JP4428030B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置等に関し、より詳しくは例えば電子写真方式を利用した画像形成装置に用いられる定着装置等に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、例えばドラム状に形成された感光体を一様に帯電し、この感光体を画像情報に基づいて制御された光で露光して感光体上に静電潜像を形成する。そして、この静電潜像をトナーによって可視像(トナー像)とし、さらにこのトナー像を記録紙に転写し、これを定着装置によって定着して画像形成している。
かかる画像形成装置に用いられる定着装置においては、図9に示したように、円筒状の芯金111の内部に加熱源113を備え、その芯金111の外周面に離型層112が形成された定着ロール110と、この定着ロール110に対して圧接配置され、芯金121の外周面に耐熱性弾性体層122、および耐熱性樹脂被膜あるいは耐熱性ゴム被膜による離型層123が形成された加圧ロール120とで構成されている。そして、定着ロール110と加圧ロール120との間に、未定着トナー像を担持した記録紙を通過させて、未定着トナー像に対して加熱と加圧とを行うことによって、記録紙にトナー像を定着している。このような定着装置は、加熱ロール方式と呼ばれて、一般に広く利用されている。
ところで、加熱ロール方式の定着装置において高速化を図ろうとする場合には、トナーと記録紙に充分な熱量を供給するために、ニップ幅を定着速度に比例して広くすることが必要となる。ニップ幅を広くする方法として、定着ロールと加圧ロールとの間の荷重を大きくする方法や、弾性体の厚さを厚くする方法、さらにはロール径を大きくする方法がある。
しかし、荷重を大きくする方法や、弾性体の厚さを厚くする方法では、ロールの撓みに起因するニップ幅の形状がロール軸に沿って不均一になることから、定着むらや紙しわが発生する等といった画像品質上の問題が生じる。また、ロール径を大きくする方法では、装置の大型化を招くとともに、ロールを室温から定着可能温度に上昇させるまでの時間(ウォームアップタイム)が長くなるという問題がある。
そこで、これらの問題を解消して、画像形成装置の高速化に対応した定着装置を実現するべく、本出願人は、表面が弾性変形する回転可能な定着ロールと、この定着ロールに接触したまま走行可能なエンドレスベルトと、このエンドレスベルトの内側に非回転状態で配置された圧力パッドとを具備し、圧力パッドによって、定着ロールとの接触面が形成されるようにエンドレスベルトを定着ロールに圧接させ、エンドレスベルトと定着ロールとの間にシートを通過させることができるようにベルトニップを設けるとともに、定着ロールの表面のうち、シートの出口側を局部的に弾性変形させるように構成した定着装置に関する技術を提案している(例えば、特許文献1参照)。
かかる特許文献1に記載した技術では、従来の加熱ロール方式の定着装置における加圧ロールに代え、圧力パッドを用いてエンドレスベルトを定着ロールに圧接させている。このような構成を採用することにより、定着ロールとエンドレスベルトとによって形成されるベルトニップの幅が従来の定着ロールと加圧ロールとのロールニップの幅よりも容易に大きくすることができるので、高速化対応が可能となり、しかも装置の小型化を図ることも容易である。
特に、定着ロールに圧接させるエンドレスベルトの熱容量が小さく、さらに圧力パッドが非回転状態で配置されているために定着ロールから伝達される熱も発散され難い。そのため、定着ロールの回転が開始されても、定着ロールからエンドレスベルト側に奪われる熱量は少なく、熱をトナーの溶融に利用する効率を高めるとともに、ベルトニップでの温度低下量も小さいことから、トナーの定着性の向上を図ることができるという利点を有している。
特許第3298354号公報(第4-7頁)
ところで、圧力パッドを用いてエンドレスベルトを定着ロールに圧接させる方式の定着装置においては、定着ロールとエンドレスベルトとの間を通過する記録紙の搬送性を良好に保つために、圧力パッドによりエンドレスベルトを定着ロールに圧接させるに際し、圧力パッドとエンドレスベルトとの間の滑り性を確保する必要がある。そのために、圧力パッド上に低摩擦部材を配置するとともに、エンドレスベルトの内周面に潤滑剤を塗布して低摩擦部材とエンドレスベルトとの摺動部に潤滑剤を供給し、圧力パッドとエンドレスベルトとの間の摺擦抵抗(摩擦抵抗)の低減を図っている。
しかしながら、圧力パッドとエンドレスベルトとの間は加圧されているために、エンドレスベルトの内周面に塗布された潤滑剤の一部がエンドレスベルトと低摩擦部材との間の摺動部に入り込むことができず、この入り込めない潤滑剤が摺動部の入口領域に徐々に滞留するという現象が発生する。そして、エンドレスベルトが回動を重ねるのに伴って、この滞留した潤滑剤が摺動部入口領域において両端側に拡がって外部に漏洩してしまい、次第にエンドレスベルト内周面に塗布される潤滑剤量が減少する。そのために、低摩擦部材とエンドレスベルトとの滑り性が徐々に低下する傾向が生じる。さらには、潤滑剤量の減少により低摩擦部材におけるエンドレスベルトとの摺擦面に摩耗が生じ易くなり、低摩擦部材とエンドレスベルトとの滑り性がさらに低下することもある。
このような状況の下、定着装置の使用に伴って、圧力パッドとエンドレスベルトとの間の摺擦抵抗は増加する傾向にあることから、定着ロールとエンドレスベルトとの間を通過する記録紙の搬送性が良好でなくなり、紙しわや用紙ジャムを生じさせる可能性が高くなるという不都合があった。
そこで本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、定着装置における記録紙の搬送能力の安定を図ることにより、長期に亘り紙しわや用紙ジャムの発生を抑えることにある。
かかる目的のもと、本発明の定着装置は、記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、回動可能な回動部材と、回動部材に接触してニップ部を形成しながら移動可能なエンドレスベルトと、エンドレスベルトの内側に配置され、ニップ部においてエンドレスベルトを回動部材に圧接させる圧力部材と、エンドレスベルトと圧力部材との間に設けられ、長手方向がニップ部よりも短く形成された摺動部材と、長手方向が摺動部材よりも短く形成された潤滑剤塗布部材とを備えたことを特徴としている。
ここで、エンドレスベルトの両端部に、エンドレスベルトを内周面側から支持するベルトガイド部材を配置し、このベルトガイド部材において、エンドレスベルトに保持された潤滑剤に対して、摺動部材の長手方向の幅以上への拡がりを規制する面を有するように構成することができる。
また、摺動部材は、エンドレスベルトとの摺動面に凹凸が形成されたことを特徴とすることもできる。さらに、摺動部材は、潤滑剤に対する難通過性を有するように構成することもできる。特に、摺動部材は、多孔質繊維からなるベース層と、ベース層のエンドレスベルトとの摺擦面とは反対面に配設され、潤滑剤に対して難通過性を有する樹脂層とで構成することができる。
また、本発明の定着装置は、記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、回動可能な回動部材と、回動部材に接触してニップ部を形成しながら移動可能なエンドレスベルトと、エンドレスベルトの内側に配置され、ニップ部においてエンドレスベルトを回動部材に圧接させる圧力部材と、エンドレスベルトと圧力部材との間に設けられた摺動部材と、エンドレスベルトの内周面に潤滑剤を塗付する潤滑剤塗布部材とを備えており、潤滑剤塗布部材の端部は摺動部材の端部よりも長手方向内側に位置するとともに、摺動部材の端部はニップ部の端部よりも長手方向内側に位置することを特徴としている。
ここで、回動部材は、内部に発熱源を有し、表面が弾性変形する定着ロールであることを特徴とすることができる。さらに、圧力部材は、定着ロールの表面のうち、回転方向下流側を局部的に弾性変形させることを特徴とすることもできる。
また、エンドレスベルトの両端部に、エンドレスベルトの片寄りを規制するベルトガイド部材をさらに備えた構成とすることもできる。さらには、エンドレスベルトに保持された潤滑剤に対して、摺動部材の長手方向の幅以上への拡がりを規制する潤滑剤規制部材をさらに備えた構成とすることもできる。
さらには、潤滑剤塗布部材は、エンドレスベルトの内周面に対しエッジが当接することを特徴とすることもできる。
また、本発明の定着装置は、記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、回動可能な回動部材と、回動部材に接触してニップ部を形成しながら移動可能なエンドレスベルトと、エンドレスベルトの内側に配置され、ニップ部においてエンドレスベルトを回動部材に圧接させる圧力部材と、エンドレスベルトと圧力部材との間に設けられた摺動部材と、エンドレスベルトの内周面に潤滑剤を塗付する潤滑剤塗布部材とを備えており、摺動部材は潤滑剤塗布部材によって潤滑剤が塗付された領域を含むように配置されるとともに、ニップ部は摺動部材が配置された領域を含むように形成されることを特徴としている。なお、ここでの「領域」とは、定着装置の長手方向に関する領域をいう。
ここで、摺動部材は、摺動部材の両側に潤滑剤塗布部材によって潤滑剤が塗付されない領域を有することを特徴とすることができる。また、ニップ部は、ニップ部の両側に摺動部材が配置されない領域を有することを特徴とすることもできる。
また、本発明の定着装置は、表面が弾性変形するとともに、回転可能な加圧ロールと、発熱源を有し、加圧ロールに接触してニップ部を形成しながら従動可能な定着ベルトと、定着ベルトの内側に配置され、ニップ部において定着ベルトを加圧ロールに圧接させる圧力部材と、定着ベルトと圧力部材との間に設けられた摺動部材と、定着ベルトの内周面に潤滑剤を塗付する潤滑剤塗布部材とを備えており、潤滑剤塗布部材の端部は摺動部材の端部よりも長手方向内側に位置するとともに、摺動部材の端部はニップ部の端部よりも長手方向内側に位置することを特徴としている。
ここで、圧力部材は、定着ベルトに配設される発熱源で構成することもできる。
さらに、本発明を画像形成装置として捉え、本発明の画像形成装置は、トナー像を形成するトナー像形成手段と、トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、記録材上に転写されたトナー像を記録材に定着する定着手段とを含み、定着手段は、回動可能な回動部材と、回動部材に接触してニップ部を形成しながら移動可能なエンドレスベルトと、エンドレスベルトの内側に配置され、ニップ部においてエンドレスベルトを回動部材に圧接させる圧力部材と、エンドレスベルトと圧力部材との間に設けられ、長手方向がニップ部よりも短く形成された摺動部材と、長手方向が摺動部材よりも短く形成された潤滑剤塗布部材とを備えたことを特徴としている。
ここで、定着手段は、エンドレスベルトに保持された潤滑剤に対して、摺動部材の長手方向の幅以上への拡がりを抑える潤滑剤規制部材をさらに備えることができる。また、定着手段は、摺動部材がエンドレスベルトとの摺動面に凹凸を有するように構成することもできる。
本発明の効果として、定着装置における記録紙の搬送能力の安定を図ることにより、長期に亘り紙しわや用紙ジャムの発生を抑制することができる画像形成装置を提供することが可能となった。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態1]
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
本実施の形態において、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、これらの感光体ドラム11を帯電する帯電器12、感光体ドラム11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16、感光体ドラム11上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ17、などの電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の無端ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は106〜1014Ωcmとなるように形成されており、その厚みは例えば0.1mm程度に構成されている。中間転写ベルト15は、各種ロールによって図1に示すB方向に所定の速度で循環駆動(回動)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を回動させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34を有している。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。一次転写ロール16は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5〜108.5Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に圧接配置され、さらに一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される二次転写ロール22と、バックアップロール25とによって構成される。バックアップロール25は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRとのブレンドゴムのチューブ、内部がEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が10〜1010Ω/□となるように形成され、硬度は例えば70°(アスカーC:高分子計器社製、以下同様。)に設定される。このバックアップロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極をなし、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が当接配置されている。
一方、二次転写ロール22は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5〜108.5Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、さらに二次転写ロール22は接地されてバックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙P上にトナー像を二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
さらに、本実施の形態の画像形成装置では、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ50、この用紙トレイ50に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51、ピックアップロール51により繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む搬送シュート53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Pを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Pを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図1に示すような画像形成装置では、図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置(IPS)により所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。IPSでは、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C、1Kの各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが当接する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、用紙搬送系では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、用紙トレイ50から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送シュート53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、トナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に担持された未定着トナー像は、二次転写ロール22とバックアップロール25とによって押圧される二次転写部20において、用紙P上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Pを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱および圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙載置部に搬送される。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
次に、本実施の形態の画像形成装置に用いられる定着装置60について説明する。図2は本実施の形態の定着装置60の構成を示す側断面図である。定着装置60は、回動部材の一例としての定着ロール61、エンドレスベルト62、エンドレスベルト62を介して定着ロール61から押圧される圧力部材の一例としての圧力パッド64により主要部が構成されている。
定着ロール61は、金属製のコア(円筒状芯金)611の周囲に耐熱性弾性体層612、および離型層613を積層して構成されたものである。
定着ロール61の内部には、発熱源としてのハロゲンヒータ66が配設されている。一方、定着ロール61の表面には温度センサ69が接触して配置されている。画像形成装置の制御部40は、この温度センサ69による温度計測値に基づいてハロゲンヒータ66の点灯を制御し、定着ロール61の表面温度が所定の設定温度(例えば、170℃)を維持するように調整している。
エンドレスベルト62は、圧力パッド64と後段で述べるエッジガイド80とによって回動自在に支持されている。そして、ニップ部Nにおいて定着ロール61に対して圧接されて配置されている。
圧力パッド64は、エンドレスベルト62の内側において、エンドレスベルト62を介して定着ロール61に押圧される状態で配置され、定着ロール61との間でニップ部Nを形成している。ここで、ニップ部Nとは、エンドレスベルト62と定着ロール61とが接触する領域であって、エンドレスベルト62と定着ロール61の移動方向に所定の長さを持った長手方向に亘る領域をいう。したがって、ニップ部Nの長手方向の領域とは、エンドレスベルト62と定着ロール61のいずれか短い方の長さ領域をいう。
圧力パッド64は、幅(エンドレスベルト62と定着ロール61の移動方向における長さ)の広いニップ部Nを確保するためのプレニップ部材64aをニップ部Nの入口側に配置し、定着ロール61に歪みを与えるための剥離ニップ部材64bをニップ部Nの出口側に配置している。さらに、エンドレスベルト62の内周面と圧力パッド64との摺擦抵抗を小さくするために、プレニップ部材64aおよび剥離ニップ部材64bのエンドレスベルト62と接する面に、摺擦部材の一例としての低摩擦シート68が設けられている。そして、圧力パッド64と低摩擦シート68とは、金属製のホルダ65に保持されている。
定着ロール61は、図示しない駆動モータにより矢印C方向に回転し、この回転によりエンドレスベルト62も従動回転する。図1に示した画像形成装置の二次転写部20においてトナー像が静電転写された用紙Pは、定着入口ガイド56によって導かれて、ニップ部Nに搬送される。そして、用紙Pがニップ部Nを通過する際に、用紙P上のトナー像はニップ部Nに作用する圧力と、定着ロール61から供給される熱とによって定着される。本実施の形態の定着装置60では、ほぼ定着ロール61の外周面に倣う凹形状のプレニップ部材64aによりニップ部Nを広く構成することができるため、安定した定着性能を確保することができる。
加えて、本実施の形態の定着装置60では、定着ロール61の外周面に対し突出させて剥離ニップ部材64bを配置することにより、ニップ部Nの出口領域(剥離ニップ部)において定着ロール61の歪みが局所的に大きくなるように構成することもできる。このように剥離ニップ部材64bを配置すれば、定着後の用紙Pは、剥離ニップ部を通過する際に、局所的に大きく形成された歪みを通過することになるので、定着ロール61に巻き付くことのない用紙Pの剥離を効果的に行うことができる。
特に、定着ロール61の歪みを局所的に大きくすることによって、小さい歪み量で高い剥離性能を得ることが可能となる。そのため、定着ロール61の離型層613として、薄膜の耐熱性樹脂を用いた場合においても、用紙Pにおける紙しわの発生を抑制できる。また、耐熱性弾性体層612と離型層613との間の剥がれ等も発生し難く、剥離性能の維持と併せて長期に亘る部品性能の信頼性を向上させることができる。
さらには、定着ロール61の歪み量を小さく形成できるので、定着ロール61の耐熱性弾性体層612を薄肉化することができる。そのため、定着ロール61の熱容量を小さく構成できるので、ウォームアップタイムを短くするとともに、消費電力の低減を図ることもできる。また、熱伝導率の低い耐熱性弾性体層612を薄肉化できるため、定着ロール61の内面と外面との間の熱抵抗が小さくなって熱応答性の向上を図れるため、画像形成装置の高速化にも適している。
なお、剥離の補助手段として、定着ロール61のニップ部Nの下流側に、剥離部材70を配設することも可能である。剥離部材70は、剥離バッフル71が定着ロール61の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に定着ロール61と近接する状態でホルダ72によって保持されている。
次に、定着装置60を構成する各部材について詳細に述べる。まず定着ロール61では、コア611は、鉄、アルミニウム、SUS等の熱伝導率の高い金属製の円筒体で構成されている。コア611の外形および肉厚は、本実施の形態の定着装置60では、圧力パッド64の押圧力が小さいため、小径化、薄肉化を図ることができる。
耐熱性弾性体層612としては、耐熱性の高い弾性体であればどのような材料を用いることも可能である。特に、ゴム硬度が25〜40°(JIS−A)程度のゴム、エラストマ等の弾性体を用いるのが好ましく、具体的には、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を挙げることができる。
離型層613は、耐熱性の樹脂であればどのような樹脂を用いてもよく、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂等を用いることができるが、離型層613のトナーに対する離型性や耐摩耗性の観点から、フッ素樹脂が適している。フッ素樹脂としては、PFA、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体)等が使用できる。離型層613の厚みとしては、好ましくは5〜30μm、より好ましくは10〜20μmである。離型層613の厚みが5μm未満であると、定着ロール61の歪みに基づき用紙Pにしわが生じ易くなり、一方、30μmを超えると、離型層613が硬くなり、画像に光沢むら等の欠陥が生じる可能性が増え、ともに好ましくないからである。
エンドレスベルト62は、原形が円筒形状に形成された無端ベルトであり、ベース層と、このベース層の定着ロール61側の面または両面に被覆された離型層とから構成されている。ベース層は、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等のポリマーやSUS、ニッケル、銅等の金属により形成され、その厚みは、30〜200μm、好ましくは50〜125μm、より好ましくは75〜100μm程度である。ベース層の表面に被覆される離型層としては、フッ素樹脂、例えばPFA、PTFE、FEPで形成され、その厚みは5〜100μm、好ましくは10〜30μm程度である。
また、エンドレスベルト62の内周面は、圧力パッド64との摺擦抵抗を低減するため、表面粗さRa(算術平均粗さ)を0.4μm以下に設定している。また、エンドレスベルト62の外周面は、定着ロール61からの駆動力を受け易いように、表面粗さRaを1.2〜2.0μmに設定している。
圧力パッド64は、上述したように、プレニップ部材64a、剥離ニップ部材64bで構成され、ホルダ65に支持されている。プレニップ部材64aには、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体や板バネ等を用いることができ、定着ロール61側の面は、ほぼ定着ロール61の外周面に倣う凹形状で形成されている。
剥離ニップ部材64bは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂、または鉄、アルミニウム、SUS等の金属で形成されている。剥離ニップ部材64bの形状としては、ニップ部Nにおける外面形状が一定の曲率半径を有する凸曲面状に形成される。
低摩擦シート68は、エンドレスベルト62内周面と圧力パッド64との摺擦抵抗(摩擦抵抗)を低減するために設けられ、摩擦係数が小さく、耐摩耗性・耐熱性に優れた材質で形成するのが適している。また、エンドレスベルト62内周面に塗布された潤滑剤が、エンドレスベルト62との摺動部に入り込めるように、低摩擦シート68のエンドレスベルト62側の表面には、微小な凹凸が形成されている。この凹凸の粗さは、Ra(算術平均粗さ)が5〜30μmで形成されている。これは、凹凸の粗さがRa=5μmより小さければ、エンドレスベルト62との摺動部に充分な潤滑剤を入り込ませにくいため適当ではなく、その一方で、Ra=30μmより大きければ、凹凸の跡がOHPやコート紙を定着した際に光沢むらとして目立つために好ましくないことに基づくものである。さらには、低摩擦シート68は、潤滑剤が滲み込んで裏面から漏れ出ないように、潤滑剤に対する浸潤性のない(難通過性)ように構成している。具体的には、フッ素樹脂からなる多孔質樹脂繊維布をベース層として圧力パッド64側の面にPET樹脂シートをラッピングさせたもの、シンタード成形したPTFE樹脂シート、テフロン(商標名)を含浸させたガラス繊維シート等を用いることができる。
なお、低摩擦シート68は、プレニップ部材64aや剥離ニップ部材64bと別体に構成しても、プレニップ部材64aや剥離ニップ部材64bと一体的に構成しても、いずれでもよい。
また、ホルダ65には、定着装置60の長手方向に亘って、潤滑剤塗布部材67が配設されている。潤滑剤塗布部材67は、耐熱性フェルトで構成され、例えば粘度300csのアミノ変性シリコーンオイル等の潤滑剤が3g程度含浸されている。そして、潤滑剤塗布部材67はエンドレスベルト62内周面に対して接触するように配置され、耐熱性フェルトからの浸透圧により、潤滑剤を常時適量ずつエンドレスベルト62内周面に供給している。なお、潤滑剤塗布部材67は、耐熱性フェルトからの潤滑剤の供給が過多にならないように、耐熱性フェルトのエッジ部のみがエンドレスベルト62内周面に接触するように構成されている。これにより、エンドレスベルト62と低摩擦シート68との摺動部に潤滑剤を供給し、低摩擦シート68を介したエンドレスベルト62と圧力パッド64との摺擦抵抗をさらに低減して、エンドレスベルト62の円滑な回動を図っている。
次に、本実施の形態の定着装置60におけるエンドレスベルト62を支持する構成について述べる。図3は、エンドレスベルト62が支持された状態を説明する定着装置60の端部の断面図であり、用紙Pの搬送方向下流側から見た図である。
図3に示すように、ホルダ65の両端部にはエッジガイド80が配設されている。エッジガイド80は、ニップ部Nとその近傍に対応する部分に切り欠きが形成された円筒状、すなわち断面がC形状のベルト走行ガイド部801、ベルト走行ガイド部801の外側に設けられ、エンドレスベルト62の内径よりも大きな外径で形成されたフランジ部802、さらにフランジ部802の外側に設けられ、エッジガイド80を定着装置60本体に位置決めして固定するための保持部803で構成されている。
ホルダ65は、両端部がフランジ部802の内側面に固定され支持されている。また、ベルト走行ガイド部801は、ホルダ65の端部の一定領域とオーバーラップするように配置されている。
そして、エンドレスベルト62は、ニップ部Nとその近傍を除いて、両側部の内周面がベルト走行ガイド部801の外周面に支持され、ベルト走行ガイド部801の外周面に沿って回動する(図2も参照)。したがって、ベルト走行ガイド部801は、エンドレスベルト62がスムーズに回動することができるように静止摩擦係数の小さな材質で形成され、さらには、エンドレスベルト62から熱を奪い難いように熱伝導率の低い材質で形成されている。
また、フランジ部802は、ホルダ65の両端部に配置されたフランジ部802の内側面同士の間隔がエンドレスベルト62の幅と略一致するように配置され、エンドレスベルト62の幅方向への移動(ベルトウォーク)を規制している。このように、エンドレスベルト62は、エッジガイド80によって回動方向および幅方向の移動が規制されるように構成されている。
なお、エンドレスベルト62は、ニップ部Nを除いては、接触する部材が潤滑剤塗布部材67とこのエッジガイド80だけであるため、摺擦抵抗を極力小さく構成することができ、熱の損失も小さくすることができる。
かかる本実施の形態の定着装置60においては、低摩擦シート68が配置される領域はニップ部Nの領域内であり、潤滑剤塗布部材67が配置される領域は低摩擦シート68が配置される領域内となるように構成されている点に特徴を有している。すなわち、図4は、定着装置60の一方の端部の斜視図であるが、図4に示したように、潤滑剤塗布部材67は長手方向の長さが低摩擦シート68の長さより短く形成されるとともに、低摩擦シート68は長手方向の長さがニップ部Nの長さより短く形成され、長手方向に関する位置関係として、潤滑剤塗布部材67の端部は低摩擦シート68の端部よりも内側となるように設定され、低摩擦シート68の端部はニップ部Nの端部よりも内側となるように構成されている。このように構成することにより、エンドレスベルト62からの潤滑剤の損失を抑えることができるので、エンドレスベルト62の内周面に塗付される潤滑剤を所定量に維持することが可能となり、長期に亘りエンドレスベルト62をスムーズに回動させることができる。その結果、定着装置60の寿命に至る長い期間に亘り、紙しわや用紙ジャムの発生を抑えることが可能となる。
上述したように、トナー像が静電転写された用紙Pが定着装置60のニップ部Nを通過することにより、トナー像が用紙Pに定着されるが、用紙Pがニップ部Nを通過する際の搬送力は、駆動側の定着ロール61から受けている。すなわち、用紙Pは、定着ロール61の回転に伴い、定着ロール61から摩擦力を受けることによって搬送されている。
一方、ニップ部Nに用紙Pが搬送されていない状態では、従動側のエンドレスベルト62も定着ロール61の回転に伴って定着ロール61から摩擦力を受けることによって回動している。しかし、ニップ部Nに用紙Pが搬送され、用紙Pがニップ部Nに挟持されている状態では、エンドレスベルト62は用紙Pを介して定着ロール61から搬送力を受けている。したがって、用紙P側から捉えると、用紙Pがニップ部Nを通過する際には、用紙Pには定着ロール61からの搬送力を受けるとともに、エンドレスベルト62側から搬送方向とは逆方向の力(逆搬送力)が作用することとなる。
ところで、エンドレスベルト62は、ニップ部Nにおいて圧力パッド64が押圧されているために、圧力パッド64からは回動方向とは逆の方向の力が摺擦抵抗として作用している。そのため、上述したように、エンドレスベルト62と圧力パッド64との間には低摩擦シート68を介在させるとともに、潤滑剤塗布部材67からエンドレスベルト62の内周面に潤滑剤を塗布して、エンドレスベルト62と圧力パッド64との摺擦抵抗を極力低減するように構成している。
したがって、通常状態では、エンドレスベルト62が圧力パッド64から受ける摺擦抵抗は極めて小さく、円滑に回動可能であることから、エンドレスベルト62は用紙Pと等速で回動することが可能である。この場合には、用紙Pが受ける逆搬送力は、エンドレスベルト62を介した圧力パッド64からの摺擦抵抗であるから、無視できる程度に小さいレベルである。そのため、用紙Pは定着ロール61と等速に安定して搬送される。
ところが、圧力パッド64と定着ロール61との間は押圧されているために、エンドレスベルト62の内周面に塗布された潤滑剤の一部がエンドレスベルト62と低摩擦シート68との間の摺動部に入り込むことができず、この入り込めない一部の潤滑剤は摺動部の入口領域に滞留する。そして、エンドレスベルト62が回動を重ねるのに伴って、この滞留した潤滑剤が摺動部入口領域において両端部側に徐々に拡がり、エンドレスベルト62の両側部から漏洩するものもある。そのために、次第にエンドレスベルト62の内周面に塗布される潤滑剤量が減少する。
エンドレスベルト62の内周面に塗布される潤滑剤量が不足すると、低摩擦シート68とエンドレスベルト62との間で滑り性の低下(摺擦抵抗の増加)が発生する。エンドレスベルト62と圧力パッド64との間の摺擦抵抗が増加すると、用紙Pがニップ部Nを搬送される際に、用紙Pがエンドレスベルト62を介して圧力パッド64から受ける逆搬送力が無視できないほどに大きくなる。そのため、用紙Pの搬送が定着ロール61の回動に追随できなくなって、用紙Pの円滑な搬送が妨げられ、用紙Pにおける紙しわや用紙ジャムの原因となる。
特に、ニップ部Nにおいては、定着ロール61の外径を中央部から両端部にかけて大きく形成した、所謂逆クラウン形状に構成したり、プレニップ部材64aと定着ロール61との間の押圧力が中央部から両端部にかけて大きくなるように設定することによって、常に用紙Pには中央部から両端部に向かって幅方向に力が作用するようにして、用紙Pに紙しわが生じるのを防止している。ところが、エンドレスベルト62と圧力パッド64との間の摺擦抵抗が増加すると、用紙Pが定着ロール61の搬送に追随できなくなり、このような用紙Pの幅方向に作用する力のバランスが崩れてしまうため、用紙Pに紙しわを生じさせたり、さらには用紙ジャムを生じさせることとなる。
そこで、本実施の形態の定着装置60では、低摩擦シート68が配置される領域はニップ部Nの領域内となるように構成し、さらに潤滑剤塗布部材67が配置される領域は低摩擦シート68が配置される領域内となるように構成することで、エンドレスベルト62からの潤滑剤の漏洩を抑制し、エンドレスベルト62の内周面に塗布される潤滑剤量を安定的に維持している。
ここで、ニップ部Nと低摩擦シート68と潤滑剤塗布部材67についての長手方向に関する位置関係と、エンドレスベルト62内周面における潤滑剤が付着する領域との関係について述べる。
まず、上述したように、潤滑剤塗布部材67は、エンドレスベルト62内周面に接触するように配置され、エンドレスベルト62内周面に対してアミノ変性シリコーンオイル等の潤滑剤を常時供給している。一方、エンドレスベルト62が周回して潤滑剤塗布部材67の配置位置に戻ってきた際には、エンドレスベルト62内周面に塗布されている潤滑剤を回収する機能も有している。このように、潤滑剤塗布部材67は、エンドレスベルト62内周面に対し、潤滑剤の回収と供給とを同時に行うことで、常に一定量の潤滑剤を塗布するとともに、潤滑剤塗布部材67に保持される潤滑剤量をも一定に維持している。
かかる潤滑剤塗布部材67によって潤滑剤が塗布されたエンドレスベルト62は、回動してニップ部Nに搬送されるが、ニップ部Nにおける圧力パッド64とエンドレスベルト62との間の押圧力の下においても、低摩擦シート68のエンドレスベルト62側の表面に微小な凹凸が形成されているため、エンドレスベルト62に塗布された潤滑剤の大部分は、低摩擦シート68の凹部に入り込むようにして、低摩擦シート68とエンドレスベルト62との摺動部に供給される。しかしながら、圧力パッド64とエンドレスベルト62との間の押圧力により、エンドレスベルト62と低摩擦シート68との間の摺動部に入り込むことができない潤滑剤も存在する。そのため、この入り込めない潤滑剤が摺動部の入口領域に徐々に滞留して、この滞留した潤滑剤が摺動部入口領域において両端部側に徐々に拡がりを作っていく。
なお、エンドレスベルト62に塗布する潤滑剤量は潤滑剤塗布部材67によって所定の量に制御することは可能であるが、摺動部の入口領域に全く滞留を生じないように塗布量を制御するとすれば、例えば画像形成装置の立ち上げ時等に潤滑剤の粘度が低いために塗布量が低下した場合には、低摩擦シート68とエンドレスベルト62との摺動部への供給量が不足することもあり得るので、摺動部入口領域で多少の滞留が生じる程度に塗布量を設定するのが適切である。
本実施の形態の定着装置60では、長手方向の位置関係において、潤滑剤塗布部材67が配置される領域は低摩擦シート68が配置される領域内となるように構成している。図5は、潤滑剤塗布部材67が配置される領域(潤滑剤塗付領域)と低摩擦シート68が配置される領域との関係を説明する図である。図5に示したように、エンドレスベルト62の内周面にあっては、潤滑剤塗布部材67により潤滑剤が塗布される領域(潤滑剤塗付領域)の端部と、低摩擦シート68の端部との間には、潤滑剤塗布部材67から潤滑剤が塗布されてこない領域が設定されている。したがって、低摩擦シート68の両側部における潤滑剤が塗布されてこない領域においては、エンドレスベルト62を介して潤滑剤塗布部材67からは直接的に潤滑剤の供給を受けない。しかしながら、図5に示したように、摺動部入口領域において滞留した潤滑剤が両端側に拡がりを生じるため、この滞留した潤滑剤によって低摩擦シート68の両側部に潤滑剤が供給される。すなわち、低摩擦シート68の両側部では、エンドレスベルト62の内周面には潤滑剤が塗布されていないか、または極めて少ないため、エンドレスベルト62は低摩擦シート68の両側部に拡がった滞留潤滑剤を受け取ることができ、エンドレスベルト62の回動に伴って滞留潤滑剤を低摩擦シート68との摺動部に搬送することができる。
このように、低摩擦シート68の両側部に対応する位置のエンドレスベルト62の内周面に、潤滑剤塗布部材67により潤滑剤が塗布されていない領域を設けることによって、エンドレスベルト62と低摩擦シート68との間の摺動部入口領域に滞留した潤滑剤を、低摩擦シート68の両側部においてエンドレスベルト62と低摩擦シート68との間の摺動部に搬送することで、摺動部に入り込めない潤滑剤の外部への漏洩を抑制することができる。
さらに、本実施の形態の定着装置60では、長手方向の位置関係において、低摩擦シート68が配置される領域はニップ部Nの領域内となるように構成している。ここで、図6は、低摩擦シート68が配置される領域とニップ部Nの領域との関係を説明する図である。図6に示したように、ニップ部Nの両側部には低摩擦シート68が位置しない領域が設定されている。
ニップ部Nにおいては、圧力パッド64とエンドレスベルト62とによって押圧力が働いているため、低摩擦シート68とエンドレスベルト62との摺動部に入り込んだ潤滑剤に対し、ニップ部Nから押し出す力が作用する。そのため、図6に示したように、低摩擦シート68の両端部から潤滑剤が滲み出る場合がある。その際、ニップ部Nの両側部に設けられた低摩擦シート68が位置しない領域においては、エンドレスベルト62の内周面には潤滑剤が塗布されていないか、または極めて少ないため、滲み出した潤滑剤をエンドレスベルト62内周面において回収することが可能である。そのため、低摩擦シート68とエンドレスベルト62との摺動部に入り込んだ潤滑剤が、ニップ部Nの押圧力によって押し出されても、外部への漏洩を抑制することができる。
特に、エンドレスベルト62は、両側部の内周面がベルト走行ガイド部801の外周面に支持され、ベルト走行ガイド部801の外周面に沿って回動するため(図2参照)、エンドレスベルト62内周面で回収された潤滑剤は、ベルト走行ガイド部801の外周面との接触面で保持されるので、外部に漏洩し難くい。また、ベルト走行ガイド部801の外周面は、フランジ部802の内周面に直交して形成されているため、潤滑剤はフランジ部802の内周面でも移動が制限されるので、外部への漏洩はさらに生じ難い。
ところで、低摩擦シート68とエンドレスベルト62との摺動部に供給された潤滑剤は、ニップ部Nを離れる際に、エンドレスベルト62の回動に伴い、その一部がエンドレスベルト62の内周面に再塗布され、潤滑剤塗布部材67まで搬送されて回収される。このようにして、潤滑剤は循環利用されている。したがって、本実施の形態の定着装置60では、潤滑剤の外部への漏洩を抑制できるので、潤滑剤の循環利用に際して潤滑剤の損失は殆どなく、エンドレスベルト62の内周面には長期に亘り安定して所定量の潤滑剤を供給することが可能となる。
なお、ニップ部Nの下流側では、エンドレスベルト62の内周面における低摩擦シート68の配置位置に対応する領域に、再塗付された潤滑剤を保持した状態で回動している。そこで、本実施の形態の定着装置60では、図3に示したように、ベルト走行ガイド部801のエッジ面801aが、低摩擦シート68の端部位置と略一致するように設定している。このように設定することで、図7に示したように、エンドレスベルト62の内周面において低摩擦シート68の配置位置に対応して保持された潤滑剤は、ベルト走行ガイド部801のエッジ面801aによって両端部側に拡がるのが抑えられるので、回収された潤滑剤がエンドレスベルト62の内周面から外部に漏洩することも抑制されている。
以上説明したように、本実施の形態の定着装置60においては、低摩擦シート68が配置される領域はニップ部Nの領域内であり、潤滑剤塗布部材67が配置される領域は低摩擦シート68が配置される領域内となるように構成されている。このように構成することにより、エンドレスベルト62からの潤滑剤の損失を抑制することができるため、エンドレスベルト62の内周面に塗付される潤滑剤の循環利用を維持することができ、長期に亘りエンドレスベルト62をスムーズに回動させることができる。その結果、定着装置60の寿命に至る長い期間に亘り、紙しわや用紙ジャムの発生を抑えることが可能となる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、加熱手段として発熱源を有する定着ロール61を用い、加圧手段として圧力パッド64が押圧されたエンドレスベルト62を用いた定着装置60が搭載された画像形成装置について説明した。実施の形態2では、図1に示した画像形成装置に搭載する定着装置であって、加熱手段として発熱源が押圧された定着ベルトを用い、加圧手段として加圧ロールを用いた定着装置について説明する。尚、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
図8は、本実施の形態における定着装置90の構成を示す側断面図である。図8に示すように、本実施の形態の定着装置90では、定着ベルト92が用紙Pのトナー像担持面側に配置されている。定着ベルト92の内側に発熱源の一例としての抵抗発熱体であるセラミックヒータ82が配設され、セラミックヒータ82からニップ部Nに熱を供給するように構成している。
セラミックヒータ82は、加圧ロール91側の面がほぼフラットに形成され、定着領域の全幅に亘って配置されている。そして、ホルダ65に支持されて、定着ベルト92を介して加圧ロール91に押圧される状態で配置され、ニップ部Nを形成している。したがって、セラミックヒータ82は圧力部材としても機能している。ニップ部Nを通過した用紙Pは、ニップ部Nの出口領域(剥離ニップ部)において定着ベルト92の曲率の変化によって定着ベルト92から剥離される。なお、ここでのニップ部Nとは、定着ベルト92と加圧ロール91とが接触する領域であって、定着ベルト92と加圧ロール91の移動方向に所定の長さを持った長手方向に亘る領域をいう。したがって、ニップ部Nの長手方向の領域とは、定着ベルト92と加圧ロール91のいずれか短い方の長さ領域をいう。
さらに、定着ベルト92内周面とセラミックヒータ82との間には、定着ベルト92の内周面とセラミックヒータ82との摺擦抵抗を小さくするため、摺動部材の一例としての低摩擦シート68が配設されている。この低摩擦シート68は、セラミックヒータ82と別体に構成しても、セラミックヒータ82と一体的に構成しても、いずれでもよい。
また、ホルダ65には、セラミックヒータ82を支持する位置とは反対の位置に潤滑剤塗布部材67が支持されている。潤滑剤塗布部材67は、耐熱性フェルトで構成され、例えば粘度300csのアミノ変性シリコーンオイル等の潤滑剤が3g程度含浸されている。そして、潤滑剤塗布部材67は定着ベルト92内周面に対して接触するように配置され、耐熱性フェルトからの浸透圧により、潤滑剤を常時適量ずつ定着ベルト92内周面に供給している。なお、潤滑剤塗布部材67は、耐熱性フェルトからの潤滑剤の供給が過多にならないように、耐熱性フェルトのエッジ部のみが定着ベルト92内周面に接触するように構成されている。これにより、定着ベルト92と低摩擦シート68との摺動部に潤滑剤を供給し、低摩擦シート68を介した定着ベルト92とセラミックヒータ82との摺擦抵抗をさらに低減して、定着ベルト92の円滑な回動を図っている。
さらに、潤滑剤塗布部材67は、定着ベルト92が周回して潤滑剤塗布部材67の配置位置に戻ってきた際には、定着ベルト92内周面に塗布されている潤滑剤を回収する機能も有している。このように、潤滑剤塗布部材67は、定着ベルト92内周面に対し、潤滑剤の回収と供給とを同時に行うことで、常に一定量の潤滑剤を塗布するとともに、潤滑剤塗布部材67に保持される潤滑剤量をも一定に維持している。
一方、加圧ロール91は定着ベルト92に対向するように配置され、図示しない駆動モータにより矢印D方向に回転し、この回転により定着ベルト92が従動回転するように構成されている。加圧ロール91は、コア (円柱状芯金)911と、コア911の外周面に被覆した耐熱性弾性体層912と、さらに耐熱性樹脂被覆または耐熱性ゴム被覆による離型層913とが積層されて構成されている。また、本実施の形態の定着装置90では、定着ベルト92は、原形が円筒形状に形成された無端ベルトであり、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等のポリマーやSUS、ニッケル、銅等の金属により形成されたベース層と、このベース層の加圧ロール91側の面または両面に被覆され、PFA、PTFE、FEPで形成された離型層とから構成されている。
また、剥離の補助手段として、定着ベルト92のニップ部Nの下流側に、剥離部材70を配設することも可能である。剥離部材70は、剥離バッフル71が定着ベルト92の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に定着ベルト92と近接する状態でホルダ72によって保持されている。
そして、図1に示した画像形成装置の二次転写部20においてトナー像が静電転写された用紙Pは、定着入口ガイド56によって定着装置90のニップ部Nに導かれる。用紙Pがニップ部Nを通過する際には、用紙P上のトナー像は、ニップ部Nに作用する圧力と、定着ベルト92側のセラミックヒータ82から供給される熱とによって定着される。本実施の形態の定着装置90でも、加圧ロール91とセラミックヒータ82との間でニップ部Nを広く構成することができるため、安定した定着性能を確保することができる。
ここで、本実施の形態の定着装置90においては、低摩擦シート68が配置される領域はニップ部Nの領域内であり、潤滑剤塗布部材67が配置される領域は低摩擦シート68が配置される領域内となるように構成されている。
このように構成することにより、低摩擦シート68の両側部に対応する位置の定着ベルト92の内周面に、潤滑剤塗布部材67により潤滑剤が塗布されていない領域を設けることができ、定着ベルト92と低摩擦シート68との間の摺動部入口領域に滞留した潤滑剤を、低摩擦シート68の両側部において定着ベルト92と低摩擦シート68との間の摺動部に搬送するようにして、定着ベルト92と低摩擦シート68との摺動部に入り込めない潤滑剤の外部への漏洩を抑制することができる。
また、ニップ部Nの両側部に対応する位置の定着ベルト92の内周面に、低摩擦シート68が位置しない領域を設けることによって、ニップ部Nから滲み出した潤滑剤を定着ベルト92内周面において回収することが可能である。そのため、低摩擦シート68と定着ベルト92との摺動部に入り込んだ潤滑剤が、ニップ部Nの押圧力によって押し出されても、外部への漏洩を抑制することができる。
このように、本実施の形態の定着装置90では、定着ベルト92からの潤滑剤の損失を抑制することができるため、定着ベルト92の内周面に塗付される潤滑剤の循環利用を維持することができ、長期に亘り定着ベルト92をスムーズに回動させることができる。その結果、定着装置90の寿命に至る長い期間に亘り、紙しわや用紙ジャムの発生を抑えることが可能となる。
本発明の活用例として、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置への適用、例えば記録紙(用紙)上に担持された未定着トナー像を定着する定着装置への適用がある。また、インクジェト方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置への適用、例えば記録紙(用紙)上に担持された未乾燥インク像を乾燥する定着装置への適用がある。
本発明の画像形成装置を示した概略構成図である。 実施の形態1に係る定着装置の構成を示す側断面図である。 エンドレスベルトが支持された状態を説明する定着装置の端部の断面図である。 定着装置の端部の斜視図である。 潤滑剤塗布部材が配置される領域(潤滑剤塗付領域)と低摩擦シートが配置される領域との関係を説明する図である。 低摩擦シートが配置される領域とニップ部の領域との関係を説明する図である。 ベルト走行ガイド部のエッジ面により潤滑剤の拡がりが抑えられる状態を説明する図である。 実施の形態2に係る定着装置の構成を示す側断面図である。 従来の定着装置の構成を示す側断面図である。
符号の説明
1Y,1M,1C,1K…画像形成ユニット、11…感光体ドラム、12…帯電器、13…レーザ露光器、14…現像器、15…中間転写ベルト、16…一次転写ロール、17…ドラムクリーナ、20…二次転写部、60,90…定着装置、61…定着ロール、62…エンドレスベルト、64…圧力パッド、64a…プレニップ部材、64b…剥離ニップ部材、65…ホルダ、66…ハロゲンヒータ、67…潤滑剤塗布部材、68…低摩擦シート、69…温度センサ、70…剥離部材、80…エッジガイド、801…ベルト走行ガイド部、802…フランジ部、803…保持部、82…セラミックヒータ、91…加圧ロール、92…定着ベルト

Claims (17)

  1. 記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、
    回動可能な回動部材と、
    前記回動部材に接触してニップ部を形成しながら移動可能なエンドレスベルトと、
    前記エンドレスベルトの内側に配置され、前記ニップ部において当該エンドレスベルトを前記回動部材に圧接させる圧力部材と、
    前記ニップ部において前記エンドレスベルトと前記圧力部材との間に挟まれるように設けられ、長手方向の端部が前記ニップ部の長手方向の端部よりも内側に位置する摺動部材と、
    長手方向の端部が前記摺動部材の長手方向の端部よりも内側に位置し、前記エンドレスベルトの内周面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部材と
    を備え
    前記潤滑剤塗布部材によって前記エンドレスベルトの内周面に塗布された前記潤滑剤が、当該エンドレスベルトの回転によって、前記摺動部材と当該エンドレスベルトとの間で滞留部を形成した場合に、当該潤滑剤塗布部材から当該エンドレスベルトの内周面に当該潤滑剤が塗布されてこない当該摺動部材の長手方向の側部に当該滞留部の潤滑剤が拡がるように、当該潤滑剤塗布部材による潤滑剤塗布領域が設定されたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記エンドレスベルトの両端部に配置され、当該エンドレスベルトを内周面側から支持するベルトガイド部材をさらに備え、当該ベルトガイド部材は、当該エンドレスベルトに保持された潤滑剤に対して、前記摺動部材の長手方向の幅以上への拡がりを規制する面を有することを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記摺動部材は、前記エンドレスベルトとの摺動面に凹凸が形成されたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  4. 前記摺動部材は、潤滑剤に対する難通過性を有することを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  5. 前記摺動部材は、多孔質繊維からなるベース層と、当該ベース層の前記エンドレスベルトとの摺擦面とは反対面に配設され、潤滑剤に対して難通過性を有する樹脂層とで構成されたことを特徴とする請求項記載の定着装置。
  6. 前記回動部材は、内部に発熱源を有し、表面が弾性変形する定着ロールであることを特徴とする請求項記載の定着装置。
  7. 前記圧力部材は、当該定着ロールの表面のうち、回転方向下流側を局部的に弾性変形させることを特徴とする請求項記載の定着装置。
  8. 前記エンドレスベルトの両端部に配置され、当該エンドレスベルトの片寄りを規制するベルトガイド部材をさらに備えたことを特徴とする請求項記載の定着装置。
  9. 前記エンドレスベルトに保持された潤滑剤に対して、前記摺動部材の長手方向の幅以上への拡がりを規制する潤滑剤規制部材をさらに備えたことを特徴とする請求項記載の定着装置。
  10. 前記潤滑剤塗布部材は、前記エンドレスベルトの内周面に対しエッジが当接することを特徴とする請求項記載の定着装置。
  11. 前記ニップ部は、前記摺動部材が配置された領域を含むように形成されることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  12. 前記ニップ部は、両側に前記摺動部材が配置されない領域を有することを特徴とする請求項記載の定着装置。
  13. 表面が弾性変形するとともに、回転可能な加圧ロールと、
    発熱源を有し、前記加圧ロールに接触してニップ部を形成しながら従動可能な定着ベルトと、
    前記定着ベルトの内側に配置され、前記ニップ部において当該定着ベルトを前記加圧ロールに圧接させる圧力部材と、
    前記ニップ部において前記定着ベルトと前記圧力部材との間に挟まれるように設けられ、長手方向の端部が前記ニップ部の長手方向の端部よりも内側に位置する摺動部材と、
    長手方向の端部が前記摺動部材の長手方向の端部よりも内側に位置し、前記定着ベルトの内周面に潤滑剤を塗付する潤滑剤塗布部材とを備え、
    前記潤滑剤塗布部材によって前記定着ベルトの内周面に塗布された前記潤滑剤が、当該定着ベルトの回転によって、前記摺動部材と当該定着ベルトとの間で滞留部を形成した場合に、当該潤滑剤塗布部材から当該定着ベルトの内周面に当該潤滑剤が塗布されてこない当該摺動部材の長手方向の側部に当該滞留部の潤滑剤が拡がるように、当該潤滑剤塗布部材による潤滑剤塗布領域が設定されたことを特徴とする定着装置。
  14. 前記圧力部材は、前記定着ベルトに配設される発熱源で構成されることを特徴とする請求項13記載の定着装置。
  15. トナー像を形成するトナー像形成手段と、
    前記トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、
    前記記録材上に転写されたトナー像を当該記録材に定着する定着手段とを含み、
    前記定着手段は、
    回動可能な回動部材と、
    前記回動部材に接触してニップ部を形成しながら移動可能なエンドレスベルトと、
    前記エンドレスベルトの内側に配置され、前記ニップ部において当該エンドレスベルトを前記回動部材に圧接させる圧力部材と、
    前記ニップ部において前記エンドレスベルトと前記圧力部材との間に挟まれるように設けられ、長手方向の端部が前記ニップ部の長手方向の端部よりも内側に位置する摺動部材と、
    長手方向の端部が前記摺動部材の長手方向の端部よりも内側に位置し、前記エンドレスベルトの内周面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部材と
    を備え
    前記潤滑剤塗布部材によって前記エンドレスベルトの内周面に塗布された前記潤滑剤が、当該エンドレスベルトの回転によって、前記摺動部材と当該エンドレスベルトとの間で滞留部を形成した場合に、当該潤滑剤塗布部材から当該エンドレスベルトの内周面に当該潤滑剤が塗布されてこない当該摺動部材の長手方向の側部に当該滞留部の潤滑剤が拡がるように、当該潤滑剤塗布部材による潤滑剤塗布領域が設定されたことを特徴とする画像形成装置。
  16. 前記定着手段は、前記エンドレスベルトに保持された潤滑剤に対して、前記摺動部材の長手方向の幅以上への拡がりを抑える潤滑剤規制部材をさらに備えたことを特徴とする請求項15記載の画像形成装置。
  17. 前記定着手段は、前記摺動部材が前記エンドレスベルトとの摺動面に凹凸を有することを特徴とする請求項15記載の画像形成装置。
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