JP2004085854A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】導電基体51a上に弾性層51bおよび表面離型層51cを設けた熱定着手段51と、熱定着手段51に圧接する加圧手段52の表面を導電離型層52cとし、熱定着手段61もしくは加圧手段52にバイアス59を印加してニップ部NでトナーTを記録材19上に押し付ける向きの電位差を形成するようにした定着装置13において、記録材19の種類や印字条件によらずニップ部Nにおける電位差を安定させることで、記録材19の巻き付きやジャム、あるいは画像不良の発生をなくす。
【解決手段】熱定着手段51の導電基体51aから離型層51cの表面までの厚みが0.3mmより大きく1mmより小さい範囲であり、かつ、印加電圧1kVにおける導電基体51aから離型層51cの表面までの体積固有抵抗率が1×1015Ω・cm以上であること。
【選択図】図2
【解決手段】熱定着手段51の導電基体51aから離型層51cの表面までの厚みが0.3mmより大きく1mmより小さい範囲であり、かつ、印加電圧1kVにおける導電基体51aから離型層51cの表面までの体積固有抵抗率が1×1015Ω・cm以上であること。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録材(記録媒体)上の未定着トナー画像を定着させる定着装置、および該定着装置を有する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、記録材上に画像を形成する画像形成方法として転写タイプの電子写真方式が広く用いられている。
【0003】
その一般的な方法は、光導電性物質を利用した感光体上に、帯電、露光を行って電気的潜像を形成し、この潜像を着色されたトナーで現像し、紙などの記録材上に転写したあと、記録材ごと加熱、加圧してトナーを記録材上に溶融固着させて定着画像を得るものである。そして、感光体上の残留トナーをクリーニングし、上述の工程を繰り返すものである。
【0004】
このような画像形成方法または装置に使われる定着装置としては、内部に加熱源を有するローラやフィルム形状の熱定着手段と、この熱定着手段に加圧接触してニップ部(定着ニップ部)を形成し、記録材を搬送する加圧手段たる弾性ローラとの対が使用される。
【0005】
従来、定着装置におけるオフセット問題を解決する手段として、熱定着手段の表面へシリコーンオイルなどの離型剤をウエブ、パッド等により塗布したり、あるいは、オフセットしたトナーをクリーニング部材へ回収する手法がとられていた。
【0006】
しかし最近は、熱定着手段、加圧手段たる弾性ローラのどちらか一方または双方にバイアスを印加し、記録材から熱定着手段上へのトナーオフセットを防止する構成が普及している。
【0007】
すなわち、前記画像形成工程において、トナー転写後の記録材はトナーと逆極性の電荷を帯びており、トナーはその静電気力によって記録材上に保持されている。定着装置においてオフセットを防止するためには、記録材が保持する電荷を維持したまま、定着ニップ部に記録材を搬送する必要がある。
【0008】
また、記録材の搬送スピードが比較的速い画像形成装置では、定着ニップ部で記録材から発生する水蒸気により、未定着トナー画像が搬送方向後方に飛び散る「後方飛び散り」が発生する。
【0009】
そのため、トナーの熱定着手段へのオフセットや、上記「後方飛び散り」を防止するには、定着ニップ部においてトナーを記録材に押し付ける向きに電位差を発生させることが有効な手段となるのである。その結果、クリーニング部材が不要になり、定着装置の小型、低コスト化が図れる上、ユーザーがクリーニング部材を定期的に交換するといった手間も省けるようになる。
【0010】
定着ニップ部で電位差を形成する方法としては、例えば次のようなものがある。
【0011】
▲1▼.熱定着手段として、金属パイプ上にプライマ−を介して薄層の離型層を設けた熱ローラと、加圧手段として、芯金上にゴム弾性層と、その上に導電離型層を設けた弾性ローラを用いる場合、熱ローラの金属パイプを接地し、弾性ローラ側の導電離型層にトナーと逆極性のバイアスを印加する方式である。
【0012】
▲2▼.あるいは、熱ローラの金属パイプにトナーと同極性のバイアスを印加し、加圧手段の導電離型層にブラシ等を当接させ、トナーと同極性の電荷のみが流れるようにダイオードを接続したものである。
【0013】
このように、加圧手段側の表面を低抵抗化することにより、加圧手段表面に記録材との摩擦帯電による電荷が残らず所望の電位とすることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、熱定着手段として、導電性基体上にプライマを介して厚み50μm以下の離型層を被覆したものは、加圧手段側から高電圧(500V以上)を印加するとバイアスリークを起こし、画像が乱れるだけでなく、画像形成装置本体の故障の原因となる。したがって、高速化に対応させるために高電圧を印加することができなかった。
【0015】
そこで、バイアスリークを防止するために、熱定着手段の導電性基体上に弾性ゴム層、さらにその上に離型層を形成して絶縁性を高める方法がある。
【0016】
しかし、絶縁性を高めるためにゴム層の厚みを厚くすると、熱定着手段の静電容量が小さくなり、後で詳述するように、記録材による摩擦電荷が蓄積しやすくなる。すなわち、定着ニップ部における熱定着手段と加圧手段表面の電位差が大きくなる。その結果、記録材が熱定着手段表面に静電吸着され、巻き付きやジャムが発生しやすくなる。
【0017】
また、弾性ゴムとして使われるシリコーンゴムや、フッ素ゴムは熱伝導が悪いため、通常、熱伝導剤をゴムに添加し、ゴムの熱伝導率を高めたものが使用される。
【0018】
熱伝導剤としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物を単体、もしくは組み合わせて調合したものが多い。
【0019】
ところが、熱伝導率を高めるためにこれら熱伝導剤を添加量を増やすと、高電圧下におけるゴムの体積抵抗率が低下する。これは、金属酸化物が電圧依存性を持ち、電圧を印加すると抵抗値が低下するためである。
【0020】
このように熱定着手段の体積抵抗率が低下すると、記録材の印字条件によっては、熱定着手段表面が加圧手段としての弾性ローラ側から給電されるバイアスと同極性の電荷を帯びてしまう。すなわち、定着ニップ部における熱定着手段と加圧手段表面の電位差が小さくなる。その結果、定着ニップ部においてトナーを記録材上に押し付ける力が弱まり、「後方飛び散り」が発生する。
【0021】
以上のように、高速化に対応させるために熱定着手段として導電性基体上に弾性ゴム層、さらにその上に離型層を形成するようにした場合、定着ニップ部における電位差が安定せず、記録材の巻き付きやジャム、あるいは「後方飛び散り」という画像不良が発生してしまうことがあった。
【0022】
本発明は上記のような問題点を解消すること、すなわち導電基体上に弾性層および表面離型層を設けた熱定着手段と、熱定着手段に圧接する加圧手段の表面を導電離型層とし、熱定着手段もしくは加圧手段にバイアスを印加してニップ部でトナーを記録材上に押し付ける向きの電位差を形成するようにした定着装置において、記録材の種類や印字条件によらずニップ部における電位差を安定させることで、記録材の巻き付きやジャム、あるいは画像不良の発生をなくすことである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする、定着装置および画像形成装置である。
【0024】
(1)導電基体上に弾性層および表面離型層を設けた熱定着手段と、熱定着手段を加熱する加熱手段と、熱定着手段に圧接しニップ部を形成する表面が導電性の加圧手段とを備え、このニップ部に未定着トナー画像を担持した記録材を導入して挟持搬送させることで定着画像を得る定着装置において、
上記熱定着手段と加圧手段の間にはトナーを記録材上に押し付ける向きに電位差が形成されており、
上記熱定着手段の導電基体から離型層表面までの厚みが0.3mmより大きく1mmより小さい範囲であり、
かつ、印加電圧1kVにおける導電基体から離型層表面までの体積固有抵抗率が1×1015Ω・cm以上であることを特徴とする定着装置。
【0025】
(2)トナーを記録材上に押し付ける向きの電位差は、加圧手段にトナーと逆極性のバイアスを印加して形成されることを特徴とする(1)に記載の定着装置。
【0026】
(3)導電基体上の弾性層はシリコーンゴムであり、離型層はフッ素樹脂であることを特徴とする(1)に記載の定着装置。
【0027】
(4)熱定着手段の導電基体が金属ベルトであることを特徴とする(1)乃至(3)の何れかに記載の定着装置。
【0028】
(5)記録材上に未定着トナー画像を形成担持させる作像手段と、記録材上の未定着トナー画像を記録材上に定着させる定着手段を有する画像形成装置であり、定着手段が(1)から(4)の何れか1項に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
【0029】
〈作 用〉
1)すなわち、熱定着手段の導電基体から離型層表面までの厚みが0.3mmより大きく1mmより小さい範囲であり、かつ、印加電圧1kVにおける導電基体から離型層表面までの体積抵抗率が1×1015Ω・cm以上であるように構成した結果、ニップ部に高電圧を印加可能となり画像形成装置の高速化に対応できるようになる。
【0030】
2)とくに、熱定着手段の導電基体から離型層表面までの厚みを300μmより大きく、その体積固有抵抗率(1kV印加時)を1×1015Ω・cm以上となるようにすることで、バイアスリークの発生がなくなると同時に、記録材の種類や印字条件によらず安定した電位差を保つことができるようになる。
【0031】
3)また、熱定着手段の導電基体から離型層表面までの厚みを1mmより小さくすることで、熱定着手段の静電容量を確保できるため、表面が記録材との摩擦によりチャージアップすることを防止できるようになる。その結果、記録材の静電吸着力を増大させることがなくなるため、分離爪等の分離手段によるジャムの発生を軽減できる。
【0032】
さらに、熱定着手段表面の電位を安定化できるので、熱定着手段を小径化し、分離手段を非接触にすることで定着装置の小型・低コスト化を達成できるようになる。
【0033】
4)また、トナーを記録材上に押し付ける向きの電位差は、加圧手段にトナーと逆極性のバイアスを印加して形成される。電圧印加方法をこのようにすると、記録材のトナー保持電荷を加圧手段から供給できるので、必要最低限の電圧を印加するだけでよい。
【0034】
5)導電基体上の弾性層はシリコーンゴムとすることで、熱定着手段の耐熱性ゴムの選択幅が広がる。
【0035】
6)離型層はフッ素樹脂、なかでもPFA樹脂であればチューブ状に加工し易いので、絶縁性が高まる。
【0036】
7)さらに、熱定着手段の導電基体が金属ベルトであるオンデマンド定着装置に本発明を適用すれば、定着装置の小型化、クイックスタート性が向上する上、従来、オンデマンド定着装置で困難であった電位差の形成が安定しておこなえるようになる。
【0037】
【発明の実施の形態】
〈第1の実施例〉
(1)画像形成装置例
図1は画像形成装置例の概略構成模型図である。本例の画像形成装置は転写タイプの電子写真プロセスを使用したレーザービームプリンターであり、熱ローラ定着装置を備え、両面印字機能を有している。
【0038】
1は装置のほぼ中央部に設置された感光ドラムであり、矢印の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)、本例では200mm/sの周速度にて回転駆動される。感光ドラム1はその回転過程においてその表面が一次帯電器29により所定の極性・電位に均一に帯電され、その帯電面に対して露光装置28により像露光がなされることで、感光ドラム1の表面に像露光パターンに対応した静電潜像が形成される。露光装置28はレーザービームスキャナであり、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力して、回転する感光ドラム1の帯電面を走査露光することで、感光ドラム1の表面に像露光パターンに対応した静電潜像を形成する。この静電潜像は、反転現像器30によりネガ帯電トナーでトナー像として反転現像されて可視化される。
【0039】
感光ドラム1での上記の作像に同期してカセット36から記録材(転写材)19が給紙ローラ25により取り出され、搬送ガイド34、搬送ローラ33、搬送ガイド32を経てレジストローラ対31に搬送される。レジストローラ対31は、記録材19が来るまで停止しており、これに記録材19の先端が突き当たることにより、記録材19の斜行を補正する。その後、レジストローラ対31は、感光ドラム1上へ画像を形成し始める書き出し信号に合わせて回転を開始し、記録材19は転写ガイド14を経て感光ドラム1と転写ローラ4で形成される転写ニップへと搬送される。感光ドラム1上に形成されたトナー像は、転写ニップで記録材19上に転写される。
【0040】
転写が終了した記録材19は、小径ドラムによる曲率分離と除電針8による静電分離の作用で、感光ドラム1から分離される。除電針8は、不図示のバイアス電源により転写バイアスの極性と逆の極性の電圧が印加されている。
【0041】
感光ドラム1から分離された記録材19は、搬送ガイド10を経て定着装置13へ搬送され、そこで未定着トナー像が定着されて固定画像となる。
【0042】
ここで、片面印字モードが選択されている場合には、定着装置13を出た記録材19はフラッパ37により搬送ガイド38側へ送られ、排紙ローラ45により排紙トレイ46へ排出される。
【0043】
一方、両面印字モードが選択されているときは、定着装置13を出た一方面側印字・定着済みの記録材19は、フラッパ37により搬送ガイド39側に搬送され、搬送ローラ40(スイッチバックローラ)により一旦、搬送ガイド41方向に搬送された後、搬送ローラ40の逆回転により搬送ガイド42の方向へ搬送される。この工程で記録材19の表裏が反転される。表裏が反転した記録材19は、搬送ローラ43、搬送ガイド44を経て再び転写工程に付され、他方面側に対するトナー画像の転写を受け、定着装置13でそのトナー画像の定着処理を受ける。定着装置13を出た両面印字済みの記録材19は、フラッパ37により上方に搬送され、搬送ガイド38、排紙ローラ45を経て排紙トレイ46に排出される。なお、47は機内を保護、防音する外装である。
【0044】
転写ローラ4は、芯金上にウレタン、EPDM、NBR等のゴムあるいはそれらを発砲させたスポンジ状の弾性層を被覆したローラφ17であり、ローラ硬度40°以下(Asker−C硬度、500g荷重)のものが、転写時の文字中抜け、感光ドラム1の削れを防止する上で使用される。この弾性層にカーボンや金属微粉末を均一に分散し、体積抵抗率106〜109Ω・cmの中抵抗ローラとすることで、比較的高抵抗な記録材であっても良好な静電転写をおこなうことができる。体積抵抗率が106Ω・cmより小さくなると感光ドラム1へ過剰な電流が流れ感光ドラムへダメージを与えてしまい、逆に体積抵抗率が109Ω・cmより大きいと転写に必要な電流が不足して転写不良となる。
【0045】
したがって、転写ローラの抵抗値には前記最適値が存在する。このとき、転写ローラ4には芯金からその抵抗値に応じて、1kV〜6kVの適正な電圧が印加される。
【0046】
(2)定着装置13
図2は定着装置13部分の拡大横断面模型図である。本例における定着装置13は熱ローラ定着装置である。
【0047】
51は熱定着手段としての定着ローラであり、導電基体(芯金)としての鉄、SUS、アルミ等の金属パイプ51a上に、弾性層51bとしてシリコーンゴム、フッ素ゴムを被覆し、さらにその上に離型層51cとしてPFA、FEP、PTFE等のフッ素樹脂層を形成したものである。
【0048】
又、52は加圧手段としての弾性加圧ローラであり、鉄、SUS、アルミ等のムクの芯金52a上に、弾性層52bとしてシリコーンゴム、フッ素ゴム(厚み4mm〜8mm)を被覆し、さらにその上に導電性離型層52cとしてPFA、FEP、PTFE等のフッ素樹脂層(30μm〜100μm)を形成したものである。
【0049】
定着ローラ51は内部に加熱源であるハロゲンヒーター53を備え、ハロゲンヒーター53は定着ローラ表面に当接した温度検出手段であるサーミスタ54の信号に基づいてローラ温度が略一定になるように不図示の制御CPUによりオンオフ制御される。
【0050】
加圧ローラ52は所定の圧力で定着ローラ51に当接して定着ニップ部Nを形成し、定着ローラ51が矢印の時計方向に回転駆動されることにより矢印の反時計方向に従動回転する。
【0051】
この定着ニップ部Nに未定着トナー画像Tを担持した記録材19が導入されて定着ニップ部Nで挟持搬送されていく過程において定着ローラ51の熱と定着ニップ部Nの加圧力とで未定着トナー画像Tが記録材19の面に永久固着画像として定着される。定着ニップ部Nを出た記録材19は分離爪57により定着ローラ51から分離される。なお、56は分離爪57を定着ローラ表面に付勢するためのバネであり、55は記録材19を定着ニップ部Nに導くための入り口ガイドである。
【0052】
定着ローラ51は芯金51aが接地Gされており、加圧ローラ52は表面の離型層である導電フッ素樹脂層52cに導電ブラシ部材58が当接されており、電源59によりトナーと逆極性のバイアスが印加されている。加圧ローラ表面の離型層である導電フッ素樹脂層52cは表面抵抗が1×106Ω/□以下であれば、電源59により印加した電圧が加圧ローラ表面に現われ、定着ローラ51との間で所望の電位差を得ることができる。
【0053】
ここで、本実施例の定着ローラ51についてさらに詳細に説明する。定着ローラ51は、アルミ芯金51a上に熱伝導剤として金属酸化物を添加して熱伝導率を高めたシリコーンゴム層51bを設け、さらにその上にPFAチューブ51cを被覆したものである。
【0054】
シリコーンゴムに添加する金属酸化物の量は、目標とする熱伝導率および、金属酸化物の種類により異なるが、熱伝導率λが1.2〜1.8×10−3cal/cm/℃/sであれば、重量比でゴム100部に対して20部以内の量を添加すればよい。
【0055】
アルミ芯金51aとシリコーンゴム51bの間、およびシリコーンゴム51bとPFAチューブ51cの間にはそれぞれプライマ−数μmがあり、芯金−シリコーンゴム、シリコーンゴム−PFAチューブを接着している。
【0056】
本発明では、定着ローラ51の導電基体である芯金51aから表面離型層であるPFAチューブ51c表面までの厚みが、300μmより大きく1mmより小さくなるように成形している。また、定着ローラ芯金51aとPFAチューブ表面51c間の体積固有抵抗率(1kV印加時)が1×1015Ω・cm以上となるようにゴム材を選択している。これらの理由は、後で詳細に説明する。
【0057】
このような定着ローラ51の製造は、あらかじめプライマ−を塗布した芯金51aと内面をエッチング処理したPFAチューブ51c内側にプライマ−を塗布・乾燥させ、これらを筒型内に固定し、芯金とPFAチューブの間に液状のシリコーンゴムを注型し、加熱、硬化させることによって製造する方法がある。または、あらかじめ芯金51a上に加硫成形したゴム51bを所定の厚さまで研磨したあと、ゴム51b上にプライマ−を塗布し、内面をエッチング処理したPFAチューブ51cを被せて加熱、接着する方法があり、どちらの方法によって作られてもよい。
【0058】
(3)定着装置13の性能評価
次に、本発明に係る定着装置13の具体的な効果(性能)について、比較例を引用しながら説明する。
【0059】
1)実施例1
使用した画像形成装置は前述した図1のレーザービームプリンターであり、ネガ帯電トナーによって感光ドラム1上の静電潜像を反転現像し、転写ローラ4にプラスバイアスを印加して記録材19上に未定着トナー画像を得るものである。なお、プロセススピードは200mm/sである。
【0060】
定着ローラ51として、厚み3mmのアルミ芯金(外径φ49.3)51a上に、熱伝導剤として酸化ケイ素を用いた厚みが300μmのシリコーンゴム51bと、その上に厚み50μmのPFAチューブ51c〔原材料450HP−J/三井・デュポンフロロケミカル(株)製〕を被覆した外径φ50の定着ローラを用いた。
【0061】
一方、加圧ローラ52として、外径φ30の鉄芯金52a上に厚み5mmのシリコーンゴム52b、その上に厚み50μmの導電PFAチューブ52cを被覆した外径φ40のローラを用いた。この加圧ローラ52を加圧力490Nで定着ローラ51に圧接し、7mmのニップ幅を得ることができた。また、定着ローラ51に駆動が掛かると、加圧ローラ52表面には+600Vのバイアスが印加される。
【0062】
2)比較例1
定着ローラとして実施例1で用いたシリコーンゴムの代わりに、熱伝導剤として酸化亜鉛を添加した、JIS‐A硬度50°のシリコーンゴムを用いた。その他、定着ローラ構成、加圧ローラ構成等は実施例1と同じである。
【0063】
3)比較例2
定着ローラとして比較例1で用いたシリコーンゴムを使用し、PFAチューブ材料を〔原材料451HP−J/三井・デュポンフロロケミカル(株)製〕に変更したローラを用いた。その他、定着ローラ構成、加圧ローラ構成等は実施例1と同じである。
【0064】
4)画像印字時の帯電性評価
上記の実施例1、比較例1、比較例2の各定着装置をそれぞれ前記レーザービームプリンター(図1)に装着し、両面連続プリントをおこなって定着ローラ51と加圧ローラ52表面の電位差および画像の評価をおこなった。
【0065】
評価に使った記録材は、坪量64g/m2のA4サイズ普通紙であり、印字パターンは、4ドット印字、20ドット非印字の横線(解像度600dpi)である。この横線画像が紙上でオフセットおよび「後方飛び散り」しないかを評価した。
【0066】
その結果、表1に示すように実施例1の定着ローラを使用した場合は、電位差が保たれており画像不良は発生しなかったが、比較例1、比較例2の定着ローラでは、電位差が小さくなり「後方飛び散り」が発生した。
【0067】
【表1】
【0068】
このように、実施例1の定着ローラが優れた性能を示す理由は、次のように考えられる。
【0069】
通常、定着ローラ、加圧ローラ表面に使用されているフッ素樹脂は、紙の主原料であるセルロースとの摩擦によりマイナスに帯電する傾向がある。ところが、紙上にトナー像を印字した場合には、この摩擦帯電以外にトナーによって密着した紙をローラ表面から分離する際に発生する分離帯電が起こるため、未定着トナー像が接触する定着ローラ表面が常にマイナスになるとは限らない。
【0070】
例えば、比較的抵抗の高い記録材上に印字をおこなった場合には、印字面側が接触する定着ローラ側は、前記摩擦帯電よりも定着ローラから紙が離れる際の分離帯電のほうが大きくなり、定着ローラ表面がプラスに帯電する場合がある。
【0071】
本発明者らが検討した結果、この分離帯電のし易さは、記録材の体積抵抗値と定着ローラの体積抵抗値に関係があることがわかった。
【0072】
すなわち、定着ローラの体積抵抗値が、記録材の体積抵抗値に近づくと定着ローラ表面が分離帯電を受けやすいことがわかった。
【0073】
特に、薄紙で2面目をプリントすると、定着装置を一度通過しているため、紙が高抵抗化(109Ω)する上、トナーが介在することで定着ローラに強く静電吸着するため、分離電荷が残留しやすいと考えられる。
【0074】
5)定着ローラの抵抗値(体積固有抵抗率)
本実験例の定着ローラの抵抗値を測定すると、表1に示すように定着ローラの抵抗が小さい場合に定着ローラがプラス帯電し、電位差がなくなっていることがわかる。
【0075】
このように、本発明において定着ローラの抵抗値(体積固有抵抗率)が重要な物性値となる。
【0076】
定着ローラの抵抗値(体積固有抵抗率)は大きいほど良いが、少なくとも1011Ω(体積固有抵抗率に換算して1×1015Ω・cm)以上が必要である。このとき定着ローラの抵抗値の測定方法は、図3に示すように、定着ローラ51の表面に導電シート60を巻き付け、芯金51aと導電シート60間に所定の電圧を高抵抗計61で印加することで測定できる。
【0077】
本実験例では、高抵抗計としてUltra High Resistance Meter R8340(アドバンテスト製)を用い、1kVを印加しておこなった。
【0078】
体積固有抵抗率ρは、定着ローラ外径D[cm]、定着ローラの芯金から表面までの厚みt[cm]、導電シートの幅L[cm]、抵抗値の測定結果Rv[Ω]から、次式で換算して求めることができる。
【0079】
ρ=π・D・L・Rv/t
6)画像印字なしの時の帯電性評価
また、定着ローラ51の芯金から表面までの厚みも本発明において重要な物性値となる。
【0080】
すなわち、厚みが小さくなるとバイアスがリークする恐れがあり、逆に厚みが大きくなると、印字率が小さい場合に紙と定着ローラの摩擦帯電が支配的になり、定着ローラが強くマイナスに帯電(チャージアップ)してしまう。その結果、紙は定着ローラに強く貼り付くため、ジャムが発生する。
【0081】
これらを評価するため、実施例1の定着ローラ51に使われたシリコーンゴムを用い、芯金の外径を変えることにより、シリコーンゴムの厚みを振って実験をおこなった。なお、PFAチューブ51cは実施例1と同じである。
【0082】
バイアスリークの評価方法は、定着装置に1.5kVのバイアスを印加しながら空回転させ、加圧ローラ表面の電位をモニターしておこなった。この印加電圧1.5kVという値は、比較的高速の画像形成装置(プロセススピードが100mm/s以上)で印加させる可能性がある最大電圧である。また、紙による定着ローラの帯電性は、印字を行わない状態で連続の両面プリントをおこない、ローラ表面の電位を測定した。さらに、そのときの定着装置におけるジャム率をカウントした。
【0083】
その結果、図4に示すように、芯金から表面までの厚みが0.3mm以下になるとリークが発生することがわかった。また、厚みが1mmを超えると定着ローラ表面の電位がマイナスに強く帯電し(定着ローラ表面が550Vであり、加圧ローラ表面との電位差は1150V)、分離爪によるジャム率が1/5000を超え多発し始めた。
【0084】
これは、芯金から表面までの厚みが1mmを超えると定着ローラの静電容量が小さくなり、記録材との摩擦で発生した電荷が蓄積されることが原因と考えられる。
【0085】
すなわち、定着ローラの芯金から表面までの厚みは、300μmより大きく1mmより小さいという好ましい範囲が存在する。
【0086】
さらに、定着ローラの芯金から表面までの厚みを1mmとしても、熱伝導剤を添加し熱伝導率を高めているので、定着性やウォームアップ時間(常温から電源を投入し、プリント開始可能な所定温度に達するまでの時間)は、厚み350μmである実施例1の定着ローラとほとんど変わらなかった。
【0087】
実施例1の定着装置は、加圧ローラ表面を純粋なPFA樹脂に導電フィラーを混ぜて低抵抗化した導電PFA樹脂としているため、純粋なPFA樹脂に比べてトナーに対する離型性が低下しているのだが、上で説明したように、常に定着ローラとの電位差が保たれているため、オフセットトナーが加圧ローラにほとんど転移せず、加圧ローラ表面が汚れることもない。
【0088】
〈第2の実施例〉
図5は、本実施例における定着装置の横断面模型図を示したものである。上述した第1の実施例と同様の構成に関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0089】
71は熱定着手段としての定着ローラであり、導電基体としての1mm肉厚のアルミ製パイプ芯金71aの上に、弾性層として、JIS−A硬度40°のシリコーンゴム層71b(400μm)と、その上に、表面離型層として、厚み30μmのPFAチューブ71cを被覆した外径φ30のものである。
【0090】
また、72は加圧部材としての弾性加圧ローラであり、φ10の鉄製芯金72a上に、弾性層として、厚さ5mmの導電性シリコーンゴムを発泡させた導電スポンジゴム層72bを設け、その上に、導電離型層として、厚み30μmの導電性PFAチューブ72cを被覆した外径φ20のものである。
【0091】
定着ローラ71の内部にはハロゲンヒーター73があり、端部非通紙域に設けられたサーミスタ74により定着ローラ71を温調する。また定着ローラ芯金71aにはバイアス電源77により、トナーと同極性のバイアス−500Vが印加されており、加圧ローラ芯金72aには加圧ローラ上のプラス電荷を逃がす向きに、整流素子であるダイオード76が接続されている。また、75は入り口ガイドであり、78は非接触のガイド部材である。
【0092】
なお、定着ローラ71の体積固有抵抗率は、実施例1と同様な測定方法で3×1015Ω・cm(1kV印加時)であり、印字パターンによらず定着ローラ上の電位を安定させることができる。
【0093】
また、定着ローラ芯金71aの肉厚が薄いため、加圧力を大きくすることができないので、定着ローラ表面および加圧ローラの硬度を小さくし、低圧でもニップ幅を確保できるようになっている。
【0094】
本実施例のような構成にすることで、紙種や印字パターンによって定着ローラ71上の電位が安定するためオフセットや「後方飛び散り」が発生しないだけでなく、紙による摩擦帯電により定着ローラ71が過度にマイナスにチャージアップすることを防止できるので、定着ローラ71に分離爪を当接させる必要がなく、曲率分離による紙の分離が可能となる。しかも、定着ローラ71には、画像領域において接触するものがなく、従来、定着ローラ71の寿命を決めていた分離爪による離型層の剥がれが起きず、定着ローラの寿命を大幅に伸ばすことができる。さらに、本実施例では加圧ローラ72の弾性スポンジ層72bを導電化しているので、芯金72aを介してダイオード76を接続するだけでよく、実施例1のような導電ブラシ(58)が不要となる。従って定着装置の小型化、簡略化となり、大幅なコストダウンを達成することができる。
【0095】
〈第3の実施例〉
図6は、本実施例における定着装置の横断面模型図を示したものである。この定着装置をプロセススピード150mm/sのレーザービームプリンターに適用した例を示す。画像形成装置の他の構成については実施例1と同じであり説明を省略する。また、定着装置において、第1の実施例、第2の実施例と同様の構成に関しては、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0096】
81は熱定着手段としてのエンドレス状の金属ベルトであり、下面に加熱体83を固定保持させた横断面半円弧状のベルトガイド部材(ステイ)84に対して、周長に余裕を持たせた形で外嵌させてある。金属ベルト81は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、厚みを100μm以下としたSUS、ニッケル等の金属製薄肉スリーブ81aを導電基体とし、その上に弾性層81bであるシリコーンゴム300μmと、最表層に表面離型層としてのフッ素樹脂コーティング層81c(10〜30μm)を被覆した複合層のベルトである。なお、金属ベルト81の端部には、シリコーンゴム層81b、フッ素樹脂層81cが被覆されない金属製薄肉スリーブ露出部(幅5mm程度)が設けられている。
【0097】
82は加圧手段としてのφ25の弾性加圧ローラであり、鉄・アルミなどの芯金パイプ82a上にシリコーンゴム(厚み3mm)からなる弾性層82b、さらに表層82cに表面抵抗が106Ωの導電PFAチューブ30μmを形成しており、不図示の駆動手段により矢印の反時計方向に回転駆動される。
【0098】
ベルトガイド部材84の下面に固定保持させた加熱体83と加圧ローラ82は金属ベルト81を挟ませて圧接させて定着ニップ部Nを形成させている。
【0099】
金属ベルト81は、加圧ローラ82の回転により、矢印の時計方向に加熱体83の面に密着して、この加熱体面を摺動しながら、所定の速度で従動回転する。この所定の速度とは、未定着トナー画像Tを担持した記録材19の搬送速度と略同一速度である。86は定着ニップ部Nに記録材19をスムーズに導くためのガイド部材である。
【0100】
加熱体83は、電力供給により発熱する加熱源としての通電発熱体83aを含み、この通電発熱体83aの発熱により定着ニップ部Nを加熱する。通電発熱体83aは、定着ニップ部Nへの熱伝導を考慮し、金属ベルト内面に接触する側面にあり、表面を摺動性の良いポリイミド等の耐熱樹脂でコーティングしてある。また、金属ベルト内面は、鏡面仕上げがされると同時に必要に応じてグリースが塗布される。
【0101】
加熱体83の通電発熱体83aを含む面の通紙域内には、不図示のサーミスタがあり、加熱体83の温度を検知する。
【0102】
未定着トナー画像Tを担持した記録材19は、定着ニップ部Nに搬送され、記録材19と金属ベルト81は密着して、定着ニップ部Nを通過していく。
【0103】
58は、加圧ローラ表面へ+600Vの給電をおこなう導電ブラシであり、87は金属ベルト81の端部の金属製薄肉スリーブ露出部において金属基体に接触し、接地するための導電ブラシである。85はベルトガイド部材84の内側に配設した剛性ステイである。
【0104】
従来、この方式の定着装置は、通電発熱体83aと金属ベルト81が近接しているために、金属ベルト81にバイアス電圧を印加するのが難しかったが、本実施例では加圧ローラ表面からトナーと逆極性のバイアスを給電し、一方金属ベルト基体81aを接地することで電位差を形成できるようになり、オフセットや「後方飛び散り」を防止できる。
【0105】
また、熱ローラ定着装置に比べて、加熱源83から定着ニップ部Nまでの熱伝導率、すなわち熱抵抗に対してシビアであり、前記のように金属ベルト基体81a上にゴム弾性層81bを設ける場合は、高熱伝導剤を可能な限り添加して熱伝導率を上げる必要があった。
【0106】
本実施例では、金属ベルト基体81aから表面フッ素コーティング層81cまでの体積固有抵抗率(1kV印加時)が1×1015Ω・cm以上となるようにゴム材を選択しているので、従来、熱伝導剤の添加により体積抵抗値が下がって金属ベルト表面が記録材により帯電するのを防止することが可能となる。
【0107】
体積固有抵抗率の測定方法は、基本的に実施例1の方法と同じであるので説明は省略する。
【0108】
その結果、オンデマンド性を確保しながら、金属ベルト上の弾性層の作用で記録材上のトナーを包み込み画質に優れた定着装置を提供できるようになる。
【0109】
〈その他〉
1)第1の実施例の定着装置(図2)、第2の実施例の定着装置(図5)、第3の実施例の定着装置(図6)において、熱定着手段である定着ローラもしくは金属ベルトの導電基体を電磁誘導発熱させることで定着ローラを加熱する構成にすることもできる。
【0110】
2)第3の実施例の定着装置(図7)において、加熱源としての加熱体83は例示の面状の通電発熱体に限られず、鉄板等の電磁誘導発熱性部材にして金属ベルトを加熱するように構成しても良い。
【0111】
3)加圧手段はローラ体に限られない。回動駆動されるベルト体にすることもできる。加圧手段も熱源で加熱する構成にすることもできる。
【0112】
4)画像形成装置の記録材に対する未定着トナー画像の作像原理・プロセスは転写タイプの電子写真方式に限られず任意である。 5)本発明の定着装置には画像を仮定着する像加熱装置、画像を担持した記録材を再加熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置等も含まれる。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、導電基体上に弾性層および表面離型層を設けた熱定着手段と、熱定着手段に圧接する加圧手段の表面を導電離型層とし、熱定着手段もしくは加圧手段にバイアスを印加してニップ部でトナーを記録材上に押し付ける向きの電位差を形成するようにした定着装置において、記録材の種類や印字条件によらずニップ部における電位差を安定させて、記録材の巻き付きやジャム、あるいは画像不良の発生をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例における画像形成装置の概略構成模型図
【図2】定着装置部分の拡大構成模型図
【図3】熱定着手段としての定着ローラの体積抵抗値の測定方法を説明した図
【図4】定着ローラの金属基体から離型層表面までの厚みと記録材による帯電性を説明した図
【図5】第2の実施例における定着装置部分の拡大構成模型図
【図6】第3の実施例における定着装置部分の拡大構成模型図
【符号の説明】
51、71、81‥‥熱定着手段
52、72,82‥‥加圧手段
19‥‥記録材
59、77‥‥高圧電源
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録材(記録媒体)上の未定着トナー画像を定着させる定着装置、および該定着装置を有する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、記録材上に画像を形成する画像形成方法として転写タイプの電子写真方式が広く用いられている。
【0003】
その一般的な方法は、光導電性物質を利用した感光体上に、帯電、露光を行って電気的潜像を形成し、この潜像を着色されたトナーで現像し、紙などの記録材上に転写したあと、記録材ごと加熱、加圧してトナーを記録材上に溶融固着させて定着画像を得るものである。そして、感光体上の残留トナーをクリーニングし、上述の工程を繰り返すものである。
【0004】
このような画像形成方法または装置に使われる定着装置としては、内部に加熱源を有するローラやフィルム形状の熱定着手段と、この熱定着手段に加圧接触してニップ部(定着ニップ部)を形成し、記録材を搬送する加圧手段たる弾性ローラとの対が使用される。
【0005】
従来、定着装置におけるオフセット問題を解決する手段として、熱定着手段の表面へシリコーンオイルなどの離型剤をウエブ、パッド等により塗布したり、あるいは、オフセットしたトナーをクリーニング部材へ回収する手法がとられていた。
【0006】
しかし最近は、熱定着手段、加圧手段たる弾性ローラのどちらか一方または双方にバイアスを印加し、記録材から熱定着手段上へのトナーオフセットを防止する構成が普及している。
【0007】
すなわち、前記画像形成工程において、トナー転写後の記録材はトナーと逆極性の電荷を帯びており、トナーはその静電気力によって記録材上に保持されている。定着装置においてオフセットを防止するためには、記録材が保持する電荷を維持したまま、定着ニップ部に記録材を搬送する必要がある。
【0008】
また、記録材の搬送スピードが比較的速い画像形成装置では、定着ニップ部で記録材から発生する水蒸気により、未定着トナー画像が搬送方向後方に飛び散る「後方飛び散り」が発生する。
【0009】
そのため、トナーの熱定着手段へのオフセットや、上記「後方飛び散り」を防止するには、定着ニップ部においてトナーを記録材に押し付ける向きに電位差を発生させることが有効な手段となるのである。その結果、クリーニング部材が不要になり、定着装置の小型、低コスト化が図れる上、ユーザーがクリーニング部材を定期的に交換するといった手間も省けるようになる。
【0010】
定着ニップ部で電位差を形成する方法としては、例えば次のようなものがある。
【0011】
▲1▼.熱定着手段として、金属パイプ上にプライマ−を介して薄層の離型層を設けた熱ローラと、加圧手段として、芯金上にゴム弾性層と、その上に導電離型層を設けた弾性ローラを用いる場合、熱ローラの金属パイプを接地し、弾性ローラ側の導電離型層にトナーと逆極性のバイアスを印加する方式である。
【0012】
▲2▼.あるいは、熱ローラの金属パイプにトナーと同極性のバイアスを印加し、加圧手段の導電離型層にブラシ等を当接させ、トナーと同極性の電荷のみが流れるようにダイオードを接続したものである。
【0013】
このように、加圧手段側の表面を低抵抗化することにより、加圧手段表面に記録材との摩擦帯電による電荷が残らず所望の電位とすることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、熱定着手段として、導電性基体上にプライマを介して厚み50μm以下の離型層を被覆したものは、加圧手段側から高電圧(500V以上)を印加するとバイアスリークを起こし、画像が乱れるだけでなく、画像形成装置本体の故障の原因となる。したがって、高速化に対応させるために高電圧を印加することができなかった。
【0015】
そこで、バイアスリークを防止するために、熱定着手段の導電性基体上に弾性ゴム層、さらにその上に離型層を形成して絶縁性を高める方法がある。
【0016】
しかし、絶縁性を高めるためにゴム層の厚みを厚くすると、熱定着手段の静電容量が小さくなり、後で詳述するように、記録材による摩擦電荷が蓄積しやすくなる。すなわち、定着ニップ部における熱定着手段と加圧手段表面の電位差が大きくなる。その結果、記録材が熱定着手段表面に静電吸着され、巻き付きやジャムが発生しやすくなる。
【0017】
また、弾性ゴムとして使われるシリコーンゴムや、フッ素ゴムは熱伝導が悪いため、通常、熱伝導剤をゴムに添加し、ゴムの熱伝導率を高めたものが使用される。
【0018】
熱伝導剤としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物を単体、もしくは組み合わせて調合したものが多い。
【0019】
ところが、熱伝導率を高めるためにこれら熱伝導剤を添加量を増やすと、高電圧下におけるゴムの体積抵抗率が低下する。これは、金属酸化物が電圧依存性を持ち、電圧を印加すると抵抗値が低下するためである。
【0020】
このように熱定着手段の体積抵抗率が低下すると、記録材の印字条件によっては、熱定着手段表面が加圧手段としての弾性ローラ側から給電されるバイアスと同極性の電荷を帯びてしまう。すなわち、定着ニップ部における熱定着手段と加圧手段表面の電位差が小さくなる。その結果、定着ニップ部においてトナーを記録材上に押し付ける力が弱まり、「後方飛び散り」が発生する。
【0021】
以上のように、高速化に対応させるために熱定着手段として導電性基体上に弾性ゴム層、さらにその上に離型層を形成するようにした場合、定着ニップ部における電位差が安定せず、記録材の巻き付きやジャム、あるいは「後方飛び散り」という画像不良が発生してしまうことがあった。
【0022】
本発明は上記のような問題点を解消すること、すなわち導電基体上に弾性層および表面離型層を設けた熱定着手段と、熱定着手段に圧接する加圧手段の表面を導電離型層とし、熱定着手段もしくは加圧手段にバイアスを印加してニップ部でトナーを記録材上に押し付ける向きの電位差を形成するようにした定着装置において、記録材の種類や印字条件によらずニップ部における電位差を安定させることで、記録材の巻き付きやジャム、あるいは画像不良の発生をなくすことである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする、定着装置および画像形成装置である。
【0024】
(1)導電基体上に弾性層および表面離型層を設けた熱定着手段と、熱定着手段を加熱する加熱手段と、熱定着手段に圧接しニップ部を形成する表面が導電性の加圧手段とを備え、このニップ部に未定着トナー画像を担持した記録材を導入して挟持搬送させることで定着画像を得る定着装置において、
上記熱定着手段と加圧手段の間にはトナーを記録材上に押し付ける向きに電位差が形成されており、
上記熱定着手段の導電基体から離型層表面までの厚みが0.3mmより大きく1mmより小さい範囲であり、
かつ、印加電圧1kVにおける導電基体から離型層表面までの体積固有抵抗率が1×1015Ω・cm以上であることを特徴とする定着装置。
【0025】
(2)トナーを記録材上に押し付ける向きの電位差は、加圧手段にトナーと逆極性のバイアスを印加して形成されることを特徴とする(1)に記載の定着装置。
【0026】
(3)導電基体上の弾性層はシリコーンゴムであり、離型層はフッ素樹脂であることを特徴とする(1)に記載の定着装置。
【0027】
(4)熱定着手段の導電基体が金属ベルトであることを特徴とする(1)乃至(3)の何れかに記載の定着装置。
【0028】
(5)記録材上に未定着トナー画像を形成担持させる作像手段と、記録材上の未定着トナー画像を記録材上に定着させる定着手段を有する画像形成装置であり、定着手段が(1)から(4)の何れか1項に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
【0029】
〈作 用〉
1)すなわち、熱定着手段の導電基体から離型層表面までの厚みが0.3mmより大きく1mmより小さい範囲であり、かつ、印加電圧1kVにおける導電基体から離型層表面までの体積抵抗率が1×1015Ω・cm以上であるように構成した結果、ニップ部に高電圧を印加可能となり画像形成装置の高速化に対応できるようになる。
【0030】
2)とくに、熱定着手段の導電基体から離型層表面までの厚みを300μmより大きく、その体積固有抵抗率(1kV印加時)を1×1015Ω・cm以上となるようにすることで、バイアスリークの発生がなくなると同時に、記録材の種類や印字条件によらず安定した電位差を保つことができるようになる。
【0031】
3)また、熱定着手段の導電基体から離型層表面までの厚みを1mmより小さくすることで、熱定着手段の静電容量を確保できるため、表面が記録材との摩擦によりチャージアップすることを防止できるようになる。その結果、記録材の静電吸着力を増大させることがなくなるため、分離爪等の分離手段によるジャムの発生を軽減できる。
【0032】
さらに、熱定着手段表面の電位を安定化できるので、熱定着手段を小径化し、分離手段を非接触にすることで定着装置の小型・低コスト化を達成できるようになる。
【0033】
4)また、トナーを記録材上に押し付ける向きの電位差は、加圧手段にトナーと逆極性のバイアスを印加して形成される。電圧印加方法をこのようにすると、記録材のトナー保持電荷を加圧手段から供給できるので、必要最低限の電圧を印加するだけでよい。
【0034】
5)導電基体上の弾性層はシリコーンゴムとすることで、熱定着手段の耐熱性ゴムの選択幅が広がる。
【0035】
6)離型層はフッ素樹脂、なかでもPFA樹脂であればチューブ状に加工し易いので、絶縁性が高まる。
【0036】
7)さらに、熱定着手段の導電基体が金属ベルトであるオンデマンド定着装置に本発明を適用すれば、定着装置の小型化、クイックスタート性が向上する上、従来、オンデマンド定着装置で困難であった電位差の形成が安定しておこなえるようになる。
【0037】
【発明の実施の形態】
〈第1の実施例〉
(1)画像形成装置例
図1は画像形成装置例の概略構成模型図である。本例の画像形成装置は転写タイプの電子写真プロセスを使用したレーザービームプリンターであり、熱ローラ定着装置を備え、両面印字機能を有している。
【0038】
1は装置のほぼ中央部に設置された感光ドラムであり、矢印の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)、本例では200mm/sの周速度にて回転駆動される。感光ドラム1はその回転過程においてその表面が一次帯電器29により所定の極性・電位に均一に帯電され、その帯電面に対して露光装置28により像露光がなされることで、感光ドラム1の表面に像露光パターンに対応した静電潜像が形成される。露光装置28はレーザービームスキャナであり、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力して、回転する感光ドラム1の帯電面を走査露光することで、感光ドラム1の表面に像露光パターンに対応した静電潜像を形成する。この静電潜像は、反転現像器30によりネガ帯電トナーでトナー像として反転現像されて可視化される。
【0039】
感光ドラム1での上記の作像に同期してカセット36から記録材(転写材)19が給紙ローラ25により取り出され、搬送ガイド34、搬送ローラ33、搬送ガイド32を経てレジストローラ対31に搬送される。レジストローラ対31は、記録材19が来るまで停止しており、これに記録材19の先端が突き当たることにより、記録材19の斜行を補正する。その後、レジストローラ対31は、感光ドラム1上へ画像を形成し始める書き出し信号に合わせて回転を開始し、記録材19は転写ガイド14を経て感光ドラム1と転写ローラ4で形成される転写ニップへと搬送される。感光ドラム1上に形成されたトナー像は、転写ニップで記録材19上に転写される。
【0040】
転写が終了した記録材19は、小径ドラムによる曲率分離と除電針8による静電分離の作用で、感光ドラム1から分離される。除電針8は、不図示のバイアス電源により転写バイアスの極性と逆の極性の電圧が印加されている。
【0041】
感光ドラム1から分離された記録材19は、搬送ガイド10を経て定着装置13へ搬送され、そこで未定着トナー像が定着されて固定画像となる。
【0042】
ここで、片面印字モードが選択されている場合には、定着装置13を出た記録材19はフラッパ37により搬送ガイド38側へ送られ、排紙ローラ45により排紙トレイ46へ排出される。
【0043】
一方、両面印字モードが選択されているときは、定着装置13を出た一方面側印字・定着済みの記録材19は、フラッパ37により搬送ガイド39側に搬送され、搬送ローラ40(スイッチバックローラ)により一旦、搬送ガイド41方向に搬送された後、搬送ローラ40の逆回転により搬送ガイド42の方向へ搬送される。この工程で記録材19の表裏が反転される。表裏が反転した記録材19は、搬送ローラ43、搬送ガイド44を経て再び転写工程に付され、他方面側に対するトナー画像の転写を受け、定着装置13でそのトナー画像の定着処理を受ける。定着装置13を出た両面印字済みの記録材19は、フラッパ37により上方に搬送され、搬送ガイド38、排紙ローラ45を経て排紙トレイ46に排出される。なお、47は機内を保護、防音する外装である。
【0044】
転写ローラ4は、芯金上にウレタン、EPDM、NBR等のゴムあるいはそれらを発砲させたスポンジ状の弾性層を被覆したローラφ17であり、ローラ硬度40°以下(Asker−C硬度、500g荷重)のものが、転写時の文字中抜け、感光ドラム1の削れを防止する上で使用される。この弾性層にカーボンや金属微粉末を均一に分散し、体積抵抗率106〜109Ω・cmの中抵抗ローラとすることで、比較的高抵抗な記録材であっても良好な静電転写をおこなうことができる。体積抵抗率が106Ω・cmより小さくなると感光ドラム1へ過剰な電流が流れ感光ドラムへダメージを与えてしまい、逆に体積抵抗率が109Ω・cmより大きいと転写に必要な電流が不足して転写不良となる。
【0045】
したがって、転写ローラの抵抗値には前記最適値が存在する。このとき、転写ローラ4には芯金からその抵抗値に応じて、1kV〜6kVの適正な電圧が印加される。
【0046】
(2)定着装置13
図2は定着装置13部分の拡大横断面模型図である。本例における定着装置13は熱ローラ定着装置である。
【0047】
51は熱定着手段としての定着ローラであり、導電基体(芯金)としての鉄、SUS、アルミ等の金属パイプ51a上に、弾性層51bとしてシリコーンゴム、フッ素ゴムを被覆し、さらにその上に離型層51cとしてPFA、FEP、PTFE等のフッ素樹脂層を形成したものである。
【0048】
又、52は加圧手段としての弾性加圧ローラであり、鉄、SUS、アルミ等のムクの芯金52a上に、弾性層52bとしてシリコーンゴム、フッ素ゴム(厚み4mm〜8mm)を被覆し、さらにその上に導電性離型層52cとしてPFA、FEP、PTFE等のフッ素樹脂層(30μm〜100μm)を形成したものである。
【0049】
定着ローラ51は内部に加熱源であるハロゲンヒーター53を備え、ハロゲンヒーター53は定着ローラ表面に当接した温度検出手段であるサーミスタ54の信号に基づいてローラ温度が略一定になるように不図示の制御CPUによりオンオフ制御される。
【0050】
加圧ローラ52は所定の圧力で定着ローラ51に当接して定着ニップ部Nを形成し、定着ローラ51が矢印の時計方向に回転駆動されることにより矢印の反時計方向に従動回転する。
【0051】
この定着ニップ部Nに未定着トナー画像Tを担持した記録材19が導入されて定着ニップ部Nで挟持搬送されていく過程において定着ローラ51の熱と定着ニップ部Nの加圧力とで未定着トナー画像Tが記録材19の面に永久固着画像として定着される。定着ニップ部Nを出た記録材19は分離爪57により定着ローラ51から分離される。なお、56は分離爪57を定着ローラ表面に付勢するためのバネであり、55は記録材19を定着ニップ部Nに導くための入り口ガイドである。
【0052】
定着ローラ51は芯金51aが接地Gされており、加圧ローラ52は表面の離型層である導電フッ素樹脂層52cに導電ブラシ部材58が当接されており、電源59によりトナーと逆極性のバイアスが印加されている。加圧ローラ表面の離型層である導電フッ素樹脂層52cは表面抵抗が1×106Ω/□以下であれば、電源59により印加した電圧が加圧ローラ表面に現われ、定着ローラ51との間で所望の電位差を得ることができる。
【0053】
ここで、本実施例の定着ローラ51についてさらに詳細に説明する。定着ローラ51は、アルミ芯金51a上に熱伝導剤として金属酸化物を添加して熱伝導率を高めたシリコーンゴム層51bを設け、さらにその上にPFAチューブ51cを被覆したものである。
【0054】
シリコーンゴムに添加する金属酸化物の量は、目標とする熱伝導率および、金属酸化物の種類により異なるが、熱伝導率λが1.2〜1.8×10−3cal/cm/℃/sであれば、重量比でゴム100部に対して20部以内の量を添加すればよい。
【0055】
アルミ芯金51aとシリコーンゴム51bの間、およびシリコーンゴム51bとPFAチューブ51cの間にはそれぞれプライマ−数μmがあり、芯金−シリコーンゴム、シリコーンゴム−PFAチューブを接着している。
【0056】
本発明では、定着ローラ51の導電基体である芯金51aから表面離型層であるPFAチューブ51c表面までの厚みが、300μmより大きく1mmより小さくなるように成形している。また、定着ローラ芯金51aとPFAチューブ表面51c間の体積固有抵抗率(1kV印加時)が1×1015Ω・cm以上となるようにゴム材を選択している。これらの理由は、後で詳細に説明する。
【0057】
このような定着ローラ51の製造は、あらかじめプライマ−を塗布した芯金51aと内面をエッチング処理したPFAチューブ51c内側にプライマ−を塗布・乾燥させ、これらを筒型内に固定し、芯金とPFAチューブの間に液状のシリコーンゴムを注型し、加熱、硬化させることによって製造する方法がある。または、あらかじめ芯金51a上に加硫成形したゴム51bを所定の厚さまで研磨したあと、ゴム51b上にプライマ−を塗布し、内面をエッチング処理したPFAチューブ51cを被せて加熱、接着する方法があり、どちらの方法によって作られてもよい。
【0058】
(3)定着装置13の性能評価
次に、本発明に係る定着装置13の具体的な効果(性能)について、比較例を引用しながら説明する。
【0059】
1)実施例1
使用した画像形成装置は前述した図1のレーザービームプリンターであり、ネガ帯電トナーによって感光ドラム1上の静電潜像を反転現像し、転写ローラ4にプラスバイアスを印加して記録材19上に未定着トナー画像を得るものである。なお、プロセススピードは200mm/sである。
【0060】
定着ローラ51として、厚み3mmのアルミ芯金(外径φ49.3)51a上に、熱伝導剤として酸化ケイ素を用いた厚みが300μmのシリコーンゴム51bと、その上に厚み50μmのPFAチューブ51c〔原材料450HP−J/三井・デュポンフロロケミカル(株)製〕を被覆した外径φ50の定着ローラを用いた。
【0061】
一方、加圧ローラ52として、外径φ30の鉄芯金52a上に厚み5mmのシリコーンゴム52b、その上に厚み50μmの導電PFAチューブ52cを被覆した外径φ40のローラを用いた。この加圧ローラ52を加圧力490Nで定着ローラ51に圧接し、7mmのニップ幅を得ることができた。また、定着ローラ51に駆動が掛かると、加圧ローラ52表面には+600Vのバイアスが印加される。
【0062】
2)比較例1
定着ローラとして実施例1で用いたシリコーンゴムの代わりに、熱伝導剤として酸化亜鉛を添加した、JIS‐A硬度50°のシリコーンゴムを用いた。その他、定着ローラ構成、加圧ローラ構成等は実施例1と同じである。
【0063】
3)比較例2
定着ローラとして比較例1で用いたシリコーンゴムを使用し、PFAチューブ材料を〔原材料451HP−J/三井・デュポンフロロケミカル(株)製〕に変更したローラを用いた。その他、定着ローラ構成、加圧ローラ構成等は実施例1と同じである。
【0064】
4)画像印字時の帯電性評価
上記の実施例1、比較例1、比較例2の各定着装置をそれぞれ前記レーザービームプリンター(図1)に装着し、両面連続プリントをおこなって定着ローラ51と加圧ローラ52表面の電位差および画像の評価をおこなった。
【0065】
評価に使った記録材は、坪量64g/m2のA4サイズ普通紙であり、印字パターンは、4ドット印字、20ドット非印字の横線(解像度600dpi)である。この横線画像が紙上でオフセットおよび「後方飛び散り」しないかを評価した。
【0066】
その結果、表1に示すように実施例1の定着ローラを使用した場合は、電位差が保たれており画像不良は発生しなかったが、比較例1、比較例2の定着ローラでは、電位差が小さくなり「後方飛び散り」が発生した。
【0067】
【表1】
【0068】
このように、実施例1の定着ローラが優れた性能を示す理由は、次のように考えられる。
【0069】
通常、定着ローラ、加圧ローラ表面に使用されているフッ素樹脂は、紙の主原料であるセルロースとの摩擦によりマイナスに帯電する傾向がある。ところが、紙上にトナー像を印字した場合には、この摩擦帯電以外にトナーによって密着した紙をローラ表面から分離する際に発生する分離帯電が起こるため、未定着トナー像が接触する定着ローラ表面が常にマイナスになるとは限らない。
【0070】
例えば、比較的抵抗の高い記録材上に印字をおこなった場合には、印字面側が接触する定着ローラ側は、前記摩擦帯電よりも定着ローラから紙が離れる際の分離帯電のほうが大きくなり、定着ローラ表面がプラスに帯電する場合がある。
【0071】
本発明者らが検討した結果、この分離帯電のし易さは、記録材の体積抵抗値と定着ローラの体積抵抗値に関係があることがわかった。
【0072】
すなわち、定着ローラの体積抵抗値が、記録材の体積抵抗値に近づくと定着ローラ表面が分離帯電を受けやすいことがわかった。
【0073】
特に、薄紙で2面目をプリントすると、定着装置を一度通過しているため、紙が高抵抗化(109Ω)する上、トナーが介在することで定着ローラに強く静電吸着するため、分離電荷が残留しやすいと考えられる。
【0074】
5)定着ローラの抵抗値(体積固有抵抗率)
本実験例の定着ローラの抵抗値を測定すると、表1に示すように定着ローラの抵抗が小さい場合に定着ローラがプラス帯電し、電位差がなくなっていることがわかる。
【0075】
このように、本発明において定着ローラの抵抗値(体積固有抵抗率)が重要な物性値となる。
【0076】
定着ローラの抵抗値(体積固有抵抗率)は大きいほど良いが、少なくとも1011Ω(体積固有抵抗率に換算して1×1015Ω・cm)以上が必要である。このとき定着ローラの抵抗値の測定方法は、図3に示すように、定着ローラ51の表面に導電シート60を巻き付け、芯金51aと導電シート60間に所定の電圧を高抵抗計61で印加することで測定できる。
【0077】
本実験例では、高抵抗計としてUltra High Resistance Meter R8340(アドバンテスト製)を用い、1kVを印加しておこなった。
【0078】
体積固有抵抗率ρは、定着ローラ外径D[cm]、定着ローラの芯金から表面までの厚みt[cm]、導電シートの幅L[cm]、抵抗値の測定結果Rv[Ω]から、次式で換算して求めることができる。
【0079】
ρ=π・D・L・Rv/t
6)画像印字なしの時の帯電性評価
また、定着ローラ51の芯金から表面までの厚みも本発明において重要な物性値となる。
【0080】
すなわち、厚みが小さくなるとバイアスがリークする恐れがあり、逆に厚みが大きくなると、印字率が小さい場合に紙と定着ローラの摩擦帯電が支配的になり、定着ローラが強くマイナスに帯電(チャージアップ)してしまう。その結果、紙は定着ローラに強く貼り付くため、ジャムが発生する。
【0081】
これらを評価するため、実施例1の定着ローラ51に使われたシリコーンゴムを用い、芯金の外径を変えることにより、シリコーンゴムの厚みを振って実験をおこなった。なお、PFAチューブ51cは実施例1と同じである。
【0082】
バイアスリークの評価方法は、定着装置に1.5kVのバイアスを印加しながら空回転させ、加圧ローラ表面の電位をモニターしておこなった。この印加電圧1.5kVという値は、比較的高速の画像形成装置(プロセススピードが100mm/s以上)で印加させる可能性がある最大電圧である。また、紙による定着ローラの帯電性は、印字を行わない状態で連続の両面プリントをおこない、ローラ表面の電位を測定した。さらに、そのときの定着装置におけるジャム率をカウントした。
【0083】
その結果、図4に示すように、芯金から表面までの厚みが0.3mm以下になるとリークが発生することがわかった。また、厚みが1mmを超えると定着ローラ表面の電位がマイナスに強く帯電し(定着ローラ表面が550Vであり、加圧ローラ表面との電位差は1150V)、分離爪によるジャム率が1/5000を超え多発し始めた。
【0084】
これは、芯金から表面までの厚みが1mmを超えると定着ローラの静電容量が小さくなり、記録材との摩擦で発生した電荷が蓄積されることが原因と考えられる。
【0085】
すなわち、定着ローラの芯金から表面までの厚みは、300μmより大きく1mmより小さいという好ましい範囲が存在する。
【0086】
さらに、定着ローラの芯金から表面までの厚みを1mmとしても、熱伝導剤を添加し熱伝導率を高めているので、定着性やウォームアップ時間(常温から電源を投入し、プリント開始可能な所定温度に達するまでの時間)は、厚み350μmである実施例1の定着ローラとほとんど変わらなかった。
【0087】
実施例1の定着装置は、加圧ローラ表面を純粋なPFA樹脂に導電フィラーを混ぜて低抵抗化した導電PFA樹脂としているため、純粋なPFA樹脂に比べてトナーに対する離型性が低下しているのだが、上で説明したように、常に定着ローラとの電位差が保たれているため、オフセットトナーが加圧ローラにほとんど転移せず、加圧ローラ表面が汚れることもない。
【0088】
〈第2の実施例〉
図5は、本実施例における定着装置の横断面模型図を示したものである。上述した第1の実施例と同様の構成に関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0089】
71は熱定着手段としての定着ローラであり、導電基体としての1mm肉厚のアルミ製パイプ芯金71aの上に、弾性層として、JIS−A硬度40°のシリコーンゴム層71b(400μm)と、その上に、表面離型層として、厚み30μmのPFAチューブ71cを被覆した外径φ30のものである。
【0090】
また、72は加圧部材としての弾性加圧ローラであり、φ10の鉄製芯金72a上に、弾性層として、厚さ5mmの導電性シリコーンゴムを発泡させた導電スポンジゴム層72bを設け、その上に、導電離型層として、厚み30μmの導電性PFAチューブ72cを被覆した外径φ20のものである。
【0091】
定着ローラ71の内部にはハロゲンヒーター73があり、端部非通紙域に設けられたサーミスタ74により定着ローラ71を温調する。また定着ローラ芯金71aにはバイアス電源77により、トナーと同極性のバイアス−500Vが印加されており、加圧ローラ芯金72aには加圧ローラ上のプラス電荷を逃がす向きに、整流素子であるダイオード76が接続されている。また、75は入り口ガイドであり、78は非接触のガイド部材である。
【0092】
なお、定着ローラ71の体積固有抵抗率は、実施例1と同様な測定方法で3×1015Ω・cm(1kV印加時)であり、印字パターンによらず定着ローラ上の電位を安定させることができる。
【0093】
また、定着ローラ芯金71aの肉厚が薄いため、加圧力を大きくすることができないので、定着ローラ表面および加圧ローラの硬度を小さくし、低圧でもニップ幅を確保できるようになっている。
【0094】
本実施例のような構成にすることで、紙種や印字パターンによって定着ローラ71上の電位が安定するためオフセットや「後方飛び散り」が発生しないだけでなく、紙による摩擦帯電により定着ローラ71が過度にマイナスにチャージアップすることを防止できるので、定着ローラ71に分離爪を当接させる必要がなく、曲率分離による紙の分離が可能となる。しかも、定着ローラ71には、画像領域において接触するものがなく、従来、定着ローラ71の寿命を決めていた分離爪による離型層の剥がれが起きず、定着ローラの寿命を大幅に伸ばすことができる。さらに、本実施例では加圧ローラ72の弾性スポンジ層72bを導電化しているので、芯金72aを介してダイオード76を接続するだけでよく、実施例1のような導電ブラシ(58)が不要となる。従って定着装置の小型化、簡略化となり、大幅なコストダウンを達成することができる。
【0095】
〈第3の実施例〉
図6は、本実施例における定着装置の横断面模型図を示したものである。この定着装置をプロセススピード150mm/sのレーザービームプリンターに適用した例を示す。画像形成装置の他の構成については実施例1と同じであり説明を省略する。また、定着装置において、第1の実施例、第2の実施例と同様の構成に関しては、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0096】
81は熱定着手段としてのエンドレス状の金属ベルトであり、下面に加熱体83を固定保持させた横断面半円弧状のベルトガイド部材(ステイ)84に対して、周長に余裕を持たせた形で外嵌させてある。金属ベルト81は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、厚みを100μm以下としたSUS、ニッケル等の金属製薄肉スリーブ81aを導電基体とし、その上に弾性層81bであるシリコーンゴム300μmと、最表層に表面離型層としてのフッ素樹脂コーティング層81c(10〜30μm)を被覆した複合層のベルトである。なお、金属ベルト81の端部には、シリコーンゴム層81b、フッ素樹脂層81cが被覆されない金属製薄肉スリーブ露出部(幅5mm程度)が設けられている。
【0097】
82は加圧手段としてのφ25の弾性加圧ローラであり、鉄・アルミなどの芯金パイプ82a上にシリコーンゴム(厚み3mm)からなる弾性層82b、さらに表層82cに表面抵抗が106Ωの導電PFAチューブ30μmを形成しており、不図示の駆動手段により矢印の反時計方向に回転駆動される。
【0098】
ベルトガイド部材84の下面に固定保持させた加熱体83と加圧ローラ82は金属ベルト81を挟ませて圧接させて定着ニップ部Nを形成させている。
【0099】
金属ベルト81は、加圧ローラ82の回転により、矢印の時計方向に加熱体83の面に密着して、この加熱体面を摺動しながら、所定の速度で従動回転する。この所定の速度とは、未定着トナー画像Tを担持した記録材19の搬送速度と略同一速度である。86は定着ニップ部Nに記録材19をスムーズに導くためのガイド部材である。
【0100】
加熱体83は、電力供給により発熱する加熱源としての通電発熱体83aを含み、この通電発熱体83aの発熱により定着ニップ部Nを加熱する。通電発熱体83aは、定着ニップ部Nへの熱伝導を考慮し、金属ベルト内面に接触する側面にあり、表面を摺動性の良いポリイミド等の耐熱樹脂でコーティングしてある。また、金属ベルト内面は、鏡面仕上げがされると同時に必要に応じてグリースが塗布される。
【0101】
加熱体83の通電発熱体83aを含む面の通紙域内には、不図示のサーミスタがあり、加熱体83の温度を検知する。
【0102】
未定着トナー画像Tを担持した記録材19は、定着ニップ部Nに搬送され、記録材19と金属ベルト81は密着して、定着ニップ部Nを通過していく。
【0103】
58は、加圧ローラ表面へ+600Vの給電をおこなう導電ブラシであり、87は金属ベルト81の端部の金属製薄肉スリーブ露出部において金属基体に接触し、接地するための導電ブラシである。85はベルトガイド部材84の内側に配設した剛性ステイである。
【0104】
従来、この方式の定着装置は、通電発熱体83aと金属ベルト81が近接しているために、金属ベルト81にバイアス電圧を印加するのが難しかったが、本実施例では加圧ローラ表面からトナーと逆極性のバイアスを給電し、一方金属ベルト基体81aを接地することで電位差を形成できるようになり、オフセットや「後方飛び散り」を防止できる。
【0105】
また、熱ローラ定着装置に比べて、加熱源83から定着ニップ部Nまでの熱伝導率、すなわち熱抵抗に対してシビアであり、前記のように金属ベルト基体81a上にゴム弾性層81bを設ける場合は、高熱伝導剤を可能な限り添加して熱伝導率を上げる必要があった。
【0106】
本実施例では、金属ベルト基体81aから表面フッ素コーティング層81cまでの体積固有抵抗率(1kV印加時)が1×1015Ω・cm以上となるようにゴム材を選択しているので、従来、熱伝導剤の添加により体積抵抗値が下がって金属ベルト表面が記録材により帯電するのを防止することが可能となる。
【0107】
体積固有抵抗率の測定方法は、基本的に実施例1の方法と同じであるので説明は省略する。
【0108】
その結果、オンデマンド性を確保しながら、金属ベルト上の弾性層の作用で記録材上のトナーを包み込み画質に優れた定着装置を提供できるようになる。
【0109】
〈その他〉
1)第1の実施例の定着装置(図2)、第2の実施例の定着装置(図5)、第3の実施例の定着装置(図6)において、熱定着手段である定着ローラもしくは金属ベルトの導電基体を電磁誘導発熱させることで定着ローラを加熱する構成にすることもできる。
【0110】
2)第3の実施例の定着装置(図7)において、加熱源としての加熱体83は例示の面状の通電発熱体に限られず、鉄板等の電磁誘導発熱性部材にして金属ベルトを加熱するように構成しても良い。
【0111】
3)加圧手段はローラ体に限られない。回動駆動されるベルト体にすることもできる。加圧手段も熱源で加熱する構成にすることもできる。
【0112】
4)画像形成装置の記録材に対する未定着トナー画像の作像原理・プロセスは転写タイプの電子写真方式に限られず任意である。 5)本発明の定着装置には画像を仮定着する像加熱装置、画像を担持した記録材を再加熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置等も含まれる。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、導電基体上に弾性層および表面離型層を設けた熱定着手段と、熱定着手段に圧接する加圧手段の表面を導電離型層とし、熱定着手段もしくは加圧手段にバイアスを印加してニップ部でトナーを記録材上に押し付ける向きの電位差を形成するようにした定着装置において、記録材の種類や印字条件によらずニップ部における電位差を安定させて、記録材の巻き付きやジャム、あるいは画像不良の発生をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例における画像形成装置の概略構成模型図
【図2】定着装置部分の拡大構成模型図
【図3】熱定着手段としての定着ローラの体積抵抗値の測定方法を説明した図
【図4】定着ローラの金属基体から離型層表面までの厚みと記録材による帯電性を説明した図
【図5】第2の実施例における定着装置部分の拡大構成模型図
【図6】第3の実施例における定着装置部分の拡大構成模型図
【符号の説明】
51、71、81‥‥熱定着手段
52、72,82‥‥加圧手段
19‥‥記録材
59、77‥‥高圧電源
Claims (5)
- 導電基体上に弾性層および表面離型層を設けた熱定着手段と、熱定着手段を加熱する加熱手段と、熱定着手段に圧接しニップ部を形成する表面が導電性の加圧手段とを備え、このニップ部に未定着トナー画像を担持した記録材を導入して挟持搬送させることで定着画像を得る定着装置において、
上記熱定着手段と加圧手段の間にはトナーを記録材上に押し付ける向きに電位差が形成されており、
上記熱定着手段の導電基体から離型層表面までの厚みが0.3mmより大きく1mmより小さい範囲であり、
かつ、印加電圧1kVにおける導電基体から離型層表面までの体積固有抵抗率が1×1015Ω・cm以上であることを特徴とする定着装置。 - トナーを記録材上に押し付ける向きの電位差は、加圧手段にトナーと逆極性のバイアスを印加して形成されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 導電基体上の弾性層はシリコーンゴムであり、離型層はフッ素樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 熱定着手段の導電基体が金属ベルトであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の定着装置。
- 記録材上に未定着トナー画像を形成担持させる作像手段と、記録材上の未定着トナー画像を記録材上に定着させる定着手段を有する画像形成装置であり、定着手段が請求項1から4の何れか1項に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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