JP2004157371A - 加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルム加熱方式の加熱装置においてフィルムとして熱伝導性に優れた薄肉の金属スリーブを用いる場合に、熱効率を損なうことなしに、加熱体や加熱体支持部材との摺動性を良くし、摺擦による削れがない加熱装置を提供する。
【解決手段】被加熱材Pを加熱部材10と加圧部材20との圧接部である加熱ニップ部Nを通過させることにより加熱する加熱装置において、加熱部材10は、回転可能な金属製スリーブ13と、その内周面に接触するように保持部材12に固定配置された加熱体11を有し、前記加熱体11の金属製スリーブ13と接触する面には、金属製スリーブ13との摺動性向上のためのポリイミド等の摺動層を設ける。また加熱体保持部材の表面にもフィルムやチューブ状の樹脂層を設けることで金属スリーブとの摺動による磨耗を抑制する。
【選択図】図2
【解決手段】被加熱材Pを加熱部材10と加圧部材20との圧接部である加熱ニップ部Nを通過させることにより加熱する加熱装置において、加熱部材10は、回転可能な金属製スリーブ13と、その内周面に接触するように保持部材12に固定配置された加熱体11を有し、前記加熱体11の金属製スリーブ13と接触する面には、金属製スリーブ13との摺動性向上のためのポリイミド等の摺動層を設ける。また加熱体保持部材の表面にもフィルムやチューブ状の樹脂層を設けることで金属スリーブとの摺動による磨耗を抑制する。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、電子写真方式・静電記録方式等の作像プロセスを採用した画像形成装置において、作像プロセス部で記録材(転写材・印字用紙・感光紙・静電記録紙等)に転写方式あるいは直接方式で形成担持させた目的の画像情報の未定着トナー像を固着像として熱定着処理する加熱定着装置として用いて好適な加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式、静電記録方式等を採用する画像形成装置に具備される加熱定着装置においては、未定着トナー像を担持した記録材を、互いに圧接して回転する加熱部材としての定着ローラと加圧部材としての加圧ローラとで形成されるニップ部を通過させることにより記録材上に永久画像として定着させる、いわゆる熱ローラ方式の加熱装置が広く用いられている。
【0003】
加熱部材としての定着ローラは、アルミの中空芯金の内部に設けたハロゲンランプの輻射熱を利用して、芯金内部から記録材上のトナーを溶融させるのに十分な加熱がなされる。加熱部材としての定着ローラの中空芯金に機械的強度を持たせるため、肉厚が0.5mm〜4.0mm程度必要であり、大きな熱容量を有する。そのため、スタンバイ時には所定温度に定着ローラを予備加熱しておく必要がある。
【0004】
一方、特にスタンバイ時に加熱定着装置に電力を供給せず、消費電力を極力低く抑えた方法、詳しくはヒータ部と加圧ローラの間に薄肉のフィルムを介して記録材上のトナー像を定着するフィルム加熱方式による加熱定着方法が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0005】
図8にフィルム加熱方式の加熱定着装置の1例の概略構成を示した。すなわち図8において、アルミナや窒化アルミ等のセラミック板上に発熱抵抗層が形成された加熱体としてのセラミックヒータ71が耐熱性の樹脂で成型された加熱体支持部材としてのステイホルダー72に固定支持され、そのヒータ71に密着したポリイミド等の耐熱性樹脂の薄肉フィルム(以下、定着フィルムと記す)73と、そのフィルム73を挟んで圧接させて定着ニップ部Nを形成させた加圧ローラ50を有する。
【0006】
定着フィルム73はステイホルダー72対して余裕をもってルーズに外嵌し、加圧ローラ50の回転力により、定着ニップ部Nにおいてヒータ71面に密着・摺動しつつ矢印の方向に搬送移動される。定着フィルム73とヒータ71の摺動性を確保するためにヒータ71のニップ加熱面にはガラス層が形成されており、さらに摺動性を上げるために耐熱性のグリス等を介在させている。
【0007】
ヒータ71の温度は、ヒータ背面に設置された温度検知手段74により検知し不図示の通電制御部へフィードバックされ、ヒータ温度が一定温度(定着温度)になるように加熱・温調される。
【0008】
加圧ローラ50において、51は芯金、52は弾性層、53は表面離型層である。
【0009】
加圧ローラ50が回転駆動され、それに伴い定着フィルム73が従動回転し、加熱ヒータ71が所定の定着温度に温調されている状態において、定着フィルム73と加圧ローラ50との圧接部である定着ニップ部Nに未定着トナー画像tを形成担持させた記録材Pが導入される。その記録材Pが定着ニップ部Nを挟持搬送されていき、定着フィルム73を介して加熱ヒータ71の熱エネルギーが記録材に与えられるとともに、定着ニップ部Nでの加圧力を受けて未定着トナー画像tが記録材P面に熱圧定着される。
【0010】
このようなフィルム加熱方式の加熱定着装置を用いたプリンター、複写機等の各種画像形成装置は、加熱効率の高さや立ち上りの速さにより、待機中の予備加熱の不要化や、ウエイトタイムの短縮化など、従来の熱ローラ等を用いて加熱定着させる方式に比べて多くの利点を有している。
【0011】
しかしながら、上述したフィルム加熱方式の加熱定着装置の場合、以下に述べるような問題点がある。
【0012】
すなわち画像形成装置が高速化するに伴って、記録材が加熱定着装置を通過する時間は短くなる。記録材上の未定着トナーを定着させるためには、従来よりも多くの熱エネルギーを瞬間的に記録材あるいはトナーに与えなければならない。そのために、ヒータの設定温度を上げるという手段があるが、ヒータを保持するステイホルダーに使われる樹脂やその他の周辺部材の耐熱温度から、ヒータの設定温度には限界がある。限界温度以下の設定であっても、従来のように熱伝導性の悪いポリイミドなど樹脂製の定着フィルムでは、ヒータからの熱エネルギーは断熱されてしまうので、記録材やトナーへ効率よく伝わらず、画像形成装置のさらなる高速化にはおのずと限界が生じる。
【0013】
そこで熱効率を上げるために、たとえば樹脂製の定着フィルム内に混入させる熱伝導性フィラーの量を増加して熱伝導性をアップさせることも可能である。しかしながら、熱伝導フィラーの大量混入はフィルムの引裂強度低下を導き、耐久中にフィルムが裂ける等の弊害が生じてしまう。
【0014】
または、加圧力を高めることで定着ニップ幅を広め、熱を受ける領域を広げる方法もあるが、高い加圧力は樹脂製の定着フィルムにかかる負荷が大きく、耐久性を著しく悪化させることになる。
【0015】
以上のようなことから、樹脂製の定着フィルムを加熱定着に用いることは、高速化に対して限界がある。
【特許文献1】
特開昭63−313182号公報
【特許文献2】
特開平2−157878号公報
【特許文献3】
特開平4−44075号公報
【特許文献4】
特開平4−204980公報等
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
以上の問題を回避し、さらなる高速化に対応するために、樹脂製の定着フィルムよりも熱伝導性が良好な薄肉の金属製スリーブを用いる方法がある。
【0017】
しかしながら、樹脂製の定着フィルムを用いた従来の加熱定着装置にそのまま金属スリーブを用いると、以下のような問題点が生じる。
【0018】
まず図9に従来の加熱定着装置の加熱ヒータ近傍の模式図を示す。加熱ヒータ71と定着フィルム73の摺動性をよくするために、ヒータの摺動面には、ガラス層75がコーティングされていることが多い。このような構成において、定着フィルム73として、薄肉の金属スリーブを用いると、金属スリーブの内面とガラス層75の摩耗により、金属あるいはガラスの両方あるいはいずれか一方が磨耗する。磨耗により生じた削り粉は、ヒータと金属スリーブの間に塗られた摺動性グリスと混ざり合って摩擦抵抗を増大させトルクアップの原因になる。
【0019】
これは、加圧ローラの搬送力が低下するような状況下、すなわち水分を多量に含む記録材を加熱定着させ、大量の水蒸気が放出されるような場合、上記の摩擦抵抗が大きくなると、金属スリーブを従動搬送することが不可能となり、記録材のジャムを引き起こすこともある。極端な場合、トルクアップにより金属スリーブが全く回転不能になることも考えられる。あるいは削り粉の介在により、ヒータと金属スリーブ間の接触熱抵抗が増大し、熱効率が落ちる。
【0020】
さらに、加熱ヒータ73を保持するステイホルダー72は、図9に示すように、加熱ヒータ71のエッジが定着フィルム73の内面と当たらないように保護する目的で、ヒータ摺動面よりも突き出して成型されている(図8中の点線○印で示す部分。以下、この部分をステイホルダーの顎部と呼ぶ)。ステイホルダーは、液晶ポリマーやPPSなどの耐熱性の樹脂で形成されていることが多い。定着フィルム73が従来のようにポリイミド等の樹脂製の場合、ステイホルダー72は磨耗することなく形状を保つことができるが、金属スリーブを用いた場合、ステイホルダー72の顎部が金属スリーブとの接触部において削られてしまう。このステイホルダーの削り粉は、前記のガラス層75や金属スリーブ内面の削り粉と同様にグリスと混ざり合って、摩擦抵抗の増加や、接触熱抵抗の増加原因となる。
【0021】
一方で、薄肉の金属スリーブの内面に、ポリイミド等の摺動層をコートすれば、摺動ガラス75との磨耗や、ステイホルダー72との摺擦による磨耗等の問題は解消できる。しかしながら、金属スリーブ内面へ摺動層を均一にコートすることは技術的にも困難であり、コストを要する。さらに内面に熱伝導性の悪いポリイミドをコートすることは、熱伝導性に優れた金属スリーブの性能を損なうことになるので、効果的な対策ではない。
【0022】
そこで、本発明の目的は、フィルム加熱方式の加熱装置においてフィルムとして熱伝導性に優れた薄肉の金属スリーブを用いる場合に、熱効率を損なうことなしに、加熱体や加熱体支持部材との摺動性を良くし、摺擦による削れがない加熱装置を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明は、被加熱材を加熱部材と加圧部材との圧接部である加熱ニップ部を通過させることにより加熱する加熱装置において、加熱部材は、回転可能な金属製スリーブと、その内周面に接触するように保持部材に固定配置された加熱体を有し、前記加熱体の金属製スリーブと接触する面には、金属製スリーブとの摺動性向上のための摺動層を設けることを特徴とする加熱装置、である。
【0024】
(作 用)
すなわち、金属製の薄肉スリーブをフィルムとして用いる場合に、加熱体の摺動面側に、耐熱性、潤滑性、耐磨耗性に優れた摺動層、より具体的にはポリイミド、ポリアミドイミド、PFA、PTFEなどの樹脂層を設けることにより、金属スリーブ内面の削れを抑制する。さらには、加熱体を保持する保持部材の表面にも、上記同様の摺動層を設けることにより、金属スリーブが保持部材を研磨することを防ぐ。
【0025】
加熱体の通紙上流側における端部を面取りした上で表面に摺動層を設け、且つ加熱体の摺動面の延長線上から、保持部材を突き出させないようにすることで、金属スリーブが加熱体、および保持部材の周囲をスムーズに回転することができる。金属スリーブの耐久性を向上させるとともに、加熱体や保持部材との磨耗も防ぐことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1の実施例)
(1)画像形成装置例
図1は本実施例における画像形成装置の概略構成図である。
【0027】
1は感光ドラムであり、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基盤上に形成されている。感光ドラム1は矢印の方向に回転駆動され、その表面は帯電装置としての帯電ローラ2によって一様帯電される。
【0028】
次に、レーザースキャナ3によって画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザービームLによる走査露光が施され、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置4でトナー像として現像、可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
【0029】
可視化されたトナー像は、転写装置としての転写ローラ5により、所定のタイミングで搬送された記録材P上に感光ドラム1上より転写される。ここで感光ドラム1上のトナー像の画像形成位置と記録材の先端の書き出し位置が合致するようにトップセンサ8にて記録材の先端を検知し、タイミングを合わせている。所定のタイミングで搬送された記録材Pは感光ドラム1と転写ローラ5に一定の加圧力で挟持搬送される。このトナー像が転写された記録材Pは加熱定着装置6へと搬送され、永久画像として定着される。
【0030】
一方、感光ドラム1上に残存する転写残りの残留トナーは、クリーニング装置7により感光ドラム1表面より除去される。また、9は定着装置6内に設けられた排紙センサであり、紙がトップセンサ8と排紙センサ9の間で紙づまりなどを起こした際に、それを検知するためのセンサである。
【0031】
(2)加熱定着装置6
図2は加熱定着装置6の横断面を示す概略構成模式図、図3は加熱定着装置の長手方向の構成を示す概略模式図である。この加熱定着装置6は基本的には前述した図8のフィルム加熱方式の加熱定着装置において定着フィルム(加熱定着用回転体)として金属製スリーブを用い装置である。10は加熱部材(定着部材)としてのフィルムアセンブリであり、加熱体としての加熱ヒータ11、加熱体保持部材としての断熱ステイホルダー12、金属製スリーブ13等からなる。20は加圧部材としての弾性加圧ローラである。
【0032】
1)加熱ヒータ11
加熱ヒータ11は、金属製スリーブ13の内面に接触することによりニップ部Nの加熱を行う。アルミナや窒化アルミ等の高絶縁性セラミックス基板11aの表面に、長手方向に沿ってAg/Pd(銀パラジウム)、RuO2、Ta2N等の通電発熱抵抗層11bが、厚み約10μm、幅約1〜5mm程度でスクリーン印刷等により塗工してある。あるいは、金属製基板上に絶縁層、通電発熱抵抗層を順じ積層して形成されていても良い。
【0033】
セラミックス基板11aの背面には通電発熱抵抗層11bの発熱に応じて昇温したセラミック基板の温度を検知するためのサーミスタ等の温度検知素子14が配設されている。この温度検知素子14の信号に応じて、長手方向端部にある不図示の電極部から通電発熱抵抗層に印加される電圧のデューティー比や波数等を適切に制御することで、定着ニップ部N内での温調温度を一定に保ち、記録材上のトナー像を定着するのに必要な加熱を行う。また、加熱ヒータ11が金属製スリーブ13と接する面には、金属製スリーブとの摺擦に耐えることが可能な薄層のガラスコートや、ポリイミド、ポリアミドイミド等の潤滑性樹脂層などの保護層を設けている。
【0034】
2)断熱ステイホルダー12
ステイホルダー12は加熱用ヒータ11を保持し、ニップと反対方向への放熱を防ぐとともに、金属製スリーブ13の回転を案内する。剛性、耐熱性、断熱性、耐磨耗性等に優れた、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等の樹脂材料により形成されている。
【0035】
3)金属製スリーブ13
金属製スリーブ13は、クイックスタートを可能にするために総厚200μm以下の厚みで耐熱性、高熱伝導性を有するSUS、Al、Ni、Cu、Zn等の純金属あるいは合金を基層として形成されている。
【0036】
また、長寿命の加熱定着装置を構成するために充分な強度を持ち、耐久性に優れた金属製スリーブとして、総厚20μm以上の厚みが必要である。よって金属製スリーブ13の総厚としては20μm以上200μm以下が最適である。
【0037】
さらにオフセット防止や記録材の分離性を確保するために表層にはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)、CTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂等の離型性の良好な耐熱樹脂を混合ないし単独で被覆して離型性層を形成してある。
【0038】
被覆の方法としては、金属製スリーブ13の外面をエッチング処理した後に離型性層をディッピングするか、粉体スプレー等の塗布であってもよい。あるいは、チューブ状に形成された樹脂を金属製スリーブ13の表面に被せる方式であっても良い。または、金属製スリーブ13の外面をブラスト処理した後に、接着剤であるプライマ層を塗布し、離型性層を被覆する方法であっても良い。また、金属製スリーブ13の内面には、潤滑性、耐磨耗性に優れたフッ素樹、ポリイミドあるいはポリアミドイミド等の樹脂層を形成してあっても良い。
【0039】
4)加圧部材20
加圧部材としての弾性加圧ローラ20は、SUS、SUM、Al等の金属製芯金21の外側にシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムあるいはシリコンゴムを発泡して形成された弾性層22からなる弾性ローラである。この上にPFA、PTFE、FEP等の離型性層23を形成してあってもよい。
【0040】
加圧ローラ20は定着部材10の方向に不図示の加圧手段により、長手方向両端部から加熱定着に必要な定着ニップ部Nを形成するべく十分に加圧されている。
【0041】
加圧部材である加圧ローラ20は長手方向端部から芯金21を介して不図示の回転駆動手段により図2の矢印の方向に回転駆動される。この加圧ローラ20の回転駆動に伴って、金属製スリーブ13は加圧ローラ20との摩擦力により従動回転する。また、金属製スリーブ13と加熱ヒータ11の間には、フッ素系やシリコーン系の耐熱性グリース等の潤滑剤を介在させることにより、摩擦抵抗を低く抑えスムーズに回転が可能となる
記録材Pは耐熱性の定着入口ガイド24に沿って定着ニップN部内に搬送される。その後定着ニップより排出された記録材Pは耐熱性の不図示の定着排紙ガイドに案内されて排出トレイ上に排出される。
【0042】
図3において、19は金属スリーブ13をスラスト方向に規制するフランジ、25は加熱定着装置のフレームである。
【0043】
(3)加熱用ヒータ11および断熱ステイホルダー12の詳細構成
ここで本発明に係わる加熱用ヒータ11および断熱ステイホルダー12の詳細な構成を図4で説明する。
【0044】
まず、加熱ヒータ11の金属スリーブ13との摺動面には、ヒータ摺動層15としてのポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、PFA、PTFE等のフッ素系樹脂など、耐熱性、潤滑性、そして金属との耐磨耗性に優れた樹脂層や、あるいはこれらと同じような性質を有する二硫化モリブデン、グラファイトなどの固体潤滑層が形成されている。
【0045】
このヒータ摺動層15は、ディッピング塗工、あるいはスプレーによる塗装によりコーティングされ、焼成工程を経て形成される。薄肉の金属スリーブ13を定着フィルムとして用いる場合、これらの摺動層15は従来のガラス層よりも、磨耗による削れを低減することができる。
【0046】
しかしながら、ヒータ摺動層15が薄ければ、加熱ヒータ11のセラミック基板11aが磨耗により露出し、金属スリーブ13の内面を削ってしまうことになる。したがって、3μm以上の厚みを有することが望ましい。また、逆にヒータ摺動層15が厚くなると、加熱ヒータ11から金属スリーブ13へ伝わる熱が断熱されてしまうので、記録材に十分な熱を供給することができない。したがって、ヒータ摺動層15の厚みは20μm以下であることが望ましい。
【0047】
また、加熱ヒータ11と金属スリーブ13の間には摺動性を向上させるため、耐熱性グリース等の潤滑剤を介在させる必要がある。主として、耐熱性に優れたフッ素系のグリースやシリコーン系のグリースなどが適している。
【0048】
グリースの塗布量が必要以上に多くなると金属スリーブ13の端部から流出し、さらにニップ面に多量に回りこみ、加圧ローラ20と金属スリーブ13の摩擦力を低下させる。また、塗布量が少ないと長時間の使用中にグリース中のオイル成分が揮発してしまい潤滑性能を低下させる。したがってグリースの塗布量には最適な量が存在する。具体的には加熱ヒータ11の面積に応じて単位面積(平方センチメートル)あたり10〜20mgが最適量である。また、長手方向の初期の塗布領域が狭すぎると端部にまでグリースが行き届かず、長手端部の潤滑性を損なうので、加熱ヒータ11の表面には金属スリーブ13端部より外側に最大1cm程度、長く塗布しておく方が良い。
【0049】
ここで、ヒータ摺動層15として挙げた上記の各樹脂材料および固体潤滑層のなかで、最も実使用に適した材料を次に述べるような方法で比較選定を行った。すなわち、ポリイミド、ポリアミドイミド、PFA、二硫化モリブデン、グラファイト、および従来例としてガラス層の各潤滑層を加熱ヒータ11の摺動面に5μmの厚みで塗布し、ステンレス製で厚みが40μmの金属スリーブとフッ素系のグリースとともに加熱定着装置内に具備させた。
【0050】
画像形成装置を用いて、200℃の温度でヒータ11を加熱しながら、加熱定着装置の寿命である20万枚の連続通紙耐久を行った際の、各摺動層の厚みを比較した。また、耐久初期と20万枚通紙後の加圧ローラの駆動トルクも比較した。以下表1に結果を示す。
【0051】
【表1】
【0052】
上記結果より、▲1▼ポリイミドあるいは▲2▼ポリアミドイミドが、摺動層の削れも少なく、また耐久後のトルクアップも少ないので、実用上最も問題が無いと言える。これらの結果は、各材料の表面硬度、加熱ヒータ11の基板材料との密着性、グリースとの馴染み、そして金属スリーブ13の材質など様々なパラメータに起因していると考えられる。PFAや、二硫化モリブデン等の固体潤滑材も、最適なグリースやスリーブ材料とマッチングすれば実使用での問題は無くなると考えられえる。しかしながら、ガラス層に関しては、摺動層の削れは少なかったものの、金属スリーブ自体が磨耗し、20万枚通紙以下の耐久でトルクアップにより使用不可になった。つまり従来のガラス層は金属スリーブ13の使用には向かないと考えられる。
【0053】
一方、ステイホルダー12は、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等の加工性に優れた樹脂により形成される基材部12aと、金属スリーブと基材部12aの磨耗を防ぐためのホルダー摺動層12bが、基材の外側に形成してある。このステイホルダー12の形状に関して、従来の耐熱樹脂等のフィルムを定着フィルムとして用いる場合は、図9に示すように、樹脂フィルム73に剛性がない分ステイホルダー72が円周方向に延長され、樹脂フィルム内にルーズに勘合することで、フィルムの搬送ガイドを兼ねていた。
【0054】
しかしながら、本実施例のように金属スリーブ13の場合、その剛性を利用して摺動回転できるので、ステイホルダー12の機能としては加熱ヒータ13を保持してニップを形成するのみでよく、金属スリーブ内面に接触する面積はできるだけ少ない方が良い。したがって、図4に示すように形状を蒲鉾型に簡略化してある。そのステイホルダー表面に設けるホルダー摺動層12bは以下の述べるような方法によって形成することが可能である。
【0055】
まず1つめの方法としては、図4に示すようにステイホルダー12の基材12aの周囲を、ポリイミド、ポリアミドイミド、PFA、PTFEなど耐熱性、摺動性、耐磨耗性に優れた樹脂製のフィルムで包囲し形成する。この樹脂製のフィルムを固定するには、まずその一端を加熱ヒータ11と基材12aの間に挟持させ、次に基材12aの周囲を包囲した後、他端は基材上部においてピンや押さえ部材16により固定させる。あるいは耐熱性の接着剤でその端部を固定することも可能である。また、樹脂フィルムの一面に耐熱性の接着剤が予め塗布されたテープ等で、基材周囲全体に対して接着することも可能である。
【0056】
さらに別の方法としては図5に示すように、上記同様ポリイミド、ポリアミドイミド、PFA、PTFEなど耐熱性、摺動性、耐磨耗性に優れた樹脂製のチューブ17を、基材12aの上から被せ、加熱ヒータ11をステイホルダー12に押し当てることで挟持固定する。加熱ヒータ11とステイホルダー12の接着個所にあたる部分は、樹脂チューブ17には穴をあけておく必要がある。或いは、ステイホルダー12に樹脂チューブ17を接着等の方法で固定し、その上から加熱ヒータ11を接着しても良い。
【0057】
また、PFA、PTFEなどの樹脂製チューブで熱収縮性を有する場合、基材12aの上から熱収縮チューブ18を被せた後、熱収縮に必要な所定の温度と、必要であれば収縮に必要な外型等の治具を用いて焼成工程を経て基材に固着させる。図6のような構成で示される。この方法では、摺動層15と基材12aの密着性を高めることができるので、前記の2例より耐久性に優れている。また、量産性にも適した方法である。
【0058】
以上に述べた、フィルムあるいはチューブで形成したホルダー摺動層の厚みは、薄すぎれば成型時の作業性が困難になり、厚くしすぎると、剛性が高くなりホルダー基材部との密着性が悪くなるので、10μm以上100μm以下が適当であると考えられる。
【0059】
以上に述べた方法のうちで、加熱ヒータ11に厚み5μmのポリイミドを摺動層15として形成し、ステイホルダー12の表面にも厚みが50μmのポリイミドフィルムの摺動層12bを設けた構成において、金属スリーブ13に材質がステンレス製で厚みが40μmのチューブを用いた場合に、金属スリーブ内面の削れ、ステイホルダー12の削れ、加圧ローラ20の駆動トルク等がどのように改善されるかを確かめた。比較として、ステイホルダー12は液晶ポリマーのみで成型されたものを使用し、加熱ヒータ11の摺動層15にポリイミドをコートしたものをとりあげた。耐久試験は、表1の評価と同様に、画像形成装置を用いて加熱定着装置の寿命である20万枚を目標に通紙させ、耐久後の各パラメータの変化を比較した。結果を下記の表2に示す。
【0060】
【表2】
【0061】
表2より明らかなように、本実施例の構成▲2▼では、20万枚の通紙を終了した時点でも、SUSスリーブ13の内面および、ステイホルダー12の目立った削れは発生せず、加圧ローラ50の駆動トルクも通紙初期の2.3kg・cmからそれほど大きく変化はなく、耐久に十分な性能を持っている。また、加熱ヒータ面にのみポリイミドをコートした構成▲1▼では、ステイホルダー12のみ削れが発生し、駆動トルクも大きくなっている。しかしながら、この駆動トルクが画像形成装置の動作上、問題にならないトルクであれば、ステイホルダー12の削れはあるものの、実用に耐えうると考えられる。
【0062】
また、金属スリーブ13の内面に10μm程度のポリイミドコートを施したものを、従来例であるガラス層を摺動層に用いた構成に使用した場合、金属スリーブ13の内面のポリイミドやステイホルダー12の目立った削れは発生せず、20万枚の通紙に耐えうることが可能であった。しかしながら、この構成の場合は加熱ヒータ11からニップ部に伝わる熱量が、金属スリーブ内面のポリイミド層に断熱され減少する。つまりこの構成の場合、加熱ヒータの基板と金属スリーブの金属面の間には、ヒータ面の摺動層と金属スリーブ内面の摺動層の二層が存在する。
【0063】
一方、本実施例の構成ではヒータ面のみの摺動層で良い。これらの摺動層の総厚を同じに設定しても、二層ある方はそれぞれの層間での接触熱抵抗が存在し、熱エネルギーは損失される。また、金属スリーブの内面に摺動層を均一に塗布することは技術的に困難であり、厚みむらなどが生じる。実際に、金属スリーブ内面に摺動層を塗布した構成で、加熱ヒータ11の温度を200℃に設定して記録材上の未定着トナー画像を加熱定着させた場合、トナー画像は完全に定着せず未定着のままであった。このとき金属スリーブ13の表面温度は185℃であった。これに対して、本実施例の構成では、全く同じ条件で加熱定着を行った場合でも、記録材上のトナー画像は完全に定着しており、また金属スリーブ表面の温度も192℃と高い値を示した。従って、本実施例の構成は熱効率の面においても優位性があると考えられる。
【0064】
以上に説明したように、加熱定着装置の加熱ヒータおよび、それを保持するステイホルダーが金属スリーブと接する表面に耐熱性、潤滑性、耐摩耗性に優れた樹脂層などをコートすることにより、摩耗やトルクアップ等の問題を抑えることが可能となる。
【0065】
(第2の実施例)
以下に、本発明の第2の実施例について説明する。本実施例に関する画像形成装置全体の構成および加熱定着装置全体の構成は、それぞれ前記実施例1で示した図1、図2と同様であるため説明を省く。
【0066】
実施例1の構成では図4に示すように、加熱ヒータ11の両端部が、直接金属スリーブの内面に接触しないように、ステイホルダー12の顎部分(図4の点線○印の部分)が通紙方向に対して上流側も下流側も、加熱ヒータ11の摺動面よりも低い位置まで延長され、加熱ヒータ11の端部を保護していた。そのために金属スリーブ13は顎部分を支点にして変形し、ステイホルダー12に接触しているので接触圧が高くなっていた。そのために、ステイホルダー12の削れを防止する目的で、表面に摺動層を設けた。
【0067】
本実施例では、図7に示すように、ステイホルダー12の顎部分が加熱ヒータの摺動面の延長線上よりも突き出ないような構成としている。すなわち、接触圧が高くなる顎部において金属スリーブ13にストレスを与えないように、ステイホルダー12がヒータの摺動面と滑らかに繋がるような構成とした。さらに、通紙上流側では、金属スリーブ13がよりスムーズにニップ面に進入できるように、加熱ヒータ11の端部を斜めに面取りさせてある。
【0068】
この面取り量に関して、図中Aの長さがヒータ摺動面の中央部まで延長すると加熱ニップ幅Nに掛かり、そのニップ幅Nを狭めてしまうことになるので、できるだけニップ幅の外側までにとどめておく方が望ましい。また、厚み方向の量(図中Bの長さ)もその量が大きいと、テーパーが鋭くなってしまい、テーパー開始位置(図中では範囲Aの左端部)と金属スリーブが削れる恐れがあるため、できるだけ緩やかな方が良い。
【0069】
具体的にはB/Aの値が1/20≦B/A≦1/5程度であることが望ましい。
【0070】
一方、通紙下流側では、加熱ヒータ11の摺動面の延長線上に断熱ステイホルダーの顎部が配置されるのが好ましい。寸法公差内のばらつきで、加熱ヒータ摺動面がステイホルダー12の顎部より突き出てしまう場合も考えられるが、下流側では金属スリーブ内面を積極的に削る方向ではないので問題にはならない。さらに、加熱ヒータ11の摺動面には、実施例1と同様にポリイミド、ポリアミドイミド、PFA、PTFEなどの摺動層がディッピング塗工、あるいはスプレー塗装などによりコートしてある。
【0071】
以上に説明した本実施例での構成では、金属スリーブ13が、ステイホルダー12の顎部を支点にして変形しないので、ステイホルダー12に対する接触圧が実施例1の構成よりも低く抑えることができる。したがって、ステイホルダー表面には、実施例1のようにポリイミド、ポリアミドイミドなどの摺動層を設ける必要がなく、基材部12aの液晶ポリマー、PPSなどが表面に剥き出していても、金属スリーブとの接触による削れは軽微に抑えることができる。
【0072】
実際、本実施例の構成で、実施例1の表2に示した耐久評価を行っても、20万枚耐久後のステイホルダー12の削れも軽微であり、駆動トルクも2.6kg・cmに抑えることができた。また、ステイホルダー12との接触圧が低いことから、金属スリーブの受ける応力も小さくなるので、金属スリーブ自体の耐久性も向上させることができる。
【0073】
(その他)
1)金属製スリーブ13は、加圧部材としての加圧ローラの回転駆動に従動させて回転する構成ではなく、例えば、金属スリーブの内部に駆動ローラを設け、この駆動ローラを回転駆動することにより金属スリーブを回転させる装置構成にすることもできる。
【0074】
2)加熱ヒータ11はセラミックヒータに限られず、例えば、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータや、電磁誘導発熱部材などを用いることもできる。またセラミックの絶縁基板の代わりに金属板の表面を絶縁処理したものを用いることもできる。
【0075】
3)加熱ヒータ11は必ずしも定着ニップ部Nに位置していなくてもよい。
【0076】
4)加圧部材20はローラ体に限られず、回動ベルト体にすることもできる。
【0077】
5)本発明の加熱装置は実施形態例の画像加熱定着装置としてに限らず、画像を担持した記録材を加熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置、仮定着する像加熱装置、その他、被加熱材の加熱乾燥装置、加熱ラミネート装置など、広く被加熱材を加熱処理する手段・装置として使用できる。
【0078】
以上、本発明の様々な例と実施例が示され説明されたが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は本明細書内の特定の説明と図に限定されるのではなく、本願特許請求の範囲に全て述べられた様々の修正と変更に及ぶことが理解されるであろう。
【0079】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0080】
〔実施態様1〕被加熱材を加熱部材と加圧部材との圧接部である加熱ニップ部を通過させることにより加熱する加熱装置において、
加熱部材は、回転可能な金属製スリーブと、その内周面に接触するように保持部材に固定配置された加熱体を有し、前記加熱体の金属製スリーブと接触する面には、金属製スリーブとの摺動性向上のための摺動層を設けることを特徴とする加熱装置。
【0081】
〔実施態様2〕未定着トナー画像が形成された記録材を、定着部材と加圧部材により互いに圧接してなるニップ間を通過させることにより、前記未定着トナー画像を定着させる加熱装置において、
前記定着部材は、表層に離型層が形成された金属製のスリーブと、その内周面に接触するように固定配置された通電発熱抵抗層を有する加熱体と、その加熱体を保持する保持部材から成り、
前記加熱体の金属製スリーブと接触する面には、金属製スリーブとの摺動性向上のための摺動層を設けることを特徴とする加熱装置。
【0082】
〔実施態様3〕前記加熱体に設ける摺動層が樹脂材料から成ることを特徴とする実施態様1または2に記載の加熱装置。
【0083】
〔実施態様4〕前記樹脂材料の摺動層はその厚さが20μm以下であることを特徴とする実施態様3に記載の加熱装置。
【0084】
〔実施態様5〕前記樹脂材料は、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂であることを特徴とする実施態様3または4に記載の加熱装置。
【0085】
〔実施態様6〕前記加熱体を保持する保持部材の表面には、前記金属製スリーブとの摺動性向上のための摺動層を設けることを特徴とする実施態様1から5のいずれかに記載の加熱装置。
【0086】
〔実施態様7〕前記加熱体保持部材の表面の摺動層は樹脂製のフィルムあるいはチューブであることを特徴とする実施態様6に記載の加熱装置。
【0087】
〔実施態様8〕加熱体は通紙上流側の端部が面取りしてあり、且つその加熱体を保持する保持部材は加熱体の摺動面の延長線上から突き出ないことを特徴とする実施態様1から7記載のいずれかに記載の加熱装置。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、フィルム加熱方式の加熱装置において、金属製の薄肉スリーブをフィルムとして用いる場合に、加熱体の摺動面側に、耐熱性、潤滑性、耐磨耗性に優れた摺動層、より具体的にはポリイミド、ポリアミドイミド、などのイミド系樹脂層を設けることにより、金属スリーブ内面の削れを抑制する。
【0089】
さらには、加熱体を保持する保持部材の表面にも、上記同様の摺動層を設けることにより、金属スリーブが保持部材を研磨することを防ぐ。
【0090】
あるいは、加熱体の通紙上流側における端部を面取りした上で表面に摺動層を設け、且つ加熱体の摺動面の延長線上から、保持部材を突き出させないようにすることで、金属スリーブが加熱体、および保持部材の周囲をスムーズに回転することができる。金属スリーブの耐久性を向上させるとともに、加熱体や保持部材との磨耗も防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる画像形成装置の構成図
【図2】本発明に係わる加熱定着装置の構成図
【図3】本発明の実施例1に係わる加熱定着装置の長手方向の構成図
【図4】本発明の実施例1に係わる定着ニップ近傍の断面図
【図5】本発明の実施例1に係わる定着ニップ近傍の断面図
【図6】本発明の実施例1に係わる定着ニップ近傍の断面図
【図7】本発明の実施例2に係わる定着ニップ近傍の断面図
【図8】従来例に係わる加熱定着装置の断面図
【図9】従来例に係わる定着ニップ近傍の断面図
【符号の説明】
1・・感光ドラム、2・・帯電ローラ、3・・レーザービーム、4・・現像装置、5・・転写ローラ、6・・定着装置、7・・クリーニング装置、8・・トップセンサ、9・・排紙センサ、10・・定着部材、11・・加熱用ヒータ、11a・・セラミックス基板、11b・・通電発熱抵抗層、12・・ステイホルダー、12a・・ステイホルダー基材、12b・・ステイホルダー摺動層、13・・金属スリーブ、14・・温度検知素子、15・・ヒータ摺動層、16・・押さえ部材、17・・樹脂チューブ、18・・熱収縮樹脂チューブ、19・・フランジ20・・加圧ローラ、21・・芯金、22・・弾性層、23・・フッ素樹脂離型層、24・・定着入口ガイド、25・・加熱定着器フレーム、50・・加圧ローラ、51・・芯金、52・・弾性層、53・・フッ素樹脂離型層、70・・定着部材、71・・加熱用ヒータ、71a・・ヒータ基板、71b・・発熱抵抗層、72・・断熱ステイホルダー、73・・定着フィルム、74・・温度検知素子、75・・摺動ガラス層、P・・記録材
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、電子写真方式・静電記録方式等の作像プロセスを採用した画像形成装置において、作像プロセス部で記録材(転写材・印字用紙・感光紙・静電記録紙等)に転写方式あるいは直接方式で形成担持させた目的の画像情報の未定着トナー像を固着像として熱定着処理する加熱定着装置として用いて好適な加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式、静電記録方式等を採用する画像形成装置に具備される加熱定着装置においては、未定着トナー像を担持した記録材を、互いに圧接して回転する加熱部材としての定着ローラと加圧部材としての加圧ローラとで形成されるニップ部を通過させることにより記録材上に永久画像として定着させる、いわゆる熱ローラ方式の加熱装置が広く用いられている。
【0003】
加熱部材としての定着ローラは、アルミの中空芯金の内部に設けたハロゲンランプの輻射熱を利用して、芯金内部から記録材上のトナーを溶融させるのに十分な加熱がなされる。加熱部材としての定着ローラの中空芯金に機械的強度を持たせるため、肉厚が0.5mm〜4.0mm程度必要であり、大きな熱容量を有する。そのため、スタンバイ時には所定温度に定着ローラを予備加熱しておく必要がある。
【0004】
一方、特にスタンバイ時に加熱定着装置に電力を供給せず、消費電力を極力低く抑えた方法、詳しくはヒータ部と加圧ローラの間に薄肉のフィルムを介して記録材上のトナー像を定着するフィルム加熱方式による加熱定着方法が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0005】
図8にフィルム加熱方式の加熱定着装置の1例の概略構成を示した。すなわち図8において、アルミナや窒化アルミ等のセラミック板上に発熱抵抗層が形成された加熱体としてのセラミックヒータ71が耐熱性の樹脂で成型された加熱体支持部材としてのステイホルダー72に固定支持され、そのヒータ71に密着したポリイミド等の耐熱性樹脂の薄肉フィルム(以下、定着フィルムと記す)73と、そのフィルム73を挟んで圧接させて定着ニップ部Nを形成させた加圧ローラ50を有する。
【0006】
定着フィルム73はステイホルダー72対して余裕をもってルーズに外嵌し、加圧ローラ50の回転力により、定着ニップ部Nにおいてヒータ71面に密着・摺動しつつ矢印の方向に搬送移動される。定着フィルム73とヒータ71の摺動性を確保するためにヒータ71のニップ加熱面にはガラス層が形成されており、さらに摺動性を上げるために耐熱性のグリス等を介在させている。
【0007】
ヒータ71の温度は、ヒータ背面に設置された温度検知手段74により検知し不図示の通電制御部へフィードバックされ、ヒータ温度が一定温度(定着温度)になるように加熱・温調される。
【0008】
加圧ローラ50において、51は芯金、52は弾性層、53は表面離型層である。
【0009】
加圧ローラ50が回転駆動され、それに伴い定着フィルム73が従動回転し、加熱ヒータ71が所定の定着温度に温調されている状態において、定着フィルム73と加圧ローラ50との圧接部である定着ニップ部Nに未定着トナー画像tを形成担持させた記録材Pが導入される。その記録材Pが定着ニップ部Nを挟持搬送されていき、定着フィルム73を介して加熱ヒータ71の熱エネルギーが記録材に与えられるとともに、定着ニップ部Nでの加圧力を受けて未定着トナー画像tが記録材P面に熱圧定着される。
【0010】
このようなフィルム加熱方式の加熱定着装置を用いたプリンター、複写機等の各種画像形成装置は、加熱効率の高さや立ち上りの速さにより、待機中の予備加熱の不要化や、ウエイトタイムの短縮化など、従来の熱ローラ等を用いて加熱定着させる方式に比べて多くの利点を有している。
【0011】
しかしながら、上述したフィルム加熱方式の加熱定着装置の場合、以下に述べるような問題点がある。
【0012】
すなわち画像形成装置が高速化するに伴って、記録材が加熱定着装置を通過する時間は短くなる。記録材上の未定着トナーを定着させるためには、従来よりも多くの熱エネルギーを瞬間的に記録材あるいはトナーに与えなければならない。そのために、ヒータの設定温度を上げるという手段があるが、ヒータを保持するステイホルダーに使われる樹脂やその他の周辺部材の耐熱温度から、ヒータの設定温度には限界がある。限界温度以下の設定であっても、従来のように熱伝導性の悪いポリイミドなど樹脂製の定着フィルムでは、ヒータからの熱エネルギーは断熱されてしまうので、記録材やトナーへ効率よく伝わらず、画像形成装置のさらなる高速化にはおのずと限界が生じる。
【0013】
そこで熱効率を上げるために、たとえば樹脂製の定着フィルム内に混入させる熱伝導性フィラーの量を増加して熱伝導性をアップさせることも可能である。しかしながら、熱伝導フィラーの大量混入はフィルムの引裂強度低下を導き、耐久中にフィルムが裂ける等の弊害が生じてしまう。
【0014】
または、加圧力を高めることで定着ニップ幅を広め、熱を受ける領域を広げる方法もあるが、高い加圧力は樹脂製の定着フィルムにかかる負荷が大きく、耐久性を著しく悪化させることになる。
【0015】
以上のようなことから、樹脂製の定着フィルムを加熱定着に用いることは、高速化に対して限界がある。
【特許文献1】
特開昭63−313182号公報
【特許文献2】
特開平2−157878号公報
【特許文献3】
特開平4−44075号公報
【特許文献4】
特開平4−204980公報等
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
以上の問題を回避し、さらなる高速化に対応するために、樹脂製の定着フィルムよりも熱伝導性が良好な薄肉の金属製スリーブを用いる方法がある。
【0017】
しかしながら、樹脂製の定着フィルムを用いた従来の加熱定着装置にそのまま金属スリーブを用いると、以下のような問題点が生じる。
【0018】
まず図9に従来の加熱定着装置の加熱ヒータ近傍の模式図を示す。加熱ヒータ71と定着フィルム73の摺動性をよくするために、ヒータの摺動面には、ガラス層75がコーティングされていることが多い。このような構成において、定着フィルム73として、薄肉の金属スリーブを用いると、金属スリーブの内面とガラス層75の摩耗により、金属あるいはガラスの両方あるいはいずれか一方が磨耗する。磨耗により生じた削り粉は、ヒータと金属スリーブの間に塗られた摺動性グリスと混ざり合って摩擦抵抗を増大させトルクアップの原因になる。
【0019】
これは、加圧ローラの搬送力が低下するような状況下、すなわち水分を多量に含む記録材を加熱定着させ、大量の水蒸気が放出されるような場合、上記の摩擦抵抗が大きくなると、金属スリーブを従動搬送することが不可能となり、記録材のジャムを引き起こすこともある。極端な場合、トルクアップにより金属スリーブが全く回転不能になることも考えられる。あるいは削り粉の介在により、ヒータと金属スリーブ間の接触熱抵抗が増大し、熱効率が落ちる。
【0020】
さらに、加熱ヒータ73を保持するステイホルダー72は、図9に示すように、加熱ヒータ71のエッジが定着フィルム73の内面と当たらないように保護する目的で、ヒータ摺動面よりも突き出して成型されている(図8中の点線○印で示す部分。以下、この部分をステイホルダーの顎部と呼ぶ)。ステイホルダーは、液晶ポリマーやPPSなどの耐熱性の樹脂で形成されていることが多い。定着フィルム73が従来のようにポリイミド等の樹脂製の場合、ステイホルダー72は磨耗することなく形状を保つことができるが、金属スリーブを用いた場合、ステイホルダー72の顎部が金属スリーブとの接触部において削られてしまう。このステイホルダーの削り粉は、前記のガラス層75や金属スリーブ内面の削り粉と同様にグリスと混ざり合って、摩擦抵抗の増加や、接触熱抵抗の増加原因となる。
【0021】
一方で、薄肉の金属スリーブの内面に、ポリイミド等の摺動層をコートすれば、摺動ガラス75との磨耗や、ステイホルダー72との摺擦による磨耗等の問題は解消できる。しかしながら、金属スリーブ内面へ摺動層を均一にコートすることは技術的にも困難であり、コストを要する。さらに内面に熱伝導性の悪いポリイミドをコートすることは、熱伝導性に優れた金属スリーブの性能を損なうことになるので、効果的な対策ではない。
【0022】
そこで、本発明の目的は、フィルム加熱方式の加熱装置においてフィルムとして熱伝導性に優れた薄肉の金属スリーブを用いる場合に、熱効率を損なうことなしに、加熱体や加熱体支持部材との摺動性を良くし、摺擦による削れがない加熱装置を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明は、被加熱材を加熱部材と加圧部材との圧接部である加熱ニップ部を通過させることにより加熱する加熱装置において、加熱部材は、回転可能な金属製スリーブと、その内周面に接触するように保持部材に固定配置された加熱体を有し、前記加熱体の金属製スリーブと接触する面には、金属製スリーブとの摺動性向上のための摺動層を設けることを特徴とする加熱装置、である。
【0024】
(作 用)
すなわち、金属製の薄肉スリーブをフィルムとして用いる場合に、加熱体の摺動面側に、耐熱性、潤滑性、耐磨耗性に優れた摺動層、より具体的にはポリイミド、ポリアミドイミド、PFA、PTFEなどの樹脂層を設けることにより、金属スリーブ内面の削れを抑制する。さらには、加熱体を保持する保持部材の表面にも、上記同様の摺動層を設けることにより、金属スリーブが保持部材を研磨することを防ぐ。
【0025】
加熱体の通紙上流側における端部を面取りした上で表面に摺動層を設け、且つ加熱体の摺動面の延長線上から、保持部材を突き出させないようにすることで、金属スリーブが加熱体、および保持部材の周囲をスムーズに回転することができる。金属スリーブの耐久性を向上させるとともに、加熱体や保持部材との磨耗も防ぐことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1の実施例)
(1)画像形成装置例
図1は本実施例における画像形成装置の概略構成図である。
【0027】
1は感光ドラムであり、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基盤上に形成されている。感光ドラム1は矢印の方向に回転駆動され、その表面は帯電装置としての帯電ローラ2によって一様帯電される。
【0028】
次に、レーザースキャナ3によって画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザービームLによる走査露光が施され、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置4でトナー像として現像、可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
【0029】
可視化されたトナー像は、転写装置としての転写ローラ5により、所定のタイミングで搬送された記録材P上に感光ドラム1上より転写される。ここで感光ドラム1上のトナー像の画像形成位置と記録材の先端の書き出し位置が合致するようにトップセンサ8にて記録材の先端を検知し、タイミングを合わせている。所定のタイミングで搬送された記録材Pは感光ドラム1と転写ローラ5に一定の加圧力で挟持搬送される。このトナー像が転写された記録材Pは加熱定着装置6へと搬送され、永久画像として定着される。
【0030】
一方、感光ドラム1上に残存する転写残りの残留トナーは、クリーニング装置7により感光ドラム1表面より除去される。また、9は定着装置6内に設けられた排紙センサであり、紙がトップセンサ8と排紙センサ9の間で紙づまりなどを起こした際に、それを検知するためのセンサである。
【0031】
(2)加熱定着装置6
図2は加熱定着装置6の横断面を示す概略構成模式図、図3は加熱定着装置の長手方向の構成を示す概略模式図である。この加熱定着装置6は基本的には前述した図8のフィルム加熱方式の加熱定着装置において定着フィルム(加熱定着用回転体)として金属製スリーブを用い装置である。10は加熱部材(定着部材)としてのフィルムアセンブリであり、加熱体としての加熱ヒータ11、加熱体保持部材としての断熱ステイホルダー12、金属製スリーブ13等からなる。20は加圧部材としての弾性加圧ローラである。
【0032】
1)加熱ヒータ11
加熱ヒータ11は、金属製スリーブ13の内面に接触することによりニップ部Nの加熱を行う。アルミナや窒化アルミ等の高絶縁性セラミックス基板11aの表面に、長手方向に沿ってAg/Pd(銀パラジウム)、RuO2、Ta2N等の通電発熱抵抗層11bが、厚み約10μm、幅約1〜5mm程度でスクリーン印刷等により塗工してある。あるいは、金属製基板上に絶縁層、通電発熱抵抗層を順じ積層して形成されていても良い。
【0033】
セラミックス基板11aの背面には通電発熱抵抗層11bの発熱に応じて昇温したセラミック基板の温度を検知するためのサーミスタ等の温度検知素子14が配設されている。この温度検知素子14の信号に応じて、長手方向端部にある不図示の電極部から通電発熱抵抗層に印加される電圧のデューティー比や波数等を適切に制御することで、定着ニップ部N内での温調温度を一定に保ち、記録材上のトナー像を定着するのに必要な加熱を行う。また、加熱ヒータ11が金属製スリーブ13と接する面には、金属製スリーブとの摺擦に耐えることが可能な薄層のガラスコートや、ポリイミド、ポリアミドイミド等の潤滑性樹脂層などの保護層を設けている。
【0034】
2)断熱ステイホルダー12
ステイホルダー12は加熱用ヒータ11を保持し、ニップと反対方向への放熱を防ぐとともに、金属製スリーブ13の回転を案内する。剛性、耐熱性、断熱性、耐磨耗性等に優れた、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等の樹脂材料により形成されている。
【0035】
3)金属製スリーブ13
金属製スリーブ13は、クイックスタートを可能にするために総厚200μm以下の厚みで耐熱性、高熱伝導性を有するSUS、Al、Ni、Cu、Zn等の純金属あるいは合金を基層として形成されている。
【0036】
また、長寿命の加熱定着装置を構成するために充分な強度を持ち、耐久性に優れた金属製スリーブとして、総厚20μm以上の厚みが必要である。よって金属製スリーブ13の総厚としては20μm以上200μm以下が最適である。
【0037】
さらにオフセット防止や記録材の分離性を確保するために表層にはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)、CTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂等の離型性の良好な耐熱樹脂を混合ないし単独で被覆して離型性層を形成してある。
【0038】
被覆の方法としては、金属製スリーブ13の外面をエッチング処理した後に離型性層をディッピングするか、粉体スプレー等の塗布であってもよい。あるいは、チューブ状に形成された樹脂を金属製スリーブ13の表面に被せる方式であっても良い。または、金属製スリーブ13の外面をブラスト処理した後に、接着剤であるプライマ層を塗布し、離型性層を被覆する方法であっても良い。また、金属製スリーブ13の内面には、潤滑性、耐磨耗性に優れたフッ素樹、ポリイミドあるいはポリアミドイミド等の樹脂層を形成してあっても良い。
【0039】
4)加圧部材20
加圧部材としての弾性加圧ローラ20は、SUS、SUM、Al等の金属製芯金21の外側にシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムあるいはシリコンゴムを発泡して形成された弾性層22からなる弾性ローラである。この上にPFA、PTFE、FEP等の離型性層23を形成してあってもよい。
【0040】
加圧ローラ20は定着部材10の方向に不図示の加圧手段により、長手方向両端部から加熱定着に必要な定着ニップ部Nを形成するべく十分に加圧されている。
【0041】
加圧部材である加圧ローラ20は長手方向端部から芯金21を介して不図示の回転駆動手段により図2の矢印の方向に回転駆動される。この加圧ローラ20の回転駆動に伴って、金属製スリーブ13は加圧ローラ20との摩擦力により従動回転する。また、金属製スリーブ13と加熱ヒータ11の間には、フッ素系やシリコーン系の耐熱性グリース等の潤滑剤を介在させることにより、摩擦抵抗を低く抑えスムーズに回転が可能となる
記録材Pは耐熱性の定着入口ガイド24に沿って定着ニップN部内に搬送される。その後定着ニップより排出された記録材Pは耐熱性の不図示の定着排紙ガイドに案内されて排出トレイ上に排出される。
【0042】
図3において、19は金属スリーブ13をスラスト方向に規制するフランジ、25は加熱定着装置のフレームである。
【0043】
(3)加熱用ヒータ11および断熱ステイホルダー12の詳細構成
ここで本発明に係わる加熱用ヒータ11および断熱ステイホルダー12の詳細な構成を図4で説明する。
【0044】
まず、加熱ヒータ11の金属スリーブ13との摺動面には、ヒータ摺動層15としてのポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、PFA、PTFE等のフッ素系樹脂など、耐熱性、潤滑性、そして金属との耐磨耗性に優れた樹脂層や、あるいはこれらと同じような性質を有する二硫化モリブデン、グラファイトなどの固体潤滑層が形成されている。
【0045】
このヒータ摺動層15は、ディッピング塗工、あるいはスプレーによる塗装によりコーティングされ、焼成工程を経て形成される。薄肉の金属スリーブ13を定着フィルムとして用いる場合、これらの摺動層15は従来のガラス層よりも、磨耗による削れを低減することができる。
【0046】
しかしながら、ヒータ摺動層15が薄ければ、加熱ヒータ11のセラミック基板11aが磨耗により露出し、金属スリーブ13の内面を削ってしまうことになる。したがって、3μm以上の厚みを有することが望ましい。また、逆にヒータ摺動層15が厚くなると、加熱ヒータ11から金属スリーブ13へ伝わる熱が断熱されてしまうので、記録材に十分な熱を供給することができない。したがって、ヒータ摺動層15の厚みは20μm以下であることが望ましい。
【0047】
また、加熱ヒータ11と金属スリーブ13の間には摺動性を向上させるため、耐熱性グリース等の潤滑剤を介在させる必要がある。主として、耐熱性に優れたフッ素系のグリースやシリコーン系のグリースなどが適している。
【0048】
グリースの塗布量が必要以上に多くなると金属スリーブ13の端部から流出し、さらにニップ面に多量に回りこみ、加圧ローラ20と金属スリーブ13の摩擦力を低下させる。また、塗布量が少ないと長時間の使用中にグリース中のオイル成分が揮発してしまい潤滑性能を低下させる。したがってグリースの塗布量には最適な量が存在する。具体的には加熱ヒータ11の面積に応じて単位面積(平方センチメートル)あたり10〜20mgが最適量である。また、長手方向の初期の塗布領域が狭すぎると端部にまでグリースが行き届かず、長手端部の潤滑性を損なうので、加熱ヒータ11の表面には金属スリーブ13端部より外側に最大1cm程度、長く塗布しておく方が良い。
【0049】
ここで、ヒータ摺動層15として挙げた上記の各樹脂材料および固体潤滑層のなかで、最も実使用に適した材料を次に述べるような方法で比較選定を行った。すなわち、ポリイミド、ポリアミドイミド、PFA、二硫化モリブデン、グラファイト、および従来例としてガラス層の各潤滑層を加熱ヒータ11の摺動面に5μmの厚みで塗布し、ステンレス製で厚みが40μmの金属スリーブとフッ素系のグリースとともに加熱定着装置内に具備させた。
【0050】
画像形成装置を用いて、200℃の温度でヒータ11を加熱しながら、加熱定着装置の寿命である20万枚の連続通紙耐久を行った際の、各摺動層の厚みを比較した。また、耐久初期と20万枚通紙後の加圧ローラの駆動トルクも比較した。以下表1に結果を示す。
【0051】
【表1】
【0052】
上記結果より、▲1▼ポリイミドあるいは▲2▼ポリアミドイミドが、摺動層の削れも少なく、また耐久後のトルクアップも少ないので、実用上最も問題が無いと言える。これらの結果は、各材料の表面硬度、加熱ヒータ11の基板材料との密着性、グリースとの馴染み、そして金属スリーブ13の材質など様々なパラメータに起因していると考えられる。PFAや、二硫化モリブデン等の固体潤滑材も、最適なグリースやスリーブ材料とマッチングすれば実使用での問題は無くなると考えられえる。しかしながら、ガラス層に関しては、摺動層の削れは少なかったものの、金属スリーブ自体が磨耗し、20万枚通紙以下の耐久でトルクアップにより使用不可になった。つまり従来のガラス層は金属スリーブ13の使用には向かないと考えられる。
【0053】
一方、ステイホルダー12は、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等の加工性に優れた樹脂により形成される基材部12aと、金属スリーブと基材部12aの磨耗を防ぐためのホルダー摺動層12bが、基材の外側に形成してある。このステイホルダー12の形状に関して、従来の耐熱樹脂等のフィルムを定着フィルムとして用いる場合は、図9に示すように、樹脂フィルム73に剛性がない分ステイホルダー72が円周方向に延長され、樹脂フィルム内にルーズに勘合することで、フィルムの搬送ガイドを兼ねていた。
【0054】
しかしながら、本実施例のように金属スリーブ13の場合、その剛性を利用して摺動回転できるので、ステイホルダー12の機能としては加熱ヒータ13を保持してニップを形成するのみでよく、金属スリーブ内面に接触する面積はできるだけ少ない方が良い。したがって、図4に示すように形状を蒲鉾型に簡略化してある。そのステイホルダー表面に設けるホルダー摺動層12bは以下の述べるような方法によって形成することが可能である。
【0055】
まず1つめの方法としては、図4に示すようにステイホルダー12の基材12aの周囲を、ポリイミド、ポリアミドイミド、PFA、PTFEなど耐熱性、摺動性、耐磨耗性に優れた樹脂製のフィルムで包囲し形成する。この樹脂製のフィルムを固定するには、まずその一端を加熱ヒータ11と基材12aの間に挟持させ、次に基材12aの周囲を包囲した後、他端は基材上部においてピンや押さえ部材16により固定させる。あるいは耐熱性の接着剤でその端部を固定することも可能である。また、樹脂フィルムの一面に耐熱性の接着剤が予め塗布されたテープ等で、基材周囲全体に対して接着することも可能である。
【0056】
さらに別の方法としては図5に示すように、上記同様ポリイミド、ポリアミドイミド、PFA、PTFEなど耐熱性、摺動性、耐磨耗性に優れた樹脂製のチューブ17を、基材12aの上から被せ、加熱ヒータ11をステイホルダー12に押し当てることで挟持固定する。加熱ヒータ11とステイホルダー12の接着個所にあたる部分は、樹脂チューブ17には穴をあけておく必要がある。或いは、ステイホルダー12に樹脂チューブ17を接着等の方法で固定し、その上から加熱ヒータ11を接着しても良い。
【0057】
また、PFA、PTFEなどの樹脂製チューブで熱収縮性を有する場合、基材12aの上から熱収縮チューブ18を被せた後、熱収縮に必要な所定の温度と、必要であれば収縮に必要な外型等の治具を用いて焼成工程を経て基材に固着させる。図6のような構成で示される。この方法では、摺動層15と基材12aの密着性を高めることができるので、前記の2例より耐久性に優れている。また、量産性にも適した方法である。
【0058】
以上に述べた、フィルムあるいはチューブで形成したホルダー摺動層の厚みは、薄すぎれば成型時の作業性が困難になり、厚くしすぎると、剛性が高くなりホルダー基材部との密着性が悪くなるので、10μm以上100μm以下が適当であると考えられる。
【0059】
以上に述べた方法のうちで、加熱ヒータ11に厚み5μmのポリイミドを摺動層15として形成し、ステイホルダー12の表面にも厚みが50μmのポリイミドフィルムの摺動層12bを設けた構成において、金属スリーブ13に材質がステンレス製で厚みが40μmのチューブを用いた場合に、金属スリーブ内面の削れ、ステイホルダー12の削れ、加圧ローラ20の駆動トルク等がどのように改善されるかを確かめた。比較として、ステイホルダー12は液晶ポリマーのみで成型されたものを使用し、加熱ヒータ11の摺動層15にポリイミドをコートしたものをとりあげた。耐久試験は、表1の評価と同様に、画像形成装置を用いて加熱定着装置の寿命である20万枚を目標に通紙させ、耐久後の各パラメータの変化を比較した。結果を下記の表2に示す。
【0060】
【表2】
【0061】
表2より明らかなように、本実施例の構成▲2▼では、20万枚の通紙を終了した時点でも、SUSスリーブ13の内面および、ステイホルダー12の目立った削れは発生せず、加圧ローラ50の駆動トルクも通紙初期の2.3kg・cmからそれほど大きく変化はなく、耐久に十分な性能を持っている。また、加熱ヒータ面にのみポリイミドをコートした構成▲1▼では、ステイホルダー12のみ削れが発生し、駆動トルクも大きくなっている。しかしながら、この駆動トルクが画像形成装置の動作上、問題にならないトルクであれば、ステイホルダー12の削れはあるものの、実用に耐えうると考えられる。
【0062】
また、金属スリーブ13の内面に10μm程度のポリイミドコートを施したものを、従来例であるガラス層を摺動層に用いた構成に使用した場合、金属スリーブ13の内面のポリイミドやステイホルダー12の目立った削れは発生せず、20万枚の通紙に耐えうることが可能であった。しかしながら、この構成の場合は加熱ヒータ11からニップ部に伝わる熱量が、金属スリーブ内面のポリイミド層に断熱され減少する。つまりこの構成の場合、加熱ヒータの基板と金属スリーブの金属面の間には、ヒータ面の摺動層と金属スリーブ内面の摺動層の二層が存在する。
【0063】
一方、本実施例の構成ではヒータ面のみの摺動層で良い。これらの摺動層の総厚を同じに設定しても、二層ある方はそれぞれの層間での接触熱抵抗が存在し、熱エネルギーは損失される。また、金属スリーブの内面に摺動層を均一に塗布することは技術的に困難であり、厚みむらなどが生じる。実際に、金属スリーブ内面に摺動層を塗布した構成で、加熱ヒータ11の温度を200℃に設定して記録材上の未定着トナー画像を加熱定着させた場合、トナー画像は完全に定着せず未定着のままであった。このとき金属スリーブ13の表面温度は185℃であった。これに対して、本実施例の構成では、全く同じ条件で加熱定着を行った場合でも、記録材上のトナー画像は完全に定着しており、また金属スリーブ表面の温度も192℃と高い値を示した。従って、本実施例の構成は熱効率の面においても優位性があると考えられる。
【0064】
以上に説明したように、加熱定着装置の加熱ヒータおよび、それを保持するステイホルダーが金属スリーブと接する表面に耐熱性、潤滑性、耐摩耗性に優れた樹脂層などをコートすることにより、摩耗やトルクアップ等の問題を抑えることが可能となる。
【0065】
(第2の実施例)
以下に、本発明の第2の実施例について説明する。本実施例に関する画像形成装置全体の構成および加熱定着装置全体の構成は、それぞれ前記実施例1で示した図1、図2と同様であるため説明を省く。
【0066】
実施例1の構成では図4に示すように、加熱ヒータ11の両端部が、直接金属スリーブの内面に接触しないように、ステイホルダー12の顎部分(図4の点線○印の部分)が通紙方向に対して上流側も下流側も、加熱ヒータ11の摺動面よりも低い位置まで延長され、加熱ヒータ11の端部を保護していた。そのために金属スリーブ13は顎部分を支点にして変形し、ステイホルダー12に接触しているので接触圧が高くなっていた。そのために、ステイホルダー12の削れを防止する目的で、表面に摺動層を設けた。
【0067】
本実施例では、図7に示すように、ステイホルダー12の顎部分が加熱ヒータの摺動面の延長線上よりも突き出ないような構成としている。すなわち、接触圧が高くなる顎部において金属スリーブ13にストレスを与えないように、ステイホルダー12がヒータの摺動面と滑らかに繋がるような構成とした。さらに、通紙上流側では、金属スリーブ13がよりスムーズにニップ面に進入できるように、加熱ヒータ11の端部を斜めに面取りさせてある。
【0068】
この面取り量に関して、図中Aの長さがヒータ摺動面の中央部まで延長すると加熱ニップ幅Nに掛かり、そのニップ幅Nを狭めてしまうことになるので、できるだけニップ幅の外側までにとどめておく方が望ましい。また、厚み方向の量(図中Bの長さ)もその量が大きいと、テーパーが鋭くなってしまい、テーパー開始位置(図中では範囲Aの左端部)と金属スリーブが削れる恐れがあるため、できるだけ緩やかな方が良い。
【0069】
具体的にはB/Aの値が1/20≦B/A≦1/5程度であることが望ましい。
【0070】
一方、通紙下流側では、加熱ヒータ11の摺動面の延長線上に断熱ステイホルダーの顎部が配置されるのが好ましい。寸法公差内のばらつきで、加熱ヒータ摺動面がステイホルダー12の顎部より突き出てしまう場合も考えられるが、下流側では金属スリーブ内面を積極的に削る方向ではないので問題にはならない。さらに、加熱ヒータ11の摺動面には、実施例1と同様にポリイミド、ポリアミドイミド、PFA、PTFEなどの摺動層がディッピング塗工、あるいはスプレー塗装などによりコートしてある。
【0071】
以上に説明した本実施例での構成では、金属スリーブ13が、ステイホルダー12の顎部を支点にして変形しないので、ステイホルダー12に対する接触圧が実施例1の構成よりも低く抑えることができる。したがって、ステイホルダー表面には、実施例1のようにポリイミド、ポリアミドイミドなどの摺動層を設ける必要がなく、基材部12aの液晶ポリマー、PPSなどが表面に剥き出していても、金属スリーブとの接触による削れは軽微に抑えることができる。
【0072】
実際、本実施例の構成で、実施例1の表2に示した耐久評価を行っても、20万枚耐久後のステイホルダー12の削れも軽微であり、駆動トルクも2.6kg・cmに抑えることができた。また、ステイホルダー12との接触圧が低いことから、金属スリーブの受ける応力も小さくなるので、金属スリーブ自体の耐久性も向上させることができる。
【0073】
(その他)
1)金属製スリーブ13は、加圧部材としての加圧ローラの回転駆動に従動させて回転する構成ではなく、例えば、金属スリーブの内部に駆動ローラを設け、この駆動ローラを回転駆動することにより金属スリーブを回転させる装置構成にすることもできる。
【0074】
2)加熱ヒータ11はセラミックヒータに限られず、例えば、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータや、電磁誘導発熱部材などを用いることもできる。またセラミックの絶縁基板の代わりに金属板の表面を絶縁処理したものを用いることもできる。
【0075】
3)加熱ヒータ11は必ずしも定着ニップ部Nに位置していなくてもよい。
【0076】
4)加圧部材20はローラ体に限られず、回動ベルト体にすることもできる。
【0077】
5)本発明の加熱装置は実施形態例の画像加熱定着装置としてに限らず、画像を担持した記録材を加熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置、仮定着する像加熱装置、その他、被加熱材の加熱乾燥装置、加熱ラミネート装置など、広く被加熱材を加熱処理する手段・装置として使用できる。
【0078】
以上、本発明の様々な例と実施例が示され説明されたが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は本明細書内の特定の説明と図に限定されるのではなく、本願特許請求の範囲に全て述べられた様々の修正と変更に及ぶことが理解されるであろう。
【0079】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0080】
〔実施態様1〕被加熱材を加熱部材と加圧部材との圧接部である加熱ニップ部を通過させることにより加熱する加熱装置において、
加熱部材は、回転可能な金属製スリーブと、その内周面に接触するように保持部材に固定配置された加熱体を有し、前記加熱体の金属製スリーブと接触する面には、金属製スリーブとの摺動性向上のための摺動層を設けることを特徴とする加熱装置。
【0081】
〔実施態様2〕未定着トナー画像が形成された記録材を、定着部材と加圧部材により互いに圧接してなるニップ間を通過させることにより、前記未定着トナー画像を定着させる加熱装置において、
前記定着部材は、表層に離型層が形成された金属製のスリーブと、その内周面に接触するように固定配置された通電発熱抵抗層を有する加熱体と、その加熱体を保持する保持部材から成り、
前記加熱体の金属製スリーブと接触する面には、金属製スリーブとの摺動性向上のための摺動層を設けることを特徴とする加熱装置。
【0082】
〔実施態様3〕前記加熱体に設ける摺動層が樹脂材料から成ることを特徴とする実施態様1または2に記載の加熱装置。
【0083】
〔実施態様4〕前記樹脂材料の摺動層はその厚さが20μm以下であることを特徴とする実施態様3に記載の加熱装置。
【0084】
〔実施態様5〕前記樹脂材料は、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂であることを特徴とする実施態様3または4に記載の加熱装置。
【0085】
〔実施態様6〕前記加熱体を保持する保持部材の表面には、前記金属製スリーブとの摺動性向上のための摺動層を設けることを特徴とする実施態様1から5のいずれかに記載の加熱装置。
【0086】
〔実施態様7〕前記加熱体保持部材の表面の摺動層は樹脂製のフィルムあるいはチューブであることを特徴とする実施態様6に記載の加熱装置。
【0087】
〔実施態様8〕加熱体は通紙上流側の端部が面取りしてあり、且つその加熱体を保持する保持部材は加熱体の摺動面の延長線上から突き出ないことを特徴とする実施態様1から7記載のいずれかに記載の加熱装置。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、フィルム加熱方式の加熱装置において、金属製の薄肉スリーブをフィルムとして用いる場合に、加熱体の摺動面側に、耐熱性、潤滑性、耐磨耗性に優れた摺動層、より具体的にはポリイミド、ポリアミドイミド、などのイミド系樹脂層を設けることにより、金属スリーブ内面の削れを抑制する。
【0089】
さらには、加熱体を保持する保持部材の表面にも、上記同様の摺動層を設けることにより、金属スリーブが保持部材を研磨することを防ぐ。
【0090】
あるいは、加熱体の通紙上流側における端部を面取りした上で表面に摺動層を設け、且つ加熱体の摺動面の延長線上から、保持部材を突き出させないようにすることで、金属スリーブが加熱体、および保持部材の周囲をスムーズに回転することができる。金属スリーブの耐久性を向上させるとともに、加熱体や保持部材との磨耗も防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる画像形成装置の構成図
【図2】本発明に係わる加熱定着装置の構成図
【図3】本発明の実施例1に係わる加熱定着装置の長手方向の構成図
【図4】本発明の実施例1に係わる定着ニップ近傍の断面図
【図5】本発明の実施例1に係わる定着ニップ近傍の断面図
【図6】本発明の実施例1に係わる定着ニップ近傍の断面図
【図7】本発明の実施例2に係わる定着ニップ近傍の断面図
【図8】従来例に係わる加熱定着装置の断面図
【図9】従来例に係わる定着ニップ近傍の断面図
【符号の説明】
1・・感光ドラム、2・・帯電ローラ、3・・レーザービーム、4・・現像装置、5・・転写ローラ、6・・定着装置、7・・クリーニング装置、8・・トップセンサ、9・・排紙センサ、10・・定着部材、11・・加熱用ヒータ、11a・・セラミックス基板、11b・・通電発熱抵抗層、12・・ステイホルダー、12a・・ステイホルダー基材、12b・・ステイホルダー摺動層、13・・金属スリーブ、14・・温度検知素子、15・・ヒータ摺動層、16・・押さえ部材、17・・樹脂チューブ、18・・熱収縮樹脂チューブ、19・・フランジ20・・加圧ローラ、21・・芯金、22・・弾性層、23・・フッ素樹脂離型層、24・・定着入口ガイド、25・・加熱定着器フレーム、50・・加圧ローラ、51・・芯金、52・・弾性層、53・・フッ素樹脂離型層、70・・定着部材、71・・加熱用ヒータ、71a・・ヒータ基板、71b・・発熱抵抗層、72・・断熱ステイホルダー、73・・定着フィルム、74・・温度検知素子、75・・摺動ガラス層、P・・記録材
Claims (1)
- 被加熱材を加熱部材と加圧部材との圧接部である加熱ニップ部を通過させることにより加熱する加熱装置において、
加熱部材は、回転可能な金属製スリーブと、その内周面に接触するように保持部材に固定配置された加熱体を有し、前記加熱体の金属製スリーブと接触する面には、金属製スリーブとの摺動性向上のための摺動層を設けることを特徴とする加熱装置。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006084821A (ja) * | 2004-09-16 | 2006-03-30 | Canon Inc | 加熱定着装置 |
JP2009294391A (ja) * | 2008-06-04 | 2009-12-17 | Canon Inc | 像加熱装置及び画像形成装置 |
JP2010276748A (ja) * | 2009-05-27 | 2010-12-09 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 定着装置及びこれを備えた画像形成装置 |
WO2023043491A1 (en) * | 2021-09-14 | 2023-03-23 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Pressing member of fixing device with protective film for preventing corrosion by lubricant |
-
2002
- 2002-11-07 JP JP2002323653A patent/JP2004157371A/ja active Pending
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