JP2016045275A - 加熱定着装置、および画像形成装置 - Google Patents

加熱定着装置、および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ニップ部への潤滑剤の供給を確保しつつ、必要なときにだけ、潤滑剤を塗布し、異音を防ぎつつ潤滑剤の消費を抑えることが可能な定着装置を提供すること。
【解決手段】被記録材上のトナー像を定着する定着装置であって、所定の軸方向に延びる筒状に形成された定着ベルトと、該定着ベルトの外周面に対して当接した状態で加圧して定着ニップを形成する加圧ローラーと、前記定着ベルト内に配設され、前記定着ベルトを内周面から加熱する加熱部材と、前記定着ベルト内に配設されて、前記加圧ローラーからの加圧力を前記定着ベルトの内周側から受け止めて該定着ベルトを支持する支持体と、必要なときに潤滑剤を定着ベルト内面に塗布する潤滑剤供給機構から構成される。該潤滑剤供給機構は前記支持体のニップ形成部の上流に設置され、前記定着ベルトの内周面と接する潤滑剤塗布ローラーおよび潤滑剤塗布ローラーに潤滑剤供給する潤滑剤供給路と、潤滑剤を蓄える潤滑剤保持部で構成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、複合機、複写機、プリンタ、ファックス等の記録材上に画像形成可能な電子写真方式の画像形成装置、および電子写真方式の定着装置に関する。
従来、電子写真方式を用いた画像形成装置は、像担持体としての感光体ドラム上に形成された潜像を現像して可視画像化し、この可視画像(トナー像)を記録材に静電気力を用いて転写させ、次いで転写画像を熱により定着させることによって、前記記録材上に画像が記録形成されるようになっている。このような画像形成装置に用いられる定着装置として、省エネルギーや画像形成の高速化を図るために、熱伝達効率が高く、装置の立ち上がりが速い、ベルト定着方式が提案されている。
このベルト定着方式において、定着ベルト及び加圧部材としての加圧ローラーは回転駆動するものの、加熱体は固定配置され回転駆動しない。従って、加圧ニップ部(定着ニップ部)において加熱体表面(定着ベルト対向面)と定着ベルトとの摩擦力は大きく、大きな負荷が生じる。特に加熱以前に於いては高負荷となり、前記定着ニップ部に於いては定着ベルトと加熱体表面との間でビビリあるいは異音を生じるという問題が生じた。
このような問題を解消するために、特許文献1が提案されている。この特許文献1では、定着ベルトの内面側にオイル等の潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段を備える。潤滑剤がベルト内面に供給されるため、異音の発生を抑制する効果がある。しかし、オイル等の潤滑剤を塗布する方式は潤滑剤の供給量が多すぎるとオイル漏れが起こり、画像への影響が懸念される。そのため、潤滑剤の塗布量を適正なものにする必要がある。
特許文献2では定着ベルト内の潤滑剤塗布ローラーが塗布量制御層を持ち、塗布量制御層からは適正量の潤滑剤が滲み出るように調整するという方法が提案されている。この方法では適正な塗布量に制御されるため異音を防止しつつオイル等の潤滑剤の画像への影響を抑制することができる。
特開平05−019650号公報 特開平2009−193028号公報
しかしながら、従来技術における潤滑剤塗布の方法には、以下のような課題が挙げられる。潤滑剤供給手段からニップ入口までにベルトを張架するためのローラーや、ニップを形成するための加圧パッド等があるとその端部に潤滑剤が溜まり、異音の原因となるニップ内への潤滑剤供給量が低下し易いという課題がある。また、常に潤滑剤を塗布をしている場合には潤滑剤等の消費が大きくなり、ベルト端部からの潤滑剤の漏れ等が起こり易くなるという課題がある。
そこで、本発明は、ニップ部への潤滑剤の供給を確保しつつ、必要なときにだけ、潤滑剤を塗布し、異音を防ぎつつ潤滑剤の消費を抑えることを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の定着装置は、
被記録材上のトナー像を定着する定着装置であって、所定の軸方向に延びる筒状に形成された定着ベルトと、該定着ベルトの外周面に対して当接した状態で加圧して定着ニップを形成する加圧ローラーと、前記定着ベルト内に配設され、前記定着ベルトを内周面から加熱する加熱部材と、前記定着ベルト内に配設されて、前記加圧ローラーからの加圧力を前記定着ベルトの内周側から受け止めて該定着ベルトを支持する支持体と、必要なときに潤滑剤を定着ベルト内面に塗布する潤滑剤供給機構から構成され、
該潤滑剤供給機構は、前記支持体のニップ形成部の上流に設置され、前記定着ベルトの内周面と接する潤滑剤塗布ローラーおよび潤滑剤塗布ローラーに潤滑剤供給する潤滑剤供給路と、潤滑剤を蓄える潤滑剤保持部で構成されることを特徴とする。
本発明によれば、ニップ部への潤滑剤の供給を確保しつつ、必要なときにだけ、潤滑剤を塗布し、異音を防ぎつつ潤滑剤の消費を抑えることができる。
本発明における画像形成装置の概略図である。 本発明における定着装置の概略図である。 本発明における定着ベルト内の概略図である。 本発明における定着ベルト内の長手側の概略図である。 本発明における潤滑剤塗布ローラーの回転抑制機構の概略図である。 本発明におけるトルクとベルト鳴きの関係を示した模式図である。 本発明における第2実施例の定着ベルト内の概略図である。 本発明における第2実施例の潤滑剤塗布ローラーの回転抑制機構の概略図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
本発明に係る加熱定着装置の第一の実施例について、図を用いて説明する。なお、本実施例ではテンションレスタイプのベルト加熱方式の定着装置を用いて説明を行うが、ローラーでベルトを張架する方式の定着装置に対しても適用可能である。図1は、本実施形態の画像形成装置の一例であるカラー電子写真プリンタの断面図であり、シートの搬送方向に沿った断面図である。本実施形態では、カラー電子写真プリンタを単に「プリンタ」という。シートは、トナー像が形成されるものである。シートの具体例として、普通紙、普通紙の代用品である樹脂製シート、厚紙、オーバーヘッドプロジェクター用などがある。
図1に示すプリンタは、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色の画像形成部10を備えている。感光ドラム11は、帯電器12によってあらかじめ帯電される。その後、感光ドラム11は、レーザスキャナ13によって、潜像を形成されている。潜像は、現像器14によってトナー像になる。感光ドラム11のトナー像は、一次転写ブレード17によって、像担持体である例えば中間転写ベルト31に順次転写される。転写後、感光ドラム11に残ったトナーは、クリーナ15によって除去される。この結果、感光ドラム11の表面は、清浄になり、次の画像形成に備える。
一方、シートPは、給紙カセット20、又はマルチ給紙トレイ25から、1枚ずつ送り出されてレジストローラー対23に送り込まれる。レジストローラー対23は、シートPを一旦受け止めて、シートが斜行している場合、真っ直ぐに直す。そして、レジストローラー対23は、中間転写ベルト31上のトナー像と同期を取って、シートを中間転写ベルト31と二次転写ローラー35との間に送り込む。中間転写ベルト上のカラーのトナー像は、転写体である例えば二次転写ローラー35によってシートPに転写される。その後、シートのトナー像は、シートが定着器40によって、加熱加圧されることでシートに定着される。
[定着装置]
図2に示すように、定着装置40は、ベルト方式の画像加熱装置であり、加圧ローラー45、定着ベルト44を有している。定着装置またはこれを構成している部材について、長手または長手方向とは、シート搬送方向に直交する方向である。
次に、本実施例で用いた定着器について説明する。図2は、定着装置40の概略構成図で示されるようなベルト加熱方式の加熱装置(テンションレスタイプ)を用いている。
[ヒーター]
43は加熱体としてのとしてのセラミックヒーター(以下、ヒーターと記す)である。このヒーター43は図面に垂直方向を長手とする細長薄板状のセラミック基板と、この基板面に具備させた通電発熱抵抗体層を基本構成とするもので、発熱抵抗体層に対する通電により全体に急峻な立ち上がり特性で昇温する、低熱容量のヒーターである。
ヒーター43の裏側にはサーミスタ42が設置され、電力供給時にはヒーター43は温度を測定しながら発熱し、定着ベルト44を内部から加熱する。サーミスタ42で検知される温度に関する信号は、制御回路部(不図示)に入力される。制御回路部は、サーミスタ42から入力される検知温度情報が所定の定着温度に維持されるようにヒーター43に対する電力供給を制御する。
[フィルムガイド]
フィルムガイド41は、耐熱性、電気絶縁性で、高い加重に耐えられる剛性材料、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)、PAI(ポリアミドイミド)、PI(ポリイミド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等で構成され、ヒーター43はこのフィルムガイド41の下面の略中央部にガイド部材長手に沿って設けた溝部内に嵌入させて固定支持させてある。
[定着ベルト]
本実施例における定着ベルト46は、不図示の表層、弾性層、基層、内面コート層の4層複合構造を有した定着ベルトであり、フィルムガイド41にルーズに外嵌させてある。表層は厚さ100μm以下、好ましくは20〜70μmのフッ素樹脂材料を使用できる。例えば、フッ素樹脂層としては、PTFE、FEP、PFAなどが挙げられる。本実施例では、厚さ30μmのPFAチューブを用いた。
弾性層は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、厚さとしては1000μm以下、好ましくは500μm以下のゴム材料を使用できる。例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。ゴム硬度10度(JIS−A)、熱伝導率1.3W/m・K、厚さ300μmのシリコーンゴムを用いた。
基材金属層cも弾性層bと同様にクイックスタート性を向上させるために、厚さとして100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性材料を使用できる。例えば、SUS、ニッケルなどの金属フィルムを使用できる。本実施例では、厚さが30μm、直径が25mmの円筒状ニッケル金属フィルムを用いた。
内面コート層dは、セラミックヒーターと接しているため耐熱性を持つ樹脂層を使用できる。例えば、ポリイミド、ポリイミドアミド、PEEK、ポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン/六フッ化プロピレン共重合体樹脂(FEP)、四フッ化エチレン/パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)などのエンジニアリングプラスティックなどが挙げられる。本実施例ではポリイミドを用いた。
[加圧ローラー]
加圧ローラー45は加圧部材としての耐熱性弾性加圧ローラーであり、芯金と、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴム、あるいはシリコーンゴムの発泡体からなる弾性層からなり、芯金の両端部を回転自由に軸受け支持させて配設してある。この加圧ローラー45の上側に上記の定着ベルト44を加圧ローラー45に並行に配置し、フィルムガイド41で押圧させることで、定着ベルト44の下面と加圧ローラー45の上面にローラー弾性層の弾性に抗して圧接させて所定幅の定着ニップ部Nを形成させてある。加圧ローラー45は不図示の駆動手段により矢印の時計方向に所定の回転周速度にて回転駆動される。
この加圧ローラー45の回転駆動による加圧ローラー45と定着ベルト46との定着ニップ部Nにおける圧接摩擦力により円筒状の定着ベルト44に回転力が作用して該定着ベルト44がヒーター43の下向き面に密着して摺動しながらフィルムガイド41の外回りを矢印の時計方向に従動回転状態になる。
加圧ローラー45が回転駆動され、それに伴って円筒状定着ベルト44が従動回転状態になり、またヒーター43に通電がなされて所定の温度に立ち上がり温調された状態において、定着ニップ部Nの定着ベルト44と加圧ローラー45との間に未定着トナー像Tを担持した記録材Pが導入され、定着ニップ部Nにおいて記録材Pのトナー像担持側面が定着ベルト44の外面に密着して定着ベルト44と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。
この挟持搬送過程において加熱された定着ベルト44の熱により記録材Pが加熱され、記録材P上の未定着トナー像Tが記録材P上に加熱・加圧されて溶融定着される。定着ニップ部Nを通過した記録材Pは定着ベルト44の面から曲率分離して排出搬送されていく。
[潤滑剤塗布機構]
本実施例の定着装置は潤滑剤塗布機構を持っており、潤滑剤塗布機構は定着ベルト44の内面の潤滑剤が枯渇した時にだけ潤滑剤を塗布する。ベルト44の内面の潤滑剤が枯渇したときだけ塗布ローラー47が回転し、定着ベルト内面に潤滑剤を塗布し、ベルト内面に潤滑剤が十分ある場合には塗布ローラー47は回転せず、ベルト内面への潤滑剤供給をしない。
定着ベルト44の内側とヒーター43の間に十分な潤滑剤がある場合には固定された状態になっており、定着ベルト44と塗布ローラー47の間にある潤滑剤31を介して定着ベルト44が摺動する。以下で潤滑剤塗布機構について詳細を説明する。
[潤滑剤塗布機構の構成]
図3は図2のニップ付近の拡大図であり、潤滑剤塗布機構の構成を示す模式図である。図4はフィルムガイド41を透過して長手方向の潤滑剤塗布機構の構成を示す図である。図5は塗布ローラー47とフィルムガイド側の軸受け部の模式図である。図6は定着ベルトの摺動耐久試験における加圧ローラーのトルクと定着ベルトの摺動状態の関係の模式図である。
潤滑剤塗布機構は潤滑剤を保持する潤滑剤タンク46、潤滑剤を塗布する塗布ローラー47と潤滑剤タンクから供給される潤滑剤を塗布ローラー47に受け渡すバッファ領域30からなり、潤滑剤タンク46とバッファ領域30は潤滑剤供給路32でつながっている。
潤滑剤タンク46と潤滑剤供給路32、バッファ領域30はフィルムガイド内に設置され、バッファ領域30の中は不図示のスポンジ、多孔質セラミックス体、紙、布、不織布等の多孔質材料で満たされる。この多孔質材料は潤滑剤が含浸されており、バッファ領域30の多孔質材料はその一部をバッファ内で塗布ローラー47に接触している。ここでは多孔質材としてポリエステル繊維を使用する。
塗布ローラー47はニップ上流のフィルムガイド凸部の頂点に配置される。塗布ローラー47の端部と、塗布ローラー47の端部に対向するフィルムガイド側のローラー軸受けは磁石と樹脂で構成される。
(塗布ローラー、供給路のサイズ)
バッファ領域30、潤滑剤供給路32、塗布ローラー47はフィルムガイドに収まるサイズであればよく、本実施例ではバッファ領域30のサイズは長手方向に300mm、奥行き3mm、高さは3mmであり、潤滑剤供給路は高さ5mm、奥行3mm、幅3mmの直方体形状をしており、長手方向に30mmピッチで配置される。塗布ローラーのサイズはここでは径5mm、塗布ローラー47と不図示のバッファ領域30の壁との隙間は1mmとしている。
[塗布ローラーおよび回転抑制機構の材質]
塗布ローラー47の中央から左右150mmまではPPS(ポリフェニレンサルファイド)、PAI(ポリアミドイミド)、PI(ポリイミド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等で構成され、塗布ローラー端部10mmはフェライト磁石で構成される。フィルムガイド側の塗布ローラーの軸受けは塗布ローラー側から樹脂、磁石で構成され、ここでは樹脂はPPS、磁石はフェライト磁石が使用される。
塗布ローラー端部には回転抑制機構51があり、塗布ローラー端部48およびフィルムガイド側の軸受けの磁性体49、軸受けの樹脂50からなる。塗布ローラー端部48とフィルムガイド側の軸受けの磁性体49はフェライト磁石で構成され、塗布ローラー端部の磁石48は塗布ローラー47に対して固定される。塗布ローラー47の軸受けの樹脂厚さは後述のようにして決定する。
[塗布ローラーの回転抑制機構]
定着ベルト内面に十分に潤滑剤が塗布された状態では塗布ローラー47と定着ベルトの摩擦は小さく、且つ塗布ローラー47は塗布ローラー端部の磁石48と軸受けの磁石49とが互いに逆極性になって磁力で引き合い、塗布ローラーの回転が抑制されるため塗布ローラー47は回転しない。
対して、定着ベルト内面に潤滑剤が不足すると塗布ローラー47と定着ベルトの摩擦は大きくなるため、塗布ローラー端部の磁石48と軸受けの磁石49の磁力による回転抑制力を上回り、塗布ローラー47は回転する。塗布ローラー47が回転するときは塗布ローラー端部48は軸受けの樹脂50に対して摺動する。塗布ローラー47の回転抑制力は軸受けの樹脂50の厚さhの2乗に反比例する。
[塗布ローラー端部と支持部材の磁性体距離hの決め方]
塗布ローラー47が回転しないように固定した状態で、ベルト内面に潤滑剤がない状態において、加圧ローラー45を駆動し、定着ベルトを従動回転させる。この状態では図6の鳴き発生時のように加圧ローラーのトルクが高く、スティックスリップが起こり、ベルト鳴きが発生する。このときの加圧ローラー45のトルクT’’を測定する。
次に塗布ローラー47が回転しないように固定した状態で、ベルト内面に潤滑剤がある状態において、加圧ローラー45を駆動し定着ベルトを従動回転させる。このときは潤滑剤があるため、図6のオイル潤沢状態のように加圧ローラーのトルクは低く定着ベルトは加圧ローラーに従動回転するためスティックスリップが起こらず、ベルト鳴きは発生しない。このときの加圧ローラー45のトルクT’を測定する。
加圧ローラーTがT’<T<T’’の条件の範囲内で、且つ、塗布ローラー47が回転する樹脂厚さhを以下のようにして探す。ある樹脂厚さh=h1、ベルト内面に潤滑剤がない状態において加圧ローラー45のトルクTをT’<T<T’’の条件の範囲内で増していき、塗布ローラー47が回転するか確認する。塗布ローラー47が回転しなければ、樹脂厚さhを少しずつ増していきながら、各樹脂厚さで上記の実験を繰り返す。加圧ローラーのトルクがT’<T<T’’の条件の範囲内で、且つ塗布ローラーが回転したときの樹脂厚さhを設定値とする。
[塗布ローラー回転、摺動の切り替え]
潤滑剤が枯渇状態になると塗布ローラー47に対して摺動していた定着ベルト44と塗布ローラー47間の摩擦が大きくなる。このとき、塗布ローラー47端部に加わるトルクは潤滑剤が十分塗布された状態に比べて大きくなる。塗布ローラー47は規定のトルクTに達するまで端部の回転抑制機構により回転しない。潤滑剤が枯渇し、定着ベルトと塗布ローラー47間の摩擦力が大きくなり、規定トルクTを超えると塗布ローラー47が定着ベルト44に対して従動回転する。塗布ローラー47が回転すると、バッファ領域から塗布ローラー47に受け渡された潤滑剤が、塗布ローラー47の回転と共に定着ベルト44の内側面に塗布される。
定着ベルト44の内側の潤滑剤枯渇した部分に十分潤滑剤が塗布されると、定着ベルト44と塗布ローラー47の間の摩擦力が低下する。このとき、塗布ローラー端部にかかるトルクも小さくなり、規定トルクTよりも小さくなると塗布ローラーの回転は止まり、定着ベルト内側への潤滑剤塗布も停止する。以降は再び潤滑剤枯渇が生じるまで定着ベルト44は潤滑剤を介して塗布ローラーに対して摺動状態となる。
[潤滑材]
潤滑剤としては、耐熱性などの観点からシリコーン潤滑剤が好適に使用される。例えば、ジメチルシリコーン潤滑剤、アミノ変性シリコーン潤滑剤、フッ素変性シリコーン潤滑剤が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。また、使用条件に応じて種々の粘度のものが使用されるが、粘度が高すぎるものは塗布時の流動性が劣るため、通常30、000cSt以下のものが使用される。本実施例では、粘度1000cStのジメチルシリコーン潤滑剤を用いる。
[実験]
本実験では、定着処理条件として、サーミスタ42の温度が230℃となるように温調制御を行い、定着ベルトの加圧力を総圧で32kgf、定着ベルトの回転速度を246mm/sとした。加圧ローラーにかかるトルクを潤滑剤枯渇状態と潤沢状態のそれぞれで測定する。潤滑剤潤沢状態の時のトルクは4kgf・cm、潤滑剤枯渇状態のときのトルクは12kgf・cmであった。塗布ローラー端部とフィルムガイド(支持部材)41の磁性体距離hを、潤滑剤潤沢状態から枯渇状態に移行するときのトルクTが4kgf・cm<T<12kgf・cmとなった時点で塗布ローラー47が回転するように前記方法で決めた。
次に耐久試験によって潤滑剤が消耗し、ベルト鳴きが発生する定着ベルトを用意し、上記方法で説明した潤滑剤塗布機構を持つ定着装置に設置し、定着動作をさせると潤滑剤が枯渇した場合にだけ塗布ローラーが回転し、定着ベルト内側に潤滑剤が供給され、ベルト端部から潤滑剤の漏れおよびベルト鳴きが発生しなくなった。
したがって、本実施例に示した潤滑剤塗布機構を用いることによって、ベルト鳴きを防止することができた。
図7は実施例2の模式図である。基本構成は実施例1と同じであり、実施例1とは回転抑制機構と塗布ローラーのサイズだけが異なる。実施例1では回転抑制機構は塗布ローラー47の端部に構成されていたが、実施例2では回転抑制機構70は塗布ローラー71の長手に渡って構成される。このように長手に渡って塗布ローラー71の圧力を受け止めることで、ニップ圧力が高くなった場合であっても均一に潤滑剤を塗布することができる。また、本実施例では塗布ローラー71は径10mmである。他の構成は実施例1と同様に構成される。
図8は実施例2における回転抑制機構70の模式図である。実施例2では塗布ローラー71は長手全域にわたって、磁石で構成される。フィルムガイド41に固定され、塗布ローラー71に対向するローラー受け樹脂72およびローラー受け磁石73は塗布ローラー71に対し左右60度ずつの角度にわたって配置され、塗布ローラー71の上部60度の部分にはバッファ領域30が配置される。
塗布ローラー71とローラー受け磁石73の間の距離hは実施例1と同様に樹脂72で確保され、距離hの決め方は実施例1と同様である。本実施例における潤滑剤塗布機能は実施例1と同等の効果がある。
[実験]
実施例1と同様に本実験では、定着処理条件として、サーミスタ42の温度が230℃となるように温調制御を行い、定着ベルトの加圧力を総圧で32kgf、定着ベルトの回転速度を246mm/sとした。潤滑剤は粘度1000cStのジメチルシリコーン潤滑剤を用いる。
実施例1と同様に加圧ローラーにかかるトルクを潤滑剤枯渇状態と潤沢状態のそれぞれで測定する。潤滑剤潤沢状態の時のトルクは4kgf・cm、潤滑剤枯渇状態のときのトルクは12kgf・cmであった。
実施例1と同様に塗布ローラー71とフィルムガイド41に固定されるの磁性体73との距離hを、潤滑剤潤沢状態から枯渇状態に移行するときのトルクTが4kgf・cm<T<12kgf・cmとなった時点で塗布ローラー71が回転するように前記方法で決めた。
次に耐久試験によって潤滑剤が消耗し、ベルト鳴きが発生する定着ベルトを用意し、上記方法で説明した潤滑剤塗布機構を持つ定着装置に設置し、定着動作をさせると潤滑剤が枯渇した場合にだけ塗布ローラーが回転し、定着ベルト内側に潤滑剤が供給され、ベルト端部から潤滑剤の漏れおよびベルト鳴きが発生しなくなった。また、潤滑剤の膜厚を測定すると実施例1と比べ、その塗りムラが低減された。
したがって、本実施例に示した潤滑剤塗布機構を用いることによって、ベルト鳴きを防止することができた。
10 画像形成部、11 感光ドラム、12 帯電器、13 レーザスキャナ、
14 現像器、15 クリーナ、17 一次転写ブレード17、20 給紙カセット、
25 マルチ給紙トレイ、23 レジストローラー対、30 バッファ領域、
31 中間転写ベルト、32 潤滑剤供給路、35 二次転写ローラー、
40 定着器、41 フィルムガイド(支持部材)、42 サーミスタ、
43 ヒーター、44 定着ベルト、45 加圧ローラー、46 潤滑剤タンク、
47 塗布ローラー、48 塗布ローラー端部磁石、49 塗布ローラー軸受け磁石、
50 塗布ローラー軸受けの樹脂、51 塗布ローラー回転抑制機構、
70 実施例2の塗布ローラー回転抑制機構、
71 実施例2の塗布ローラー回転受けの樹脂、
72 実施例2の塗布ローラー回転受けの磁石

Claims (3)

  1. 被記録材上のトナー像を定着する定着装置であって、所定の軸方向に延びる筒状に形成された定着ベルトと、該定着ベルトの外周面に対して当接した状態で加圧して定着ニップを形成する加圧ローラーと、前記定着ベルト内に配設され、前記定着ベルトを内周面から加熱する加熱部材と、前記定着ベルト内に配設されて、前記加圧ローラーからの加圧力を前記定着ベルトの内周側から受け止めて該定着ベルトを支持する支持体と、必要なときに潤滑剤を定着ベルト内面に塗布する潤滑剤供給機構から構成され、
    該潤滑剤供給機構は、前記支持体のニップ形成部の上流に設置され、前記定着ベルトの内周面と接する潤滑剤塗布ローラーおよび潤滑剤塗布ローラーに潤滑剤供給する潤滑剤供給路と、潤滑剤を蓄える潤滑剤保持部で構成されることを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1の潤滑剤供給機構において、潤滑剤塗布ローラーに規定値以上のトルクが加わったときのみ塗布ローラーがベルトに従動回転するように回転抑制機構を備えることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項2の回転抑制機構はローラー側およびローラーの回転を受け止める支持体側にそれぞれ磁性体が配置され、ローラーが回転しないときはローラー側の磁性体と支持体側の磁性体の極性が常に逆極性になるように構成されていることを特徴とする定着装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017227709A (ja) * 2016-06-21 2017-12-28 コニカミノルタ株式会社 定着装置および画像形成装置
JP2018138937A (ja) * 2017-02-24 2018-09-06 ブラザー工業株式会社 定着装置
JP2018138938A (ja) * 2017-02-24 2018-09-06 ブラザー工業株式会社 定着装置

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