JP2016045274A - 加熱定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】グリスの液体成分を端部漏れを発生させることなくグリスの固体粉末成分に常時担持させることにより、長期に亘ってベルト部材の潤滑状態を維持させることで、ベルト鳴きを防止することが可能な像加熱装置を提供すること。【解決手段】内側面に固体成分と液体成分からなる潤滑剤が塗布されたベルト部材(405)と、前記ベルト部材の外側面に当接して前記ベルト部材を回転させる駆動部材(402)と、前記ベルト部材の内側面に摺擦して前記駆動部材との間に前記ベルト部材を挟み込む摺擦部材(404)と、前記ベルト部材の加熱手段(403)と、を備える像加熱装置において、 前記摺擦部材の内部乃至上部に前記潤滑剤の液体成分保持機構(O)と、前記摺擦部材内部に液体成分移動機構(R)と、を有することを特徴とする。【選択図】図7

Description

本発明は、内側面に潤滑剤が塗布されたベルト部材を用いてトナー画像を担持した記録材の加熱加圧処理を行う像加熱装置、詳しくは、停滞した潤滑剤を再活用し、ベルト部材の潤滑状態を維持させる制御に関する。
電子写真装置、静電記録装置などの画像形成装置においては、シート上にトナー画像を形成し、これを加熱、加圧して定着させることにより画像を形成している。このような定着装置として、内部にヒータを有する定着ローラに加圧ローラを圧接して定着ニップを形成し、定着を行うローラ定着方式が従来採用されている。
ところで、近年では省エネルギー推進の観点から、熱伝達効率が高く、装置の立ち上がりが速いオンデマンド方式として、熱容量の小さい定着ベルトを介して加熱するフィルム加熱方式の定着装置、すなわちフィルム定着装置が提案されている。
フィルム定着装置は特許文献1および2に記載されるような、固定支持された加熱体としての例えばセラミックヒータ(以下、ヒータと記す)と、該ヒータと摺動する伝熱部材としての例えば耐熱性樹脂フィルム(以下、定着ベルトと記す)と、該定着ベルトを介して前記ヒータに圧接してトナー像加熱定着領域としての定着ニップ部を形成する加圧部材としての弾性加圧ローラを有し、定着ニップ部の定着ベルトと加圧ローラとの間で未定着トナー像を担持した記録材を挟持搬送させて定着ベルトを介したヒータからの熱により未定着トナー像を記録材上に加熱溶融定着させるものである。
上記のようなフィルム定着装置において、定着部材として用いられるフィルムは、離型層、弾性層、基材金属層および、内面コート層の4層構成を取ることが多い。これらの層の役割は、離型層はトナー接着の防止するため、弾性層はトナーの包み込み効果によって定着性を上げるため、基材金属層はフィルム剛性と熱伝導率性を高めるため、内面コート層はヒータによる基材金属の削れ傷や磨耗を防止するために、それぞれ設けられている。
特に、内面コート層は、ヒータに直接接触していることから非常に高温となるため、ポリイミドなど耐熱性樹脂を用いることが多い。しかしながら、ポリイミドはセラミックヒータとの摺動性がよくないため、加圧ローラを介して定着ベルトを駆動する際に大きな負荷トルクが発生してしまう課題がある。同時に、摺動性がよくないことで、定着ベルトが回転する際にスティックスリップが発生し、定着ベルトが自励振動することによって摺動音が発生する、「定着ベルト鳴き」という課題も発生する。また、この定着ベルト鳴き問題は、回転速度が低速で発生しやすい。
これらの課題に対する従来技術として、特許文献3及び4に記載されるような方法が提案されている。特許文献3のように、定着ニップを形成する部分に突起を設け、トナー像が記録紙Pに定着できるのに充分溶融したとき、突起部で圧を高めてトナー像を記録紙Pに定着させるものが提案されている。
特許文献4では、内面に粗し面層を設けてヒータとの真の接触面積を小さくすることによって摺動性を高める方法が提案されている。特許文献5は、トルクを検知して、その情報によって潤滑剤塗布を制御して潤滑性を保つ方法が提案されている。特許文献6には、ベルト部材の内側面に潤滑剤を塗布する方法が提案されている。
特開昭63−313182号公報 特開平2−157878号公報 特開平10−198200号公報 特開2001−341143号公報 特開2007−199285号公報 特開2000−338801号公報
しかしながら、上記の従来技術では、耐久後に以下に述べるような問題点が発生する。例えば、特許文献3のような、定着ニップを形成する部分に突起を設ける方法では、未定着トナー像を転写材に定着させるため、定着ニップ部の総加圧力をアップさせ、定着ニップ幅を広くすると、定着ベルト内面とヒータとの摺動摩擦がアップし、定着ローラの回転トルクがアップするだけでなく、定着ベルトが回転せず、スリップしてしまう。また、定着ニップ部の圧力アップ及び、面積が広くなることにより、定着ベルト内面やヒータの表面が削れ、耐久性の問題も発生する。
また、特許文献4のように、粗し面層を設けて摺動性を高める方法では、粗しの凹凸形状が存在している初期においては摺動効果が発揮できるものの、長期の使用によって内面層が削れていくと、凹凸形状が平坦化していき、摺動効果が失われてしまうという課題がある。
更に、特許文献5のような、トルク情報によって潤滑剤塗布を制御して潤滑性を保つ方法では、グリスなど半固形潤滑剤の供給を繰り返すことによって定着ニップ部にグリスの固体粉末成分が蓄積し、摺動性の低下を引き起こしてしまうという問題が発生する。
また、特許文献6に示されるように、ベルト部材の内側面に塗布された潤滑剤は、加熱と摺擦を繰り返されることにより次第に劣化して、摺擦部材とベルト部材との摩擦抵抗を高めてしまう。摺擦部材とベルト部材との摩擦抵抗が限度を超えて高まると、ベルト部材のびびり振動やスリップが発生して、定着画像の品質の低下が目立つようになる。
以上の問題点を解決するため、本発明は、グリスの液体成分を端部漏れを発生させることなくグリスの固体粉末成分に常時担持させることにより、長期に亘ってベルト部材の潤滑状態を維持させることで、ベルト鳴きを防止することが可能である。
上記課題は、内側面に固体成分と液体成分からなる潤滑剤が塗布されたベルト部材と、前記ベルト部材の外側面に当接して前記ベルト部材を回転させる駆動部材と、前記ベルト部材の内側面に摺擦して前記駆動部材との間に前記ベルト部材を挟み込む摺擦部材と、 前記ベルト部材の加熱手段と、を備える像加熱装置において、前記摺擦部材の内部乃至上部に前記潤滑剤の液体成分保持機構と、前記摺擦部材内部に液体成分移動機構と、を有することにより解決される。
前記液体成分移動機構は、前記液体成分保持機構から出て、前記摺擦部材内部を通り、前記摺擦部材と前記ベルト部材の内側面との間に伸びる細管により形成され、前記細管の中を前記潤滑剤の液体成分が毛管現象により通過することにより達成される液体成分移動手段を有することにより解決される。
前記液体成分移動機構は、前記摺擦部材と前記ベルト部材の内側面との間に塗布された潤滑剤の液体成分が所定の量から減少した際に、液体成分が前記潤滑剤に補給されることにより解決される。
前記液体成分移動手段は、前記前記液体成分の粘度の温度特性を利用し、粘度によって移動可否が決定されることにより解決される。
本発明の像加熱装置では、定着ベルト内面とヒータ間にオイルを塗布したグリスを担持させ、かつ耐久によるオイルの枯渇を防ぐために、フィルムガイド内にオイル移動機構を設けることで、毛管現象を利用して絶えずグリスにオイルを付与させ、グリスの潤滑性を長期に維持させる。従って局所的な潤滑剤の劣化を抑制して、摺擦部材とベルト部材との摩擦抵抗を低く保って出力画像品質を高く維持できる。
画像形成装置の構成の説明図である。 定着装置の構成の説明図である。 定着装置の加圧機構の説明図である。 ヒータの説明図である。 定着装置の起動時の時間経過とモータトルクの関係の説明図である。 潤滑剤の温度と粘度の関係の説明図である。 第一の実施例で用いたオイル移動機構の模式図である。 第二の実施例で用いたオイル移動機構の模式図である。 第1および第2の実施例のオイル移動モードの制御フローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、加熱ニップの加圧を解除してベルト部材を回転させて潤滑剤を移動させる限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。従って、ベルト部材に加圧ローラを圧接した画像加熱装置に限らず、ベルト部材に加圧ベルトを圧接した画像加熱装置でも実施できる。
像加熱装置が搭載される画像形成装置は、中間転写ベルト方式、記録材搬送ベルト方式、記録材へ枚葉式にトナー像を転写する方式、タンデム型、1ドラム型の区別無く実施できる。本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。なお、特許文献1〜6に示される像加熱装置の一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。
<画像形成装置>
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図1に示すように、画像形成装置10は、中間転写ベルト31に沿って画像形成部10Y、10M、10C、10Kを配置したタンデム型フルカラープリンタである。
画像形成部10Yでは、感光ドラム11Yにイエロートナー像が形成されて、中間転写ベルト31に一次転写される。画像形成部10Mでは、感光ドラム11Mにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト31のイエロートナー像に重ねて一次転写される。画像形成部10C、10Kでは、感光ドラム11C、11Kにそれぞれシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて、同様に中間転写ベルト31のトナー像に重ねて順次一次転写される。
中間転写ベルト31に担持された四色のトナー像は、二次転写部T2で記録材Pへ一括二次転写される。記録材カセット20からピックアップローラ21により引き出されて分離ローラで1枚ずつに分離された記録材Pは、レジストローラ23で待機し、中間転写ベルト31のトナー像にタイミングを合わせて、二次転写部T2へ送り出される。
二次転写部T2でトナー像を二次転写された記録材Pは、定着装置40で加熱加圧を受けて、表面にトナー像を定着された後に、排出ローラ63を通じて排出トレイ64へ排出される。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kは、それぞれに付設された現像装置で用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、画像形成部10Yについて説明し、他の画像形成部10M、10C、10Kについては、説明中の符号末尾のYを、M、C、Kに読み替えて説明されるものとする。
画像形成部10Yは、感光ドラム11Yの周囲に、コロナ帯電器12Y、露光装置13Y、現像装置14Y、転写ブレード17Y、クリーニング装置15Yを配置している。感光ドラム11Yは、帯電極性が負極性の感光層を形成した金属円筒で構成され、所定のプロセススピードで矢印方向に回転する。コロナ帯電器12Yは、感光ドラム11Yの表面を一様な負極性の電位に帯電させる。露光装置13Yは、帯電した感光ドラム11Yの表面に画像の静電像を書き込む。現像装置14Yは、二成分現像剤を攪拌して帯電させ、負極性に帯電したトナーで感光ドラム11Yの静電像を反転現像する。
転写ブレード17Yは、中間転写ベルト31の内側面を押圧して感光ドラム11Yと中間転写ベルト31との間に一次転写部を形成する。転写ブレード17Yに正極性の直流電圧を印加することにより、感光ドラム11Yに担持されたトナー像が中間転写ベルト31に一次転写される。
二次転写ローラ35は、対向ローラ34との間に中間転写ベルト31を挟み込んで、中間転写ベルト31と二次転写ローラ35との間に二次転写部T2を形成する。二次転写部T2は、トナー像を担持した中間転写ベルト31に重ね合わせて記録材Pを挟持搬送し、二次転写ローラ35に正極性の直流電圧を印加することで、中間転写ベルト31から記録材Pへトナー像が二次転写される。
<定着装置>
図2は定着装置の構成の説明図である。図3は定着装置の加圧機構の説明図である。図4はヒータの説明図である。図2に示すように、定着装置40は、摺擦部材(404、403)によって内側面を支持されたベルト部材(405)に、下方から駆動部材(402)を圧接して、記録材Pの加熱ニップ(N)を形成する。記録材Pが加熱ニップ(N)を通過する過程で、ベルト部材(405)を介して、抵抗加熱素子(403b)から記録材Pに熱が供給されることにより、未定着トナー像tが軟化して記録材Pの表面に定着される。
このような加圧ローラ駆動方式、テンションレスフィルム加熱方式の像加熱装置は、特開平4−44075〜44083号公報、特開平4−204980〜204984号公報等に開示されている。
フィルムガイド404、ヒータ403、ステイ406、定着フィルム405は、長手方向の両端に配置されたエンドキャップ(428:図3)によって相互の位置関係を定められて、定着フィルムユニット401を構成している。
摺擦部材の一例であるフィルムガイド404は、ヒータ403の支持部材と定着フィルム405の内側面のガイド部材とを兼ねており、断熱性、高耐熱性、剛性を有する高耐熱性樹脂等で構成される。フィルムガイド404は、図面に垂直方向を長手方向とする横長部材であり、その下面の長手方向に沿って設けた溝部にヒータ403を嵌入させて、断熱・固定的に保持させてある。
加圧部材の一例であるステイ406は、フィルムガイド404を補強する金属製の断面コ字型の梁部材であって、定着フィルム405を長手方向に貫通して配置される。
ベルト部材の一例である定着フィルム405は、可撓性部材としての、耐熱性に優れた円筒状の樹脂フィルム材料で外径30mmに形成されている。定着フィルム405は、厚み30μm〜100μm程度のポリイミドを基層とした薄膜筒で、基層の上にプライマー層(接着層)を介して、軟化したトナーに対する離型性を付与するためのPFA、PTFE等のコートが施されている。定着フィルム405は、可撓性を有する金属円筒体や、金属層を有する樹脂やゴムの複合層構成の円筒材料であってもよい。
定着フィルム405の内周長は、フィルムガイド404、ヒータ403、ステイ406を含む集合体の外周長よりも大きくしてある。従って、定着フィルム405は、フィルムガイド404、ヒータ403、及びステイ406のアセンブリに対して周長が余裕を持つように、ルーズに外嵌している。
駆動部材の一例である加圧ローラ402は、定着フィルムユニット401のヒータ403及びステイ406の下面との間に定着フィルム405を挟み込む。加圧ローラ402は、金属軸402aの外周面にシリコンゴムからなる弾性層402bを配置して直径30mmに形成されている。弾性層402bの表面には、プライマー層(接着層)を介して10〜100μm程度の厚みを有するPFA等の離型層402cが設けられている。
加圧ローラ402は、定着フィルム405に当接して、記録材Pの搬送方向である矢印C方向に、所定の周速度で回転駆動される。加圧ローラ402の回転に伴い、加熱ニップNにおける加圧ローラ402と定着フィルム405の摩擦力で定着フィルム405に矢印D方向の回転力が作用する。これにより、定着フィルム405は、加熱ニップNにおいて内側面がヒータ403の下向き面に密着して摺動させて、フィルムガイド404の回りを矢印D方向に回転する。
定着フィルム405は、当接する加圧ローラ402の回転に従動回転して、ヒータ403が配置されたフィルムガイド404の加熱面に密着して摺擦しながら記録材Pの搬送速度とほぼ同一の周速度で回転する。
加圧ローラ402に回転駆動されて定着フィルム405の回転がなされ、通電によりヒータ403が昇温して所定の目標温度に温調された状態において、加熱ニップNに記録材Pが導入される。定着フィルム405と加圧ローラ402との間に未定着トナー画像tを担持した記録材Pが導入され、記録材Pのトナー像担持面が定着フィルム405の外側面に密着して定着フィルム405と一緒に加熱ニップNを通過する。このとき、ヒータ403の熱が定着フィルム405を介して記録材Pに付与され、未定着トナー像tが記録材Pの面に加熱定着される。加熱ニップNを通った記録材Pは、定着フィルム405の面から曲率分離されて排出搬送される。
図3に示すように、ステイ406の長手方向の両端部に配置された加圧機構420は、像加熱時、可変の押圧力でステイ406を加圧ローラ402に向かって付勢する。これにより、加圧ローラ402の弾性層402bがフィルムガイド404とヒータ403の輪郭線に沿って弾性変形して定着装置40に必要な加熱ニップNを形成させる。加圧ローラ402に向かって加圧されたとき、ステイ406は、フィルムガイド404及びヒータ403の撓み変形を防止している。
定着フィルム405の長手方向の長さ340mmに対して、フィルムガイド404は、長手方向の長さ360mm、加圧ローラ402は、ゴム(弾性層)長さ330mmである。加圧ローラ402は、定着装置40のフレームに固定されたベアリング426によって、金属軸402aの両端が両持ち式かつ回転自在に支持されている。
加圧機構420は、駆動モータ421を作動させてカム軸423を回転させ、一対の加圧カム422を回転させて、加圧バネ427の一端を昇降させる。これにより、加圧バネ427がステイ406の両端を押圧する力が変化して、定着フィルム405に対する加圧力が変更可能である。
加圧機構420は、長期間の偏った加圧で加圧ローラ402が変形したり定着フィルム405に皺が入ったりするのを防止するために、定着装置40が停止された後に加熱ニップNのニップ圧力を解除する。停止中に加圧状態を継続して加圧ローラ402が変形すると、その後の起動時に、加圧ローラ402の変形が元に戻るまで画像形成を開始できないからである。
図4の(a)に示すように、加熱手段の一例であるヒータ403は、記録材Pの搬送方向に対して直角方向を長手方向とする細長の耐熱性・絶縁性・良熱伝導性の基板403aの表面(定着フィルム摺動面側)に抵抗発熱体403bを配置している。
基板403aは、アルミナや窒化アルミニウム等のセラミックス材料が用いられ、ヒータ403は全体的に低熱容量である。抵抗発熱体403bは、銀・パラジウム・ガラス粉末(無機結着剤)・有機結着剤を混練して調合したペーストをスクリーン印刷により、基板403a上に細帯状に形成している。抵抗発熱体403bの材料としては、銀パラジウム(Ag/Pd)以外にRuO2、Ta2N等の電気抵抗材料を用いても良い。
抵抗発熱体403bの長手方向の端部に、銀パラジウムのスクリーン印刷パターンを用いた給電用電極403d、403eが配置される。給電用コネクタ42、43がヒータ403の給電用電極403d、403eに嵌着されると、給電用コネクタ42、43の電気接点がそれぞれ給電用電極403d、403eに対して接触状態になる。
図4の(c)に示すように、抵抗発熱体403bを形成したヒータ表面は、耐熱性オーバーコート層403cで覆って保護させている。オーバーコート層403cは、抵抗発熱体403bと定着フィルム(405:図2)の電気的な絶縁性を確保しつつ、定着フィルム(405:図2)に対する摺動性を高めることが主な目的である。オーバーコート層403cは、厚さ約50μmの耐熱性ガラス層である。ヒータ403は、オーバーコート層403cが形成された表面側を下向きに露呈させて、フィルムガイド(404:図2)の下面に固定してある。
図4の(b)に示すように、サーミスタTHは、ヒータ403の温度を検知するために設けられた検温素子であり、ヒータ裏面側、すなわち基板403aの抵抗発熱体403bを設けた側とは反対面側に配設してある。
図3に示すように、サーミスタTHは、最小サイズの記録材の通過幅の内側に設けられており、A/D変換器41を介して制御部50に通じている。
ヒータ403(403d、403e:図4)には、トライアック45を介して商用電源(AC電源)44が接続される。制御部50によってトライアック45が制御されてトライアック45を介して電力供給がされると、抵抗発熱体403bが長手方向の全長にわたって発熱して、迅速急峻に昇温する。昇温した刻々の温度がサーミスタTHで検出され、制御部50は、サーミスタTHの出力をA/D変換して取り込む。制御部50は、サーミスタTHの検出温度に基づいてトライアック45を制御して、抵抗発熱体403bに通電する電力を位相制御あるいは波数制御等により制御して、サーミスタTHの検出温度を所定温度に収束させる。
定着装置40の立上時には、制御部50は、サーミスタTHの検出温度に基づいてトライアック45を制御してヒータ403を長手方向の全長に渡って発熱させて所定温度に維持して、異常発熱することを抑止する。
<潤滑剤>
図5は定着装置の起動時の時間経過とモータトルクの関係の説明図である。図5中、(a)は時間経過と定着フィルムの表面温度の関係、(b)は時間経過とモータトルクの関係、(c)は時間経過とモータ回転数の関係、(d)は時間経過とモータ出力の関係である。図6は潤滑剤の温度と粘度の関係の説明図である。
定着装置40は、フィルムガイド404及びヒータ403と摺動する定着フィルム405の駆動負荷が大きいため、加圧ローラ402の回転トルクが大きいという問題がある。フィルムガイド404及びヒータ403と定着フィルム405の摺動摩擦が駆動負荷の大きな要因であり、加圧ローラ402により所定の圧力を加える構成では、定着フィルム405の摺動摩擦が加圧ローラ402の駆動負荷の大部分を占める。
定着装置40では、定着フィルム405とフィルムガイド404の摺動摩擦を低下させるために、定着フィルム405の内側面に耐熱性の潤滑剤(耐熱性グリス)が塗布されている。定着フィルム405の耐摩耗性向上、安定した定着フィルム405の回転、及び定着フィルム405への均一な熱伝達等を考慮して、ヒータ403と定着フィルム405の摺擦面に耐熱性グリスが塗布されている。耐熱性グリスは、基油であるパーフロロポリエーテルや、増稠剤としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等から構成されているダウコーニングアジア社のHP−300を用いた。
定着装置40の冷間時においては耐熱グリスの粘性が高くなっているため、定着フィルム405の擦動抵抗となる。また、加圧ローラ402においても、停止状態で定着フィルム405とのニップ部分に変形が生じる。これらが主に定着装置40の起動時の回転トルクを増大させる原因となる。
図3に示すように、定着装置40を定回転数制御された駆動モータ46(直流モータ)で回転駆動させて、耐熱性グリスを潤滑剤として用いた場合の起動負荷の変化を調べた。
図5の(a)に示すように、定着装置40は電源ONとともに、温度制御を始め、時刻t1、t2、t3におけるサーミスタTHの検出温度は、K1、K2を経てスタンバイ温度K3に制御される。この時、直流モータ46のトルクは、T1、T2を経てT3のように徐々にトルクが減少し、安定していく。定着装置40の起動時にトルクが大きくなる原因は、摺動部に塗布された潤滑剤が低温のため粘度が高く、摺擦部の摩擦抵抗が大きくなって、定着フィルム405を回転させるためのトルクが大きくなるためである。
従って、所定時間を超える停止時間の後に再び電源をONにして起動する場合、定着装置40の温度を上げながら駆動モータ46を回転させると、起動初期のトルクは大きな値を示す。モータ出力は、モータトルクとモータ回転数の積に比例するので、(d)のような関係となる。
図6に示すように、低温時の潤滑剤は高粘度であるため、加圧ローラ402の起動初期には、内側面に潤滑剤が塗布された定着フィルム405の摩擦抵抗(粘性抵抗)が非常に大きくなる。
このため、加圧ローラ402の駆動モータ46の回転トルクが大きくなって、駆動モータ46がパルスモータの場合には脱調が発生して、定着フィルム405の駆動が停止することがあった。このため、駆動モータ46に高価で大型の高出力(高トルク)のモータが必要となる問題があった。
駆動モータ46のトルクを低減する対策として、特開平3−209491号公報や特開2000−338801号公報において、定着フィルム405の駆動開始を所定温度以上で行うことが提案されている。最初にヒータ403のみを起動して昇温状態とし、昇温によって潤滑剤が軟化して、ヒータ403と定着フィルム405の摩擦抵抗が減少するのを待って定着フィルム405の回転駆動を開始させている。
しかし、定着フィルム405の駆動開始を潤滑剤が溶融する所定温度以上で行って、ヒータ403と定着フィルム405の摩擦抵抗を減少させる方法は、摺動部に潤滑剤が存在する時に有効である。摺動部の潤滑剤が少量になったときは不利であり、画像形成が累積して摺動部の潤滑剤が枯渇した後は、さらに不利となる。
摺動部の潤滑剤が枯渇しないためには、潤滑剤を潤沢に塗布する構成が考えられる。また、定着装置40は、定着フィルム405の内側面に潤滑剤を塗布してフィルムガイド404及びヒータ403に対する摺動性を上げているため、摺動性を上げるためにも、定着フィルム405に潤滑剤を潤沢に塗布する構成が考えられる。
しかし、フィルムガイド404及びヒータ403と定着フィルム405の間に潤滑剤を必要以上に介在させると、摺擦面で加圧されて外側へ漏れ出してしまう。長手方向へ漏れ出した潤滑剤は、定着フィルム405の両端部を回り込んで加熱ニップNに侵入する。加熱ニップNに潤滑剤が侵入すると、記録材Pが加熱ニップNに狭持搬送される際に加圧ローラ402が空回りして、スリップが発生し易くなる。このため、定着フィルム405に潤滑剤を潤沢に塗布することは許されず、外部から摺動部に新しい潤滑剤を補給することも好ましくない。
しかし、フィルムガイド404及びヒータ403と定着フィルム405の摺動部は加圧されているため、塗布された潤滑剤を摺動部から押し出す力が作用し、摺動部に介在する潤滑剤は少量となる。加熱ニップNに記録材Pの先端が通過する際には、記録材Pの先端がチューブを絞るように定着フィルム405を押し上げて、摺動部から潤滑剤を押し出してしまう。
そして、摺動部から押し出された潤滑剤が、摺動部を挟んだ上流側と下流側のフィルムガイド404の縁に堆積する一方で、肝心の定着フィルム405の摺動部には十分な潤滑剤が無い状態となる。近年のプロセススピードの高速化に伴い、短時間でトナーを軟化させるために、加熱ニップNの加圧力が大きくなり、この傾向は顕著である。このため、起動時に潤滑剤を加熱して摺動性をあげようとしても、その効果が得られず、起動時の駆動モータ46に高トルクを必要とする。
ところで、上述したように、図3に示す加圧機構420は、定着ローラ402の変形を防止するために、定着装置40の停止後に、加熱ニップNの加圧力を解除する。このとき、上流側と下流側のフィルムガイド404の縁に堆積した潤滑剤が摺動部へ自然に流れ込むことが期待できる。
しかし、いずれの場合も、摺動部の潤滑剤が枯渇する現象や、加熱劣化した現像剤が摺動部に停滞して摩擦抵抗が高まる現象を十分には阻止できなかった。
そこで、以下の実施例では、フィルムガイド404の上下流側の縁に枯渇堆積した潤滑剤に、毛細管現象を利用してオイルを担持させることで、上記潤滑剤の枯渇現象を防止するオイル移動機構を設けている。
図7は実施例1のオイル移動機構の説明図、図9は実施例1および2における制御のフローチャートである。図7に示すように、画像形成中、フィルムガイド404の上流側の部分Aに潤滑剤が堆積する。加圧機構420は、定着フィルム405を加圧ローラ402に加圧する。定着フィルム405を介してフィルムガイド404及びヒータ403と加圧ローラ402の弾性層402bとを圧接させて、定着フィルム405回転方向における所定長さの加熱ニップNが形成される。
ヒータ403は、フィルムガイド404の中央に固定された板状の抵抗加熱素子であって、定着フィルム405に対して凸部よりも0.2mm〜0.3mm後退させて配置されるので、フィルムガイド404との境界部分Bに潤滑剤の溜まりが形成される。溜まりの寸法は、回転方向の長さが8mmのヒータ403に対して、上流側と下流側に2mmずつである。
定着フィルム405は、加圧ローラ402に従動して回転する。潤滑剤は、動作初期時には、定着フィルム405の内側面における加熱ニップNに対応する領域に塗布されている。ヒータ403による加熱中は、潤滑剤が軟化することで、定着フィルム405の内側面に潤滑剤を膜状に保持して、定着フィルム405とヒータ403の摺動部の摩擦力を低下させる。
しかし、定着処理(像加熱処理)の累積処理枚数又は累積処理時間の増加に伴って、フィルムガイド404の上流側の部分Aにはせき止められて停滞した潤滑剤の溜まりが形成される。一方、フィルムガイド404の下流側で窪みを形成するヒータ403の表面に隣接する部分Bには、入れ替わることのない潤滑剤が停滞して加熱による劣化が進行する。
そこで、図7に示すように、上記潤滑剤溜まり部にオイル移動機構を設けることで、潤滑剤にオイルを担持させる。
オイル移動機構について詳細を述べる。オイル移動機構は図7aに示すように、フィルムガイド上部もしくは内部にオイル溜まりが、定着フィルム長手全域にわたり設置されている。そして、オイル溜まりからフィルムガイド内部を貫通する細管Rが定着フィルム長手全域にわたり備えられており、その細管Rを通ってオイル溜まりからオイルが加熱ニップNに移動する。また、本実施例では、図7bに示すようにフィルムガイド内部を貫通する細管Rは、上記潤滑剤溜まり部(回転方向の長さが8mmのヒータ403に対して、上流側と下流側に2mmずつ)に出るように設けられており、潤滑剤溜まりに細管最下オイル面が接することで、潤滑剤にオイルが担持され続ける。
この機構は、潤滑剤溜まり部において枯渇劣化もしくは不動層を形成した潤滑剤にオイルを担持することにより潤滑剤の粘度を低下させ、潤滑剤の流動性を向上させることを目的としている。また本発明のグリス移動機構は外的な制御手段を要することなく、オイル粘度の温度特性を利用して潤滑剤にオイルを移動させる事から、オイル移動手段の上記細管形状が重要となる。以下にオイル移動手段の細管形状について詳細を述べる。
本実施例で使用するオイルはグリス基油で使用されているものと同等のパーフロロポリエーテルであり、その粘度は40℃環境において、160mm/sであり、100℃環境においては50mm/sであるように、高温になるほど粘性が低下することが知られている。
この特性を利用し、本発明では、定着装置において定着が開始され、装置が高温になるとともに、オイル溜まりに内填されたパーフロロポリエーテルの温度が上昇し、粘度がある一定の値を下回ると細管の中をオイルが通過していくように細管太さが設計されている。細管を移動する液体浸透について(1)に示す、ルーカス−ウォッシュバーン(Lucas−Washburn)の式が古くから適用されている。
ここで、l:移動深さ 、r:細管半径、γ:液体の表面張力、θ:接触角、η:粘度、t:時間であり、これらのパラメータに対して、本実施例において使用するパーフロロポリエーテルの温度が120℃に達した際の粘度45mm/sを導入すると、細管半径を0.5mmとした際に細管長さ2.5mmの内部をオイルが移動するのに約180sの時間を要する。
このときの、定着ベルト温度は165℃であることが検討により知られている。つまり、定着ベルト温度が165℃、つまりパーフロロポリエーテルの温度が120℃に達しない場合においては細管内部をオイルが通過しない、もしくは、オイルが通過するのに長時間を要することが解る。以上のように細管の半径を0.5mm、細管長さを2.5mmと設定することで、定着ベルト温度が165℃をこえるとオイルが自発的に細管内部を通り、細管出口付近に溜まっている潤滑剤にオイルを担持させることができる。このように細管を設定することで、オイルが常時細管内を流れ続けることによるオイル溢れを防止する役割も担っている。
以上のことから、本発明においては、オイル移動モードとして累積画像形成枚数(1000枚)に達したプリントジョブ(処理ジョブ)が終了すると、オイル移動モードの制御が開始される。オイル移動モード制御について図9を用いて具体的に説明する。
まず、印刷が開始され、処理枚数が1000枚を超えるまで印刷が行われる。(S1)そして、処理枚数が1000枚を超えると(S2)、印刷が一時中断される(S3)。印刷が中断されると、定着装置の加熱空回転が開始され、定着ベルト表面温度が165℃になるまで加熱される(S4)。
そして、定着ベルト表面温度が165℃以上になると(S5)、温調制御が入り(S6)、この状態を保持したまま、空回転が200s間行われる(S7)。
以上のようにオイル移動モードは、定着装置を回転させながら定着ベルト表面が165℃になるように温調制御を行い、その状態で200s間定着装置を回転させるものである。その制御の間、オイル溜まりOに設けられたオイルが細管を移動し、ニップ内の潤滑剤溜まり部にオイルを担持し続ける。
実施例1の潤滑剤移動モードの制御によれば、ヒータ403と定着フィルム405の摺動部にオイルが担持され、適切な粘度の潤滑材を保持できるので、長寿命の定着装置40を提供できる。オイルを担持することで潤滑剤を追加、交換することなく、ヒータ403と定着フィルム405の摺動部に適切な潤滑状態を保持でき、駆動にかかる負荷を低減できる。
実施例1のオイル移動モードの制御によれば、潤滑剤移動モードを1000枚の定着処理ごとに実行するため、プリントジョブの終了毎に毎回、オイル移動モードを実施する場合に比べて定着装置40の長寿命化を実現できる。本実施例を施すことにより、オイル移動モードを行わない場合に20万枚で定着画像に出ていたスリップの影響が、30万枚を超えても出てこなくなった。
次に、本発明に係る加熱定着装置の第二の実施例について、図8を用いて説明する。なお、上記第一の実施例と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施例では図8に示すように、実施例1に記したオイル移動機構の細管を上記潤滑剤溜まり部だけでなく、上記フィルムガイド404の上流側の部分Aおよび部分A´のニップ外に設置する。これにより、実施例1で記したグリス潤滑効果をさらに期待できる。
具体的に述べると、ニップ摺動部から押し出された潤滑剤が、摺動部を挟んだ上流側と下流側のフィルムガイド404の縁(部分A,A´)に堆積し、塗布した潤滑剤を効率よく活用することができていなかった。この堆積した潤滑剤は時間が経過するにしたがい枯渇していき、潤滑剤としての機能を果たすことなく劣化していく為、本実施例ではこの部分A,A´に到達するように細管を設け、上記堆積グリスにオイルを担持し、流動性を回復、または流動性を向上させ、ニップ摺動部にこの堆積グリスが搬送されるようにする。
本実施例における細管半径について詳細を述べる。本実施例では、図8に示すように細管のルートはニップ摺動部、フィルムガイド404の縁(部分A,A´)の2つが設けられており、この2つが途中で分岐する構成となっている。これを受けてオイルの移動距離、つまり細管の長さと細管半径を以下のように設定する。
図8に示すように細管のルートをR1A、R1B、R2とする。ニップ摺動部にオイルが到達するにはR1A+R2のルート(2mm+1.5mm)を移動することとなり、フィルムガイド404の縁(部分A,A´)にオイルが到達するにはR1A+R1B(2mm+2mm)のルートを移動することとなる。
上記2つのルートをオイルが通過する時間を実施例と同等の180sとする為には、上記ルーカス−ウォッシュバーンの関係式から細管半径rをR1A:1.0mm、R1B:1.0mm、R2:0.5mmと設定すればよい。この細管半径および細管長さは実施例1と同様、オイルとして使用するパーフロロポリエーテルの温度が120℃になった際の粘度から算出したものであり、オイルを移動させる為にオイル移動モードとして累積画像形成枚数(1000枚)に達したプリントジョブ(処理ジョブ)が終了すると、オイル移動モードの制御が開始される。
制御としては、定着装置を回転させながら定着ベルト表面が165℃になるように温調制御を行い、その状態で200s間定着装置を回転させるものである。その制御の間、オイル溜まりOに設けられたオイルが細管を移動し、ニップ内の潤滑剤溜まり部にオイルを担持し続ける。
実施例2のオイル移動モードの制御によれば、潤滑剤移動モードを1000枚の定着処理ごとに実行するため、プリントジョブの終了毎に毎回、オイル移動モードを実施する場合に比べて定着装置40の長寿命化を実現できる。
本実施例を施すことにより、オイル移動モードを行わない場合に20万枚で定着画像に出ていたスリップの影響が、30万枚を超えても出てこなくなるとともに、実施例1では活用できなかったフィルムガイド404の縁(部分A,A´)の潤滑剤を活用できることにより、塗布するグリス量を約およそ300mg削減させることができる。
N ニップ、P シート、T トナー、O オイル溜まり、R 細管、
1 画像形成装置、10 画像形成部、11 感光ドラム、12 帯電器、
13 レーザスキャナ、14 現像器、15 クリーナ、17 一次転写ブレード、
20 給紙カセット、25 マルチ給紙トレイ、23 レジストローラ、
31 中間転写フィルム31、35 二次転写ローラ、40 定着装置、
41 定着ベルト、42 支持ステー、43 加圧部材、44 加圧ローラ、
46 可変カム、47 摺動ローラ

Claims (4)

  1. 内側面に固体成分と液体成分からなる潤滑剤が塗布されたベルト部材(405)と、前記ベルト部材の外側面に当接して前記ベルト部材を回転させる駆動部材(402)と、前記ベルト部材の内側面に摺擦して前記駆動部材との間に前記ベルト部材を挟み込む摺擦部材(404)と、前記ベルト部材の加熱手段(403)と、を備える像加熱装置において、
    前記摺擦部材の内部乃至上部に前記潤滑剤の液体成分保持機構(O)と、前記摺擦部材内部に液体成分移動機構(R)と、を有することを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記液体成分移動機構(R)は、前記液体成分保持機構(O)から出て、前記摺擦部(404)材内部を通り、前記摺擦部材(404)と前記ベルト部材(405)の内側面との間に伸びる細管により形成され、前記細管の中を前記潤滑剤の液体成分が毛管現象により通過することにより達成される液体成分移動手段を有する請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 前記液体成分移動機構(R)は、前記摺擦部材(404)と前記ベルト部材(405)の内側面との間に塗布された潤滑剤の液体成分が所定の量から減少した際に、液体成分が前記潤滑剤に補給されることを特徴とする請求項2に記載の像加熱装置。
  4. 前記液体成分移動手段は、前記前記液体成分の粘度の温度特性を利用し、粘度によって移動可否が決定されることを特徴とする請求項3に記載の像加熱装置。
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