JP4244837B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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しかし、荷重を大きくする方法や、弾性体の厚さを厚くする方法では、ロールの撓みに起因するニップ幅の形状がロール軸に沿って不均一になることから、定着むらや紙しわが発生する等といった画像品質上の問題が生じる。また、ロール径を大きくする方法では、装置の大型化を招くとともに、ロールを室温から定着可能温度に上昇させるまでの時間(ウォームアップタイム)が長くなるという問題がある。
また、圧力部材とエンドレスベルトとの間は加圧されているために、エンドレスベルトと、低摩擦部材を介した圧力部材との摺動部では、エンドレスベルトが移動するのに伴って、塗布された潤滑剤を摺動部から押し出す力が作用し、この摺動部において潤滑剤を安定して保持することが難しいという問題もあった。
そのために、圧力部材とエンドレスベルトとの接触抵抗(摺動抵抗)の増加が生じて、エンドレスベルトの動きが定着ロールの回転に対応し難くなる結果、記録紙の搬送が良好でなくなり、紙しわや画像ずれ等の画像不良を生じさせる可能性があった。
また、ベルト部材は、外表面に離型層をさらに備えた構成とすることができる。さらには、回動部材を加熱する加熱部材、またはベルト部材を加熱する加熱部材をさらに備えたことを特徴とすることもできる。
ここで、多孔質層は、ベース層の少なくとも内周面側内部に耐熱性の繊維状フィラーまたは繊維織布が充填されて形成された構成とすることができる。また、多孔質層は、繊維状フィラーまたは繊維織布を含む樹脂膜で形成された構成とすることもできる。
さらには、ベース層は、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾールのいずれかにより形成されたことを特徴とすることができる。
[実施の形態1]
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
定着ロール61の内部には、発熱源としてのハロゲンヒータ66が配設されている。一方、定着ロール61の表面には温度センサ69が接触して配置されている。画像形成装置の制御部40は、この温度センサ69による温度計測値に基づいてハロゲンヒータ66の点灯を制御し、定着ロール61の表面温度が所定の設定温度(例えば、150℃)を維持するように調整している。
ここで、図3はエンドレスベルト62が支持される構成を説明する断面構成図であり、用紙Pの搬送方向下流側から見た定着装置60の一方の端部領域を示している。
図3に示すように、エンドレスベルト62の内部に配置されたホルダ65の両端部にエッジガイド80が固設されている。エッジガイド80は、ニップ部Nとその近傍に対応する部分に切り欠きが形成された円筒状、すなわち断面がC形状のベルト走行ガイド部801、このベルト走行ガイド部801の外側に設けられ、エンドレスベルト62の内径よりも大きな外径で形成されたフランジ部802、さらにフランジ部802の外側に設けられ、エッジガイド80を定着装置60本体に位置決めして固定するための保持部803で構成されている。
また、フランジ部802は、ホルダ65の両端部において対向するように配置された両フランジ部802の内側面が、エンドレスベルト62の幅と略一致する間隔を持つように配置されている。そして、エンドレスベルト62が回動する際には、エンドレスベルト62の端部がフランジ部802の内側面に当接することによって、エンドレスベルト62の幅方向への移動(ベルトウォーク)が制限されている。このように、エンドレスベルト62は、エッジガイド80によって片寄りが規制されるように支持されている。
ベルトガイド部材63は、エンドレスベルト62の内部に配置されたホルダ65に取り付けられ、エンドレスベルト62がスムーズに回動することができるように、摩擦係数の小さな材質で形成されている。また、エンドレスベルト62から熱を奪い難いように熱伝導率の低い材質で形成するのが好ましい。
特に、定着ロール61の凹みを局所的に大きくすることによって、小さい凹み量で高い剥離性能を得ることが可能となる。そのため、定着ロール61の離型層613として、薄膜の耐熱性樹脂を用いた場合においても、用紙Pにおける紙しわの発生を抑制することができる。また、耐熱性弾性体層612と離型層613との間の剥がれ等も発生し難く、剥離性能の維持と併せて長期に亘る部品性能の信頼性を向上させることができる。
また、ニップ部Nの下流側近傍には、剥離ニップ部材64bによって定着ロール61から剥離された用紙Pを完全に定着ロール61から分離し、画像形成装置の排出部へ向かう排紙通路に誘導するための剥離補助部材70が配設されている。剥離補助部材70は、剥離バッフル71が定着ロール61の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に定着ロール61と近接する状態でホルダ72によって保持されている。
耐熱性弾性体層612は、耐熱性の高い弾性体で構成され、特に、硬度が15〜45°(JIS−A)程度のゴム、エラストマー等の弾性体を用いるのが好ましい。具体的には、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を用いることができる。
剥離ニップ部材64bは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂、または鉄、アルミニウム、SUS等の金属で形成されている。剥離ニップ部材64bの形状としては、ニップ部Nにおける外面形状が一定の曲率半径を有する凸曲面状に形成されている。
なお、低摩擦シート68は、表面に孔部がなく浸潤性のない材質で形成されることが望ましい。低摩擦シート68を表面に孔部がなく浸潤性のない材質で形成することで、潤滑剤が低摩擦シート68に滲みこむことを抑制できるので、摺動部において潤滑剤が失われず、潤滑剤の安定的な維持を可能とする。また、潤滑剤がプレニップ部材64aに浸み込んで膨潤し、ニップ圧が低下することを防ぐこともできる。
ここで、低摩擦シート68は、圧力パッド64のエンドレスベルト62内周面側に配置される構成であれば、低摩擦シート68を圧力パッド64と別体に構成しても、圧力パッド64と一体的に構成しても、いずれでもよい。
さらに、ホルダ65には、定着装置60の長手方向に亘って潤滑剤供給部材67が配設されている。潤滑剤供給部材67は、エンドレスベルト62内周面に対して接触するように配置され、潤滑剤を適量供給する。これにより、エンドレスベルト62と低摩擦シート68との摺動部に潤滑剤を供給し、低摩擦シート68を介したエンドレスベルト62と圧力パッド64との摺動抵抗をさらに低減して、エンドレスベルト62の円滑な回動を図っている。また、エンドレスベルト62の内周面や低摩擦シート68表面の摩耗を防止する効果も有している。なお、潤滑剤供給部材67を設けず、予めエンドレスベルト62内周面に潤滑剤を塗布しておくこともできる。
エンドレスベルト62は、出力画像に継ぎ目に起因する欠陥が生じないように、原形が直径30mmの円筒形状に形成された継ぎ目のない無端ベルトであり、図4に示すように、ベース層621と、このベース層621の定着ロール61側の面(外表面)に被覆された離型層622と、ベース層621の内周面に形成された多孔質層623とから構成されている。
ベース層621は、熱硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール等の耐熱性樹脂により形成されるが、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性等に優れた熱硬化性ポリイミドが好適である。また、ベース層621の厚みは、30〜200μm、好ましくは50〜100μm程度である。また、上記した耐熱性樹脂同士を配合することにより、より強度の高いエンドレスベルト62を形成することも可能である。その場合には、ベース層621の厚さを薄く構成できるので、エンドレスベルト62のさらなる低熱容量化が可能となる。
また、離型層622には、耐摩耗性や静電オフセットの向上のためにフィラーを添加してもよい。かかるフィラーとしては、無機物からなるものが好ましく、特に具体的には、硫酸バリウム、合成マイカ、グラファイト、カーボンブラック等のうち、少なくとも1種類以上が分散されていることが好ましい。
離型層622は、フッ素樹脂のディスパージョン塗料をベース層621に塗布・焼成するか、またはチューブ状のフッ素樹脂フィルムをベース層621に外嵌させる方法により、厚み5〜100μm、好ましくは10〜30μm程度で形成される。離型層622は、エンドレスベルト62の表面にトナーが固着することを防ぐのが目的であり、トナーが付着し易い定着ロール61側の面に配置している。
図5および図6は、多孔質層623の表面を拡大した図であり、図5は、繊維状フィラーによって形成された多孔質層623の表面状態を示し、図6は、樹脂織布によって形成された多孔質層623の表面状態を示している。図5および図6に示したように、多孔質層623においては繊維の網目によって細孔が形成されている。
なお、いずれの形成方法においても、繊維状フィラーや樹脂織布がベース層621の内周面表面上に露出して形成されており、繊維の網目によって細孔が構成された多孔質構造の多孔質層623を形成している。また、ベース層621の全体に繊維状フィラーや樹脂織布を充填して、ベース層621の内周面表面上に繊維状フィラーや樹脂織布が露出するように形成してもよい。
さらに、繊維状フィラーや樹脂織布を充填して形成する際のこれら繊維の充填量は、ベース層621の厚さや、上述した多孔質層623の形成方法によっても異なるが、エンドレスベルト62の強度を充分に維持できる充填量とすることが必要である。
すなわち、潤滑剤供給部材67がエンドレスベルト62内周面に接触するように配置されて、アミン変性シリコーンオイル等の潤滑剤をエンドレスベルト62内周面に対し常時供給している。その際に、エンドレスベルト62の移動に伴う潤滑剤供給部材67との接触により、潤滑剤供給部材67からエンドレスベルト62内周面の全面に亘って潤滑剤が塗布される。塗布された潤滑剤は多孔質層623の細孔に保持されるが、潤滑剤は表面張力により互いに集まって一つの集合としてまとまろうとするので、細孔内で安定的に保持されることとなる。
さらには、エンドレスベルト62内周面と潤滑剤供給部材67との接触に際して、潤滑剤供給部材67と多孔質層623との接触によって潤滑剤が均されるので、余分な潤滑剤を潤滑剤供給部材67に回収することができる。そのため、多孔質層623における潤滑剤の保持量は略一定量に制御することも可能となる。
また、ニップ部Nに用紙Pが搬送されていない状態では、従動側のエンドレスベルト62も定着ロール61の回転に伴って定着ロール61から摩擦力を受けることによって回動している。しかし、ニップ部Nに用紙Pが搬送され、用紙Pがニップ部Nに挟持されている状態では、エンドレスベルト62は用紙Pを介して定着ロール61から搬送力を受けている。したがって、用紙P側から捉えると、用紙Pがニップ部Nを通過する際には、用紙Pには定着ロール61からの搬送力を受けるとともに、エンドレスベルト62側から搬送方向とは逆方向の力(逆搬送力)が作用することとなる。
したがって、通常状態では、エンドレスベルト62が圧力パッド64から受ける摺動抵抗は極めて小さく、円滑に回動可能であることから、エンドレスベルト62は用紙Pと等速で回動することが可能である。この場合には、用紙Pが受ける逆搬送力は、エンドレスベルト62を介した圧力パッド64からの摺動抵抗であるから、無視できる程度に小さい。そのため、用紙Pは定着ロール61と等速に安定して搬送される。
エンドレスベルト62と圧力パッド64との間の摺動抵抗が増加すると、用紙Pがニップ部Nを搬送される際に、用紙Pがエンドレスベルト62を介して圧力パッド64から受ける逆搬送力が無視できなくなる。さらには、エンドレスベルト62と圧力パッド64との間の摺動抵抗が過大になると用紙Pに作用する逆搬送力が大きくなり、用紙Pの搬送が定着ロール61の回動に追随できなくなって、用紙Pと定着ロール61との間でスリップが発生する。そのため、用紙Pの円滑な搬送が妨げられ、画像ずれや用紙Pにおける紙しわの原因となる。
さらには、エンドレスベルト62と圧力パッド64との間には押圧力が作用しているが、潤滑剤は多孔質層623の細孔に保持されており、多孔質層623の繊維(凸部)によってこの押圧力が直接潤滑剤に作用することがないので、潤滑剤がエンドレスベルト62内周面と低摩擦シート68の摺擦面との摺動部から押し出されることを抑制することもできる。そのため、この摺動部において潤滑剤が失われず、潤滑剤の安定的な維持も可能である。
(実施例1)
円筒状金属金型として、長さ500mmのアルミニウム製円筒を用い、この円筒状金属金型の表面にシリコーン系離型剤(信越化学(株)製:KS700)を塗布し、焼付け処理を行い、室温まで冷却させて、円筒状金属金型表面の離型処理を行った。次に、円筒状金属金型表面に、繊維径1000デニールの多孔質PTFE樹脂繊維を30%配合したポリイミド前駆体溶液(宇部興産(株)製:UワニスS)をディップコートによって塗布し、焼成して、膜厚10μmの多孔質フッ素樹脂繊維含有ポリイミド樹脂ベルト(多孔質層)を形成した。多孔質フッ素樹脂繊維含有ポリイミド樹脂ベルト上に、充填剤を含有しないポリイミド前駆体溶液(宇部興産(株)製:UワニスS)をフローコート塗布装置によって塗布し、焼成して、厚さ60μmのベース層を形成した。さらにその外層に厚さ30μmのPFAチューブを、プライマーを介して接着して積層させ、エンドレスベルトを作成した。
このポリイミド製エンドレスベルトと低摩擦シートとを、定着装置に搭載し、未定着トナー像を担持した富士ゼロックス(株)製JD紙(商品名)を通紙する試験を行ったところ、20万枚の通紙においても、エンドレスベルトの搬送性能は良好で、用紙Pの紙しわや画像ずれの発生は認められなかった。
実施例1と同様にして円筒状金属金型表面の離型処理を行った後、円筒状金属金型表面に、繊維径1000デニールの多孔質PTFE樹脂繊維を30%配合したポリイミド前駆体溶液(宇部興産(株)製:UワニスS)をディップコートによって塗布し、焼成して、膜厚80μmの多孔質フッ素樹脂繊維含有ポリイミド樹脂ベルト(ベース層+多孔質層)を形成した。多孔質フッ素樹脂繊維含有ポリイミド樹脂ベルト上に、厚さ30μmのPFAチューブを、プライマーを介して接着して積層させ、エンドレスベルトを作成した。
また、低摩擦シートとしては、粗面化させたFEPフィルムを用いた。さらに、潤滑剤として、エンドレスベルトの内周面(多孔質層)に粘度300csのアミノ変性シリコーンオイルを塗布した。
この場合も、実施例1と同様の通紙試験において、20万枚の通紙においても、エンドレスベルトの搬送性能は良好で、用紙Pの紙しわや画像ずれの発生は認められなかった。
実施例1と同様にして円筒状金属金型表面の離型処理を行った後、円筒状金属金型表面に、ポリイミド前駆体溶液(宇部興産(株)製:UワニスS)をフローコート塗布装置によって塗布し、焼成して、膜厚80μmのポリイミド樹脂ベルトを形成した。このポリイミド樹脂ベルト上に、厚さ30μmのPFAチューブを、プライマーを介して接着して積層させ、エンドレスベルトを形成した。
また、低摩擦シートとしては、粗面化させたFEPフィルムを用いた。さらに、潤滑剤として、エンドレスベルトの内周面(多孔質層)に粘度300csのアミノ変性シリコーンオイルを塗布した。
実施例1と同様にして円筒状金属金型表面の離型処理を行った後、円筒状金属金型表面に、繊維径1500デニールの多孔質PTFE樹脂繊維を30%配合したポリイミド前駆体溶液(宇部興産(株)製:UワニスS)をディップコートによって塗布し、焼成して、膜厚80μmの多孔質フッ素樹脂繊維含有ポリイミド樹脂ベルト(ベース層+多孔質層)を形成した。多孔質フッ素樹脂繊維含有ポリイミド樹脂ベルト上に、厚さ30μmのPFAチューブを、プライマーを介して接着して積層させ、エンドレスベルトを作成した。
また、低摩擦シートとしては、粗面化させたFEPフィルムを用いた。さらに、潤滑剤として、エンドレスベルトの内周面(多孔質層)に粘度300csのアミノ変性シリコーンオイルを塗布した。
実施例1と同様にして円筒状金属金型表面の離型処理を行った後、円筒状金属金型表面に、エッチングにより親油性を向上した粒径4μmのPTFE粒子を8重量部配合したポリイミド前駆体溶液(宇部興産(株)製:UワニスS)をフローコート塗布装置によって塗布し、焼成して、膜厚80μmのPTFE粒子充填ポリイミド樹脂ベルト(ベース層)を形成した。
また、低摩擦シートとしては、粗面化させたFEPフィルムを用いた。さらに、潤滑剤として、エンドレスベルトの内周面(多孔質層)に粘度300csのアミノ変性シリコーンオイルを塗布した。
かかる本実施の形態のエンドレスベルト62での効果は、比較例との対比によって明確である。
実施の形態1では、加熱手段として発熱源を有する定着ロール61を用い、加圧手段として圧力パッド64が押圧されたエンドレスベルト62を用いた定着装置60が搭載された画像形成装置について説明した。実施の形態2では、図1に示した画像形成装置に搭載する定着装置であって、加熱手段として発熱源が押圧された定着ベルトを用い、加圧手段として加圧ロールを用いた定着装置について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
さらに、定着ベルト92内周面とセラミックヒータ82との間には、定着ベルト92の内周面とセラミックヒータ82との摺動抵抗を小さくするため、低摩擦シート68が配設されている。この低摩擦シート68は、セラミックヒータ82と別体に構成しても、セラミックヒータ82と一体的に構成しても、いずれでもよい。
なお、定着ベルト92においては、ベース層921と離型層922との間に弾性層を設けた構成とすることもできる。その際には、弾性層はシリコーンゴム等の弾性体で形成するのが好ましい。弾性層を設けることによって、粉体であるトナーが積層して形成されたトナー像に対して、ニップ部Nにおいてトナー像を押し潰さずに包み込むようになり、トナー像の全体にムラなく熱を供給することができるので、細線や細かなドット状のトナー像を高精細に定着することが可能となる。特に、カラー画像に対しては、4色のトナーを充分に溶解した上で混合できるので、良好な発色性が得られる。したがって、弾性層としては、例えば硬度10°〜30°(JIS−A)程度のシリコーンゴムであれば、100〜600μm程度の厚みとした構成が適している。
Claims (9)
- トナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、
前記記録材上に転写されたトナー像を当該記録材に定着する定着手段とを含み、
前記定着手段は、
回動可能な回動部材と、
前記回動部材に接触しながら移動可能であって、内周面が多数の細孔からなる多孔質構造にて形成されたベルト部材と、
前記ベルト部材の内側に配置され、当該ベルト部材を前記回動部材に圧接させて当該回動部材と当該ベルト部材との間に前記記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材と、
前記ベルト部材の内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記定着手段の前記ベルト部材は、内周面が多数の細孔からなる多孔質構造にて形成されたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記定着手段の前記ベルト部材は、エンドレスベルトの少なくとも内周面側内部に繊維状フィラーまたは繊維織布が充填されて形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記定着手段の前記ベルト部材は、エンドレスベルトの内周面に、繊維状フィラーまたは繊維織布を含む樹脂膜が被覆されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記定着手段の前記ベルト部材は、前記繊維状フィラーまたは前記繊維織布の繊維径が1000デニール以下であることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
- 前記定着手段の前記ベルト部材は、前記繊維状フィラーまたは前記繊維織布がフッ素樹脂で形成されたことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
- 前記定着手段の前記ベルト部材は、外表面に離型層をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記定着手段の前記回動部材を加熱する加熱部材、または前記ベルト部材を加熱する加熱部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記定着手段の前記ベルト部材は、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾールのいずれかにより形成された円筒状のベース層を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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