JP2015138113A - 定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑剤が枯渇し、ユニットトルクの上昇が発生し、マシン内で紙の搬送性問題が生じたり、トルクが増えすぎたりするとユニット破損にも繋がる点を解決した定着装置を提供する。
【解決手段】印刷動作完了後、印刷準備時の回転動作、マシン調整中の回転動作、ウォームアップ時、復帰時の加熱回転動作において、定着ベルト1の回転方向が変化する。綾目の摺動シート13を使用すると織目の方向で潤滑剤の移動方向が決まり、片側の定着ベルト1側から潤滑剤の漏れが発生する。そこで通紙中の回転動作以外の回転動作は必ずしも正回転である必要はない。通紙中以外に定着ベルト1の逆回転動作を行う。すると、通紙中の潤滑剤の移動方向とは逆方向に潤滑剤の移動が起こる。これにより、潤滑剤の移動のバランスを保ち、定着ベルト1の片側に潤滑剤が寄り、漏れを防止し、潤滑剤の枯渇によるトルクの上昇を防ぐ。
【選択図】図3

Description

本発明は複写機やファクシミリ、プリンタなどの静電記録式画像形成装置に使用される定着装置に関し、より具体的には無端状の定着部材と加圧部材間にニップを形成し、該ニップを通る被定着材に対し定着処理を行う定着装置、およびその定着装置を搭載した画像形成装置に関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置に対し、近年、省エネルギー化、高速化についての市場要求が強くなってきている。
画像形成装置では、電子写真記録、静電記録、磁気記録等の画像形成プロセスにより、画像転写方式もしくは直接方式により未定着トナー画像が記録材シート、印刷紙、感光紙、静電記録紙などの記録材に形成される。未定着トナー画像を定着させるための定着装置としては、熱ローラ方式、フィルム加熱方式、電磁誘導加熱方式等の接触加熱方式の定着装置が広く採用されている。
そのような定着装置の一例として、ベルト方式の定着装置(例えば特許文献1参照)やセラミックヒータを用いたサーフ定着(フィルム定着)の定着装置(例えば特許文献2参照)が知られている。
ベルト方式の定着装置では、近年、さらなる各種時間の短縮化が望まれている(以下、課題1と言う)。例えば、ウォームアップ時間(電源投入時など、常温状態から印刷可能な所定の温度(リロード温度)までに要する時間)の短縮化が望まれている。ファーストプリント時間(印刷要求を受けた後、印刷準備を経て印字動作を行い排紙が完了するまでの時間)の短縮化も望まれている。
また、画像形成装置の高速化に伴い、単位時間あたりの通紙枚数が増え、必要熱量が増大している。そのため、特に連続印刷のはじめに熱量が不足する(所謂、温度落ち込み)が問題となっている(以下、課題2と言う)。
前記課題1の問題を解決する方法として、セラミックヒータを用いたサーフ定着が提案されている。この方式により、ベルト方式の定着装置に比べ、低熱容量化、小型化が可能となった。しかし、ニップ部のみを局所加熱するため、その他の部分では加熱されない。したがって、ニップの用紙などの入口においてベルトは最も冷えた状態にあり、定着不良が発生しやすくなるという問題がある。特に、高速機においては、ベルトの回転が速く、ニップ部以外でのベルトの放熱が多くなるため、より定着不良が発生しやすくなる(以下、課題3と言う)。
以上のような課題1〜3を解決するために種々の定着装置が提案されている。例えば、無端ベルトを用いる構成において、そのベルト全体を温めることを可能にした定着装置が提案されている(特許文献3参照)。この定着装置は、加熱待機時からのファーストプリントタイムを短縮することができ、かつ高速回転時の熱量不足を解消し、高生産の画像形成装置に搭載されても、良好な定着性を得ることができる。
前記特許文献3記載の定着装置では、無端ベルトの内部にパイプ状の金属熱伝導体を、無端ベルトの移動をガイドすることが可能に固定している。そして、金属熱伝導体内の熱源により金属熱伝導体を介して無端ベルトを加熱する。さらに無端ベルトを介して金属熱伝導体に接してニップ部を形成する加圧ローラを備える。この加圧ローラの回転に連れ回りするようにして無端ベルトを周方向に移動させる。この構成により、定着装置を構成する無端ベルトの全体を温めることを可能にしている。そして、加熱待機時からのファーストプリントタイムを短縮することができ、かつ高速回転時の熱量不足を解消することが可能としている。
しかしながら、さらなる省エネルギー性およびファーストプリントタイム向上のためには熱効率を更に向上させる必要がある。そこで、無端ベルトを金属熱伝導体を介して間接的に加熱する構成から、無端ベルトを金属熱伝導体を介さずに直接加熱する構成が提案されている。この構成では伝熱効率が大幅に向上させることにより消費電力を低減すると共に、加熱待機時からのファーストプリントタイムを更に短縮することが実現できる。また、金属熱伝導体レスによるコストダウンが可能となる。
上述した各種の定着装置における技術課題として以下のようなものがある。
(1)定着部材との摺動性を向上させるための摺動シート(織布、特に綾目)を使用した場合、織り目の方向により潤滑剤の移動する方向が決まり、潤滑剤が漏れてしまう。
(2)上記した(1)より、潤滑剤が枯渇し、ユニットトルクの上昇が発生し、マシン内で紙の搬送性問題が生じたり、トルクが増えすぎたりするとユニット破損にも繋がる。
そこで本発明は、前記技術課題にかんがみ、潤滑剤の移動のバランスを保つことができ、潤滑剤の寄り、漏れを防止でき、潤滑剤の枯渇によるトルクの上昇を防止できる定着装置と、これを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る定着装置は、定着部材と加圧部材の少なくともどちらかが回転駆動源を持つ定着装置において、回転動作の履歴を記録する履歴記録手段を有し、該履歴記録手段が記録した値に応じて前記回転駆動源による前記定着部材と加圧部材の少なくともどちらかの回転方向、回転量、回転速度を決定して動作することを特徴とする。
本発明によれば、綾目の摺動シート等を使用した場合でも、通紙中以外に逆回転動作を行うことで、通紙中の潤滑剤の移動方向とは逆方向に潤滑剤の移動を起こし、潤滑剤の移動のバランスを保ち、片側に潤滑剤が寄って漏れることを防止できる。また、これにより、潤滑剤の枯渇によるトルクの上昇を防止できる。
本発明に係る定着装置を用いる画像形成装置の構成を示す概略図である。 本発明に係る定着装置の一実施形態を示す要部拡大断面図である。 定着装置のニップ部における摺動シートの綾目方向と定着ベルトが正回転した際の潤滑剤の流れの方向を示す図である。 定着ベルトが逆回転した時の潤滑剤の流れを示す図である。
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本実施形態に係る定着装置は、定着部材及び加圧部材の少なくともどちらかが回転駆動源を持つ定着装置である。そのような定着装置において、画像形成装置に回転動作の履歴を記録する履歴記録手段を有し、その値に応じて回転方向、回転量、回転速度を決定して動作する。
装置内に可撓性を有する無端状の定着部材と、定着部材を加熱する熱源と、定着部材に直接もしくは摺動シートを介して接するベース部材およびその摺動シートと、定着部材を介して前記ベース部材に対向し、押圧することでニップを形成する加圧部材を設ける。画像形成装置内に定着部材の回転履歴を記録する履歴記録手段を有する。そして印刷動作完了後、印刷準備時の回転動作、マシン調整中の回転動作、ウォームアップ時、復帰時の加熱回転動作において、少なくとも一動作は一定の計算則に基づいて定着部材の回転方向が変化する。
綾目の摺動シートを使用した場合、織目の方向で潤滑剤の移動方向が決まり、片側の定着部材側から潤滑剤の漏れが発生するので、通紙中の回転動作以外の回転動作は必ずしも正回転である必要はない。通紙中以外に逆回転動作を行うことで、通紙中の潤滑剤の移動方向とは逆方向に潤滑剤の移動が起こる。これにより、潤滑剤の移動のバランスを保ち、片側に潤滑剤が寄り、漏れる事を防止する。これにより、潤滑剤の枯渇によるトルクの上昇を防止できる。なお、通紙中の回転動作以外の回転動作あとは、印刷完了後の均熱化回転、印刷準備時の回転動作、ウォームアップ時、復帰時の回転動作などである。
図2は本発明に係る定着装置の一実施形態を示す要部拡大断面図である。図2の定着装置は、定着部材としての定着ベルト1を有し、これに対向する加圧部材である加圧ローラ3、およびニップ形成部材6によってニップ部が形成される。ニップ形成部材6は加圧ローラ3からの加圧力を受ける支持部材7によって支持されている。また、図示していない摺動シート13がニップ形成部材6状に設置されている。加圧ローラ3は、外周側の弾性層4と内周側の芯金5とから構成されている。加圧ローラ3を除く上記の部品は一対の保持部材8に内包されている。
定着ベルト1および保持部材8の内部には、熱源2としてハロゲンヒータを有している。このハロゲンヒータ2の発光を遮光部材12によって定着ベルト1を直接加熱する領域を制御している。遮光部材12の形状は各紙幅に合わせた遮光面積が設けられた段付き形状となっている。図示の形態では、定着ベルト1の内側に沿って、非接触で回動するように配置され、各紙幅に対応した位置に回動して加熱に不必要な領域を遮蔽する。これにより紙幅の狭い転写紙を連続通紙した場合でも、非通紙領域が過昇温状態になることがない。また、過昇温領域をキャンセルするために生産性を落とす等の制御を行う必要がない。
上述した構成の定着装置を用いる画像形成装置の構成を図1により説明する。
図1に示した画像形成装置は、複数の色画像を形成する作像部がベルトの展張方向に沿って並置されたタンデム方式を用いるカラープリンタである。ただし、本発明はこの方式に限られずに他の方式を採用できる。また、プリンタだけではなく複写機やファクシミリ装置などを対象とすることも可能である。
図1において、画像形成装置100は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な像担持体としての感光体ドラムを並設したタンデム構造が採用されている。各感光体ドラム4Y、4C、4M、4Bkに形成された可視像は、各感光体ドラム4Y〜4Bkに対峙しつつ図中の矢印方向に移動可能な中間転写体30に1次転写行程が実行され、それぞれの画像が重畳転写される。中間転写体30に1次転写された画像は、その後、記録シートなどの記録紙Sに対して2次転写行程を実行することで一括転写される。なお中間転写体30には無端ベルトが用いられ、以下では単に転写ベルト30と記載する。またなお、感光体ドラム4Y〜4Bkについて色を特定する必要がなければ単に感光体ドラム4と記載する。
各感光体ドラム4の周囲には、感光体ドラム4の回転に従い画像形成処理するための装置が配置されている。ブラック(Bk)の画像形成を行う感光体ドラム4Bkを対象として説明する。感光体ドラム4Bkの回転方向に沿って画像形成処理を行う帯電装置、現像装置、1次転写ローラ31およびクリーニング装置が配置されている。帯電後に行われる書き込みは、光書込装置90が用いられる。転写ベルト30に対する転写は、転写ベルト30が矢印方向に移動する過程において、各感光体ドラム4に形成された可視像が、転写ベルト30の同じ位置に重ねて転写される。そのため、転写ベルト30を挟んで各感光体ドラム4Bkに対向して配設された1次転写ローラ31による電圧印加が行われる。1次転写ローラ31による電圧の印加は、転写ベルト30の移動方向で上流側から下流側に向けて感光体ドラム4の位置に対応させ、タイミングをずらして行われる。
画像形成装置100は、色毎の画像形成処理を行う4つの画像ステーションを備える。各画像ステーションは、感光体ドラム4とその上方に対向して配設され、転写ベルト30及び1次転写ローラ31を備えた転写ベルトユニット200を備える。また転写ベルト30に対向して配設され転写ベルト30に従動し、連れ回りする転写部材としての転写ローラである2次転写ローラ36を備える。さらに、転写ベルト30に対向して配設され転写ベルト30上をクリーニングするクリーニング装置35と、これら4つの画像ステーションの下方に対向して配設された光書き込み装置としての光書込装置90とを有している。
光書込装置90は、光源としての半導体レーザ、カップリングレンズ、fθレンズ、トロイダルレンズ、折り返しミラーおよび偏向手段としての回転多面鏡などを装備している。そして、各感光体ドラム4に対しては、色毎に対応した書き込み光を出射して感光体ドラム4に静電潜像を形成する。
画像形成装置100には、感光体ドラム4と転写ベルト30との間に向けて搬送される記録紙Pを積載した給紙カセットとしてのシート給送装置130を備える。また、シート給送装置130から搬送されてきた記録紙Pを、画像ステーションによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、各感光体ドラム4と転写ベルト30との間の転写部に向けて繰り出すレジストローラ対120を備える。さらに、記録紙Pの先端がレジストローラ対120に到達したことを検知する図示しないセンサが設けられている。
画像形成装置100には、トナー像が転写された記録紙Sにトナー像を定着させるためのローラ定着方式の定着ユニットとしての定着装置20を備える。また、定着済みの記録紙Pを画像形成装置100の本体外部に排出する排紙ローラ140を備える。図中14は排紙トレイで、画像形成装置100の本体上部に配設されて排紙ローラ140により画像形成装置100の本体外部に排出された記録紙Pを積載する。この排紙トレイ14の下側に、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーを充填されたトナーボトル2C、2M、2Y、2kが備えられている。
転写ベルトユニット200は、転写ベルト30、1次転写ローラ31の他に、転写ベルト30が掛け回されている駆動ローラおよび従動ローラを有している。
従動ローラは、転写ベルト30に対する張力付勢手段としての機能も備えている。そのため、従動ローラには、バネなどを用いた付勢手段が設けられている。このような転写ベルトユニット200と、1次転写ローラ31と、2次転写ローラ36と、クリーニング装置35とで転写装置が構成されている。
シート給送装置130は、画像形成装置100の本体下部に配設されており、最上位の記録紙Pの上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ110を有している。この給送ローラ110が反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の記録紙Sをレジストローラ対120に向けて給送する。
転写装置に装備されているクリーニング装置35は、詳細な図示を省略するが、転写ベルト30に対向、当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードとを有している。そして、転写ベルト30上の残留トナー等の異物をクリーニングブラシとクリーニングブレードとにより掻き取り、除去して、転写ベルト30をクリーニングする。クリーニング装置35はまた、転写ベルト30から除去した残留トナーを搬出し廃棄するための図示しない排出手段を有している。
図3は定着装置のニップ部の摺動シートの綾目方向と、定着部材が正回転した際の潤滑剤の流れの方向を示している。図中13が摺動シートで、定着ベルト1内側に位置するニップ形成部材6と定着ベルト1との間に位置する。摺動シート13の材質としては、耐熱があり摺動性に優れた材質(PTFE、PFAなど)が望ましい。この場合、定着ベルト1が正回転することで潤滑剤が図中矢印で示すオイルの流れの方向に移動する。図の例で言えば、図中右側に移動する。常に正回転しかしない定着装置の場合は、潤滑剤は図の右側へ移動し続け、結果として摺動シート13の右端部から漏れ出し、近傍の部材を汚損したりする。また、潤滑剤が漏れ出し、摺動シート13上に少なくなることで摺動シートと定着ベルト1の内面の摺動性が低下し、ユニットトルクが大きくなる。これにより搬送性問題(用紙の不送り)やユニットの破損につながる。
図4は逆回転時の潤滑剤の流れを示したものである。正回転とは逆方向に潤滑剤が流れることとなる。つまり、正回転によって軸方向の右側に偏った潤滑剤は、逆回転を行うことで潤滑剤が逆方向に移動し、潤滑剤の移動を打ち消すことが可能となる。この逆回転を適したタイミングで実施することで、潤滑剤の軸方向の偏りを防止し、汚損の防止、ユニットトルク上昇の防止を行う。
実際の印刷時の通紙中、当然逆回転は不可である。用紙が決まった方向に送れないためである。通紙中でない場合は正回転でも逆回転でも問題ない回転動作が考えられ、印刷動作完了後の定着部材の熱を均熱化するための後回転、印刷準備時の回転動作、マシンの動作調整中の回転動作、ウォームアップ時、復帰時の加熱回転動作などが実際には考えられる。もっとも適していると考えられるのは、熱源に電源が供給されない状態で回転が起こるものであり、印刷動作完了後の均熱化回転などは逆回転動作に特に適している。すなわち、熱を逃がすことが目的の回転動作であるため、当然熱源に電源は入らないからである。
実際には、以下で説明するように、一定の計算によって逆回転させるべきか、正回転を行うべきかを決定する。
<実施形態1>
逆回転すべきかどうかの一定の計算の例として、もっとも簡単なものは、定着部材の正回転量と逆回転量の差から、潤滑剤の偏り方向を予想し、回転方向を決定する、というものである。
正回転すれば軸方向の右側に潤滑剤が移動し、逆回転ならば左側に移動するので、もっとも理想的なのは、それぞれの総回転量が等しいとき、潤滑剤がどちらか一方に偏っていないと予想できる。つまり、装着しているユニットにおいて、
(正回転の総回転量)>(逆回転の総回転量) ⇒逆回転を選択
(正回転の総回転量)<(逆回転の総回転量) ⇒正回転を選択
とするような方法である。これは、モータの回転数などから簡単に計算できるものである。これにより、回転動作時に正回転とするか逆回転とするか判断し、潤滑剤の軸方向のバランスを保つ。
この場合、定着ユニットに回転数を記録する手段を設けるか、マシン本体側に履歴を記録する履歴記録手段が必要となる。なお、マシン本体側に履歴記録手段を設けることが望ましいが、この場合は新品のユニットが検地された場合は記録された値がクリアされるようなものが必要である。
すなわち、計算則は正回転量の総和と逆回転量の総和の差であり、この差が予め決められた値以下となるように回転方向を決定する。
潤滑剤の分布の軸方向へのバランスを取る一つの指標として、正回転と逆回転のそれぞれの回転量の総和が考えられる。例えば、マシンに設置されている定着ユニットの今までの定着部材あるいは加圧部材の回転量の総和が、正回転:10000回転、逆回転:5000回転だった場合、正回転の方が5000回転多い。つまり、正回転側に5000回転分だけ、潤滑剤が軸方向の片側に偏っている。この場合はバランスをとるため、逆回転動作が選択される。これにより、潤滑剤の軸方向の偏りを打ち消す方向に回転動作を行うことができ、潤滑剤の枯渇によるトルクの上昇を防止できる。
<実施形態2>
実施形態1では単純に回転数だけ考慮しているが、実施形態2では加圧力も加味する。定着装置には、図示しない加圧部材の食い込み量を変化させる手段が一般的には備えてあり、定着部材への圧力を可変としている。そのため、通紙中とそれ以外の回転中では加圧力が違い、加圧部材の定着部材への食い込み量が違う。加圧力が強い時(通紙中)においては当然潤滑剤を移動させる力が大きい。また、通紙中以外の回転動作においては、加圧力が弱い状態で定着部材を回転させる場合が多いため、潤滑剤を移動させる力は弱い。
すなわち、
(加圧の強弱を表す定数)×回転数
となる。例えば、加圧力が強い状態では定数を1.5、加圧力が弱い場合は1などが考えられる。これを正回転、逆回転でそれぞれの場合で合算していき、その和の値が小さいほうの回転方向を採用する。これにより、実施形態1よりもさらに潤滑剤の軸方向のバランスを取ることが可能となる。
すなわち、計算則は二つ以上の設定値から計算される値によって、正回転、逆回転どちらの回転方向になるかを決定する。先に説明した実施形態では、回転量のみで判断しているが、実際には、加圧力や温度なども潤滑剤の移動を決定する因子と考えられる。それらの複合的な計算式、例えば、(回転時の定着部材への加圧力×回転量)の正転、逆転のそれぞれの総和の差によって、逆回転か正回転かを決定することにより、より正確に潤滑剤の移動のバランスを取ることができる。
<実施形態3>
例えば、実施形態1や実施形態2において、回転の途中に計算結果の大小関係が逆になる場合が考えられる。この場合、その回転動作が終了するまでは回転方向を変えないようにする。すなわち、
正回転で回転⇒回転途中で、計算から逆回転にするべき結果となる
このような場合には、
回転を停止⇒逆回転で回転開始、といったような負荷のかかる動作は行わないようにすることにより、ユニットの破損を防止する。
すなわち、本実施形態では一連の動作中においては回転方向を変更しない。
例えば、印刷動作完了後の均熱化回転は10秒間続く設定になっていたとする。均熱化回転の5秒後に、均熱化回転開始前とこの5秒後では計算則に基づく回転方向が逆になったとしても、そのままの回転方向で回転を継続する。一連の動作の途中では回転方向を変えないことで、回転⇒回転停止⇒回転方向変化させて回転開始という定着ユニットに負荷の掛かる動作を行わない。
<実施形態4>
実施形態1と同様に回転量の総和の場合で説明する。正回転と逆回転の差が広がる一方、通紙動作に関しては逆回転できないため、正回転量が増える一方の場合、正回転によって潤滑剤は図の右側に偏り、摺動シート端部から漏れている場合が考えられる。この場合、摺動シート上に潤滑剤はほとんど残っておらず、逆回転動作を加えたとしても意味がない場合が考えられる。一定の値になった場合、すなわち
(正回転の総和)−(逆回転の総和)>予め決められた設定値1
となった場合に、以降、この定着ユニットにおいては逆回転動作を行わないことにする。
すなわち、本実施形態では、計算則に基づいた値が一定の条件を満たすとき、それ以降は逆回転を行わない。例えば、正回転が20000回転、逆回転が1000回転(差が19000回転)となった場合、潤滑剤の軸方向の移動が顕著に発生した結果、摺動シートの片側から漏れ、摺動シート上には潤滑剤がほとんどないと考えられる場合がある。この場合には逆回転をしても潤滑剤を逆方向に移動させる効果は期待できない。そのため、このような一定の条件を満たした場合には、それ以降その定着ユニットに関しては逆転を行わない。
<実施形態5>
この実施形態は、一定の条件を満たした場合に逆回転動作を別途追加で行うというものである。つまり、一定の条件を満たしていない場合には、正回転も逆回転も行わない。狙いとしては、潤滑剤が摺動シートの軸方向の片方に偏ってしまう前に、通常動作とは別途の逆回転動作を追加で行い、潤滑剤の偏りをなくしてしまうことである。
例えば、マシンが待機モードに入ってから一定時間(例えば1分)を経過した場合に、逆回転動作(例えば10秒)を行う、といったものが望ましい。一定の条件を満たしていない場合は、回転動作をそもそも行わない。
この逆回転をおこなう一定の条件としては、
(正回転の総和)−(逆回転の総和)>予め決められた設定値2
ただし、実施形態4での予め決められた設定値1>実施形態5での予め決められた設定値2、であることが望ましい。
これにより、完全に潤滑剤が軸方向の片側に偏ってしまって漏れ出す前に、積極的に逆回転を追加で行い、潤滑材の軸方向のバランスを保つ。これにより、潤滑剤の漏れによる汚損やトルクの上昇、トルク上昇によるユニットの破損を防止する。
すなわち、本実施形態では一定の条件を満たした場合、定期的に逆回転動作を追加する。例えば、ある瞬間の定着ユニットの正回転量の総和が10000回転、逆回転が2000回転だった場合、正回転の8000回転分だけ潤滑剤の軸方向の移動が起きている。このままでは差が開き、潤滑剤が漏れる一方となるため、定期的に印刷動作後や待機中等に逆回転動作を行い、潤滑剤の軸方向の分布のバランスを改善する。これによりトルクの上昇を防止する。
<実施形態6>
実施形態5に記載した逆回転動作中にユーザーより印刷要求があったとする。この場合、
(1)逆回転動作を中止⇒印刷準備動作⇒印刷開始
(2)逆回転動作が完了してから、印刷準備動作⇒印刷開始
のどちらにするかを選択できるものである。
方法としては、マシン内部にどちらとするか選択する設定があり、サービスマンやあるいはユーザーによって変更可能であることが望ましい。基本の設定としては、即座に印刷をしたい要望のユーザーには上記(1)の設定をし、そうでないユーザーには上記(2)の設定とすることが望ましい。
すなわち、本実施形態では、定期的な逆回転動作中に印刷要求が行われた場合、逆回転動作を優先するか印刷要求を優先するかを変更できる。すぐに使いたいユーザーのために、印刷要求を優先するモードを準備する。特に指定が無ければ逆回転動作を優先する。
なお上述した実施形態1〜7の逆回転動作を決定する設定値や計算則は変更可能とする。これにより、ユーザーの使用環境にあった設定できる。すなわち、上述した各実施形態において、逆回転を行う計算条件の変更や逆回転実施の有無を選択できる。計算条件をカスタマイズすることで、ユーザーの使用状況や要望に合わせたマシンのセッティングにすることが可能となる。
本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
1 :定着ベルト
2 :ハロゲンヒータ
2C、2M、2Y、2k :トナーボトル
3 :加圧ローラ
4 :弾性層
5 :芯金
6 :ニップ形成部材
7 :支持部材
8 :保持部材
9 :反射部材
12 :遮光部材
13 :摺動シート
14 :排紙トレイ
20 :定着装置
30 :転写ベルト(中間転写体)
31 :1次転写ローラ
35 :クリーニング装置
36 :2次転写ローラ
90 :光書込装置
100 :画像形成装置
110 :給送ローラ
120 :レジストローラ対
130 :シート給送装置
140 :排紙ローラ
200 :転写ベルトユニット
P :記録紙
特開2004−286922号公報 特許第2861280号公報 特開2007−334205号公報

Claims (10)

  1. 定着部材と加圧部材の少なくともどちらかが回転駆動源を持つ定着装置において、
    回転動作の履歴を記録する履歴記録手段を有し、該履歴記録手段が記録した値に応じて前記回転駆動源による前記定着部材と加圧部材の少なくともどちらかの回転方向、回転量、回転速度を決定して動作することを特徴とする定着装置。
  2. 可撓性を有する無端状の定着部材と、該定着部材を加熱する熱源と、前記定着部材に直接もしくは摺動シートを介して接するベース部材と、前記定着部材を介して前記ベース部材に対向、押圧することでニップを形成する加圧部材とを設け、
    前記定着部材の回転履歴を記録する履歴記録手段を有し、
    印刷動作完了後、印刷準備時の回転動作、動作調整中の回転動作、ウォームアップ時、復帰時の加熱回転動作のうちの少なくとも一つの動作は、一定の計算則に基づいて前記定着部材の回転方向が変化する、
    ことを特徴とする定着装置。
  3. 請求項2の定着装置において、前記計算則は、前記定着部材の正回転量の総和と逆回転量の総和の差であり、この差が予め決められた値以下となるように前記定着部材の回転方向を決定するものである、
    ことを特徴とする定着装置。
  4. 請求項2又は3の定着装置において、
    前記計算則は、二つ以上の設定値から計算される値によって前記定着部材を正回転、逆回転のどちらの回転方向とするかを決定するものである、
    ことを特徴とする定着装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれかの定着装置において、
    一連の動作中においては前記定着部材の回転方向を変更しないことを特徴とする定着装置。
  6. 請求項2乃至5のいずれかの定着装置において、
    前記計算則に基づいた値が一定の条件を満たすとき、それ以降は前記定着部材の逆回転を行わない、
    ことを特徴とする定着装置。
  7. 請求項2乃至5のいずれかの定着装置において、
    前記計算則に基づいた値が一定の条件を満たした場合、定期的に逆回転動作を追加する、
    ことを特徴とする定着装置。
  8. 請求項7の定着装置において、
    定期的な逆回転動作中に印刷要求が行われた場合、前記定着部材の逆回転動作を優先するか印刷要求を優先するかを変更できる、
    ことを特徴とする定着装置。
  9. 請求項2乃至7のいずれかの定着装置において、
    前記定着部材の逆回転を行う計算条件の変更や逆回転実施の有無を選択できる、
    ことを特徴とする定着装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかの定着装置を備え、前記履歴記録手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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