JP2005148544A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 紙しわや画像ずれ等の発生を抑えて高品質な画像を形成する定着装置、さらには画像形成装置を提供する。
【解決手段】 用紙Pに担持されたトナー像を定着する定着装置であって、回動可能な定着ロール61と、定着ロール61に接触しながら移動可能なエンドレスベルト62と、エンドレスベルト62の内側に配置され、エンドレスベルト62を定着ロール61に圧接させて定着ロール61とエンドレスベルト62との間に用紙Pが通過するニップ部Nを形成する圧力パッド64とを備えており、エンドレスベルト62は、周長が中央部よりも両端部で大きく形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、定着装置等に関し、より詳しくは例えば電子写真方式を利用した画像形成装置に用いられる定着装置等に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、例えばドラム状に形成された感光体を一様に帯電し、この感光体を画像情報に基づいて制御された光で露光して感光体上に静電潜像を形成する。そして、この静電潜像をトナーによって可視像(トナー像)とし、さらにこのトナー像を記録紙に転写し、これを定着装置によって定着して画像形成している。
かかる画像形成装置に用いられる定着装置においては、図8に示したように、円筒状の芯金111の内部に加熱源113を備え、その芯金111の外周面に離型層112が形成された定着ロール110と、この定着ロール110に対して圧接配置され、芯金121の外周面に耐熱性弾性体層122、および耐熱性樹脂被膜あるいは耐熱性ゴム被膜による離型層123が形成された加圧ロール120とで構成されている。そして、定着ロール110と加圧ロール120との間に、未定着トナー像を担持した記録紙を通過させて、未定着トナー像に対して加熱と加圧とを行うことによって、記録紙にトナー像を定着している。このような定着装置は、加熱ロール方式と呼ばれて、一般に広く利用されている。
ところで、加熱ロール方式の定着装置において高速化を図ろうとする場合には、トナーと記録紙に充分な熱量を供給するために、ニップ幅を定着速度に比例して広くすることが必要となる。ニップ幅を広くする方法として、定着ロールと加圧ロールとの間の荷重を大きくする方法や、弾性体の厚さを厚くする方法、さらにはロール径を大きくする方法がある。
しかし、荷重を大きくする方法や、弾性体の厚さを厚くする方法では、ロールの撓みに起因するニップ幅の形状がロール軸に沿って不均一になることから、定着むらや紙しわが発生する等といった画像品質上の問題が生じる。また、ロール径を大きくする方法では、装置の大型化を招くとともに、ロールを室温から定着可能温度に上昇させるまでの時間(ウォームアップタイム)が長くなるという問題がある。
そこで、これらの問題を解消して、画像形成装置の高速化に対応した定着装置を実現するべく、本出願人は、表面が弾性変形する回転可能な定着ロールと、この定着ロールに接触したまま走行可能なエンドレスベルトと、このエンドレスベルトの内側に非回転状態で配置された圧力パッドとを具備し、圧力パッドによって、定着ロールとの接触面が形成されるようにエンドレスベルトを定着ロールに圧接させ、エンドレスベルトと定着ロールとの間にシートを通過させることができるようにベルトニップを設けるとともに、定着ロールの表面のうち、シートの出口側を局部的に弾性変形させるように構成した定着装置に関する技術を提案している(例えば、特許文献1参照)。
かかる特許文献1に記載した技術では、従来の加熱ロール方式の定着装置における加圧ロールに代え、圧力パッドを用いてエンドレスベルトを定着ロールに圧接させている。このような構成を採用することにより、定着ロールとエンドレスベルトとによって形成されるベルトニップの幅が従来の定着ロールと加圧ロールとのロールニップの幅よりも容易に大きくすることができるので、高速化対応が可能となり、しかも装置の小型化を図ることも容易である。
特に、定着ロールに圧接させるエンドレスベルトの熱容量が小さく、さらに圧力パッドが非回転状態で配置されているために定着ロールから伝達される熱も発散され難い。そのため、定着ロールの回転が開始されても、定着ロールからエンドレスベルト側に奪われる熱量は少なく、熱をトナーの溶融に利用する効率を高めるとともに、ベルトニップでの温度低下量も小さいことから、トナーの定着性の向上を図ることができるという利点を有している。
特許第3298354号公報(第4-7頁)
ところで、圧力パッドを用いてエンドレスベルトを定着ロールに圧接させる方式の定着装置においては、定着ロールは、中央部から両端部にかけて外径を大きくした所謂逆クラウン形状に形成されている。このように構成することによって、定着ロールの表面速度は中央部よりも両端部に向けて速くなり、ニップ部を通過する用紙に対して中央部から両端部に向かう幅方向の引張力を作用させて、用紙における紙しわの発生を抑制している。その際には、エンドレスベルトは、定着ロールと圧力パッドとの間の押圧力により用紙に押し付けられ、用紙との摩擦力によって用紙の移動に合わせて従動している。
しかしながら、用紙が中央部から両端部にかけて異なる速度で移動するのに対し、エンドレスベルトは全幅において等速で移動するため、用紙とエンドレスベルトとの間に速度差が生じる領域が存在していた。そのために、用紙とエンドレスベルトとの間に部分的にスリップが生じて、それが用紙に対する摺擦抵抗となって幅方向の引張力を減少させ、紙しわを発生させ、さらには画像ずれ等の画像不良の原因となる可能性があった。
そこで本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、紙しわや画像ずれ等の発生を抑えて高品質な画像を形成する定着装置を提供することにある。
かかる目的のもと、本発明の定着装置は、記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、回動可能な回動部材と、回動部材に接触しながら移動可能なエンドレスベルトと、エンドレスベルトの内側に配置され、エンドレスベルトを回動部材に圧接させて回動部材とエンドレスベルトとの間に記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材とを備えており、エンドレスベルトは、周長が中央部よりも両端部で大きく形成されたことを特徴としている。
ここで、エンドレスベルトは、両端部における周長が同じ大きさに構成することができる。また、エンドレスベルトは、両端部における周長がそれぞれ異なる大きさに構成することもできる。
さらに、エンドレスベルトは、いずれかの端部における半径をr、中央部における半径をrとして、0.2≦100・(r−r)/r≦ 2.0、なる関係を満たすことを特徴とすることもできる。なお、ここでのエンドレスベルトの半径r、rとは、エンドレスベルトを単体として取り出して原形である円筒形状とした場合における、中心軸に直交する断面での半径をいう。
一方、回動部材は、直径が中央部よりも両端部で大きく形成されたロールで構成されたことを特徴とすることができる。また、圧力部材は、回動部材に対して中央部よりも両端部で強く圧接することを特徴とすることもできる。
さらに、本発明を画像形成装置として捉え、本発明の画像形成装置は、トナー像を形成するトナー像形成手段と、トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、記録材上に転写されたトナー像を記録材に定着する定着手段とを含み、定着手段は、回動可能な回動部材と、回動部材に接触しながら移動可能であり、周長が中央部よりも両端部で大きく形成されたエンドレスベルトと、エンドレスベルトの内側に配置され、エンドレスベルトを回動部材に圧接させて回動部材とエンドレスベルトとの間に記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材とを備えたことを特徴としている。
本発明の効果として、定着装置を備えた画像形成装置において、紙しわや画像ずれ等の発生を抑えて高品質な画像を形成することが可能となった。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態1]
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
本実施の形態において、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、これらの感光体ドラム11を帯電する帯電器12、感光体ドラム11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16、感光体ドラム11上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ17、などの電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の無端ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は106〜1014Ωcmとなるように形成されており、その厚みは例えば0.1mm程度に構成されている。中間転写ベルト15は、各種ロールによって図1に示すB方向に所定の速度で循環駆動(回動)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を回動させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34を有している。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。一次転写ロール16は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5〜108.5Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に圧接配置され、さらに一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される二次転写ロール22と、バックアップロール25とによって構成される。バックアップロール25は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRとのブレンドゴムのチューブ、内部がEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が10〜1010Ω/□となるように形成され、硬度は例えば70°(アスカーC:高分子計器社製、以下同様。)に設定される。このバックアップロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極をなし、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が当接配置されている。
一方、二次転写ロール22は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5〜108.5Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、さらに二次転写ロール22は接地されてバックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙P上にトナー像を二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
さらに、本実施の形態の画像形成装置では、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ50、この用紙トレイ50に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51、ピックアップロール51により繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む搬送シュート53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Pを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Pを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図1に示すような画像形成装置では、図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置(IPS)により所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。IPSでは、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C、1Kの各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが当接する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、用紙搬送系では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、用紙トレイ50から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送シュート53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、トナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に担持された未定着トナー像は、二次転写ロール22とバックアップロール25とによって押圧される二次転写部20において、用紙P上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Pを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱および圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙載置部に搬送される。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
次に、本実施の形態の画像形成装置に用いられる定着装置60について説明する。図2は本実施の形態の定着装置60の構成を示す側断面図である。定着装置60は、回動部材の一例としての定着ロール61、エンドレスベルト62、エンドレスベルト62を介して定着ロール61から押圧される圧力部材の一例としての圧力パッド64により主要部が構成されている。
定着ロール61は、金属製のコア(円筒状芯金)611の周囲に耐熱性弾性体層612、および離型層613を積層して構成されたものである。
定着ロール61の内部には、発熱源としてのハロゲンヒータ66が配設されている。一方、定着ロール61の表面には温度センサ69が接触して配置されている。画像形成装置の制御部40は、この温度センサ69による温度計測値に基づいてハロゲンヒータ66の点灯を制御し、定着ロール61の表面温度が所定の設定温度(例えば、170℃)を維持するように調整している。
エンドレスベルト62は、圧力パッド64とベルト走行ガイド63とによって回動自在に支持されている。そして、ニップ部Nにおいて定着ロール61に対して圧接させて配置されている。
圧力パッド64は、エンドレスベルト62の内側において、エンドレスベルト62を介して定着ロール61に押圧される状態で配置され、定着ロール61との間でニップ部Nを形成している。圧力パッド64は、幅の広いニップ部Nを確保するためのプレニップ部材64aをニップ部Nの入口側に配置し、定着ロール61に歪みを与えるための剥離ニップ部材64bをニップ部Nの出口側に配置している。さらに、エンドレスベルト62の内周面と圧力パッド64との摺動抵抗を小さくするために、プレニップ部材64aおよび剥離ニップ部材64bのエンドレスベルト62と接する面に低摩擦シート68が設けられている。そして、圧力パッド64と低摩擦シート68とは、金属製のホルダ65に保持されている。
さらに、ホルダ65には、ベルト走行ガイド63が取り付けられ、エンドレスベルト62がスムーズに回動することができるように構成されている。すなわち、ベルト走行ガイド63は、エンドレスベルト62内周面と摺擦するため、静止摩擦係数の小さな材質で形成されている。また、ベルト走行ガイド63は、エンドレスベルト62から熱を奪い難いように熱伝導率の低い材質で形成されている。
定着ロール61は、図示しない駆動モータにより矢印C方向に回転し、この回転によりエンドレスベルト62も従動回転する。図1に示した画像形成装置の二次転写部20においてトナー像が静電転写された用紙Pは、定着入口ガイド56によって導かれて、ニップ部Nに搬送される。そして、用紙Pがニップ部Nを通過する際に、用紙P上のトナー像はニップ部Nに作用する圧力と、定着ロール61から供給される熱とによって定着される。本実施の形態の定着装置60では、ほぼ定着ロール61の外周面に倣う凹形状のプレニップ部材64aによりニップ部Nを広く構成することができるため、安定した定着性能を確保することができる。
加えて、本実施の形態の定着装置60では、定着ロール61の外周面に対し突出させて剥離ニップ部材64bを配置することにより、ニップ部Nの出口領域(剥離ニップ部)において定着ロール61の歪みが局所的に大きくなるように構成することもできる。このように剥離ニップ部材64bを配置すれば、定着後の用紙Pは、剥離ニップ部を通過する際に、局所的に大きく形成された歪みを通過することになるので、定着ロール61に巻き付くことのない用紙Pの剥離を効果的に行うことができる。
特に、定着ロール61の歪みを局所的に大きくすることによって、小さい歪み量で高い剥離性能を得ることが可能となる。そのため、定着ロール61の離型層613として、薄膜の耐熱性樹脂を用いた場合においても、用紙Pにおける紙しわの発生を抑制できる。また、耐熱性弾性体層612と離型層613との間の剥がれ等も発生し難く、剥離性能の維持と併せて長期に亘る部品性能の信頼性を向上させることができる。
さらには、定着ロール61の歪み量を小さく形成できるので、定着ロール61の耐熱性弾性体層612を薄肉化することができる。そのため、定着ロール61の熱容量を小さく構成できるので、ウォームアップタイムを短くするとともに、消費電力の低減を図ることもできる。また、熱伝導率の低い耐熱性弾性体層612を薄肉化できるため、定着ロール61の内面と外面との間の熱抵抗が小さくなって熱応答性の向上を図れるため、画像形成装置の高速化にも適している。
なお、剥離の補助手段として、定着ロール61のニップ部Nの下流側に、剥離部材70を配設することも可能である。剥離部材70は、剥離バッフル71が定着ロール61の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に定着ロール61と近接する状態でホルダ72によって保持されている。
次に、定着装置60を構成する各部材について詳細に述べる。まず定着ロール61では、コア611は、鉄、アルミニウム、SUS等の熱伝導率の高い金属製の円筒体で構成されている。コア611の外形および肉厚は、本実施の形態の定着装置60では、圧力パッド64の押圧力が小さいため、小径化、薄肉化を図ることができる。
耐熱性弾性体層612としては、耐熱性の高い弾性体であればどのような材料を用いることも可能である。特に、ゴム硬度が25〜40°(JIS−A)程度のゴム、エラストマ等の弾性体を用いるのが好ましく、具体的には、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を挙げることができる。
離型層613は、耐熱性の樹脂であればどのような樹脂を用いてもよく、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂等を用いることができるが、離型層613のトナーに対する離型性や耐摩耗性の観点から、フッ素樹脂が適している。フッ素樹脂としては、PFA、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体)等が使用できる。離型層613の厚みとしては、好ましくは5〜30μm、より好ましくは10〜20μmである。離型層613の厚みが5μm未満であると、定着ロール61の歪みに基づき用紙Pにしわが生じ易くなり、一方、30μmを超えると、離型層613が硬くなり、画像に光沢むら等の欠陥が生じる可能性が増え、ともに好ましくないからである。
エンドレスベルト62は、原形が円筒形状に形成された無端ベルトであり、ベース層と、このベース層の定着ロール61側の面または両面に被覆された離型層とから構成されている。ベース層は、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等のポリマーやSUS、ニッケル、銅等の金属により形成され、その厚みは、30〜200μm、好ましくは50〜125μm、より好ましくは75〜100μm程度である。ベース層の表面に被覆される離型層としては、フッ素樹脂、例えばPFA、PTFE、FEPで形成され、その厚みは5〜100μm、好ましくは10〜30μm程度である。
圧力パッド64は、上述したように、プレニップ部材64a、剥離ニップ部材64bで構成され、ホルダ65に支持されている。プレニップ部材64aには、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体や板バネ等を用いることができ、定着ロール61側の面は、ほぼ定着ロール61の外周面に倣う凹形状で形成されている。
剥離ニップ部材64bは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂、または鉄、アルミニウム、SUS等の金属で形成されている。剥離ニップ部材64bの形状としては、ニップ部Nにおける外面形状が一定の曲率半径を有する凸曲面状に形成される。
低摩擦シート68は、エンドレスベルト62内周面と圧力パッド64との摺動抵抗(摩擦抵抗)を低減するために設けられ、摩擦係数が小さく、耐摩耗性・耐熱性に優れた材質が適している。具体的には、シンタード成型したPTFE樹脂シート、テフロン(登録商標)を含浸させたガラス繊維シート等を用いることができる。なお、低摩擦シート68は、プレニップ部材64aや剥離ニップ部材64bと別体に構成しても、プレニップ部材64aや剥離ニップ部材64bと一体的に構成しても、いずれでもよい。
また、ベルト走行ガイド63は、上述したように、エンドレスベルト62の内周面と摺擦するため、摩擦係数が低く、かつ、エンドレスベルト62から熱を奪い難いように熱伝導率が低い材質が適しており、PFAやPPS等の耐熱性樹脂が用いられる。
ベルト走行ガイド63には、定着装置60の長手方向に亘って、潤滑剤塗布部材67が配設されている。潤滑剤塗布部材67は、エンドレスベルト62内周面に対して接触するように配置され、アミン変性シリコーンオイル等の潤滑剤を適量供給する。これにより、エンドレスベルト62と低摩擦シート68との摺動部に潤滑剤を供給し、低摩擦シート68を介したエンドレスベルト62と圧力パッド64との摺動抵抗をさらに低減して、エンドレスベルト62の円滑な回動を図っている。
ここで、本実施の形態の定着装置60においては、定着ロール61は、両端部の周長(以下、外径ともいう。)が中央部の外径よりも大きい所謂逆クラウン形状(フレア形状)に形成されるとともに、エンドレスベルト62も、両端部の外径が中央部の外径よりも大きいフレア形状に形成されている。このように構成することによって、用紙Pがニップ部Nを通過するに際して、定着ロール61の表面速度、用紙Pの移動速度およびエンドレスベルト62の表面速度を幅方向のそれぞれの位置において略同じ速度に設定することができる。その結果、用紙Pにおける紙しわの発生や、画像ずれ等の画像不良の発生を抑制することが可能となる。
上述したように、トナー像が静電転写された用紙Pが定着装置60のニップ部Nを通過することにより、トナー像が用紙Pに定着されるが、用紙Pがニップ部Nを通過する際の搬送力は、駆動側の定着ロール61から受けている。すなわち、用紙Pは、定着ロール61の回転に伴い、定着ロール61から摩擦力を受けることによって搬送されている。
一方、ニップ部Nに用紙Pが搬送されていない状態では、従動側のエンドレスベルト62も定着ロール61の回転に伴って定着ロール61から摩擦力を受けることによって回動しているが、ニップ部Nに用紙Pが搬送されて用紙Pがニップ部Nに挟持されている状態では、エンドレスベルト62は用紙Pを介して定着ロール61から搬送力を受けている。したがって、用紙P側から捉えると、用紙Pがニップ部Nを通過する際には、用紙Pには定着ロール61からの搬送力を受けるとともに、エンドレスベルト62側から搬送方向とは逆方向の力(逆搬送力)が作用することとなる。
ところで、エンドレスベルト62は、ニップ部Nにおいて圧力パッド64が押圧されているために、圧力パッド64からは回動方向とは逆の方向の力が摺動抵抗として作用している。そのため、上述したように、エンドレスベルト62と圧力パッド64との間には低摩擦シート68を介在させるとともに、潤滑剤塗布部材67からエンドレスベルト62の内周面に潤滑剤を塗布して、エンドレスベルト62と圧力パッド64との摺動抵抗を極力低減するように構成している。
これによって、エンドレスベルト62が圧力パッド64から受ける摺動抵抗は極めて小さく設定することができるので、エンドレスベルト62は円滑に回動することが可能となり、エンドレスベルト62を用紙Pと等速で回動させることができる。すなわち、用紙Pがエンドレスベルト62から受ける逆搬送力は、エンドレスベルト62を介した圧力パッド64からの摺動抵抗であって、これが無視できる程度に小さいことから、用紙Pは定着ロール61の表面速度と等速に搬送される。
一方、定着ロール61では、外径を中央部から両端部にかけて大きく形成した逆クラウン形状(フレア形状)に構成して、定着ロール61の表面速度が中央部から両端部にかけて大きくなるように設定している。これによって、ニップ部Nにおいては、用紙Pには中央部から両端部に向かって幅方向に引張力が作用することとなり、用紙Pにおける紙しわの発生を抑制している。
しかしながら、その際に、エンドレスベルト62が幅方向の全領域に亘って同じ表面速度で移動するとすれば、エンドレスベルト62は、中央部においては用紙Pの移動速度よりも速く回動し、両端部では用紙Pの移動速度よりも遅く回動することになる。このように、エンドレスベルト62が軸方向に亘って均一の表面速度で回動する場合には、中央部および両端部のいずれにおいても、用紙Pとエンドレスベルト62との間に速度差が生じることとなり、用紙Pに対してエンドレスベルト62による逆搬送力が作用することとなる。特に、両端部に向かう領域ほど、用紙Pに対するエンドレスベルト62の相対速度が遅くなるので、用紙Pがエンドレスベルト62から受ける逆搬送力は大きくなり、用紙Pが定着ロール61の移動に追随できなくなる。そのため、用紙Pに対する中央部から両端部に向かう幅方向の力が弱くなり、紙しわを生じさせたり、さらには画像ずれを生じさせることとなる。
そこで、本実施の形態の定着装置60では、定着ロール61において両端部の外径が中央部の外径よりも大きいフレア形状に形成するのに対応させて、エンドレスベルト62についても、両端部の外径が中央部の外径よりも大きいフレア形状に形成している。このように構成することによって、用紙Pがニップ部Nを通過するに際して、定着ロール61に従動する用紙Pの移動速度が中央部から両端部にかけて大きくなるのに伴って、エンドレスベルト62の表面速度も中央部から両端部にかけて大きくなるように回動させることができる。そのため、用紙Pにおける紙しわの発生や、画像ずれ等の画像不良の発生を抑制することが可能となる。
図3は、定着ロール61とエンドレスベルト62とを両端部の外径が中央部の外径よりも大きいフレア形状に形成した場合において、それぞれの表面速度および用紙Pの移動速度を説明する図である。図3では、理解を容易にするため、定着ロール61とエンドレスベルト62におけるフレア形状を強調して表現している。
図3に示したように、定着ロール61はフレア形状に形成されているため、定着ロール61の表面速度は、中央部が相対的に遅く、両端部で相対的に速い。用紙Pは定着ロール61に従動するため、用紙Pがニップ部Nを通過するに際しては、用紙Pの移動速度も中央部が相対的に遅く、両端部で相対的に速い状態となる。そして、本実施の形態の定着装置60では、エンドレスベルト62についてもフレア形状に形成しているので、エンドレスベルト62の表面速度も中央部が相対的に遅く、両端部で相対的に速く回動することができ、用紙Pの移動速度が中央部で相対的に遅く、両端部で相対的に速い状態に対応させることが可能となる。そのため、用紙Pの中央部から両端部に亘る全領域において、エンドレスベルト62の表面速度を用紙Pの移動速度と略同一に回動させることができる。
特に、エンドレスベルト62のフレア形状を定着ロール61のフレア形状に合致するように形成することによって、用紙Pの中央部から両端部に亘る全領域において、エンドレスベルト62の表面速度を用紙Pの移動速度に精度良く一致させることが可能となる。
このように構成することで、中央部から両端部に亘る全領域において、エンドレスベルト62は用紙Pに対して殆ど相対速度差を生じることがないので、用紙Pがエンドレスベルト62から逆搬送力(摺擦抵抗)を受けることがない。そのため、用紙Pは、幅方向の全領域において定着ロール61の表面速度と同一の速度で移動することができ、中央部から両端部にかけて大きくなるように設定された定着ロール61の表面速度に倣って移動することが可能となる。これによって、用紙Pには中央部から両端部に向かって幅方向に充分な引張力を作用させることができ、用紙Pにおける紙しわの発生を抑制することが可能となる。それに加えて、用紙P上に画像ずれが生じることも抑制できる。
これに対して、比較例として示した図4の構成のように、従来の定着装置におけるエンドレスベルトでは、軸方向に亘って外径が均一な所謂ストレート形状であったので、従来のエンドレスベルトの表面速度は軸方向のいずれの部分においても同一となる。一方、定着ロール61は、紙しわを抑制するために、用紙Pに対し中央部から両端部に向かって幅方向に引張力を作用させる必要から、外径を中央部から両端部にかけて大きく形成したフレア形状に構成しているため、定着ロール61の表面速度は中央部から両端部にかけて大きい。そのため、ニップ部Nにおいては、従来のエンドレスベルトは、定着ロール61の軸方向に亘って異なった表面速度が平均化された一定の速度で回動することとなり、中央部においては用紙Pの移動速度よりも相対的に速く回動し、両端部では用紙Pの移動速度よりも相対的に遅く回動することになる。
かかる従来のエンドレスベルトのように、従動側のエンドレスベルトが軸方向に亘って均一に回動する場合には、中央部および両端部のいずれにおいても、用紙Pとエンドレスベルトとの間に速度差が生じ、特に、両端部に向かう領域ほど用紙Pに対するエンドレスベルト62の相対速度が遅くなって、用紙Pに加わる摺動抵抗が大きくなる。そのため、定着ロール61をフレア形状として用紙Pの表面速度が中央部から両端部にかけて大きくなるように設定しても、ニップ部Nにおいて、用紙Pに中央部から両端部に向かう幅方向の引張力を安定的に作用させることが難しい。このようなことから、特にA3サイズのような大サイズ紙において、紙しわが発生し易かった。
本実施の形態の定着装置60では、この点を改良し、定着ロール61において両端部の外径が中央部の外径よりも大きいフレア形状に形成するのに対応させて、エンドレスベルト62についても、両端部の外径が中央部の外径よりも大きいフレア形状に形成することで、用紙Pにおける紙しわの発生や、画像ずれ等の画像不良の発生を抑制することが可能となる。
ところで、紙しわ等を抑制するために、用紙Pに対し中央部から両端部に向かって幅方向に引張力を作用させる方法として、定着ロール61については、外径が軸方向に均一なストレート形状に構成するとともに、圧力パッド64の押圧力を中央部から両端部にかけて高く設定した構成を採ることも可能である。その際にも、エンドレスベルト62を両端部の外径が中央部の外径よりも大きいフレア形状に形成することによって、用紙Pに中央部から両端部に向かう幅方向の引張力を安定的に作用させることが可能となる。
すなわち、定着ロール61は圧力パッド64によって押圧されることで、定着ロール61の耐熱性弾性体層612(図2参照)は中央部から両端部にかけて徐々に大きく変形した状態となる。用紙Pは定着ロール61の表面形状に倣って移動するため、用紙Pは定着ロール61からエンドレスベルト62に向けて凹状に湾曲した形状で移動することとなる。そのため、用紙Pは両端部ほど相対的に移動速度が大きくなる。したがって、上述した定着ロール61をフレア形状とした場合と同様に、エンドレスベルト62を両端部の外径が中央部の外径よりも大きいフレア形状に形成することで、両端部ほど相対的に移動速度が大きい用紙Pに対応させて、エンドレスベルト62を両端部において相対的に速く回動させることができる。そのため、用紙Pの中央部から両端部に亘る全領域において、エンドレスベルト62の表面速度を用紙Pの移動速度と略同一に回動させることができるので、用紙Pには中央部から両端部に向かって幅方向に充分な引張力を作用させることができ、用紙Pにおける紙しわの発生を抑制することが可能となる。それに加えて、用紙P上に画像ずれが生じることも抑制できる。
また、エンドレスベルト62のフレア形状は、中央部に対して非対称に形成することもできる。具体的には、図5に示したように、エンドレスベルト62の中央部の周長をφ、一方の端部の周長をφ、他方の端部の周長をφとして、φ<φ<φとなるようにエンドレスベルト62を形成することもできる。このように形成することによって、エンドレスベルト62の表面速度を周長φの端部側の方が周長φの端部側よりも大きくすることができるので、用紙Pの移動速度も周長φの端部側の方が周長φの端部側よりも大きくすることが可能となる。そのため、用紙Pが定着装置60に対して、斜めに搬送されてきた場合においても、周長φの端部側から周長φの端部側へ向きを変えることができるので、用紙Pの移動方向を矯正することも可能となる。
次に、エンドレスベルト62のフレア形状比と紙しわの発生頻度との関係について述べる。図6は、エンドレスベルト62としてフレア形状比が異なったものを用いた場合における、紙しわの発生頻度を評価した結果を示した図である。ここで、フレア形状比とは、エンドレスベルト62の端部における半径をr、エンドレスベルト62の中央部における半径をrとし、r−r=f(フレア量)として、f/r×100(%)として表した値である。また、ここでのエンドレスベルト62の半径とは、エンドレスベルト62を単体として取り出して原形である円筒形状とした場合における、中心軸に直交する断面での半径をいう。
この実験では、定着ロール61には、アルミニウム製のコア611に、0.6mm厚のシリコーンゴムの耐熱性弾性体層612と、0.03mm厚のPFA樹脂の離型層613を被覆した外径26mmのものを用い、定着ロール61の表面温度は170℃に設定した。また、エンドレスベルト62には、ベース層として外径40mm、厚さ0.075mmのポリイミド樹脂を用い、定着ロール61側に0.01mmのPFA樹脂からなる離型層613を被覆したものを用いた。さらに、圧力パッド64は、シリコーンゴムからなるプレニップ部材64aと、アルミニウムからなる剥離ニップ部材64bと、エンドレスベルト62側の摺擦面側をシンタード成型したPTFE樹脂で被覆した低摩擦シート68とで構成されたものを用いた。そして、定着装置60をプロセススピード140mm/sに設定した。
図6に示したように、フレア形状比が0.2(%)以下では、A3サイズのような大サイズ紙において、30枚中1枚の程度で紙しわが発生する「不良」であるのに対し、フレア形状比が0.204(%)では、A3サイズにおいて、100枚中1枚程度に改善され、フレア形状比がそれ以上では、100枚中殆ど紙しわの発生は認められない「良好」な状態を得ることができる。
一方、フレア形状比が2.0(%)以上においても、A3サイズのような大サイズ紙において、30枚中1枚の程度で紙しわが発生する「不良」となる。これは、フレア形状比が2.0(%)以上では、エンドレスベルト62のフレア量が大きすぎるために、ニップ部Nにおいてエンドレスベルト62に撓みが生じ、用紙Pに対するエンドレスベルト62の密着性が悪化して、用紙Pに不均一な摺動抵抗が生じるためと考えられる。
したがって、エンドレスベルト62のフレア形状比としては、0.2〜2.0(%)に設定するのが好ましい。
以上説明したように、用紙Pに対し中央部から両端部に向かって幅方向に引張力を作用させるのに対応させて、エンドレスベルト62を両端部の外径が中央部の外径よりも大きいフレア形状に形成することによって、用紙Pがニップ部Nを通過するに際して、定着ロール61の表面速度、用紙Pの移動速度およびエンドレスベルト62の表面速度を幅方向のそれぞれの位置において略同じ速度に設定することができる。そのため、中央部から両端部に亘る全領域において、エンドレスベルト62は用紙Pに対して殆ど相対速度差を生じることがなく従動することができる。これによって、用紙Pは、エンドレスベルト62から逆搬送力(摺擦抵抗)を殆ど受けることがなく、幅方向の全領域において中央部から両端部にかけて大きくなるように設定された定着ロール61の表面速度に倣って移動することが可能となる。その結果、用紙Pには中央部から両端部に向かって幅方向に充分な引張力を作用させることができ、用紙Pにおける紙しわの発生や、画像ずれ等の画像不良の発生を抑制することが可能となる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、加熱手段として発熱源を有する定着ロール61を用い、加圧手段として圧力パッド64が押圧されたエンドレスベルト62を用いた定着装置60が搭載された画像形成装置について説明した。実施の形態2では、図1に示した画像形成装置に搭載する定着装置であって、加熱手段として発熱源が押圧された定着ベルトを用い、加圧手段として加圧ロールを用いた定着装置について説明する。尚、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
図7は、本実施の形態における定着装置90の構成を示す側断面図である。図7に示すように、本実施の形態の定着装置90では、定着ベルト92が用紙Pのトナー像担持面側に配置されている。定着ベルト92の内側に発熱源の一例としての抵抗発熱体であるセラミックヒータ82が配設され、セラミックヒータ82からニップ部Nに熱を供給するように構成している。
セラミックヒータ82は、加圧ロール91側の面がほぼフラットに形成されている。そして、定着ベルト92を介して加圧ロール91に押圧される状態で配置され、ニップ部Nを形成している。したがって、セラミックヒータ82は圧力部材としても機能している。ニップ部Nを通過した用紙Pは、ニップ部Nの出口領域(剥離ニップ部)において定着ベルト92の曲率の変化によって定着ベルト92から剥離される。
さらに、定着ベルト92内周面とセラミックヒータ82との間には、定着ベルト92の内周面とセラミックヒータ82との摺動抵抗を小さくするため、摺擦部材の一例としての低摩擦シート68が配設されている。この低摩擦シート68は、セラミックヒータ82と別体に構成しても、セラミックヒータ82と一体的に構成しても、いずれでもよい。
一方、加圧ロール91は定着ベルト92に対向するように配置され、図示しない駆動モータにより矢印D方向に回転し、この回転により定着ベルト92が従動回転するように構成されている。加圧ロール91は、コア (円柱状芯金)911と、コア911の外周面に被覆した耐熱性弾性体層912と、さらに耐熱性樹脂被覆または耐熱性ゴム被覆による離型層913とが積層されて構成されている。また、本実施の形態の定着装置90では、定着ベルト92は、原形が円筒形状に形成された無端ベルトであり、ベース層と、このベース層の加圧ロール91側の面または両面に被覆された離型層とから構成されている。
また、剥離の補助手段として、定着ベルト92のニップ部Nの下流側に、剥離部材70を配設することも可能である。剥離部材70は、剥離バッフル71が定着ベルト92の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に定着ベルト92と近接する状態でホルダ72によって保持されている。
そして、図1に示した画像形成装置の二次転写部20においてトナー像が静電転写された用紙Pは、定着入口ガイド56によって定着装置90のニップ部Nに導かれる。用紙Pがニップ部Nを通過する際には、用紙P上のトナー像は、ニップ部Nに作用する圧力と、定着ベルト92側のセラミックヒータ82から供給される熱とによって定着される。本実施の形態の定着装置90でも、加圧ロール91とセラミックヒータ82との間でニップ部Nを広く構成することができるため、安定した定着性能を確保することができる。
ここで、本実施の形態の定着装置90においては、加圧ロール91は、両端部の外径が中央部の外径よりも大きい逆クラウン形状(フレア形状)に形成されるとともに、定着ベルト92も、両端部の外径が中央部の外径よりも大きいフレア形状に形成されている。このように構成することによって、用紙Pがニップ部Nを通過するに際して、加圧ロール91の表面速度、用紙Pの移動速度および定着ベルト92の表面速度を幅方向のそれぞれの位置において略同じ速度に設定することができる。
そのため、本実施の形態の定着装置90でも、中央部から両端部に亘る全領域において、定着ベルト92は用紙Pに対して殆ど相対速度差を生じることがないので、用紙Pは、定着ベルト92から逆搬送力(摺擦抵抗)を受けることがなく、幅方向の全領域において中央部から両端部にかけて大きくなるように設定された加圧ロール91の表面速度に倣って移動することが可能となる。その結果、用紙Pには中央部から両端部に向かって幅方向に充分な引張力を作用させることができ、用紙Pにおける紙しわの発生や、画像ずれ等の画像不良の発生を抑制することが可能となる。
本発明の活用例として、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置への適用、例えば記録紙(用紙)上に担持された未定着トナー像を定着する定着装置への適用がある。また、インクジェト方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置への適用、例えば記録紙(用紙)上に担持された未乾燥インク像を乾燥する定着装置への適用がある。
本発明の画像形成装置を示した概略構成図である。 実施の形態1に係る定着装置の構成を示す側断面図である。 定着ロールとエンドレスベルトの表面速度および用紙の移動速度を説明する図である。 定着ロールと従来のエンドレスベルトの表面速度および用紙の移動速度を説明する図である。 フレア形状を非対称に形成したエンドレスベルトを説明する図である。 エンドレスベルトのフレア形状比に対する紙しわの発生頻度を評価した結果を示した図である。 実施の形態2に係る定着装置の構成を示す側断面図である。 従来の定着装置の構成を示す側断面図である。
符号の説明
1Y,1M,1C,1K…画像形成ユニット、11…感光体ドラム、12…帯電器、13…レーザ露光器、14…現像器、15…中間転写ベルト、16…一次転写ロール、17…ドラムクリーナ、20…二次転写部、60,90…定着装置、61…定着ロール、62…エンドレスベルト、63…ベルト走行ガイド、64…圧力パッド、64a…プレニップ部材、64b…剥離ニップ部材、65…ホルダ、66…ハロゲンヒータ、67…潤滑剤塗布部材、68…低摩擦シート、69…温度センサ、70…剥離部材、82…セラミックヒータ、91…加圧ロール、92…定着ベルト

Claims (7)

  1. 記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、
    回動可能な回動部材と、
    前記回動部材に接触しながら移動可能なエンドレスベルトと、
    前記エンドレスベルトの内側に配置され、当該エンドレスベルトを前記回動部材に圧接させて当該回動部材と当該エンドレスベルトとの間に記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材とを備え、
    前記エンドレスベルトは、周長が中央部よりも両端部で大きく形成されたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記エンドレスベルトは、両端部における周長が同じ大きさであることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記エンドレスベルトは、両端部における周長がそれぞれ異なる大きさであることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  4. 前記エンドレスベルトは、いずれかの端部における半径をr、中央部における半径をrとして、
    0.2≦100・(r−r)/r≦ 2.0
    なる関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  5. 前記回動部材は、直径が中央部よりも両端部で大きく形成されたロールで構成されたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  6. 前記圧力部材は、前記回動部材に対して中央部よりも両端部で強く圧接することを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  7. トナー像を形成するトナー像形成手段と、
    前記トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、
    前記記録材上に転写されたトナー像を当該記録材に定着する定着手段とを含み、
    前記定着手段は、
    回動可能な回動部材と、
    前記回動部材に接触しながら移動可能であり、周長が中央部よりも両端部で大きく形成されたエンドレスベルトと、
    前記エンドレスベルトの内側に配置され、当該エンドレスベルトを前記回動部材に圧接させて当該回動部材と当該エンドレスベルトとの間に記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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