなかっ
た。
【0012】また、加圧ローラ駆動型のフィルム定着装
置においては、被記録材やフィルムの搬送速度はこの加
圧ローラの周速で決まるため、駆動ローラとしての加圧
ローラの熱膨張が大きいと周速が変化し易く、被記録材
が像転写部等の作像部と加熱定着装置との間にまたがっ
ているとき被記録材が加熱定着装置に引っ張られること
になって形成画像が伸びたり、ぶれたりする。
【0013】この問題を軽減するには、加圧ローラの熱
膨張率を小さくする必要があるが、単に熱膨張を小さく
するために弾性層の肉厚を薄くすることは、十分な圧接
ニップ幅を得ることが困難となり、特に加熱定着装置の
高速化に対応し難くなる。この現象に対しても加圧ロー
ラ表層にPFAチューブのような樹脂チューブ層を設け
ることによって、弾性層の熱膨張による外径変化を樹脂
チューブの作用により、外周面から応力が働くことによ
り熱膨張を抑えることが可能となり、加圧ローラの外径
変化を少なくすることができるが、上記のように加圧ロ
ーラ駆動方式の装置においてはこのような加圧ローラは
加圧ローラと被記録材間でスリップが発生し被記録材の
搬送が良好に行われない場合があり、そのまま利用する
ことができない。
【0014】また、定着ローラ又は定着フィルム駆動型
の加熱定着装置において、低硬度の加圧ローラを使用し
大きなニップ幅を得る場合には、加圧ローラ弾性層の変
形量が非常に大きくなり、弾性層中の応力分散の影響に
より定着ローラ又は定着フィルムからの回転駆動力が加
圧ローラ芯金に十分に伝わらず、前記と同様にニップ内
を通過する被記録材と定着ローラ又は定着フィルム間の
摩擦力が小さくなったとき、加圧ローラがブレーキ作用
を起こしスリップ現象が発生することが見出された。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、対向部材を
圧接してニップ部を形成させ、回転駆動させてニップ部
に挟持させた部材に搬送力を与える加圧用回転体、該加
圧用回転体を含む加熱定着装置について、長期に亘り表
面汚れのない安定した離型性、即ち耐久使用性を有し、
ニップ部に挟持させた部材とのスリップがないようにし
て常に良好な部材搬送性を持ち、さらに、熱膨張を抑制
して部材搬送速度の安定化、装置の高速化への対応が可
能となる加圧用回転体および加速定着装置を提供するこ
とを目的としたものである。
【0016】更に、本発明は、低硬度の弾性層を用いて
大きなニップ幅を得る加圧用回転体およびそれを用いた
加熱定着装置において、加圧用回転体を長期に亘って表
面汚れのない安定した離型性、即ち耐久使用性を有し、
ニップ部に挟持させた部材とのスリップがないようにし
て常に良好な部材搬送性を持ち、装置の高速化への対応
を可能にする加圧用回転体およびそれを用いた加熱定着
装置を提供することを目的としたものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は被記録材上に転
写されたトナー像を加熱用回転体、及び加圧用回転体に
より形成されたニップ部内を通過させることにより永久
定着する加熱定着装置の加圧用回転体において、該加圧
用回転体が、弾性層、および表層を有し、該表層がフッ
素樹脂およびフッ素樹脂よりも高い摩擦係数を持つ高摩
擦係数樹脂の混合物が形成されているチューブであるこ
とを特徴とする加圧用回転体である。
【0018】また、本発明被記録材上に転写されたトナ
ー像を加熱用回転体、及び上記加圧用回転体により形成
されたニップ部内を通過させることにより永久定着する
加熱定着装置である。
【0019】加圧用回転体が上記構成要件を満たすこと
により、長期に亘って表面汚れのない安定した離型性即
ち耐久使用性を確保することが可能となると同時に、ニ
ップ部に挟持させた部材との間のスリップをも防止する
ことができ良好な部材搬送性が得られること、更に表層
の離型層としての樹脂チューブの作用による加圧用回転
体熱膨張抑制の効果により、部材搬送速度の安定化を図
ることができ、加圧用回転体から回転駆動力を伝達する
加熱定着装置の高速化にも十分対応することができる。
【0020】更に定着ローラ、定着フィルムからの回転
駆動力を伝達する加熱定着装置の高速化、及び小型化に
も十分対応することができる。
【0021】特に、加圧回転体の表層の表面に離型性が
優れたフッ素樹脂と、部材搬送性に優れた高摩擦係数樹
脂が混在していることにより、トナー汚れがなく、且つ
ニップ部に挟持させた部材と加圧用回転体とのスリップ
を防止できるものである。
【0022】加圧用回転体の表層を形成するフッ素樹脂
の摩擦係数は0.3以下が好適である。また、加圧用回
転体の表層を形成する高摩擦係数樹脂の摩擦係数は0.
5以上、特に0.6以上が好適である。ここで摩擦係数
(μ)は次のように規定される値である。水平に配置さ
れた鏡面加工したスチール板の上に試料を置き、7kg
/cm2 の荷重を詞料にかけて、3m/minの速度で
動かすのに要する力F(kg)から、次式により摩擦係
数(μ)は求められる。
【0023】
【外1】 S:スチール板と接触している詞料の面積フッ素樹脂と
しては、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリ
テトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)およびE
PE(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)
などが用いられる。
【0024】高摩擦係数樹脂としては、PEEK(ポリ
エーテルエーテルケトン)、PPS(ポリフェニルサル
ファイド)、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ポリイミド
およびポリアミドなどが用いられる。
【0025】高摩擦係数樹脂のフッ素樹脂に対する混合
割合は、フッ素樹脂100重量部に対して5〜25重量
部が好ましい。
【0026】また、加圧用回転体の部材搬送性も一層高
めるために、表層の表面粗さを0.4〜2.5μm(J
IS.Ra)にすることが好適である。また、表層の表
面に規則的凹凸を形成して部材搬送性を高める場合に
は、その凹凸の深さ(H)は3〜10μm間隔は0.1
〜1mmの範囲が好適である。加圧用回転体の弾性層
は、加圧用回転体が対向部材との間で十分なニップ幅を
形成するように硬度が5度(JISA)以下が好適であ
る。また、弾性層の変形率は5%以上が好適である。
【0027】図9に本発明に係る画像形成装置の一例を
示す。
【0028】図9において、1は観光ドラムであり、O
PC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材
料をアルミニウムやニッケル等のシリンダ上の基板上に
形成した構成から成る。感光ドラム1は矢印の方向に回
転駆動され、まずはじめにその表面は帯電装置としての
帯電ローラ2によって一様に帯電される。
【0029】次に、露光手段であるレーザービーム3を
画像情報に応じON/OFF制御し走査露光がなされ、
感光ドラム1上に静電潜像が形成される。この静電潜像
は、現像装置4で現像され、可視化される。
【0030】現像方法としては、ジャンピング現像法、
2成分現像法等が用いられ、イメージ露光と反転現像と
組み合わせて用いられることが多い。可視化されたトナ
ー像は、転写装置である転写ローラ5により感光ドラム
1上から所定のタイミングで給紙、搬送された転写材P
上に転写される。
【0031】トナー像を保持した転写材Pは定着装置6
へ搬送され、定着装置のニップ部で加熱・加圧されて転
写材上に定着され永久画像となる。一方、転写後の感光
ドラム1上に残留する転写残留トナーは、クリーニング
装置7により感光ドラム1表面より除去される。
【0032】
【発明の実施の形態】
(実施例1)図1に、本発明の第1の実施例を適用した
フィルム加熱型定着装置の概略断面図を示す。
【0033】図1において、10はエンドレスベルト状
の耐熱性フィルム(定着フィルム)であり、半円弧状の
フィルムガイド部材(スティ)13に対して周長に余裕
を持たせた形で外嵌している。
【0034】フィルム10は熱容量を小さくしてクイッ
クスタート性を向上させるために、膜厚を総厚100μ
m以下、好ましくは60μm〜20μmの範囲とした、
耐熱性・離型性・強度・耐久性等のあるPTFE、PF
A、PPS等の単層フィルム、あるいはポリイミド、ポ
リアミドイミド、PEEK、PES等のフィルム表面に
PTFE、PFA、FEP等を離型層としてコーティン
グした複合層フィルム等である。
【0035】11は加圧用回転体としての加圧ローラで
あり、鉄、アルミ等の芯金の上にシリコーンゴムからな
る弾性層を形成している。
【0036】図1において、フィルム10は加圧ローラ
11の回転により、少なくとも画像定着実行時は矢示の
時計方向に加熱体12面に密着して該加熱体面を摺動し
ながら所定の周速度、即ち不図示の画像形成部側から搬
送されてくる未定着トナー画像Tを担持した転写材Pの
搬送速度とほぼ同一周速度でシワのない状態で回転駆動
される。
【0037】加熱体12は、電力供給により発熱する発
熱源としての通電発熱体(抵抗発熱体)12aを含み、
該通電発熱体12aの発熱により昇温する。
【0038】通電発熱体12aに対する電力給電により
加熱体12が加熱され、またフィルム10が回転駆動さ
れている状態において、加圧ローラ11弾性層の変形に
よって生じる弾性力により該加熱体12との間に形成さ
れた圧接ニップ部N(定着ニップ部)に転写材Pが導入
されることにより、該転写材Pがフィルム10に密着し
てフィルムと一緒の重なり状態で定着ニップ部Nを通過
していく。
【0039】この転写材Pの定着ニップ部通過過程で加
熱体12からフィルム10を介して転写材Pに熱エネル
ギーが付与されて転写材P上に未定着トナー画像Tが加
熱溶融定着され、転写材Pは定着ニップ通過後フィルム
10から分離して排出される。
【0040】次に、本実施例の加熱定着装置に用いられ
る加圧ローラ11に関して図2を用いて詳細に説明す
る。
【0041】加圧ローラ11は鉄、アルミ等の芯金をブ
ラスト等の表面粗面化処理を行った後、洗浄を行い、次
いで芯金111を筒形に挿入し、液状のシリコーンゴム
を型内に注入し加熱硬化させる。このとき加圧ローラ表
面層に離型層としてのチューブ層を形成するために、型
内に予めチューブの内面にプライマーを塗布したチュー
ブを挿入しておくことにより、ゴムの加熱硬化と同時に
チューブとゴム層の接着を行う。このようにして成型さ
れた加圧ローラは脱型処理した後、2次加硫を行う。
【0042】上記チューブは、押し出し成型時にPFA
ペレットとPFAよりも摩擦係数が高いPEEK、PP
S等の耐熱樹脂ペレットを混合させ、同時に押し出すこ
とにより、チューブ状に所定の外径、厚みに成型するこ
とができる。
【0043】次に、上記加圧ローラを本実施例の画像形
成装置に適用した場合の、チューブ層の離型性、被記録
材のスリップ性を評価し、チューブ層として最適な高摩
擦係数樹脂の混合量、及びその表面粗さを決定するため
に以下のような検討を行った。尚チューブ層の表面粗さ
は加圧ローラ成型後、サンドブラスト処理、サンドペー
パー処理、砥石研磨等により表面が所定の粗さにコント
ロールされる。
【0044】加圧ローラは、芯金111に外径16mm
のアルミ材を用いその表層に、肉厚3mmのシリコーン
ゴム層112を形成し、更にその上に厚み50μmの上
記チューブ層113を形成し、定着フィルム、加熱体に
は総圧12kgの荷重によりニップを形成した。定着フ
ィルムは、厚み50μmのポリイミドのシームレスチュ
ーブに厚さ10μmのPTFE層を形成したものを用い
た。
【0045】このとき加熱体には700Wの電力を供給
し、加圧ローラを周速150mm/secで回転させ、
加圧ローラと転写材のスリップ評価には温度30℃湿度
80%の環境下で24時間以上放置したA4サイズの紙
を連続して100枚通紙しスリップの発生有無を観察
し、また表面離型性については常温常湿環境下でA4サ
イズの紙を30万枚連続通紙し加圧ローラ表面のトナー
汚れが発生する枚数を目視で確認した。
【0046】更に10万枚通紙毎に上記スリップ評価を
行い、スリップ性の耐久変化も確認した。
【0047】上記評価を行った結果、チューブ層にはP
FA(摩擦係数:0.2)100部(重量)に対しPE
EK(摩擦係数0.65)、又はPPS(摩擦係数:
0.6)のPFAよりも高摩擦係数の耐熱樹脂を5〜2
0部混合し、更にチューブ層表面粗さRa(中心線平均
表面粗さ)を0.5〜1.5μmの範囲とすることによ
り、スリップ性、離型性を満足することのできる加圧ロ
ーラを得られることが判った。高摩擦係数樹脂の混合量
に関しては、5部よりも少なければ、スリップ性が満足
できず、特に表面を十分に粗面化した場合においても初
期は十分なスリップ性能が得られるが、耐久使用により
表面が摩擦するにつれてスリップ性能の低下することが
判った。
【0048】また表面を粗面化しすぎた場合には早い時
期からトナー汚れも発生する。一方20部よりも高摩擦
係数樹脂の混合量が多い場合にはトナー汚れが、チュー
ブ表面が鏡面に近い状態でも発生する。チューブ層表面
粗さに関しては、表面の粗面化処理を行っていない場合
(Raが0.3μm以下)には、高摩擦係数樹脂を20
部以上混合しても特に加圧ローラの使用開始時にスリッ
プが上記の100枚通紙評価100回当り数回発生し
た。また表面を粗面化しすぎた場合には、トナーが凹部
に入り込み易くなるためトナー汚れが発生し易くなる。
【0049】以上説明したように、加圧ローラ表層のチ
ューブ層をPFAとPFAよりも高摩擦係数の樹脂を混
合させ、更にその表面を粗面化処理することにより長期
に亘り離型性に優れ、紙搬送性が安定した加圧ローラを
得ることができる。尚本実施例ではフッ素樹脂としてP
FAを例に挙げたが、PTFE(摩擦係数:0.1)、
FEP(摩擦係数0.3)、EPE(摩擦係数:0.2
5)等のフッ素樹脂を用いても同様の作用効果が得られ
る。
【0050】(実施例2)本実施例は前記実施例1の加
熱定着装置に適用する加圧ローラの他の実施例を示す。
本実施例では加圧ローラ表層のチューブとしてPFAに
シリコーンゴム(摩擦係数:0.8〜1.0)又はフッ
素ゴム(摩擦係数:0.85〜1.0)の耐熱ゴムを混
合したものを用い更にその表層を実施例1と同様の粗面
化処理を施したことを特徴とする。
【0051】本実施例のように、ゴム材をチューブ内に
混合することによって、樹脂材を混合させるのに比べ、
ゴム材の摩擦係数が非常に高いので、より少量で前記実
施例1と同様の効果を得ることができるだけでなく、ゴ
ム材の持つ優れた伸び特性により、チューブ破断が生じ
難いと同時に、チューブの硬さが柔らかくなるためにロ
ーラ硬度を低くすることが可能となり、より画像形成装
置の高速化に適した加圧ローラを提供することができ
る。
【0052】前記実施例1の加熱定着装置及び画像形成
装置に本実施例の加圧ローラを適用し、最適なゴム材混
合量、チューブ表面粗さを求めたところ、PFA100
部に対してゴム材混合量は3〜20部、表面粗さはRa
が0.1〜1μmの範囲でスリップ性、離型性を満足す
ることができる加圧ローラを得られることが判った。
【0053】(実施例3)本実施例は前記実施例1の加
熱定着装置に適用する加圧ローラの他の実施例を示す、
本実施例では加圧ローラ表層のチューブをPFA100
部にPEEK、又はPPSを5〜20部、あるいはシリ
コーンゴム又はフッ素ゴムを3〜20部を混合したもの
を用い更にその表層を図3に示すように加圧ローラ端部
(図3斜線部参照)のみに前記実施例1と同様の粗面化
処理を施すことを特徴とする。
【0054】本実施例においては、通紙領域(又は画像
領域)は上記チューブを押し出し成型後の状態にしてお
き非常に良好な離型性を維持すると同時に、端部のみ摩
擦力を大きくすることによって、端部の定着フィルム回
転力を増大させフィルムの回転力によりスリップし易い
状況下でも被記録材のスリップを防止させることを特徴
とし、その結果自動両面プリント機能を有する画像形成
装置等のように加圧ローラ汚れを生じ易い状態において
も、被記録材のスリップ防止効果と加圧ローラのトナー
汚れ防止とを共に満足させることが可能となる。
【0055】このような作用効果を得るためには、前記
実施例1と同様の評価を行ったところ、端部の表面粗さ
がRaが0.8〜2.5μmの範囲にあることが必要で
あることが判った。表面粗さが上記数値範囲より小さけ
れば、被記録材のスリップが発生し、大きい場合には被
記録材が斜行等により本来の通紙位置よりも僅かにずれ
た場合等に加圧ローラのトナー汚れが発生し幅方向の寸
法精度が非常に厳しくなることが判った。
【0056】(実施例4)本実施例は、前記実施例1の
加熱定着装置に適用する加圧ローラの他の実施例を示
す。本実施例においては加圧ローラ表層のチューブをP
FAにPEEK、PPS等の耐熱樹脂、あるいはシリコ
ーンゴム又はフッ素ゴム等の耐熱ゴムを実施例3と同じ
割合で混合したものを用い更にその表層にコロナ放電処
理あるいは金属ナトリウムのアンモニウム又はナフタリ
ン溶液によるエッチング処理を施すことによって、表面
を僅かに粗面化すると同時に、若干の活性化処理(部分
的な脱フッ素処理)を行う。
【0057】本実施例の表面処理を行うことにより、チ
ューブ表層の1μm以下の領域でその摩擦係数が増加す
るので、本混合チューブの特徴である初期最表層がフッ
素樹脂リッチになることによる滑り性の増加を防止する
ことができ、耐久使用により表層が摩耗しても、この時
点では部分的に高摩擦部材であるフッ素樹脂以外の樹
脂、又はゴムが部分的に表面に現れるために十分な紙に
対するグリップ力の維持が可能となる。
【0058】表面処理方法としては例えば図4に示すよ
うに加圧ローラを前記実施例1又は2と同様の製造方法
により作製した後、コロナ放電器40からマイナスコロ
ナ放電によりチューブ表面の活性化処理が行われる。こ
のときコロナ放電器50には−7〜10kVの高圧を印
加し、マイナスのコロナを発生させ、加圧ローラは所定
の回転速度(20rpm〜100rpm)で回転させ1
〜10分間コロナ雰囲気下に置くことにより表面活性化
処理を行う。
【0059】本実施例の表面処理方法では加圧ローラ表
層の表面粗さを示す数値であるRa、Rz等の数値は処
理前と殆ど同じであるが、最大表面粗さRmaxが処理
前に比べ大きくなり、0.7〜3μmの範囲に納まると
本実施例の作用効果の得られることが前記実施例1で示
した評価方法により確認することができた。
【0060】本処理方法は加圧ローラ成型前にチューブ
単独で処理が可能であり、特に量産性に優れた処理方法
となる利点を有している。
【0061】また、本実施例においても前記実施例3と
同様に加圧ローラ端部のみをコロナ放電処理、又はエッ
チング処理を施すことにより加圧ローラのトナー汚れが
更に生じ難い加熱定着装置の提供が可能となり、特に自
動両面プリント機能を有する画像形成装置においては好
適な加圧ローラを得ることができる。
【0062】(実施例5)本実施例は前記実施例1の加
熱定着装置に適用する加圧ローラの他の実施例を示す。
本実施例では加圧ローラ表層のチューブをPFAにPE
EKはPPSの耐熱樹脂、あるいはシリコーンゴム又は
フッ素ゴムの耐熱ゴムを実施例3と同じ割合で混合した
ものを用い更にその表面形状がローレット状あるいはエ
ンボス状となるように予めチューブ成型時又はチューブ
成型後の後処理により特定の凹凸形状のチューブ表面と
なるように粗面化させることを特徴とする。
【0063】本実施例の処理方法によりチューブ表面形
状は滑らかな凹凸状を形成することが可能となり、同時
に量産においてもその形状のばらつきの少ない加圧ロー
ラを得ることが可能となる。
【0064】図5は本実施例の表面形状の一例を示すも
のであり、回転方向に対しローレット状に凹凸が形成
(図5aは断面方向から見た加圧ローラ表面形状の拡大
図、また図5bは幅方向から見た加圧ローラ表面形状の
拡大図)されている。このような形状は例えばチューブ
押し出し成形後、予め内面を上記ローレット状の凹凸形
状に加工した型でチューブ表面を加熱(150〜250
℃)しながらプレスすることによって得られる。
【0065】又は押し出し時のダイス形状を適宜選択す
ることにより同様の表面形状を得ることができる。この
とき凹凸の大きさは、その深さHが3〜10μmその間
隔Lが0.1〜1mmの範囲にあることにより、長期に
亘り離型性の維持が可能で、被記録材のスリップのない
加圧ローラを得ることが可能となる。
【0066】本実施例の処理法においては、滑らかで大
きな凹凸形状を得ることができるため、その表面粗さを
大きくすることによる被記録材のグリップ効果により初
期スリップの発生が防止できると同時に、加圧ローラ表
面のトナー汚れも、滑らかな表面凹凸形状により発生し
難くなることが確かめられた。耐久使用のスリップ防止
効果維持に関しては前記各実施例と同様の作用効果が得
られる。
【0067】図6はローレット形状と異なる表面凹凸形
状(図6aは断面方向から見た加圧ローラ表面形状の拡
大図、また図6bは幅方向から見た加圧ローラ表面形状
の拡大図)を示すが、本例においても前記ローレット形
状と同じく、チューブ成型後のプレス加工により型内面
形状を転写することによって得られ、更に凹凸の深さ
H、間隔Lに関しても上記と同様の数値を維持すること
により上記作用効果を得ることができる。
【0068】尚、以上は全て本発明を加圧ローラに関し
てのみ説明したが、実施例1〜5の回転体に関しては回
転駆動を伝達可能なベルト状の回転体をも本発明に適用
することのできることは云うまでもない。
【0069】(実施例6)図7は本実施例6を説明する
ための加熱定着装置の略断面図である。本実施例では加
熱定着装置として、熱ローラ定着装置を用い、加圧用回
転体としては弾性層のゴム硬度が5度(JIS A)以
下の低硬度ゴムを使用し、そのとき弾性層のニップ部内
での変形率が5%以上とし、表層離型層のチューブ層は
PFA中にPFAよりも高摩擦係数の樹脂又はゴムを混
合させている。尚この場合のニップ部内での弾性層変形
率は、「(弾性層最大つぶれ量)/(弾性層厚み)」に
よって定義される。弾性層最大つぶれ量とは、変形前の
弾性層の半径方向の長さから、変形後の弾性層の半径方
向の最小長さを引いた長さである。このような構成の加
熱定着装置を用いることによって定着ローラ、加圧ロー
ラの外径が30mm以下、圧力が10kg以下でも被記
録材搬送速度が150mm/secの高速の画像形成装
置においても十分な定着性を得ることが可能となる。以
下具体的に本実施例の作用効果について説明する。
【0070】定着ローラ71はアルミ、SUS等の芯金
711の上にPEA、PTFEからなる離型層712を
厚み10〜50μmにコーティングすることにより得る
ことができる。本実施例では定着ローラ外径が30m
m、芯金の肉厚が2mmの定着ローラを使用した。定着
ローラ内部には加熱源としてのヒータ72が設けられて
おり、定着ローラ表層に設けられたサーミスタ等の温度
検知部材73の信号に応じて不図示のACドライバーに
よりON/OFF制御することにより定着ローラ表面温
度を所定の温度に保つことができる。
【0071】加圧ローラ74は鉄、SUS等の芯金74
1の上に弾性層としてシリコーンゴム層742を形成し
その上に離型層として上記チューブ層743を形成す
る。
【0072】本実施例では、外径10mmの芯金上に肉
厚5mmのゴム硬度5度のシリコーンゴム層を形成しそ
の上に50μm厚のPFA100部とフッ素ゴム3〜2
0部の混合チューブ層を設け、不図示のバネ等の加圧手
段により所定の圧力(本実施例では10kg)に加圧さ
れて定着ローラとの間にニップを形成する。このような
定着装置を被記録材搬送速度180mm/secの画像
形成装置に適用しその圧力を変化させたところ、ニップ
長手方向中央部での加圧ローラの弾性層変形率が5%以
上のときに良好な定着性を得ることができた。
【0073】即ち、加圧ローラの弾性層変形率が大きい
ことにより、定着ローラの周面形状に倣って十分なニッ
プ幅が形成され易くなり、同時にまた外径が小さいこと
により加圧ローラ熱容量が小さい状態で大きなニップ幅
を形成することができ、加圧ローラに奪われる熱量が少
なくなり熱効率も向上し、更に定着性が向上すると云う
効果が得られる。
【0074】従って例えば、加圧ローラの外径を大きく
し弾性層であるゴム層の硬度が硬い場合、見かけ上同様
のニップ幅が得られても、加圧ローラの熱容量が大きい
こと、更にニップ部での加圧ローラ弾性層の変形が不十
分なため、被記録材が定着ローラ周面に十分に倣わない
ため、電源投入直後の定着性等の不十分な場合があった
が本実施例ではそのような不都合は生じない。
【0075】また同じ外径でゴム層の硬度が高い加圧ロ
ーラを用い、圧力を高くして本実施例と同様のニップ幅
を形成すると、定着ローラの撓みが生じ、長手方向で均
一なゴム層変形率を得ることができなかった。
【0076】本実施例の作用効果を得るためには、ゴム
層としてそのゴム硬度が5度(JIS A)以下である
ことが必要で、更にそのとき弾性層の変形量が5%以上
であることの必要であることが判った。この必要変形量
に関しては前記加圧ローラの熱容量を小さくするための
効果に加え、このような低硬度ゴムの特性として一定量
以上の変形が生じないとトナー像を定着するために十分
なニップ内での圧力が得られないものと考えられる。
【0077】更に上記構成の加熱定着装置では、通常の
PFAチューブを表面離型層として設けた場合高温高湿
下で放置された紙ではスリップが発生することが確認さ
れた。即ち、加圧ローラ弾性層がニップ部内で定着ロー
ラ周面に十分倣うので、被記録材から発生する水蒸気の
逃げ場がなくなるために、加圧ローラと被記録材の間に
水蒸気の膜が生じ定着ローラ、被記録材、加圧ローラ間
で十分な駆動力が伝達できずにスリップが発生する。
【0078】そこで本実施例では加圧ローラ表層のチュ
ーブをPFAにフッ素ゴムを混合したものを用いること
により、チューブ表層に被記録材に対するグリップ力が
生じることにより、上記スリップ現象の防止を図ること
ができる。
【0079】具体的にはチューブ層の離型性、被記録材
のスリップ性に関して前記実施例1と同様の評価を行っ
たところ、PFA中に混合するフッ素ゴムの混合量は3
〜20部の間で良好な結果を得ることができた。
【0080】またチューブ中にシリコーンゴムを混合し
た場合にはその最適な混合量は同様に3〜20部であ
り、PPS、PEEK等の耐熱樹脂を混合した場合は同
様の評価により5〜25部の間であった。このときチュ
ーブ層は特に粗面化処理を行わずとも良好な耐スリップ
特性を示すことができた。
【0081】これは前記の実施例1〜5と異なり定着ロ
ーラを駆動することにより被記録材に搬送力を伝える構
成によるものが大きいためと思われる。
【0082】以上説明したように、熱ローラ定着装置に
おいても特に低硬度の弾性体を変形量の大きい条件下に
使用する場合には、加圧ローラ表層にPFAとそれより
も高摩擦係数の樹脂又はゴムを混合したチューブを用い
ることにより、被記録材のニップ内搬送時にスリップの
生じることがなく、長期使用によりトナー汚れのない加
圧ローラを得ることができる。
【0083】更に小型・低圧力で高速化に対応した定着
装置を得ることが可能となる。
【0084】尚、本実施例では低硬度シリコーンゴムに
ついてその作用効果を述べたが、シリコーンゴムの代わ
りにシリコーンスポンジ等を用いても同様の作用効果が
得られるのは云うまでもない。尚このときシリコーンス
ポンジ硬度は市販のスポンジ硬度計を用い、スポンジ硬
度計の測定値が5度(JIS A)以下の低硬度シリコ
ーンゴムと同等の測定値を示していることが必要とな
る。
【0085】(実施例7)図8は本実施例7を説明する
ための加熱定着装置の略断面図である。本実施例では加
熱定着装置としてフィルム定着装置を用い、フィルムを
その内周面から駆動する場合について説明する。この場
合の加圧用回転体としては弾性層のゴム硬度が5度以下
の低硬度ゴムを使用し、そのとき弾性層のニップ部内で
の変形率を5%以上とし、表層離型層のチューブ層はP
FA中PFAよりも高摩擦係数の樹脂又はゴムを混合さ
せている。
【0086】このような構成の加熱定着装置を用いるこ
とによって加圧ローラの外径が30mm以下、圧力が1
0kg以下でも被記録材搬送速度が150mm/sec
の高速の画像形成装置においても十分な定着性を得るこ
とが可能になると同時に、被記録材のカール量の軽減を
図ることができる。
【0087】以下、本実施例の加熱定着装置の説明を行
う。
【0088】図8において、81はエンドレスベルト状
の耐熱フィルム(定着フィルム)であり、内周面に駆動
ローラ82とテンションを調整するためのテンションロ
ーラ83が設けられている。
【0089】フィルム81は、熱容量を小さくしてクイ
ックスタート性を向上させるために、膜厚を総厚50μ
m以下、好ましくは30〜15μmの範囲とした、耐熱
性・離型性・強度・耐久性等を有するPTFE、PF
A、PPS等の単層フィルム、あるいはポリイミド、ポ
リアミドイミド、PEEK、PES等のフィルム表面に
PTFE、PFA、FEP等を離型層としてコーティン
グした複合層フィルム等である。
【0090】84は加圧用回転体としての加圧ローラで
あり、鉄、アルミ等の芯金841の上にシリコーンゴム
からなる弾性層842、更にその上に離型層としてのチ
ューブ層843を形成している。
【0091】図8において、フィルム81は駆動ローラ
82の回転により、少なくとも画像定着実行時は矢示の
時計方向に加熱体85面に密着して該加熱体面を摺動し
ながら所定の周速度、即ち不図示の画像形成部側から搬
送されてくる未定着トナー画像Tを担持した転写材Pの
搬送速度とほぼ同一周速度でシワのない状態で回転駆動
される。
【0092】加熱体85は、電力供給により発熱する発
熱源としての通電発熱体(抵抗発熱体)85aを含み、
該通電発熱体85aの発熱により昇温する。
【0093】通電発熱体85aに対する電力給電により
加熱体85が加熱され、またフィルム81が回転駆動さ
れている状態において、加圧ローラ84弾性層の変形に
よって生じる弾性力により加熱体85との間に形成され
た圧接ニップ部N(定着ニップ部)に転写材Pが導入さ
れることによって、該転写材Pがフィルム81に密着し
てフィルムと一緒の重なり状態で定着ニップ部Nを通過
していく。
【0094】この転写材Pの定着ニップ部通過過程で、
加熱体85からフィルム81を介して転写材Pに熱エネ
ルギーが付与されて転写材P上の未定着トナー画像Tが
加熱溶融定着され、転写材Pは定着ニップ部通過後フィ
ルム81から分離して排出される。
【0095】このような加熱定着装置に加圧ローラとし
て前記実施例6と同様に外径10mmの芯金上に肉厚5
mmのゴム硬度5度のシリコーンゴム層を形成しその上
に50μm厚のPFA・フッ素ゴム混合チューブ層を設
け、このような定着装置を被記録材搬送速度180mm
/secの画像形成装置に適用したところ、前記実施例
6と同様に加圧ローラの弾性層変形率が5%以上のとき
に良好な定着性を得ることができ、同時にまた、そのス
リップ性、離型性を前記実施例6と同様に評価したとこ
ろフッ素ゴムの混合比率が3〜20部の範囲内で被記録
材のスリップも発生せず、加圧ローラの長期使用による
トナー汚れも発生しなかった。
【0096】尚、本実施例ではフィルム駆動型の加熱定
着装置においてその作用効果を説明したが、このように
低硬度のシリコーンゴムを使用することにより加圧ロー
ラ駆動型のフィルム定着装置においても、その高速化に
おいては非常に有効に作用することは云うまでもない。
【0097】
【発明の効果】上記のように、本発明によれば、転写材
上に転写されたトナー像を加熱用回転体、及び加圧用回
転体によって形成されたニップ部内を通過させることに
より永久定着する加熱定着装置の、上記加圧用回転体
が、芯金の上に弾性層を形成し、その表層にはフッ素樹
脂中にフッ素樹脂よりも高摩擦係数の熱可塑性樹脂、又
はゴム材を混合したチューブ層を形成し、チューブ層は
粗面化処理を施すことを特徴とする加圧用回転体及び、
それを有する加熱定着装置が得られ、特に加圧ローラ駆
動型の加熱定着装置の転写材のスリップを防止すると同
時に、耐久使用による表面汚れのない加圧用回転体が提
供され、特に画像形成装置の高速化に適した加熱定着装
置の提供が可能となる。
【0098】更に表層の樹脂チューブの作用による加圧
ローラ熱望張抑止効果も同時に得ることができ、安定し
た被記録材の搬送が可能となる。
【0099】また、転写材上に転写されたトナー像を加
熱用回転体、及び加圧用回転体によって形成されたニッ
プ部内を通過させることにより、永久定着する加熱定着
装置の、上記加圧用回転体が、芯金の上に硬度が5度
(JIS A)以下の弾性層を形成し、その表層にはフ
ッ素樹脂中にフッ素樹脂よりも高摩擦係数の樹脂、又は
ゴム材を混合したチューブ層を形成したことを特徴とす
る加圧用回転体及びそれを有する加熱定着装置が得ら
れ、熱ローラ定着装置、フィルム駆動型及び加圧ローラ
駆動型の熱フィルム定着装置等に用いられる加圧ローラ
において、小型の加熱定着装置で高速化に対応すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の加熱定着装置の概要を示す模式
断面図。
【図2】本発明の加熱定着装置に適用する加圧用回転体
の模式断面図。
【図3】本発明の加熱定着装置に適用する加圧用回転体
の一実施例を示す模式斜視図。
【図4】本発明第4の実施例のコロナ放電処理方法を示
す説明図。
【図5】本発明第5の実施例の加圧用回転体の表面状態
を示す模式断面拡大図。
【図6】本発明第5の実施例の加圧用回転体の表面状態
を示す模式断面拡大図。
【図7】本発明実施例の加熱定着装置の概要を示す模式
断面図。
【図8】本発明実施例の加熱定着装置の概要を示す模式
断面図。
【図9】本発明の加熱定着装置を適用する画像形成装置
の概要を示す模式断面図。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 帯電ローラ 3 レーザービーム 4 現像装置 5 転写ローラ 6 加熱定着装置 7 クリーニング装置 10、81 耐熱性フィルム(定着フィルム) 11、74、84 加圧用回転体(加圧ローラ) 12、85 加熱体 12a、85a 通電加熱体 13 フィルムガイド部材 40 コロナ放電器 71 定着ローラ 72 ヒーター 73 温度検知部材 82 駆動ローラ 83 テンションローラ 111、711、741、841 芯金 112、742、842 シリコーンゴム層(弾性層) 113、712、743、843 チューブ層(離型
層) L 凹凸間隔 H 凹凸深さ N 圧接ニップ部(定着ニップ部) P 転写材 T 未定着トナー画像

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録材上に転写されたトナー像を加熱
    用回転体、及び加圧用回転体により形成されたニップ部
    内を通過させることにより永久定着する加熱定着装置の
    加圧用回転体において、該加圧用回転体が、弾性層およ
    び表層を有し、該表層がフッ素樹脂およびフッ素樹脂よ
    りも高い摩擦係数を持つ高摩擦係数樹脂の混合物で形成
    されているチューブであることを特徴とする加圧用回転
    体。
  2. 【請求項2】 フッ素樹脂の摩擦係数が0.3以下であ
    る請求項1記載の加圧用回転体。
  3. 【請求項3】 高摩擦係数樹脂の摩擦係数が0.5以上
    である請求項1記載の加圧用回転体。
  4. 【請求項4】 フッ素樹脂の摩擦係数が0.3以下であ
    り、高摩擦係数樹脂の摩擦係数が0.6以上である請求
    項1記載の加圧用回転体。
  5. 【請求項5】 弾性層の硬度が5度以下である請求項1
    記載の加圧用回転体。
  6. 【請求項6】 表層中における高摩擦係数樹脂の混合量
    が、フッ素樹脂100重量部に対し5〜25重量部であ
    る請求項1記載の加圧用回転体。
  7. 【請求項7】 表層の表面粗さが0.5〜2.5μmの
    範囲である請求項1記載の加圧用回転体。
  8. 【請求項8】 表層の表面形状が規則的な凹凸になって
    おり、その大きさが深さHが3〜10μmであり、間隔
    Lが0.1〜1mmの範囲にある請求項1記載の加圧用
    回転体。
  9. 【請求項9】 表層が弾性層の両端部に形成されている
    請求項1記載の加圧用回転体。
  10. 【請求項10】 加圧用回転体が、回転駆動を伝達可能
    なベルト状回転体である請求項1記載の加圧用回転体。
  11. 【請求項11】 被記録材上に転写されたトナー像を加
    熱用回転体、及び加圧用回転体により形成されたニップ
    部内を通過させることにより永久定着する加熱定着装置
    において、該加圧用回転体が、弾性層および表層を有
    し、該表層がフッ素樹脂およびフッ素樹脂よりも高い摩
    擦係数を持つ高摩擦係数樹脂の混合物で形成されている
    チューブであることを特徴とする加熱定着装置。
  12. 【請求項12】 フッ素樹脂の摩擦係数が0.3以下で
    ある請求項11記載の加熱定着装置。
  13. 【請求項13】 高摩擦係数樹脂の摩擦係数が0.5以
    上である請求項11記載の加熱定着装置。
  14. 【請求項14】 フッ素樹脂の摩擦係数が0.3以下で
    あり、高摩擦係数樹脂の摩擦係数が0.6以上である請
    求項11記載の加熱定着装置。
  15. 【請求項15】 弾性層のニップ部内での変形率が5%
    以上である請求項11の加熱定着装置。
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