JP6221269B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、これらのうち少なくとも1つを備えた複合機等の画像形成装置に関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置に対し、近年、省エネルギー化、高速化についての市場要求が強くなってきている。
この種の画像形成装置では、電子写真記録、静電記録、磁気記録等の画像形成プロセスによりトナー画像が形成される。
トナー画像は、シート、印刷紙、感光紙、静電用紙などの記録媒体(以下、単に「用紙」ともいう)に、中間転写方式あるいは直接転写方式により転写される。
未定着トナー画像を定着させるための定着装置としては、熱ローラ方式、フィルム加熱方式、電磁誘導加熱方式等の接触加熱方式の定着装置が広く採用されている。
このような定着装置の一例として、特許文献1に記載のベルト方式の定着装置や、特許文献2に記載のセラミックヒータを加熱源として用いたフィルム定着方式の定着装置が知られている。
ベルト方式は、2つ以上のローラ間に定着ベルトを掛け回して回転させる構成を有し、フィルム定着方式は薄肉円筒状の定着ベルト自体を摩擦力で回転させる構成を有している。
ベルト方式の定着装置では、近年、さらなるウォームアップ時間や、ファーストプリント時間の短縮化が望まれている(課題1)。
ウォームアップ時間とは、電源投入時など、常温状態から印刷可能(定着可能)な所定の温度(以下、「リロード温度」ともいう)までに要する時間である。
ファーストプリント時間とは、印刷要求を受けた後、印刷準備を経て印字動作を行い排紙が完了するまでの時間である。
また、画像形成装置の高速化に伴い、単位時間あたりの通紙枚数が増え、必要熱量が増大しているため、特に連続印刷の始めに熱量が不足する、所謂、温度落ち込みが問題となっている(課題2)。
前記課題1を解決する方法として、セラミックヒータを用いたフィルム定着方式が提案されており、この方式により、ベルト方式の定着装置に比べ、低熱容量化、小型化が可能となった。
しかしながら、特許文献2におけるフィルム定着方式では、ニップ部のみを局所的に加熱しているため、その他の部分では加熱されていない。
このため、ニップ部入口においてフィルム状の定着部材は最も冷えた状態にあり、定着不良が発生しやすくなるという問題がある。
特に、高速機においては定着部材の回転が速く、ニップ部以外での定着部材の放熱が多くなるため、より定着不良が発生しやすくなるという問題がある(課題3)。
以上のような課題1〜3を解決するために、特許文献3には、フィルム定着方式の構成において、その定着部材全体を温めることを可能にしたものが提案されている。
この構成によれば、加熱待機時からのファーストプリントタイムを短縮することができ、かつ高速回転時の熱量不足を解消して、高生産性の画像形成装置に搭載されても、良好な定着性を得ることができる。
図9は、特許文献3に記載の定着装置の概略図である。
フィルム状の無端ベルト200の内部にパイプ状の金属熱伝導体201が、無端ベルト200の移動をガイドすることが可能に固定されている。
金属熱伝導体201内の熱源202により金属熱伝導体201を介して無端ベルト200が加熱される。
さらに、無端ベルト200を介して金属熱伝導体201に接してニップ部Nを形成する加圧ローラ203を備えている。
加圧ローラ203の回転に連れ回りするようにして無端ベルト200が周方向に移動する。
この構成により、定着装置を構成する無端ベルト全体を温めることが可能であり、加熱待機時からのファーストプリント時間を短縮することができ、かつ高速回転時の熱量不足を解消することが可能となっている。
しかしながら、更なる省エネ性およびファーストプリント時間向上のためには熱効率を更に向上させる必要がある。
無端ベルトを金属熱伝導体を介して間接的に加熱する構成から、金属熱伝導体を介さずに無端ベルトを直接加熱する構成も提案されている(特許文献4参照)。
この構成では伝熱効率が大幅に向上するため消費電力を低減できると共に、加熱待機時からのファーストプリント時間を更に短縮することが可能となる。
また、金属熱伝導体が無いことによるコストダウンが可能となる。
フィルム状の無端ベルトを直接加熱する構成とすることで、省エネ性が高く、加熱待機時からのファーストプリント時間を更に短縮することができる。
しかしながら、特許文献4に記載の構成とした場合、低熱容量であるため、小サイズの用紙の通紙中における端部の温度上昇が大きい。
ここで、「端部」とは、用紙の通紙方向と直交する幅方向における用紙が通過しない部分をいう。
幅方向のサイズが小サイズの用紙を通紙した後に大サイズの用紙を通紙する際に、定着部材の高温部分ではホットオフセット画像や光沢ムラが発生することがある。
これらの異常画像を防止するために、1つのジョブを実行した後で、用紙を搬送(通紙)しない状態で定着部材と加圧ローラのみを空転させることが行われている。
空転させることで、定着部材の幅方向の温度が均一となるもので、「均熱化回転」と呼ばれている。
ここで、「ジョブ」とは、同じサイズの用紙に対して同じ画像を形成する連続した画像形成動作(作業)のことをいう。
しかしながら、ジョブ終了後に常に一定の均熱化回転を行うと、一定の待ち時間が生じ、次のジョブの終了時間が待ち時間分だけ遅くなり、トータルのプリントタイムが長くなってしまう。
この問題を解消すべく、本出願人は、小サイズの用紙を通紙後、均熱化回転の終了条件を次のジョブの内容に応じて最適化し、可能な限り待ち時間を少なくすることができる画像形成装置を提案した(以下、「先願技術」という)。
例えば、次のジョブがモノクロ画像の場合、端部の温度が中央部の温度に比べて若干高くても異常画像が生じないため、均熱化回転の実施時間を短縮するというものである。
しかしながら、上記先願技術では、均熱化回転自体は前ジョブの終了後に自動的に実行されていた。
ジョブの開始信号が来なければ、定着部材等は自然と温度降下する。このような場合にも自動的に均熱化回転することは、定着モジュールの寿命の短縮につながり好ましくない。
本発明は、このような現状に鑑みて創案されたもので、無駄な均熱化回転の実行時間を少なくすることができ、異常画像の発生を抑制できるとともに待ち時間の短縮が可能であり、定着に関与する部材の長寿命化にも寄与できる画像形成装置の提供を、その主な目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、記録媒体の未定着画像が担持された側を加熱する回転可能な定着部材と、前記定着部材に圧接し、前記定着部材との間にニップ部を形成する回転可能な定着対向部材と、前記定着部材の内部に前記定着対向部材と向かい合うように配置されたニップ形成部材と、前記定着部材を加熱する加熱源と、前記定着部材の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段から入力される温度情報に基づいて、前記加熱源への通電を制御する温度制御手段と、を備えた画像形成装置において、ジョブ開始信号を受けたとき、記録媒体の供給許可条件が満足されてから記録媒体の供給を開始し、前記供給許可条件が、次のジョブ情報により異なり、前記次のジョブ情報は、次のジョブにて形成する画像がカラー画像であるかモノクロ画像であるかを含み、次のジョブにて形成する画像がカラー画像である場合には、さらに、前記供給許可条件が前のジョブ終了からの経過時間により異なり、前記供給許可条件は、記録媒体の搬送方向と直交する幅方向における前記定着部材の表面の温度の分布を均一にするための該定着部材及び前記定着対向部材の均熱化回転を終了し、記録媒体の供給を許可する条件であり、前記均熱化回転を開始後の記録媒体の供給が許可される温度は、次のジョブにて形成する画像がモノクロ画像である場合には、カラー画像である場合よりも高温であり、次のジョブにて形成する画像がカラー画像である場合であって、前記経過時間が所定時間よりも長い場合には、所定時間以下の場合よりも高温で記録媒体の供給が許可されることを特徴とする。
本発明によれば、ジョブの情報及び前ジョブ終了からの経過時間により、均熱化回転の実施時間を変えるようにしたので、均熱化回転の無駄な時間を抑制することができ、待ち時間を少なくすることができる。
また、均熱化回転に関与する部材の長寿命化、ひいては画像形成装置の長寿命化に寄与することができる。
本発明の一実施形態に係る定着装置の概要断面図である。 定着ベルトの支持構成を示す図で、(a)は軸方向一端部の斜視図、(b)は同側面図、(c)は断面図である。 定着装置における定着ベルトと加圧ローラの温度検知構成を示す斜視図である。 制御ブロック図である。 制御動作を示すフローチャートである。 制御動作と温度との関係を示すタイミングチャートである。 画像形成装置の概要構成図である。 ハロゲンヒータの他の構成例を示す斜視図である。 従来の定着装置の概要断面図である。
以下、本発明の一実施形態を図を参照して説明する。
まず、図7に基づいて、本実施形態に係る画像形成装置の構成の概要を説明する。
この画像形成装置は、複数の色画像を形成する作像部が中間転写ベルトの移動方向に沿って並置されたタンデム方式のカラープリンタである。
画像形成装置100は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な像担持体を有している。
各色の像担持体はそれぞれ、感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkとして並設されている。
各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに形成された可視像としてのトナー像は、各感光体ドラムに対向しながら矢印A1方向に移動可能な中間転写体としての中間転写ベルト11に重ね合わせて1次転写される。
その後、記録媒体としての用紙Sに対して2次転写工程により一括転写される。
各感光体ドラム20の周囲には、感光体ドラムの回転に従い画像形成処理するための装置が配置されている。
ブラック画像の形成を行う感光体ドラム20Bkを代表して説明する。
感光体ドラム20Bkの回転方向に沿って画像形成処理を行う帯電装置30Bk、現像装置40Bk、1次転写ローラ12Bkおよびクリーニング装置50Bkが配置されている。
帯電後に行われる書き込みには、光書込装置8が用いられる。
中間転写ベルト11に対する重畳転写は、中間転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20に形成された可視像が、中間転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるようになされる。
上記1次転写は、中間転写ベルト11を挟んで各感光体ドラムに対向して配設された1次転写ローラによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkは、A1方向の上流側からこの色順で並んでいる。
各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの画像をそれぞれ形成するための画像ステーションに備えられている。
画像形成装置100は、色毎の画像形成処理を行う4つの画像ステーションと、各感光体ドラム20の上方に対向して配設され、中間転写ベルト11及び1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Bkを備えた中間転写ベルトユニット10とを有している。
また、画像形成装置100は、中間転写ベルト11に対向して配設され中間転写ベルト11に従動して連れ回りする2次転写部材としての2次転写ローラ5を有している。
また、画像形成装置100は、中間転写ベルト11に対向して配設され中間転写ベルト11上をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置13を有している。
また、画像形成装置100は、これら4つの画像ステーションの下方に対向して配設された光書き込み装置としての光書込装置8を有している。
光書込装置8は、光源としての半導体レーザ、カップリングレンズ、fθレンズ、トロイダルレンズ、折り返しミラーおよび偏向手段としての回転多面鏡などを装備している。
光書込装置8は、各感光体ドラム20に対して、色毎に対応した書き込み光Lbを出射して各感光体ドラム20に静電潜像を形成する。
図7では、便宜上、ブラック画像の画像ステーションのみを対象として書き込み光に符号が付けてあるが、その他の画像ステーションも同様である。
画像形成装置100の下部には、各感光体ドラム20と中間転写ベルト11との間に向けて搬送される用紙Sを積載した給紙カセットとしてのシート給送装置61が設けられている。
シート給送装置61から搬送されてきた用紙Sは、レジストローラ対4により、画像ステーションによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、各感光体ドラム20と中間転写ベルト11との間の転写部に向けて繰り出される。
用紙Sの先端がレジストローラ対4に到達したことは、図示しないセンサによって検知される。
画像形成装置100は、トナー像が転写された用紙Sにトナー像を定着させるためのフィルム定着方式の定着装置150と、定着済みの用紙Sを画像形成装置100の装置本体外部に排出する排紙ローラ対7とを有している。
装置本体上面は、用紙Sを積載する排紙トレイ17としてなる。
排紙トレイ17の下方には、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーを充填されたトナーボトル9Y、9C、9M、9Bkが備えられている。
中間転写ベルトユニット10は、中間転写ベルト11、1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Bkの他に、中間転写ベルト11が掛け回されている駆動ローラ72及び従動ローラ73を有している。
従動ローラ73は、中間転写ベルト11に対する張力付勢手段としての機能も備えており、このため、従動ローラ73には、バネなどを用いた付勢手段が設けられている。
このような中間転写ベルトユニット10と、1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Bkと、2次転写ローラ5と、中間転写ベルトクリーニング装置13とで転写装置71が構成されている。
シート給送装置61は、最上位の用紙Sの上面に当接する給送ローラ3を有しており、給送ローラ3が反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の用紙Sをレジストローラ対4に向けて給送するようになっている。
転写装置71に装備されている中間転写ベルトクリーニング装置13は、詳細な図示を省略するが、中間転写ベルト11に対向、当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードとを有している。
中間転写ベルトクリーニング装置13は、中間転写ベルト11上の残留トナー等の異物をクリーニングブラシとクリーニングブレードとにより掻き取り、除去する。
中間転写ベルトクリーニング装置13はまた、中間転写ベルト11から除去した残留トナーを搬出し廃棄するための図示しない排出手段を有している。
図1に基づいて、定着装置150の構成を詳細に説明する。
定着装置150は、可撓性を有する無端状(円筒状フィルム)で回転可能な定着部材としての定着ベルト80を有し、定着ベルト80内には加熱源としてのハロゲンヒータ82が設けられている。
定着ベルト80は、ハロゲンヒータ82により内周側から輻射熱で直接加熱される。
また、定着装置150は、定着ベルト80に圧接し、定着ベルト80との間でニップ部Nを形成する定着対向部材としての加圧ローラ84と、ニップ形成部材86とを有している。
ニップ形成部材86は、加圧ローラ84に対向して定着装置150の内側に配置されたニップ形成部材本体88と、該ニップ形成部材本体88を加圧ローラ84からの加圧力に対抗して保持するステー部材90とから構成されている。
ニップ形成部材本体88は、摺動シートとしての低摩擦シート92を介して定着ベルト80の内面と摺動する。直に接触する構成としてもよい。
また、定着装置150は、ハロゲンヒータ82から放射される光を定着ベルト80へ反射する反射部材94と、定着ベルト80の温度を検知する温度検知手段としての温度センサ96とを有している。
また、定着装置150は、定着ベルト80から用紙を分離する記録媒体分離手段としての分離部材98と、加圧ローラ84を定着ベルト80へ加圧する図示しない加圧手段等を備えている。
図1において、符号Tは用紙上のトナーを示している。
図1では、ニップ部Nの形状を平坦状にしているが、加圧ローラ84側から見て定着ベルト80側に凸となる凹形状やその他の形状であっても良い。
ニップ部の形状は凹形状の方が、用紙先端の排出方向が加圧ローラ寄りになり、分離性が向上するのでジャムの発生が抑制される。
ステー部材90により、加圧ローラにより圧力を受けるニップ形成部材本体88の撓みを防止し、軸方向(用紙幅方向)で均一なニップ幅が得られるようにしている。
ステー部材90は、後述するように、軸方向両端部を側板に固定されて位置決めされている。
定着ベルト80も軸方向両側で後述するフランジに回転可能に支持されている。
反射部材94はステー部材90に固定されている。
反射部材94は、ハロゲンヒータ82からの輻射熱などによりステー部材90が加熱されてしまうことによる無駄なエネルギー消費を抑制している。
反射部材94を備える代わりに、ステー部材90の表面に断熱もしくは鏡面処理を行っても同様の効果を得ることができる。
定着ベルト80は、ニッケルやSUSや銅などによる単層の金属ベルト、あるいはそれら金属ベルトを複数使用した多層構造のもの、またはポリイミドなどの樹脂材料を用いた無端ベルトもしくはフィルムである。
ベルトの表層はPFAまたはPTFE層などの離型層を有し、トナーが付着しないように離型性を持たせている。
ベルトの基材とPFAまたはPTFE層との間には、シリコーンゴムの層などで形成する弾性層があっても良い。
シリコーンゴム層が無い場合は熱容量が小さくなり、定着性が向上するが、未定着画像を押し潰して定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部に定着ムラが残るという不具合が生じる。
これを改善するにはシリコーンゴム層を100[μm]以上設ける必要がある。
シリコーンゴム層の変形により、微小な凹凸が吸収され上記定着ムラが改善する。
加熱源は、図示したハロゲンヒータの他に、IH(電磁誘導加熱方式)であっても良いし、抵抗発熱体、カーボンヒータ等であっても良い。
加圧ローラ84は、芯金102と弾性ゴム層104とから構成されている。
弾性ゴム層104の表面には、離型性を得るために離型層(PFAまたはPTFE層)106が設けてある。
加圧ローラ84は画像形成装置に設けられたモータなどの駆動源からギヤを介して駆動力が伝達され回転する。
加圧ローラ84はスプリングなどにより定着ベルト80側に押し付けられており、弾性ゴム層104が押し潰されて変形することにより、所定のニップ幅が確保される。
加圧ローラ84は中空のローラであっても良く、内部にハロゲンヒータなどの加熱源を有していても良い。
弾性ゴム層104はソリッドゴムでも良いが、加圧ローラ84の内部にヒータが無い場合は、スポンジゴムを用いても良い。
スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルトの熱が奪われにくくなるので、より望ましい。
定着ベルト80は、加圧ローラ84の回転に伴って連れ回りすることにより回転する。
本実施形態では、加圧ローラ84が図示しない駆動源により回転し、ニップ部Nで定着ベルト80に駆動力が伝達されることにより定着ベルトが回転する。
定着ベルト80はニップ部Nで挟み込まれて回転し、ニップ部以外では両端部をフランジにガイドされて走行(回転)する。
図2に基づいて、定着ベルト80の軸方向端部の支持構成を説明する。
(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は定着ベルト80の回転軸方向から見た側面図である。
なお、図2(a)〜(c)では、片側の端部の構成のみを示しているが、反対側の端部も同様の構成となっている。
図2(a)又は(b)に示すように、定着ベルト80の回転方向と直交する方向(軸方向)における端部には、ベルト保持部材としてのフランジ108が挿入されており、このフランジ108によって定着ベルト80の端部は回転可能に保持されている。
また、図2(c)に示すように、フランジ108は、ニップ部Nの位置で開口した形状を有している。
フランジ108は、側板110に固定されている。
上記ステー部材90の長手方向の端部も側板110に固定されて位置決めされている。
定着ベルト80の端面とそれに対向するフランジ108の対向面との間には、定着ベルト80の端部を保護する保護部材としてのスリップリング112が設けられている。
これにより、定着ベルト80に軸方向の寄りが生じた場合に、定着ベルト80の端部がフランジ108に直接当接するのを防止することができ、端部の摩耗や破損を防ぐことができる。
図3に示すように、ハロゲンヒータ82は、中央部加熱用のハロゲンヒータ82aと、端部加熱用のハロゲンヒータ82bとの2本構成となっている。
定着ベルト80の表面近傍には、中央部の温度を検知する温度検知手段としてのサーモパイル96aと、端部の温度を検知する温度検知手段としてのサーモパイル96bとが配置されている。
加圧ローラ84側には、中央部の温度を検知する温度検知手段としてのサーミスタ96cと、端部の温度を検知する温度検知手段としてのサーミスタ96dとが配置されている。
サーモパイル96a、96b、サーミスタ96c、96dの検知情報(温度情報)は、図4に示すように、マイクロコンピュータからなる温度制御手段としての制御手段116に入力される。
制御手段116は、これらの検知情報に基づいて電源118を制御し、ハロゲンヒータ82への通電を制御する。
図3に示すように、B5サイズの用紙Sを通紙するときは、中央ヒータとしてのハロゲンヒータ82aが点灯し、サーモパイル96aの検知情報に基づいて温度制御がなされる。
ここでの用紙Sは、記録媒体の搬送方向と直交する幅方向における所定のサイズの記録媒体である。
このような幅サイズの小さい用紙を連続通紙すると、通紙後温度プロファイルで示すように、定着ベルト80の端部の温度が上がりすぎる。
この場合、次のジョブにおいて中央と端部間の温度勾配によって定着ムラ等(ホットオフセットや光沢ムラの概念を含む)が発生する問題がある。
通紙後、温度が上昇した定着ベルト80の端部(高温部)の温度を下げるため、換言すれば、定着ベルト80の幅方向の温度の分布を均一にするために均熱化回転を行う。
均熱化回転は所定温度以下となるまで、または所定時間が経過するまで実行し、終了する。
本実施形態では、前ジョブが終わった後の均熱化回転が開始される条件、均熱化回転が終了する条件を次のジョブにより場合分けしている。
その制御動作を図5のフローチャートに基づいて説明する。
例えば、前ジョブが終了して待機状態に移行した後、ジョブ開始信号を受信すると(S1)、給紙許可温度(供給許可温度または定着可能温度)になったか否かを判断する(S2)。
次に、今回のジョブの通紙幅は前ジョブの通紙幅よりも大きいか否かを判断し(S3)、大きい場合には画像情報としての画像形成モードがフルカラー(FC)か否かを判断する(S4)。
フルカラーの場合には、前ジョブが終了してからの経過時間、換言すれば最後の用紙を供給後の経過時間が所定時間tw以下か否かを判断する(S5)。twは実験により予め求められる値である。
所定時間tw以下の場合には、均熱化回転を開始後、温度がT1になってから給紙を許可する(S6)。すなわち、供給許可条件が満足されてから用紙の供給を開始する。
S3で、今回のジョブの通紙幅が前ジョブの通紙幅よりも小さい場合には、幅方向の温度偏差による不具合は生じないので、均熱化回転は行わない(S7)。
S4で、今回のジョブの画像形成モードがモノクロ(B/W)の場合には、均熱化回転を開始後、温度がT2(T2>T1)になってから、すなわち均熱化回転を実施後給紙を許可する(S8)。
モノクロ画像の場合は、ホットオフセットや光沢ムラの異常画像に対する余裕が大きいからである。
経過時間は、用紙の供給終了からの経過時間をカウントし、または、供給終了時間をメモリし、次のジョブ開始時間との差分により算出する。
ホットオフセットや光沢ムラは、ハーフトーンで発生しやすいため、文字原稿であるならば、均熱化回転終了条件を高い温度に設定してもよい。
解像度についても、低解像度画像の場合には、高解像度画像よりも均熱化回転終了条件を高い温度に設定してもよい。
S5で、前ジョブが終了してからの経過時間が所定時間twよりも長い場合にも均熱化回転を開始後、温度がT2になってから給紙を許可する(S8)。
図6は上記制御動作に対応したタイミングチャートである。
図6に示すように、モノクロ画像の場合には温度が高い状態で給紙許可となり、その場合の均熱化回転終了時間はtaである。
フルカラー画像の場合には、温度がT1となる時間tbの間均熱化回転が実施される。次ジョブは今回のジョブを意味する。
前ジョブが終了してからの経過時間は待機時間である。
均熱化回転の制御は厳密には、表1に示す条件判定テーブルに基づいて行われる。
表1において、t1は前ジョブにおける通紙時間を、サーモパイル2は端部のサーモパイル96bを、サーミスタ3は中央のサーミスタ96cを、サーミスタ4は端部のサーミスタ96dを示している。
センサ温度T1はFCモードにおける給紙許可温度を、センサ温度T2はB/Wモードにおける給紙許可温度を示している。
t2は均熱化回転制御の経過時間を示している。
通紙時間t1に対する設定時間は、通紙時間の基準時間であり、経過時間t2に対する設定時間は各条件における均熱化回転制御の基準実施時間である。
Figure 0006221269
表1の条件判定テーブルには、前ジョブの通紙幅ごとに複数の終了条件が設定されている。表において、<=は≦を示している。
例えば、前ジョブの通紙幅Lが、B4T<L≦DLTで、前ジョブの通紙時間t1が、t1<設定時間101、次ジョブがFCモードの場合を説明する。
この場合には、均熱化回転の終了条件は、サーミスタ96dの検知温度が120℃以下となり、且つ均熱化回転の開始から15秒が経過した時点である。
前ジョブの通紙幅Lが同じで、前ジョブの通紙時間t1が設定時間101以上のとき、均熱化回転の終了条件は、サーミスタ96dの検知温度が120℃以下となり、設定時間102≦t2となったときである。
図5で説明したように、FCモードの場合でも前ジョブからの経過時間によってはセンサ温度はT2となる。
本実施形態では、上記のように、前ジョブの終了時に自動的に均熱化回転の制御を実施せず、ジョブ開始信号を受信してから条件判定テーブルに基づいて均熱化回転の制御を実行する。
これにより、待機時間が長い場合には、待機中の自然の温度降下を加味した均熱化回転制御とすることができる。
したがって、前ジョブ終了後に均熱化回転を一律に実施する場合に比べ、定着装置の部材の寿命の短縮化を抑制でき、ひいては画像形成装置の長寿命化に寄与することができる。
均熱化回転中は、ハロゲンヒータ82をオフすると効果的である。
前のジョブの情報が不明な場合は、安全性を考慮して均熱化回転の終了条件が設定されている中で最も長い条件とする。
上記実施例では、前のジョブ情報が用紙幅サイズの大小関係の場合を例示したが、表2に示すように、用紙の厚みによって均熱化回転の実施時間を変化させてもよい。
表2において、g/m2はg/mを意味する。
Figure 0006221269
上記実施形態では、温度情報に基づいて通電制御を行うようにしたが、前ジョブにおける通紙枚数や通紙時間等から実験的に求めた数値を温度に代わる情報とし、これに基づいて均熱化回転の実施時間を設定してもよい。
図8に示すように、加熱源としてのハロゲンヒータ82を、ハロゲンヒータ82a、82b、82cからなる3本構成としてもよい。
各ハロゲンヒータごとに発熟領域を異ならせることで、種々の幅の用紙幅に対応した範囲で定着ベルト80を加熱することが可能となっている。
この例では、ステー部材は、ステー部材90aと90bとから構成され、ニップ形成部材本体88は板金122を介してステー部材に固定されている。
80 定着部材としての定着ベルト
82 加熱源としてのハロゲンヒータ
84 定着対向部材としての加圧ローラ
86 ニップ形成部材
96a、96b 温度検知手段としてのサーモパイル
96c、96d 温度検知手段としてのサーミスタ
116 温度制御手段としての制御手段
S 記録媒体としての用紙
特開2004−286922号公報 特許第2861280号公報 特開2007−334205号公報 特開2010−66583号公報

Claims (7)

  1. 記録媒体の未定着画像が担持された側を加熱する回転可能な定着部材と、
    前記定着部材に圧接し、前記定着部材との間にニップ部を形成する回転可能な定着対向部材と、
    前記定着部材の内部に前記定着対向部材と向かい合うように配置されたニップ形成部材と、
    前記定着部材を加熱する加熱源と、
    前記定着部材の温度を検知する温度検知手段と、
    前記温度検知手段から入力される温度情報に基づいて、前記加熱源への通電を制御する温度制御手段と、
    を備えた画像形成装置において、
    ジョブ開始信号を受けたとき、記録媒体の供給許可条件が満足されてから記録媒体の供給を開始し、
    前記供給許可条件が、次のジョブ情報により異なり、
    前記次のジョブ情報は、次のジョブにて形成する画像がカラー画像であるかモノクロ画像であるかを含み、
    次のジョブにて形成する画像がカラー画像である場合には、さらに、前記供給許可条件が前のジョブ終了からの経過時間により異なり、
    前記供給許可条件は、記録媒体の搬送方向と直交する幅方向における前記定着部材の表面の温度の分布を均一にするための該定着部材及び前記定着対向部材の均熱化回転を終了し、記録媒体の供給を許可する条件であり、
    前記均熱化回転を開始後の記録媒体の供給が許可される温度は、次のジョブにて形成する画像がモノクロ画像である場合には、カラー画像である場合よりも高温であり、
    次のジョブにて形成する画像がカラー画像である場合であって、前記経過時間が所定時間よりも長い場合には、所定時間以下の場合よりも高温で記録媒体の供給が許可されることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記幅方向における所定のサイズの記録媒体を供給後、前記経過時間が所定時間以下の場合、前記均熱化回転を実施後、記録媒体の供給を可能とすることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
    前記ジョブ情報は、前のジョブと次のジョブの記録媒体の搬送方向と直交する幅方向におけるサイズの大小関係であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
    前記ジョブ情報は、前のジョブにおける記録媒体の厚みであることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
    前記経過時間は、記録媒体の供給終了からの経過時間をカウントし、または、供給終了時間をメモリし、次のジョブ開始時間との差分により算出することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項2に記載の画像形成装置において、
    前のジョブの情報が不明な場合は、前記均熱化回転の終了条件が設定されている中で最も長い条件とすることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成装置において、
    前記加熱源は前記定着部材を輻射熱によって直接加熱することを特徴とする画像形成装置。
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