〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について説明する。まず、図2を参照して本実施形態の定着装置が備えられている画像形成装置1について説明する。図2は、画像形成装置1の内部構造を示した模式図である。画像形成装置1は、乾式電子写真方式のカラー画像形成装置であり、ネットワークを介して接続される各端末装置から送信される画像データまたはスキャナによって読み取られた画像データに基づいて、用紙(記録材、転写媒体、記録紙)Pに対してカラー画像またはモノクロ画像を形成するプリンタである。
画像形成装置1は、乾式電子写真方式かつ4連タンデム方式のカラープリンタであって、可視像転写部50、用紙搬送部30、定着装置40、供給トレイ20を備えている。
可視像転写部50は、黄色画像転写部50Y、マゼンタ画像転写部50M、シアン画像転写部50C、黒画像転写部50Bから構成される。具体的な配置としては、供給トレイ20と定着装置40との間において、供給トレイ20側から、黄色画像転写部50Y、マゼンタ画像転写部50M、シアン画像転写部50C、黒画像転写部50Bがこの順に併設されている。
これら転写部50Y、50M、50C、50Bは、各々、実質的に同一の構成を有しており、画像データに基づいて、用紙Pに対してそれぞれ黄色画像、マゼンタ画像、シアン画像、黒画像を転写するものである。
各転写部50Y、50M、50C、50Bは、感光体ドラム51を備えおり、さらに、帯電ローラ52、LSU(レーザビームスキャナユニット)53、現像ユニット54、転写ローラ55およびクリーニング装置56を、感光体ドラム51の周囲に、感光体ドラム51の回転方向(図2のF方向)に沿って配置している。
各転写部50Y、50M、50C、50Bの感光体ドラム51は、感光性材料を表面に有するドラム形状の転写ローラであり、矢印F方向に回転駆動する。帯電ローラ52は、感光体ドラム51の表面を一様(均一)に帯電するためのものである。
転写部50Y、50M、50C、50BのLSU53には、それぞれ、画像データにおける黄色成分、マゼンタ成分、シアン成分および黒色成分に対応する画素信号が入力されるようになっている。そして、各LSU53は、これらの画像信号に基づいて、帯電された感光体ドラム51を露光し、静電潜像を生成するようになっている。
転写部50Y、50M、50C、50Bの現像ユニット54は、それぞれ黄色、マゼンタ、シアン、黒色のトナー(現像剤)を有している。そして、これらのトナーによって、感光体ドラム51上に生成された静電潜像を現像し、トナー像(顕像)を生成する機能を有している。なお、上記の現像剤としては、例えば、非磁性一成分現像剤(非磁性トナー)、非磁性二成分現像剤(非磁性トナーおよびキャリア)、磁性現像剤(磁性トナー)等の現像剤を用いることができる。
転写部50Y、50M、50C、50Bの転写ローラ55は、トナーとは逆極性のバイアス電圧が印加されており、このバイアス電圧を用紙Pに与えることによって感光体ドラム51上のトナー像を用紙Pに転写するためのものである。
転写部50Y、50M、50C、50Bのクリーニング装置56は、用紙Pへの画像転写後に感光体ドラム51上に残留しているトナーを除去するものである。以上のような、用紙Pに対するトナー像の転写は、4色について4回繰り返される。
用紙搬送部30は、駆動ローラ31、従動ローラ32、搬送ベルト33からなり、各転写部50Y、50M、50C、50Bによって順に用紙Pにトナー像が形成されるように、用紙Pを搬送するものである。
駆動ローラ31および従動ローラ32は、搬送ベルト33を張架するものであり、駆動ローラ31が所定の周速度(本実施形態ではモノクロ画像形成時(モノクロモード)355mm/s、カラー画像形成時(カラーモード)175mm/s)に制御されて回転することで搬送ベルト33が回転するようになっている。
搬送ベルト33は、各転写部50Y、50M、50C、50Bの感光体ドラム51に接触するように、駆動ローラ31とアイドリングローラ32との間にかけられたベルトであり、ローラ31・32によって図2の矢印Z方向に摩擦駆動されるようになっている。そして、搬送ベルト33は、供給トレイ20から送り込まれた用紙Pを静電吸着させ、各転写部50Y、50M、50C、50Bに順に用紙Pを搬送する。
さらに、各転写部50Y、50M、50C、50Bによってトナー像が転写された用紙Pは、駆動ローラ31の曲率によって搬送ベルト33から剥離され、定着装置40に搬送される(図2の一点鎖線は搬送経路を示す)。なお、各転写部50Y、50M、50C、50Bによって用紙Pに転写された後のトナー像は、用紙Pに対して未定着の状態である。
定着装置40は、用紙Pに転写された未定着のトナー像を当該用紙Pに熱圧着させるものである。具体的に、定着装置40には、定着ローラ(定着部材)60と加圧ローラ(定着部材)70とが備えられている。そして、可視像転写部50から所定の搬送速度(プロセス速度;例えば、モノクロモード355mm/s、カラーモード175mm/s)および複写速度(1分あたりのコピー枚数;例えばA4横送りでモノクロモード70枚/分、カラーモード40枚/分)で搬送される用紙Pは、定着ローラ60と加圧ローラ70との間に形成されている定着ニップ部Nに送り込まれる。さらに、定着ローラ60と加圧ローラ70とが用紙Pを挟持しながら搬送する。このとき、用紙P上のトナー像(未定着画像)は定着ローラ60の周面の熱によって溶融し、定着ローラ60と加圧ローラ70とによって加圧されて、用紙Pに固定された堅牢な画像として定着する。
そして、定着装置40によってトナー像の定着処理が行われた後の用紙Pは、画像形成装置1の外部の排紙トレイ(不図示)に排出される。これにより、画像形成処理が終了する。なお、定着装置40の具体的構成については後で詳細に説明する。
また、画像形成装置1は、用紙Pに対して各転写部50Y、50M、50C、50Bが画像転写を行ってカラー画像(多色画像)を形成するカラーモード(多色モード)と、用紙Pに対して黒画像転写部50Bのみが画像転写を行ってモノクロ画像(単色画像)を形成するモノクロモード(単色モード)とを実行できる。具体的に説明すると、画像形成装置1に備えられている制御部(制御用集積回路基板またはコンピュータ,不図示)は、利用者からの入力指示に応じて、カラーモードまたはモノクロモードのうちのいずれかのモードを選択し、選択したモードに応じた画像形成を実行するように各転写部50Y、50M、50C、50Bを制御するようになっている。
さらに、上記制御部は、カラーモード時においては搬送速度(プロセス速度)355mm/Sで用紙Pを搬送し、モノクロモード時においては搬送速度175mm/Sで用紙Pを搬送するように画像形成装置1の用紙搬送手段(用紙搬送部30,定着ローラ60,加圧ローラ70等)を制御する。
次に、定着装置40について具体的に説明する。図3は、定着装置40の概略構成を示す模式図である。定着装置40は、上述した定着ローラ60および加圧ローラ70の他、外部加熱装置80、制御装置90、回転駆動装置91、ベルト移動装置110を含む構成である。なお、必要に応じて、定着ローラ60の表面をクリーニングするためのウェブクリーニング装置等をさらに設けてもよい。
回転駆動装置91は、定着ローラ60を回転駆動するものであり、例えばモータ等から構成される。なお、回転駆動装置91の動作は、制御装置90によって制御される。
定着ローラ60は、図3に示されるG方向に回転するローラであり、金属製の中空円筒形状の芯金61、この芯金61の外周面を覆う弾性層62、弾性層62を覆って形成される離型層63から構成される。
芯金61は、例えば外径46mmのアルミニウムからなるものであり、筒状の形状をしている。ただし、芯金61の素材は、アルミニウムに限定されるものではなく、例えば、鉄やステンレス等からなるものであってもよい。弾性層62は、例えば厚さ3mmであって、耐熱性を有するシリコンゴム(JIS−A硬度20度)からなる。離型層63は、例えば厚み約30μmのPFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)チューブからなる。なお、離型層63の材料としては、耐熱性、耐久性に優れ、トナーとの離型性が優れているものであればよく、PFAの他、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系材料を使用してもよい。このような構成の定着ローラ60の外径は50mmであって、定着ローラ60の表面硬度は68度(アスカーC硬度)である。なお、定着ローラ60表面の回転軸方向の幅は、本実施形態では320mmである。
定着ローラ60の周面には当該周面の温度を検出するサーミスタ65が接触しており、芯金61の内部には、電力が供給されることによって熱輻射を行うハロゲンランプ(ヒータランプ)64が設置されている。ハロゲンランプ64は定着ローラ60の熱源であり、ハロゲンランプ64に電力供給が行われるとハロゲンランプ64によって定着ローラ60内部が所定の温度(本実施形態では180℃)に加熱され、定着ニップ部Nを通過する未定着トナー画像が形成された用紙Pを加熱するようになっている。
なお、本実施形態では、ハロゲンランプ64を1本内蔵しているが、これに限らず、例えば、用紙サイズに応じて最適な温度分布を形成できるように、回転軸方向に発熱分布を分散した複数のハロゲンランプを用いてもよい。また、本実施形態では、定着ローラ60の長手方向中央部にサーミスタ65が接触するように配置しているが、これに限らず、定着ローラ60の長手方向端部(非通紙領域)に設置してもよい。また、ハロゲンランプを2本設置するなどして中央部と端部で発熱量が異なる場合等には、中央部と端部の両方に設置してもよい。
加圧ローラ70は、図3に示すH方向に回転するローラであり、金属製の中空円筒形状の芯金71、この芯金71の外周面を覆う弾性層72、弾性層72を覆って形成される離型層73、を備えている。
芯金71は、例えば外径46mmであって、アルミニウムからなるものである。ただし、芯金71の素材は、アルミニウムに限定されるものではなく、鉄やステンレスからなるものであってもよい。弾性層72は、例えば厚さ2mmであって、耐熱性を有するシリコンゴムからなる。離型層73は、例えば厚み約30μmのPFAチューブからなる。なお、離型層73の材料としては、耐熱性、耐久性に優れ、トナーとの離型性が優れるものであればよく、PFAの他、PTFE等のフッ素系材料を使用してもよい。このような構成の加圧ローラ70の外径は50mmであって、加圧ローラ70の表面硬度は75度(アスカーC硬度)である。
そして、加圧ローラ70は、図示していない弾性部材(バネ)によって、定着ローラ60に所定の荷重(ここでは600N)で圧接される。これにより、定着ローラ60周面と加圧ローラ70周面との間に定着ニップ部N(定着ローラ60と加圧ローラ70とが当接する部分、ここでは用紙搬送方向の幅9mm)が形成される。また、加圧ローラ70は、定着ローラ60の回転に従動して定着ローラ60とは逆方向(定着ニップ部における両ローラ表面の移動方向は同じ)に回転する。なお、本実施形態では、加圧ローラ70は定着ローラ60に従動回転する構成としているが、これに限らず、定着ローラ60とは異なる回転駆動手段によって回転駆動される構成であってもよい。
また、加圧ローラ70の周面には当該周面の温度を検出するサーミスタ75が接触しており、芯金71の内部には、電力供給によって熱輻射を行うハロゲンランプ(ヒータランプ)74が設置されている。ハロゲンランプ74は加圧ローラ70の熱源であり、ハロゲンランプ74に電力供給が行われると加圧ローラ70内部が所定の温度(本実施形態では150℃)に加熱されるようになっている。
なお、本実施形態では、定着ローラ60のゴム硬度(68度)より加圧ローラ70のゴム硬度(75度)を高くしているが、これは、加圧ローラ70と定着ローラ60との間に形成される定着ニップ部Nを逆ニップ形状(加圧ローラ70の形状は殆ど変わらず定着ローラ60が若干凹む形態)にするためである。このようにして得られた定着ニップ部Nのニップ幅(定着ローラ60の周方向に沿った幅)は、本実施形態では8.5mmである。
ここで、加圧ローラ70と定着ローラ60との間の定着ニップ部Nを逆ニップ形状にしている理由を説明する。定着ニップ部Nが逆ニップ形状であると、定着ニップ部Nを通過した用紙Pは、加圧ローラ70周面に沿った方向に排出されるため、用紙Pが定着ニップ部Nから排出される際に、自己剥離(剥離爪などの強制剥離補助手段を必要とせず紙のこしで剥離)し易くなるからである。なお、定着ローラ60の表面硬度より加圧ローラ70の表面硬度が低いと、定着ローラ60と加圧ローラ70との間の定着ニップ部Nは、定着ローラ60の形状が殆ど変わらず加圧ローラ70が若干凹む形態になり、定着ニップ部Nを通過した用紙Pは定着ローラ60周面に沿った方向に排出される。そのため、自己剥離が生じにくい。
外部加熱装置80は、第1支持ローラ(第1加熱ローラ)81、第2支持ローラ(第2加熱ローラ)82、無端ベルト(加熱ベルト、外部加熱ベルト)83、ベルト移動装置110(図3には図示せず)、ベルト規制部材(規制部材)121・122(図3には図示せず)を備えている。なお、以下の説明において、第1支持ローラと第2支持ローラとを区別しない場合には、単に支持ローラと称する。
無端ベルト83は、裏面(内周面)側が各支持ローラ81・82の周面に当接するように各支持ローラ81・82に張架されている。無端ベルト83は、定着ローラ60に対して定着ニップ部Nの上流側に設けられており、支持ローラ81・82が後述する第1位置にあるとき、所定の押圧力(本実施形態では40N)で定着ローラ60に圧接される。これにより、定着ローラ60との間に加熱ニップ部n(無端ベルト83と定着ローラ60との当接部;定着ローラ60の円周方向の幅20mm)が形成されている。
また、無端ベルト83は、回転する定着ローラ60の周面に当接することにより、定着ローラ60に従動回転するようになっている。これにより、各支持ローラ81・82は、定着ローラ60の回転方向と逆方向(図3のK方向)に回転する。つまり、制御装置90が定着ローラ60の回転駆動装置91を制御して定着ローラ60を回転駆動させると、無端ベルト83と定着ローラ60とが接している部分での摩擦力によって無端ベルト83が定着ローラ60に従動して移動し、支持ローラ81・82および無端ベルト83が回転するようになっている。
無端ベルト83は、例えば厚み100μmのポリイミド(宇部興産製、商品名:ユーピレックスS)からなる基材の最表面に、離型層としてPTFEとPFAがブレンドされたフッ素樹脂が20μm厚でコーティングされたベルト部材である。ただし、無端ベルト83の構成は、これに限定されるものではなく、ニッケル、ステンレス、鉄などの金属製のベルト部材を用いてもよい。また、無端ベルト83の内径も30mmに限定されるものではない。なお、無端ベルト83の離型層の材料としては、耐熱性、耐久性に優れ、トナーとの離型性に優れていればよく、例えば、PTFEあるいはPFAを単独で使用してもよい。なお、室温(20℃)における無端ベルト83の内径は、本実施形態では30mm(内周長94mm)であるが、この数値に限定されるものではない。また、無端ベルト83の幅(支持ローラ81・82の軸方向の幅)は、本実施形態では室温で320mmである。
各支持ローラ81・82は、例えば外径15mmのアルミニウム製の芯金の表面に、離型層としてPTFEとPFAがブレンドされたフッ素樹脂が例えば20μm厚でコーティングされたローラである。なお、この離型層の材料としては、耐熱性、耐久性に優れ、トナーとの離型性に優れていればよく、例えば、PFAやPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系材料を使用することができる。また、支持ローラ81・82間の軸間距離は、本実施形態では23.0mmである。
また、各支持ローラ81・82は、後述するベルト移動装置110によって、無端ベルト83を介して定着ローラ60の周面に所定の荷重(例えば20N)で押圧される。これにより、無端ベルト83表面は定着ローラ60周面に接触し、無端ベルト83表面と定着ローラ60周面との間に加熱ニップ部nが形成される。なお、無端ベルト83表面と定着ローラ60周面との間のニップ幅(定着ローラ60の周方向に沿った幅)は20mmである。
無端ベルト83における第1支持ローラ81との接触部の外面には、この無端ベルト83の表面温度を検出するサーミスタ85aが接触している。また、第1支持ローラ81内部には、電力供給によって発熱するハロゲンランプ(ヒータランプ)86aが設けられている。また、無端ベルト83における第2支持ローラ82との接触部の外面には、この無端ベルト83の表面温度を検出するサーミスタ85bが接触しており、第2支持ローラ82の内部には、電力供給によって発熱するハロゲンランプ(ヒータランプ)86bが設けられている。ハロゲンランプ86a・86bは無端ベルト83の熱源であり、ハロゲンランプ86a・86bに電力供給が行われると、ハロゲンランプ86a・86bから熱が輻射され、支持ローラ81・82を介して無端ベルト83が所定の温度(本実施形態では220℃)に加熱される。そして、無端ベルト83は、定着ローラ60の外部から定着ローラ60周面に接触しているため、この接触箇所を介して定着ローラ60周面を加熱することができる。本実施形態では、上記のような2本の薄肉小径の支持ローラ81・82と薄膜の無端ベルト83とを用いているため、無端ベルト83の温度を早く昇温させることができる。
次に、定着装置40に備えられるベルト移動装置110およびベルト規制部材121・122について説明する。図4(a)はベルト移動装置110によって支持ローラ81・82をこの支持ローラ81・82が無端ベルト83を介して定着ローラ60に当接する位置(第1位置)に配置されている状態を示す断面図であり、図4(b)はベルト移動装置110によって支持ローラ81・82が定着ローラ60から離間した位置(第2位置)に配置されている状態を示す断面図である。また、図5(a)は、ベルト移動装置110の構成を示す上面図であり、図5(b)は支持ローラ81・82、無端ベルト83、ベルト規制部材121・122の構成を示す断面図である。
図4(a),(b)および、図5(a)に示すように、ベルト移動装置110は、サイドフレーム111、アーム112、偏心カム113、支点(支点部材)114、支点(支点部材)115、コイルバネ116を備えている。なお、図5(a)では、支持ローラ81・82の片端のみを図示しているが、支持ローラ81・82の図示しない片端も同様の構成(つまり、図示しているものと鏡合わせの構成)となっている。
サイドフレーム111は、支持ローラ81・82の両端側にそれぞれ設けられており、図5(a)に示すように、軸受117・118を介して支持ローラ81・82を回転可能に支持するものである。なお、軸受117・118は、サイドフレーム111に対して、所定の軸間距離で固定されており、これによって第1支持ローラ81と第2支持ローラ82との平行度が確保されている。なお、本実施形態では第1支持ローラ81と第2支持ローラ82との平行度公差は100μm以下となっている。
また、このサイドフレーム111は、アーム112に対して支点114で支持ローラ81・82の軸方向に略垂直な方向に対して回転可能に軸支されている。
アーム112は、図示しない定着装置40のフレームに固定された支点115で回転可能に支持されており、支点115を軸としてコイルバネ116によって定着ローラ60に接する方向に付勢されている。
偏心カム113は、アーム112の端部近傍に当接するように備えられている。この偏心カム113は、制御装置90が図示しないモータ等の駆動手段を制御することによって回転駆動される。
これにより、制御装置90(移動制御部90c)が上記駆動手段を制御して偏心カム113を回転させ、図4(a)に示すように支持ローラ81・82を第1位置に移動させたり、偏心カム113をそこから180度回転させ、図4(b)に示すように支持ローラ81・82を第2位置に移動させたりできるようになっている。
なお、本実施形態では、第1位置における支点114と定着ローラ60の周面との間隔は28mmであり、第2位置における支点114と定着ローラ60の周面との間隔は29.5mmである。すなわち、第1位置から第2位置へ移動させる場合の、支点114の移動量(離間長さ)は1.5mmである。また、支点114と支点115との間隔は15mm、アーム112と偏心カム113との当接部と支点115との間隔は15mmである(したがって、レバー比1:1)。したがって、アーム112の偏心カム113との当接部の移動量も1.5mmである。
また、第2位置において定着ローラ60の回転を停止させている時の無端ベルト83と定着ローラ60との回転方向の接触幅(加熱ニップ幅)は約10mm程度となる。ただし、この接触幅は無端ベルト83の曲がり癖や温度によって変化しうる値である。一般に、ベルトが加熱されていると、ベルトの周長が伸びるので、接触幅は増加する。なお、本実施形態では上記の離間長さを1.5mmとしているが、この離間長さを4mmに設定した場合、第2位置に移動させることで、無端ベルト83と定着ローラ60とは接触せずに完全に離間した状態となる。
なお、図5(a)および(b)に示すように、支持ローラ81・82と軸受117・118との間には、ベルト規制部材(寄り規制部材、規制部材)121・122が設けられている。このベルト規制部材121・122は、無端ベルト83が蛇行してきた際に、ベルト端部と当接して回転することで、無端ベルト83の支持ローラ81・82の軸方向への寄りを規制すると同時に、無端ベルト83の端部が軸受117・118と摺動することによる磨耗や割れが生じることを防止するためのものである。
ベルト規制部材121・122は、支持ローラ81・82に対して回転可能(支持ローラ81・82の回転軸を中心として支持ローラ81・82の回転とは個別に回転できる)である。また、図5(b)に示すように、ベルト規制部材121・122は、支持ローラ81・82の軸方向から見た断面形状が、支持ローラ81・82の断面がなす円と同心円状になっている。
図3に示すように、制御装置90は、温度制御部90a、回転制御部90b、移動制御部90cを備えており、無端ベルト83の表面温度、定着ローラ60の表面温度、加圧ローラ70の表面温度、定着ローラ60の回転駆動、ベルト移動装置110によるベルト位置の移動などを制御する制御用集積回路基板である。
温度制御部90aは、サーミスタ65・75・85a・85b、加熱電力供給部99に接続している。加熱電力供給部99は、ハロゲンランプ64・74・81・82に接続し、これらのハロゲンランプに加熱のための電力を供給するものである。そして、温度制御部90aが、サーミスタ65・75・85a・85bの温度検出結果や画像形成モード等に基づいて、加熱電力供給部99から各ハロゲンランプへの供給電力を切り替えることで、各ハロゲンランプの発熱量を制御し、無端ベルト83、定着ローラ60、加圧ローラ70の温度を所定の温度となるよう制御する。
回転制御部90bは、定着ローラ60を回転駆動するための回転駆動装置91に接続している。回転制御部90bは、回転駆動装置91の動作を制御することで、定着ローラ60の回転速度を制御する。
移動制御部90cは、ベルト移動装置110に接続している。移動制御部90は、このベルト移動装置110に備えられる偏心カム113の動作を制御することにより、外部加熱装置80に備えられる支持ローラ81・82と定着ローラ60との相対位置を制御する。移動制御部90は、この支持ローラ81・82と定着ローラ60との相対位置の制御により、無端ベルト83と定着ローラ60との接触幅(加熱ニップ幅)を変化させて、外部加熱装置80から定着ローラ60への熱供給量を制御する。
また、移動制御部90cは、用紙(転写媒体)Pの種類や画像形成モード(モノクロ画像形成モードの場合とカラー画像形成モードの場合、あるいは1枚を通紙する場合と連続通紙の場合など)等に応じて、ベルト移動装置110を制御する。ベルト移動装置110を制御して、支持ローラ81・82の位置を第1位置と第2位置との間で移動させることで、無端ベルト83の接触面積(加熱ニップ幅)を変更させて、外部加熱装置80から定着ローラ60への熱供給量を制御する。
複写速度を低下させる場合、移動制御部90cは、ベルト移動装置110を制御し、支持ローラ81・82を第1位置から第2位置に移動させる。例えば、モノクロモードにおける用紙搬送速度が355mm/s、カラーモードでは175mm/sに設定されており、モノクロモードでの定着ローラ設定温度とカラーモードでの定着ローラ設定温度とが180℃で同じであって、かつ無端ベルト83と定着ローラ60との加熱ニップ幅が20mmで同じ場合、無端ベルト83の設定温度を、モノクロモードの場合220℃、カラーモードの場合205℃にすれば、用紙Pに奪われる熱量と外部加熱装置80から定着ローラ60に供給する熱量とがほぼ釣り合う。
このため、モノクロモードからカラーモードに変更する場合には、無端ベルト83の温度が設定温度より高すぎる。そして、無端ベルト83の温度が高すぎる状態でカラー画像の定着処理を行うと、定着ローラ60の温度が高くなりすぎてカラー画像の光沢が過剰になったり、光沢ムラが生じて画像品位が低下したりする。このような問題を回避するためには、モノクロモードからカラーモードへの移行時に無端ベルト83の温度が所定の温度に低下するまで待つことが考えられる。しかしながら、無端ベルト83の温度が220℃から205℃まで低下するには30秒以上の時間が必要であり、モノクロモードからカラーモードへの移行をスムーズに行うことができず、待ち時間が生じてしまう。
そこで、本実施形態では、移動制御部90cが、支持ローラ81・82の定着ローラ60に対する相対位置を制御することで(例えば第1位置から第2位置に機械的に移動させることで)、無端ベルト83と定着ローラ60との接触面積を小さくして外部加熱装置80から定着ローラ60への熱供給を抑制する。
また、移動制御部90cは、連続通紙時には、外部加熱装置80から定着ローラ60への熱供給量を増加させて用紙へ奪われる熱量を補うために、無端ベルト83と定着ローラ60との接触面積を大きくする。
また、画像形成動作の開始直後は定着ローラ60における周方向の温度分布を均一にするために、定着ローラ60は加熱・回転されるが、定着ニップ部Nを用紙Pが通過しないので、定着ローラ60が用紙Pによって熱を奪われることはない。この状態で支持ローラ81・82が第1位置にあると、無端ベルト83から定着ローラ60への熱供給が過剰になり、定着ローラ60の温度が設定温度よりも高くなってしまう。そこで、移動制御部90cは、定着ローラ60への熱の過供給を回避するために、外部加熱装置80から定着ローラ60への熱供給量を短時間で変更させるため、ベルト移動装置110を制御して無端ベルト83と定着ローラ60との接触面積を小さくする。
また、画像形成動作終了後の待機時(放置時)には、移動制御部90cは、定着ローラ60における周方向の温度ムラを防止するために、支持ローラ81・82を第2位置に移動させる。つまり、移動制御部90cは、画像形成動作後には支持ローラ81・82を第2位置に移動させ、画像形成動作開始後の用紙Pが定着ニップ部へ到達するタイミングに応じて支持ローラ81・82を第1位置に移動させる。
なお、移動制御部90cが、各部材の温度状態、用紙P(転写媒体、記録紙)の種類、画像形成モード等に応じて、ベルト移動装置100を制御し、支持ローラ81・82の定着ローラ60に対する相対位置を、第1位置と第2位置との間の任意の位置にくるようにしてもよい。
次に、外部加熱装置80の支持ローラ81・82から無端ベルト83への熱伝達について説明する。図1(a)〜(c)に無端ベルト83の支持ローラ81・82の中心軸を含む断面図を示す。図1(c)に示すように、本実施形態では、支持ローラは、中央部は外径が15mmで、軸端部は外径が14mm(段差0.5mm)であり、内径は13mm(中央部の肉厚1mm)である。ここで、図1(c)では、ベルト規制部材121・122の形状が図5(a)とは異なっているが同じ機能を有する。また、図1(c)では、軸受117・118は、図5に示す軸受117・118とサイドフレーム111とが一体となった構造となっている。
図1(a)は、無端ベルト83と支持ローラ81・82との接触部の拡大図である。図1(a)に示すように、支持ローラ81・82と無端ベルト83との接触面には、熱伝導促進材料100として、窒化硼素(熱伝導率25W/m・K)の粉末粒子が配置されている。なお、図1(b)は熱伝導促進材料の無い状態の、無端ベルト83と支持ローラ81・82との接触部の拡大図である。
ここで、熱伝導促進材料100としては、熱伝導率が空気よりも高く、平均粒径が支持ローラ81・82および無端ベルト83の粗さ(Rmax)よりも小さい材料が望ましい。熱伝導促進材料100としては、上記した窒化硼素の他、アルミナ(熱伝導率29W/m・K)や炭化珪素(熱伝導率46W/m・K)も使用可能であり、さらに熱伝導率の高い窒化アルミニウム(熱伝導率170W/m・K)も好適に用いることが
できる。ここで、窒化硼素の場合、添加する量は、無端ベルト83の内周面、又は支持ローラ81・82の表面に0.05mg/cm2〜0.3mg/cm2であるのが好ましい。
なお、熱伝導率の関係は、熱伝導促進材料100>支持ローラ81・82>無端ベルト83>空気となっている。また、支持ローラ81・82と無端ベルト83とが真実接触している箇所には、熱伝導促進材料100は介在させない方がよい。
また、熱伝導促進材料100としては、上記の他、熱伝導促進材料の粉末をシリコンオイルなどの不揮発性で耐熱性の高い液体に分散した熱伝導グリスやゲルを用いることができる。これらの熱伝導グリスやゲルの場合には、粉体よりも更に支持ローラ81・82および無端ベルト83の凹凸からなる空間を満たすことができるので、さらに支持ローラ81・82と無端ベルト83との熱伝達を促進することができる。
このように、熱伝導促進材料100である窒化硼素を無端ベルト83と支持ローラ81・82との接触部に配置させることにより、図1(b)に示される支持ローラ81・82の表面の凹凸と無端ベルト83の表面の凹凸とによりできた隙間を、図1(a)に示すように、熱伝導率の高い窒化硼素の粉末で充填することができる。ここで、粉体粒子の径が支持ローラ81・82および無端ベルト83の表面の粗さ(Rmax)よりも大きいと、支持ローラ81・82と無端ベルト83の接触を妨げるため、熱伝導が低下してしまうので、上記表面粗さ(Rmax)より小さいものが好ましい。さらに、支持ローラ81・82と無端ベルト83との表面の微小な凹凸からなる隙間の粉体での充填率を高めるためには、粉体粒子の径が、支持ローラ81・82の表面粗さおよび無端ベルト83の表面粗さのうち、小さい方の1/4以下であることが望ましい。
熱伝導促進材料100を支持ローラ81・82と無端ベルト83との間に配置させることで、断熱性の高い空間を熱伝導促進材料100で満たすことにより、支持ローラ81・82から無端ベルト83への伝熱量を向上させることができる。支持ローラ81・82から無端ベルト83への熱伝達を促進することで、画像形成動作中の支持ローラ81・82と無端ベルト83との温度差を縮小することができる。よって、このような伝熱により無端ベルト83の温度が非常に高くなることを防止できる。そのため、定着ローラ60表面にあるトナーとの離型性を有する離型層63の耐熱温度を超えることを防止できる。従って、定着装置40の長期使用においても、離型層63は良好な状態のままを保つことができ、常に良好にトナーを定着させることができる。
ここで、支持ローラ81・82の軸方向についての無端ベルト83の長さは320mmである。無端ベルトが当接する非加熱部材である定着ローラ60の軸方向の長さ(定着ニップ部N形成円筒面の長さ)は、315mmである。このため、図5に示すように、支持ローラ81・82の軸方向での無端ベルト83の幅は、当接する定着ローラ60の同じ方向(軸方向)の幅より大きい。
この構成により、支持ローラ81・82と無端ベルト83の接触面の熱伝導促進材料100が、無端ベルト83端部からはみ出る場合にも、無端ベルト83が当接する定着ローラ60には熱伝導促進材料100が付着することはない。そのため、定着ニップ形部Nに熱伝導促進材料100が付着することを防止できる。これにより、均一で高品位な画像を安定して形成することができる。なお、熱伝導促進材料が100定着ニップ部Nに付着した場合には、定着ローラ60表面に傷や筋を生じさせ、画像の表面の光沢ムラや筋状の欠陥を引き起こすこととなる。
図6(a),(b)に無端ベルト83内周面と定着ローラ60との当接面の構成を示す。図6(a),(b)に示すように、支持ローラ81・82の軸方向での無端ベルト83の中央部で、無端ベルト83の回転方向の下流側に傾斜して当接する促進材料規制部材101を備えていてもよい。この促進材料規制部材101は、例えば、シリコンゴム製の厚さ1mmのシートからなるゴムブレードであってもよい。この軸方向に傾斜した促進材料規制部材101により、熱伝導促進部材100は無端ベルト83の中央方向へ付勢される。促進材料規制部材101は伝熱促進材料100を完全に堰き止め掻き取るものではなく、大部分を通過させながら、一部を、支持ローラ81・82の軸方向での無端ベルト83の中央へ付勢、移動させるものである。
熱伝導促進部材100は、支持ローラ81・82と無端ベルト83との接触部で押圧されることにより、徐々に支持ローラ81・82の軸方向の端部方向へ広がろうとする。このため、長期間の使用時には熱伝導促進部材100が無端ベルトの端部から外へ移動し、支持ローラ81・82と無端ベルトの接触面に少なくなる。促進材料規制部材101は、支持ローラ81・82の軸方向での無端ベルト83の中央で無端ベルト83の回転方向の下流側に傾斜して当接するので、無端ベルト83の端部へ広がろうとする熱伝導促進材料100を無端ベルト83の中央方向へ戻す。これにより、長期間にわたって、支持ローラ81・82と無端ベルト83との接触面に均一に熱伝導促進材料100を配置することができる。よって、均一で高品位な画像が安定して形成することができる。
促進材料規制部材101としては、上記の構成に限る物ではなく、例えば厚さ30μmのステンレスの様な金属薄板や、樹脂シートやブラシ形態であってもよく、当接箇所も無端ベルト83の内面ではなく、支持ローラ81・82の外周面であってもよい。
なお、図7(a)に示すように、アルミニウム製の支持ローラ81・82の表面には、サンドブラストによりRaが例えば0.8μm(Rmax;6μm)に粗面化処理を施すことが望ましい。一方、ポリイミド製の無端ベルト83内周面の表面粗さはRa0.2μmである。支持ローラ81・82の表面はポリイミド製の無端ベルト83内周面よりも硬く、表面が粗く、図7(a)に模式的に示すように鋭利な凹凸を形成している。
このような構成となっていると、支持ローラ81・82表面が無端ベルト83内周面よりも硬く、粗いことにより、図7(a)に模式的に示すように、支持ローラ81・82と無端ベルト83との接触面で、支持ローラ81・82表面の微小な突起が無端ベルト83内周面に食い込む状況となる。これにより、支持ローラ81・82と無端ベルト83との真実接触面積を増加させることができる。伝熱面の真実接触面積を増加させることにより、支持ローラ81・82から無端ベルト83への伝熱量を向上させることができる。よって、このようになっていると、粗面化処理された支持ローラ81・82の表面が熱伝達手段として機能する。支持ローラ81・82が粗面化処理されている場合に、熱伝導促進部材100を有していても有していなくてよい。
また、熱伝達促進材料100が支持ローラ81・82と無端ベルト83との接触面に存在する場合、熱伝達促進材料100が潤滑作用を生じ、支持ローラ81・82と無端ベルト83が滑る場合がある。この場合には、支持ローラ81・82の伝達面の面積が無端ベルト83の受熱面の面積よりも小さくなり、支持ローラ81・82から無端ベルト83への熱伝達が低下する。そこで、図7(c)に示すように、支持ローラ81・82表面を粗面化処理することにより、支持ローラ81・82と無端ベルト83との間の滑りを防止することができる。よって、支持ローラ81・82から無端ベルト83への熱伝達の低下を防止でき、支持ローラ81・82から無端ベルト83への伝熱量を向上させることができる。
また、無端ベルト83の当接条件で支持ローラ81・82を2本とも無端ベルト83を介して被加熱部材である定着ローラ60に圧接させてもよい。本実施形態では20Nの押圧力で圧接させる。このため、支持ローラ81・82と無端ベルト83との圧接部の接触圧力が高まる。これにより、図7(b),(d)に示す様に、硬い支持ローラ81・82が無端ベルト83へ食い込むと共に、軟らかい無端ベルト83が変形して、支持ローラ81・82と無端ベルト83の真実接触面積が増加する。なお、図7(a),(c)は押圧力が小さく、真実接触面積の小さい状況を示している。
ここで、定着ローラ60の幅が32cmで、押圧力(当接力)が20Nであると、1cmあたり0.625Nの力が働く。本実施形態では、支持ローラが2本あるので、支持ローラ1本当たりでは0.313Nとなって、無端ベルト83を介して定着ローラ60に当接している。なお、支持ローラ81・82が無端ベルト83を介して定着ローラ60に当接する当接力が、支持ローラ1本当たり1cmあたり0.2〜1Nであるのが好ましい。なお、支持ローラ81・82間の接触面積は正確には測定できないので、線圧として押圧力を幅方向の長さで割って当接力を規定している。
また、定着ローラ60が、無端ベルト83を懸架する支持ローラ81・82間の外側の共通接線よりも内側に入り込むために、無端ベルト83に張力が生じて、無端ベルト83と支持ローラ81・82との接触面の圧力が増加する。支持ローラ81・82と無端ベルト83との接触面で圧力が増加することにより、真実接触面積を増加させることができる。伝熱面の真実接触面積が増加すれば、支持ローラ81・82から無端ベルトへ83の伝熱量を向上させることができる。
ここで、支持ローラ81・82が無端ベルト83を介して定着ローラ60に圧接する力は、5N〜100Nの範囲が望ましい。5N未満では、定着ローラ60への熱伝導が不足して、緊急停止時の無端ベルト83の温度上昇が大きくなる。一方、この圧接力が100Nを越える場合には、無端ベルト83の寄り力が大きくなり、寄り規制部材への当接力が過大となる。このために、継続的な使用時に無端ベルト83端部が変形、破損してしまう。
なお、図7(c)の様に、支持ローラ81・82と無端ベルト83との接触圧が低い場合にも、熱伝導促進部材100によって、熱伝導を促進することは可能である。
ここで、定着装置40は保温待機時には停止しており、定着ローラ60内ハロゲンランプ64で定着ローラ60を、支持ローラ81・82内ハロゲンランプ86a・86bで支持ローラおよび無端ベルト83を加熱保温する。動作時には、定着ローラ60が回転することで無端ベルト83、支持ローラ81・82が回転する。保温待機時には定着ローラ60は例えば170℃、支持ローラ81・82は例えば190℃の一定温度に保たれ、動作時には無端ベルト83は例えば220℃、定着ローラ60は例えば185℃に設定される。保温待機状態から画像形成動作状態への昇温時には、定着ローラ60が回転して無端ベルト83も回転する。
この構成により、昇温加熱時に無端ベルト83を回転させることにより、無端ベルト83を周方向に均一に加熱することができる。待機時に無端ベルト83を加熱しなくても、無端ベルト83は薄肉で熱容量が小さいため、支持ローラ81・82のみ保温しておけば短時間で所定温度に昇温させることができる。
待機保温時に停止させることにより、定着装置40を回転させる電力が不要となり、省電力とともに低騒音を実現することができる。さらに、停止時に無端ベルト83を加熱しないため、無端ベルト83端部からの熱放散を抑制することができるので、支持ローラ81・82の端部の温度低下を防止することができる。
待機時には通紙による熱損失がないために定着装置40の保温加熱電力は小さくなる。そのため、無端ベルト83端部からの熱伝導、熱放散により無端ベルト83端部の温度が低下する。このため、無端ベルト83を動作時の温度で保温しておくと、無端ベルト83端部の温度が低下したまま画像形成を開始することになり、1枚目の画像が定着ムラのある画像品位の低い画像となる。
そこで、待機保温時の温度が画像形成動作時の温度よりも低く、動作開始時に所定の動作温度へ昇温させることにより、幅方向に均一に大きな熱量を供給することができる。これにより、無端ベルト83中央部の温度が上昇するとともに、無端ベルト83端部の温度が大きく上昇して端部の温度低下を解消され、支持ローラ81・82の軸方向での無端ベルト83の温度分布を均一にすることができる。
なお、本実施形態では、2本の支持ローラ81・82を備えており、各支持ローラ81・82の外径が同じであって、各支持ローラ81・82の内部にハロゲンランプ(発熱体)86a・86bを設けた構成について説明したが、これに限らず、本発明は任意の形態の外部ベルト加熱方式の定着装置に適用できる。例えば、支持ローラを3本以上備えていてもよい。また、各支持ローラの外径が異なっていてもよい。さらに、発熱体を備えない支持ローラが含まれていてもよい。また、発熱体が各支持ローラの内部とは異なる位置に備えられていてもよい。また、定着動作時にいずれの支持ローラ(ベルト懸架ローラ)も定着ローラ60に圧接せず、無端ベルト83のみが定着ローラ60に当接する構成であってもよい。
(実施例)
上記実施の形態1で説明した構成の定着装置40について、連続通紙状態から緊急停止した場合の、各部材の温度変化についての測定を行った。
本実施例では、熱伝導促進材料100として、熱伝導グリスを0.2mg/cm2用いた。また、無端ベルト83のRa=0.5μm、支持ローラ81・82のRa=0.3μmであった。また、支持ローラ81・82から無端ベルト83を介して定着ローラ60へ加えた圧力=2kgf(支持ローラ2本のトータル)とした。
なお、比較例として、各条件は全て同じで、熱伝導促進材料を用いない場合についての測定も行った。
上記測定の結果を、図8に模式的に示す。なお、図8では、加熱ランプのon/off制御による温度リップル等は省略している。図8の破線で表される本実施例の場合には、緊急定時の温度上昇を抑制することができる。他方、図8に実線で表される熱伝導促進剤材料のない比較例の場合には、連続動作時に支持ローラ81・82と無端ベルト83との間の温度が大きくなり、緊急停止時に無端ベルト83の温度が急上昇することがわかる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1で説明した各部材と同様の機能を有する部材については実施形態1と同じ符号を用い、その説明を省略する。
本実施形態は、定着ローラ60の周面を加熱する外部加熱装置80を備えておらず、加圧ローラ70の周面を加熱する外部加熱装置を備える点が、実施形態1と異なっている。つまり、本実施形態にかかる定着装置は、定着ニップ部Nにおいて、用紙Pの裏面(未定着画像が形成されていない面)に接触する加圧ローラ70の周面に当接してこの加圧ローラ70の周面を加熱する外部加熱装置を備えている。
図9(a)および(b)は、加圧ローラ70およびこの加圧ローラ70の周面を加熱する外部加熱装置130の構成を示す説明図である。なお、図9(a)は外部加熱装置130に備えられる第2支持ローラ132が後述する第1位置にある場合、図9(b)は第2支持ローラ132が後述する第2位置にある場合を示している。
これらの図に示すように、外部加熱装置130は、第1支持ローラ131、第2支持ローラ(加熱ローラ)132、無端ベルト133、ベルト移動装置140を備えている。なお、以下の説明において、第1支持ローラと第2支持ローラとを区別しない場合には、単に支持ローラと称する。
無端ベルト133は、裏面側が各支持ローラ131・132の周面に当接するように各支持ローラ131・132に張架されている。無端ベルト133は、定着ニップ部に対して加圧ローラ70の回転方向上流側に設けられており、第2支持ローラ132が後述する第1位置にあるとき、所定の押圧力(本実施形態では40N)で加圧ローラ70に圧接される。これにより、加圧ローラ70との間に加熱ニップ部(無端ベルト133と加圧ローラ70との当接部)が形成されている。本実施形態では、この加熱ニッブ部のニップ幅(加圧ローラ70の周方向に沿った幅)は20mmとなっている。
また、無端ベルト133は、回転する加圧ローラ70の周面に当接することにより、加圧ローラ70に従動回転するようになっている。これにより、各支持ローラ131・132は、加圧ローラ70の回転方向と逆方向に回転する。つまり、制御装置90が定着ローラ60の回転駆動装置91を制御して定着ローラ60を回転駆動させると、加圧ローラ70が定着ローラ60に従動回転する。そして、無端ベルト133と加圧ローラ70とが接している部分での摩擦力によって無端ベルト133が加圧ローラ70に従動して移動し、各支持ローラ131・132および無端ベルト133が回転するようになっている。
無端ベルト133、支持ローラ131・132は、実施形態1の外部加熱装置80に備えられる無端ベルト83、支持ローラ81・82と同様のものである。ただし、第1支持ローラ131の内部にはハロゲンランプが備えられておらず、第2支持ローラ132の内部にはハロゲンランプが備えられている。なお、無端ベルト133の第2支持ローラ132との当接部における外周面には温度検出手段(図示せず)が備えられており、この温度検出手段の検出結果に基づいて制御装置90が第2支持ローラ132の内部に備えられるハロゲンランプへの電力供給量、ベルト移動装置140による支持ローラ131・132の移動位置、などを制御するようになっている。
さらに、本実施形態では、支持ローラ131・132は、アルミニウム製であり、表面はサンドブラストによりRaが0.8μm(Rmax;6μm)に粗面化処理されている。一方、無端ベルト133はポリイミド製であり、内周面の表面粗さはRa0.2μmである。このため、支持ローラ131・132の表面はポリイミド製のベルト内周面よりも硬く、表面が粗く、図7(a)に模式的に示すように鋭利な凹凸を形成している。
支持ローラ131・132表面が無端ベルト133内周面よりも硬く粗いため、支持ローラ131・132と無端ベルト133との接触面で、支持ローラ131・132表面の微小な突起が無端ベルト133内周面に食い込む。これにより、支持ローラ131.132と無端ベルト133の真実接触面積を増加させることができる。伝熱面の真実接触面積を増加させることにより、支持ローラ131・132から無端ベルト133への伝熱量を向上させることができる。なお、この実施の形態2では、支持ローラ81・82と無端ベルト83との接触面には、窒化硼素は添加されていない。
ここで、支持ローラ131・132と無端ベルト133が滑る場合には、支持ローラ131・132の伝達面の面積が、無端ベルト133の受熱面の面積よりも小さくなり、支持ローラ131・132から無端ベルト133への熱伝達が低下する。そこで、支持ローラ131・132表面を粗面化処理することにより、支持ローラ131・132と無端ベルト133との間の滑りを防止することができる。よって、支持ローラ131・132から無端ベルト133への熱伝達の低下を防止でき、支持ローラ131・132から無端ベルト133への伝熱量を向上させることができる。
各支持ローラ131・132は、ベルト移動装置140によって、無端ベルト133を介して加圧ローラ70の周面に所定の荷重で押圧される。これにより、無端ベルト133表面は加圧ローラ70周面に接触し、無端ベルト133表面と加圧ローラ70周面との間にニップ部(加熱ニップ部n)が形成される。なお、無端ベルト133表面と加圧ローラ70周面との間の加熱ニップ幅(加圧ローラ70周方向に沿った幅)は20mmである。
ベルト移動装置140は、サイドフレーム141、アーム142、偏心カム143、コイルバネ144、支点(支点部材)145を備えている。
サイドフレーム141は、支持ローラ131・132の両端側にそれぞれ設けられており、支持ローラ131・132を図示しない軸受を介して回転可能に支持するものである。なお、この軸受は、実施形態1の外部加熱装置80に備えられる軸受117・118と同様、軸間距離を固定されていてもよく、軸間距離が可変であってもよい。
また、このサイドフレーム141は、アーム142に固定されている。さらに、アーム142は、本実施形態にかかる定着装置のフレーム(図示せず)に対して支点145で支持ローラ131・132の軸方向に略垂直な方向に対して回転可能に軸支されている。なお、この支点145は第1支持ローラ131の回転軸と一致する位置に設けられている。したがって、支点145を中心としてアーム142を回転させても、第1支持ローラ131の位置(第1支持ローラ131と加圧ローラ70との軸間距離)は変化しないようになっている。ここで、第1支持ローラ131と加圧ローラ70との軸間距離は、両ローラが無端ベルト133を介して所定の圧力で圧接するように設定されている。また、アーム142における第2支持ローラ132を挟んだ支点145の反対側の位置には、コイルバネ144が取り付けられており、このコイルバネ144によってアーム142に取り付けられたサイドフレーム141が加圧ローラ70の方向に付勢されている。
偏心カム143は、アーム142の端部近傍に当接するように備えられている。この偏心カム143は、制御装置90が図示しないモータ等の駆動手段を制御することによって回転駆動される。これにより、制御装置90が上記駆動手段を制御して偏心カム143を回転させ、図9(a)に示すように第2支持ローラ132を第1位置に移動させてこの第2支持ローラ132を加圧ローラ70に圧接させたり、偏心カム143をそこから180度回転させ、図9(b)に示すように第2支持ローラ132を第2位置に移動させて第2支持ローラ132を加圧ローラ70から離間させたりできるようになっている。なお、第2位置においても第1支持ローラ131は加圧ローラ70に圧接する。
なお、支持ローラ131・132と、この支持ローラ131・132の両端側に備えられた軸受との間には、実施形態1における外部加熱装置80に備えられるベルト規制部材121・122と同様にベルト規制部材(図示せず)が設けられている。つまり、支持ローラ131・132の軸方向の両端側には、第2位置における支持ローラ131・132と加圧ローラ70との間隔よりも、支持ローラ131・132の周面からの高さが高いベルト規制部材が備えられている。
以上のように、本実施形態では、2本の支持ローラ131・132のうち、第2支持ローラ132にのみハロゲンランプが備えられており、ベルト移動装置140によってハロゲンランプが設けられた第2支持ローラ132を、無端ベルト133を介して加圧ローラ70に当接させたり、離間させたりできるようになっている。
これにより、制御装置90に備えられた移動制御部90cが第2支持ローラ132の位置(加圧ローラ70に対する相対位置)を変更することで、加圧ローラ70への熱供給量を制御できる。例えば、第2支持ローラ132の位置を第2位置にすることで、加圧ローラ70の表面温度を迅速に降下させることができ、また、加圧ローラ70表面の温度ムラを低減することができる。
なお、例えば、移動制御部90cは、1枚〜5枚程度の少数の用紙Pに対して印字動作を連続して行う場合、第2支持ローラ132の位置を第2位置に設定するようにしてもよい。これにより、加圧ローラ70の過昇温を防止して、画質の低下等の不具合を防止できる。
つまり、少数の用紙Pに対して印字動作を行う場合には、画像形成動作の開始時から排紙完了までの期間のうち、実際に定着ニップを用紙Pが通過している時間の割合が短い。このため、高温の定着ローラ60に圧接して回転する加圧ローラ70の温度が上昇しやすい。このような状況で外部加熱装置130が加圧ローラ70に広い接触面積で接触していると(第1支持ローラ131が第1位置に設定されていると)、加圧ローラ70の温度が定着動作時の設定温度よりも上昇してしまう(例えば160℃程度まで上昇してしまう)。そして、このような過昇温が生じると、画像の光沢が高くなりすぎたり、微小なホットオフセットを生じたりして画像品位が低下してしまう。特に、用紙Pの第1面にトナー像を形成した後にその裏面の第2面に第2画像を形成する両面印字の場合に、はじめに印字した第1面は、第2面の定着時に加圧ローラ70に接触する。このとき、加圧ローラ70の温度が高すぎると第1面の画像の光沢が高くなりすぎ、ぎらぎらした印象となり、画像品位が低下する。
そこで、移動制御部90cが、例えば6枚以上の連続通紙時には第2支持ローラ132を第1位置として無端ベルト133と加圧ローラ70との接触面積を広くし、5枚以下の画像形成時には第2支持ローラ132を第2位置へ移動させることで、加圧ローラ70の過昇温を防止し、画像品位の低下を防止できる。
また、移動制御部90cが、両面印字時には第2支持ローラ132を第2位置に移動させるようにしてもよい。両面印字時の第2面に対する定着時には、第1面に対する定着処理によって用紙Pの温度が高くなっている。このため、第2面への定着処理時における加圧ローラ70から用紙Pへの熱の移動量は第1面への定着処理時よりも少ない。したがって、両面印字時には第2支持ローラ132を第2位置へ移動させることにより、無端ベルト133と加圧ローラ70との接触面積を小さくして加圧ローラ70の過昇温を防止することができる。
また、2本の支持ローラ131・132のうちの第2支持ローラ132のみを離間させるので、アーム142の移動距離を小さくすることができ、定着装置の小型化、ベルト移動装置(離接機構)110の省電力化を図ることができる。
また、第1支持ローラ131が常に加圧ローラ70に所定の圧力で圧接されているので、アーム142の位置に関わらず、無端ベルト133を加圧ローラ70に確実に従動回転させることができる。
また、第1支持ローラ131はアーム142の位置に関わらず常に加圧ローラ70に圧接されているので、第2支持ローラ132を第2位置に移動させた場合でも、第1支持ローラ131の両端側に設けられたベルト規制部材が加圧ローラ70の周面に当接する位置に移動することを防止できる。
なお、ベルト規制部材は、必ずしも2つの支持ローラ131・132の両方に対応して設けられている必要はない。ただし、第2支持ローラ132の両端側にベルト規制部材を設ける場合、このベルト規制部材の第2支持ローラ132表面からの高さを、第2位置における加圧ローラ70と第2支持ローラ132との間隔よりも高くすることが好ましい。これにより、ベルト規制部材が加圧ローラ70の周面と当接する位置に移動することを確実に防止できる。
また、上記各実施形態では、定着ローラ60(定着ニップ部Nにおいて用紙Pにおける未定着トナー像が形成された面に当接するローラ)または加圧ローラ70(定着ニップ部において用紙Pにおける未定着トナー像が形成されていない面に当接するローラ)のいずれか一方に外部加熱装置を設ける構成について説明したが、定着ローラ60および加圧ローラ70のそれぞれに外部加熱装置を設けてもよい。定着ローラ60および加圧ローラ70のそれぞれに外部加熱装置を設ける場合、連続通紙時も待機時も、定着ローラ60および加圧ローラ70の両方の表面温度を精度良く制御できる。これにより、高品位な画像を安定して得ると同時に、高いスループットを継続して得ることができる。
また、実施形態1の外部加熱装置80を実施形態2の外部加熱装置130に代えて用いてもよく、実施形態2の外部加熱装置130を実施形態1の外部加熱装置80に代えて用いてもよい。
また、本実施形態では搬送ベルトを用いて紙を搬送する画像形成装置について説明したが、画像形成装置の構成はこれに限るものではない。本発明は、電子写真方式の画像形成装置であれば適用でき、例えば、中間転写ベルトを用いる構成であってもよく、感光体から用紙Pに転写する構成であってもよい。また、単色画像を形成するものであっても、多色画像を形成するものであってもよい。
また、上記各実施形態では、制御装置90は制御用集積回路基板から構成されているものとしたが、これに限らず、CPU等のプロセッサを用いて制御装置90に備えられる各制御部の機能をソフトウェアによって実現するものであってもよい。この場合、例えば、制御装置90は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などから構成される。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである制御装置90の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記制御装置90に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって達成される。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、制御装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。この通信ネットワークは、特に限定されるものではなく、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体は、特に限定されるものではなく、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号(データ信号列)の形態でも実現され得る。
また、上記各実施形態では、ローラ形状の定着部材(定着ローラ)および加圧部材(加圧ローラ)を用いているが、これに限るものではなく、例えばベルト状のものなどを用いてもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した実施形態において開示された各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。