JP2008275756A - 加熱定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プリンタ・複写機の高速化に伴って、加熱定着器が要する熱エネルギーが増加しても、グリースの劣化が原因となる定着フィルムと加熱ヒータ間の摩擦抵抗の増大を抑制し、耐久を通じてフィルムに滑らかな回転を与えることである。
【解決手段】 記録材上の未定着トナー画像を、加熱部材と加圧部材との圧接部である加熱ニップ部を通過させることにより定着処理する加熱定着装置において、加熱部材は、回転可能な可撓性フィルムと、その内周面に摺動するように保持部材に固定配置された加熱体を有し、且つ前記加熱体と可撓性フィルムが接触する界面には、摺動性向上のための潤滑性グリースを有し、該記録材が加熱ニップ部を通過していないタイミングに、記録材の通過方向とは逆方向の回転駆動を行うことを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、複写機、レーザービームプリンタ等の画像形成装置において、記録材(転写材・印字用紙・感光紙・静電記録紙等)に形成担持させた未定着トナー画像を、加熱体を内包した定着回転体と加圧回転体の圧接部である定着ニップ部を通過させることにより固着像として熱定着処理する定着装置に関する。
従来、電子写真方式を採用する画像形成装置においては、未定着トナー像を担持した記録材を、互いに圧接して回転する定着ローラと加圧ローラとで形成されるニップ部を通過させることにより加熱定着させる、いわゆる熱ローラ方式の加熱定着装置が広く用いられている。
また、特にスタンバイ時に加熱定着装置に電力を供給せず、クイックスタート性や省エネルギー性に優れたフィルム加熱方式による加熱定着方法の1例が特開昭63-313182号公報・特開平2-157878号公報・特開平4-44075号公報・特開平4-204980公報等に提案され実用化されている。
すなわちアルミナや窒化アルミ等を基板に用いたセラミックヒータと、加圧ローラとの間に樹脂性や金属性の高熱伝導フィルム(以下、定着フィルムと記す)を挟んで圧接ニップ部(以下、定着ニップ部と記す)を形成させ、その定着フィルムと加圧ローラとの間に未定着トナー画像を形成担持させた記録材を導入して、定着フィルムと一緒に挟持搬送させる。定着フィルムを介してセラミックヒータの熱エネルギーを記録材に与えるとともに、定着ニップ部での加圧力を受けて未定着トナー画像を定着させるものである。
上記ようなフィルム加熱方式の加熱定着装置を用いたプリンター、複写機等の各種画像形成装置では、定着フィルム内面とセラミックヒータの摺動面の間に潤滑性に優れた熱伝導性グリースを介在させるのが一般的である。これにより、定着フィルムとセラミックヒータの摺動摩擦力を低減できるので、耐久を通じてフィルムが滑らかに回転することが可能となる。
特開昭63−313182号公報 特開平2−157878号公報 特開平4−44075号公報 特開平4−204980公報
しかしながら、上に述べたようなフィルム加熱方式の定着装置では次に述べるような問題点がある。すなわち、近年のプリンタや複写機の高速化により、記録材上の未定着トナーを定着させるためには、従来より多くの熱エネルギーを瞬時に与える必要がある。その手段として、定着温度の設定値を高くしたり、加熱ニップ部を広げる等の変更により、記録材に与える熱エネルギーを増やしている。ここで、記録材に与えられる熱エネルギーが多くなれば、定着フィルムと加熱ヒータの間に介在する潤滑性グリースはより高温に加熱されることになる。たとえ高耐熱性のグリースであっても使用条件がより高温になるほど、グリースの基油成分が揮発しやすくなり耐久によるグリースの劣化は進行が早くなる。その結果、定着フィルムと加熱ヒータの摺動抵抗が高くなり、滑らかな回転を与えることが不可能となる。ここで、定着フィルムの回転力が加圧ローラとの摩擦力により従動回転するようような構成の場合、グリース劣化によってフィルムとヒータ間の摩擦抵抗が大きくなると、フィルムが加圧ローラに従動回転しなくなるスリップという現象が生じる。そうすると画像擦れや紙詰まり等の問題となり、ユーザーに対して品質を満足することができない。
そこで、本発明に係わる目的は、プリンタ・複写機の高速化に伴って、加熱定着器が要する熱エネルギーが増加しても、グリースの劣化が原因となる定着フィルムと加熱ヒータ間の摩擦抵抗の増大を抑制し、耐久を通じてフィルムに滑らかな回転を与えることである。
上記目的を達成するための本発明の代表的な構成は、
記録材上の未定着トナー画像を、加熱部材と加圧部材との圧接部である加熱ニップ部を通過させることにより定着処理する加熱定着装置において、
加熱部材は、回転可能な可撓性フィルムと、その内周面に摺動するように保持部材に固定配置された加熱体を有し、且つ前記加熱体と可撓性フィルムが接触する界面には、摺動性向上のための潤滑性グリースを有し、
該記録材が加熱ニップ部を通過していないタイミングに、記録材の通過方向とは逆方向の回転駆動を行うことを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、記録材が加熱定着装置を通過していないタイミングに逆回転の駆動を与えることで、加熱ヒータと定着フィルム間の潤滑グリースのうち、ニップ下流域に滞留した摺動に寄与しないグリースを、上流方向に移動させることが可能となる。その結果、従来のように逆回転駆動を行わない場合に比べて、グリースの潤滑機能をより有効に活用できるので、耐久を通じてトルクアップすることなく、良好な摺動状態を維持することが可能となる。特に、画像形成装置の高速化に伴って、加熱定着器が要する熱エネルギーが増加しても、グリースの劣化を抑制することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
〔第1実施形態〕
{画像形成装置例}
図1は本実施形態における画像形成装置の概略構成図である。
図1において1は感光ドラムであり、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基盤上に形成されている。感光ドラム1は矢印の方向に回転駆動され、その表面は帯電装置としての帯電ローラ2によって一様帯電される。
次に、レーザースキャナ3によって画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザービームLによる走査露光が施され、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置4でトナー像として現像、可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
可視化されたトナー像は、転写装置としての転写ローラ5により、所定のタイミングで搬送された記録材P上に感光ドラム1上より転写される。ここで感光ドラム1上のトナー像の画像形成位置と記録材の先端の書き出し位置が合致するようにトップセンサ8にて記録材の先端を検知し、タイミングを合わせている。所定のタイミングで搬送された記録材Pは感光ドラム1と転写ローラ5に一定の加圧力で挟持搬送される。このトナー像が転写された記録材Pは加熱定着装置6へと搬送され、永久画像として定着される。
一方、感光ドラム1上に残存する転写残りの残留トナーは、クリーニング装置7により感光ドラム1表面より除去される。また、9は定着装置6内に設けられた排紙センサであり、紙がトップセンサ8と排紙センサ9の間で紙づまりなどを起こした際に、それを検知するためのセンサである。
{加熱定着装置6}
図2は、加熱定着装置6の横断面を示す模式図である。この加熱定着装置6は基本的には互いに圧接してニップ部Nを形成する定着部材(アセンブリ)10と加圧部材20よりなるフィルム加熱方式の加熱定着装置である。
≪定着部材10≫
図2の断面図において、定着回転体としての定着部材10は主に加熱ヒータ11、そのヒータ11を保持する断熱ステイホルダー12、定着フィルム13から構成される。
加熱体としての加熱ヒータ11は、定着フィルム13の内面に接触することによりニップ部Nの加熱を行う。アルミナや窒化アルミ等の高絶縁性セラミックス基板11aの表面に、長手方向に沿ってAg/Pd(銀パラジウム)、RuO2、Ta2N等の通電発熱抵抗層11bが、厚み約10μm、幅約1〜5mm程度でスクリーン印刷等により塗工してある。あるいは、金属製基板上に絶縁層、通電発熱抵抗層を順じ積層して形成されていても良い。
セラミックス基板11aの背面には通電発熱抵抗層11bの発熱に応じて昇温したセラミック基板の温度を検知するためのサーミスタ等の温度検知素子14が配設されている。この温度検知素子14の信号に応じて、長手方向端部にある不図示の電極部から通電発熱抵抗層に印加される電圧のデューティー比や波数等を適切に制御することで、定着ニップ内での温調温度を一定に保ち、記録材上のトナー像を定着するのに必要な加熱を行う。また、加熱ヒータ11が定着フィルム13と接する面には、フィルムが滑らかに回転可能なように薄層のガラスコートや、ポリイミド、ポリアミドイミド等の潤滑性樹脂層などの保護層15を設けている。
断熱ステイホルダー12は加熱用ヒータ11を保持し、ニップ部N側とは反対方向への放熱を防ぐとともに、定着フィルム13の回転を案内する。剛性、耐熱性、断熱性、耐磨耗性等に優れた、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等の樹脂材料により形成されている。
定着フィルム13は、クイックスタートを可能にするために総厚200μm以下の厚みの耐熱性フィルムである。ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等の耐熱性樹脂、あるいは耐熱性、高熱伝導性を有するSUS、Al、Ni、Cu、Zn等の純金属あるいは合金を基層として形成されている。樹脂製の基層の場合は熱伝導性を向上させるために、BN、アルミナ、Al等の高熱伝導性粉末を混入してあっても良い。また、長寿命の加熱定着装置を構成するために充分な強度を持ち、耐久性に優れた定着フィルム13として、総厚20μm以上の厚みが必要である。よって定着フィルム13の総厚としては20μm以上200μm以下が最適である。さらにオフセット防止や記録材の分離性を確保するために表層にはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(エチレン テトラフルオロエチレン共重合体)、CTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂等の離型性の良好な耐熱樹脂を混合ないし単独で被覆して離型性層を形成してある。被覆の方法としては、定着フィルム13の外面をエッチング処理した後に離型性層をディッピングするか、粉体スプレー等の塗布であってもよい。あるいは、チューブ状に形成された樹脂を定着フィルム13の表面に被せる方式であっても良い。または、定着フィルム13の外面をブラスト処理した後に、接着剤であるプライマ層を塗布し、離型性層を被覆する方法であっても良い。
≪加圧部材20≫
加圧回転体としての加圧部材20はSUS、SUM、Al等の金属製芯金21の外側にシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムあるいはシリコンゴムを発泡して形成された弾性層22からなる弾性ローラである。この上にPFA、PTFE、FEP等の離型性層23を形成してあってもよい。
{加熱定着装置6の駆動方法}
定着部材10は長手方向両端部に設けた不図示の加圧手段により、加圧部材20の弾性に抗して押圧され、所定の定着ニップNを形成する。定着ニップNでは、加圧力により定着フィルム13が加熱ヒータ11と加圧部材20の間に挟まれることで撓み、加熱ヒータ11の加熱面に密着した状態になる。
加圧部材20である加圧ローラは芯金21の端部に設けられた不図示の駆動ギアにより、図2の矢印の方向に回転する駆動力を得る。駆動力は制御手段を構成するCPUからの指令に従い不図示のモータより伝達される。
この加圧ローラ20の回転駆動に伴って、定着フィルム13は加圧ローラ20との摩擦力により従動回転する。定着フィルム13と加熱ヒータ11の間には、フッ素系やシリコーン系の耐熱性グリース等の潤滑剤を介在させることにより摩擦抵抗を低く抑え、滑らかに定着フィルム13が回転可能となる。より詳しくは以下に詳細に述べる。記録材Pは不図示の供給手段によって適宜供給され、耐熱性の定着入口ガイド24に沿って定着ニップ内に搬送される。その後定着ニップより排出された記録材Pは耐熱性の不図示の定着排紙ガイドに案内されて不図示の排出トレイ上に排出される。
{本実施形態の駆動制御}
図3に、加熱定着装置6の加熱ヒータ11と定着フィルム13の接触面近傍を模式的に示す。図3(a)は加熱定着器の初期状態(すなわち、アセンブルされた後まだ回転駆動が行われていない状態。)であり、(b)は回転始動後の状態(すなわち、通常使用中の状態。)を示す。図3(a)に示すように加熱ヒータ11の摺動面に塗布されるグリース16は、初期状態ではヒータ全面に塗布されている。或いはヒータ11とフィルム13の接触する中央部のみ長手方向全域に渡って塗布してあっても良い。用いるグリースとしては、上述したように潤滑性に優れたフッ素系やシリコーン系の耐熱性グリースが適している。これらのグリースは主として潤滑機能を発揮する基油と、その基油を保持する増稠剤によって構成されている。本実施例では基油にパーフロロポリエーテル、増稠剤にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いたダウコーニングアジアのHP-300グリースを用いた。また、塗布量として最適な量は、少なすぎると潤滑性能が耐久初期に損なわれたりする為、また多すぎれば定着フィルム13の端面を伝わって、加圧ローラー表面に染み出したりするので、適量である800mgをヒータ加熱面全面に塗布した。この耐熱グリース16は加熱定着装置の回転が始まると、定着フィルム13と加熱ヒータ11との摺動により、定着フィルム13の内面に一様に行き渡った状態になる。また、定着フィルム13は図の矢印の方向のみに回転するので、塗布したグリース16の一部は図3(b)のようにヒータ下流域に滞留した状態になる。特に、ヒータを保持する断熱ステイホルダーのアゴ部(A部分)はヒータ上下流のエッジ部がフィルムと摺擦しないように、ヒータ下面よりも下方に突き出した構成にしてある。その為、フィルム内面に付着して下流方向に移動するグリースはこのアゴ部で掻き取られることにより、図のように滞留している。
このようなヒータ下流域に滞留したグリースは耐久初期には基油が充分に存在するので、フィルム内面に振れながら潤滑機能を付与し続けることができる。しかしながら耐久が進むにつれて長時間の高温下での使用により基油成分が揮発しさらには枯渇してしまうと、グリースとしての潤滑機能は低下する。とくに画像形成装置の高速化により加熱ヒータ11の温調温度を高く設定するような場合、加熱定着器の寿命に到達する前にグリース16の機能が著しく低下してしまい、その結果ヒータとフィルム間の摺動摩擦抵抗が大きくなってフィルムのスリップが発生する。
そこで、本発明に係る解決手段として加熱定着器の駆動方法に以下に述べるような制御を加えることにで、グリースの潤滑機能を延命させることを可能とした。すなわち、通常のプリント動作とは逆の回転動作を加圧ローラ20に与えることにより、フィルムを逆回転させる。その結果、図4に示すようにヒータ下流域に滞留したグリース16の一部は上流方向に移動する。このような逆回転の動作を例えばプリント終了毎や、ある所定枚数以上のプリント終了後に行えば、ニップ近傍におけるグリース16の流動が従来より積極的に行われるので潤滑機能が延命される。より詳しくは、従来のように順方向のみの回転しか行われないと、下流域に滞留するグリース16は常にその位置に定位したままであり、特にヒータ面に近い所に堆積したグリース層は、ヒータ―フィルム間の界面の摺動に耐久を通じて寄与することができないままで存在する。このようなグリースを、逆回転動作によって摺動摩擦が活発に行われる接触部分に送り出すことにより、その潤滑機能を最大限利用する事を目的としている。
{従来例との比較}
プリントジョブが終了した後に逆回転駆動を与える駆動制御を行った場合と、従来のようにプリント終了後に何も行わない場合において耐久試験を行い、加熱定着器の駆動トルクがどのように変化するか比較試験を行った。駆動トルクが低く維持すればすなわち、グリースの潤滑機能が損なわれていない事を示す。なお、耐久条件は5枚の連続プリント終了後1分のインターバルを置く間欠プリントで行い、トータルで20万枚の通紙を行った。また、逆回転シーケンスはプリント終了後、加圧ローラの順方向の回転が停止した後すぐに加熱定着器が温まった状態で行い、逆回転時間は1秒間に設定した(逆回転中、ヒータはオンしていない)。結果を以下の表1に示す。
Figure 2008275756
表1.より明らかなように、プリント動作終了時に逆回転駆動を行ったものは、大きなトルクアップは無いことが分かる。また、耐久終了後の加熱定着器を用いて、ベタ黒等の印字率の高いイメージをプリントし、スリップが発生するかどうか確認したところ、逆回転を行わなかった従来法のユニットでは、トルクアップが原因でスリップが発生したのに対し、逆回転を行ったユニットではスリップは発生しなかった。
以上に説明したように、ヒータ下流域に滞留するグリース16を、プリント終了後に逆回転駆動を行い、グリースを上流側に移動させ、潤滑剤としての機能を有効に活用することによって、耐久を通じてトルクアップしない加熱定着装置を提供することが可能となる。
また、本実施形態では板状のセラミックヒータによってフィルムを直接加熱するフィルム加熱方式の加熱定着装置ついて述べたが、電磁誘導加熱方式によりフィルムの発熱層を加熱する方式であっても、加熱ニップを形成する為に摺動板等を利用する構成の場合、摺動板と定着フィルムの界面に塗布するグリースの潤滑機能を延命させる為に、逆回転駆動は同様の効果を発揮する。
〔第2実施形態〕
本実施例の加熱定着装置の構成は実施例1と同様であるため説明を省く。
{本実施形態の駆動制御}
実施形態1ではプリント終了後、ヒータ11をオフしたままで逆回転の制御を行ったが、実施形態2ではグリース16の潤滑機能をより効果的に持続させるために、加熱定着装置の温まり具合に応じて逆回転中に加熱ヒータ11の温調制御を行う事を特徴とした。例えば、加熱定着装置が完全に冷え切ったコールド状態から1枚のみプリントした場合、ヒータ面下流域に滞留したグリース16は粘度が下がるほど十分な時間熱を受けていないので流動性が低下している可能性がある。このような条件では、ヒータ11をオフしたまま逆回転を行うよりもヒータを温調しなが逆回転した方が、滞留したグリースは粘度が下がって流動し易い。また、連続プリント等で加熱定着器が温まった状態では、十分にグリースの粘度は下がっているのでヒータ11はオフしたままでも問題は無い。逆にヒータ11を加熱すればグリース16に与える熱量が増加するので基油の揮発を促進してしまい、かえってグリースの機能を早期に低下させることになる。
これらを考慮して、画像形成装置がプリント信号を受ける前の加熱ヒータ温度検知素子14(サーミスタ)が検知する温度とその後の連続プリント枚数に応じて、以下表2.に逆回転中の温調制御の有り無しを場合分けした。
Figure 2008275756
{実施形態1との比較}
グリース16の粘性が低い状態の時は、逆回転中に温調制御を行う方がより効果的であることを確認する為に、以下のような条件で耐久試験を行い、実施形態1(逆回転中は常に温調制御を行わない。)との比較を行った。1回あたりのプリントジョブを2枚とし、各ジョブ間のインターバルは加熱定着器が十分に冷えるように20分の間隔を置いた。また、冷却効果を強める為に、気温が10℃の低温環境で試験を行い、次のプリント信号を受ける時には加熱ヒータ11のサーミスタが50℃以下になるように条件設定してある。このような条件でプリント終了後の逆回転中に温調制御を行う場合と行わない場合について、耐久前後での加圧ローラ20の駆動トルクを比較した。結果を表3.に示す。なお、プリント後の逆回転はプリント動作終了後、一旦順方向の駆動が停止してから開始し3秒間行っている。
Figure 2008275756
表3の結果より、実施形態2の方が加圧ローラ20の駆動トルクは低く推移しており、すなわち加熱ヒータ面の潤滑グリース16がより効果的に機能していることがわかる。
ここで、本実施形態においても実施形態1と同様に電磁誘導加熱方式の加熱定着器についても、潤滑グリースの粘度が低い条件では、逆回転駆動中に温調制御を行うことは同様の効果がある。
〔他の実施形態〕
前述した実施形態では、モノクロ画像形成が可能な画像形成装置を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、カラー画像形成が可能な画像形成装置であっても良く、該画像形成装置における定着装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
また前述した実施形態では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置や、記録材担持体を使用し、該記録材担持体に担持された記録材に各色のトナー像を順次重ねて転写する画像形成装置や、中間転写体を使用し、該中間転写体に各色のトナー像を順次重ねて転写し、該中間転写体に担持されたトナー像を記録材に一括して転写する画像形成装置であっても良く、該画像形成装置における定着装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
なお、本発明の様々な実施形態を示し説明したが、本発明の趣旨と範囲は本明細書内の特定の説明と図に限定されるものではない。以下、本発明の実施態様の例を列挙する。
〔実施態様1〕
記録材上の未定着トナー画像を、加熱部材と加圧部材との圧接部である加熱ニップ部を通過させることにより定着処理する加熱定着装置において、加熱部材は、回転可能な可撓性フィルムと、その内周面に摺動するように保持部材に固定配置された加熱体を有し、且つ前記加熱体と可撓性フィルムが接触する界面には、摺動性向上のための潤滑性グリースを有し、該記録材が加熱ニップ部を通過していないタイミングに、記録材の通過方向とは逆方向の回転駆動を行うことを特徴とする加熱定着装置。
〔実施態様2〕
加熱定着装置の温まり具合に応じて、前記逆回転の動作を行っている間は、前記加熱体の温調制御をオン或いはオフさせることを特徴とする実施態様1に記載の加熱定着装置。
実施形態における画像形成装置の概略構成図 加熱定着装置の概略構成図 (a)実施形態における定着ニップ近傍の模式図(初期状態) (b)実施形態における定着ニップ近傍の模式図(回転始動後) 実施形態における定着ニップ近傍の模式図(逆回転後)
符号の説明
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 スキャナー
4 現像装置
5 転写ローラ
6 定着装置
7 クリーニング装置
8 トップセンサ
9 排紙センサ
10 定着部材
11 加熱用ヒータ
11a セラミックス基板
11b 通電発熱抵抗層
14 温度検知素子
15 保護層
16 潤滑グリース
20 加圧部材(加圧ローラ)
21 芯金
22 弾性層
23 フッ素樹脂離型層
24 定着入口ガイド

Claims (1)

  1. 記録材上の未定着トナー画像を、加熱部材と加圧部材との圧接部である加熱ニップ部を通過させることにより定着処理する加熱定着装置において、
    加熱部材は、回転可能な可撓性フィルムと、その内周面に摺動するように保持部材に固定配置された加熱体を有し、且つ前記加熱体と可撓性フィルムが接触する界面には、摺動性向上のための潤滑性グリースを有し、
    該記録材が加熱ニップ部を通過していないタイミングに、記録材の通過方向とは逆方向の回転駆動を行うことを特徴とする加熱定着装置。
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